JPH0733831A - 高屈折光学材料用有機ガラス - Google Patents
高屈折光学材料用有機ガラスInfo
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- JPH0733831A JPH0733831A JP5198814A JP19881493A JPH0733831A JP H0733831 A JPH0733831 A JP H0733831A JP 5198814 A JP5198814 A JP 5198814A JP 19881493 A JP19881493 A JP 19881493A JP H0733831 A JPH0733831 A JP H0733831A
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Abstract
撃性が高く、かつ透明に優れ、眼鏡レンズ、プリズム、
光ディスク等の光学的な性質を重視する分野に使用でき
る高屈折光学材料用有機ガラスを開発する。 【構成】 ジアリルテレフタレートモノマーおよび/ま
たはジアリルイソフタレートモノマーおよび/またはジ
アリルフタレートモノマーを含み、かつ下記(略す)の
構造を有する臭素入りアリルエステルオリゴマーであっ
て、30℃での粘度が50〜2000cP、屈折率が
1.53〜1.58になるように調製した原料を共重合
させて得られる高屈折光学材料用有機ガラスにより目的
を達成することができる。
Description
ラスに関するものであり、さらに詳しくは眼鏡用レンズ
材料やその他の光学用材料に使用できる、屈折率が高
く、しかも耐衝撃性の優れた光学材料として好適な有機
ガラスに関するものである。
較して軽量であるために、ジエチレングリコールビス
(アリルカーボネート)(以下「CR−39」と略す)
やメチルメタクリレート等の重合体からなる有機ガラス
が使用されている。しかし、これらの有機ガラスの屈折
率は1.49〜1.50と無機ガラス(ホワイトクラウ
ンガラスの場合1.523)に比較して低く、無機ガラ
スの場合よりも厚くなり軽量化のメリットが損なわれ、
また視力矯正用レンズとして用いた場合、度が強くなる
と見かけが悪くなるという欠点があった。
系モノマーを用いた有機ガラスが種々提案されている
が、脆かったり透過率の点で問題があり、これを改良す
るために、単官能重合性モノマーで希釈した場合には、
耐熱性、耐溶剤についての性能に支障をきたし、有機ガ
ラスとしては不十分な性能であった。
部が多価飽和カルボン酸と多価飽和アルコールから誘導
された次の構造を持つアリルエステルも知られている。 CH2 =CHCH2 O{CORCOOB'O }n CORCOOCH2 CH=CH2 (式中、Rは炭素数が1〜20の2価の有機残基を表わ
し、B’はジオールから誘導された2価の有機残基であ
り、nは1〜20の数である。) このアリルエステルは耐衝撃性に非常に優れた硬化物を
与えるが、この場合、内部にB’の脂肪族炭化水素を用
いるために、多価飽和カルボン酸としてテレフタル酸や
イソフタル酸を用いても、ジアリルテレフタレートモノ
マーまたはジアリルイソフタレートモノマーそのものの
硬化物よりも屈折率が低下してしまうという欠点があっ
た。
5号公報にハロゲンが入ったアリルエステル樹脂を提案
したが、この樹脂はこのままだと粘度が高い上に、比重
も非常に高く光学材料として使用できる樹脂ではなかっ
た。
問題点を解決し、眼鏡用レンズ材料やその他の光学用材
料に使用できる、屈折率が高く、しかも耐衝撃性の優れ
た光学材料として好適な有機ガラスを提供することにあ
る。
達成するために鋭意研究を行なった結果、臭素を含んだ
特定のアリルエステルオリゴマーと、特定のモノマーを
組み合わせた特定の粘度と屈折率を有する原料を用い、
それを硬化させることによって、眼鏡用レンズ材料やそ
の他の光学用材料に使用できる、屈折率が高く、しかも
耐衝撃性の優れた光学材料として好適な有機ガラスを製
造することができることを見いだし本発明を完成するに
至った。
フタレートモノマーおよび/またはジアリルイソフタレ
ートモノマーおよび/またはジアリルフタレートモノマ
ーを含み、かつ下記の構造を有する臭素入りアリルエス
テルオリゴマーであって、30℃での粘度が50〜20
00cP、屈折率が1.53〜1.58になるように調
製した原料を共重合させて得られる高屈折光学材料用有
機ガラスである。 CH2 =CHCH2 O{COACOOBO}n COACOOCH2 CH=CH2 (式中、Aは炭素数が1〜20の2価の有機残基を表わ
し、Bは1個以上の臭素を有するジオールから誘導され
た2価の有機残基であり、nは1〜20の数である。) 合成された前記臭素入りオリゴマー中には、アリルエス
テルモノマーのような低分子の原料モノマーが残存する
が、これらの残存モノマーは分離することなくそのまま
使用することができる。
エート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレ
ート、ビニルベンゾエート、1,2−シクロヘキサンジ
カルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボ
ン酸ジアリルおよび1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸ジアリルから選択される少なくとも一種のモノマーを
含む前記臭素入りアリルエステルオリゴマーを用いるこ
とを特徴とする請求項1記載の高屈折光学材料用有機ガ
ラスである。
するジカルボン酸のジアリルエステルと、ハロゲンを含
んだジオールとをエステル交換反応触媒の存在下に、ア
リルアルコールを留去させながら反応させて得ることが
できる。
ボン酸のジアリルエステルの代わりに、対応するジカル
ボン酸の炭素数が1〜3よりなる低級脂肪族アルコール
とのジエステルとアリルアルコールを原料に用いて、低
級脂肪族アルコールを留去させながら反応させて得る方
法を挙げることができる。
ロモネオペンチルグリコール、テトラブロモビスフェノ
ール−Aのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサ
イド付加物などを挙げることができる。
ン酸としては、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、ピメリン酸、
コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボ
ン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、
ドデカンジカルボン酸、1,2−または1,3−または
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、ジフェニル−p,p′−ジカ
ルボン酸、ジフェニル−m,m′−ジカルボン酸、1,
4−または1,5−または2,6−または2,7−ナフ
タリンジカルボン酸、ジフェニルメタン−p,p′−ジ
カルボン酸、ジフェニルメタン−m,m′−ジカルボン
酸、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸、p−フ
ェニレンジ酢酸、p−カルボキシフェニル酢酸、メチル
テレフタル酸、テトラクロルフタル酸等を挙げることが
できる。これらの中でもテレフタル酸やイソフタル酸の
ようなベンゼン環を含んだ二価の飽和カルボン酸が、屈
折率を上げるうえで好ましい。
は前記ジオール以外に、屈折率の低下がない範囲で他の
ジオールも使用することができる。そのような二価の飽
和アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,5−ペンタンジオール、ヘキサメチレ
ングリコール、ヘプタメチレングリコール、オクタメチ
レングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレ
ングリコール、ウンデカメチレングリコール、ドテカメ
チレングリコール、トリデカメチレングリコール、エイ
コサメチレングリコール、水素化ビスフェノール−A、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−エチル−
2,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキ
サンジオール、スチレングリコール等の炭素だけからな
る飽和グリコールと、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、ビスフェノール−Aのエチレンオキサイ
ド付加物、ビスフェノール−Aのプロピレンオキサイド
付加物等のエーテル基を含んだ2価の飽和アルコール等
を挙げることができる。ただし、これらのジオールを使
用すると、比重は小さくなるので好ましいが、屈折率の
低下を招く場合があるので、少量の使用にとどめた方が
よい。
テルオリゴマーを得るためには、これらの使用比率は、
2価の飽和カルボン酸のカルボキシル基よりも、ジオー
ルのヒドロキシル基の方を少なく用いる必要がある。あ
まりにこの官能基の使用比率が近いと、生成したアリル
エステルオリゴマーの分子量が著しく上がりすぎてしま
い、光学材料用原料として使用するには、粘度が高くな
りすぎるので好ましくない。そこでこれらの比率はカル
ボキシル基/ヒドロキシル基の割合が、10/9から5
/1、より好ましくは5/4から3/1の間に入ること
が望ましい。
従来知られているエステル交換触媒が使用できるが、特
に好ましいのはアルカリ金属、アルカリ土類金属および
それらの酸化物、および弱酸塩、Mn,U,Zn,C
d,Zr,Pb,Ti,CoおよびSnの酸化物、水酸
化物、無機酸塩、アルコラート、有機酸塩、ジブチル錫
オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ジク
ロライド等の有機錫化合物等を挙げることができる。
うが適度な速度でアリルアルコールを留出させ得るよう
な量を使用すべきである。一般的には、ジアリルまたは
ジアルキルエステルに対して0.0001重量%〜1重
量%、特に好ましくは0.001重量%〜0.1重量%
程度を使用することが好ましい。
ルを用いた場合にはアリルアルコールの沸点以上、低級
アルコールのジアルキルエステルを用いた場合には低級
アルコールの沸点以上に加熱して、エステル交換を行な
わせオリゴマーの生成に有利なように生成するアリルア
ルコールまたは低級アルコールを反応蒸留により反応器
から系外に留去する。一般に常圧か、加圧下に反応を行
なうが、反応の転化率が上がってくるとともに、反応系
内を減圧にしてアリルアルコールまたは低級アルコール
の留去を速やかに行なう方法も効果的である。
を用いた場合はアリルアルコールの沸点以下だとアリル
アルコールの留去を効果的に行なうことができず、ま
た、あまりに温度が高いと熱重合等の問題があるので、
一般には100℃から300℃の間、より好ましくは1
30℃から250℃の間から選択される。
いた場合には生成する低級アルコールと反応させるアリ
ルアルコールの沸点が近いために反応初期からあまりに
高温に加熱したのでは、アリルアルコールが低級アルコ
ールとともに留出してしまう恐れがある。そこで、効率
のよい精留塔を付けるとともに、反応温度としては、一
般には反応初期の段階では80℃〜150℃の間、より
好ましくは90℃〜130℃の間、低級アルコールの大
半が留出した後に100℃から300℃の間、より好ま
しくは130℃から250℃の間から選択した方がよ
い。
しては、ジアルキルエステルに対して少なくとも0.2
モル当量は必要であり、通常は0.5モル当量以上好ま
しくは1モル当量以上使用すべきである。しかし、余り
に大過剰に用いたのでは、余分なアリルアルコールを除
去しなければならず、また必ずしも反応速度が速くなら
ないので、20モル当量以下にとどめるべきである。ま
た、反応温度によってはハイドロキノンのような重合禁
止剤を反応液中に共存させてもよい。
しては、種々の方法が実施できる。例えば生成したアリ
ルエステルオリゴマーから蒸留や再沈によりモノマーを
抜いて精製することも可能であるが、通常は反応中に副
生したり原料として用いたジアリルエステルモノマーが
共存した状態でも使用することができ、工業的にはこち
らの方が有利である。
衝撃性、屈折率が通常のアリルエステルオリゴマーに比
較して飛躍的に高くなる。ただし、このままの状態だ
と、比重が大きい上に、ほぼ固体状であるか、粘度が非
常に高いので、レンズ成形で行われている、注型重合を
実施することができない。
ル樹脂の持っている良さを残したまま高粘度、高比重を
解消するために上記ハロゲン含有アリルエステルオリゴ
マーに、ジアリルテレフタレートモノマー(DATPと
略す)および/またはジアリルイソフタレートモノマー
(DAIPと略す)および/またはジアリルフタレート
モノマー(DAPと略す)を組み合わせたり、あるいは
さらにアリルベンゾエート、ベンジルメタクリレート、
フェニルメタクリレート、ビニルベンゾエート、1,2
−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シク
ロヘキサンジカルボン酸ジアリルおよび1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸ジアリルから選択される少なくと
も一種のモノマーを組み合わせることが肝要である。
に、ジアリルテレフタレートモノマーおよび/またはジ
アリルイソフタレートモノマーおよび/またはジアリル
フタレートモノマーを組み合わせる場合は、上記ハロゲ
ン含有アリルエステルオリゴマー30〜70重量部に対
して、ジアリルテレフタレートモノマーおよび/または
ジアリルイソフタレートモノマーおよび/またはジアリ
ルフタレートモノマー70〜30重量部を組み合わせる
ことが好ましい。
高粘度、高比重のために70重量部以上の使用は困難で
あり、30重量部以下では、屈折率が1.57程度にし
かならない。そのため使用量としては、30〜70重量
部より好ましくは35〜60重量部の範囲から選択する
べきである。
またはジアリルイソフタレートモノマーおよび/または
ジアリルフタレートモノマーは、あまりに多く使用する
とこれらのモノマーの持っている脆い性質が出てしま
い、耐衝撃性が著しく低下してしまう。また、使用量を
あまりに少なくし過ぎた場合には、配合系全体の粘度を
下げることができない。そのため使用量としては、70
〜30重量部より好ましくは50〜30重量部の範囲か
ら選択するべきである。
クリレート、フェニルメタクリレート、ビニルベンゾエ
ート、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、
1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルおよび
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルから選択
される少なくとも一種のモノマーを組み合わせる場合に
は、ハロゲン含有アリルエステルオリゴマー30〜70
重量部に対して、アリルベンゾエートおよび/またはベ
ンジンメタクリレートおよび/またはフェニルメタクリ
レートおよび/またはビニルベンゾエート0〜25重量
部、1,2−および/または1,3−および/または
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルモノマー
0〜20重量部を組み合わせることが好ましい。
ート、フェニルメタクリレート、ビニルベンゾエートな
どとの組み合わせは、耐衝撃性を落とさずに粘度を低下
させる方法としては非常に優れているが、過度に使用し
た場合には、耐溶剤性、表面硬度や染色性が著しく悪く
なる欠点がある。そのため使用量としては、0〜25重
量部、より好ましくは5〜20重量部の範囲から選択す
るべきである。
または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルモ
ノマーなどとの組み合わせは、耐衝撃性を落とさず粘度
を低下させる効果は大きく、比重についても飛躍的に軽
くなるが、その使用量を多くした場合には屈折率が著し
く悪くなってしまうので20重量部以下、より好ましく
は15重量部以下の使用量にとどめるべきである。
ゴマーに上記モノマーを配合した後の粘度は重要であ
り、あまりに高すぎる場合にはCR−39で一般に行わ
れている注型重合を実施できなくなるし、あまりに低す
ぎる場合には注型を行う前にCR−39と同じように予
備重合により、粘度を上げるという操作が必要となって
くる。そこで、配合後の粘度としては、前記重量比の範
囲内で50〜20000cP(30℃)、好ましくは8
0〜3000cP(30℃)、さらに好ましくは50〜
2000cP(30℃)、特に好ましくは70〜800
cP(30℃)になるように配合物を調整することが望
ましい。
合後の粘度だけでなく、屈折率も重要な因子である。屈
折率はあまりに低すぎると、硬化後も屈折率は低いまま
であり、またこれらの配合物で硬化前の屈折率をあまり
に高く調整しようとすると、硬化後のアッベ数が低くな
りすぎてしまい、光学材料としてのバランスを崩すうえ
に、ハロゲン原子の使用比率を高くする必要があり、比
重が高くなってしまうという問題がある。そこで配合後
の屈折率としては前記重量比の範囲内で、1.53〜
1.58(30℃)、より好ましくは1.55〜1.5
7(30℃)になるように配合物を調整することが望ま
しい。
モノマーを配合して希釈することも当然可能である。こ
のような重合性モノマーとしてはジアリルアジペート、
トリアリルイソシアヌレート、トリメリット酸トリアリ
ル、エンディック酸ジアリル等のアリルエステル系モノ
マー類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、アジ
ピン酸ジビニル等のビニルエステル類が挙げられる。た
だし、これらの配合量は、あくまで上記配合物やそれか
ら得られる有機ガラスの諸物性が変わらない範囲にとど
めるべきである。
るためには上記配合物にラジカル硬化剤を添加して硬化
を行う。この硬化剤としては、熱、マイクロ波、赤外
線、または紫外線によってラジカルを生成し得るもので
あればいずれのラジカル重合開始剤の使用も可能であ
り、上記配合物の用途、目的、成分の配合比および硬化
方法等によって適宜選択して使用することができる。
行われているように、ジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート、ジーn−プロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート等の
パーカーボネート類を上記配合物100重量部に対して
1〜10重量部用い、30℃から100℃の温度範囲で
注型重合法により、硬化させて有機レンズを得ること
が、現状の有機ガラスの生産ラインを変える必要がない
ので好ましい。しかし、配合物の粘度によっては高温で
注型を行わなければならない場合もあるので、このよう
な場合にはジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイドのような分解温度の高い開始剤を用いる必
要がある。
るが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。 (参考例−1)蒸留装置のついた1リットル三ツ口フラ
スコにジアリルテレフタレートモノマー300g、テト
ラプロモビスフェノール−Aのエチレンオキサイド2モ
ル付加体383g、ジブチル錫オキサイド0.3gを仕
込んで窒素気流下で180℃に加熱し、生成してくるア
リルアルコールを留去した。アリルアルコールが50g
程度留出したところで、反応系内を10mmHgまで減圧に
し、アリルアルコールの留出速度を速めた。理論量のア
リルアルコールが留出した後、更に1時間加熱を続け、
最終的に190℃−1mmHgで1時間保持した後、反応器
を冷却しテレフタル酸ジアリルモノマー12重量%を含
んだ重合性オリゴマー約600gを得た。これを以下、
原料−Aとする。
ジアリルモノマーの代わりにイソフタル酸ジアリルモノ
マーを用いて参考例−1と同様に反応を行い、イソフタ
ル酸ジアリルモノマーを13重量%を含んだ重合性オリ
ゴマー約600gを得た。これを以下、原料−Bとす
る。
ル三ツ口フラスコにテレフタル酸ジアリル400g、ジ
ブロモネオペンチルグリコール213g、ジブチル錫オ
キサイド4gを仕込んで窒素気流下で加熱し、160℃
に液温が到達した時点で、反応系内を10mmHgまで減圧
にして、内温が160℃を越えないようにアリルアルコ
ールを留出させた。ほぼ理論量のアリルアルコールが留
出した後、1mmHgまで減圧度を上げて160℃で更に1
時間加熱を続けた。反応器を冷却しテレフタル酸ジアリ
ルモノマー19重量%を含んだ重合性オリゴマー約50
0gを得た。これを以下、原料−Cとする。
ジアリルモノマーの代わりにイソフタル酸ジアリルモノ
マーを用いて参考例−1と同様に反応を行い、イソフタ
ル酸ジアリルモノマーを19重量%を含んだ重合性オリ
ゴマー約500gを得た。これを以下、原料−Dとす
る。
ル三ツ口フラスコにテレフタル酸ジアリルモノマー60
0g、プロピレングリコール93g、ジブチル錫オキサ
イド0.6gを仕込んで窒素気流下で180℃に加熱
し、生成してくるアリルアルコールを留去した。アリル
アルコールが100g程度留出したところで、反応系内
を10mmHgまで減圧にし、アリルアルコールの留出速度
を速めた。理論量のアリルアルコールが留出した後、更
に1時間加熱を続け、最終的に190℃−1mmHgで1時
間保持した後、反応機を冷却しテレフタル酸ジアリルモ
ノマー27重量%を含んだ重合性オリゴマー約530g
を得た。これを以下、原料−Eとする。
組成物を調整し、この組成物に更にジイソプロピルパー
オキシジカーボネート(表1ではIPPと略す)を表1
に示した量だけ混合し、セロハン張りのガラス板を用い
て注型重合により、2時間で40℃から120℃まで昇
温させて、120℃で一時間保持した後有機ガラス成形
品を得た。各実施例の諸物性を表1に示す。
同様の硬化条件で臭素を含まない原料−Eを用い、表1
に示す配合で重合用組成物を調整し、この組成物に更に
ジイソプロピルパーオキシジカーボネートを表1に示し
た量だけ混合し、実施例と同様にして有機ガラス成形品
を得た。表1に諸物性を合わせて示すが、屈折率が臭素
を含んだ実施例のものよりも低く、また成形品の耐衝撃
性も低かった。
って行った。 1.光線透過率 ASTM D−1003に準じて測定
を行った。 2.屈折率およびアッベ数 アッベ屈折率計(アタゴ
製)を用いて測定した。 3.表面硬度(鉛筆硬度) JIS K−5400に準
じて、荷重1kgf で実施し、傷の付かない最高の鉛筆硬
度で示した。 4.耐衝撃性 JIS K−7211の落錘衝撃試験方
法に準じて、デュポン衝撃試験機(東洋精機制作所製)
を用い、試験片厚3mm、落下重錘質量500gで試験を
行い、50%破壊高さを求めた。
は、臭素を含んだ特定のアリルエステルオリゴマーと、
特定のモノマーを組み合わせた特定の粘度と屈折率を有
する原料を用い、現状の有機ガラスの生産ラインを変え
ることなく注型重合法により硬化させて製造することが
できる。本発明の高屈折光学材料用有機ガラスは、従来
の有機ガラスに比較して、屈折率や耐衝撃性が高く、か
つ透明に優れているので、眼鏡レンズに限らず、プリズ
ム、光ディスク等の光学的な性質を重視する分野に使用
できるのでその産業上の利用価値は甚だ大きい。
Claims (2)
- 【請求項1】 ジアリルテレフタレートモノマーおよび
/またはジアリルイソフタレートモノマーおよび/また
はジアリルフタレートモノマーを含み、かつ下記の構造
を有する臭素入りアリルエステルオリゴマーであって、
30℃での粘度が50〜2000cP、屈折率が1.5
3〜1.58になるように調製した原料を共重合させて
得られる高屈折光学材料用有機ガラス。 CH2 =CHCH2 O{COACOOBO}n COACOOCH2 CH=CH2 (式中、Aは炭素数が1〜20の2価の有機残基を表わ
し、Bは1個以上の臭素を有するジオールから誘導され
た2価の有機残基であり、nは1〜20の数である。) - 【請求項2】 アリルベンゾエート、ベンジルメタクリ
レート、フェニルメタクリレート、ビニルベンゾエー
ト、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、
1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルおよび
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルから選択
される少なくとも一種のモノマーを含む前記臭素入りア
リルエステルオリゴマーを用いることを特徴とする請求
項1記載の高屈折光学材料用有機ガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19881493A JP3573353B2 (ja) | 1993-07-19 | 1993-07-19 | 高屈折光学材料用組成物、該組成物の製造方法、該組成物を硬化してなる高屈折光学材料用有機ガラス及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19881493A JP3573353B2 (ja) | 1993-07-19 | 1993-07-19 | 高屈折光学材料用組成物、該組成物の製造方法、該組成物を硬化してなる高屈折光学材料用有機ガラス及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0733831A true JPH0733831A (ja) | 1995-02-03 |
JP3573353B2 JP3573353B2 (ja) | 2004-10-06 |
Family
ID=16397362
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19881493A Expired - Lifetime JP3573353B2 (ja) | 1993-07-19 | 1993-07-19 | 高屈折光学材料用組成物、該組成物の製造方法、該組成物を硬化してなる高屈折光学材料用有機ガラス及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3573353B2 (ja) |
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1993
- 1993-07-19 JP JP19881493A patent/JP3573353B2/ja not_active Expired - Lifetime
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