JP2000007738A - アクリル系硬化性組成物、及びアクリル系樹脂成形体 - Google Patents

アクリル系硬化性組成物、及びアクリル系樹脂成形体

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JP2000007738A
JP2000007738A JP18831498A JP18831498A JP2000007738A JP 2000007738 A JP2000007738 A JP 2000007738A JP 18831498 A JP18831498 A JP 18831498A JP 18831498 A JP18831498 A JP 18831498A JP 2000007738 A JP2000007738 A JP 2000007738A
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Takashi Tsuda
隆 津田
Katsunobu Mochizuki
克信 望月
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、剛性、耐熱性、機械的強度に優れた
樹脂成形体、及びその製造用アクリル系硬化性組成物を
提供する。 【解決手段】 一般式 【化1】 (但し、R1、R2は同一、若しくは異なる脂環式アルキ
ル基を示す。)で示されるアクリル系エーテル化合物
と、(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は(メタ)ア
クリロイル基を2個以上有するポリエステルと、ラジカ
ル発生型重合開始剤とを少なくとも含有させてアクリル
系硬化性組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、機械的強
度、耐熱性に優れる樹脂成形体、及びその製造に使用す
るアクリル系硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アクリル系樹脂は各種の用途に用
いられている。特に、透明アクリル板やアクリル系人工
大理石に代表される、注型重合により製造されるアクリ
ル系樹脂成形体は、その欠点として、耐衝撃性不良や耐
熱性不足が指摘されている。これらの欠点を改良する手
段として、高分子量の収縮防止剤を添加する方法(特開
平5−124844号公報、特開平3−185021号
公報)、マクロモノマーを添加する方法(特開平8−1
35802号公報)、及び多官能低分子量モノマーを添
加する方法(特開平8−231610号公報)等が提案
されている。
【0003】しかしながら、収縮防止剤を添加する方法
においては、収縮防止剤はメタクリル酸アルキルモノマ
ーと共重合していないため、またマクロモノマーを添加
する方法においては、マクロモノマーは高分子量であ
り、しかもメタクリル酸アルキルモノマーと共重合する
ものの単官能であるため、充分な添加効果が発揮され
ず、このためこれらを配合した硬化性組成物を用いて製
造される成形体の耐衝撃性はなお不十分である。
【0004】また、多官能低分子量モノマーを添加する
方法においては、軽量な硬化物が得られ難いという問題
がある。
【0005】一方、光学材料の分野において、分子量の
大きいダイマージオールの誘導体、即ちダイマージオー
ルジメタクリレートを利用して成形体を製造する発明が
提案されている(特開平9−136861号公報)。し
かしながら、この発明によって開示される成形体は、比
重が低く、軽量であるという利点を有するものの、弾性
率が低く、更に耐熱性に劣る問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決するためになされたもので、その目的をするところ
は、軽量で、更に透明性、剛性、耐熱性、機械的強度等
に優れた樹脂成形体、及びその製造に使用するアクリル
系硬化性組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アクリル
系注型樹脂成形体の剛性・耐熱性の改良に寄与する要因
として、使用するアクリル系化合物の適性な化学構造に
着目した。具体的には、重合体の分子鎖熱運動の抑制
と、高分子鎖同士を架橋する架橋分子鎖の分子量の低下
に有効な多官能アクリル系化合物の探索、及びそれに続
く考察を行った。その結果、特定の化学構造を持つアク
リル系エーテル化合物を従来のアクリル系モノマーに加
えることが上記課題の解決に有効であることを発見し
た。即ち、従来のアクリル系モノマー組成物に、上記特
定の化学構造を持つアクリル系エーテル化合物を配合し
た組成物を重合して得られる成形体は、上記問題を確実
に解決するものであることを発見した。本発明は、上記
発見に基づきなされたものである。
【0008】すなわち、本発明は以下の通りに表現され
る。
【0009】〔1〕 成分(A)下記一般式(1)
【0010】
【化2】 (1) (但し、R1、R2は同一、若しくは異なる脂環式アルキ
ル基を示す。)で示されるアクリル系エーテル化合物
と、成分(B)(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は
(メタ)アクリロイル基を2個以上有するポリエステル
と、成分(C)ラジカル発生型重合開始剤とを少なくと
も含有することを特徴とするアクリル系硬化性組成物。
【0011】〔2〕 上記〔1〕のアクリル系硬化性組
成物において、成分(A)、及び成分(B)の合計重量
を基準とし、成分(A)と成分(B)との配合割合が、
成分(A)が5〜90重量%、成分(B)が10〜95
重量%であり、更に成分(A)及び(B)の合計重量を
基準として成分(C)の配合割合が0.02〜5重量%
であること、及び 〔3〕 上記〔1〕又は〔2〕のアクリル系硬化性組成
物において、成分(B)の一部又は全てがダイマージオ
ールジメタクリレートであることを含む。
【0012】また、本発明は 〔4〕 上記〔1〕乃至〔3〕のいずれかに記載のアク
リル系硬化性組成物を重合させて製造したアクリル系樹
脂成形体である。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】成分(A) アクリル系エーテル
化合物 本発明において使用するアクリル系エーテル化合物
(1)は、脂環式アルキル基を持つアクリル酸エステル
とホルムアルデヒドとを反応させる等の方法により製造
することができる。この種のアクリル系エーテル化合物
は、特開昭61−134353号公報等に記載されてい
るように、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エステルを
脱水・二量体化したものであり、エーテル結合を介して
二つのアクリレートが結合した構造を持つ。米国特許4
999410号、Macromolecules 21545(1989) 、Polym
er 35 (15) 3317(1994)等には、この二量体が分子内に
環を形成しながら重合(環化重合)することによりによ
り、溶剤可溶性の線状ポリマーを与えることが示されて
いる。
【0015】本発明に使用するアクリル系エーテル化合
物の一例を、上記文献に記載の方法に準じて合成する場
合を以下に示す。即ち、下記反応式(a)に示すよう
に、脂環式アルキル基を持つアクリル酸エステル
(2)、パラホルムアルデヒド(3)等のホルムアルデ
ヒド、及び三級アミン等の触媒を室温〜150℃の温度
範囲で、数時間〜2週間反応させることにより、α−ヒ
ドロキシメチルアクリレート(4)が生成し、次いで生
成したα−ヒドロキシメチルアクリレート(4)の2分
子が脱水縮合して、アクリル系エーテル化合物(5)を
生じるものである。
【0016】
【化3】 本発明に使用するアクリル系エーテル化合物(1)を上
記方法により製造する場合は、原料のアクリル酸エステ
ル(2)はエステルのアルキル基中に脂環式アルキル基
を含むものである。エステルのアルキル基中に脂環式ア
ルキル基を含むアクリル酸エステルとして好適に用いら
れるものとしては、シクロヘキシルアクリレート、イソ
ボルニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレー
ト、アダマンチルアクリレート、ジシクロペンテニルア
クリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレ
ート等が例示できる。
【0017】ガラス転移点が高く、耐熱性の良い樹脂成
形体を得るためには、縮合多環構造を有するイソボルニ
ルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、ア
ダマンチルアクリレートを用いることが特に好ましい。
【0018】上記アクリル酸エステル(2)と反応させ
るホルムアルデヒドは、通常ホルマリンと称される水和
ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒドと炭素数1〜6の
アルコールから誘導される半アセタール、ホルムアルデ
ヒドの重合体であるパラホルムアルデヒド等が使用でき
る。副反応が少ないことからパラホルムアルデヒドの使
用が好ましい。
【0019】上記反応に用いる触媒は、特に限定されな
いが、代表的には鎖状または環状脂肪族三級アミンが好
ましい。トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプ
ロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミ
ン、N−メチルジイソプロピルアミン、 N,N−ジエ
チルイソプロピルアミン、 N,N−ジメチルエチルア
ミン、 N,N−ジメチルプロピルアミン、トリ−2−
エチルヘキシルアミン、N−メチルジエチルアミン、
N,N−ジメチルブチルアミン、 N,N−ジメチル−
(2−エチルヘキシル)アミン、 N,N−プロピル−
(2−エチルヘキシル)アミン、 N,N−ブチル−
(2−エチルヘキシル)アミン、 N−メチル−ジ(2
−エチルヘキシル)アミン、 N−ブチル−ジ(2−エ
チルヘキシル)アミン、1,4―ジアザビシクロ―
[2,2,2]オクタン(以下DABCOと称する)、
ピコリン、及びキノジリンが、収率、並びに選択率が高
い点で好ましく、特に好ましいものはDABCOであ
る。
【0020】アクリル酸エステル(2)とホルムアルデ
ヒドの混和性が悪い場合は、反応系を均一化して反応効
率を上げる目的で、反応系に溶媒を添加することができ
る。用いる溶媒は、反応に影響を及ぼしたり、自らが反
応に参加する可能性のある官能基を分子中に含まないも
のであれば、何れのものでも使用できる。具体的には、
一級アルコール基、カルボキシル基、アミノ基、イソシ
アネート基などを有する化合物は、溶媒として使用でき
ない。好ましい溶媒としては、ケトン系、酢酸エステル
系、芳香族炭化水素系、脂肪族炭化水素系溶媒等が例示
できる。
【0021】アクリル酸エステル(2)と、ホルムアル
デヒドとの配合割合は、モル比で1:10〜10:1が
好ましく、1:5〜5:1が更に好ましい。両者のモル
比がこの配合割合から外れるに従い、収率が低下する傾
向がある。
【0022】三級アミン等の触媒の使用量は、アクリル
酸エステルとホルムアルデヒドとの合計重量(溶媒を用
いる場合は、溶媒を含めた合計重量)に対し0.3〜2
0重量%が好ましく、1〜10重量%が更に好ましい。
【0023】反応温度は40〜150℃が好ましい。4
0℃未満の場合は反応速度が遅く、反応が終了するまで
に長時間を要する。150℃を越える場合は、副生物が
増えて収率が低下する傾向にある。
【0024】反応終了後、得られた反応混合物を、常法
により酸性水で洗浄して触媒を除去する。その後、必要
に応じ、常法に従って再結晶、蒸留等の処理をすること
により精製し、アクリル系エーテル化合物(1)を単離
する。成分(B) (メタ)アクリル酸アルキル及び/
又は(メタ)アクリロイル基を2個以上有するポリエス
テル本発明アクリル系硬化性組成物のもう一方の主要成
分(B)は(メタ)アクリル酸アルキル、及び/又は
(メタ)アクリロイル基を2個以上有するポリエステル
である。
【0025】(メタ)アクリル酸アルキルとしては、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸i
-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アク
リル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロ
ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アク
リル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリ
ル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリ
ル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸アダマン
チル等のアルキル基の炭素数が1〜25の単官能性のも
のが例示できる。
【0026】(メタ)アクリロイル基を2個以上有する
ポリエステルとしては、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジ(メタ)
アクリレート、ポリエステルポリオールジ(メタ)アク
リレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ダイマージ
オールジ(メタ)アクリレート、及びトリマートリオー
ルトリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリ
ル酸エステル等が挙げられる。メタアクリロイル基はポ
リエステル中に2個以上存在すれば良いが、特に2〜3
個のものが好ましい。
【0027】これら成分(B)は単独で、または2種以
上併用して使用できる。
【0028】上記成分(B)の選定は、製造するべき樹
脂成形体に要求される物性を考慮して行われるが、成分
(A)との相溶性を確保できることが条件となる。成分
(A)は疎水性が強い固体成分であることが多いため、
選定される成分(B)との混合物も比較的疎水性の強い
組成物となる傾向にある。
【0029】好ましく使用される成分(B)としては、
成分(A)との相溶性に優れ、耐水性や耐候性の良い成
形体を与える(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メ
タ)アクリル酸トリシクロデカニル、ダイマージオール
ジ(メタ)アクリレート、及びトリマートリオールトリ
(メタ)アクリレートを挙げることができ、これらの内
でもダイマージオールジメタクリレートが特に好ましい
ものである。
【0030】また、成分(B)は炭化水素含有率が75
重量%以上であることが好ましく、より好ましくは80
重量%以上である。成分(B)の炭化水素含有率が75
重量%以上の場合には、成分(A)との相溶性に優れ、
更に得られる樹脂成形体の軽量化、及び耐水性の向上が
図れるものである。ここで、炭化水素含有率とは、成分
(B)の重量における炭素と水素の合計量の占める重量
割合であり、下記式によって算出することができる。
【0031】
【数1】炭化水素含有率=100(12×炭素数+水素数)
/成分(B)の分子量 成分(C) ラジカル発生型重合開始剤 本発明に使用される重合開始剤には、ラジカル発生型重
合開始剤として常用される有機過酸化物やアゾ系化合物
があり、これらを単独で、若しくは適宜混合して使用す
ることができる。具体的には、ベンゾイルパーオキシ
ド、ラウロイルパーオキシド、オクタノイルパーオキシ
ド、ジ−t−ブチルパーオキシド、アゾビスイソブチロ
ニトリルなどが例示できる。 アクリル系硬化性組成物 本発明のアクリル系硬化性組成物は、前述した、成分
(A)アクリル系エーテル化合物、成分(B)(メタ)
アクリル酸アルキル及び/又は(メタ)アクリロイル基
を2個以上有するポリエステル、及び成分(C)ラジカ
ル発生型重合開始剤を少なくとも含有し、これらの配合
割合は、成分(A)と成分(B)との合計重量基準で、
以下に示す範囲が好ましい。 成分(A)アクリル系エーテル化合物 5〜90重量% 成分(B)(メタ)アクリル酸エステル 10〜95重量% 成分(C)ラジカル発生型重合開始剤 0.02〜5重量% 成分(A)の特に好ましい配合割合の範囲は15〜60
重量%で、成分(B)の特に好ましい配合割合の範囲は
40〜85重量%である。
【0032】ここで、成分(A)の配合割合が5重量%
未満である場合は、得られる成形体の耐熱性や剛性が劣
るものになり、90重量%を越える場合は、得られる成
形体の耐衝撃性が低下したものになる。また、成分
(C)の配合割合が0.02重量%未満の場合は得られ
る成形体の硬化性が不足し、5重量%を超える場合は得
られる成形体の強度が低下する傾向にある。
【0033】本発明の硬化性組成物は、上記主要成分
(A)及び(B)以外に、少量の重合成分として、他の
ラジカル重合性単量体を配合することができる。但し、
高度の重合反応性を維持できるように、他のラジカル重
合性単量体の使用量は30重量%以下(成分(A)と成
分(B)との合計重量基準)に限定する必要がある。
【0034】また、本発明の硬化性組成物には、連鎖移
動剤、重合速度調整剤、顔料、無機充填剤、離型剤、滑
剤、紫外線吸収剤、安定剤、重合禁止剤、増粘剤などを
添加していても良い。添加量は、当業者が目的に応じて
適宜決定する通常の添加量の範囲で良い。
【0035】本発明のアクリル系硬化性組成物は、所望
の型枠に入れ、若しくは型枠に入れることなくそのま
ま、40〜180℃で1〜48時間保持することにより
固化し、所望の形状の樹脂成形体とすることができる。
重合条件自体は、当業者に公知の一般アクリル系の重合
条件とほぼ同様のものである。
【0036】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
更に具体的に説明する。各例における成分の配合量は、
全て重量部である。なお、実施例で使用した2種のアク
リル系エーテル化合物は、Polymer 35 (15) 3317(1994)
に記載された方法に準じて合成した。ダイマージオール
ジメタクリレートは、特開平9−136861号公報に
記載された方法により合成した。
【0037】実施例1〜3、及び比較例1〜2 成分(A)として、合成したイソボルニル基含有アクリ
ル系エーテルダイマー(IBED)、及びトリシクロデ
カニル基含有アクリル系エーテルダイマー(TCED)
を使用した。
【0038】IBEDの原料であるアクリレートは、共
栄社化学(株)製ライトアクリレートIB−XAを使用
し、TCEDの原料であるアクリレートは、日立化成工
業(株)製ファンクリルFA−513Aを使用した。
【0039】成分(B)としては、ダイマージオールジ
メタクリレート(DDDM)、及びイソボルニルメタク
リレート(IBM)を使用した。
【0040】成分(C)としてはラウロイルパーオキシ
ド(LPO)を用いた。
【0041】各成分を表1に示した組成で秤量し、50
℃以下の温度で混合し、均一溶液を得た。この溶液中に
窒素ガスを5分間バブリング後、30分間静置すること
により均一溶液中の気泡を除去した。中央部に長方形の
溝を打抜いたテフロンまたはゴム製シートをスペーサー
とし、このスペーサーの上下を二枚のマイラーフィルム
で気密に覆って形成した型枠中に前記均一溶液を流し込
み、更に二枚のアルミ板で型枠の上下両面を押圧固定し
て加熱し、型枠中の均一溶液を硬化させた。硬化条件
は、70℃で2時間、次いで90℃で2時間、更に12
0℃で1時間とした。
【0042】得られた成形体(試験片)を用い、以下の
物性を測定した。結果を表1に併せて示した。 ・ 動的粘弾性試験:岩本製作所製 VES−F−III
を使用し、引張りモード、周波数10Hz、昇温速度3
℃/分、温度域−100〜200℃で温度依存性を観測
した。25℃、50℃、80℃における複素弾性率(E
*)と、tanδ極大(tanδmax)温度の値を表
1に示した。 ・ 比重:メトラ比重測定器 ME33360を使用し、
メタノールを用いて比重を測定した。 ・ 曲げ試験:JIS K7171に準じ、長さ8c
m、幅1cm、厚さ0.4cmの試験片を用いて曲げ強
度を測定した。
【0043】
【表1】 実施例1〜3と比較例1、2の結果から明らかなよう
に、本発明の組成物から得た硬化物(成形体)は剛性と
耐熱性に優れ、また一般のアクリル系硬化物の比重が約
1.2程度であるのに対し、本発明成形体の比重は1.
01〜1.03程度で、軽量なものであった。更に、透
明性も良いものであった。
【0044】実施例4 成分(A)としてアダマンチル基含有アクリル系エーテ
ル化合物を60部、成分(B)としてアクリル酸メチル
を40部、及び成分(C)としてアゾビスイソブチロニ
トリルを0.2部を室温下で混合して、本発明のアクリ
ル系硬化性組成物を製造した。
【0045】実施例5 成分(A)としてシクロヘキシル基含有アクリル系エー
テル化合物を40部、成分(B)としてメタクリル酸メ
チルを60部、及び成分(C)としてアゾビスイソブチ
ロニトリルを0.1部を室温下で混合して、本発明のア
クリル系硬化性組成物を製造した。
【0046】
【発明の効果】本発明の組成物は、通常使用されるアク
リル系モノマーに、更に成分(A)で示される特殊な化
学構造のアクリル系エーテル化合物を配合したので、こ
の組成物から得られる硬化物は剛性と耐熱性に優れると
共に、透明で軽量な成形材料として幅広い用途に適用で
き、工業的な価値は極めて大きいものである。また、成
分(B)として、炭化水素含有率75%以上のものを用
いる場合には、成分(A)との相溶性に優れて本発明組
成物を製造し易くすると共に、得られる成形体の軽量
化、耐水性の向上効果が著しいものである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J027 AB03 AB10 AB28 AC03 AC04 AC06 AG01 BA02 BA07 BA10 BA12 BA19 BA23 BA24 BA26 CB03 CB09 CC02 CD01 4J100 AL65P AL65Q AL71P BA02Q BA05Q BA21P BC02P BC04Q BC07P BC07Q BC09P BC09Q BC28Q CA04 FA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分(A)下記一般式(1) 【化1】 (1) (但し、R1、R2は同一、若しくは異なる脂環式アルキ
    ル基を示す。)で示されるアクリル系エーテル化合物
    と、成分(B)(メタ)アクリル酸アルキル及び/又は
    (メタ)アクリロイル基を2個以上有するポリエステル
    と、成分(C)ラジカル発生型重合開始剤とを少なくと
    も含有することを特徴とするアクリル系硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 上記成分(A)、及び成分(B)の合計
    重量を基準とし、成分(A)と成分(B)との配合割合
    が、成分(A)が5〜90重量%、成分(B)が10〜
    95重量%であり、更に成分(A)及び(B)の合計重
    量を基準として成分(C)の配合割合が0.02〜5重
    量%である請求項1に記載のアクリル系硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 上記成分(B)の一部又は全てがダイマ
    ージオールジメタクリレートである請求項1又は2に記
    載のアクリル系硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のアク
    リル系硬化性組成物を重合させて製造したアクリル系樹
    脂成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006089528A (ja) * 2004-09-21 2006-04-06 Nippon Shokubai Co Ltd Led封止剤、それを含む発光ダイオードおよび硬化性組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006089528A (ja) * 2004-09-21 2006-04-06 Nippon Shokubai Co Ltd Led封止剤、それを含む発光ダイオードおよび硬化性組成物

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