JP2729672B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JP2729672B2 JP19107589A JP19107589A JP2729672B2 JP 2729672 B2 JP2729672 B2 JP 2729672B2 JP 19107589 A JP19107589 A JP 19107589A JP 19107589 A JP19107589 A JP 19107589A JP 2729672 B2 JP2729672 B2 JP 2729672B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は硬化性組成物に関し、更に詳しくは一般式
(I) CH2=CHCH2O(COArCOOBO)nCOArCOOCH2CH=CH2 ……
(I) で表わされるジアリルテレフタレート系オリゴマーまた
は該オリゴマーの誘導体を一成分として含有する硬化性
組成物に関する。本発明の硬化性組成物は、硬化性に優
れているばかりでなく、該硬化性組成物を硬化して得ら
れる硬化物は耐衝撃性、耐熱性及び低吸水性に優れてい
るため、光学材料、コーティング剤、封止剤、塗料、接
着剤等の産業分野、特に光学材料の分野に極めて有用で
ある。
[従来の技術] 従来、有機光学材料としてポリスチレン系樹脂、ポリ
メチルメタクリレート系樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ジエチレングリコールジアリルカーボネートの重合体等
が利用されており、これらは軽量性、安全性、加工性、
染色性等に優れていることから近年その需要が増大して
いる。
しかし、従来の有機光学材料、例えばポリメチルメタ
クリレート系樹脂の場合、その樹脂特性として吸湿性が
大きく、吸湿の結果形状や屈折率が変化し易く、光学材
料としては不安定である。また、ポリスチレン系樹脂、
ポリカーボネート樹脂の場合は、光学的な複屈折、散乱
光の発生、経時変化による透明度の低下等の欠点を有し
ている。更にジエチレングリコールジアリルカーボネー
トの重合体は、屈折率が低い(屈折率=1.499)ために
光学材料としての応用範囲に自ら制限があった。
これらの欠点を改善するために種々の光学材料用樹脂
が提案されている。これらの例としては、例えば特開昭
57−28115号公報、同57−28116号公報、同59−184210号
公報、同60−7314号公報、同60−179406号公報、同60−
217301号公報、同60−186514号公報、同60−166307号公
報、同60−103301号公報、同60−124607号公報、同62−
232414号公報、同62−235901号公報、同62−267316号公
報、同63−15811号公報、同63−46213号公報、同63−72
707号公報等を挙げることができる。
しかし、これら先行技術によって得られる硬化物は、
光学的に不均一であったり、耐候着色が著しかったり、
寸法安定性が欠けたりする等、光学材料としては一長一
短があって必ずしも満足すべき材料ではなかった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、従来の光学材料用樹脂の欠点を克服
し、光学材料として好適であるばかりでなく、コーティ
ング剤、封止剤、塗料、接着剤、注型材料または感光性
樹脂等の材料として使用することも出来る、耐衝撃性、
低吸水性、耐熱性等の諸物性を兼備したバランスのとれ
た硬化物を製造するために好適な新規な重合性単量体を
提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明によって、上記目的を達成し得る新規な硬化性
組成物が提供される。すなわち、本発明は一般式(I)
の構造を持ち、 CH2=CHCH2O(COArCOOBO)nCOArCOOCH2CH=CH2 ……
(I) (但し、Bは炭素数が2〜20からなる2価の炭化水素残
基、Arは1,4−フェニレン基、nは1〜100の数を表わ
す。) かつ、ウイス(Wijs)法で測定したヨウ素価で表わし
た不飽和度が20〜100であるジアリルテレフタレート系
オリゴマーが少なくとも10重量%、該オリゴマーと共重
合可能なビニル系モノマーおよびラジカル重合開始剤か
らなることを特徴とする硬化性組成物であり、更に前記
一般式(I)のジアリルテレフタレート系オリゴマーの
Bで表わされる炭素数2〜20からなる2価の炭化水素残
基の一部が炭素数3以上で、かつ水酸基3個以上のポリ
オール残基により置換されているオリゴマーである硬化
性組成物である。
この一般式(I)で表わされるジアリルテレフタレー
ト系オリゴマーはいくつかの合成法が考えられるが、例
えばジアリルテレフタレート(DAT)とジオールとをエ
ステル交換触媒の存在下にアリルアルコールを留去しな
がら反応させる方法、あるいはジメチルテレフタレート
又はジエチルテレフタレートとジオールおよびアリルア
ルコールとをエステル交換触媒の存在下にメタノール又
はエタノールを留去させながら反応させる方法などがあ
る。
更に一般式(I)で表わされるジアリルテレフタレー
ト系オリゴマーのBの一部を3価以上のポリオールとす
る場合には、対応するポリオールをジオールと混合して
加えるか、あるいは一般式(I)のオリゴマーと対応す
るポリオールをエステル交換触媒の存在下に加熱するこ
とにより得ることができる。
もちろんこれ以外の方法によって合成されたものであ
っても良い。
この場合反応させるジオールは、1,4−フェニレン基
1モルに対し0.99モル以下、3価のポリオールでは0.5
モル以下、好ましくは0.33モル以下、4価のポリオール
では0.33モル以下、好ましくは0.25モル以下を使用すれ
ば良い。
一般にジオールを1モルに近づければ機械的特性は向
上するが、オリゴマーの粘度が高くなるので目的により
適宜選択しなければならない。また、3価以上のポリオ
ールは曲げ強度などの機械的特性が向上するが、やはり
粘度が高くなること、ゲル化の危険も増えるので注意が
必要である。
このような炭素数が2〜20からなるジオールとして
は、エチルグリコール、1,2−プロピレングリコール、
1,4ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、1,3−ブタンジオール、ネ
オペンチルグリコール、1,3−シクロヘキサンジオー
ル、p−キシレングリコール、スチレングリコール等の
脂肪族又は芳香環を含んだジオールが挙げられる。この
際、他の重合性単量体との溶解性を考えると、直鎖状の
α,ω−ジオールよりも側鎖の付いたジオールが好まし
く、このようなものとしては1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
2,3−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,3−
ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,3−ペン
タンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ヘキサン
ジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオ
ール、1,2−ヘキサンジオール、2,3−ヘキサンジオー
ル、2,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、
3,4−ヘキサンジオール等がある。
また炭素数3以上で、かつ水酸基3個以上のポリオー
ルとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン等の
脂肪族3価アルコール;ペンタエリスリトール、ソルビ
トール等の脂肪族の4価以上のアルコール等が挙げられ
る。一般にグリコールの炭素鎖が長いときは耐衝撃性が
向上し、短いときは屈折率が高くなる傾向がある。
このようにして得られたジアリルフタレート系オリゴ
マーはウイス(Wijs)法で測定したヨウ素価で表わした
不飽和度が20より低いと硬化が不可能になるか、硬化の
ために非常に長時間要することになる。逆に100を越え
るときは耐衝撃性が劣ることになるので、クリティカル
な数値ではないが一般用としてはこの範囲のものがバラ
ンスのとれた範囲であり、広く利用できる。
一般式(I)の構造を持つジアリルテレフタレート系
オリゴマー又はその構造式中のBにて示される2価の炭
化水素残基の一部を3価以上のポリオールから誘導され
る3価の炭化水素残基で置換したオリゴマーは、多くの
有機化合物とよく混合する性質を有し、単独で硬化させ
たときは極めて高い耐衝撃強度及び耐熱性を有する特長
がある。
したがって、このジアリルテレフタレート系オリゴマ
ーを使用目的に応じた配合比で、このオリゴマーと共重
合可能な他のビニル系モノマーに混合することによって
組成物を硬化させて得られる硬化物の耐衝撃性の向上、
耐熱性の向上を図ることができる。
本発明の目的を達成するために用いられるジアリルテ
レフタレート系オリゴマーの使用量は10〜90重量%、好
ましくは20〜90重量%の範囲である。ジアリルテレフタ
レート系オリゴマーの使用量が10重量%よりも少ない場
合には、硬化して得られる硬化物の耐衝撃性及び耐熱性
のうちのいずれかにおいて十分な効果が期待できない。
一般式(I)で表わされるジアリルテレフタレート系
オリゴマーと共に使用できる該オリゴマーと共重合可能
なビニル系モノマーは、単官能であっても多官能であっ
てもよく、該オリゴマーと相溶性のあるものであれば特
に制限はない。また、共重合可能なビニル系モノマーは
二種類以上を混合して用いることも出来、混合割合にも
制限はなく、任意の比率を選択することができる。
このようなビニル系モノマーとしては、例えば、不飽
和脂肪酸エステル、芳香族ビニル化合物、不飽和脂肪酸
及びその誘導体、不飽和二塩基酸及びその誘導体、(メ
タ)アクリルニトリル等のシアン化ビニル化合物等が挙
げられる。
不飽和脂肪酸エステルとしては、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メ
タ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)ボルニル
(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレ
ート等のアルキル(メタ)アクリレート、フェニル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1
−ナフチル(メタ)アクリレート、フルオロフェニル
(メタ)アクリレート、クロロフェニル(メタ)アクリ
レート、ブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブ
ロモフェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル
(メタ)アクリレート、シアノフェニル(メタ)アクリ
レート、ビフェニル(メタ)アクリレート、ブロモベン
ジル(メタ)アクリレート等のアクリル酸芳香族エステ
ル、フルオロメチル(メタ)アクリレート、クロロメチ
ル(メタ)アクリレート、ブロモエチル(メタ)アクリ
レート、トリクロロメチル(メタ)アクリレート等のハ
ロアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ポリエチ
レングリコールエステル等の他、グリシジル(メタ)ア
クリレート、アルキルアミノ(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリル酸エステルがある。また、α−フルオ
ロアクリル酸エステル、α−シアノアクリル酸エステル
等のα−置換アクリル酸エステル等がある。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、またはα−
メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−クロルスチ
レン等のα−置換スチレン、フルオロスチレン、クロロ
スチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、メ
トキシスチレン等の核置換スチレンがある。
不飽和脂肪酸及びその誘導体としては、(メタ)アク
リルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)ア
クリルアミド類、(メタ)アクリル酸等がある。
不飽和二塩基酸及びその誘導体としては、N−メチル
マレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイ
ミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマ
レイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−クロロ
フェニルマレイミド、N−カルボキシフェニルマレイミ
ド等のN−置換マレイミド、マレイン酸、無水マレイン
酸、フマル酸等がある。
上記単官能性のビニル系モノマーの他、一般式(I)
で表わされるジアリルテレフタレート系オリゴマーと共
重合し得るビニル系モノマーとしては、架橋性多官能モ
ノマーが挙げられる。例えば、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シビバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メ
タ)アクリレート、オリゴエステルジ(メタ)アクリレ
ート、ポリブタジエンジ(メタ)アクリレート、2,2−
ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−(ω−(メタ)アクリロイルオ
キシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−(ω−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキ
シ)ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
(ω−(メタ)アクリロイルオキシポリプロポキシ)フ
ェニル)プロパン、ビス(4−(ω−(メタ)アクリロ
イルオキシポリエトキシ)フェニル)メタン等のジ(メ
タ)アクリルレートや、ジアリルフタレート、ジアリル
イソフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルカ
ーボネート、ジエチレングリコールジアリルカーボネー
ト、ジビニルベンゼン、N,N′−m−フェニレンビスマ
レイミド等の二官能性の架橋性モノマー、トリメチロー
ルエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アリルイソ
シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルク
ロレンデート等の三官能性の架橋性モノマー、ペンタエ
リスリトールテトラ(メタ)アクリレートのごとき四官
能性の架橋性モノマー等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物はラジカル重合によって硬化さ
せることができる。
硬化に際して用いられるラジカル重合開始剤は、熱、
マイクロ波、赤外線または紫外線によってラジカルを生
成し得るものであればいずれのラジカル重合開始剤の使
用も可能であり、硬化性組成物の目的、用途に応じて適
宜選択することができる。
熱、マイクロ波、赤外線による重合に際して使用でき
るラジカル重合開始剤としては、例えば2,2′−アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2′−アゾビスイソバレロニ
トリル、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル等のアゾ系化合物、メチルエチルケトンパーオキシ
ド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、シクロヘキ
サノンパーオキシド、アセチルアセトンパーオキシド等
のケトンパーオキシド類、イソブチリルパーオキシド、
2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、o−メチルベ
ンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、p−
クロロベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシ
ド類、2,4,4−トリメチルペンチル−2−ヒドロパーオ
キシド、ジイソプロピルベンゼンパーオキシド、クメン
ヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシド等のヒド
ロパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、t−ブチル
クミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ト
リス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン等のジアルキ
ルパーオキシド類、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシ
クロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタ
ン等のパーオキシケタール類、t−ブチルパーオキシビ
バレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t
−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−
t−ブチルパーオキシアゼレート、t−ブチルパーオキ
シ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパ
ーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート等
のアルキルパーエステル類、ジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボ
ネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト等のパーカーボネート類が挙げられる。
紫外線による重合に際して使用できるラジカル重合開
始剤としては、例えばアセトフェノン、2,2−ジメトキ
シ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシア
セトフェノン、4′−イソプロピル−2−ヒドロキシ−
2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メ
チルプロピオフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン、ベンゾフェノン、メチル(o−ベ
ンゾイル)ベンゾエート、1−フェニル1,2−プロパン
ジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1
−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾ
イル)オキシム、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピ
ルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイ
ンオクチルエーテル、ベンジル、ベンジルジメチルケタ
ール、ベンジルジエチルケタール、ジアセチル等のカル
ボニル化合物、メチルアントラキノン、クロロアントラ
キノン、クロロチオキサントン、2−メチルチオキサン
トン、2−イソプロピルチオキサントン等のアントラキ
ノンまたはチオキサントン誘導体、ジフェニルジスルフ
ィド、ジチオカーバメート等の硫黄化合物が挙げられ
る。
ラジカル重合開始剤の使用量は、ラジカル重合開始剤
の種類、仕込モノマーの種類及び組成比により変化する
ので一概には決められないが、通常はモノマー成分に対
して0.001〜20モル%の範囲、好ましくは0.01〜10モル
%の範囲である。ラジカル重合開始剤の使用量が0.001
モル%未満では、重合に長時間を要し、また20モル%を
越える使用量では、経済的でないばかりか場合によって
は重合中に発泡したり、重合によって得られる硬化物の
分子量が著しく小さくなるために好ましくない。
本発明の硬化性組成物は、そのまま重合、硬化しても
良いし、目的によっては予備重合した後に重合、硬化す
ることによって粘度の調整を図ったり重合時の収縮率を
軽減することができる。
本発明の硬化性組成物は、透光性が特に要求されない
場合には必要に応じて種々の充填材を配合して使用する
ことも可能である。ここで用いられる充填材としてはガ
ラスファイバー、アルミナ繊維、カーボンファイバー、
アラミド繊維等の他、シリカ、アルミナ、硫酸バリウ
ム、酸化チタン等の粉末充填材が挙げられる。その他、
難燃材、染料、顔料等も併用できることは言うまでもな
い。
硬化性組成物の硬化に際しての重合温度及び重合時間
については、使用するラジカル重合開始剤の種類及びそ
の使用量により異なるため一概には規定できないが、重
合温度については通常0〜200℃の範囲が好ましく、重
合時間については通常0.5〜50時間の範囲が好ましい。
[実施例] 以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に
説明する。
なお、実施例及び比較例において得られた硬化物の諸
物性は、下記の方法により測定した。
(1)屈折率 アッベ屈折計(島津製作所製3L型)を用いて、20℃に
おける屈折率を測定した。
(2)光透過率 分光光度計(日立製作所製150−20型)を用いて、波
長550nmの光による厚さ3mmの平板の透過率の測定を行な
った。
(3)ガラス転移温度(Tg) 粘弾性測定装置(オリエンテック社製レオバイブロン
DDV−II−EP型)を用いて、tanδのピーク(変曲点)を
読み取ることによって、試料(厚さ0.1mm)のガラス転
移温度とした。
(4)吸水率 JIS−K−7209の試験片を用い、50℃で5日間減圧乾
燥させたサンプルを100℃の水中に2時間浸漬した際の
重量増加の割合を乾燥重量を基準にして示した。
(5)耐衝撃性 中心厚が1mmの平板を用いて、FDA規格に従い鋼球落球
試験を行ない、割れないものを○、割れるものを×とし
た。
(参考例1) <ジアリルテレフタレート系オリゴマーの製造法> 蒸留装置の付いた1三ツ口フラスコにジアリルテレ
フタレート(DAT)を600g、1,3−ブタンジオール109.8
g、ジブチル錫オキサイド0.3gを仕込んで窒素気流下で1
80℃に加熱し、生成してくるアリルアルコールを留去し
た。アリルアルコールが120g程度留出したところで、反
応系内を50mmHgまで減圧にし、アリルアルコールの留出
速度をはやめた。理論量のアリルアルコールが留出した
後、更に1時間加熱を続けた。この後減圧にし、未反応
のDATを留去した後、GPCで測定し、Mn=1030,Mw=236
0、ヨウ素価83のジアリルテレフタレート系オリゴマー5
70gを得た。
以下、実施例1〜5にはこのジアリルテレフタレート
系オリゴマー(A)を用いた。
(実施例1) 前記参考例において得られたオリゴマー(A)8.0g
に、ビニル系モノマーであるジエチレングリコールジア
リルカーボネート(CR−39)2.0gを加え混合した後に、
ラジカル重合開始剤としてジイソプロピルパーオキシジ
カーボネート0.4gを溶解させて硬化性組成物を得た。
この硬化性組成物を50mmφ×3mmのガラス製モールド
に注入し、50℃で5時間加熱した後、昇温速度5℃/時
で100℃まで加熱硬化させた。100℃に到達後脱型し、さ
らに150℃で2時間加熱硬化させて板状硬化物を得た。
得られた硬化物は均一で無色透明な樹脂であった。硬化
物の各物性値を第1表に示した。
(実施例2) オリゴマー(A)及びビニル系モノマー成分の量を第
1表のように変えた以外は実施例1とすべて同様に行な
い、無色透明な硬化物を得た。硬化物の各物性値を第1
表に示した。
(実施例3〜5、比較例1〜2) 第1表に示したラジカル重合開始剤、量を用い、ビニ
ル系モノマー成分を第1表のごとく変化させた以外は実
施例1と同様の方法によって硬化物を得た。各物性値を
第1表に示した。
(参考例2) 仕込原料としてDAT600g及びプロピレングリコール92.
7g(0.5倍モル)を用いた以外は参考例1と同様の方法
でジアリルテレフタレート系オリゴマー530gを得た。GP
Cで測定したところMn=1150、Mw=2710、またヨウ素価
は75であった。(オリゴマーB) (参考例3) 仕込原料としてDAT600g及びジエチレングリコール17
2.4g(0.67倍モル)を用いた以外は参考例1と同様の方
法でジアリルテレフタレート系オリゴマー565gを得た。
GPCで測定したところMn=1410、Mw=2950、またヨウ素
価は81であった。(オリゴマーC) (参考例4) 仕込原料としてDAT600g及び1,1,1−トリメチロールプ
ロパン81.7g(0.25倍モル)を用いた以外は参考例1と
同様の方法でジアチルテレフタレート系オリゴマー520g
を得た。GPCで測定したところMn=1970、Mw=3440、ま
たヨウ素価は77であった。(オリゴマーD) (実施例6〜7) 参考例2で得たオリゴマー(B)にビニル系モノマー
の成分及びその量を変えて実施例1と同様に硬化させ
た。硬化物の物性値を第2表に示す。
(実施例8) 参考例3で得たオリゴマー(C)にビニル系モノマー
としてジアリルフタレートを用いた他は実施例1と同様
に硬化させた。硬化物の物性値を第2表に示す。
(実施例9) 参考例4で得たオリゴマー(D)にビニル系モノマー
としてCR−39を用いた他は実施例1と同様に硬化させ
た。硬化物の物性値を第2表に示す。
[発明の効果] 本発明の硬化性組成物は、硬化性に優れており、硬化
物は特に屈折率が高く、しかもガラス転移点も高く、吸
水率は低い、そのうえ耐衝撃性もあってレンズ等の光学
材料として優れた性能を有する合成樹脂である。
したがって、これ以外にもコーティング剤、封止剤、
塗料、接着剤、透明性を利用した分野などへ広く応用で
きる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)の構造を持ち、 CH2=CHCH2O(COArCOOBO)nCOArCOOCH2CH=CH2 ……
    (I) (但し、Bは炭素数が2〜20からなる2価の炭化水素残
    基、Arは1,4−フェニレン基、nは1〜100の数を表わ
    す。) かつ、ウイス(Wijs)法で測定したヨウ素価で表わした
    不飽和度が20〜100であるジアリルテレフタレート系オ
    リゴマーが少なくとも10重量%、該オリゴマーと共重合
    可能なビニル系モノマーおよびラジカル重合開始剤から
    なることを特徴とする硬化性組成物。
  2. 【請求項2】請求項(1)における一般式(I)の構造
    を持つジアリルテレフタレート系オリゴマーにおいて、
    Bで表わされる炭素数2〜20からなる2価の炭化水素残
    基の一部が炭素数3以上で、かつ水酸基3個以上のポリ
    オール残基で置換されているオリゴマーである請求項
    (1)記載の硬化性組成物。
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