JPH07330541A - 化粧料用機能性粉粒体 - Google Patents

化粧料用機能性粉粒体

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JPH07330541A
JPH07330541A JP14563994A JP14563994A JPH07330541A JP H07330541 A JPH07330541 A JP H07330541A JP 14563994 A JP14563994 A JP 14563994A JP 14563994 A JP14563994 A JP 14563994A JP H07330541 A JPH07330541 A JP H07330541A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 化粧料の塗布時に化粧料の伸びがよく、感触
がよく、しかも化粧料を落すときにリムーバー等による
除去が容易にでき、透明感や色の鮮やかさのある化粧料
用機能性材料であって、製造が容易で安価である化粧料
用機能性粉粒体を提供する。 【構成】 化粧料用機能性材料の1種または2種以上と
シリカとからなり、化粧料用機能性材料とシリカとが1
個の粉粒体中において混在している40μm以下の粉粒
体であり、該粉粒体が表面中央に開口部または凹部を有
するほぼ球状またはドーナツ状である化粧料用機能性粉
粒体体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化粧料用の機能性材料に
関する。
【0002】
【従来の技術】本発明における化粧料用機能性材料と
は、化粧品の目的である身体を清潔に保ち、美しく粧う
という目的を達成するための機能を有する化粧料用材料
を言う。例えば、化粧料用機能性材料には紫外線防御
剤、着色剤、保湿剤、抗菌剤、美白剤、消臭剤、細胞賦
活剤、香料などがある。
【0003】化粧料用機能性材料には粉末のものと液状
のものがある。粉末のものには例えば顔料などの着色剤
や、酸化チタン、酸化鉄などの紫外線防御剤がある。液
体のものとしては液状ヒアルロン酸や香料などがある。
【0004】粉末状の化粧料用機能性材料はその粒子が
大きかったり、無定形状や針状であったりすると、化粧
料の使用時の伸びや滑りが悪くなり、ざらつき感が出る
ので好ましくない。また、1ミクロン以下の粒径の場合
は使用時の感触が良いが、肌への付着性が良すぎるので
化粧料を落とし難くなるという問題がある。一方、液状
の化粧料用機能性材料の場合は、蒸発性や気化性が大き
く、徐放性をもたせることが困難である。
【0005】従来、紫外線防御剤としては、酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化亜鉛等の物理的紫外線防御剤が皮膚に
安全であると言われているが、これらは白色や茶褐色の
色がきついので、紫外線防御剤として実際に化粧料に使
用することが難しかった。最近、これらについて粒径が
0.03〜0.06ミクロンの超微粒子が開発されて、
紫外線防御力の向上に加えて透明性が得られるのではな
いかと注目されている。
【0006】透明性を得るためには、粒子が凝集するこ
となく一次粒子で(すなわち、多くの粒子が存在する粉
体状態の中で、個々の粒子が他の粒子と凝集しないで、
単独に存在している粒子の状態を言う)分散している必
要があるが、超微粒子にすると粒子の凝集が強くなるた
めに実際にはかえって凝集により大きな凝集粒子(すな
わち、二次粒子)となり、粉末状態ではどうしても透明
性が得られなかった。また、凝集した粒子は化粧料の使
用時に化粧料の伸びや滑りが悪くなり、ざらつき感が出
るので化粧料としては好ましくないのが現状である。
【0007】また、従来より化粧料やその他の各種製品
の着色剤として赤色226号、赤色202号、赤色20
6号、橙色203号、黄色4号、アルミニウムレーカ、
カーボンブラックなどの有機顔料、黄色酸化鉄、赤色酸
化鉄、紫色酸化鉄、黒色酸化鉄、群青、マンゴバイオレ
ット、酸化クロム、水酸化クロムなどの無機顔料、その
他がその使用目的に応じて利用されている。そして、こ
れらの着色剤は一般的にタルク、カリオン、二酸化チタ
ン、微結晶セルロース、シルクパウダーなどの粉末との
混合による調色により、製品が所望の色になるように選
定するが、数種の原料が組合せられた混合系である製品
においては、次のような問題があった。 (1)着色剤を微細化して彩度を向上させているが、粒
子間の凝集があり、彩度向上の効果を得ることが難し
い。 (2)着色剤の配合による色割れや色むらが発生するこ
とがある。 (3)着色剤の配合により、粒子形状、比重、表面電荷
等の相違により相互に反撥したり、凝固したり、沈殿し
たりすることがある。 (4)配合した着色剤をすべて分散安定性、肌への密着
性を最良に保つことが難しい。特に、有色パール剤等に
よる光の干渉効果を得る場合には、有色パール剤の分散
をよくすることが肝要であるが分散が難しい。フォトク
ロミック粉末を用いて室内でも戸外でも同じ肌色を得る
技術にも、剤の分散が重要であるが分散の保持が難し
い。 (5)着色剤は、針条結晶や鱗片状結晶或いは無定形粒
子のもので、一般のものはザラザラして感触がよくな
い。肌への付着性がよくない上にリームーバー等による
除去が難しい。1μm以下の超微粒子にすると感触はよ
くなるが除去性は更に悪くなる。
【0008】上記化粧用着色剤の改良技術として、特公
昭61−28605号公報、特公平5−3449号公報
および特公平4−55972号公報に記載された技術が
ある。
【0009】特公昭61−28605号公報および特公
平5−3449号公報は、珪酸ソーダを用いて界面反応
法により球状中空のカプセルを製造し、中空カプセルの
内部空間に着色剤を封じ込む技術に関する。界面反応法
によるカプセル化は、界面活性剤と溶媒の選定が難し
く、それによって球形の大きさと均一性がきまり、加工
工程が繁雑で、製造コストが極めて高くになる。従って
製品が高価である。また着色剤がカプセルの内部に入る
ため、および着色剤の粒子が凝集しているために色の鮮
やかさ、冴え、深みが損なわれて、パステル調になると
いう欠点がある。
【0010】特公平4−55972号公報には、一般の
シリカゲル粒子の細孔径が2〜20nmで着色剤の浸透が
困難であり、着色剤でシリカゲルを染色してもシリカゲ
ル表面に着色剤が付着するのみで、色むらを生じたり脱
落し易いなどの問題があるので、その対策としてシリカ
ゲル粒子に水熱処理を行って細孔径を拡げて着色料を浸
透させて染色する技術が開示されている。しかし、水熱
処理を行わないシリカゲル粒子の細孔径は2〜20nmで
あるのに対して、水熱処理を行った場合の細孔径は拡が
っているとはいえ25nm程度であるので、着色顔料の浸
透には十分でなく、表面付着による脱落があり、また、
シリカゲルに親和力のない着色剤には染色法が採用でき
ないので、親和力の差によって適正な着色剤を選択する
必要があり、従って使用可能な着色剤が限定される。
【0011】また従来から、細胞賦活剤としてはレチノ
イド類など、保湿剤としては液状ヒアルロン酸、キチン
類、エモリエント剤などが機能性材料として用いられて
いる。これらは徐放性をもたせることが好ましいが、こ
れらは液状であるために蒸発し易く、徐放性を付与する
技術が確立されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
のような従来の問題を解決することである。本発明は、
化粧料の塗布時に化粧料の伸びがよく、感触がよく、し
かも化粧料を落すときにリムーバー等による除去が容易
にできるような化粧料用機能性材料であって、製造が容
易で安価であるものを提供することを目的とする。ま
た、このような化粧料用機能性材料を製造する方法を提
供することである。
【0013】本発明において機能性材料が物理的紫外線
防御剤である場合は、透明感のある化粧料用粉粒体を提
供する。
【0014】本発明において機能性材料が着色剤である
場合は、色の鮮やかさ、冴え、深みを損ねることがな
く、従来化粧料に使用されている着色剤を用いても着色
剤が脱落することのない改良された着色化粧料を提供す
る。
【0015】また、本発明において機能性材料が液状で
ある場合、徐放性を付与することも目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、化粧料
用機能性材料の1種または2種以上とシリカとからな
り、化粧料用機能性材料とシリカとが1個の粉粒体中に
おいて混在している40μm以下の粉粒体であり、該粉
粒体が表面中央に開口部または凹部を有するほぼ球状ま
たはドーナツ状であることを特徴とする化粧料用機能性
粉粒により前述の課題を達成する。
【0017】本発明によれば、化粧料用機能性材料が粉
末状の場合は、化粧料用機能性材料を水または分散剤を
含む水溶液に添加して混合攪拌し、更に超音波を当て、
該液とシリカゾル液とを混合攪拌し超音波を当て、該液
を噴霧乾燥して、40μm以下の粉粒体とすることによ
り前述の課題を達成する。
【0018】また、本発明によれば、化粧料用機能性材
料が液状の場合は、液状の化粧料用機能性材料を溶媒ま
たは水に添加して混合攪拌し、該液とシリカゾル液とを
混合攪拌し、該混合液を噴霧乾燥して、40μm以下の
粉粒体とすることにより前述の課題を達成する。
【0019】また、化粧料用機能性材料として液状のも
のと粉末状のものとを使用する場合は、液状の化粧料用
機能性材料と粉末状の化粧料用機能性材料とを溶媒、水
また分散剤を含む水溶液に添加して混合攪拌し、更に超
音波を当て、該液とシリカゾル液とを混合攪拌し超音波
を当て、該液を噴霧乾燥して、40μm以下の粉粒体と
することにより前述の課題を達成する。
【0020】
【作用】本発明では、化粧料用機能性材料が超微粒子粉
末であっても、分散剤(例えば、界面活性剤など)およ
び超音波を用いて凝集をほぐして一次粒子の状態でシリ
カゾル系に分散させ、これを噴霧乾燥することによりシ
リカゾルを一挙にシリカゲルとしてシリカ粒子間に化粧
料用機能性材料の粉末を一次粒子の分散状態で固定す
る。このようにして得られる本発明による粉粒体は40
μm以下、好ましくは1〜20μm程度の球状粒子また
はドーナツ状粒子である。この粉粒体は球状体またはド
ーナツ状体であるから、使用時の伸びや滑りがよく、従
来の感触の問題点が解決され、また、化粧料を除去する
際にはリムーバ等で容易に除去することができる。
【0021】また、化粧料用機能性材料として酸化チタ
ン等の金属酸化物の超微細粒子を用いた場合、金属酸化
物の超微細粒子が凝集することなく一次粒子の状態で固
定されるので、従来では得られなかった高い透明性を有
する粉末が得られる。
【0022】本発明によれば、化粧料用機能性材料とし
て着色剤を用いた場合、着色剤の配合粉末をシリカゾル
中に分散剤および超音波を用いて凝集をほぐして一次粒
子の状態で分散させて、噴霧乾燥により一挙にシリカゲ
ルとして一次粒子の分散配合状態を固定するので、従来
の配合着色剤の分離とか相互作用をなくすることができ
る。その上、この粉粒体において配合着色剤が一次粒子
の状態でシリカに分散固定されているので、色は鮮やか
であり、冴えと深みを得ることができる。特に、パール
色素やフォトクロミック粉末(室内でも屋外でも同じ肌
色が得られるような白粉)では色材の分散性が重要であ
るが、本発明によれば優れた効果を有する化粧料用機能
性粉粒体が得られる。また、着色剤が超微粒子でなくて
も、その分散性が色、冴え、光沢に影響する場合には、
本発明では着色剤を分散状態で固定するので色相の向上
および安定が計れる。
【0023】また、化粧料用機能性材料として消臭剤、
抗菌剤、美白剤、保湿剤、細胞賦活剤等を用いる場合、
これらを単独で使用してもよいが、例えば着色剤ととも
にシリカゾル中に混合してすることにより、何等の問題
を引起こすことなく、複合素材とすることができる。
【0024】更に、香料、細胞賦活剤、保湿剤、消臭剤
などは液体状であるものが多いが、これら液体状化粧料
用機能性材料を1種以上配合した場合、これらはシリカ
の粒子に混合状態で固定されるので、その液体成分を徐
々に放出する徐放効果を有する粉末とすることができ
る。この粉末は球状またはドーナツ状であり、その表面
中央に開口部または凹部を有しており、徐放性の付与に
効果的である。このように香料などの液体を粉末にする
とともに徐放性により長期間有効にすることができる。
【0025】本発明によれば、超微粒子を凝集させるこ
となく、一次粒子の状態で分散固定することを、次のよ
うな技術で達成した。まず、超微粒子を水または適量の
分散剤(界面活性剤など)を含む水溶液に添加して混合
攪拌し、更に超音波を当てて一次粒子の状態での分散を
得る。この分散液とシリカゾル液とを混合攪拌し超音波
を当て、シリカゾル系に超微粒子の一次粒子の分散液と
する。次いで、この分散液を噴霧乾燥すると、噴霧ミス
トになってシリカゾルは直ちに固化して機能性材料の超
微粒子を一次粒子の状態で固定する。このようにして直
径40μm以下、好ましくは1〜20μmの球状または
ドーナツ状に固化して粉粒体とする。超微粒子は一次粒
子で分散した状態でシリカに固定されるので透明性を発
揮することができる。前記超音波は25〜30KHZ 程度
のものが好ましい。噴霧する雰囲気の温度は180〜2
20℃が好ましい。
【0026】超微粒子でない粉末状の化粧料用機能性材
料の場合も同様の方法により本発明の粉粒体とすること
ができる。
【0027】液状の化粧料用機能性材料だけの場合は、
一次粒子の状態で分散させる必要がないので、液状化粧
料用機能性材料を溶媒または水に添加して混合攪拌し、
該液とシリカゾル液とを混合攪拌し、該混合液を噴霧乾
燥して、40μm以下の粉粒体とすればよい。
【0028】本発明に用いるシリカゾルとしては、粒子
径が5nm〜20nmのシリカ超微粒子をコロイド溶液にし
たものを使用する。例えば、スノーテックス(日産化学
工業株式会社製品)が市販されており、シリカ(固形
分)として20%〜50%の水系のシリカゾルである。
シリカは5〜20nmの微細なものであるので、透明性が
ある。ナトリウム量が0.2%以下で、PHがアルカリ
で安定なシリカゾルが好ましく、PH10以下、好まし
くはPH8〜9のものがよい。
【0029】本発明に用いられる機能性材料とは、紫外
線防御剤、着色剤、消臭剤、抗菌剤、美白剤、保湿剤、
細胞賦活剤、香料を言う。 1.機能性材料が粉末のものでは次のものが用いられ
る。 紫外線防御剤 *有機化合物 オキシベンゾン等 *無機化合物 超微粒子の酸化チタン、酸化鉄、酸化亜
鉛等 着色剤 *白色顔料 酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、マン
ガン白等 *黒色顔料 カーボンブラック、鉄黒、チタン黒等 *赤色顔料 ベンガラ、コバルト赤、モリブデン赤等 *黄色顔料 黄土、黄酸化鉄、チタン黄等 *緑色顔料 クロム緑、酸化クロム、コバルト緑等 *青色顔料 群青、紺青、コバルト青等 *茶色顔料 アンバー、酸化鉄、プロシャ茶等 *金属粉末 銅粉、金粉、銀粉、アルミニウム粉等 *染 料 赤色102号、赤色202号、橙色20
3号、黄色4号、青色204号等 *パール色素 雲母チタン、二酸化チタン被覆雲母、魚
鱗白等 *フォトクロミック粉末 消臭剤 Lアスコルビン酸第一鉄、鉄フタロシ
アニン等 抗菌剤 銀ゼオライト、パラベン、安息香酸、
ソルビン酸等 美白剤 ビタミンC(アスコルビン酸)類等 保湿剤 ベタイン、コラーゲン、リン脂質等 2.機能性材料が液体のものでは次のものが用いられ
る。 紫外線防御剤 パラジメチルアミノ安息香酸アクチル
(パラベン)、サリチル酸オクチル等 消臭剤 フラバン類 保湿剤 グリセリン、ヒヤルロン酸水和物等 細胞賦活剤 酵母エキス、発酵乳エキス等 香 料 ラベンダー、ローズマリー、ヒノキチ
オール等。
【0030】本発明の対象となる化粧料としては、例え
ば、クリーム類、乳液類、化粧水類、シャンプー類、フ
ァンデーション類、固型白粉類、オイルケーキ類、粉白
粉、ボディパウダー、パヒュームパウダー、口紅類、マ
ニキュア、アイシャドー、アイブロー、チークルージ
ュ、マスカラ、アイライナー、ヘアカラー類である。
【0031】上記化粧用機能性材料は1種または2種以
上用いることができる。更に、防菌防黴材やタルク、カ
オリン、マイカ、セリサイト、ステアリン酸亜鉛、ナイ
ロンパウダー、セルロースパウダー、ポリメチルメタア
クリレート、オキシベンゾン、パラジメチルアミノ安息
香酸オクチル等を併用して複合材料とすることができ
る。 化粧料用機能性材料が粉末の場合、本発明の粉粒
体において機能性材料は70wt%以下であることが好ま
しい。粉末の機能性材料が70wt%以上になると、すな
わちシリカ成分(シリカゾルにおける固形分)が30wt
%以下になると、粉粒体は脆く崩れやすくなるので好ま
しくない。
【0032】化粧料用機能性材料が着色剤の場合、着色
料成分は1種類或いは2種類以上配合され、本発明の粉
粒体において着色料は10wt%以上、70wt%以下であ
ることが好ましい。着色料が10wt%以下では色の濃
度、深み、冴え、鮮やかさが劣る。また、70wt%以上
になると着色料の担持が不充分となり、粉粒体は脆く崩
れやすくなるので、化粧料として好ましくない。
【0033】本発明による着色化粧料は、2種以上配合
された着色剤をその配合されたままの比率で粉粒体に混
合状態で固定されるので、着色料のシリカに対する親和
力の相違に関係なく固定され、色割れ、色むらや分離の
心配がない。また、球状またはドーナツ状粉粒体である
から着色化粧料の分散性および肌への密着性を最良に保
つことができる。球状粉粒体は皮膚に引っかかったり刺
さったりすることなく、塗布時にのびがよく、また感触
もよくザラザラ感がない。除去する際にはリムーバー等
で容易に除去することができる。
【0034】本発明によれば、特公昭61−28605
号公報、特公平5−3449号公報の如く、カプセルの
中央に封入された化粧料と相違して、本発明の着色剤は
シリカと均一に混合担持されて固定されているので、色
の鮮やかさ、冴え、深みを損ねてパステル調になるとい
ったことがなく、色の脱落もない。また、特公平4−5
572号公報のように着色料の親和力の差によって適性
を選択する必要もない。本発明によれば、製造工程が簡
単で製造コストを安価にすることができる。
【0035】
【実施例1】超微粒子酸化チタン(TTO−55A、石
原産業株式会社製品)5g、肌色に着色するための着色
剤として黄酸化鉄1gおよびベンガラ0.3gをポリオ
キシエチレンソルビタンオレエート(界面活性剤)5g
/Lの水溶液5kgに混合攪拌して超音波(27KHZ )を
30分間当てて一次粒子の分散状態とした。次いでスノ
ーテックス−20(シリカゾル:シリカ固形分20wt
%、産化学工業株式会社製品)5kgを加えて攪拌し、超
音波(27KHZ )を30分間当てて一次粒子の分散を保
つようにした。この分散液をアンハイドロ社製のコンパ
クト型噴霧乾燥機によりノズル回転数25,000rp
m、250ml/min の噴霧量で200℃の雰囲気に噴霧
して粉粒体を得た。この粉粒体の電子顕微鏡写真(80
0倍および5000倍)をそれぞれ図1および図2に示
す。
【0036】この粉粒体は透明感があり、使用時の伸び
や滑りがよく、従来の感触の問題がなく、除去する際に
はリムーバーによって容易に除去できた。
【0037】
【実施例2】黒色顔料としてカーボンブラック20gお
よび鉄黒(黒色酸化鉄)100gをポリオキシエチレン
ソルビタンオレエート(界面活性剤)5g/Lの水溶液
1kgに混合攪拌して超音波(27KHZ )を30分間当て
て一次粒子の分散状態とした。次いでスノーテックス−
20(シリカゾル、日産化学工業株式会社製品)1kgを
加えて攪拌し、超音波(27KHZ )を30分間当てて一
次粒子の分散を保つようにした。この分散液を噴霧乾燥
機によりノズル回転数25,000rpm、250ml/
min の噴霧量で200℃の雰囲気に噴霧して粉粒体を得
た。この粉粒体の電子顕微鏡写真(400倍および40
00倍)をそれぞれ図3および図4に示す。
【0038】この粉粒体はしっとりとした艶のある黒色
が得られ、塗布時の伸びがよく、感触もすぐれており、
且つリムーバーによって容易に除去できた。
【0039】
【実施例3】橙色204号230gおよび黄色205号
20gに、抗菌剤としてエチルパラベンの微細結晶体4
gを混合し、これらをモノオレイン酸ポリオキシエチレ
ンソルビタン(界面活性剤)6g/Lの水溶液2kgに混
合攪拌して超音波(27KHZ)を30分間当てて分散よ
くした。次いでスノーテックスST−N(シリカゾル、
日産化学工業株式会社製品)2kgを加えて攪拌し、超音
波(27KHZ )を30分間当てて分散状態を保つように
した。この分散液を噴霧乾燥機によりノズル回転数2
5,000rpm、250ml/min の噴霧量で200℃
の雰囲気に噴霧して、着色粉粒体600gを得た。この
粉粒体は色割れすることなく伸びや滑りがよく、色が鮮
やかであり、抗菌性を有する。除去する際にはリムーバ
ーで容易に除去することができた。
【0040】
【実施例4】エスカロール507(パラジメチルアミノ
安息香酸オクチル、VanDykCo 製品)20gを
エチルアルコール100gに溶解し、超微粒子酸化チタ
ン(TTO−55A、石原産業株式会社製品)0.4
g、コラーゲン(保湿剤)12g、フレッシュシライマ
ツ(フラバン類の消臭剤、白井松新薬株式会社製品)4
gをポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性
剤)5g/Lの水溶液2kgに混合攪拌して超音波(27
KHZ )を30分間当てて分散よくした。次いでスノーテ
ックス−20(シリカゾル、日産化学工業株式会社製
品)2kgを加えて攪拌し、超音波(27KHZ )を30分
間当てて分散状態を保つようにした。この分散液を噴霧
乾燥機によりノズル回転数25,000rpm、250
ml/min の噴霧量で200℃の雰囲気に噴霧して、保湿
性と消臭性を有し且つ紫外線防御能力のある粉粒体を得
た。
【0041】この粉粒体は透明感があるので、従来技術
による酸化チタンと異なって、手や顔に付けても白っぽ
いの感じがない。
【0042】
【実施例5】着色剤としてチタン黄20gおよびコバル
ト赤2g、香料としてラベンダー1g、細胞賦活剤とし
て霊芝エキス5g、および保湿剤としてヒアルロン酸6
gをポリオキシエチレンソルビタンオレエート(界面活
性剤)5g/Lの水溶液1kgに混合攪拌して超音波(2
7KHZ )を30分間当てて分散状態とした。次いでスノ
ーテックス−20(シリカゾル、日産化学工業株式会社
製品)2kgを加えて攪拌し、超音波(27KHZ )を30
分間当てて分散を保つようにした。この分散液を噴霧乾
燥機によりノズル回転数25,000rpm、250ml
/min の噴霧量で200℃の雰囲気に噴霧し、香料を含
む複合機能素材よりなる粉粒体を得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1により得られた粉粒体の電子
顕微鏡写真(800倍)である。
【図2】本発明の実施例1により得られた粉粒体の電子
顕微鏡写真(5000倍)である。
【図3】本発明の実施例2により得られた粉粒体の電子
顕微鏡写真(400倍)である。
【図4】本発明の実施例2により得られた粉粒体の電子
顕微鏡写真(4000倍)である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化粧料用機能性材料の1種または2種以
    上とシリカとからなり、化粧料用機能性材料とシリカと
    が1個の粉粒体中において混在している40μm以下の
    粉粒体であり、該粉粒体が表面中央に開口部または凹部
    を有するほぼ球状またはドーナツ状であることを特徴と
    する化粧料用機能性粉粒体体。
  2. 【請求項2】 化粧料用機能性材料の1種または2種以
    上がシリカの粒子に混合状態で固定された40μm以下
    の粉粒体であって、該粉粒体が表面中央に開口部または
    凹部を有するほぼ球状またはドーナツ状であることを特
    徴とする化粧料用機能性粉粒体。
  3. 【請求項3】 化粧料用機能性材料が紫外線防御剤、着
    色剤、保湿剤、抗菌剤、美白剤、消臭剤、細胞賦活剤お
    よび香料の何れかである請求項1または2記載の化粧料
    用機能性粉粒体。
  4. 【請求項4】 化粧料用機能性粉粒体において、シリカ
    に対する化粧料用機能性材料の割合が80%wt以下で
    ある請求項1または2記載の化粧料用機能性粉粒体。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4の何れか1項に記載の
    化粧料用機能性粉粒体を含んでいることを特徴とする化
    粧料。
  6. 【請求項6】 粉末状の化粧料用機能性材料を水または
    分散剤を含む水溶液に添加して混合攪拌し、更に超音波
    を当て、該液とシリカゾル液とを混合攪拌し超音波を当
    て、該液を噴霧乾燥して、40μm以下の粉粒体とする
    ことを特徴とする化粧料用機能性粉粒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 液状の化粧料用機能性材料を溶媒または
    水に添加して混合攪拌し、該液とシリカゾル液とを混合
    攪拌し、該混合液を噴霧乾燥して、40μm以下の粉粒
    体とすることを特徴とする化粧料用機能性粉粒体の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 液状の化粧料用機能性材料と粉末状の化
    粧料用機能性材料とを溶媒、水または分散剤を含む水溶
    液に添加して混合攪拌し、更に超音波を当て、該液とシ
    リカゾル液とを混合攪拌し超音波を当て、該液を噴霧乾
    燥して、40μm以下の粉粒体とすることを特徴とする
    化粧料用機能性粉粒体の製造方法。
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