JPH1112493A - 複合粉体及びこれを含有する組成物 - Google Patents

複合粉体及びこれを含有する組成物

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JPH1112493A
JPH1112493A JP18310297A JP18310297A JPH1112493A JP H1112493 A JPH1112493 A JP H1112493A JP 18310297 A JP18310297 A JP 18310297A JP 18310297 A JP18310297 A JP 18310297A JP H1112493 A JPH1112493 A JP H1112493A
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powder
composite powder
inorganic
red
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JP18310297A
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English (en)
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Shigesada Momose
重禎 百瀬
Jiro Nakabayashi
治郎 中林
Tomonori Mizutani
友紀 水谷
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Kose Corp
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Kose Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】色味の発色が良く、水や有機溶媒に対し色素が
溶出するといったブリーディングが抑制された複合粉体
及びこれを含有した発色に優れ、使用部位に染着しにく
い組成物に関する。 【解決手段】屈折率の2未満の無機粉体と有機色素とを
無機塩を用いて付着及び/又は固着させることにより得
られる複合粉体が水や有機溶媒に対し安定であり、更
に、これを含有することにより、色味の発色が良く、ブ
リーディングが生じにくく、特に化粧料においては使用
部位に染着しにくい等の使用性に優れた特性を有する組
成物を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屈折率2未満の無
機粉体と有機色素とを付着及び/又は固着させた複合粉
体及びこれを含有する組成物に関し、更に詳しくは、色
味の発色が良く、水や有機溶媒に対し色素が溶出すると
いったブリーディングが抑制された複合粉体及びこれを
含有した発色に優れ、使用部位に染着しにくい組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有機色素は発色が良く、彩度が高
く、着色が良いので各種組成物に配合されてきた。特
に、化粧料においては赤色226号、赤色201号、赤
色202号、黄色4号アルミニウムレーキ、青色1号ア
ルミニウレーキ等が汎用されている。しかし、これらの
有機色素は、水や有機溶媒に対し、ブリーディングを起
こすため、組成物に配合した時、その使用部位に染着し
てしまうという問題点があった。これらの問題点を解決
するための方法として、シリカ、ナイロン、ポリエチレ
ンに赤色202号を回転式ボールミルで、複合化させる
方法(特開平4−292664号公報)や表面電荷が同
じ真珠光沢顔料と着色顔料を、表面電荷調整剤を用いて
付着させる方法(特開平4−332766号公報)など
があるが、顔料や染料の微粒子化や分散が未だ十分では
ないため、満足できる発色が得られない。また、屈折率
2以上且つ平均粒子径0.1〜60μmである無機白色
顔料を赤色202号で被覆させる方法(特開平7−30
4633号公報)等があるが、色素の担体として屈折率
2以上の隠蔽力の高い、酸化チタン、酸化ジルコニウム
等や、その混合物、複合物を使用しているため、色素を
付着させても、粉体自体の明度が高くなり、色素本来の
発色は未だ十分には得られてない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、色素本来の発
色(彩度)が得られ、水や有機溶媒に対し、安定で、ブ
リーディングが抑制され、組成物に配合した時、色がく
すんだり、使用部位に染着したりしない粉体が望まれて
いた。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる事情に鑑み、本発
明者らは鋭意研究した結果、屈折率の2未満の無機粉体
と有機色素とを無機塩を用いて付着及び/又は固着させ
ることにより得られる複合粉体が水や有機溶媒に対し安
定で、これを含有する組成物は、色味の発色が良く、ブ
リーディングが生じにくく、特に化粧料においては使用
部位に染着しにくく、使用性に優れた特性を有すること
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、屈折率の2未満の無機
粉体と有機色素とを無機塩を用いて付着及び/又は固着
させた複合粉体及びこれを含有する組成物を提供するも
のである。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
複合粉体は、屈折率2未満の無機粉体と有機色素とを無
機塩を用いて付着及び/又は固着させたものである。
【0007】本発明の複合粉体を構成する無機粉体は、
屈折率2未満のものであれば特に限定されず、その形状
は、結晶構造を有するものも好適に使用することがで
き、必要に応じ一種又は二種以上用いることができる。
屈折率が2以上の無機粉体を使用すると、隠蔽力が高く
なり、有機色素本来の色味よりも明度が高くなってしま
うため、色素本来の高彩度を演出することは期待できず
好ましくない。これらの無機粉体は、例えば化粧料の場
合は、タルク、カオリン、ベントナイト、ケイ酸マグネ
シウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
【0008】本発明の複合粉体を構成する有機色素は、
特に制限されるものではなく、化粧料においては、例え
ば、赤色201号、赤色202号、赤色226号、黄色
4号、黄色5号、青色1号、黒色401等が挙げられ
る。
【0009】無機粉体に有機色素を付着及び/又は固着
させる際に用いる無機塩としては、用いる有機色素の化
学構造に依存するが、例えば、赤色202号を用いる場
合は塩化カルシウムで、黄色4号を用いる場合は、塩化
アルミニウムが挙げられる。
【0010】本発明の複合粉体の無機粉体と有機色素の
量は、無機粉体:有機色素の重量比が20:80〜9
0:10の範囲である。この量は、希望した色味に応じ
て選択することができ、比表面積が大きい無機粉体を用
いれば、無機粉体に対し有機色素の量を多く含有するこ
とができ、色濃度の高い複合粉体が得られる。有機色素
の含有量が前記の範囲よりも少量であると、無機粉体に
よる色味の影響により色素本来の発色が得られにくく、
有機色素の含有量が、前記の範囲を超えると無機粉体と
付着及び/又は固着しなかった遊離の有機色素による水
や有機溶媒へのブリーディングが生じ、組成物において
は使用部位に染着する可能性があり好ましくない。
【0011】これら無機粉体は多孔質のものを用いると
比表面積が増大し、無機粉体に対し有機色素の量を多く
することができるという点で望ましい。更に、無機粉体
に対し有機色素の量を多くし、発色を良くしたい場合
は、比表面積は、100〜700m2/gであることが
より好ましい。
【0012】これら無機粉体の粒子径については、無機
粉体による有機色素のブリーディングや使用部位への染
着抑制効果、十分な着色力や使用感において、0.01
〜20μmの範囲にあることが望ましい。
【0013】本発明の複合粉体を構成する無機粉体は特
に限定されないが、屈折率2未満の無機粉体のうち、と
りわけ透明性の高いという点で無水ケイ酸が望ましい。
【0014】更に、本発明の複合粉体は目的や用途に応
じて、本発明の効果を損なわない程度にフッ素化合物、
シリコーン系油剤、金属石鹸、ロウ、油脂、炭化水素等
の一種又は二種以上を用いて表面処理を施したものであ
ってもよい。
【0015】本発明の複合粉体の製造法としては、有機
色素を分散媒に溶解し、無機粉体を分散させ、更に必要
に応じ無機塩などの有機色素を不溶化させる物質を添加
し、有機色素と無機粉体とを付着及び/又は固着させ、
洗浄、濾過、乾燥、粉砕する方法をあげることができる
が、有機色素の種類により用いられる分散媒、有機色素
を不溶化させる物質は異なる。例えば、一つの方法とし
ては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソブタノール、sec
−ブタノール等の低級アルコールやこれらの混合溶液を
分散媒として有機色素及び無機粉体を分散させ、この分
散液に、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸カリウ
ムのアルカリ塩やこれらの低級アルコール溶液やこれら
の混合溶液を加え、更に塩化カルシウムの無水塩、二水
和塩、六水和塩等の無機塩を溶解した溶液を添加し、処
理することにより、調製する方法がある。
【0016】また、別の方法として、塩化アルミニウム
溶液に炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、アンモニア等のアルカリ塩の水溶
液やこれらの混合溶液を加え、無機粉体を分散後、有機
色素を溶解する。更に、塩化アルミニウム、臭化アルミ
ニウム、ヨウ化アルミニウム等の無機塩を溶解した溶液
を添加し、無機粉体に処理し、炭酸ナトリウム、酢酸ナ
トリウム等のアルカリ塩を添加し、中和することにより
調製する方法がある。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の複合粉体は、化粧料、塗
料、インキ、プラスチック、繊維、ゴムトナー等の各種
組成物に一種又は二種以上を配合することができる。本
発明の複合粉体を含有する化粧料としては、メークアッ
プ化粧料、スキンケア化粧料、ヘアケア化粧料等があげ
られ、剤型は、油性固形状、油性液状、固形状、クリー
ム状、ペースト状、乳液状、ローション状、粉末状、粉
末固形状等が挙げられる。効果がより発現する点ではメ
ークアップ化粧料が最も好ましく、メークアップ化粧料
としては、口紅、アイ製品、ファンデーション、ほほ
紅、美爪料、白粉、コンシーラー、日焼け止め化粧料等
が挙げられる。化粧料中の本発明の複合粉体の配合量
は、その化粧料の特質に応じて任意に選択されるが、官
能上の特性及び効果の発現において、0.001〜80
重量%(以下、単に「%」と示す。)が好ましい。
【0018】本発明の組成物の一つである化粧料には通
常化粧料に用いられる成分を必要に応じて適宜配合する
ことが出来る。油分としては、例えば、オリーブ油、ひ
まし油、ホホバ油、ミンク油等の油脂類、ミツロウ、ラ
ノリン、キャンデリラロウ等のロウ類、流動パラフィ
ン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、マイ
クロクリスタリンワックス等の炭化水素、ステアリン
酸、オレイン酸等の脂肪酸、セタノール、ステアリルア
ルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール、ミ
リスチン酸イソプロピル、トリオクタン酸グリセリル、
トリイソステアリン酸ジグリセリル等のエステル類、ラ
ノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラ
ノリン誘導体、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニ
ルポリシロキサン等のシリコーン油、パーフルオロデカ
ン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油類等をあげる
ことができる。粉体としては、例えば、タルク、カオリ
ン、セリサイト、マイカ、炭酸マグネシウム、炭酸カル
シウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケ
イ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、無
水ケイ酸等の無機体質顔料、酸化チタン、酸化亜鉛等の
無機白色顔料、ベンカラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、グンジ
ョウ、コンジョウ、カーボンブラック等の無機着色顔
料、雲母チタン、酸化鉄雲母チタン、オキシ塩化ビスマ
ス等のパール剤、ナイロンパウダー、シルクパウダー、
ポリエチレンパウダー、結晶セルロース、N−アシルリ
ジン等の有機粉体が挙げられる。なおこれらの粉体は、
フッ素系化合物、シリコーン系油剤、金属石鹸、ロウ、
油脂、炭化水素等の一種又は二種以上を用いて表面処理
を施したものであってもよい。その他、有機溶剤、樹
脂、可塑剤、紫外線吸収剤、防腐剤、界面活性剤、保湿
剤、香料、水、アルコール、増粘剤等が挙げられる。必
要に応じて染着しない程度に本発明の複合粉体以外の有
機色素を含有することもできる。
【0019】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれによって何ら限定されるものでな
い。 〔製造実施例1〕複合粉体(赤色202号−無水ケイ
酸) 95%エタノール400gに赤色202号を10g加
え、攪拌溶解した。更に無水ケイ酸10gを加え、30
分間、均一分散した。別のビーカーに精製水80gと炭
酸ナトリウム31.2gを混合溶解し、前記の無水ケイ
酸を分散した赤色202号エタノール溶液にゆっくりと
滴下した。次に、95%エタノール400gに無水塩化
カルシウム190gを溶解した溶液を20分かけて加
え、室温にて4時間熟成した。そして80℃まで加温し
1時間攪拌後、精製水を加え、1昼夜放置した。デカン
テーションにより上澄みを除き、精製水を加え洗浄工程
を3回繰り返した。得られた複合粉体を50℃で乾燥
し、粉砕することにより本発明の複合粉体(赤色202
号−無水ケイ酸)(赤色202号:無水ケイ酸=50:
50)を得た。
【0020】〔製造実施例2〕複合粉体(赤色202号
−無水ケイ酸) 95%エタノール160gに赤色202号を4g加え、
攪拌溶解した。更に無水ケイ酸16gを加え、30分
間、均一分散した。別のビーカーに精製水37.3gと
炭酸ナトリウム12.5gを混合溶解し、前記の無水ケ
イ酸を分散した赤色202号エタノール溶液にゆっくり
と滴下した。次に、95%エタノール96gに無水塩化
カルシウム75.3gを溶解した溶液を20分かけて加
え、室温にて4時間熟成した。そして80℃まで加温し
1時間攪拌後、精製水を加え、1昼夜放置した。デカン
テーションにより上澄みを除き、精製水を加え洗浄工程
を3回繰り返した。得られた複合粉体を50℃で乾燥
し、粉砕することにより本発明の複合粉体(赤色202
号−無水ケイ酸)(赤色202号:無水ケイ酸=20:
80)を得た。
【0021】〔製造実施例3〕複合粉体(赤色202号
−無水ケイ酸) 95%エタノール400gに赤色202号を40g加
え、攪拌溶解した。更に無水ケイ酸10gを加え、30
分間、均一分散した。別のビーカーに精製水373gと
炭酸ナトリウム125gを混合溶解し、前記の無水ケイ
酸を分散した赤色202号エタノール溶液にゆっくりと
滴下した。次に、95%エタノール960gに無水塩化
カルシウム753gを溶解した溶液を20分かけて加
え、室温にて4時間熟成した。そして80℃まで加温し
1時間攪拌後、精製水を加え、1昼夜放置した。デカン
テーションにより上澄みを除き、精製水を加え洗浄工程
を3回繰り返した。得られた複合粉体を50℃で乾燥
し、粉砕することにより本発明の複合粉体(赤色202
号−無水ケイ酸)(赤色202号:無水ケイ酸=80:
20)を得た。
【0022】〔製造比較例1〕複合粉体(赤色202号
−酸化チタン) 製造実施例1の無水ケイ酸を酸化チタンに変え、同様の
方法で複合粉体(赤色202号−酸化チタン)(赤色2
02号:酸化チタン=50:50)を得た。
【0023】〔製造実施例4〕複合粉体(黄色4号−無
水ケイ酸) 精製水100gに、塩化アルミニウム6水塩13gを溶
解した。次に30%アンモニア水17.6g、無水ケイ
酸5.85gを加え、30分間均一分散後、黄色4号を
5.85g添加した。あらかじめ別のビーカーに精製水
133gと塩化アルミニウム6水塩33.4gを溶解し
た塩化アルミニウム溶液を調製し、前記の無水ケイ酸を
分散した黄色4号溶液にゆっくりと滴下した。更に精製
水50gに炭酸ナトリウム12.6gを溶解した溶液を
加え、室温にて4時間熟成した。そして精製水を滴下
し、1昼夜放置した。デカンテーションにより上澄みを
除き、精製水を加え、洗浄工程を3回繰り返した。得ら
れた複合粉体を50℃で乾燥し、粉砕することにより本
発明の複合粉体(黄色4号−無水ケイ酸)(黄色4号:
前記無機粉体の重量比は50:50)を得た。
【0024】〔製造比較例2〕複合粉体(黄色4号−酸
化チタン) 製造実施例4の無水ケイ酸を酸化チタンに変え、同様の
方法で複合粉体(黄色4号−酸化チタン)(黄色4号:
酸化チタン=50:50)を得た。
【0025】(試験方法)製造実施例1〜4、製造比較
例1及び赤色202号、黄色4号について水及び有機溶
媒(95%アルコール)に対する溶出試験を、また製造
実施例1〜4、製造比較例1、2及び赤色202号、黄
色4号について彩度を測定し、それぞれ下記の方法によ
り評価し、その結果を表1に示す。
【0026】〔1.水に対する溶出試験〕各試料1gを
精製水50mlにいれ、マグネチックスターラーで1時
間攪拌分散した後に、No.5cの濾紙を用いて濾過
し、濾過液を505nmにおける光透過率を分光光度計
を用いて測定した。
【0027】〔2.95%エタノールに対する溶出試
験〕各試料0.2gをエタノール50mlにいれ、マグ
ネチックスターラーで1時間撹はん分散した後に、30
0rpm、30分遠心分離を行い、メンブレンフィルタ
ー(0.5μm)で濾過し、その濾過液を505nmに
おける光透過率を分光光度計を用いて測定した。
【0028】〔彩度の評価〕各試料10gを日本電色色
差計 Σ90用の試料台にセットし、明度を測定した。
明度が高いほど、白ぼけし、彩度が減少するというよう
に明度と彩度は反比例の関係であることから、各試料の
明度を測定し、標準値との差を求めた。赤色202号及
び黄色4号の色素の明度を基準とし、各複合粉体の明度
と基準値との差が10未満のものを色素本来の彩度と同
等(○)とし、10以上のものを色素本来の彩度と異な
る(×)として評価した。
【0029】
【表1】
【0030】表1の結果から明らかなように屈折率2未
満の無機粉体と有機色素とを付着及び/又は固着させた
本発明の複合粉体は、有機色素単独に比べ高い透過率を
確保することができる。すなわち水やエタノールに対し
ブリーディングしにくい、優れた粉体である事が確認さ
れた。また、本発明品の複合粉体の彩度は、基準とした
赤色202号又は黄色4号とほとんど大差なく、色素本
来の彩度を失わないことが確認された。一方、屈折率2
以上の酸化チタンに有機色素を付着した複合粉体は、非
常に明度が高くなり、色素本来の彩度を確保することが
できなかった。更に、無機粉体と有機色素の重量比を変
えた製造実施例2、3の複合粉体も水や有機溶媒に対し
てブリーディングしにくく、彩度も良好であったことが
わかる。
【0031】実施例1、2及び比較例1〜4 リップス
ティック 表2に示す処方のリップスティックを調製し、それぞれ
について彩度(明度)及びその染着性について下記の試
験方法により評価を行った。その結果も併せて表2に示
す。
【0032】
【表2】
【0033】(製法) A.1〜5の成分を90℃で混合溶解する。 B.6〜11の成分を添加後、均一に分散させて減圧脱
泡する。 C.90℃で型に流し込みスティック状にする。
【0034】〔彩度の評価方法〕実施例1、2及び比較
例1〜4のリップスティックをセルに溶融充填し、試料
台にセットし、製造例の評価方法と同様に、日本電色色
差計 Σ90にて明度を測定し、赤色202号、黄色4
号それぞれ単独で配合したリップスティック(比較例
3、4)を基準とし、評価した。
【0035】〔染着性の評価及び評価基準〕各試料を女
性パネル20名の上腕内側部に1.5×1.5cmの大
きさに同程度塗布し、塗布2時間後、スクワランで十分
に拭き取り、染着の度合を比較した。4段階評価の平均
点に基づいて下記基準で判定した。 評価基準 4点:染着しない。 3点:わずかに染着する。 2点:染着する。 1点:かなり染着する。 判定基準 ○:3.0以上 △:2.0〜3.0未満 ×:1.0〜2.0未満
【0036】表2から明らかなように本発明の複合粉体
を配合した実施例1〜2のリップスティックは、基準サ
ンプルの比較例3及び比較例4より若干明度が上昇した
ものの、ほとんど大差なく、有機色素本来の彩度を失わ
ないことが確認された。一方、屈折率2以上の酸化チタ
ンに有機色素を付着した複合粉体を配合した比較例1、
2は、非常に明度が高くなり、有機色素本来の彩度を確
保することができなかった。また、有機色素単独を配合
した比較例3及び比較例4のリップスティックは非常に
染着しやすいのに対し、本発明の実施例1及び2のリッ
プスティックは肌に対し、非常に染着しにくいことが確
認された。
【0037】実施例3.アイカラー (製法) A.成分1〜7を混合する。 B.成分8〜11を均一溶解後、Aに加え、混合する。 C.Bを粉砕機で処理し、圧縮成型する。
【0038】以上のようにして得られたアイカラーは、
彩度が高く、使用部位に染着しにくいものであった。
【0039】実施例4.パウダーファンデーション (製法) A.成分1〜9を混合する。 B.成分10〜15を均一溶解後、Aに加え、混合す
る。 C.Bを粉砕機で処理し、圧縮成型する。
【0040】以上のようにして得られたパウダーファン
デーションは、彩度が高く、使用部位に染着しにくいも
のであった。
【0041】実施例5.リキッドファンデーション (製法) A.成分1〜7を加温溶解し、分散する。 B.成分8〜12を加温溶解する。 C.AにBを添加して乳化し、冷却する。
【0042】以上のようにして得られたリキッドファン
デーションは、彩度が高く、使用部位に染着しにくいも
のであった。
【0043】実施例6.頬紅 (製法) A.成分1〜6を混合する。 B.Aに7を噴霧し粉砕機で処理した後、圧縮成型す
る。
【0044】以上のようにして得られた頬紅は、彩度が
高く、使用部位に染着しにくいものであった。
【0045】実施例7.美爪料 (製法) A.成分1〜7の成分を混合溶解する。 B.Aに8と9を添加してポールミルで均一に分散させ
る。
【0046】以上のようにして得られた美爪料は、彩度
が高く、使用部位に染着しにくいものであった。
【0047】以上の結果から明らかなように、屈折率2
未満の無機粉体と有機色素とを無機塩を用いて付着及び
/又は固着させた複合粉体及びこれを含有する化粧料
は、色味の発色が良く、水や有機溶媒に色素が溶出する
といったブリーディングを抑制し、且つ肌に染着しにく
いことが実証された。
【0048】
【発明の効果】本発明の複合粉体は、色素本来の発色
(彩度)が得られ、水や有機溶媒に対し安定でブリーデ
ィングが抑制された優れた粉体で、これを配合する組成
物、特に化粧料は、色がくすんだりせず、また使用部位
への染着が抑制された、優れた組成物(化粧料)であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09B 67/02 C09B 67/02 A C09C 1/30 C09C 1/30 C09D 7/12 C09D 7/12 Z 11/00 11/00 // A61K 7/025 A61K 7/025 7/031 7/031 7/032 7/032 7/035 7/035 7/04 7/04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率2未満の無機粉体と有機色素とを
    無機塩を用いて付着及び/又は固着させた複合粉体であ
    って、前記無機粉体:前記有機色素の重量比が20:8
    0〜90:10であることを特徴とする複合粉体。
  2. 【請求項2】 前記屈折率2未満の無機粉体が多孔質粉
    体であることを特徴とする請求項1記載の複合粉体。
  3. 【請求項3】 前記屈折率2未満の無機粉体の比表面積
    が100〜700m2/gであることを特徴とする請求
    項1又は2記載の複合粉体。
  4. 【請求項4】 前記屈折率2未満の無機粉体の平均粒径
    が0.01〜20μmの無機粉体であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の複合粉体。
  5. 【請求項5】 前記屈折率2未満の無機粉体が無水ケイ
    酸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の複合粉体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の複合粉
    体を含有することを特徴とする組成物。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の組成物が化粧料であるこ
    とを特徴とする組成物。
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