JP5718348B2 - 化粧料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧料組成物に関する。
ヒトの皮膚の老化の代表的な変化はシワやタルミであり、女性にとっては肌の大きな悩みである。しかし、皮膚のシワやタルミに対する効果的な治療法は現在のところほとんど見あたらないのが現状である。
現在、ヒトの皮膚のシワやタルミの形成には皮膚の弾力低下が原因であると考えられ、その要因としては加齢、乾燥、酸化、太陽光(紫外線)による影響等が関与している。具体的な組織学的現象としては、真皮中のコラーゲン、エラスチン、グリコサミノグリカン等の細胞外マトリックス成分の変化が挙げられる。また皮膚の保湿性の低下なども原因と考えられる。
金属フタロシアニン誘導体は人工的に合成された水溶性の青色色素であり、繊維の染色や、顔料として広く用いられている。また、安全性も高い。金属フタロシアニン誘導体は、抗菌効果や脱臭効果、アレルゲンの分解効果、掻痒感の抑制効果(特許文献1〜3参照。)などの機能を有することも知られている。このため、金属フタロシアニン誘導体で染色した繊維を用いた抗アレルギー対策肌着やマスクが検討・実施されている(特許文献4)。またメークアップ化粧料としてフタロシアニン色素を使用しているケースがある(特許文献5)が、あくまで着色を目的としたものであって、皮膚の老化予防や保湿の目的では使用されていない。一方特許文献6にはスルフォン化フタロシアニン又はその金属塩を配合した過酸化脂質を分解する化粧料が開示されている。
また、コラーゲンペプチドを配合した保湿効果のある化粧料組成物が既に知られている。例えば、コラーゲン成分をシステインプロテアーゼにより分解してペプチド組成物を得る技術が示され、化粧料などに有用であるとされている(例えば、特許文献7参照。)。しかしこれらの成分を使用しても、必ずしも満足できる効果を得られない症例もあり、多様な症状や愁訴に適用した皮膚老化防止、保湿効果のある化粧料が求められている。
特許文献1:特開2001−303437号公報
特許文献2:特開平06−321711号公報
特許文献3:特開200−144219号公報
特許文献4:特開2004−321409号公報
特許文献5:特開2003−335976号公報
特許文献6:特開平03−50285号公報
特許文献7:特開2006−342107号公報
本発明の目的は、ハリ・弾力の改善効果、シワ改善効果、及び肌理改善効果を持つ保湿性の高い化粧料組成物を提供することである。
本発明者らは、アレルギー性物質を分解する機能を有する金属フタロシアニンの研究を行っていたところ、この金属フタロシアニンを配合した化粧料には、皮膚の保湿効果があり、皮膚のシワを改善し、さらには肌理を改善する効果を有することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は以下の構成である。
1.一般式 [I] で示される金属フタロシアニン誘導体を含有することを特徴とする化粧料組成物。
Figure 0005718348
([I]式中、MはFe、Co、Mn、Ti、V、Ni、Cu、Zn、Mo、W、Osから選択される金属であり、R1〜R4はカルボキシル基であり、n1〜n4はそれぞれ0〜4の整数であり且つ1≦n1+n2+n3+n4≦8を満たす。)
2.前記[I]式中、R1〜R4はカルボキシル基であり、n1〜n4は同一の1または2である金属フタロシアニン誘導体を有効成分に含むことを特徴とする1.に記載の化粧料組成物。
3.前記[I]式中、MがFeである金属フタロシアニン誘導体を有効成分に含むことを特徴とする1.又は2.に記載の化粧料組成物。
4.化粧料組成物が、基礎化粧料用である1.〜3.のいずれかに記載の化粧料組成物。
5.金属フタロシアニン誘導体が鉄フタロシアニンテトラカルボン酸又はその塩である1.〜4.のいずれかに記載の化粧料組成物。
6.金属フタロシアニン誘導体が鉄フタロシアニンオクタカルボン酸又はその塩である1.〜4.のいずれかに記載の化粧料組成物。
7.前記式 [I] で示される金属フタロシアニン誘導体と金属封鎖剤又は金属封鎖効果のある成分を含有することを特徴とする化粧料組成物。
8.金属封鎖剤がEDTA−2ナトリウム、EDTA−3ナトリウム、EDTA−4ナトリウム、エチドロン酸、エチドロン酸4ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸液、クエン酸から選択される1以上の物質、金属封鎖効果のある成分がコハク酸、フィチン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、リン酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムから選択される1以上の物質である7.記載の化粧料組成物。
9.前記[I]式中、R1〜R4はカルボキシル基であり、n1〜n4は同一の1または2である金属フタロシアニン誘導体を有効成分に含むことを特徴とする7.又は8.に記載の化粧料組成物。
10.前記 [I]式中、MがFe、CoまたはMnである金属フタロシアニン誘導体を有効成分に含むことを特徴とする7.〜9.のいずれかに記載の化粧料組成物。
11.化粧料組成物が、基礎化粧料用である7.〜10.のいずれかに記載の化粧料組成物。
12.金属フタロシアニン誘導体が鉄フタロシアニンテトラカルボン酸又はその塩である7.〜11.のいずれかに記載の化粧料組成物。
13.金属フタロシアニン誘導体が鉄フタロシアニンオクタカルボン酸又はその塩である7.〜11.のいずれかに記載の化粧料組成物。
本発明の化粧料組成物は、小じわ改善、はり・弾力改善、肌理改善、くすみ改善、保湿が改善され、基礎化粧料として全体として皮膚老化の改善感をはかることができる。また本発明の化粧料組成物はフタロシアニンの色調が安定な状態を長期間保つことができる。
全体評価に関するグラフ。 個別項目の評価に関するグラフ。
本発明の化粧料組成物は、金属フタロシアニンカルボン酸を含むことを特徴とする。
これにより、優れた保湿効果と皮膚老化防止効果を有する化粧料組成物とすることができる。
ここで本発明における「皮膚老化防止」とは、加齢や紫外線照射等によって皮膚組織に生じる変化を防止することをいい、例えば、シワ、肌理、肌のはり、くすみの改善や、保湿感及び弾力性の維持・向上を挙げることができる。
本発明の化粧料組成物は、水性組成物、油性組成物、エマルジョン組成物のいずれであってもよい。
水性組成物の例としては、化粧水、美容液、水性ジェル等が挙げられ、油性組成物としては、クレンジングオイル、油性ジェル等が挙げられる。また、エマルジョン組成物の例としては、クリーム、乳液、サンスクリーン等があり、エマルジョンの形態としては、O/W、W/Oの他、多層エマルジョン(W/O/W、O/W/O)などがあげられる。
以下、本発明に即して、金属フタロシアニンの誘導体について説明する。
すなわち本発明の化粧料組成物は、下記 [I]式
Figure 0005718348
で示される金属フタロシアニン誘導体を有効成分に含む。ただし [I]式中n1〜n4はそれぞれ0〜4の整数であり且つ1≦n1+n2+n3+n4≦8を満たし、n1〜n4は同一の1または2であることが好ましく、MはFe、Co、Mn、Ti、V、Ni、Cu、Zn、Mo、W、Osから選択される金属である。置換基R1〜R4は、カルボキシル基が好ましい。金属フタロシアニンカルボン酸またはその塩は、皮膚に悪影響を及ぼすとされるアルデヒド化合物に対して、触媒活性を有し、分解作用があるので、小じわ、はり・弾力、肌理、くすみ、保湿に効果を有するものと推定される 。また、金属フタロシアニンカルボン酸またはその塩は、スルフォン化フタロシアニンに比べて親水性が高く、保湿に効果を有するものと推定される。
[I]式中の置換基R1〜R4がカルボキシル基であり、n1〜n4が1である金属フタロシアニン誘導体、すなわち下記[II] 式
Figure 0005718348
で示される金属フタロシアニンテトラカルボン酸またはその塩は特に有効である。
また [I]式中、R1〜R4がカルボキシル基であり、n1〜n4が2である金属フタロシアニン誘導体、すなわち下記[III]式
Figure 0005718348
で示される金属フタロシアニンオクタカルボン酸またはその塩も特に有効である。
[I]〜[III] 式中の中心金属Mは、前記のとおり定義されているが、Fe、CoまたはMnの高スピン型が好ましく、さらにFeが特に好ましい。
金属フタロシアニンの誘導体の構造中、最も好ましいものは、鉄フタロシアニンテトラカルボン酸またはその塩である。鉄フタロシアニンカルボン酸またはその塩は、皮膚に対する刺激性が低いので、化粧料成分として好ましく用いることができる。一方、金属フタロシアニンスルホン酸またはその塩(スルホン化フタロシアニン)は、スルホン酸またはその塩が強酸または強酸塩であるため、皮膚への刺激となり、化粧料成分として用いるのは好ましくない。
前記金属フタロシアニンカルボン酸の塩としては、例えば無機塩基との塩、有機塩基との塩等が挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびに銅(II)塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン等との塩が挙げられる。
化学式(I)の金属フタロシアニン誘導体は、市販のものであってもよく、公知の方法により製造したものであってもよい。例えば、「フタロシアニン −化学と機能−」(白井汪芳、小林長夫著、株式会社アイピーシー出版、平成9年2月28日発行)に記載の方法により、製造することができる 。例えば、鉄フタロシアニンテトラカルボン酸は、以下のようにして得ることができる。ニトロベンゼンにトリメリット酸無水物と、尿素と、モリブデン酸アンモニウムと、塩化第二鉄無水物とを加えて撹拌し、加熱還流させて沈殿物を得、得られた沈殿物にアルカリを加えて加水分解し、次いで酸を加えて酸性にすることで得られる。
同じく好ましい例であるコバルトフタロシアニンオクタカルボン酸は、上記鉄フタロシアニンテトラカルボン酸の原料であるトリメリット酸無水物に代えてピロメリット酸無水物、塩化第二鉄無水物に代えて塩化第二コバルトを用いて同様の方法で製造可能である。
同じく好ましい例である鉄フタロシアニンオクタカルボン酸は、上記鉄フタロシアニンテトラカルボン酸の原料であるトリメリット酸無水物に代えてピロメリット酸無水物を用いて同様の方法で製造可能である 。
なお、金属フタロシアニン誘導体の製造方法については、特開昭56−63355号公報をはじめいくつかの文献に詳細が開示されている。
金属フタロシアニンの誘導体の構造中、最も好ましいものは、上述したとおり鉄フタロシアニンテトラカルボン酸または鉄フタロシアニンオクタカルボン酸である。
本発明の化粧料組成物において、金属フタロシアニン誘導体化合物の含有量は、組成物全質量に対して、0.00001質量%〜20質量%が好ましく、0.00005質量%〜10質量%がより好ましく、0.0001質量%〜2質量%が特に好ましい。
0.00001質量%以上とすることにより、保湿性の観点で好ましい。ただ、高濃度配合をした場合に、組成物の色調が濃紺〜黒色を呈し、機能性上はなんら問題ないが化粧料という製品の美的特性上好ましくなく、2質量%以下にすることが好ましい。例えばこの観点からは、鉄フタロシアニンテトラカルボン酸または鉄フタロシアニンオクタカルボン酸を配合する場合は、0.005質量%〜0.1質量%の濃度が好ましい。この濃度であれば、組成物は美しい紺色または青色を呈する。
[水分散物に含有する界面活性剤]
本発明における水分散物に使用することができる界面活性剤としては、水性媒体に溶解する水溶性界面活性剤であれば特に限定は無いが、例えばHLBが10以上、好ましくは12以上のノニオン界面活性剤が好ましい。HLBが10未満の場合には、乳化力が不十分となることがある。また乳化安定性の観点からHLBは16以下であることが好ましい。
本発明で使用することのできる界面活性剤は、特に制限は無いが、ノニオン性界面活性剤が好ましい。ノニオン性界面活性剤の例としては、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。より好ましくは、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルである。また、上記の界面活性剤は蒸留などで高度に精製されたものであることは必ずしも必要ではなく、反応混合物であってもよい。
本発明に用いられる、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、平均重合度が2以上、好ましくは6〜15、より好ましくは8〜10のポリグリセリンと、炭素数8〜18の脂肪酸、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、およびリノール酸とのエステルである。ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい例としては、ヘキサグリセリンモノオレイン酸エステル、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノパルミチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステル等が挙げられる。これらのポリグリセリン脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。市販品としては、例えば、日光ケミカルズ(株)社製、NIKKOL DGMS、NIKKOL DGMO−CV、NIKKOL DGMO−90V、NIKKOL DGDO、NIKKOL DGMIS、NIKKOL DGTIS、NIKKOL Tetraglyn 1−SV、NIKKOL Tetraglyn 1−O、NIKKOL Tetraglyn 3−S、NIKKOL Tetraglyn 5−S、NIKKOL Tetraglyn 5−O、NIKKOL Hexaglyn 1−L、NIKKOL Hexaglyn 1−M、NIKKOL Hexaglyn 1−SV、NIKKOL Hexaglyn 1−O、NIKKOL Hexaglyn 3−S、NIKKOL Hexaglyn 4−B、NIKKOL Hexaglyn 5−S、NIKKOL Hexaglyn 5−O、NIKKOL Hexaglyn PR−15、NIKKOL Decaglyn 1−L、NIKKOL Decaglyn 1−M、NIKKOL Decaglyn 1−SV、NIKKOL Decaglyn 1−50SV、NIKKOL Decaglyn 1−ISV、NIKKOL Decaglyn 1−O、NIKKOL Decaglyn 1−OV、NIKKOL Decaglyn 1−LN、NIKKOL Decaglyn 2−SV、NIKKOL Decaglyn 2−ISV、NIKKOL Decaglyn 3−SV,NIKKOL Decaglyn 3−OV、NIKKOL Decaglyn 5−SV、NIKKOL Decaglyn 5−HS、NIKKOL Decaglyn 5−IS、NIKKOL Decaglyn 5−OV、NIKKOL Decaglyn 5−O−R、NIKKOL Decaglyn 7−S、NIKKOL Decaglyn 7−O、NIKKOL Decaglyn 10−SV、NIKKOL Decaglyn 10−IS、NIKKOL Decaglyn 10−OV、NIKKOL Decaglyn 10−MAC、NIKKOL Decaglyn PR−20、三菱化学フーズ(株)社製リョートーポリグリエステル L−10D、L−7D、M−10D、M−7D、P−8D、S−28D、S−24D、SWA−20D、SWA−15D、SWA−10D、O−50D、O−15D、B−100D、B−70D、ER−60D、太陽化学(株)社製サンソフトQ−17UL、サンソフトQ−14S、サンソフトA−141C、理研ビタミン(株)社製ポエムDO−100、ポエムJ−0021などが挙げられる。
本発明に用いられるソルビタン脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数が8以上のものが好ましく、12以上のものがより好ましい。ソルビタン脂肪酸エステルの好ましい例としては、モノカプリル酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セキステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等が挙げられる。これらのソルビタン脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。市販品としては、例えば、日光ケミカルズ(株)社製、NIKKOL SL−10、SP−10V、SS−10V、SS−10MV、SS−15V、SS−30V、SI−10RV、SI−15RV、SO−10V、SO−15MV、SO−15V、SO−30V、SO−10R、SO−15R、SO−30R、SO−15EX、第一工業製薬(株)社製の、ソルゲン30V、40V、50V、90、110などが挙げられる。
本発明に用いられるショ糖脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数が12以上のものが好ましく、12〜20のものがより好ましい。ショ糖脂肪酸エステルの好ましい例としては、ショ糖ジオレイン酸エステル、ショ糖ジステアリン酸エステル、ショ糖ジパルミチン酸エステル、ショ糖ジミリスチン酸エステル、ショ糖ジラウリン酸エステル、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステル等が挙げられる。本発明においては、これらのショ糖脂肪酸エステルを、単独又は混合して用いることができる。市販品としては、例えば、三菱化学フーズ(株)社製リョートーシュガーエステル S−070、S−170、S−270、S−370、S−370F、S−570、S−770、S−970、S−1170、S−1170F、S−1570、S−1670、P−070、P−170、P−1570、P−1670、M−1695、O−170、O−1570、OWA−1570、L−195、L−595、L−1695、LWA−1570、B−370、B−370F、ER−190、ER−290、POS−135、第一工業製薬(株)社製の、DKエステルSS、F160、F140、F110、F90、F70、F50、F−A50、F−20W、F−10、F−A10E、コスメライクB−30、S−10、S−50、S−70、S−110、S−160、S−190、SA−10、SA−50、P−10、P−160、M−160、L−10、L−50、L−160、L−150A、L−160A、R−10、R−20、O−10、O−150等が挙げられる。
これら界面活性剤の添加量は、水分散物に対して、好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜20質量%、更に好ましくは1〜15質量%である。
0.1質量%以上の添加量とすることによって、より微細な粒子径の乳化物を得ることができると共に乳化物の安定性を充分に確保することができ、また、50質量%以下の添加量とすることによって、乳化物の泡立ちを適切な範囲に調整することができる点で好ましい。
[水分散物中のエマルジョン粒子の粒子径]
水分散物におけるエマルジョン粒子の粒子径は、透明性の観点から、体積平均粒子径(メジアン径)として200nm以下であり、好ましくは150nm以下、更に好ましくは100nm以下である。
粒子径は、添加成分の種類及び使用量、製造方法における乳化条件(せん断力・温度・圧力)や、添加剤の使用量、油相と水相比率、界面活性剤の使用量などの要因によって変動するが、本発明の粒子径であれば、実用上問題ない。
粒子径は、市販の粒度分布計等で計測することができる。エマルションの粒度分布測定法としては、光学顕微鏡法、共焦点レーザー顕微鏡法、電子顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、静的光散乱法、レーザー回折法、動的光散乱法、遠心沈降法、電気パルス計測法、クロマトグラフィー法、超音波減衰法等が知られており、それぞれの原理に対応した装置が市販されている。
本発明における粒径範囲および測定の容易さから、本発明のエマルション粒径測定では動的光散乱法が好ましい。動的光散乱を用いた市販の測定装置としては、ナノトラックUPA(日機装(株))、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550((株)堀場製作所)、濃厚系粒径アナライザーFPAR−1000(大塚電子(株))等が挙げられる。また測定温度としては、粒子径の測定に通常用いられる温度であればよいが、20℃であることが好ましい。
本発明における粒子径は、測定温度を20℃とし、前記動的光散乱式粒径分布測定装置を用いて測定した値とする。
本発明の化粧料組成物は、通常化粧料組成物で使用している水、多価アルコール、水溶性高分子化合物、油溶性成分(オイル、ワックス)、防腐剤、酸化防止剤、香料等を必要に応じて配合することができる。
(酸化防止剤)
本発明の化粧料組成物には安定性を保持するために酸化防止剤を配合することが好ましい。使用可能な酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリフェノール類からなる化合物群、ラジカル捕捉剤、トコフェロール類、アスコルビン酸類を挙げることができる。本発明で使用可能な酸化防止剤は、親水性の酸化防止剤、及び/又は、油溶性の酸化防止剤を、単独又は併用して使用することができる。
前記酸化防止剤としては、アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体、並びにトコフェロール及びトコフェロール誘導体から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。酸化防止剤の添加は、化粧料組成物の水相に添加しても油相に添加してもよい。
化粧料組成物における酸化防止剤の含有量としては、特に限定されない。
(アスコルビン酸又はその誘導体)
アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸リン酸エステル、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム、硫酸アスコルビル、硫酸アスコルビル2ナトリウム塩、及びアスコルビル−2−グルコシド等が挙げられる。また、エリソルビン酸又はその誘導体、例えばエリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸カリウム、エリソルビン酸カルシウム、リン酸エリソルビン酸、及び硫酸エリソルビン酸なども、本発明におけるアスコルビン酸又はその誘導体に含むことができる。
これらのうち、カロテノイドの褪色防止やエマルジョン粒子の分散安定性の観点から、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム、アスコルビル−2−グルコシド、アスコルビン酸ナトリウムが好ましく、リン酸アルコルビルマグネシウム及びリン酸アスコルビルナトリウムが特に好ましい。
これらのアスコルビン酸又はその誘導体は、一般に市販されているものを適宜用いることができる。例えば、L−アスコルビン酸(武田薬品工業、扶桑化学、BASFジャパン、第一製薬ほか)、L−アスコルビン酸Na(武田薬品工業、扶桑化学、BASFジャパン、第一製薬ほか)、アスコルビン酸2−グルコシド(商品名 AA−2G:林原生物化学研究所)、L−アスコルビン酸燐酸Mg(商品名 アスコルビン酸PM「SDK」(昭和電工)、商品名 NIKKOL VC−PMG(日光ケミカルズ)、商品名 シーメート(武田薬品工業))等が挙げられる。
(トコフェロールまたはその誘導体)
使用可能なトコフェロールとしては、特に限定されず、トコフェロールまたはその誘導体からなる化合物群から選ばれるものである。
トコフェロールまたはその誘導体からなる化合物群としては、dl−α−トコフェロール、dl−β−トコフェロール、dl−γ−トコフェロール、dl−δ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸−dl−α−トコフェロール、リノール酸−dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のトコフェロール及びその誘導体、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール等が挙げられる。これらのなかでも、トコフェロール(dl−α−トコフェロール、dl−β−トコフェロール、dl−γ−トコフェロール、dl−δ−トコフェロール)、トコトリエノール(α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール)が好ましい。
これらは、混合物の状態で使用する場合が多く、抽出トコフェロール、ミックストコフェロールなどと呼ばれる状態で使用できる。
(その他の酸化防止剤)
使用可能な酸化防止剤であるポリフェノール類からなる化合物群としては、フラボノイド類(カテキン、アントシアニン、フラボン、イソフラボン、フラバン、フラバノン、ルチン)、フェノール酸類(クロロゲン酸、エラグ酸、没食子酸、没食子酸プロピル)、リグナン類、クルクミン類、クマリン類などを挙げることができる。また、これらの化合物は、以下のような天然物由来の抽出物中に多く含まれるため、抽出物という状態で利用することができる。
例えば、カンゾウ抽出物、キュウリ抽出物、ケイケットウ抽出物、ゲンチアナ(リンドウ)抽出物、ゲンノショウコ抽出物、コレステロール及びその誘導体、サンザシ抽出物、シャクヤク抽出物、イチョウ抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、ニンジン抽出物、マイカイカ(マイカイ、ハマナス)抽出物、サンペンズ(カワラケツメイ)抽出物、トルメンチラ抽出物、パセリ抽出物、ボタン(ボタンピ)抽出物、モッカ(ボケ)抽出物、メリッサ抽出物、ヤシャジツ(ヤシャ)抽出物、ユキノシタ抽出物、ローズマリー(マンネンロウ)抽出物、レタス抽出物、茶抽出物(烏龍茶、紅茶、緑茶等)、微生物醗酵代謝産物、羅漢果抽出物等が挙げられる(かっこ内は、植物の別名、生薬名等を記載した。)。これらのポリフェノール類のうち、特に好ましいものとしては、カテキン、ローズマリー抽出物、グルコシルルチン、エラグ酸、没食子酸を挙げることができる。
本発明に用いる酸化防止剤は、一般に市販されているものを適宜用いることができる。例えば、エラグ酸(和光純薬ほか)、ローズマリー抽出物(商品名RM−21A,RM−21E:三菱化学フーズほか)、カテキン(商品名:サンカトールW−5、No.1:太陽化学、ほか)、没食子酸Na(商品名:サンカトール:太陽化学、ほか)、ルチン・グルコシルルチン・酵素分解ルチン(商品名:ルチンK−2、P−10:キリヤ化学、商品名αGルチン:林原生物化学研究所ほか)等が挙げられる。
[油溶性成分]
本発明における化粧料組成物は、油性媒体に溶解するその他の油溶性成分を含むことができる。
前記その他の油溶性成分として、通常、紫外線吸収剤、抗酸化剤、抗炎症剤、保湿剤、毛髪保護剤、分散剤、溶剤、美白剤、抗シミ剤、細胞賦活剤、エモリエント剤、角質溶解剤、帯電防止剤、ビタミン類、メタボリックシンドローム改善剤、降圧剤、鎮静剤などとして使用されている他の成分も使用することができ、例えば、オリーブ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油などの油脂類、流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワランなどの炭化水素、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、ミツロウ、ラノリンなどのロウ類、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリルなどのエステル類、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸などの脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノールなどの高級アルコール類、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーン油、グリセリンの脂肪酸エステル類、その他、高分子類、油溶性色素類、油溶性蛋白質などを挙げることができる。また、それらの混合物である各種の植物由来油、動物由来油も含まれる。本発明に用いられる好ましい他の油溶性成分としては、ビタミンE類(前述のトコフェロール及びその誘導体以外)、コエンザイムQ類、ω−3油脂類(EPA、DHA、リノレン酸等を含む油脂)などを挙げることができる。
(多価アルコール)
本発明の化粧料組成物は、保湿機能や粘度調整機能等を発揮するため多価アルコールを含有することが好ましい。また、多価アルコールの添加により、化粧料組成物の水分活性を下げることができ、微生物の繁殖を抑えることができる。
本発明に使用できる多価アルコールとしては、二価以上のアルコールであれば特に限定されず用いることができる。
前記多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、マルチトール、還元水あめ、果糖、ブドウ糖、蔗糖、ラクチトール、パラチニット、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、キシロース、グルコース、ラクトース、マンノース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、イノシトール、ペンタエリスリトール、マルトトリオース、ソルビトール、ソルビタン、トレハロース、澱粉分解糖、澱粉分解糖還元アルコール等が挙げられ、これらを、単独又は複数種の混合物の形態で用いることが出来る。
(水溶性高分子化合物)
水溶性高分子化合物としては、広く合成高分子、天然高分子、半合成高分子のいずれも用いることができる。特に糖類、タンパク質類およびそれらの複合体が好ましい。
糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類、デキストリン、デンプン誘導体、ガム類、ムコ多糖類、セルロース類等を含むがこれらに限定されるものではない。
これらの中で、代表的なものは、アガロース、アラビノース、アミロース、アミロペクチン、アカシアガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、アルキルグリコシド、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルドース、イヌリン、オリゴ糖、ガッティガム、カードラン、カラギーナン、ガラクトマンナン、ガラクトース、キサンタンガム、キシロース、キシログルカン、キチン、キトサン、グアーガム、クラスターデキストリン、β−グルカン、グルクロン酸、グリコーゲン、グリコサミノグリカン、グリセルアルデヒド、グルコサミン、グルコース、グルコマンナン、ケトース、コンドロイチン硫酸、サイリウムシードガム、ジェランガム、シクロデキストリン、スクロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、セロビオース、ソルビトール、デオキシリボース、デキストリン、転化糖、デンプン、大豆多糖類、糖アルコール、糖タンパク質、トラガントガム、トレハロース、ヒアルロン酸、フコース、フルクトース、プルラン、ペクチン、ヘパリン、ヘミセルロース、マルトース、マンニトール、マンナン、ラクトース、リボース等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
これらの糖類の中では、粘度増加による分散安定性の観点からガム類、多糖類が好ましく、カロテノイド類の安定性の観点から、キサンタンガム、アラビアガム、プルランなどが更に好ましい。
また、タンパク質類としては、アミノ酸がペプチド結合で重合したポリマー又はオリゴマーであればいかなる種類のものも用いることができるが、より好ましくは天然由来で且つ水溶性のものである。
タンパク質にはアミノ酸からなる単純タンパク質と、アミノ酸以外の構成成分を含む複合タンパク質とがあり、いずれも用いることが出来る。単純タンパク質の例としては、ゼラチン、カゼイン、フィブロイン、セリシン、ケラチン、プロタミン等が挙げられる。また複合タンパク質としては、炭水化物に結合したタンパク質である糖タンパク質、脂質に結合したタンパク質であるリポタンパク質、金属イオンに結合したタンパク質である金属タンパク質、リボ核酸に結合したタンパク質である核タンパク質、リン酸基に結合したタンパク質であるリンタンパク質等がある。
一方、一般的には、タンパク質原料から呼称される場合も多く、動物性筋肉タンパク質、乳タンパク質、卵タンパク質、米タンパク質、小麦タンパク質(小麦グルテン)、大豆タンパク質、酵母タンパク質、細菌タンパク質等が挙げられる。
なお、このようなタンパク質は、混合物としても使用してもよい。
(アミノ酸またはその誘導体)
本発明の化粧料組成物には、アミノ酸またはその誘導体を含有させることができる。配合可能なアミノ酸又はその誘導体としては、化粧料の構成成分として用いることができるものは、特に限定されず用いることができる。
前記アミノ酸又はその誘導体としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、メチオニン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アセチルヒドロキシプロリン等のアミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
前記アミノ酸又はその誘導体としては、前記の中でも、ヒドロキシプロリン、アセチルヒドロキシプロリンが好ましい。
前記アミノ酸又はその誘導体は、従来公知の方法を用いて合成されたものでも、市販されているものでもよい。
これらは単独で用いても、複数を併用してもよい。
前記アミノ酸又はその誘導体の含有量としては、特に限定されないが、化粧料組成物全質量に対して0.00001〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.0001〜5質量%、更に好ましくは0.0005〜1質量%である。
本発明の化粧料組成物は、香料を更に含むことができる。
本発明で使用可能な香料としては、動物系、植物系、鉱物系の天然香料および合成香料のいずれも使用可能であり、例えば、ローズ抽出エキス、カモミール抽出エキス、グリーンティー香料、ラベンダー油、ゼラニウム油、ジャスミン油、ベルガモット油、ムスク油、イランイラン油、リモネン、リナロール、シトラール、シクロペンタデカノン、オイゲノール、ローズオキサイドなどを挙げることができる 。
本発明の化粧料組成物は、時として光や熱などの影響で退色することがある。これを防止するため、上記の化粧品を構成する成分に加えて、金属封鎖剤などの金属封鎖効果のある成分を化粧料中に配合することにより、金属フタロシアニン誘導体の色調の安定性が向上する。
本発明で使用可能な金属封鎖剤または金属封鎖効果のある成分としては、EDTA−2ナトリウム、EDTA−3ナトリウム、EDTA−4ナトリウム、エチドロン酸、エチドロン酸4ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸液、クエン酸、コハク酸、フィチン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、リン酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムなどが安定性の向上に効果があるが、特にフィチン酸が安定性の向上効果が高く、鉄フタロシアニン誘導体の退色防止効果が高い。金属封鎖剤又は金属封鎖効果のある成分は化粧料組成物あたり0.01質量%〜1質量%、好ましくは0.05質量%〜0.5質量%を含有させることで退色防止効果を発揮する。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の記載で「%」表示してあるものは、特に断らない限り質量基準である。
鉄フタロシアニンテトラカルボン酸最適濃度確認試験
(1)試験用美容液の調製
鉄フタロシアニンテトラカルボン酸配合美容液の最適濃度を確認するため、各種の濃度で(実施例1:0.001%、実施例2:0.003%、実施例3:0.005%、実施例4:0.01%、実施例5:0.02%、実施例6:0.05%、実施例7:0.1%、実施例8:0.2%、実施例9:0.5%)、で配合した美容液を常法によって調製した。配合処方を下記表1に示す。
Figure 0005718348
[評価試験]
各濃度の鉄フタロシアニンテトラカルボン酸配合美容液の使用試験を1群の被験者10名で実施し、使用後の使用感と効果を被験者に対するアンケートで評価した。
試験方法は次の通り。
(1)被験者 : 対象となる被験者は、成人で健康な女性で、極度の敏感肌、アトピー性皮膚炎の者、化粧料使用部位に皮膚疾患のある者は除外した。
(2)試験化粧料: 実施例の試験化粧料を被験者に使用させた。試験化粧料は記号のみを付け、被験者に実施例の詳細がわからないようにした。試験化粧料のべースは安全性・安定性の品質が確保されたものである。
(3)使用方法 : 被験者が通常使用している化粧料の、乳液、クリーム、美容液は控えさせ、試験化粧料を使用させた。その他の洗顔料などの化粧料は、モニター試験中通常通りに使用させた。
(4)使用部位 : 配布する化粧料は、通常使用している乳液、クリーム、美容液の代わりに継続使用させた。
(5)使用期間 : 1日2回(朝・晩)使用し、連続10日間連用させた。
(6)使用量 : 1回の使用量は通常の化粧料の使用量と同様とした。
(7)評価 :
〔老化防止効果〕
判定は被験者が使用した際の実感を次の五段階評価とした。
1 効果ない
2 殆ど効果を感じない
3 やや効果を感じた
4 効果を感じた
5 顕著な効果を感じた
試験化粧品の総合評価として、「やや効果を感じた」、「効果を感じた」、「顕著な効果を感じた」と回答した被験者の合計人数が10人中8人以上の場合「◎」、6人以上の場合、「○」、5〜4人の場合「△」、3人以下の場合「×」とした。
〔外観〕
試験に用いた美容液の外観評価は、専門の評価者2人による目視評価で行い、総合判定した。
× 化粧品として不適当である
△ 化粧品の外観上やや不適当であり、問題がある。
○ 化粧品の外観上適当かつ優れており、問題なし
◎ 化粧品の外観上非常に優れている。
[試験結果]
本発明の鉄フタロシアニンテトラカルボン酸を配合する美容液の使用後のアンケートによる皮膚老化防止効果と外観評価の結果を表2に示す。
各処方の鉄フタロシアニンテトラカルボン酸を配合する美容液の皮膚老化防止効果は、配合濃度が0.001%と0.003%の場合、60%の方が効果を実感しており、0.005%以上の場合、80%以上の方が実感するという結果であった。
即ち、試験に用いた0.001%〜0.5%濃度の美容液は効果が十分実感できた。一方、美容液の外観評価では、0.1%以下では化粧品として外観上適当であり、問題がないレベルであるが、0.2%以上では、化粧品として外観上不適当な色あいであった。
Figure 0005718348
鉄フタロシアニンテトラカルボン酸不含処方との比較試験
(1)試験用美容液の調製
下記表3に示す処方の通りに、本発明の鉄フタロシアニンテトラカルボン酸を配合する美容液を常法によって調製した。
カルボキシビニルホリマーを精製水の一部に溶解し、グリセリン、ジプロピレングリコール等の原料を順次加えホモミキサーにて十分に攪拌する。冷却後、水酸化カリウムで中和し、香料を添加した後に、残りの精製水を加えて、ジェル状組成物を調製した。
Figure 0005718348
[比較例]
鉄フタロシアニンテトラカルボン酸を添加しない以外は実施例4と同様に作製し、美容液を得た。
[評価試験]
上記で得られた実施例・比較例の美容液の使用試験を、被験者21名を対象として実施し、使用後の使用感と効果を被験者に対するアンケートで評価した。
試験方法は次の通り。
(1)被験者 : 対象となる被験者は、成人で健康な女性で、極度の敏感肌、アトピー性皮膚炎の者、化粧料使用部位に皮膚疾患のある者は除外した。
(2)試験化粧料: 実施例と比較例の2種類の試験化粧料を被験者に使用させた。
試験化粧料は記号のみを付け、被験者に実施例・比較例の区別がわからないようにした。試験化粧料のべースは安全性・安定性の品質が確保されたものであり、両化粧料には使用上の差はない。
(3)使用方法 : 被験者が通常使用している化粧料の、乳液、クリーム、美容液は控えさせ、試験化粧料を使用させた。その他の洗顔料などの化粧料は、モニター試験中通常通りに使用させた。
(4)使用部位 : 配布する化粧料は、通常使用している乳液、クリーム、美容液の代わりに、どちらか一方を片側の半顔に、もう一方を反対側の半顔に継続使用させた。
(5)使用期間 : 1日2回(朝・晩)使用し、連続10日間連用させた。
(6)使用量 : 1回の使用量は通常の化粧料の使用量と同様とした。
(7)評価 : 効果判定は使用した際の実感を次ぎの五段階評価とした
1 効果ない
2 殆ど効果を感じない
3 やや効果を感じた
4 効果を感じた
5 顕著な効果を感じた
(8)アンケート:アンケート内容は試験結果を示す下記の表に記載の通り。なお、統計解析は、EXCELソフトのt検定「分散が等しくないと仮定した2標本による検定法」を用いて行った。
[試験結果]
下記の表4及び図1、2に示す通り、実施例の本発明の鉄フタロシアニンテトラカルボン酸を配合する美容液は、比較例の鉄フタロシアニンテトラカルボン酸を配合しない美容液と比較して、「保湿の実感」、「くすみ改善の実感」、「キメ改善の実感」、「小じわ改善の実感」、「ハリ弾力改善の実感」、「全体的な肌改善効果の実感」の項目で、肌改善効果の実感が有意に高かった。特に「保湿改善の実感」、「キメ改善の実感」、「全体的な肌改善効果の実感」が顕著に高いことが分った(1%有意)。
また、総合的に評価して、実施例と比較例のどちらに肌改善効果の実感があったかとの質問をした結果、「実施例の方がよい」と回答した者が21人中14人、「実施例の方がややよい」と回答した者が同じく4人、「違いがない」と回答した者が同じく3人という結果であり、圧倒的に実施例の方が肌改善効果が高いことが分った。
Figure 0005718348
*:5%有意
**:1%有意
鉄フタロシアニンオクタカルボン酸含有美容液の効果試験
実施例10
[美容液の調製]
前述記載の実施例4の鉄フタロシアニンテトラカルボン酸を鉄フタロシアニンオクタカルボン酸に代えた以外は同じ処方の美容液を常法によって調製した。
[評価試験]
上記で得られた実施例10の美容液の使用試験を、被験者21名を対象として実施し、使用後の使用感と効果を被験者に対するアンケートで評価した。
試験方法は前述の実施例と同様に行った。
試験方法は次の通り。
(1)被験者 : 対象となる被験者は、成人で健康な女性で、極度の敏感肌、アトピー性皮膚炎の者、化粧料使用部位に皮膚疾患のある者は除外した。
(2)試験化粧料: 実施例の試験化粧料を被験者に使用させた。試験化粧料は記号のみを付け、被験者に実施例の詳細がわからないようにした。試験化粧料のべースは安全性・安定性の品質が確保されたものである。
(3)使用方法 : 被験者が通常使用している化粧料の、乳液、クリーム、美容液は控えさせ、試験化粧料を使用させた。その他の洗顔料などの化粧料は、モニター試験中通常通りに使用させた。
(4)使用部位 : 配布する化粧料は、通常使用している乳液、クリーム、美容液の代わりに継続使用させた。
(5)使用期間 : 前記と同様
(6)使用量 : 前記と同様
(7)評価 : モニター品を使用した後に「ハリ・弾力の改善」、「保湿」、「小ジワ改善」、「くすみ改善」、「肌表面のざらつき・ごわつき改善」、「キメ改善」、「シミ改善」及び「全体的な肌改善」の各項目について、使用前と比較して下記の二段階で本人に評価させた。
1 実感がなかった
2 実感があった
[試験結果]
実施例の本発明の鉄フタロシアニンオクタカルボン酸を配合する美容液の使用後のアンケートの下記の各質問に対する被験者の回答を括弧内に人数と割合を示す。
・ハリ・弾力改善の実感がありましたか? (あった:17人、81%)
・保湿の実感がありましたか? (あった:17人、81%)
・小じわ改善の実感がありましたか? (あった:9人、43%)
・くすみ改善の実感がありましたか? (あった:9人、43%)
・肌表面のざらつき ・ごわつき改善の実感がありましたか? (あった:11人、52%)
・キメ改善の実感がありましたか? (あった:13人、62%)
・シミ改善の実感がありましたか? (あった:5人、24%)
・全体的に肌改善の実感がありましたか? (あった:19人、91%)
実施例の本発明の鉄フタロシアニンオクタカルボン酸を配合する美容液は、「ハリ弾力改善の実感」と「保湿の実感」があったと回答した者の割合が、80%以上と顕著に効果が高く、次いで「キメ改善効果の実感」があったと回答した者の割合が60%以上と効果高いことがわかった。「全体的な肌改善効果の実感」があったと回答した者の割合は、91%であり顕著に高い結果であった。
実施例11
鉄フタロシアニンテトラカルボン酸配合美容液の使用試験
[試験用美容液の調製〕
下記に示す処方の通りに、本発明の鉄フタロシアニンテトラカルボン酸0.005質量%を配合したジェル状美容液(実施例11)を常法によって調製した。
[鉄フタロシアニンテトラカルボン酸配合処方]
グリセリン 10%、1,3−ブチレングリコール 6%、ジグリセリン 4%、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール 1%、ラフィノース 3%、ジプロピレングリコール 2%、コハク酸ビスエトキシジグリコール 0.8%、グルコシルトレハロース 1.5%、ポリソルベート80 0.5%、カルボマー 0.4%、キサンタンガム 0.3%、加水分解ヒアルロン酸 0.01%、アセチルヒアルロン酸Na 0.01%、フィチン酸 0.1%、アスコルビルグルコシド 0.05%、美容成分 適量、香気成分 適量、フェノキシエタノール 0.6%、鉄フタロシアニンテトラカルボン酸 0.005%、精製水 残余
この処方により得られたジェル状美容液の安定性は良好であった。
[評価試験]
実施例11の美容液の使用試験を、被験者25名を対象として使用後の使用感と効果を被験者に対するアンケートで評価した。試験方法は次の通り。
(1)被験者 : 対象となる被験者は、成人で健康な女性で、極度の敏感肌、アトピー性皮膚炎の者、化粧料使用部位に皮膚疾患のある者は除外した。
(2)試験化粧料: 実施例の試験化粧料を被験者に使用させた。試験化粧料は記号のみを付け、被験者に実施例の詳細がわからないようにした。試験化粧料のべースは安全性・安定性の品質が確保されたものである。
(3)使用方法 : 被験者が通常使用している化粧料の、乳液、クリーム、美容液は控えさせ、試験化粧料を使用させた。その他の洗顔料などの化粧料は、モニター試験中通常通りに使用させた。
(4)使用部位 :配布する化粧料は、通常使用している乳液、クリーム、美容液の代わりに同様の使用部位に継続使用させた。
(5)使用期間 :1日2回(朝・晩)使用し、連続10日間連用させた。
(6)使用量 :1回の使用量は通常の化粧料の使用量と同様とした。
(7)評価 :使用した後の、「肌のハリ・弾力の改善」、「ツヤ」、「保湿」、「キメ」、「肌表面のざらつき・ごわつき」、「小じわ」、「シミ」及び「全体的改善」の実感を、使用前と比較して下記の五段階で本人に評価させた。また、使用中の化粧品による肌への実感についても、試験開始前に同様の項目を評価させた。
1 感じない
2 あまり感じない
3 どちらともいえない
4 やや感じる
5 感じる
[試験結果]
実施例11処方の鉄フタロシアニンテトラカルボン酸を配合する美容液の使用後の実感、及び現在使用中の化粧品に関する使用実感について各質問における「感じる」+「やや感じる」と回答した者の人数と割合を下記の表5に示す。
Figure 0005718348
「ハリ・弾力改善」、「保湿」、「ツヤ」、「キメ改善」の項目において、本発明のモニター品を使用した者が実感すると回答が多かった。「ハリ・弾力改善」、「ツヤ」、「キメ改善」の項目では、何れも過半数以上が効果を実感したと回答したが、自己が使用している化粧品では実感されていると回答した者が半分以下にとどまっていた。本発明の美容液の肌改善の実感が市販化粧品に比して顕著に優れていることがわかった。また、「全体的な肌改善」については、本発明品を使用した者のうち64%(16人)が「感じる」または「やや感じる」と回答し、自己使用中の化粧品では32%(8人)であった。本発明の美容液の肌への効果実感は市販品に比して顕著に高い結果であった。
実施例12
鉄フタロシアニンテトラカルボン酸の退色抑制効果試験
本発明の化粧料組成物は、上述したとおり金属封鎖剤などの金属封鎖効果のある成分を化粧料中に配合することにより、本発明の金属フタロシアニン誘導体の色調の安定性が向上する。
鉄フタロシアニンテトラカルボン酸0.01%を配合した実施例4の処方(表3)に、さらにフィチン酸0.05%、0.1%、またはEDTA−2ナトリウム0.1%、0.2%を配合した美容液を常法によって調製した。
[評価試験]
この美容液を50℃で1週間保管し、調製直後の美容液と対比して目視により安定性を評価した。
評価基準は次の通り。
〔退色防止効果〕
専門の試験担当者が次の3段階で試験美容液を判定した。
× 退色が顕著である
△ やや退色している。
○ 殆ど退色がない
[試験結果]
鉄フタロシアニンテトラカルボン酸0.01%を配合した美容液に金属封鎖効果成分を配合し、退色防止効果を調べた結果を表6に示す。EDTA−2Naを配合した場合、0.1%では顕著な退色が認められ、0.2%でもやや退色がみられた。EDTA−2Naを処方する場合は化粧料組成物あたり0.2質量%添加する必要があることがわかった。一方、フィチン酸を配合した場合0.05%、0.1%ともに殆ど退色が認められず、退色防止効果が高いことが分かった。
Figure 0005718348
[処方例1] 化粧水
エタノール 3質量%、グリセリン 5%、1,3−ブチレングリコール 2%、モノステアリン酸POEソルビタン 3%、鉄フタロシアニンテトラカルボン酸 0.005%、精製水 残余
上記処方にて常法により、化粧水を製造した。得られた化粧水の安定性は良好であった。
[処方例2] 化粧水
処方例3の化粧水の処方中で、鉄フタロシアニンテトラカルボン酸を鉄フタロシアニンオクタカルボン酸に置き換えた以外は同様の配合量で、常法により化粧水を製造した。得られた化粧水の安定性は良好であった。
[処方例3] 乳液
スクワラン 6質量%、セチルアルコール 1%、オリーブ油 1.5%、マカデミアナッツ油1.5%、グリセリン 3%、1,3−ブチレングリコール 3%、 カルボキシビニルポリマー 0.5%、水酸化ナトリウム 0.15%、モノステアリン酸デカグリセリル 2%、鉄フタロシアニンテトラカルボン酸 0.01%、香料 適量、フェノキシエタノール 0.8%、精製水 残余
上記処方にて常法により、乳液を製造した。得られた乳液の安定性は良好であった。
[処方例4] クリーム
スクワラン 10質量%、オクチルドデカノール 5%、グリセロールトリ2−エチルヘキサン酸エステル 30%、ミツロウ 3%、ワセリン 2%、1,3−ブチレングリコール 4%、モノステアリン酸プロピレングリコール 5%、鉄フタロシアニンテトラカルボン酸 0.01%、香料 適量、フェノキシエタノール 0.8%、精製水 残余
上記処方にて常法により、クリームを製造した。得られたクリームの安定性は良好であった。
[処方例5] クリーム
処方例4のクリームの処方中で、鉄フタロシアニンテトラカルボン酸を鉄フタロシアニンオクタカルボン酸に置き換えた以外は同様の配合量で、常法によりクリームを製造した。得られたクリームの安定性は良好であった。
[処方例6] 入浴剤
硫酸ナトリウム 50質量%、炭酸水素ナトリウム 49.98%、鉄フタロシアニンテトラカルボン酸 0.01%、香料 0.01%
上記処方にて常法により、入浴剤を製造した。得られた入浴剤の安定性は良好であった。
[処方例7] シャンプー
グリセリン 40質量%、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウム12%、N−ラウロイル−β−メチルアラニンナトリウム 3%、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 10%、ラウリン酸ジエタノールアミド 1%、エタノール 5%、カルボキシメチルセルロースナトリウム 1%、鉄フタロシアニンテトラカルボン酸 0.01%、香料 適量、フェノキシエタノール 0.9%、精製水 残余
上記処方にて常法により、シャンプーを製造した。得られたシャンプーの安定性は良好であった。
[処方例8] ボディソープ
1,2−ペンタンジオール 2%、ジグリセリン 15%、マルチトール 10%、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム 15%、ポリオキシエチレン(20EO)ソルビタンモノラウレート 1%、ヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレン(7EO)グリセリル 1%、エタノール 12%、カルボキシメチルセルロースナトリウム 1%、鉄フタロシアニンテトラカルボン酸 0.01%、香料 適量、フェノキシエタノール 0.9%、精製水 残余
上記処方にて常法により、ボディソープを製造した。得られたボディソープの安定性は良好であった。
本発明の化粧料組成物は、例えば、美容液(水系、ジェル系)、化粧水、乳液、クリーム、ファンデーション、シャンプー、ボディソープ及び入浴剤等の用途に適用できる。

Claims (13)

  1. 下記式 [I] で示される金属フタロシアニン誘導体を含有することを特徴とする化粧料組成物。
    Figure 0005718348

    ([I]式中、MはFe、Co、Mn、Ti、V、Ni、Cu、Zn、Mo、W、Osから選択される金属であり、R1〜R4はカルボキシル基であり、n1〜n4は同一の1または2である。)
  2. 組成物全質量に対して、前記金属フタロシアニン誘導体を0.0001質量%〜2質量%の濃度で含有することを特徴とする請求項1に記載の化粧料組成物。
  3. 前記 [I]式中、MがFe、CoまたはMnである金属フタロシアニン誘導体を有効成分に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料組成物。
  4. 化粧料組成物が、基礎化粧料用である請求項1〜3のいずれかに記載の化粧料組成物。
  5. 金属フタロシアニン誘導体が鉄フタロシアニンテトラカルボン酸又はその塩である請求項1〜4のいずれかに記載の化粧料組成物。
  6. 金属フタロシアニン誘導体が鉄フタロシアニンオクタカルボン酸又はその塩である請求項1〜4のいずれかに記載の化粧料組成物。
  7. 下記式 [I] で示される金属フタロシアニン誘導体と金属封鎖剤又は金属封鎖効果のある成分を含有することを特徴とする化粧料組成物。
    Figure 0005718348

    ([I]式中、MはFe、Co、Mn、Ti、V、Ni、Cu、Zn、Mo、W、Osから選択される金属であり、R1〜R4はカルボキシル基であり、n1〜n4は同一の1または2である。)
  8. 金属封鎖剤がEDTA−2ナトリウム、EDTA−3ナトリウム、EDTA−4ナトリウム、エチドロン酸、エチドロン酸4ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸、クエン酸から選択される1以上の物質、金属封鎖効果のある成分がコハク酸、フィチン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、リン酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムから選択される1以上の物質である請求項7記載の化粧料組成物。
  9. 組成物全質量に対して、前記金属フタロシアニン誘導体を0.0001質量%〜2質量%の濃度で含有することを特徴とする請求項7又は8に記載の化粧料組成物。
  10. 前記 [I]式中、MがFe、CoまたはMnである金属フタロシアニン誘導体を有効成分に含むことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の化粧料組成物。
  11. 化粧料組成物が、基礎化粧料用である請求項7〜10のいずれかに記載の化粧料組成物。
  12. 金属フタロシアニン誘導体が鉄フタロシアニンテトラカルボン酸又はその塩である請求項7〜11のいずれかに記載の化粧料組成物。
  13. 金属フタロシアニン誘導体が鉄フタロシアニンオクタカルボン酸又はその塩である請求項7〜11のいずれかに記載の化粧料組成物。
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