JPH0482559A - 消臭剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規な消臭剤に関する。

従来の技術 従来より、消臭剤としては活性炭等の無機多孔性物質の
物理的性質を利用したものが知られているか極性の強い
アンモニア等を吸着する効果が劣っていた。また、近年
では金属イオンの錯体形成の化学的性質を利用したもの
、金属フタロシアニン類等の酸化還元能を有する金属錯
体の酵素類似反応を利用したもの等が知られているか、
これらではジスルフィド、サルファイド類及び芳香族系
化合物等の悪臭を全て取り除き無臭の状態にすることは
困難であった。

発明が解決しようとする課題 本発明は、悪臭の中でも、特にジスルフィド、サルファ
イド類及び芳香族系化合物等の従来の消臭剤では消臭し
切れなかった悪臭に対して優れた消臭効果を有する消臭
剤を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 本発明者らは前記従来技術の課題を解決すべく鋭意研究
を重ねた結果、パラフィン系炭化水素を用いてなる消臭
剤がジスルフィド、サルファイト類及び芳香族系化合物
等の悪臭をすへて消臭しうることを見出し本発明を完成
するに至った。

すなわち本発明は、 ■　炭素数５〜７０のパラフィン系炭化水素を含有して
なる消臭剤、並びに ■　更に、酸化還元能を有する金属錯体及び／又は金属
イオンを含有してなる上記■の消臭剤、に係る。

本発明消臭剤は、炭素数５〜７０のパラフィン系炭化水
素を、有効成分として含有している。ここに、該パラフ
ィン系炭化水素は、酸化還元能を有する金属錯体や金属
イオン等の従来の消臭剤では十分に消臭しきれなかった
悪臭、すなわち二硫化アリル、二硫化メチル等のジスル
フィド類や亜硫酸ジメチル等のサルファイド類及びアニ
リン、ベンズアルデヒド、クレゾール、ピリジン等の芳
香族系化合物の悪臭を該パラフィン系炭化水素の溶解力
に起因して効率よく溶解して取り除くと考えられる。

かかる炭化水素の分子量は、７０〜９９０てあり、通常
常温で液体、固体または流動体であり、融点１１０°Ｃ
以下である。好ましい炭化水素は、炭素数１５〜３５、
分子量２１０〜５００、融点１０〜８０°Ｃのものであ
り、常温で固体または流動体であるものが良い。特に常
温で固体であるものが良い。

炭素数が５より小さい炭化水素は、常温で気体となり悪
臭を消臭できない。又、７０より大きい炭化水素は、融
点が高くなり取り扱いが困難となる。

また、本発明で用いるパラフィン系炭化水素としては、
一般式Ｃｎ　Ｈ２，＋２（ｎ＝５〜７０）で表されるも
のやポリエチレン、ポリプロピレン等の炭化水素系ポリ
マーの低分子重合物等を包含する。

当該炭化水素は、直鎖または分岐鎖のどちらのパラフィ
ン系炭化水素でも良い。好ましくは、直鎖パラフィン系
炭化水素である。また、これらパラフィン系炭化水素は
一種類単独で使用しても良く、二種以上組み合わせて使
用しても良い。なお、通常常温で炭素数が５〜１５では
液体または流動体であり、１６以上では固体であり、ま
た炭素数が大きいほど混合物で存在する。

たとえば、液状のパラフィン系炭化水素としてはペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、
流動パラフィン等が挙げられ、固体のパラフィン系炭化
水素としてはパラフィンワックス、天然産炭化水素また
はフィッシャー・トロプシュ法による合成炭化水素、ポ
リエチレンワックスまたはアタクチックポリプロピレン
低分子重合物等の低分子量の合成物等が挙げられる。

本発明においては、炭素数５〜７０のパラフィン系炭化
水素に加えて、更に酸化還元能を有する金属錯体及び／
又は金属イオンを併用することにより、アミン類、イン
ドール類、脂肪酸類等の悪臭の除去効果か更に増大する
。

本発明で用いる酸化還元能を有する金属錯体としては、
酸化還元能を有する金属ポルフィリン、金属ポルフィラ
ジン及びこれらの誘導体が挙げられる。ここに金属ポル
フィリン及びその誘導体は下記（Ｉ）で示される構造式
で表される。また、金属ポルフィラジン及びその誘導体
は下記〔■〕で示される構造式で表される。

両式において、Ｍは、金属イオンを表し、具体的にはＦ
ｅ５Ｃｏ、Ｍｎ、Ｔｉ５ＶＳＮｉＳＣｕ。

ＺｎＳＭｏ５Ｗ等の金属イオンが挙げられる。これらの
金属イオンのうち消臭効果の点からはＦｅ、Ｃｏが好ま
しい。また、Ｘは、水素原子又は置換基を示し、置換基
としてはアルキル基、置換アルキル基（たとえばクロロ
メチル基）、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、アゾ
基、チオシアネート基、カルボキシル基、カルボニルク
ロリド基、カルボキシルアミド基、ニトリル基、水酸基
、アルコキシル基、フェノキシ基、スルホン酸基、スル
ホニルクロリド基、スルホンアミド基、チオール基、ア
ルキルケイ素基、ビニル基等の他、カルボキシル基やス
ルホン酸基のアルカリ塩等が挙げられる。これらは単独
または２種以上が併用される。これらのなかでもカルボ
キシル基やスルホン酸基またはこれらのアルカリ塩類、
ハロゲン原子、アミノ基、水酸基等が好ましい、。

本発明においては、上記酸化還元能を有する金属錯体の
内、金属フタロシアニンモノカルボン酸及び金属フタロ
シアニンポリカルボン酸の金属フタロシアニンカルボン
酸、金属フタロシアニンモノスルホン酸及び金属フタロ
シアニンポリスルホン酸の金属フタロシアニンスルホン
酸を使用するのが好ましい。

酸化還元能を有する金属錯体の好ましい具体例としては
、コバルトフタロシアニンオクタカルボン酸、コバルト
フタロシアニンテトラカルボン酸、鉄フタロシアニンオ
クタカルボン酸、鉄フタロシアニンテトラカルボン酸等
が挙げられる。

これら金属錯体は単独または２種以上が組合されて用い
られる。

また、本発明で用いる金属イオンとしては、Ｆｅ、Ｃｏ
、Ｎｉ５Ｃｕ、Ｚｎ等の遷移金属イオンが好ましく、遷
移金属以外の金属イオンとしては、Ｃａ、Ｂａ５Ｍｇ等
がよい。これらの金属イオンを提供する物質としてはこ
れら金属の炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩等の塩類及び金属酸
化物等が挙げられる。これら金属イオンは単独または２
種以上が組合されて用いられる。なお、金属イオンは消
臭効果の他に抗菌作用がある点からも使用するのが好ま
しい。

本発明のパラフィン系炭化水素を含有してなる消臭剤は
、ジスルフィド類、サルファイド類及び芳香族系化合物
の悪臭に対して、単独で優れた消臭効果を発揮すること
はもちろんのこと、酸化還元能を有する金属錯体や金属
イオンと組み合せて用いることにより、前記ジスルフィ
ド類等以外の悪臭を含めたすべての悪臭に対して優れた
効果を発揮する消臭剤と成すこともできる。

前記成分を併用する場合その使用割合に特に制限はなく
、悪臭の種類により適宜その割合を変えればよいが、例
えば前記３成分を使用する場合は通常酸化還元能を有す
る金属錯体５〜５０重量％程度、金属イオン２０〜８０
重量％程度、炭化水素１〜４０重量％程度とすれば良く
、また金属イオンを使用しない場合は通常酸化還元能を
有する金属錯体１〜４０重量％程度、炭化水素６０〜９
９重量％程度とすれば良い。

また、本発明の消臭剤は、液体または固体の状態でその
まま使用しうるほか、前記成分をそれぞれ適当な担体に
物理的に吸着させたり、化学的に結合させて使用できる
。

担体としては無機物質または高分子化合物か挙げられ、
たとえば無機物質としてはシリカゲル、ガラス繊維、高
分子化合物としてはセルロース、でんぷん、グアーガム
等の天然高分子およびその誘導体、ポリビニルアルコー
ル、ポリ（メタ）アクリル酸およびこれらの金属塩また
はアルキルエステル、ポリ　（メタ）アクリルアミド、
ポリモノまたはジアルキル（メタ）アクリレート、ポリ
ヒドロキシ（メタ）アクリレート、ポリビニルピロリド
ン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルスルホン酸ま
たはその金属塩、ポリビニルエステル、ポリスチレン、
ポリビニルアセクール、ポリエステル、ポリアミド、ア
ミノ樹脂、アルキッド樹脂等およびこれらの共重合物か
らなる合成高分子物質が挙げられる。これら担体物質は
単独または２種以上が組合されて用いられる。

また、これら担体物質の形状は粉体、繊維、フィルム等
いずれの形状であっても良い。

また、前記成分の担体への総担持量は、特に制限はなく
、担体の担持能力や得られる消臭剤の性能を考慮して適
宜に決定すればよいが、通常は担体に対して０．１〜２
０重量％程度、好ましくは０．５〜５重量％である。

発明の効果 本発明の消臭剤によれば、従来の消臭剤では消臭しきれ
なかったジスルフィド、サルファイド類および芳香族系
化合物等の悪臭を全て除くことができる。

実施例 以下に、製造例、実施例、比較例及び試験例をあげて本
発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に
限定されるものではない。

製造例１（金属錯体担持樹脂の製造） ■　鉄フタロシアニンオクタカルボン酸１ｇを水酸化ナ
トリウムでｐＨ１０に調整した水溶液５００ｇに溶かし
、スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート系共
重合体樹脂（商品名「ルナペール９１２」、荒用化学工
業■製）１００ｇを添加し、５０℃で１時間撹拌した。

■　コバルトフタロシアニンオクタスルホン酸０．５ｇ
を水２０ｇに溶かし、ポリアクリル酸系吸水性樹脂（商
品名ｒアラソーブ」、荒用化学工業観製）１００ｇにス
プレー添加した。

製造例２（金属イオン担持樹脂の製造）■　硫酸銅５水
和物１ｇを脱イオン水３００ｇに溶かし、ポリアクリル
酸系吸水性樹脂（商品名「アラソーブ」、荒用化学工業
■製）３０ｇを添加し、８時間放置した。

■　硫酸銅５水和物５ｇを脱イオン水２０ｇに溶かし、
ポリアクリル酸系吸水性樹脂（商品名「アラソーブ」、
荒用化学工業■製）１００ｇをスプレー添加した。

製造例３（炭化水素担持樹脂の製造） ■　ポリアクリル酸系吸水性樹脂（商品名「アラソーブ
」、荒用化学工業観製）１００ｇとパラフィン系炭化水
素（商品名「パラフィンワックス１３５Ｊ、融点５８℃
、日本製臘■製）２ｇを掻き混ぜなから昇温し、パラフ
ィンが完全に溶融した後冷却した。

■　ポリアクリルアミド系樹脂（商品名「ポリストロン
」、荒用化学工業■製）１００ｇとパラフィン系炭化水
素（商品名「パラフィンワックス１５５」、融点６９℃
、日本製臘■製）２ｇをかき混ぜながら昇温し、パラフ
ィンが完全に溶融した後冷却した。

実施例１〜６及び比較例１〜２ 製造例３０及び■の炭化水素担持樹脂を、それぞれ実施
例１及び２の消臭剤とした。

また、製造例３■の炭化水素担持樹脂と製造例１■の金
属錯体担持樹脂とをそれぞれの有効成分の重量組成が前
者７５重量％及び後者２５重量％となる様に配合したも
のを、実施例３の消臭剤とした。同様に、製造例３■の
炭化水素担持樹脂と製造例１■の金属錯体担持樹脂とを
、それぞれの有効成分の重量組成が前者６５重量％及び
後者３５重量％となる様に配合したものを、実施例４の
消臭剤とした。

また、製造例３０の炭化水素担持樹脂、製造例２■の金
属イオン担持樹脂及び製造例１■の金属錯体担持樹脂を
、それぞれの有効成分の重量組成がこの順に１５重量％
、７５重量％及び１０重量％となる様に配合したものを
、実施例５の消臭剤とした。同様に、製造例３■の炭化
水素担持樹脂、製造例２■の金属イオン担持樹脂及び製
造例１０の金属錯体担持樹脂を、それぞれの有効成分の
重量組成がこの順に２５重量％、５５重量％及び２０重
量％となる様に配合したものを、実施例６の消臭剤とし
た。

一方、製造例２■の金属イオン担持樹脂と製造例１０の
金属錯体担持樹脂とを、それぞれの有効成分の重量組成
が前者７５重量％及び後者２５重量％となる様に配合し
たものを、比較例１の消臭剤とした。また、製造例１０
の金属錯体担持樹脂を比較例２の消臭剤とした。

上記実施例及び比較例の各消臭剤について、以下の消臭
試験を行なった。

試験例１ 実施例１〜２及び比較例１〜２の各消臭剤につき、第１
図に示す装置を用いて消臭試験を行なった。

即ち、消臭剤３００ｇを４５０ｃｍ３の円筒状容器（１
）に充填した。−大瓶（２）には発臭物質の溶液（４）
を入れ、連結管（７）により容器（１）と連結した。次
に、ガラス瓶（２）に備えた導入管（５）から毎分１５
０−の速度で空気を導入し、容器（１）の排気管（６）
から排気した。

この排気されたガスにつき、空気導入後１時間後及び２
４時間後の消臭状態を、次の評価基準により判定した。

５・・・・・・全く臭気なし ４・・・・・・はとんど臭気なし ３・・・・・・わずかに臭気あり ２・・・・・・臭気あり １・・・・・・強い臭気あり 試験結果を第１表に示す。

試験例２ 実施例３〜６及び比較例１〜２の各消臭剤につき、発臭
物質溶液を第２表のものに代えた他は試験例１と同様に
して、消臭試験を行なった。

試験結果を第２表に示す。

試験例３ 実施例１〜２及び比較例１〜２の各消臭剤につき、悪臭
ガスの除去量による消臭試験を行なった。

即ち、フッ化ビニリデンフィルム製のガス分析袋（容積
５Ω）中に消臭剤１ｇと所定濃度の悪臭ガス５ｇを封入
し、１時間後、３時間後、８時間後及び２４時間後のガ
ス濃度を測定し、消臭剤１ｇ当りのガス除去量（ｇ　／
　ｇ　）を算出した。

試験結果を第３表に示す。

【図面の簡単な説明】

第１図は、試験例１及び２で用いた消臭試験装置の構成
図である。第１図中、１は消臭剤の円筒状容器、２はガ
ラス瓶、３は消臭剤ミ４は発臭物質溶液、５は導入管、
６は排気管、７は連結管をそれぞれ示す。 （以　上）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）炭素数５〜７０のパラフィン系炭化水素を含有し
   てなる消臭剤。
2. （２）更に、酸化還元能を有する金属錯体及び／又は金
   属イオンを含有してなる請求項１記載の消臭剤。
3. （３）酸化還元能を有する金属錯体が、金属フタロシア
   ニンカルボン酸及び金属フタロシアニンスルホン酸から
   選ばれる少なくとも一種である請求項２記載の消臭剤。