JP5341409B2 - 消臭剤 - Google Patents
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従来、悪臭成分を低減する方法としては強力な芳香剤により不快な臭気をマスキングする方法;活性炭、ゼオライト等の多孔質吸着剤により臭気を吸着する物理的方法;触媒燃焼法やオゾンにより臭気成分を酸化する酸化法、化学薬品を用いた中和法などの化学的方法;あるいはバクテリアによる臭気成分の分解などの生物化学的方法等が知られている。消臭剤として現在市販の種々の製品は、アミン類やメルカプタン類の臭気に対し一定の低減効果は認められるものの、依然として僅かな臭いが人の鋭敏な臭覚には感じられ満足のゆく消臭効果が得られるには至っていない。
また、本発明の消臭剤のpHは中性であり、1価、2価又は3価のアルコールと組み合わせて用いることが可能で種々の用途の消臭剤として使用できる。
本発明の消臭剤においてグリセルアルデヒドヘミアセタールとしては、下式:
にて表されるグリセルアルデヒド二量体が用いられる。
(式中、Rは炭素数2〜6のアルキル基、アルキレン基、HO(CH2)3O−、又はHO(CH2)4O−を意味する。)
にて表される化合物であってもよい。式(2)中、Rがアルキル基であるものとしてはエチル、プロピル、n-,iso-, sec-, ter-ブチル、アミル、ヘキシルなど炭素数2〜6のアルキル基が挙げられる。また、アルキレン基としてはエチレン、プロピレン、ブチレン、へキシレンなど炭素数2〜6のアルキレン基が挙げられる。
(式中、R1及びR2は同一又は異なった炭素数1〜12のアルキル基、アルキレン基又は炭素数4〜16のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコールの残基を表す。)
にて表される化合物(グリセルアルデヒドフルアセタールともいう)が配合されてよい。式(3)中、R1、R2がアルキル基であるものとしては、メチル、エチル、プロピル、n-,iso-, sec-, ter-ブチル、アミル、ヘキシルなど炭素数1〜12のアルキル基が挙げられる。また、アルキレン基としてはエチレン、プロピレン、ブチレン、へキシレンなど炭素数1〜12のアルキレン基が挙げられる。
グリセリンアルデヒドの二量体(式1)は常温で固体であり、紙、不織布、樹脂などにコーティングして使用することができる。さらにジオキシアセトンをグリセリンアルデヒド及びグリセリンアルデヒドヘミアセタールと併用すると消臭効果がより向上する。この場合の配合量(重量)は、グリセリンアルデヒド又はグリセリンヘミアセタール1に対して0.2〜1.5であり、好ましくは0.5〜1である。
前記の消臭成分と共に配合されるアルコールとしては、エタノール、プロパノール、などの一価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの二価アルコール及びグリセリン等の三価アルコールを用いられてよい。特にエタノール、プロピレングリコール、グリセリンが好ましい。アルコールを配合することによって更にホルマリンの消臭が可能となると共に、前記消臭成分の水に対する溶解が向上し、悪臭の濃度に応じた消臭剤の調整が可能となる。これらアルコールの配合量は消臭剤全量に対して、70重量%以下、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%である。アルコールの配合量はこれより少ないと消臭成分を充分に溶解することができず、一方これより多量に配合しても水に対する消臭成分の溶解性は変わらず品質の向上はない。また、水への良好な溶解性を得るため、アルコールは消臭成分に対し等量以上を配合するのがよい。
前記金属塩の金属としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、銅、亜鉛、鉄が挙げられ、銅、亜鉛、ナトリウム、カルシウムが好ましい。これら金属塩の配合量(重量)は、前記の消臭成分1に対し0.5〜2、好ましくは0.5〜1である。
本発明の消臭剤にはさらに両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を配合するのが好ましく、HLB10〜16のものが好ましい。
両性界面活性剤としては、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなどが挙げられ、特にヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムと消臭成分を併用すると、従来のアンモニア、アミン類や硫化水素メルカブタンの消臭はもとより脂肪酸に対して効果向上し消臭範囲が拡大する。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタンなど、特にポリオキシエチレンラウリルエーテルなどが好ましい。
本発明消臭剤の調製は、前記の各成分を好ましくは精製水、エタノールなど適宜の媒体中に分散又は溶解し容易に調製できる。たとえば所定量の二価、三価のアルコール及び界面活性剤、精製水を混合し、60〜80℃、好ましくは65〜75℃に加熱し、温度を保持しつつ所定量の消臭成分を加えて攪拌し完全に溶解する。つぎに加熱を止め温度が低下したところにエチルアルコール、精製水などの溶媒を加えて成分調整を行い、常温になるまで攪拌を続ける。
[実施例1]
後記の表1に記載の各成分を用い消臭剤を調製した。すなわち、容器(200ml)にグリセリン5gをとり、精製水50mlを加えて70℃まで加熱した。この温度を保持しつつグリセルアルデヒド二量体5gを加え、完全に溶解するまで攪拌した。加熱をとめ温度が40℃まで低下したところでエチルアルコール5gと残りの精製水を加えて全量100gとし常温になるまで攪拌を続けた。
前記と同様に各所定量の二価、三価のアルコール、精製水及び界面活性剤を容器に採り加熱し、これに消臭成分を加えて完全に溶解した後、降温してエチルアルコール、精製水により成分調整を行い、消臭剤を得た。
(消臭テスト)
上記の消臭剤溶液10gを濾紙(直径10cm)に含浸させ、これをテスト試料としてテトラパック容器(容量3L)に入れた。この容器に悪臭成分としてアンモニア(初期濃度:100ppm)を含む窒素ガスを封入し、経時的に内部のアンモニア濃度を測定した。同様に、硫化水素(初期濃度40ppm)についても測定した。結果を下記の表1に示す。
前記と同様に表2に記載の各所定量の成分を処理し消臭剤を調製した。また、前記の消臭テストと同様に、悪臭成分として、アンモニア、硫化水素、酢酸、ホルマリンの各々を含む窒素ガスを封入し、経時的に内部の悪臭濃度を測定した。結果を下記の表2に示す。
近年、美容室向けのパーマ処理剤として、従来使用されているチオグリコール酸アンモニウムなどのほか、シスチアミン等の頭髪に対するカール性能に優れた処理剤が市販されている。しかしながら、シスチアミンはパーマ処理後10日以上にわたり残留して不快臭を示す。従来の消臭剤はチオクリコール酸アンモニウムなどのパーマ処理剤には消臭効果があっても新しいパーマ処理剤であるシスチアミンの消臭には効果がなく、本発明の消臭剤により優れた消臭効果を確認することができた。
グリセリンアルデヒド5gを容器にとり、グリセリン7g、エタノール3g、更にヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン2gを混合し、水を加えて全体を100gとした。80℃にて30分間加熱して完全に溶解した後、常温にもどして消臭剤を得た。
(毛髪の消臭テスト)
つぎの工程にて消臭テストを行った。
(1)人毛0.5gをビーカーにとる。
(2)3%シスチアミン(塩酸塩)10mlに、40℃にて20分浸漬した。
(3)水洗を3分間行った後、脱水する。
(4)消臭剤2mlと水8mlを加え、10分間浸漬する。
(5)水洗を3分間行った後、脱水する。
(6)2%ブロム酸ナトリウム液10mlに40℃にて20分間浸漬した。
(7)水洗を3分間行った後、脱水する。
(8)試料を乾燥後、官能テストに供した。
同時に比較のため、上記(4)〜(5)の工程を省いたブランクテストも行った。
測定者 A B C D E
実施例19 −+ − −+ − −+
ブランク + + + + +
(注)
−:全く臭いなし −+:わずかに臭いあり +−:少し臭いあり +:臭い強い
特に、粉状で、また液状若しくはスプレー缶に充填してエアロゾルの状態で使用し、トイレ周辺、生ゴミなど台所周り、あるいは愛玩動物の周辺の防臭に効果を示す。さらに、消臭剤を布、不織布、紙などにコーティングして、おむつ(幼児、成人、ペット用)や体臭防止用シートとして使用することができる。さらに頭髪のパーマ処理後の残存臭の除去にも有効である。
Claims (7)
- さらに、1価、2価又は3価のアルコールを配合してなる請求項1の消臭剤。
- さらにオキシ酸金属塩、メチルビニルエーテル無水マレイン酸金属塩、ケトカルボン酸金属塩、又はグリオキシル酸金属塩を配合してなる請求項1又は2の消臭剤。
- 金属塩がカリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、銅塩又は鉄塩である請求項3の消臭剤。
- さらに両性界面活性剤、カチオン界面活性剤及び/又はノニオン系界面活性剤を配合してなる請求項1〜4いずれかの消臭剤。
- 請求項1〜5いずれかの消臭剤を配合してなる頭髪処理剤。
- 請求項1〜5いずれかの消臭剤を配合したシャンプー又はリンスを用いて頭髪を処理する頭髪処理方法。
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