JP5101557B2 - 消臭剤 - Google Patents

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Description

本発明は、消臭剤及び消臭方法に関する。
近年は、生活環境の質の高度化に伴い、住環境についても質の高い快適さが求められ、最近の家屋では、気密性を高くして快適さを向上させている。しかし、この気密性の高さは、一方で、ニオイがこもりやすいという問題を生ずる要因ともなっている。即ち、最近の家屋では、加熱調理油臭、体臭、タバコ臭、トイレ臭、高齢者介護に伴うニオイ、乳児のニオイがこもりやすく、これらを取り除きたいという要望が高まってきている。これらのニオイ、例えば、加熱調理油臭や加齢臭、体臭には、不飽和脂肪族アルデヒドが多く含まれていることが一般に知られている。
アルデヒドに対する消臭剤としては、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオールなどのヒドロキシアミン化合物を用いたものが知られている(特許文献1)。しかし、ヒドロキシアミン化合物は、飽和脂肪族アルデヒドに対しては消臭性能を発揮するものの、不飽和脂肪族アルデヒドに対しては消臭性能が低いという問題がある。
また、消臭剤として酸化作用をもつ金属化合物を用いたものが知られており、例えば特許文献2には第二鉄塩を使用する方法が開示されている。しかし、塩化第二鉄は水溶液中で安定に存在することができず、沈殿を生じ、強い酸化力を維持することは難しい。
特開2008-86436号公報 特開昭61-232854号公報
従って、本発明は、種々の臭気成分、特に加熱調理油臭や皮脂臭などの原因物質である不飽和脂肪族アルデヒドに対し、安定した高い消臭性能を発揮する消臭剤を提供することを課題とする。
本発明は、消臭剤において、塩化第二鉄と特定範囲のジオール化合物とを併用することにより上記課題を解決できることを見出した。
本発明は、次の成分(A)及び(B)を含有する消臭剤を提供するものである。
(A)塩化第二鉄
(B)ヒドロキシ基を2つ有し、エーテル結合を有していてもよい炭素数4〜9の脂肪族化合物
更に本発明は、上記消臭剤を用いる加熱調理油臭又は皮脂臭の消臭方法を提供するものである。
更に本発明は、上記消臭剤を用いる不飽和脂肪族アルデヒドを原因物質とする悪臭の消臭方法を提供するものである。
本発明の消臭剤は、不飽和脂肪族アルデヒド、特に、2,4-ヘプタジエナール、2-オクテナール、2-ノネナール、2-デセナール、2,4-デカジエナール等の炭素数7〜10の不飽和脂肪族アルデヒドのニオイ、更にはこれらを原因物質とする種々の臭気、例えば加熱調理油臭や皮脂臭に対して安定した高い消臭性能を発揮する。
〔消臭の対象となるニオイ又はその原因物質〕
本発明の消臭剤は、不飽和脂肪族アルデヒドのニオイ、更にはこれらを原因物質とする種々の臭気、例えば加熱調理油臭や皮脂臭に対する消臭性能に優れる。
上記不飽和脂肪族アルデヒドとしては、例えば、2,4-ヘプタジエナール、2-オクテナール、2-ノネナール、2-デセナール、2,4-デカジエナール等の炭素数7〜10の不飽和脂肪族アルデヒドが挙げられるが、これが酸化分解されて生ずる例えば炭素数2〜6の低級飽和脂肪族アルデヒド、低級不飽和脂肪族アルデヒド、低級脂肪酸の臭気も消臭することができる。
加熱調理油臭とは、一般家庭で料理の際に用いる温度約150〜250℃の範囲で加熱されたナタネ油、綿実油、大豆油、トウモロコシ油等の調理油から発するニオイをいうが、加熱調理油特有のニオイは、キッチンや壁に付着した加熱調理油の粒子から室温でも徐々に発生するため、前述した加熱調理油臭には、加熱調理後の油から発するニオイも含むものとする。また、この加熱調理油臭には、酸化油臭も含むものとする。
加熱調理油臭の原因物質は、調理油に一般的に含まれるリノール酸、リノレン酸、オレイン酸等の不飽和脂肪酸や、そのグリセリドの酸化で発生する不飽和脂肪族アルデヒドなどであるが、特に2,4-デカジエナールが、閾値の低さ(0.07ppb)やニオイの質(不快な揚げ物様のニオイ)の点から、消臭の必要性が高い。
また、皮脂臭とは、人の体から発生した皮脂が皮膚上、体毛上、衣類や他の布類上に付着し、太陽光、熱、微生物などの周囲の環境によって徐々に酸化されて発生するニオイをいい、加齢臭及び酸化皮脂臭を含む。
皮脂臭の原因物質は、皮脂に一般的に含まれるパルミトオレイン酸等の不飽和脂肪酸や、スクワレンハイドロパーオキサイド等の過酸化皮脂の酸化で発生する不飽和脂肪族アルデヒド類などであるが、特に2-オクテナール及び2-ノネナールが、閾値の低さ(2-オクテナール;3ppb、2-ノネナール;0.08ppb)やニオイの質(不快な青葉様、枯葉様のニオイ)の点から、消臭の必要性が高い。
〔成分(A):塩化第二鉄〕
成分(A)の塩化第二鉄は、塩化鉄(III)又は第二塩化鉄とも呼ばれ、主として、2,4-デカジエナール等の不飽和脂肪族アルデヒドを酸化分解し、低級の飽和脂肪族アルデヒド、飽和脂肪酸にすることで加熱調理油臭や皮脂臭の原因物質である不飽和脂肪族アルデヒドを減少させ、これらのニオイを低減させるものである。
本発明の消臭剤における成分(A)の含有量は、0.0001〜20質量%、更には0.001〜10質量%、特に0.01〜7質量%が好ましい。
〔成分(B):ジオール化合物〕
成分(B)のヒドロキシ基を2つ有し、窒素原子を含まず、エーテル結合を有していてもよい炭素数4〜9の脂肪族化合物(以下、「ジオール化合物」と略称する)は、成分(A)の塩化第二鉄を溶解して成分(A)による効果を持続させると共に、成分(A)により酸化分解され生成した低級の飽和脂肪族アルデヒド、脂肪酸等を吸収することで消臭するものである。成分(A)の塩化第二鉄は、結晶状のもの、あるいは粉末状のものが好ましく、水和物を含んでいても良いが、成分(B)に溶解して液状になるものが好ましい。成分(B)としては、常温(25℃)で液体であるものが好ましく、中でも炭素数4〜8のジオール化合物が好ましい。成分(B)のうち常温で固体であるジオール化合物を用いる場合には、常温で液体であるジオール化合物と混合し、成分(B)の全体として液体となるように配合することが好ましい。
成分(B)のジオール化合物としては、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,2-へキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ヘプタンジオール、1,7-ヘプタンジオール、3-メチル-1,3-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル−2,4-ペンタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,8-オクタンジオール、2-エチル-1,3-へキサンジオール、1,2-ノナンジオール、1,9-ノナンジオール等の脂肪族ジオールが挙げられる。また、ヒドロキシ基を2つ有しエーテル結合を有する、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールなどの脂肪族グリコールエーテルが挙げられる。
成分(B)としては、成分(A)の塩化第二鉄の溶解性及び酸化能力の維持性の観点から、脂肪族ジオールが好ましく、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオールが好ましく、更に脂肪族ジオールの炭素に1から番号(n)をつけると、n位とn+2位にヒドロキシ基が結合している脂肪族ジオールが好ましく、例えば、1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオールが好ましく、特に2-エチル-1,3-へキサンジオールが好ましい。
本発明の消臭剤における成分(B)の含有量は、0.1〜99.9999質量%、更には1〜99.999質量%、特に1〜99.99質量%が好ましい。
〔成分(A)と成分(B)の比率〕
成分(A)の塩化第二鉄の含有量は、成分(B)中への成分(A)の溶解性の観点から、成分(B)のジオール化合物の100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、更には0.1〜10質量部が好ましく、更に特に0.5〜7質量部が好ましい。
〔成分(A)との共存を回避すべき成分〕
本発明の消臭剤において、成分(A)の塩化第二鉄と水が共存すると、加水分解により不均化を起こす原因となる。従って、消臭剤における水の含有量は、5質量%以下であることが好ましく、水を実質的に含有しないことがより好ましい。但し、ここで規定する水には、塩化第二鉄が水和物の場合の結合水は含まれないものとする。
また、同様に、成分(A)の塩化第二鉄と窒素原子を有する化合物が共存すると、錯体化等によって沈殿を生じる原因となる。従って、消臭剤における当該化合物の含有量は、2質量%以下であることが好ましく、更には1質量%以下、更には0.1質量%以下であることが好ましく、実質的に含有しないことがより好ましい。
ここで、「実質的に含有しない」とは、積極的に配合しないことを意味し、不純物等としての微量の混入などを否定するものではない。また、水、又は窒素原子を有する化合物を、消臭剤とは別の系中に、適宜含有させることは可能である。従って、成分(A)及び(B)を含有する消臭剤とは別個の系として、消臭助剤を組み合わせて用いる場合は、この消臭助剤中には、これらの成分を含有させることができる。
〔消臭助剤〕
本発明の消臭剤は、不飽和脂肪族アルデヒド以外のニオイをも消臭する観点から、1種類以上の消臭助剤を組み合わせて用いることが好ましい。
消臭助剤としては、成分(C)として、以下の(c1)〜(c3)から選ばれる少なくとも1種類を含有するものが好ましい。
(c1)ヒドロキシアミン化合物
(c2)分子中に1つ以上の陽イオン性基と1つ以上の炭素数8〜22のアルキル基又はアルケニル基を有する化合物
(c3)ポリフェノール類
これらの成分(C)のうち(c1)と(c2)は、前述の「窒素原子を有する化合物」に該当し、成分(A)と錯体を形成し沈殿を生じてしまい、また(c3)も、成分(A)によって酸化されるため、成分(A)を含有する消臭剤とは別個に消臭助剤に含有させるものである。
成分(c1)としては、例えば、2-アミノエタノール(モノエタノールアミン)、(2-ヒドロキシエチル)アミン、2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール(ジエタノールアミン)、2,2',2''-ニトリロトリエタノール(トリエタノールアミン)、2-アミノ-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-ヒドロキシエチル-1,3-プロパンジオール、4-アミノ-4-ヒドロキシプロピル-1,7-ヘプタンジオール、2-(N-エチル)アミノ-1,3-プロパンジオール、2-(N-エチル)アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、2-(N-デシル)アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオールが挙げられる。これらの中では、消臭性能等の観点から、2-アミノ-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、2-アミノ-2-ヒドロキシエチル-1,3-プロパンジオールから選ばれる1種以上が好ましい。
成分(c2)としては、一般式(I)で表される4級アンモニウム塩、一般式(II)又は(III)で表されるアミンオキシド型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。
Figure 0005101557
〔式中、R1は炭素数8〜22のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示し、R5はメチレン基又は炭素数2〜5のアルキレン基を示し、Yは-CONR6-、-NR6CO-、-COO-又は-OCO-(ここで、R6は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す)を示し、X-は陰イオンを示す。〕
一般式(I)〜(III)において、R1としては、炭素数8〜18のアルキル基及びアルケニル基が好ましい。R2、R3及びR4としては、メチル基及びエチル基が好ましい。R5としては、メチレン基及び炭素数2〜3のアルキレン基が好ましい。Yとしては、-CONH-及び-COO-が好ましい。X-としては、ハロゲン化物イオン、炭素数1〜14の脂肪酸イオン及び炭素数1〜3のアルキル硫酸イオンが好ましい。
更に、一般式(I)で表される4級アンモニウム塩としては、N-テトラデシル-N,N-ジメチル-N-エチル4級アンモニウムエチルサルフェートが好ましく、一般式(II)で表されるアミンオキシド型両性界面活性剤としては、ラウリル-N,N-ジメチルアミンオキシド(アンヒトール20N,花王)が好ましく、一般式(III)で表されるアミンオキシド型両性界面活性剤としては、ラウロイルアミノプロピル-N,N-ジメチルアミンオキシド(ソフタゾリンLAO,川研ファインケミカル)が好ましい。また、ベタイン型両性界面活性剤としては、カルボベタイン型両性界面活性剤:アルキル-N,N-ジメチル-N-エチルスルホン酸塩、ラウリル-N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシプロピル)スルホン酸塩等;スルホベタイン型界面活性剤:アルキル-N,N-ジメチル-N-エチルスルホン酸塩、ラウリル-N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシプロピル)スルホン酸塩等が挙げられ、例えばラウリルプロピルアミン-N,N-ジメチル-N-酢酸ベタイン(アンヒトール20AB, 花王)、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(アンヒトール24B, 花王)が挙げられる。
成分(c3)としては、フラバノール類(カテキン類)、フラボン類、アントシアニジン類、ロイコアントシアニジン類等の縮合型タンニンモノマーのほか、プロアントシアニジン類等の縮合型タンニンオリゴマー等が挙げられる。
成分(c3)のポリフェノール類は、松、ヒバ、ヒノキ、杉、茶、ツバキ、サザンカ、柿、竹、笹、セージ、タイム、ローズマリー、ユーカリ、ラベンダー、パセリ、リンゴ果実、ブドウ種子、マッシュルーム、藻類等の植物から、乾留により、若しくは水溶性有機溶剤(例えば水、エタノール、水とエタノールの混合物等)を用いた抽出により得られた抽出物、又はこれらの濃縮物、精製物を用いることができる。植物抽出物としては、カテキン類、フラボン類の含有量が多い茶、ツバキ、サザンカ、柿、竹、笹、ユーカリ、ブドウ種子等の植物抽出物が好ましい。
消臭助剤における成分(C)の含有量は特に限定されないが、0.01〜20質量%、更に0.1〜10質量%が好ましい。なお、この含有量は、成分(C)が(c3)ポリフェノール類の場合には、水溶性有機溶剤による抽出物から溶剤を例えばエバポレータで除去した濃縮物の質量を基準とする。
本発明の消臭剤は、必ずしも消臭助剤と共に使用することを要しないが、消臭持続性の観点から、消臭剤に含まれる成分(A)及び(B)の合計量1質量部に対して、0質量部より多く100質量部未満、更には0.1質量部以上10質量部以下の成分(C)を含む消臭助剤と共に使用することが好ましい。
本発明の消臭剤において、消臭助剤は、消臭剤と分離した状態で用いることが好ましい。具体的には、消臭剤と消臭助剤とを別々の基材に含浸、含有又は担持させて保持し、別々の容器に収容する、又は容器内で壁によって混合又は接触を防止する。消臭剤と消臭助剤の混合又は接触を防止することによって、消臭剤中の成分(A)が消臭助剤中の成分(C)と反応することを防止し、消臭剤、更には消臭助剤の消臭効果を長期間持続することができる。例えば、消臭助剤に窒素原子を含む化合物を含有する場合には、消臭剤に含まれる塩化第二鉄と反応して錯体等を形成して沈殿を生じることを防止し、消臭助剤にポリフェノール類を含有する場合には、消臭剤に含まれる塩化第二鉄によってポリフェノールが酸化されることを防止することができる。
〔他の消臭成分等〕
本発明の消臭剤、及びこれと組み合わせて用いる成分(C)を含有する消臭助剤には、成分(A)、(B)、(C)の消臭効果を損なわない範囲で他の消臭成分を含有させることもでき、また、他の消臭成分を、別途消臭助剤として成分(A)及び(B)を含有する消臭剤と分離した状態で組み合わせて用いることもでき、又は第2の消臭助剤として成分(A)及び(B)を含有する消臭剤、成分(C)を含有する消臭助剤と分離した状態で組み合わせて用いることもできる。すなわち、他の消臭成分は、消臭剤及び/又は消臭助剤に混合してもよいし、消臭剤、消臭助剤とは別の容器に収容してもよいし、基材に保持させてもよい。
他の消臭成分としては、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸、エチレンジアミンポリ酢酸、アルカン-1,2-ジカルボン酸、アルケン-1,2-ジカルボン酸、シクロアルカン-1,2-ジカルボン酸、シクロアルケン-1,2-ジカルボン酸、ナフタレンスルホン酸等の有機酸類;ウンデシレン酸亜鉛、2-エチルヘキサン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛等の脂肪酸金属類;酸化鉄、硫酸鉄、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、酸化銀、酸化銅、金属(鉄、銅等)クロロフィリンナトリウム、金属(鉄、銅、コバルト等)フタロシアニン、金属(鉄、銅、コバルト等)テトラスルホン酸フタロシアニン、二酸化チタン、可視光応答型二酸化チタン(窒素ドープ型など)等の金属化合物;α-、β-、又はγ-シクロデキストリン、そのメチル誘導体、ヒドロキシプロピル誘導体、グルコシル誘導体、マルトシル誘導体等のシクロデキストリン類;多孔メタクリル酸ポリマー、多孔アクリル酸ポリマー等のアクリル酸系ポリマー、多孔ジビニルベンゼンポリマー、多孔スチレン−ジビニルベンゼン−ビニルピリジンポリマー、多孔ジビニルベンゼン−ビニルピリジンポリマー等の芳香族系ポリマー、それらの共重合体等の合成の多孔質ポリマー;キチン、キトサン等の天然の多孔質ポリマー等が挙げられ、これらの消臭成分は、単独で用いてもよく、更に組み合わせて使うこともできる。但し、エチレンジアミンポリ酢酸、多孔ジビニルベンゼン−ビニルピリジンポリマー等の窒素原子を有する消臭成分は、成分(A)及び(B)を含有する消臭剤と分離して組合せて用いることが好ましい。
これら他の消臭成分の含有量は、消臭持続性の観点から、成分(A)及び(B)の合計量1質量部に対して、0質量部以上100質量部未満が好ましく、更には0.1質量部以上10質量%以下が好ましい。
〔消臭剤を保持させる基材〕
本発明の消臭剤が液状である場合には、これを基材に含浸させて保持することができる。含浸させて保持する基材は、有機物、無機物のいずれであってもよく、粉状、粒状、繊維を含む固体、ゲル状物等の様々な剤形を採用することができるが、固体の場合は表面に凹凸があるもの又は多孔質のものが好ましい。
有機物の具体例としては、木炭、竹炭、わら炭、デキストリン、セルロース、発泡セルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ゲル、カラギーナンゲル、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が挙げられ、中でもエチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が好ましい。無機物の具体例としては、活性炭、シリカ、シリカゲル、ケイ酸カルシウム、ゼオライト、ハイシリカゼオライト(疎水性ゼオライト)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化銅、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅、セピオライト、水和酸化ジルコニウム、カンクリナイト、雲母等が挙げられ、中でも消臭効果を期待できる、活性炭、シリカ、シリカゲル、ケイ酸カルシウム、ハイシリカゼオライト(疎水性ゼオライト)、セピオライト、カンクリナイト、ゼオライト、水和酸化ジルコニウム等が好ましい。
〔含浸方法〕
本発明の消臭剤を基材に含浸させて保持する方法は、特に限定されないが、成分(A)が成分(B)に溶解された状態の組成物を、保持させる基材に浸漬し、又は基材にスプレー等によって当該組成物を塗布し、室温又はそれ以下の温度で放置することで、概ね均一に担持又は含有させることができる。また、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、あるいはそれらの混合物などの融点の低い基材の場合、融点以上に基材を加熱することにより溶かし、溶融状態の基材に対し、成分(A)が成分(B)に溶解された状態の組成物を配合し、練り混ぜることにより均一に分散させ、粒状あるいはシート状などの形にして融点以下に戻すことにより含有させることができる。成分(A)が溶解された状態の消臭剤を基材に保持させた保持体は、水が含まれていないか、又は、含まれていても5質量%以下であることが好ましく、実質的に水が含まれていないことが好ましい。但し、ここで規定する水には、塩化第二鉄が水和物の場合の結合水は含まれないものとする。
〔消臭助剤を保持させる基材〕
消臭助剤を保持(含有又は担持)させる固体の材質は、有機物、無機物のいずれであっても良い。有機物の具体例として、木炭、竹炭、わら炭、デキストリン、セルロース、発泡セルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ゲル、カラギーナンゲル、ジェランガムゲル、寒天ゲル、ゼラチンゲル、ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン樹脂、ポリアクリル酸系の吸水性ポリマーなどがあり、特に発泡セルロース、ポリビニルアルコール、カラギーナンゲル、ジェランガムゲル、ポリアクリル酸系の吸水ポリマーなどが好ましい。無機物の具体例としては、活性炭、シリカ、シリカゲル、ケイ酸カルシウム、ゼオライト、ハイシリカゼオライト(疎水性ゼオライト)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化銅、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅、セピオライト、水和酸化ジルコニウム、カンクリナイト、雲母等があり、中でも消臭効果を期待できる、活性炭、シリカ、シリカゲル、ケイ酸カルシウム、ハイシリカゼオライト(疎水性ゼオライト)、セピオライト、カンクリナイト、ゼオライト、水和酸化ジルコニウムなどが好ましい。
消臭助剤を基材に含浸させて保持する方法も、前述の方法と同様である。
〔置き型タイプの消臭剤〕
本発明の消臭剤は、成分(A)と成分(B)とを保持させた保持体とし、必要により成分(C)又は他の消臭成分等を消臭助剤として保持させた別の保持体と組合せ、これらが容器内に接触しないように、好ましくは、通気性の良い容器に配置し、置き型タイプ消臭剤として用いることができる。この場合、消臭剤を保持させる基材としては、エチレン酢酸ビニルコポリマーやポリプロピレン樹脂、ポリエチル樹脂あるいはそれらの混合体が好ましい。
〔消臭フィルター〕
本発明の消臭剤をシートに担持(保持)させることによって消臭フィルターとして用いることもできる。例えば、成分(A)が成分(B)に溶解された状態の消臭剤を、フィルターを構成する活性炭等の多孔質部材に付着させることによりフィルター表面に担持させることができる。また、成分(A)が成分(B)に溶解された状態の消臭剤を担持可能な固体(粒状、粉状)に保持させた後に、不織布に交絡若しくは付着(接着、溶着)させる、又はメッシュ状部材に付着させることによって担持させ、消臭フィルターとすることもできる。
〔他の成分〕
本発明の消臭剤及び消臭助剤には、消臭機能を損なわない範囲で、抗菌剤、効カビ剤、抗ウイルス剤、昆虫忌避剤、界面活性剤、色素、香料等を混合することもできるし、又は分離した状態で、第2、第3の消臭助剤としてこれらの成分を組み合わせて用いることができる。
試験例1 <溶液での評価(2,4-デカジエナール)>
以下に示す各溶液を、塩化第二鉄が5質量%になるように溶剤(各種ジオール、エタノール、イオン交換水)に溶解して調製した。
(実施例1)塩化第二鉄5質量% 1,3-ブタンジオール溶液
(実施例2)塩化第二鉄5質量% 2,3-ブタンジオール溶液
(実施例3)塩化第二鉄5質量% 1,5-ペンタンジオール溶液
(実施例4)塩化第二鉄5質量% 3-メチル-1,3-ブタンジオール溶液
(実施例5)塩化第二鉄5質量% 3-メチル-1,5-ペンタンジオール溶液
(実施例6)塩化第二鉄5質量% 2-メチル-2,4-ペンタンジオール溶液
(実施例7)塩化第二鉄5質量% 2-エチル-1,3-ヘキサンジオール溶液
(比較例1)塩化第二鉄5質量%水溶液
(比較例2)塩化第二鉄5質量%エタノール溶液
<消臭試験方法>
悪臭成分として、2,4-デカジエナール(加熱油臭)2μLをヘッドスペースガスクロマトグラフ(HS-GC)用20mLバイヤル瓶に入れる。更に、実施例若しくは比較例の溶液、又はそれぞれの溶剤のみを20μL添加し、1日後にHS-GCを行った。なお、悪臭のみのサンプルをブランクとした。
この試験結果を表1に示す。
<HS-GC分析条件>
HS-オートサンプラー;PERKIN ELMER製 HS40XL
バイヤル保温時間;35℃30分保温後、加圧2分、注入0.3分
GC;HEWLETT PACKARD5890
カラム液相;(5%フェニル)メチルポリシロキサン 無極性
カラム長さ;30m、内径;0.32mm、膜厚;0.25μm
昇温条件;40℃(8℃/分)−60℃(4℃/分)−200℃
塩化第二鉄+溶剤による悪臭成分の減少率(%)は下記〔数1〕により求めた。
溶剤のみによる悪臭の減少率(%)は下記〔数2〕により求めた。
X:塩化第二鉄+溶剤+悪臭成分のときの悪臭のピークアバンダンス
Y:溶剤のみ+悪臭成分のときの悪臭のピークアバンダンス
Z:ブランクの悪臭成分のピークアバンダンス(=40000)
Figure 0005101557
Figure 0005101557
Figure 0005101557
表1の結果より、水又はエタノールに成分(A)の塩化第二鉄を溶解させた比較例は、デカジエナールの減少率は低く、消臭効果がほとんど発揮されていないことがわかる。これは、比較例においては塩化第二鉄が安定に存在することができず、塩化第二鉄と水又はエタノールを混合すると1日後まで強い酸化力を維持することができないためと考えられる。
一方、成分(A)の塩化第二鉄を成分(B)に該当するジオール化合物(常温で液体)の溶剤に溶解させた実施例は、比較例に比べて高いデカジエナールの減少率が確認された。これは、成分(A)と成分(B)を混合してから1日後であっても(A)塩化第二鉄が安定に存在し、強い酸化力を維持できるためと考えられる。更に、成分(B)が、ヒドロキシ基を1,3-位や2,4-位といった、n位とn+2位に有する溶剤である場合には、より高いデカジエナールの消臭効果が認められた。特に、実施例7の2-エチル-1,3-ヘキサンジオールに塩化第二鉄を溶解させた消臭剤には極めて高い消臭効果が認められた。
試験例2 <ポリマー含浸タイプでの評価(2,4-デカジエナール)>
以下のようにして、ポリマー含浸タイプの消臭剤を調製した。
(実施例8、9)
塩化第二鉄を5質量%含有する2-エチル-1,3-ヘキサンジオール溶液を粒状のエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)1gに対して0.05g添加し、全体を均一にかき混ぜた後、室温で一晩静置した。
(比較例3)
塩化第二鉄を含有しない、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール溶液のみを粒状のEVA1gに対して0.05g添加し、全体を均一にかき混ぜた後、室温で一晩静置した。
(比較例4)
EVAのみを室温で一晩静置した。
<消臭実験方法(官能評価)>
1Lビーカーのそれぞれの中に、上記のEVAタイプ消臭剤又はEVAそのものを1g入れた直径40mmシャーレを置いた。更に消臭助剤として、実施例8、比較例3及び比較例4については、10質量% 2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール水溶液0.2mLを含浸させた直径50mmのろ紙を用い、実施例9については、イオン交換水0.2mLを含浸させた直径50mmのろ紙を用い、各々のろ紙を各々の1Lビーカーの壁面に約1cm2のセロハンテープで固定し、1Lビーカーを食品用ラップフィルムで覆い密封した。
そこへ、ガラス製100mL注射器を用いて2,4-デカジエナールのガスを100mL注入し、そのまま静置し、1日後に官能評価を行った。なお、2,4-デカジエナールのガスは、5Lテドラーバッグに2,4-デカジエナール(試薬)50μLを直径40mmシャーレに入れたものを入れて、封をして90℃15分間保温して調製した。
官能評価は3名の被験者によって行い、2,4-デカジエナールによる酸化油臭の強度を、下記の6段階臭気強度に従って、0.5刻みで評価した。評価結果は、3名の被験者の評価のうち2名以上が共通する評価を採用した。なお、悪臭のみのサンプルをブランクとした。この評価結果を表2に示す。
(6段階臭気強度)
5:強烈なニオイ
4:強いニオイ
3:楽に感知できるニオイ
2:何の匂いかわかる弱いニオイ(認知閾値)
1:やっと感知できるニオイ(検知閾値)
0:無臭
Figure 0005101557
表2に示すように、本発明の消臭剤をEVAに含浸させて用いた実施例8及び9は、比較例及びブランクに比べ、不飽和脂肪族アルデヒドに対し優れた消臭効果が認められた。また、消臭剤と、成分(C)2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオールを含浸保持させた消臭助剤とを分離して組み合わせて用いた実施例8は、更に高い消臭効果が認められた。
試験例3 <溶液での評価(オクテナール、ノネナール)>
皮脂臭(加齢臭)の原因物質であるノネナールとオクテナールに対する消臭試験を行った。具体的には、悪臭成分としてのノネナール又はオクテナール1μLを、ヘッドスペースガスクロマトグラフ(HS-GC)用20mLバイヤル瓶に入れ、更に、前述した実施例7又は比較例1の溶液を20μL添加した後、HS-GCを行った。なお、消臭剤なしの悪臭のみのサンプルをブランクとした。
この試験結果を表3に示す。
なお、HS-GCの測定条件は前述の実施例1から7のデカジエナールに対する消臭試験と同様である。また、以下の値についても同様に計算した。塩化第二鉄+溶剤による悪臭成分の減少率(%)は前記〔数1〕により求めた。
Figure 0005101557
表3の結果から明らかなように、本発明の消臭剤は、2-オクテナール及び2-ノネナールなど、2,4-デカジエナール以外の不飽和脂肪族アルデヒドのニオイ(悪臭)に対しても優れた消臭性能を発揮することが確認された。
試験例4 <置き型タイプでの評価(加熱調理油臭、皮脂臭)>
以下のようにして、置き型タイプの消臭剤を調製した。
(実施例10)
仕切りで隔離された二つの収容部を備える容器(縦9cm、横12cm、奥行き3.5cm)を消臭用容器として用いた。消臭用容器は、底面の周縁から立ち上がる周壁部を有し、収容部の天面又は側面に開口した挿入部から消臭剤及び消臭助剤を挿入できる。収容部の天面又は側面には、通気性を確保するためのスリットが設けられている。
消臭剤として、塩化第二鉄を5質量%含有する2-エチル-1,3-ヘキサンジオール溶液を粒状のエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)9.5gに対して0.5g添加し、全体を均一にかき混ぜた後、室温で一晩静置したものを用いた。台所用水切りネットを縦8cm、横4cmのサイズに切断し、ホットシーラーを用いて袋状とし、上記消臭剤を収容した後、ホットシーラーにより封をした。このネットの袋に収容された消臭剤を、消臭用容器の一方の収容部の側面の挿入部から収容した。
他方の収容部には、消臭助剤として、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオールの2質量%水溶液25gを保持させたポリアクリル酸系の吸水性ポリマー0.5gを天面の挿入部から収容した。消臭用容器は底面を載置面に置いた。
(実施例11)
実施例10と同じ消臭用容器を用い、消臭剤を保持する基材として、EVAに代えてEVAとポリプロピレン(PP)の混合樹脂(EVA53%、PP47%)を用いた以外は、実施例10と同様とした。
(実施例12)
実施例10と同じ消臭用容器を用い、消臭剤を保持する基材として、EVAに代えてEVAとPPの混合物樹脂(EVA53%、PP47%)を用い、更に、消臭助剤として用いた2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオールの2質量%水溶液25gに代えてイオン交換水25gを用いた以外は、実施例10と同様とした。
(実施例13)
実施例10と同じ消臭用容器を用い、消臭剤を保持する基材として、EVAに代えてEVAとPPの混合樹脂(EVA53%、PP47%)を用い、更に、消臭助剤として用いた2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオールの2質量%水溶液25gに代えてラウロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミンオキシドの5質量%水溶液25gを用いた以外は、実施例10と同様とした。
(実施例14)
実施例10と同じ消臭用容器を用い、消臭剤を保持する基材として、EVAに代えてEVAとPPの混合樹脂(EVA53%、PP47%)を用い、更に、消臭助剤として用いた2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオールの2質量%水溶液25gを緑茶乾留エキス5質量%水溶液25gを用いた以外は、実施例10と同様とした。
(実施例15)
実施例10と同じ消臭用容器を用い、消臭剤を保持する基材として、EVAに代えてEVAとPPの混合樹脂(EVA53%、PP47%)を用い、更に、消臭助剤を保持する基材としてポリアクリル酸系の吸水性ポリマー0.5gに代えてシリカ5gを用いた以外は、実施例10と同様とした。
<加熱調理油臭に対する消臭試験>
20Lのステンレス容器の各々に、実施例10〜15の置き型消臭剤を入れ、ステンレス容器中に小型のファンと、悪臭サンプルとして変性なたね油(200℃8時間保存を3回繰り返したもの)0.2gを加え、食品用ラップフィルムで密閉した。
ステンレス容器中のファンを回して悪臭を循環させた後に静置し、1日後に容器中のニオイの官能評価を行った。官能評価は3名の被験者によって行い、前記の6段階臭気強度に従い、0.5刻みで臭気強度を評価し、3名の被験者の評価のうち2名以上が共通する評価を採用した。この評価結果を表4に示す。なお、ステンレス容器にファンと悪臭サンプルのみを入れたものをブランクとした。
<皮脂臭に対する消臭効果>
加熱調理油臭に対する消臭試験で用いた変性なたね油0.2gに代えて、皮脂臭として枕カバー抽出液(古い枕カバーからジクロロメタンを用いて抽出したもの)0.1gを用い、加熱調理油臭に対する消臭試験と同様に評価を行った。なお、枕カバー抽出液は、3名の被験者が、2-オクテナール、2-ノネナールの悪臭を強く感知した。
加熱調理油臭と皮脂臭に対する消臭効果の評価結果を表4に併せて示す。
Figure 0005101557
表4に示すように、成分(A)と成分(B)を含有する消臭剤を用いた実施例10〜15は、加熱調理油臭や皮脂臭に対して高い消臭効果を示した。なかでも、本発明の消臭剤に加えて成分(C)を含有する消臭助剤を分離して使用した実施例10、11、13〜15は、消臭助剤を用いない実施例12より更に高い消臭効果を発揮した。
なお、実施例10と、実施例11又は実施例15とを比較すると、消臭剤を含浸させる基材(担持材)としては、EVAとPPの混合樹脂、シリカに高い消臭効果が認められた。また、成分(C)としては、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオールを用いた実施例10、11、15に高い消臭効果が認められた。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)及び(B)を含有する消臭剤。
    (A)塩化第二鉄
    (B)ヒドロキシ基を2つ有し、窒素原子を含有せず、エーテル結合を有していてもよい炭素数4〜9の脂肪族化合物
  2. 成分(A)の含有量が、成分(B)の100質量部に対して0.1〜20質量部である請求項1記載の消臭剤。
  3. 水の含有量が、5質量%以下である請求項1又は2記載の消臭剤。
  4. 次の成分(C)を含有する消臭助剤と組み合わせて使用される請求項1〜3のいずれかに記載の消臭剤。
    (C)(c1)ヒドロキシアミン化合物、(c2)分子中に1つ以上の陽イオン性基と1つ以上の炭素数8〜22のアルキル基又はアルケニル基を有する化合物、及び(c3)ポリフェノール類から選ばれる化合物
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の消臭剤を用いる加熱調理油臭又は皮脂臭の消臭方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の消臭剤を用いる不飽和脂肪族アルデヒドを原因物質とする悪臭の消臭方法。
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