JP2014240350A - 貫通孔を有するマイクロリング状無機酸化物粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]平均粒子径が3〜100nmの無機酸化物ゾルを噴霧乾燥することにより表面に凹部を有する粒子を作製する第一工程と、
前記粒子を酸または塩基で処理することにより、前記凹部に貫通孔を形成する第二工程と、を含むことを特徴とするマイクロリング状無機酸化物粒子の製造方法。
[2]前記無機酸化物ゾルの濃度が0.1〜50質量%であることを特徴とする[1]のマイクロリング状無機酸化物粒子の製造方法。
[4]前記第一工程において、噴霧乾燥雰囲気の湿度が3〜13Vol%であることを特徴とする[1]〜[3]のマイクロリング状無機酸化物粒子の製造方法。
前記シリカ以外の無機酸化物を酸により除去し、凹部を有する前駆体を作製する工程と、
前記前駆体を酸または塩基による処理、あるいは水熱処理することにより前記凹部に貫通孔を形成する工程と、を備えるマイクロリング状無機酸化物粒子の製造方法。
[6]前記貫通孔を形成した後で、マイクロリング状無機酸化物粒子を下記式(1)で表される有機ケイ素化合物で表面処理することを特徴とする[1]〜[5]のマイクロリング状無機酸化物粒子の製造方法。
Rn-SiX4-n(1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲンまたは水素。nは0〜3の整数。)
[8]前記Rが、ハロゲン置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、カルボキシル基、ケトン基、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ホスフェート基、チオール基、スルホニル基から選ばれる少なくとも1種以上の有機官能基を含むことを特徴とする[6]または[7]のマイクロリング状無機酸化物粒子の製造方法。
[マイクロリング状無機酸化物粒子]
本発明に係るマイクロリング状無機酸化物粒子は、平均外径(DO)が10nm〜20μmの範囲にあり、貫通孔の平均径(DI)が1nm〜12μmの範囲にあり、リング幅(WR)と平均外径(DO)との比(WR)/(DO)が0.2〜0.45の範囲にあることを特徴としている。本発明に係るマイクロリング状無機酸化物粒子は貫通孔を有している。
図1中、DOは外径を表し、DIは貫通孔の径を表し、WRはリング幅を表す。
マイクロリングを構成する無機酸化物としては、マイクロリング状無機酸化物粒子が得られれば特に制限はないが、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ・アルミナ、シリカ・ジルコニア、シリカ・ボリア等の酸化物、複合酸化物等が挙げられる。
本発明に係るマイクロリング状無機酸化物粒子は、必要に応じて有機ケイ素化合物等で処理されていてもよい。
有機ケイ素化合物としては、下記式(1)で表されるものが好ましい。
Rn-SiX4-n (1)
有機ケイ素化合物による処理方法は、従来公知の方法を採用することができ、例えば、マイクロリング状無機酸化物粒子のアルコール分散液に有機ケイ素化合物を必要量加え、これに水を加え、必要に応じて加水分解用触媒として酸またはアルカリを加えて有機ケイ素化合物を加水分解することによって表面処理することができる。
このようなマイクロリング状無機酸化物粒子は、上記した粒子径(平均外径)、貫通孔等を有する粒子が得られれば特に制限はないが、本発明のマイクロリング状無機酸化物粒子の製造方法としては、以下の方法が好ましい。
先ず、平均粒子径が概ね3〜100nmの従来公知の前記無機酸化物ゾルを噴霧乾燥して、少なくとも表面に窪み(凹部)を有する粒子を調製する。噴霧乾燥方法としては、例えば、本願出願人の出願による特開昭61−174103号公報に開示した方法に準拠して製造することができる。
噴霧乾燥雰囲気の温度が20℃未満の場合は所望の貫通孔または凹部ができない場合があり、150℃を越えるとリングが薄くなりすぎたり、破壊した破片状(お椀状)の粒子となる場合がある。
無機酸化物ゾルの濃度が低過ぎても、高すぎても噴霧乾燥で貫通孔または凹部を有する粒子が得られず、単なる微粒子が得られる場合がある。
ついで、得られた粒子を酸または塩基で処理する。酸としては、粒子を構成する酸化物の種類によっても異なるが、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、有機酸等が挙げられ、塩基としてNaOH、KOH、アンモニア、第4級アンモニウムハイドロオキサイド等が挙げられる。
上記した第1の製造方法で得られるマイクロリング状無機酸化物粒子の大きさは、平均粒子径が概ね0.5〜20μmである。
第2の製造方法は、例えば、本願出願人の出願による特開2001−233611号公報、特開2004−203683号公報等に開示した中空シリカ系微粒子の製造方法に準拠して製造することができる。
そして、かかる核粒子からシリカ以外の無機酸化物を酸にて除去する。
上記において、シリカ以外の無機酸化物を酸にて除去した段階で表面に凹部を有する粒子が得られ、ついで酸または塩基で処理するか、水熱処理することによって貫通孔を有するマイクロリング状無機酸化物粒子が得られる。なお、このような処理することなく、単にシリカ被覆層を形成しただけでは、中空粒子となる。
なお、以上のようにして貫通孔形成の処理を行う前の粒子は凡球状粒子であり、貫通孔形成後のリング粒子の厚みは平均外径(DO)以下となる。
つぎに、本発明に係る透明被膜付基材について説明する。
本発明に係る透明被膜付基材は、基材上に透明被膜が形成された透明被膜付基材であって、該透明被膜が前記したマイクロリング状無機酸化物粒子とマトリックス成分とからなり、透明被膜中のマイクロリング状無機酸化物粒子の含有量が0.01〜80質量%の範囲にあることを特徴としている。
本発明に用いる基材としては、従来公知のものを特に制限なく使用することが可能であり、ガラス、ポリカーボネート(PC)、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロポリオレフィン、ノルボルネン等のプラスチックシート、プラスチックフィルム等、プラスチックパネル等が挙げられる。中でも樹脂系基材を好適に用いることができる。また、このような基材上に、他の被膜が形成された被膜付基材を用いこともできる。他の被膜としては従来公知のプライマー膜、ハードコート膜、高屈折率膜、導電性膜等が挙げられる。
マイクロリング状無機酸化物粒子としては前記のマイクロリング状無機酸化物粒子が用いられる。
透明被膜中のマイクロリング状無機酸化物粒子の含有量が少ないと、耐擦傷性、膜強度等が不充分となる場合があり、多すぎてもマトリックス成分が少なく、基材との密着性、透明性、ヘーズ、耐擦傷性等が不充分となる場合がある。
マトリックス成分としては、有機樹脂系マトリックス成分が好適に用いられる。
有機樹脂系マトリックス成分として、具体的には塗料用樹脂として公知の紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等のいずれも採用することができる。たとえば、従来から用いられている(メタ)アクリル酸系樹脂、γ‐グリシルオキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂をはじめとする紫外線硬化性樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴムなどの熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ブチラール樹脂、反応性シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。さらにはこれら樹脂の2種以上の共重合体や変性体であってもよい。
本発明に係る透明被膜形成用塗布液は、前記マイクロリング状無機酸化物粒子とマトリックス形成成分と有機溶媒とからなることを特徴としている。
マイクロリング状無機酸化物粒子
マイクロリング状無機酸化物粒子としては前記したマイクロリング状無機酸化物粒子が用いられる。
マトリックス形成成分としては、前記した有機樹脂系マトリックス形成成分が好適に用いられる。なお、熱硬化型、電子線硬化型などの硬化性樹脂の場合は、マトリックス形成成分は、反応前のモノマーであり、マトリックス成分は重合・反応したポリマーである。
本発明に用いる有機溶媒としては前記マトリックス形成成分、必要に応じて用いる重合開始剤を溶解あるいは分散できるとともに前記したマイクロリング状無機酸化物粒子を均一に分散することができれば特に制限はなく、従来公知の溶媒を用いることができる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール(IPA)、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプロピルグリコールなどのアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルメチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジプロピルケトン、メチルペンチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用することもできる。
本発明では、重合開始剤が含まれていてもよい。重合開始剤としては、公知のものを特に制限なく使用することが可能であり、例えば、ビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2、6−ジメトキシベンゾイル)2、4、4−トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシメチル-2-メチルフェニル-プロパン-1-ケトン、2、2-ジメトキシ-1、2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン等が挙げられる。
透明被膜形成用塗布液中のマトリックス形成成分とマイクロリング状無機酸化物粒子との合計濃度は特に制限されないが、固形分として1〜60質量%、さらには2〜50質量%の範囲にあることが好ましい。
前記合計濃度が高すぎると、得られる透明被膜の厚さが不均一になる場合がある。
得られた透明被膜の膜厚は、50nm〜20μmの範囲にあることが好ましい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
マイクロリング状無機酸化物粒子(1)の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:CataloidTM SI−30、平均粒子径12nm、SiO2濃度30質量%)を噴霧乾燥装置の対向式2流体ノズルに供給し、処理液量120L/Hr、ノズル圧力0.40MPa、乾燥雰囲気温度50℃、湿度7.2VOl%、の条件下に噴霧乾燥して、表面に凹部を有する無機酸化物粒子を調製した。
マイクロリング状無機酸化物粒子(2)の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:CataloidTM SI−550、平均粒子径5nm、SiO2濃度20質量%)100gに純水3900gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、SiO2として濃度1.5質量%の珪酸ナトリウム水溶液13345gとAl2O3としての濃度0.5質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液13345gを添加して、SiO2・Al2O3粒子分散液(平均粒子径35nm)を得た。このときの反応液のpHは12.0であった。
有機ケイ素化合物処理したマイクロリング状無機酸化物粒子(3)の調製
実施例1で調製したマイクロリング状無機酸化物粒子(固形分濃度10質量%)200gと純水400g、エタノール400gおよび濃度28質量%のアンモニア水0.68gを加えた後、メタクリル酸系有機ケイ素化合物 (3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学(株)製: KBM―503)30gを添加して液温を50℃に加温して、シリカ被覆層を形成し、エタノール5Lを加えながら限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20質量%のシリカ被覆層を形成したマイクロリング状無機酸化物粒子(3)のエタノール分散液を得た。
透明被膜形成用塗布液(1)の調製
実施例1で調製したマイクロリング状無機酸化物粒子(1)をエタノールに分散させた固形分濃度20質量%のマイクロリング状無機酸化物粒子(1)分散液7.5gとアクリル樹脂(DIC(株)製: UNIDICTM 17−824−9 固形分濃度77質量%)17.53gおよびイソプロパノールとエチレングリコールモノブチルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒25.0gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(1)を調製した。
透明被膜形成用塗布液(1)をPETフィルム(東洋紡(株)製:コスモシャインA−4300、厚さ:188μm、屈折率1.65、基材透過率90.0%、ヘーズ0.6%))にバーコーター法(バー#20)で塗布し、80℃で2分間乾燥した後、高圧水銀灯(120W/cm)を搭載した紫外線照射装置(日本電池(株)製UV照射装置: CS30L21−3)で600mJ/cm2照射して硬化させ、透明被膜付基材(F-1)を調製した。このときの透明被膜の厚さは8μmであった。
JIS−K−5400に準じて鉛筆硬度試験器により測定した。
耐擦傷性の測定
#0000スチールウールを用い、荷重500g/cm2で50回摺動し、膜の表面を目視観察し、以下の基準で評価し、結果を表に示す。
評価基準:
筋条の傷が認められない : ◎
筋条に傷が僅かに認められる: ○
筋条に傷が多数認められる : △
面が全体的に削られている : ×
透明被膜付基材(F-1)の表面にナイフで縦横1mmの間隔で11本の平行な傷を付け100個の升目を作り、これにセロハンテープ(登録商標)を接着し、ついで、セロハンテープ(登録商標)を剥離したときに被膜が剥離せず残存している升目の数を、以下の4段階に分類することによって密着性を評価した。結果を表2に示す。
残存升目の数100個 : ◎
残存升目の数93〜97個: ○
残存升目の数85〜92個: △
残存升目の数84個以下 : ×
透明被膜付基材(F-1)の幅1cm、長さ5cmの切片を作成し、切片の一端を固定し、他端を上下5cmの幅で湾曲させる操作を20回繰り返した後、目視観察し、以下の基準で評価した。
透明被膜は元のまま透明性を維持していた : ◎
透明被膜の透明性が僅かに低下していた : ○
透明被膜に白化が認められた : △
透明被膜にボイドの生成による白化が認められた : ×
透明被膜形成用塗布液(2)の調製
実施例1において、マイクロリング状無機酸化物粒子(1)分散液3.75gとアクリル樹脂(DIC(株)製: UNIDICTM 17−824−9 固形分濃度(質量)77%)18.51gおよびイソプロパノールとエチレングリコールモノブチルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒27.66gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(2)を調製した。
実施例4において、透明被膜形成用塗布液(2)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(F-2)を製造した。得られた透明被膜付基材(F-2)について、透明被膜の膜厚、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表2に示す。
透明被膜形成用塗布液(3)の調製
実施例1において、マイクロリング状無機酸化物粒子(1)分散液15.0gとアクリル樹脂(DIC(株)製: UNIDICTM 17−824−9 固形分濃度(質量)77%)15.58gおよびイソプロパノールとエチレングリコールモノブチルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒19.42gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(3)を調製した。
実施例4において、透明被膜形成用塗布液(3)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(F-3)を製造した。得られた透明被膜付基材(F-3)について、透明被膜の膜厚、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表2に示す。
透明被膜形成用塗布液(4)の調製
実施例2で調製した固形分濃度20質量%のマイクロリング状無機酸化物粒子(2)の水分散液を限外濾過膜を用いて溶媒をエタノールに置換した固形分濃度20質量%のマイクロリング状無機酸化物粒子(2)アルコール分散液を調製した。
透明被膜形成用塗布液(4)をPETフィルム(東洋紡(製):コスモシャインA−4300、厚さ:188μm、屈折率1.65、基材透過率90.0%、ヘーズ0.6%))にバーコーター法(バー#20)で塗布し、80℃で2分間乾燥した後、高圧水銀灯(120W/cm)を搭載した紫外線照射装置(日本電池製UV照射装置: CS30L21−3)で600mJ/cm2照射して硬化させ、透明被膜付基材(F-4)を調製した。このときの透明被膜の厚さは7μmであった。得られた透明被膜付基材(F-4)について、透明被膜の膜厚、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表2に示す。
透明被膜形成用塗布液(5)の調製
実施例7において、表面処理したマイクロリング状無機酸化物粒子(2)アルコール分散液50gとアクリル樹脂(DIC(株)製: UNIDICTM 17−824−9 固形分濃度77質量%)29.87gおよびイソプロパノールとエチレングリコールモノブチルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒30.13gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(5)を調製した。
実施例7において、透明被膜形成用塗布液(5)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(F-5)を製造した。得られた透明被膜付基材(F-5)について、透明被膜の膜厚、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表2に示す。
透明被膜形成用塗布液(6)の調製
実施例7において、表面処理したマイクロリング状無機酸化物粒子(2) アルコール分散液85gとアクリル樹脂(DIC(株)製 UNIDICTM 17−824−9 固形分濃度77質量%)14.68gおよびイソプロパノールとエチレングリコールモノブチルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒1.39gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(6)を調製した。
実施例7において、透明被膜形成用塗布液(6)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(F-6)を製造した。得られた透明被膜付基材(F-6)について、透明被膜の膜厚、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表2に示す。
透明被膜形成用塗布液(7)の調製
実施例3において、有機ケイ素化合物処理したマイクロリング状無機酸化物粒子(3)分散液3.75gとアクリル樹脂(共栄社化学(株)製: LIGHT−ACRYLATETM DPE−6A)12.83gとアクリル樹脂(共栄社化学(株)製: LIGHT−ACRYLATETM 1.6HX−A)1.42g、およびイソプロパノールとプロピレングリコールモノメチルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒33.75gと光重合開始剤(CIBA・JAPAN KK製:IRGACURETM 184)0.86gを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(7)を調製した。
実施例7において、透明被膜形成用塗布液(7)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(F-7)を製造した。得られた透明被膜付基材(F-7)について、透明被膜の膜厚、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表2に示す。
透明被膜形成用塗布液(8)の調製
実施例3において、有機ケイ素化合物処理したマイクロリング状無機酸化物粒子(3)分散液7.5gとアクリル樹脂(共栄社化学(株)製: LIGHT−ACRYLATETM DPE−6A)12.15gとアクリル樹脂(共栄社化学(株)製: LIGHT−ACRYLATETM 1.6HX−A)1.35g、およびイソプロパノールとプロピレングリコールモノメチルエーテル14.5gおよびイソプロパノールとn−ブタノールの1/1(重量比)混合溶媒29.0gと光重合開始剤(CIBA・JAPAN KK製:IRGACURETM 184)0.81gを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(8)を調製した。
実施例7において、透明被膜形成用塗布液(8)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(F-8)を製造した。得られた透明被膜付基材(F-8)について、透明被膜の膜厚、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表2に示す。
透明被膜形成用塗布液(9)の調製
実施例3において、有機ケイ素化合物処理したマイクロリング状無機酸化物粒子(3)分散液0.08gとアクリル樹脂(共栄社化学(株)製: LIGHT−ACRYLATETM DPE−6A)13.49gとアクリル樹脂(共栄社化学(株)製: LIGHT−ACRYLATETM 1.6HX−A)1.50g、およびイソプロパノールとプロピレングリコールモノメチルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒34.93gと光重合開始剤(CIBA・JAPAN KK製:IRGACURETM 184)0.90gを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(9)を調製した。
実施例7において、透明被膜形成用塗布液(9)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(F-9)を製造した。得られた透明被膜付基材(F-9)について、透明被膜の膜厚、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表2に示す。
透明被膜形成用塗布液(10)の調製
実施例3において、有機ケイ素化合物処理したマイクロリング状無機酸化物粒子(3)分散液0.75gとアクリル樹脂(共栄社化学(株)製: LIGHT−ACRYLATETM DPE−6A)13.37gとアクリル樹脂(共栄社化学(株)製: LIGHT−ACRYLATETM 1.6HX−A)1.48g、およびイソプロパノールとプロピレングリコールモノメチルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒34.4gと光重合開始剤(CIBA・JAPAN KK製:IRGACURETM 184)0.89gを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(10)を調製した。
実施例7において、透明被膜形成用塗布液(10)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(F-10)を製造した。得られた透明被膜付基材(F-10)について、透明被膜の膜厚、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表2に示す。
無機酸化物粒子(R1)の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:CataloidTM S-20L、平均粒子径15nm、SiO2濃度20質量%)を噴霧乾燥装置の対向式2流体ノズルに供給し、処理液量20L/Hr、ノズル圧力0.38MPa、乾燥雰囲気温度120℃、湿度7.2VOl%、の条件下に噴霧乾燥して、無機酸化物粒子(R1)を調製した。得られた無機酸化物粒子(R1)には貫通孔はなく、平均粒径は5μmであった。
無機酸化物粒子(R2)の調製
シリカ・アルミナゾル(日揮触媒化成(株)製: Fine CataloidTM USBB−120、平均粒子径25nm、SiO2・Al2O3濃度20質量%、固形分中Al2O3含有量27質量%)100gに純水3900gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、SiO2として濃度1.5質量%の珪酸ナトリウム水溶液1750gとAl2O3としての濃度0.5質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液1750gを添加して、SiO2・Al2O3粒子分散液(平均粒子径35nm)を得た。このときのMOX/SiO2モル比=0.2、であった。また、このときの反応液のpHは12.0であった。
透明被膜形成用塗布液(R1)の調製
実施例4において、マイクロリング状無機酸化物粒子(1)の代わりに無機酸化物粒子(R1)を用いた以外は同様にして透明被膜形成用塗布液(R1)を調製した。
実施例4において、透明被膜形成用塗布液(R1)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(RF-1)を製造した。得られた透明被膜付基材(RF-1)について、透明被膜の膜厚、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表2に示す。
透明被膜形成用塗布液(R2)の調製
実施例7において、マイクロリング状無機酸化物粒子(2)の代わりに比較例2で調製した無機酸化物粒子(R2)用いた以外は同様にして表面処理した無機酸化物粒子(R2) アルコール分散液を調製し、ついで、透明被膜形成用塗布液(R2)を調製した。
実施例7において、透明被膜形成用塗布液(R2)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(RF-2)を製造した。得られた透明被膜付基材(RF-2)について、透明被膜の膜厚、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表2に示す。
透明被膜形成用塗布液(R3)の調製
実施例7において、マイクロリング状無機酸化物粒子(2)の代わりにシリカゾル(日揮触媒化成(株)製:CataloidTM SI−45P、平均粒子径45nm、SiO2濃度30質量%)を用いた以外は同様にして表面処理した無機酸化物粒子(R3) アルコール分散液を調製し、ついで、透明被膜形成用塗布液(R3)を調製した。
実施例7において、透明被膜形成用塗布液(R3)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(RF-3)を製造した。得られた透明被膜付基材(RF-3)について、透明被膜の膜厚、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表2に示す。
Claims (8)
- 平均粒子径が3〜100nmの無機酸化物ゾルを噴霧乾燥することにより表面に凹部を有する粒子を作製する第一工程と、
前記粒子を酸または塩基で処理することにより、前記凹部に貫通孔を形成する第二工程と、を含むことを特徴とするマイクロリング状無機酸化物粒子の製造方法。 - 前記無機酸化物ゾルの濃度が0.1〜50質量%であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロリング状無機酸化物粒子の製造方法。
- 前記第一工程において、噴霧乾燥雰囲気の温度が20〜150℃であることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロリング状無機酸化物粒子の製造方法。
- 前記第一工程において、噴霧乾燥雰囲気の湿度が3〜13Vol%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロリング状無機酸化物粒子の製造方法。
- シリカとシリカ以外の無機酸化物とからなる複合酸化物微粒子を作製する工程と、
前記シリカ以外の無機酸化物を酸により除去し、凹部を有する前駆体を作製する工程と、
前記前駆体を酸または塩基による処理、あるいは水熱処理することにより前記凹部に貫通孔を形成する工程と、を備えるマイクロリング状無機酸化物粒子の製造方法。 - 前記貫通孔を形成した後で、マイクロリング状無機酸化物粒子を下記式(1)で表される有機ケイ素化合物で表面処理することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のマイクロリング状無機酸化物粒子の製造方法。
Rn-SiX4-n(1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲンまたは水素。nは0〜3の整数。) - 前記有機ケイ素化合物の表面処理量が、Rn-SiO(4-n)/2としてマイクロリング状無機酸化物粒子の2〜50質量%である請求項6に記載のマイクロリング状無機酸化物粒子の製造方法。
- 前記Rが、ハロゲン置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、カルボキシル基、ケトン基、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ホスフェート基、チオール基、スルホニル基から選ばれる少なくとも1種以上の有機官能基を含むことを特徴とする請求項6または7に記載のマイクロリング状無機酸化物粒子の製造方法。
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