JP5089312B2 - ハードコート膜付基材およびハードコート膜形成用塗布液 - Google Patents
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Description
また、本出願人も鎖状の五酸化アンチモン粒子を配合したハードコート膜は耐擦傷性、膜の強度が向上することを開示している(特開2005−186435号公報、特許文献1)。
ックス成分と下記式(1)で表される球状係数が0.3〜0.9の範囲にある金属酸化物粒
子とからなることを特徴とするハードコート膜付基材。
球状係数=(DS)/(DL)・・・・・・・・(1)
但し、(DL)は平均粒子最長径、(DS)は最長径の中点で最長径と直交する平均短径
[2]前記マトリックス成分が有機樹脂である[1]のハードコート膜付基材。
[3]前記金属酸化物粒子の平均粒子最長径(DL)が5〜500nm、含有量が0.5〜
80質量%の範囲にある[1]または[2]のハードコート膜付基材。
[4]前記金属酸化物粒子がシリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、五酸化アンチモ
ン、ボリアおよびこれらの複合酸化物からなる[1]〜[3]のハードコート膜付基材。
[5]前記金属酸化物粒子がシリカを主成分とする粒子である[1]〜[4]のハードコート膜付
基材。
[6]前記金属酸化物粒子が下記式(1)で表される有機ケイ素化合物で表面処理されている[1]〜[5]のハードコート膜付基材。
Rn-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:1〜3の整数)
[7]マトリックス形成成分と、前記式(1)で表される球状係数が0.3〜0.9の範囲にある金属酸化物粒子と分散媒とを含んでなり、該金属酸化物粒子の平均粒子最長径(DL)
が5〜500nmの範囲にあることを特徴とするハードコート膜形成用塗布液。
[8]前記マトリックス形成成分が有機樹脂またはその前駆体である[7]のハードコート膜形成用塗布液。
[9]前記金属酸化物粒子がシリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、五酸化アンチモ
ン、ボリアおよびこれらの複合酸化物からなる[7]または[8]のハードコート膜形成用塗布液。
[10]前記金属酸化物粒子がシリカを主成分とする粒子である[7]〜[9]のハードコート膜形成用塗布液。
[11]前記金属酸化物粒子が前記式(1)で表される有機ケイ素化合物で表面処理されている[7]〜[10]のハードコート膜形成用塗布液。
[ハードコート膜付基材]
本発明のハードコート膜付基材は、基材と、基材上に形成されたハードコート膜とからなる。
本発明に用いる基材としては、従来公知のガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、PET、TAC等のプラスチックシート、プラスチックフィルム等、プラスチックパネル等を用いることができるが、なかでも屈折率が低く耐アルカリ性を要求されるトリアセチルセルロース(TAC)基材、ポリオレフィン系樹脂基材、ポリビニルアルコール系樹脂
基材、ポリエーテルスルフォン系樹脂機材等が好適に用いられる。
なかでも、TACは透明性高く、機械的強度に優れ、且つ、温度、湿度等の変化に対する寸法安定性がよく、また、屈折率が低く汎用性の高い基材であるので好ましい。
ハードコート膜は、マトリックス成分と金属酸化物粒子とからなっている。
(i)金属酸化物粒子
本発明に用いる金属酸化物粒子は、非真球状で、下記式(1)で表される球状係数が0.
3〜0.9、さらには0.4〜0.8、特に0.5〜0.8の範囲にあることが好ましい。
球状係数=(DS)/(DL) ・・・(1)
但し、(DL)は平均粒子最長径、(DS)は最長径の中点で最長径と直交する平均短径を示す。
このような球状係数にある粒子の形状としては、楕円球、または球状粒子の融合体であり、具体的には、ラグビーボール状、紡錘状、双球状、ブドウ房状などの形状が挙げられる。たとえば、図1に示されるものが例示される。
本発明の球状係数は、透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、100個の粒子について最長径(DL)および最長径の中点で直交する短径(DS)を測定し、各平均値の比として求めることができる。なお、同一粒子について3回測定したところ、実質的に同じ値が得られた。
m、さらには、10〜300nmの範囲にあること好ましい。
金属酸化物粒子の平均粒子最長径(DL)が前記範囲の下限未満のものは得ること自体
が困難であり、得られたとしても耐アルカリ性が不充分となることがある。金属酸化物粒子の平均粒子最長径(DL)が大きければ、当然粒子自体も大きいのでハードコート膜の
ヘーズが悪化することがある。
とくに、シリカは、前記球状係数を有する粒子が得られやすいこと、および透明性に優れていること等の理由から好適である。なお、シリカを主成分とする粒子とは少なくとも粒子中のシリカ含有量が50質量%以上の粒子を意味している。
(1)球状係数の低い粒子を調製するには、前記シード粒子を高温で、具体的には120〜250℃で水熱処理し、シード粒子が複数個凝集あるいは鎖状化したシード粒子(シリカゾル)とし、これに酸性珪酸液を加えて粒子成長をさせる方法。
(2)球状係数の低い粒子を調製するには、前記シード粒子を高濃度下で、具体的にはシリカ濃度5〜30質量%の範囲で、60〜200℃で水熱処理し、シード粒子が複数個凝集あるいは鎖状化したシード粒子とし、これに酸性珪酸液を加えて粒子成長をさせる方法。
(3)上記、(1)および(2)を組み合わせる方法。
(4)球状係数の高い粒子を調製するには、シリカヒドロゲルにアルカリを添加した後、高分散させ、60〜200℃の範囲に加熱すると粒子径の比較的均一なシリカヒドロゲルが凝集した粒子径が不均一で非真球状のシリカゾルが生成し、これをシード(種粒子)として珪酸液を添加して粒子成長させる方法。
(5)上記、(1)〜(3)で得られる平均粒子最長径が概ね200nm以下の粒子を種粒子とし、これに酸性珪酸液の添加速度を調整しながら(好ましくはゆっくり)加えて粒子成長をさせ、球状係数を高める方法。
れていることが好ましい。
Rn-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3−トリフルオロプ
ロピルジメトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリエキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリエキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラオクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、3-ウレイドイソプロピルプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン、等が挙げられる。
ハードコート膜に含まれているマトリックス成分としては、有機樹脂マトリックスが用いられる。
ハードコート膜の厚さが前記範囲の下限未満の場合は、ハードコート膜が薄いためにハードコート膜表面に加わる応力を充分吸収することがでないために、ハードコート機能が不充分となる。
このようなハードコート膜は、後述する本発明に係るハードコート膜形成用塗布液を塗布、乾燥、硬化することによって形成することができる。
さらに、本発明に係るハードコート膜付基材は、基材のハードコート膜が形成された面の他の表面上に接着剤層が設けられていてもよい。
本発明に係るハードコート膜形成用塗布液は、マトリックス形成成分と金属酸化物粒子
と分散媒とを含んでなることを特徴としている。
金属酸化物粒子としては前記した金属酸化物粒子が用いられる。
ハードコート膜形成用塗布液中の金属酸化物粒子の濃度は、ハードコート膜中の金属酸化物粒子の含有量が前記したように1〜80質量%、好ましくは2〜50質量%となるように用いるが、固形分として0.1〜36質量%、さらには0.5〜32質量%の範囲にあることが好ましい。
マトリックス形成成分としては、前記した有機樹脂マトリックス成分またはその前駆体が用いられる。なお、マトリックス形成として、熱硬化性樹脂を使用する場合、マトリックス形成成分は、熱硬化性樹脂のモノマーやプレポリマーが使用され、重合開始剤、安定剤などが含まれていても良い。
マトリックス形成成分の濃度が薄すぎると、一回の塗布で塗布では所定の膜厚が得られないことがあり、塗布、乾燥を繰り返すと密着性等が不充分となったり、経済性において不利である。マトリックス形成成分の濃度が高すぎても、得られるハードコート膜の厚さが不均一になる傾向がある。
分散媒としては水分散媒であってもアルコールなどの有機溶媒であってもよく、適宜選択して用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
金属酸化物粒子(1)の調製
SiO2濃度が24質量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.
1)33.4Kgを純水126.6Kgで希釈して、SiO2濃度が5質量%の珪酸ナトリウム水溶液(pH11)を160Kg調製した。この珪酸ナトリウム水溶液のpHが4.5になるように硫酸濃度25%の硫酸水溶液を加えて中和し、常温で5時間保持することにより、熟成して、シリカヒドロゲルを調製した。
このシリカヒドロゲルを純水に分散し、SiO2濃度3質量%の分散液を調製し、強力
攪拌機を使用して、流動性のスラリー状態になるまで攪拌した。
均短径(DS)は16nmであり、球状係数は0.33であった。
ついで、シリカゾル(1)600gと、純水5,955gおよびSiO2濃度が24質量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)63.3gを混合し、87℃まで昇温し、0.5時間熟成した。ついで、SiO2濃度が3質量%の珪酸液(珪酸ナトリウムを脱ナトリウムした珪酸液)13,380gを14時間かけて添加した。室温まで冷却した後、得られたシリカゾルを限外濾過膜(旭化成工業(株)製:SIP−1013)を用いて、SiO2濃度が12質量%になるまで濃縮し、ついで、ロータリーエバポレーターで濃縮し、44μmメッシュのナイロンフィルターで濾過して濃度30質量%のシリカからなる金属酸化物粒子(1)分散液を得た。
度20質量%とし、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)240gを用い、80℃で3時間イオン交換して洗浄を行い、この分散液を限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して固形分濃度20質量%のメタノール分散液を得た。
得られた、表面処理したシリカからなる金属酸化物粒子(1)の平均粒子最長径(DL)は60nm、平均短径(DS)は32nmであり、球状係数(DS)/(DL)は0.53で
あった。 また、屈折率は標準屈折液としてCARGILL 製のSeriesA、AAを用い、以下の方法で測定し、結果を表1に示した。
(1)金属酸化物粒子分散液をエバポレーターに採り、分散媒を蒸発させる。
(2)これを120℃で乾燥し、粉末とする。
(3)屈折率が既知の標準屈折液を2、3滴ガラス板上に滴下し、これに上記粉末を混合する。
(4)上記(3)の操作を種々の標準屈折液で行い、混合液が透明になったときの標準屈折液の屈折率を金属酸化物粒子の屈折率とする。
アクリル系樹脂(大日本インキ(株)製:17-824-9、樹脂濃度:79.8質量%、溶媒
:イソプロピルアルコール)をイソプロピルアルコールで希釈して樹脂濃度30質量%の
ハードコート膜形成用樹脂成分(1)を調製した。
金属酸化物粒子(1)のメチルイソブチルケトン分散液37.5gを混合してハードコート
膜形成用塗布液(1)を調製した。
ハードコート膜形成用塗布液(1)を、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(厚
さ:0.8mm、屈折率:1.50)にバーコーター法(#12)で塗布し、80℃で120秒間乾燥した後、600m/cm2の紫外線を照射して硬化させてハードコート膜付基材(1)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは4μmであった。
#0000スチールウールを用い、荷重500g/cm2で50回摺動し、膜の表面を
目視観察し、以下の基準で評価し、結果を表に示した。
評価基準:
筋条の傷が認められない :◎
筋条に傷が僅かに認められる:○
筋条に傷が多数認められる :△
面が全体的に削られている :×
ハードコート膜付基材(1)の透明被膜上に、2NのNaOH水溶液を滴下し、3分間放置
した後拭き取り、全光線透過率を測定し、結果を表に示した。
ハードコート膜付基材(1)の透明被膜上に、2NのNaOH水溶液を滴下し、3分間放
置した後拭き取り、上記と同様の耐擦傷性の測定を行い、同様の基準で評価し、結果を表に示した。
評価基準:
筋条の傷が認められない :◎
筋条に傷が僅かに認められる:○
筋条に傷が多数認められる :△
面が全体的に削られている :×
金属酸化物粒子(2)の調製
実施例1と同様にして調製したシリカゾル(1)600gと、純水5,955gおよびSiO2濃度が24質量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)63.3gを混合し、87℃まで昇温し、0.5時間熟成した。ついで、SiO2濃度が3質量%の珪酸液1,120gを14時間かけて添加した。室温まで冷却した後、得られたシリカゾルを限外濾過膜(旭化成工業(株)製:SIP−1013)を用いて、SiO2濃度が12質量%になるまで濃縮し、ついで、ロータリーエバポレーターで濃縮し、44μmメッシュのナイロンフィルターで濾過して濃度30質量%のシリカからなる金属酸化物粒子(2)分散液を得た。
度20質量%とし、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)240gを用い、80℃で3時間イオン交換して洗浄を行い、この分散液を限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して固形分濃度20質量%のメタノール分散液を得た。
得られた、表面処理したシリカからなる金属酸化物粒子(2)の平均粒子最長径(DL)
は50nm、平均短径(DS)は21nmであり、球状係数(DS)/(DL)は0.42
であった。
実施例1において、ハードコート膜形成用樹脂成分(1)100gに、濃度20質量%の
シリカ系酸化物粒子(2)のメチルイソブチルケトン分散液37.5gを混合した以外は同
様にしてハードコート膜形成用塗布液(2)を調製した。
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(2)を用いた以外は同様にしてハード
コート膜付基材(2)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは4μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、耐擦傷性および耐アルカリ性を評価し、結果を表1に示した。
金属酸化物粒子(3)の調製
実施例1と同様にして調製したシリカゾル(1)600gと、純水5,955gおよびSiO2濃度が24質量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)63.3gを混合し、87℃まで昇温し、0.5時間熟成した。ついで、SiO2濃度が3質量%の珪酸液72,170gを14時間かけて添加した。室温まで冷却した後、得られたシリカゾルを限外濾過膜(旭化成工業(株)製:SIP−1013)を用いて、SiO2濃度が12質量%になるまで濃縮し、ついで、ロータリーエバポレーターで濃縮し、44μmメッシュのナイロンフィルターで濾過して濃度30質量%のシリカからなる金属酸化物粒子(3)分散液を得た。
度20質量%とし、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)240gを用い、80℃で3時間イオン交換して洗浄を行い、この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して固形分濃度20質量%のメタノール分散液を得た。
得られた、表面処理したシリカからなる金属酸化物粒子(3)の平均粒子最長径(DL)は90nm、平均短径(DS)は80nmであり、球状係数(DS)/(DL)は0.89で
あった。
実施例1において、ハードコート膜形成用樹脂成分(1)100gに、濃度20質量%の
シリカ系酸化物粒子(3)のメチルイソブチルケトン分散液37.5gを混合した以外は同
様にしてハードコート膜形成用塗布液(3)を調製した。
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(3)を用いた以外は同様にしてハード
コート膜付基材(3)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは4μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、耐擦傷性および耐アルカリ性を評価し、結果を表1に示した。
金属酸化物粒子(4)の調製
実施例1と同様にして調製したシリカゾル(1)600gと、純水5,955gおよびSiO2濃度が24質量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)6
3.3gを混合し、87℃まで昇温し、0.5時間熟成した。ついで、SiO2濃度が3質量%の珪酸液3,780gを14時間かけて添加した。室温まで冷却した後、得られたシリカゾルを限外濾過膜(旭化成工業(株)製:SIP−1013)を用いて、SiO2濃度が12質量%になるまで濃縮し、ついで、ロータリーエバポレーターで濃縮し、44μmメッシュのナイロンフィルターで濾過して濃度30質量%のシリカからなる金属酸化物粒子(4)分散液を得た。
度20質量%とし、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)240gを用い、80℃で3時間イオン交換して洗浄を行い、この分散液を限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して固形分濃度20質量%のメタノール分散液を得た。
得られた、表面処理したシリカからなる金属酸化物粒子(4)の平均粒子最長径(DL)は52nm、平均短径(DS)は26nmであり、球状係数(DS)/(DL)は0.50で
あった。
実施例1において、ハードコート膜形成用樹脂成分(1)100gに、濃度20質量%の
シリカ系酸化物粒子(4)のメチルイソブチルケトン分散液37.5gを混合した以外は同
様にしてハードコート膜形成用塗布液(4)を調製した。
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(4)を用いた以外は同様にしてハード
コート膜付基材(4)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは4μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、耐擦傷性および耐アルカリ性を評価し、結果を表1に示した。
金属酸化物粒子(5)の調製
実施例1と同様にして調製したシリカゾル(1)600gと、純水5,955gおよびSiO2濃度が24質量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)6
3.3gを混合し、87℃まで昇温し、0.5時間熟成した。ついで、SiO2濃度が3質量%の珪酸液46,370gを14時間かけて添加した。室温まで冷却した後、得られたシリカゾルを限外濾過膜(旭化成工業(株)製:SIP−1013)を用いて、SiO2濃度が12質量%になるまで濃縮し、ついで、ロータリーエバポレーターで濃縮し、44μmメッシュのナイロンフィルターで濾過して濃度30質量%のシリカからなる金属酸化物粒子(5)分散液を得た。
度20質量%とし、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)240gを用い、80℃で3時間イオン交換して洗浄を行い、この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して固形分濃度20質量%のメタノール分散液を得た。
、50℃で6時間加熱撹拌して有機ケイ素化合物で表面処理したシリカからなる金属酸化物粒子(5)分散液を調製した。
得られた、表面処理したシリカからなる金属酸化物粒子(5)の平均粒子最長径(DL)は80nm、平均短径(DS)は43nmであり、球状係数(DS)/(DL)は0.54で
あった。
実施例1において、ハードコート膜形成用樹脂成分(1)100gに、濃度20質量%の
シリカ系酸化物粒子(5)のメチルイソブチルケトン分散液37.5gを混合した以外は同
様にしてハードコート膜形成用塗布液(5)を調製した。
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(5)を用いた以外は同様にしてハード
コート膜付基材(5)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは4μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、耐擦傷性および耐アルカリ性を評価し、結果を表1に示した。
ハードコート膜形成用塗布液(6)の調製
実施例1において、ハードコート膜形成用樹脂成分(1)100gに、濃度20質量%の
シリカ系酸化物粒子(1)のメチルイソブチルケトン分散液100gを混合した以外は同様
にしてハードコート膜形成用塗布液(6)を調製した。
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(6)を用いた以外は同様にしてハード
コート膜付基材(6)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは4μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、耐擦傷性および耐アルカリ性を評価し、結果を表1に示した。
ハードコート膜形成用塗布液(7)の調製
実施例1において、ハードコート膜形成用樹脂成分(1)100gに、濃度20質量%の
シリカ系酸化物粒子(1)のメチルイソブチルケトン分散液16.7gを混合した以外は同
様にしてハードコート膜形成用塗布液(6)を調製した。
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(7)を用いた以外は同様にしてハード
コート膜付基材(7)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは4μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、耐擦傷性および耐アルカリ性を評価し、結果を表1に示した。
金属酸化物粒子(8)の調製
実施例1と同様にして調製したシリカゾル(1)600gと、純水5,955gおよびSiO2濃度が24質量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)63.3gを混合し、87℃まで昇温し、0.5時間熟成した。ついで、SiO2濃度が3質量%の珪酸液13,380gを14時間かけて添加した。室温まで冷却した後、得られたシリカゾルを限外濾過膜(旭化成工業(株)製:SIP−1013)を用いて、SiO2濃度が12質量%になるまで濃縮し、ついで、ロータリーエバポレーターで濃縮し、44μmメッシュのナイロンフィルターで濾過して濃度30質量%のシリカからなる金属酸化物粒子(8)分散液を得た。
して濃度0.9質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液125gを添加し、80℃で7時間熟成し、濃度30質量%に調整したシリカ・アルミナ複合酸化物からなる金属酸化物粒子(8)分散液を得た。
固形分濃度20質量%とし、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)240gを用い、80℃で3時間イオン交換して洗浄を行い、この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して固形分濃度20質量%のメタノール分散液を得た。
径(DL)は62nm、平均短径(DS)は33nmであり、球状係数(DS)/(DL)は0.52であった。
実施例1において、ハードコート膜形成用樹脂成分(1)100gに、濃度20質量%の
シリカ系酸化物粒子(8)のメチルイソブチルケトン分散液37.5gを混合した以外は同
様にしてハードコート膜形成用塗布液(8)を調製した。
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(8)を用いた以外は同様にしてハード
コート膜付基材(8)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは4μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、耐擦傷性および耐アルカリ性を評価し、結果を表1に示した。
金属酸化物粒子(R1)の調製
シリカゾル(触媒化成工業(株)製:カタロイドSI-45P、SiO2濃度40質量%、平
均最長粒子径(DL)は45nm、平均短径(DS)は44nm、球状係数(DS)/(DL)は0.98、分散媒:水)300gに純水を添加し固形分濃度20質量%とし、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)240gを用い80℃で3時間イオン交換して洗浄を行い、この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換することで固形分濃度20質量%のメタノール分散液を得た。
得られた、表面処理したシリカからなる金属酸化物粒子(R1)の平均粒子最長径(DL)
は46nm、平均短径(DS)は45nmであり、球状係数(DS)/(DL)は0.98
であった。
実施例1において、ハードコート膜形成用樹脂成分(1)100gに、濃度20質量%の
シリカ系酸化物粒子(R1)のメチルイソブチルケトン分散液37.5gを混合した以外は同様にしてハードコート膜形成用塗布液(R1)を調製した。
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(R1)を用いた以外は同様にしてハードコート膜付基材(R1)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは4μmであった。
得られたハードコート膜の全光線透過率、耐擦傷性および耐アルカリ性を評価し、結果を表1に示した。
金属酸化物粒子(R2)の調製
SiO2濃度が24質量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)33.4Kgを純水126.6Kgで希釈して、SiO2濃度が5質量%の珪酸ナトリウム水溶液(pH11)を160Kg調製した。この珪酸ナトリウム水溶液のpHが4.5になるように硫酸濃度25%の硫酸水溶液を加えて中和し、常温で5時間保持することにより、熟成して、シリカヒドロゲルを調製した。
このシリカヒドロゲルを、濾布を張った濾過機を用いて、SiO2固形分の約120倍相
当量の純水で充分に洗浄した。
このスラリー状のシリカヒドロゲル分散液のpHが9.5になるように濃度15質量%のアンモニア水を添加し、95℃で1時間かけて攪拌を続け、シリカヒドロゲルの解膠操作を行い、シリカゾルを得た。
つぎに、濃度30質量%に調整した金属酸化物粒子(R2)分散液400gに純水を添加し固形分濃度20質量%とし、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)240gを用い、80℃で3時間イオン交換して洗浄を行い、この分散液を、限外濾過膜を用いてメタノールにて溶媒置換して固形分濃度20質量%のメタノール分散液を得た。
得られた、表面処理したシリカからなる金属酸化物粒子(R2)の平均粒子最長径(DL)
は61nm、平均短径(DS)は16nmであり、球状係数(DS)/(DL)は0.26であった。
実施例1において、ハードコート膜形成用樹脂成分(1)100gに、濃度20質量%の
シリカ系酸化物粒子(R2)のメチルイソブチルケトン分散液40gを混合した以外は同様にしてハードコート膜形成用塗布液(R2)を調製した。
実施例1において、ハードコート膜形成用塗布液(R2)を用いた以外は同様にしてハードコート膜付基材(R2)を製造した。このときのハードコート膜の厚さは4μmであった。
Claims (7)
- 基材と、基材上に形成されたハードコート膜とからなり、該ハードコート膜がマトリックス成分と、下記式(1)で表される球状係数が0.3〜0.9の範囲にあるシリカを主成分とする金属酸化物粒子とからなり、シリカを主成分とする金属酸化物粒子がシリカからなるか、あるいはシリカと、アルミナとの複合酸化物からなることを特徴とするハードコート膜付基材。
球状係数=(DS)/(DL)・・・・・・・・(1)
(但し、(DL)は平均粒子最長径、(DS)は最長径の中点で最長径と直交する平均短径) - 前記マトリックス成分が有機樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のハードコート膜付基材。
- 前記金属酸化物粒子の平均粒子最長径(DL)が5〜500nm、含有量が0.5〜80質量%の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載のハードコート膜付基材。
- 前記金属酸化物粒子が下記式(1)で表される有機ケイ素化合物で表面処理されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハードコート膜付基材。
Rn-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:1〜3の整数) - マトリックス形成成分と、下記式(1)で表される球状係数が0.3〜0.9の範囲にあるシリカを主成分とする金属酸化物粒子と分散媒とを含んでなり、シリカを主成分とする金属酸化物粒子がシリカからなるか、あるいはシリカと、アルミナとの複合酸化物からなり、該金属酸化物粒子の平均粒子最長径(DL)が5〜500nmの範囲にあることを特徴とするハードコート膜形成用塗布液。
球状係数=(DS)/(DL)・・・・・・・・(1)
(但し、(DL)は平均粒子最長径、(DS)は最長径の中点で最長径と直交する平均短径) - 前記マトリックス形成成分が有機樹脂またはその前駆体であることを特徴とする請求項5に記載のハードコート膜形成用塗布液。
- 前記金属酸化物粒子が下記式(1)で表される有機ケイ素化合物で表面処理されていることを特徴とする請求項5または6に記載のハードコート膜形成用塗布液。
Rn-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:1〜3の整数)
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