JP5530158B2 - 透明被膜付基材および透明被膜形成用塗布液 - Google Patents

透明被膜付基材および透明被膜形成用塗布液 Download PDF

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Description

本発明は、メソポーラス無機酸化物粒子を含む透明被膜付基材および透明被膜形成用塗布液とに関する。
さらに詳しくは、平均径が0.002〜0.5μmの範囲にあるメソポアを有する、好ましくは該メソポアが粒子を貫通したポア(貫通孔ということがある。)を有し、かつ表面処理された無機酸化物粒子を特定のマトリックス成分とともに含むためにハードコート性能(耐擦傷性、強度等)に優れた透明被膜基材および該透明被膜を形成するための透明被膜形成用塗布液に関する。
従来、ガラス、プラスチックシート、プラスチックレンズ等の基材表面の耐擦傷性を向上させるため、基材表面にハードコート機能を有する透明被膜を形成することが知られており、このような透明被膜として有機樹脂膜あるいは無機膜をガラスやプラスチック等の表面に形成することが行われている。さらに、有機樹脂膜あるいは無機膜中に樹脂粒子あるいはシリカ等の無機粒子を配合してさらに耐擦傷性を向上させることが行われている。
しかしながら、透明被膜形成用塗布液に微粒子を分散させる際に、マトリックス成分または分散媒と粒子の親和性が低いと、粒子が凝集したり、塗布液の安定性が低下し、得られる透明被膜の透明性、ヘーズ等の他、耐擦傷性、強度、スクラッチ強度等が不充分となることがあった。
さらに、透明被膜に応力が加わった場合に、用いる粒子が大きいと粒子とマトリックスとが剥離してボイドが生じる場合があった。また、基材が可撓性のあるプラスチック基材の場合は粒子が小さい場合でもボイドが生じ透明被膜の透明性、ヘーズが悪化する場合があった。
また、本願出願人は、特許文献1(国際公開公報WO95/33787号)にて、熱可塑性フィルムにシリカとシリカ以外の複合酸化物からなる多孔質微粒子を添加することを開示している。
WO95/33787号
このようなシリカとシリカ以外の複合酸化物からなる多孔質微粒子をハードコート膜に用いたところ、ボイドの生成は抑制できるものの、ハードコート性(膜強度、耐擦り傷性)の向上が不充分であった。
本発明者らは、このような問題点に鑑み鋭意検討した結果、本願出願人の出願による特定のメソポアを有する多孔質シリカ系微粒子を表面処理したものを、特定のマトリックス成分と組合わせることで、マトリックスが粒子内部のポアに深く浸入できるので、粒子自体の強度が低くとも、ハードコート性を極めて向上できることを見いだして本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の構成は以下の通りである。
[1]基材と、基材上に透明被膜が形成された透明被膜付基材であって、
該透明被膜がメソポーラス無機酸化物粒子とマトリックス成分とからなり、
該メソポーラス無機酸化物粒子は、平均粒子径(DP)が0.5〜20μmの範囲にあり、吸油量が0.1〜1.3ml/gの範囲にあり、メソポーラス無機酸化物粒子のポアの平均径(DMP)が0.002〜0.5μmの範囲にあり、(DMP)と(DP)との比(DMP)/(DP)が0.001〜0.1の範囲にあり、
前記メソポーラス無機酸化物粒子が、下記式(1)で表される有機ケイ素化合物で表面処理されてなり、
透明被膜中のメソポーラス無機酸化物粒子含有量が固形分として0.01〜80重量%の範囲にあることを特徴とする透明被膜付基材;
n-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
[2]前記Rが、ハロゲン置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリロキシ基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、カルボキシル基、ケトン基、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ホスフェート基、ハロゲン基、チオール基、スルホニル基から選ばれる少なくとも1種以上の有機官能基を含む[1]の透明被膜付基材
[3]マトリックス成分が、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴム、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ブチラール樹脂、反応性シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である[1]または[2]の透明被膜付基材。
[4]前記メソポーラス無機酸化物粒子が貫通孔を有している[1]〜[3]の透明被膜付基材。
[5]前記メソポーラス無機酸化物粒子がシリカ系無機酸化物粒子である[1]〜[4]の透明被膜付基材。
[6]前記透明被膜の膜厚(Th)が0.5〜20μmの範囲にある[1]〜[5]の透明被膜付基材。
[7]平均粒子径(DP)が0.5〜20μmの範囲にあり、吸油量が0.1〜1.3ml/gの範囲にあり、ポアの平均径(DMP)が0.002〜0.5μmの範囲にあり、(DMP)と(DP)との比(DMP)/(DP)が0.001〜0.1の範囲にあり、かつ下記式(1)で表される有機ケイ素化合物で表面処理されてなるメソポーラス無機酸化物粒子と、
マトリックス形成成分と溶媒とからなり、
メソポーラス無機酸化物粒子を、透明被膜中の含有量が固形分として0.01〜80重量%の範囲となるように含むことを特徴とする透明被膜形成用塗布液;
n-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
[8]前記Rが、ハロゲン置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリロキシ基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、カルボキシル基、ケトン基、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ホスフェート基、ハロゲン基、チオール基、スルホニル基から選ばれる少なくとも1種以上の有機官能基を含む[7]の透明被膜形成用塗布液。
[9]前記メソポーラス無機酸化物粒子のポアの平均径(DMP)が0.002〜0.5μmの範囲にあり、平均径(DMP)と前記(DP)との比(DMP)/(DP)が0.001〜0.1の範囲にある[7]または[8]の透明被膜形成用塗布液。
[10]前記メソポーラス無機酸化物粒子がシリカ系無機酸化物粒子である[7]〜[9]の透明被膜形成用塗布液。
[11]前記マトリックス形成成分が、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴム、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ブチラール樹脂、反応性シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である[7]〜[10]の透明被膜形成用塗布液。
[12]全固形分濃度が1〜60重量%の範囲にあり、メソポーラス無機酸化物粒子の濃度が固形分として0.0001〜48重量%の範囲にあり、マトリックス形成成分の濃度が固形分として0.9999〜59.9999重量%の範囲にある[7]〜[11]の透明被膜形成用塗布液。
本発明によれば、無機酸化物粒子がメソポアを有しているのでマトリックス成分との接着面積が高くなり、特に無機酸化物粒子が内部に貫通孔を有しているとマトリックス成分が貫通孔を貫通して透明被膜が形成され、応力が加わった場合にも粒子とマトリックスの間で剥離が生じたりボイドが生成することがなく、このため耐擦傷性、膜強度、基材との密着性等に優れた透明被膜付基材および該透明被膜を形成するための塗布液を提供することができる。
まず、本発明に係る透明被膜付基材について説明する。
[透明被膜付基材]
本発明に係る透明被膜付基材は、基材と、基材上に透明被膜が形成された透明被膜付基材であって、該透明被膜がメソポーラス無機酸化物粒子とマトリックス成分とからなる。
基材
本発明に用いる基材としては、従来公知のものを特に制限なく使用することが可能であり、ガラス、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロポリオレフィン、ノルボルネン等のプラスチックシート、プラスチックフィルム等、プラスチックパネル等があげられる。中でも樹脂系基材は好適に用いることができる。また、このような基材上に、他の被膜が形成された被膜付基材を用いこともできる。他の被膜としては従来公知のプライマー膜、高屈折率膜、導電性膜等が挙げられる。
メソポーラス無機酸化物粒子
透明被膜に含まれるメソポーラス無機酸化物粒子は、マトリックス成分との接触面が多いため、接着性がよいという特性を有している。
メソポーラス無機酸化物粒子の平均粒子径(DP)は0.5〜20μm、さらには1〜15μmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径(DP)が前記範囲の下限を越えて小さいものは得ることが困難であり、透明被膜に用いてもハードコート性(耐擦傷性、強度、硬度等)が不充分となる場合がある。平均粒子径(DP)が大きすぎると、透明被膜の透明性を損なう場合がある。
本発明でのメソポーラス無機酸化物粒子の平均粒子径(DP)の測定方法は粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、100個の粒子について粒子径を測定し、その平均値として得られる。
また、メソポーラス無機酸化物粒子の吸油量が0.1〜1.3ml/g、さらには0.2〜1.0ml/gの範囲にあることが好ましい。なお、吸油量は細孔径と相関し、前記範囲にあることは、所望のメソポア径の細孔容積を多く有するということを意味する。
メソポーラス無機酸化物粒子の吸油量が少ないと、メソポアが少なく、マトリックス成分との接着面積が不充分となるためかハードコート性(耐擦傷性、強度、硬度等)を向上させる効果が充分得られない場合がある。吸油量が多すぎると、粒子強度が不充分となり、透明被膜に用いてもハードコート性(耐擦傷性、強度、硬度等)が不充分となる場合がある。
なお、メソポーラス無機酸化物粒子の吸油量の測定は、顔料試験方法JIS−K5101に準拠して、粒子サンプルの吸油量を測定する。この方法は、JIS−K5101に記載されているので、その詳細は省略するが、一定の条件下で粒子サンプルに吸収される煮あまに油の量を測定して、その吸油量(ml/100g)を求めるものである。ただし、本発明の明細書においては、吸油量の単位をml/gで表示してある。
メソポーラス無機酸化物粒子の「メソポーラス」とは後述する平均径(DMP)のポアを多数有するとの意であり、該メソポアの平均径(DMP)は0.002〜0.5μm、さらには0.005〜0.4μmの範囲にあることが好ましい。
本発明では、細孔径が数nm以下(具体的には2nm以下)の細孔をミクロポア、数nm〜数百nm(具体的には2〜500nm)の細孔をメソポア、それ以上の細孔をマクロポアと呼んでいる。
ポアの平均径(DMP)が小さい場合は、マトリックス成分が、ポア内に浸入できず、このためマトリックス成分との接着が不充分となったり、メソポアが貫通孔でない場合はボイドが生成するためかハードコート性(耐擦傷性、強度、硬度等)を向上させる効果が充分得られない場合がある。
ポアの平均径(DMP)が大き過ぎると、平均粒子径にもよるが、粒子強度が不充分となり、透明被膜に用いてもハードコート性(耐擦傷性、強度、硬度等)が不充分となる場合がある。
ポアの平均径(DMP)と前記平均粒子径(DP)との比(DMP)/(DP)は0.001〜0.1、さらには0.005〜0.08の範囲にあることが好ましい。
(DMP)/(DP)が0.001未満の場合は、粒子径にもよるが、マトリックス形成成分がポアに進入できないために、ハードコート性を向上させる効果が充分得られない場合がある。
(DMP)/(DP)が0.1を超えると、粒子強度が不充分となり、透明被膜に用いてもハードコート性が不充分となる場合がある。
ポアの平均径(DMP)の測定方法は、粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、その典型的な10個のポアの直径を測定し、その平均値とした。
本発明で用いるメソポーラス無機酸化物粒子は貫通孔を有していることが好ましい。
ここで、貫通孔とは、特定のメソポア(メソ細孔)が概ね粒子の反対側に通じた細孔であることを意味している。
なお、貫通孔の有無は、粒子、必要に応じて2つに分割した粒子の電子顕微鏡写真を観察することによって確認することができる。
このような貫通孔を有していると、マトリックス成分の一部が貫通孔を貫通して透明被膜が形成され、応力が加わった場合にも粒子とマトリックスの間で剥離が生じたりボイドが生成することがなく、このため耐擦傷性、膜強度、基材との密着性等に優れた透明被膜が得られる。
粒子形状としては、球状(みかけ)などの公知の形状であれば特に制限されない。
本発明では、このような無機酸化物粒子が式(1)で表される有機ケイ素化合物で表面処理されている。
有機ケイ素化合物としては、下記式(1)で表されるものが好ましい。
n-SiX4-n (1)
但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素を示す。nは0〜3の整数である。
有機ケイ素化合物で表面処理されていると、マトリックス中に均一に分散し、マトリックスがメソポアに浸入した透明被膜を形成することができ、ボイドの生成が抑制され、膜強度、耐擦傷性等に優れた透明被膜を得ることができる。さらには、マトリックス成分と基材調製時に共に重合反応する官能基を有する有機ケイ素化合物で表面処理を行うことで、形成された塗膜の膜強度、耐擦傷性、密着性が増加することが期待される。
このうちnが1〜3の整数の有機ケイ素化合物を使用することが望ましく、少なくも1個の炭化水素基を有するため、特に互いに混合しにくい疎水性マトリックス成分との親和性が高く、マトリックス中に金属酸化物粒子を偏在させることなく分散させることができ、基材との密着性、耐擦傷性等が向上したハードコート膜付基材を得ることができる。
また、n=0の有機珪素化合物のみでは前記効果が不充となることもあるため、n=0の有機珪素化合物で表面処理した後、n=1〜3の有機珪素化合物で表面処理すると、n=1〜3の有機珪素化合物が効率的に粒子表面に結合し、前記効果が更に向上した無機酸化物粒子を得ることができる。
このように表面処理されていると、マトリックス成分中に均一に分散し、且つマトリックス成分との接着性が向上するためか、ボイドの生成が抑制され、膜の強度、耐擦傷性等に優れた透明被膜を得ることができる。
このとき、前記Rが、ハロゲン置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリロキシ基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、カルボキシル基、ケトン基、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ホスフェート基、ハロゲン基、チオール基、スルホニル基から選ばれる少なくとも1種以上の有機官能基を含むことが好ましい。このような有機官能基を有することで、特にマトリックス成分として有機官能基を有するものと組合わせたときに、共に重合反応し耐擦傷性、膜強度、密着性等に優れ、また応力がかかってもボイドを生じにくく、このため被膜付基材の透明性、ヘーズが悪化しない。さらに、一定レベルのハードコート性でよければメソポーラス無機酸化物粒子の使用量を低減することができる。
また上記式(1)のnが0の有機ケイ素化合物(四官能シラン)を併用して表面処理してもよい。
特に上記の特定の官能基を有するシランカップリング剤を用いた場合に好適なマトリックス成分としては、(メタ)アクリル酸類、γ‐グリシルオキシ類、ウレタン類、ビニル類から選ばれる少なくとも1種以上の紫外線硬化性官能基を有する有機樹脂系マトリックス成分が挙げられる。
有機ケイ素化合物による処理方法は、従来公知の方法を採用することができ、例えば、メソポーラス無機酸化物粒子のアルコール分散液にシランカップリング剤を必要量加え、これに水を加え、必要に応じて加水分解用触媒として酸またはアルカリを加えて有機ケイ素化合物を加水分解することによって表面処理することができる。
このような式(1)で表される有機ケイ素化合物としては、このような式(1)で表される有機珪素化合物としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリエキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリエキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラオクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、3-ウレイドイソプロピルプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビストリメトキシシリルヘキサン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラノール、トリフェニルシラノール、トリメチルメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、n-オクチルジメチルクロロシラン等、およびこれらの混合物が挙げられる。
これらの有機ケイ素化合物は、マトリックス成分との反応性に鑑み、適宜選択される。
無機酸化物粒子を構成する酸化物としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ・アルミナ、シリカ・ジルコニア、シリカ・チタニア等の酸化物粒子、複合酸化物粒子かなるものが挙げられる。本発明では、特開2007−84396号公報に開示したメソポーラスシリカ系微粒子が好適に用いられる。
具体的には、(a)下記一般式(I)で表される有機珪素化合物の層と水の層とからなる二層分離液を調合し、次いで該有機珪素化合物層と該水層が完全に混合しない程度に撹拌しながら、前記水層に有機溶媒、アルカリおよび界面活性剤を添加して、該混合水溶液中で前記有機珪素化合物を部分加水分解および/または加水分解してシリカ系粒子前駆体を調製する工程、
1 nSi(OR24-n ・・・(I)
(式中、R1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数2〜10の不飽和脂肪族残基から選ばれる1価の基であり、R2は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基および炭素数2〜5のアシル基から選ばれる1価の基であり、nは1〜3の整数である。)
(b)前記シリカ系粒子前駆体を含む混合水溶液に珪酸アルカリを添加して、粒子内部に空孔部または空隙部を有するシリカ系粒子を調製する工程、および
(c)前記シリカ系粒子を洗浄して乾燥する工程
に供することによって、多孔質シリカ系粒子を製造することができる。
上記工程(a)では、実質的に有機珪素化合物の部分加水分解物および/または加水分解物からなるシリカ系粒子前駆体を調製する。
より具体的には、水層中に、前記有機溶媒、アルカリおよび界面活性剤、あるいはその混合液を添加して得られる、pH8.1〜10.2、好ましくは8.2〜9.8、さらに好ましくは8.5〜9.4の範囲にある混合水溶液を0.1〜15℃、好ましくは0.1〜10℃、さらに好ましくは0.1〜5℃の温度に保ちながら、30〜100rpmの速度でゆっくりと攪拌して、前記有機珪素化合物を部分加水分解および/または加水分解することが望ましい。この有機珪素化合物の部分加水分解反応および/または加水分解反応が進むに伴い、前記有機珪素化合物層は、前記水層(混合水溶液)中に取り込まれて実質的になくなり、前記有機珪素化合物の部分加水分解物および/または加水分解物を含む混合水溶液のみが残ることになる。次いで、前記有機珪素化合物層が実質的になくなった後、この混合水溶液を攪拌しながら1〜45℃、好ましくは3〜20℃、さらに好ましくは5〜15℃の温度条件下で0.1〜35時間、好ましくは0.5〜5時間、さらに好ましくは1〜2時間、放置しておくことが望ましい。
以上の操作によって、比較的、骨格のしっかりしたシリカ系粒子前駆体を含む混合水溶液が得られる。
次に、工程(b)では、前記シリカ系粒子前駆体を含む混合水溶液中に珪酸アルカリの水溶液を添加することにより、粒子内部に空孔部または空隙部を有するシリカ系粒子を調製する。記混合水溶液中に添加される前記珪酸アルカリの量は、該珪酸アルカリをSiO2-(A)で表し、前記工程(a)で使用される前記有機珪素化合物をSiO2-(B)で表したとき、その重量比SiO2-(A)/SiO2-(B)が5/95〜50/50、好ましくは10/90〜45/55、さらに好ましくは20/80〜40/60となる範囲で行うことが好ましい。前記シリカ系粒子前駆体を含む混合水溶液に前記珪酸アルカリを添加すると、粒子密度の低い多孔質シリカ系粒子が得られる。また、この工程(b)では、粒子内部に空孔部または空隙部を有し、さらにその表面(外周部)がシリカ系成分で被覆された球状のシリカ系粒子が得られる。
工程(c)では、前記工程(b)で得られるシリカ系粒子を洗浄して乾燥することにより、粒子内部に空孔または空隙を有するシリカ系粒子を調製する。洗浄、乾燥することで、前記シリカ系粒子の表面や内部の空孔部または空隙部に存在する混合水溶液、更にはそれに含まれるその他成分が取り除かれ、粒子内部に空孔または空隙を有する球状の多孔質シリカ系粒子が得られる。
かかる(c)工程の後に、上記表面処理剤で表面処理を行う。
有機ケイ素化合物による処理方法は、従来公知の方法を採用することができ、例えば、メソポーラス状無機酸化物粒子のアルコール分散液に有機ケイ素化合物を必要量加え、これに水を加え、必要に応じて加水分解用触媒として酸またはアルカリを加えて有機ケイ素化合物を加水分解することによって表面処理することができる。
有機ケイ素化合物の使用量は無機酸化物粒子の大きさにもよるが、Rn-SiO(4-n)/2として、メソポーラス無機酸化物粒子の概ね2〜50質量%、さらには5〜20質量%の範囲にあることが好ましい。
また、以下の工程でも多孔質シリカ系粒子を調製することが可能である。
(a)下記一般式(I)で表される有機珪素化合物の層と水の層とからなる二層分離液を調合し、次いで該有機珪素化合物層と該水層が完全に混合しない程度に撹拌しながら、前記水層に有機溶媒、アルカリおよび界面活性剤を添加して、該混合水溶液中で前記有機珪素化合物を部分加水分解および/または加水分解してシリカ系粒子前駆体を調製する工程、
1 nSi(OR24-n ・・・(I)
(式中、R1は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数2〜10の不飽和脂肪族残基から選ばれる1価の基であり、R2は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基および炭素数2〜5のアシル基から選ばれる1価の基であり、nは1〜3の整数である。)
(b)前記シリカ系粒子前駆体を含む混合水溶液に珪酸アルカリを添加して、粒子内部に空孔または空隙を有するシリカ系粒子を調製する工程、および
(c)必要に応じ前記シリカ系粒子を洗浄して乾燥する工程
(d)前記シリカ系粒子をアルカリ水溶液中に添加して、該シリカ系粒子の外周部に存在する被覆層を溶解させて、少なくとも粒子内部に空孔部または空隙部を有するシリカ系粒子を調製する工程、および
(e)前記シリカ系粒子を洗浄して乾燥する工程。
工程(d)では、前記シリカ系粒子をアルカリ水溶液中に添加して、該シリカ系粒子の外周部に存在する被覆層の一部または全部を溶解させて、少なくとも粒子内部に空孔部または空隙部を有するシリカ系粒子を調製する。この工程(d)により、前記被覆層の一部または全部が溶解された多孔質シリカ系粒子が得られる。さらに詳しく述べれば、この工程(d)に供することにより、前記シリカ系粒子の空孔部または空隙部に残存または存在している珪酸アルカリやその加水分解物、有機珪素化合物の加水分解物であるシリカ系成分、あるいはこれらの反応物等も溶出するので、空隙率(Porosity)の高い多孔質シリカ系粒子を得ることができる。
前記被膜層の一部が溶解されたシリカ系粒子は、粒子内部の表面近くに空孔部または空隙部を有する箇所が凹んだ形状(ディンプル形状)の球状粒子となっており、前記空孔部または空隙部は粒子表面に殆ど露出していないか、あるいはその一部しか露出していない。しかし、前記被覆層には上記したように小さな細孔が形成されているので、前記空孔部または空隙部に残存している前記物質はその大部分が粒子外に溶出する。一方、前記被膜層の全部またはその大部分が溶解されたシリカ系粒子は、前記空孔部または空隙部が粒子表面に露出した形状の球状粒子となっている。
次に、工程(e)にて工程(d)で使用された水酸化ナトリウム等のアルカリを除去し、これにより、少なくとも粒子内部に空孔または空隙を有する球状の多孔質シリカ系粒子が得られる。
上記同様に、工程(c)ないし(e)の後に、前記表面処理剤で表面処理を行う。
透明被膜中のメソポーラス無機酸化物粒子の含有量は0.01〜80重量%、さらには0.02〜60重量%の範囲にあることが好ましい。
透明被膜中のメソポーラス無機酸化物粒子の含有量が少ないと、耐擦傷性、膜強度等が不充分となる場合があり、多すぎてもマトリックス成分が少なく、基材との密着性、透明性、ヘーズ、耐擦傷性等が不充分となる場合がある。
本発明では、目的に応じて、前記メソポーラス無機酸化物粒子以外に、従来公知の粒子を混合して用いることができる。例えば、低屈折無機酸化物粒子、高屈折率無機酸化物粒子、導電性無機酸化物粒子等を使用することができる。
マトリックス成分
マトリックス成分としては、従来公知の無機酸化物系マトリックス成分、有機樹脂系マトリックス成分を用いることができるが、本発明では有機樹脂系マトリックス成分が好適に用いられる。
また、無機酸化物系マトリックス成分としては、前記式(1)で表される有機ケイ素化合物のn=0のもの、およびその部分加水分解物、重縮合物などが挙げられる。
有機樹脂系マトリックス成分として、具体的には塗料用樹脂として公知の紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等のいずれも採用することができる。たとえば、従来から用いられている(メタ)アクリル酸系樹脂、γ‐グリシルオキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂をはじめとする紫外線硬化性樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴムなどの熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ブチラール樹脂、反応性シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。さらにはこれら樹脂の2種以上の共重合体や変性体であってもよい。
これらの樹脂は、エマルジョン樹脂、水溶性樹脂、親水性樹脂であってもよい。さらに、熱硬化性樹脂、あるいは紫外線等電子線硬化型のものであってもよく、熱硬化性樹脂の場合、硬化触媒が含まれていてもよい。
なお、前述したように、特定の反応性官能基を有するシランカップリング剤で表面処理されている場合は、特定の反応性官能基を有する有機樹脂系マトリックス成分を用いることが好ましい。
本発明では、紫外線硬化型樹脂として有機樹脂マトリックスが好適に用いられる。有機樹脂マトリックス成分としては、ビニル基、ウレタン基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、CF2基等の疎水性官能基を有する多官能(メタ)アクリル酸エステル樹脂が挙げられ、具体的にはペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレートメチルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールジメタクルレート、エトキシ化ペンタエリストールテトラアクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリストールポリアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,4ブタンジオールジメタクレート、1,9ノナンジオールジメタクレート、1,10デカンジオールジメタクレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、トリフロロエチルメテクリレート、フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、フェニルグリシジルエーテルアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマージエチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクレート、2−ヒドロキシプロピルメタクレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクレート、2−ヒドロキシ3フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールジメタクリレート、ブトキシジエチレングリコールメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレンジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルアクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルアクリレート、ジシ゛エチレングリコールジグリシジルエーテルジアクリレート、ジシ゛プロピレングリコールジグリシジルエーテルジアクリレート、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクロイロキシエチルコハク酸、2−アクロイロキシエチルフタル酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、2−アクロイロキシエチルアシッドフォスフェート、2ヒドロキシ−3フェノキシプロピルアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルメタクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、クレゾールノボラック型エポキシアクリレート、フェノールノボラック型エポキシアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルアクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルアクリレート、2ブチル−2エチル−1,3プロパンジオールジグリシジルエーテルアクリレート、2エチルヘキシルグリシジルエーテルアクリレート、O-フタル酸ジグリシジルエーテルアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルアクリレート、ジグリセリンポリグリシジルエーテルメタクレート、グリセリンポリグリシジルエーテルアクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルアクリレート、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリレート、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリレートおよびこれらの混合物あるいはこれら樹脂の2種以上の共重合体や変性体であってもよい。
このようなマトリックス成分と、透明被膜が硬化する際に重合反応する官能基を有する有機珪素化合物で表面処理したメソポーラス無機酸化物粒子を用いた場合、ハードコート性が格段に向上し、このため、含有量が少なくてもハードコート性に優れた透明被膜を形成することができる。
透明被膜中のマトリックス成分の含有量は固形分として20〜99.99重量%、さらには40〜99.98重量%の範囲にあることが好ましい。マトリックス成分の含有量が少ないと、基材との密着性、透明性、ヘーズ、耐擦傷性等が不充分となる場合がある。マトリックス成分の含有量が多すぎても、却って粒子の量が少なくなり耐擦傷性、膜強度等が不充分となる場合がある。
本発明に係る透明被膜の膜厚(Th)は、使用するメソポーラス無機酸化物粒子の大きさにもよるが、0.5〜20μm、さらには1〜20μmの範囲にあることが好ましい。
透明被膜の膜厚が薄過ぎると、耐擦傷性、膜強度が不充分となる場合がある。膜厚が厚すぎると、膜の厚さが不均一になったり、透明被膜にクラックやボイドを生じたり、このため膜強度が不充分となったり、プラスチック等の基材ではカーリング(湾曲あるいは反り)を生じる場合がある。
なお、膜厚がメソポーラス無機酸化物粒子の粒子径より小さく、透明被膜表面に適度に凹凸を形成している場合、防眩性を有する透明被膜を得ることができる。
つぎに、本発明に係る透明被膜形成用塗布液について説明する。
[透明被膜形成用塗布液]
本発明に係る透明被膜形成用塗布液は、前記メソポーラス無機酸化物粒子とマトリックス形成成分と溶媒とからなる。
メソポーラス無機酸化物粒子
メソポーラス無機酸化物粒子としては前記したメソポーラス無機酸化物粒子が用いられる。
マトリックス形成成分
マトリックス形成成分としては、前記した有機樹脂系マトリックス形成成分が好適に用いられる。なお、熱硬化型、電子線硬化型などの硬化性樹脂の場合は、マトリックス形成成分は、反応前のモノマーであり、マトリックス成分は重合・反応したポリマーである。
また無機系マトリックスとしては、前記式(1)で表される有機ケイ素化合物のn=0のもの、およびその部分加水分解物、重縮合物などが挙げられる。
溶媒
本発明には、マトリックス形成成分によっては水を用いることもあるが、有機樹脂系マトリックス形成成分を用いる場合は通常有機溶媒が用いられる。
有機溶媒としては前記有機樹脂系マトリックス形成成分、必要に応じて用いる重合開始剤を溶解あるいは分散できるとともに前記したメソポーラス無機酸化物粒子を均一に分散することができれば特に制限はなく、従来公知の溶媒を用いることができる。
具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール(IPA)、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプロピルグリコールなどのアルコール類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソプルピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プルピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルメチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジプロピルケトン、メチルペンチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用することもできる。
重合開始剤
本発明では、重合開始剤が含まれていてもよい。重合開始剤としては、公知のものを特に制限なく使用することが可能であり、例えば、ビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2、6−ジメトキシベンゾイル)2、4、4−トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ-メチル-2-メチル-フェニル-プロパン-1-ケトン、2、2-ジメトキシ-1、2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン等が挙げられる。
塗布液組成
透明被膜形成用塗布液中のマトリックス形成成分とメソポーラス無機酸化物粒子との合計濃度は、特に制限されないが、固形分として1〜60重量%、さらには2〜50重量%の範囲にあることが好ましい。
前記合計濃度が少なすぎると、一回の塗布では所定の膜厚が得られないことがあり、塗布、乾燥を繰り返すと密着性等が不充分となったり、経済性において不利である。
前記合計濃度が高すぎると、塗工性が低下したり、得られる透明被膜の厚さが不均一になる場合がある。
透明被膜形成用塗布液中のメソポーラス無機酸化物粒子の濃度は、得られる透明被膜中のメソポーラス無機酸化物粒子の含有量が前記したように固形分として0.01〜80重量%、さらには0.02〜60重量%の範囲となるように用いる。
また、透明被膜形成用塗布液中のマトリックス形成成分の濃度は、得られる透明被膜中のマトリックス成分の含有量が前記したように固形分として20〜99.99重量%、さらには40〜99.98重量%の範囲となるように用いる。
さらに具体的には、透明被膜形成用塗布液中のメソポーラス無機酸化物粒子の濃度は、固形分として0.0001〜48重量%、さらには0.0002〜36重量%の範囲にあることが好ましい。透明被膜形成用塗布液中のマトリックス形成成分の濃度は、固形分として0.9999〜59.99重量%、さらには1.9998〜59.9998重量%の範囲にあることが好ましい。
上記した透明被膜形成用塗布液をディップ法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法、バーコート法、グラビア印刷法、マイクログラビア印刷法等の周知の方法で基材に塗布し、乾燥し、紫外線照射、加熱処理等常法によって硬化させることによって透明被膜を形成することができる。
得られた透明被膜の膜厚は、0.5μm〜20μmの範囲にあることが好ましい。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[製造例1]
メソポーラス無機酸化物粒子(1)の調製
工程(a)
内容積5リットルの容器に純水3290.4gを入れ、50rpmの速度で攪拌しながらこの純水の温度を約0 ℃(水が凍らない0℃近傍の温度)に冷却した。次いで、この純水に、予め約5℃の温度に調節したメチルトリメトキシシラン(信越化学(株)製)375.0gを静かに加え、メチルトリメトキシシラン層(上部)と水層(下部)からなる二層分離液を調製した。さらに、このメチルトリメトキシシラン層の温度が約1℃になるまで、50rpmの速度で攪拌しながら冷却した。
また、内容積100ccの容器に純水69.8gを入れ、これに100rpmの速度で攪拌しながらn−ブチルアルコール(関東化学(株)製)1.75gおよび28重量%濃度のアンモニア水0.7gを加え、さらにアニオン系界面活性剤であるアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王(株)製)3.75gを加えた混合液を調製した。さらに、この混合液の温度が約5 ℃ になるまで、100rpmの速度で攪拌しながら冷却した。
次いで、この混合液を、前記二層分離液の上部に位置する有機珪素化合物層と下部に位置する水層が完全に混合しない程度に5 0 r p m の速度で攪拌しながら、前記水層中に100秒かけて添加した。ここで、前記添加は、水層下部まで導管を入れ、該導管の先端ノズルから前記混合液を流出させることによって行った。その後、この混合液を添加した前記水層(混合水溶液)を約0〜1℃の温度に保持し、前記有機珪素化合物の加水分解反応が進んで前記有機珪素化合物層がなくなるまで約4.5時間、50rpmの速度で攪拌を続けた。この時、該水層(混合水溶液)のpHは、平均で約9.2であった。
さらに、前記有機珪素化合物層がなくなった前記混合水溶液を、50rpmの速度で静かに攪拌しながら、約5℃の温度条件下で2時間、放置した。
これにより、前記水層(混合水溶液)の中にメチルトリメトキシシランの部分加水分解物および/または加水分解物からなるシリカ系粒子前駆体B-(a)を含む混合水溶液が得られた。
工程(b)
前記工程(a)で得られた前記混合水溶液3741.4gに、Na2O・3.2SiO2のモル組成を有する3号水ガラス(AGC エスアイテック(株)製)をSiO2換算基準で24重量% 含む水ガラス水溶液499.0gを200rpmの速度で攪拌しながら、60秒かけて添加した。ここで、この水ガラスをSiO2-(A)で表し、前記工程(a)で使用された前記有機珪素化合物(メチルトリメトキシシラン)をSiO2-(B)で表したとき、その重量比SiO2-(A)/SiO2-(B)は40/60であった。
なお、前記水ガラス水溶液の添加は、前記混合水溶液の液面上部から行った。この間、前記混合水溶液は、約18℃の温度に保持されていた。
さらに、この混合水溶液を、200rpmの速度で静かに攪拌しながら、約18℃の温度条件下で15時間、放置した。
これにより、前記シリカ系粒子前駆体中に含まれる一部のシリカ系成分が溶出され、粒子内部に空孔部または空隙部を有するシリカ系粒子B-(b)を含む混合水溶液が得られた。
工程(c)
前記工程(b)で得られた前記混合水溶液4240gを、遠心分離器(コクサン(株)製:H−900)にかけて前記シリカ系粒子を分離した。さらに、得られたケーキ状物質に純水を添加しながら攪拌して分散液を調製し、同様な遠心分離作業を繰り返し3 回、行った。このようにして十分に洗浄されたシリカ系粒子(ケーキ状物質)を110℃で12時間かけて乾燥した。
これにより、粒子内部に空孔または空隙を有し、さらにその表面(外周部)がシリカ系成分の被覆層で覆われた多孔質シリカ系粒子B-(c)101gが得られた。
工程(d)
前記工程(c)で得られたシリカ系粒子B-(c)40gを、3重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液(関東化学(株)製)600gの中に添加し、続いてエタノール60gを加えたのち、150rpmの速度で攪拌しながら50℃に加温した。さらに、この温度に保って、150rpmの速度で攪拌しながら、7時間、放置した。
これにより、前記シリカ系粒子の表面を覆っていたシリカ系成分(被覆層)の全てが溶解されたシリカ系粒子B-(d2)を含むアルカリ水溶液(2)が得られた。
工程(e)
前記工程(d)で得られたアルカリ水溶液(2)に含まれるシリカ系粒子B -(d2)を濾過分離した後、純水で十分に洗浄し、その後、110℃の温度で12時間かけて乾燥した。
これにより、粒子表面を覆っていた被覆層の全てが溶解されて粒子表面からなくなった多孔質シリカ系粒子B-(e2)9gが得られた。
前記多孔質シリカ系粒子B-(e2)をメソポーラス無機酸化物粒子(1)とした。
メソポーラス無機酸化物粒子(1)の2つに分割した粒子の電子顕微鏡写真を観察したところ貫通孔を有していた。
メソポーラス無機酸化物粒子(1)について、平均粒子径、ポアの平均径および吸油量を測定し、結果を表に示す。
[比較例1]
透明被膜形成用塗布液(1)の調製
メソポーラス無機酸化物粒子(1)をメタノールに分散させた固形分濃度30重量%のメソポーラス無機酸化物粒子(1)分散液5gとアクリル樹脂(DIC(株)製: UNIDICTM 17−824−9 固形分濃度77%)19.48gおよびイソプロパノールとエチレングリコールモノブチルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒30.5gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(1)を調製した。
透明被膜付基材(1)の製造
透明被膜形成用塗布液(1)をPETフィルム(東洋紡(株)製:A−4300、厚さ:188μm、屈折率1.65、基材透過率90.0%、ヘーズ0.8%))にバーコーター法(バー#20)で塗布し、80℃で1分間乾燥した後、高圧水銀灯(120W/cm)を搭載した紫外線照射装置(日本電池製UV照射装置CS30L21−3)で600mJ/cm2照射して硬化させ、透明被膜付基材(1)を調製した。このときの透明被膜の厚さは8μmであった。
得られた透明被膜の全光線透過率およびヘーズをヘーズメーター(日本電色工業(株)製)により測定し、結果を表2に示す。さらに、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を以下の方法および評価基準で評価し、結果を表に示す。
鉛筆硬度の測定
JIS−K−5400に準じて鉛筆硬度試験器により測定した。
耐擦傷性の測定
#0000スチールウールを用い、荷重500g/cm2で50回摺動し、膜の表面を目視観察し、以下の基準で評価し、結果を表に示す。
評価基準:
筋条の傷が認められない :◎
筋条に傷が僅かに認められる:○
筋条に傷が多数認められる :△
面が全体的に削られている :×
密着性
透明被膜付基材(1)の表面にナイフで縦横1mmの間隔で11本の平行な傷を付け100個の升目を作り、これにセロハンテープ(登録商標)を接着し、ついで、セロハンテープ(登録商標)を剥離したときに被膜が剥離せず残存している升目の数を、以下の4段階に分類することによって密着性を評価した。結果を表に示す。
残存升目の数100個 :◎
残存升目の数93〜97個:○
残存升目の数85〜92個:△
残存升目の数84個以下 :×
可撓性(ボイド)
透明被膜付基材(1)の幅1cm、長さ5cmの切片を作成し、切片の一端を固定し、他端を上下5cmの幅で湾曲させる操作を20回繰り返した後、目視観察し、以下の基準で評価した。
透明被膜は元のまま透明性を維持していた : ◎
透明被膜の透明性が僅かに低下していた : ○
透明被膜に白化が認められた : △
透明被膜にボイドの生成による白化が認められた : ×
[製造例2]
メソポーラス無機酸化物粒子(2)の調製
製造例1におけるシリカ系粒子B-(e2)4gを純水80gに添加し、続いてエタノール12gを加えて分散させ、これに1重量%濃度の水酸化ナトリウム(関東化学(株)製)を添加してpHを11に調節した後、100rpmの速度で攪拌しながら90℃に加温した。さらに、この温度に保ちながら、3号水ガラス(AGC エスアイテック(株)製)の水溶液から陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製)を用いて脱アルカリして得られた3.5重量% 濃度(SiO2基準)の珪酸液15.3gを添加し、2時間、100rpmの速度で攪拌を続けた。
次いで、前記水溶液からシリカ系粒子を遠心分離器(コクサン(株)製:H−900)で分離し、得られたケーキ状物質に純水を添加して200rpmの速度で攪拌しながら前記シリカ系粒子の分散液を調製し、さらに遠心分離器にかけてこのシリカ系粒子を分離する操作を繰り返し3 回、行った。このようにして十分に洗浄されたシリカ系粒子(ケーキ状物質)を110℃で2時間かけて乾燥した。
これにより、粒子内部に空孔部または空隙部を有し、しかも少なくともその表面が珪素成分で被覆されたシリカ系粒子C-(e)が得られた。
加熱処理工程
前記シリカ系粒子C-(e)3gを大気中雰囲気下、500℃の温度で2時間かけて加熱処理した。これにより、加熱処理された、粒子内部に空孔または空隙(メソポア)を有するシリカ系粒子C-(s)が得られた。
シリカ系粒子C-(s)をメソポーラス無機酸化物粒子(2)とした。
メソポーラス無機酸化物粒子(2)の2つに分割した粒子の電子顕微鏡写真を観察したところ貫通孔を有していなかった。
メソポーラス無機酸化物粒子(2)について、平均粒子径、ポアの平均径および吸油量を測定し、結果を表1に示す。
[比較例2]
透明被膜形成用塗布液(2)の調製
比較例1において、メソポーラス無機酸化物粒子(2)をメタノールに分散させた固形分濃度30重量%のメソポーラス無機酸化物粒子(2)分散液を用いた以外は同様にして透明被膜形成用塗布液(2)を調製した。
透明被膜付基材(2)の製造
比較例1において、透明被膜形成用塗布液(2)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(2)を調製した。このときの透明被膜の厚さは8μmであった。
得られた透明被膜の全光線透過率およびヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表1に示す。
[実施例1]
メソポーラス無機酸化物粒子(3)の調製
製造例1と同様にしてメソポーラス無機酸化物粒子(1)を調製し、ついで、固形分濃度30重量%のメソポーラス無機酸化物粒子(1)メタノール分散液を調製した。この分散液100gにγ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコ−ン(株)製:KBM−503 SiO2含有量81.9重量%)4.5gを混合し、29%アンモニア水溶液を0.07g添加して50℃で15時間加熱撹拌して表面処理したメソポーラス無機酸化物粒子(3)分散液を得た。ついで、ロータリーエバポレーターにてメタノール(イソプロピルアルコール)に溶媒置換して濃度30重量%のメソポーラス無機酸化物粒子(3)分散液を得た。
メソポーラス無機酸化物粒子(3)について、平均粒子径、ポアの平均径および吸油量を測定し、結果を表に示す。
透明被膜形成用塗布液(3)の調製
固形分濃度30重量%のメソポーラス無機酸化物粒子(3)分散液を用いた以外は比較例1と同様にして透明被膜形成用塗布液(3)を調製した。
透明被膜付基材(3)の製造
透明被膜形成用塗布液(3)を用いた以外は比較例1と同様にして透明被膜付基材(3)を調製した。このときの透明被膜の厚さは8μmであった。
得られた透明被膜の全光線透過率およびヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表に示す。
[実施例2]
透明被膜形成用塗布液(4)の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度30重量%のメソポーラス無機酸化物粒子(3)分散液1gとアクリル樹脂(DIC(株)製: UNIDICTM 17−824−9 固形分濃度77%)38.57gおよびイソプロパノールとエチレングリコールモノブチルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒60.43gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(4)を調製した。
透明被膜付基材(4)の製造
透明被膜形成用塗布液(4)を用いた以外は比較例1と同様にして透明被膜付基材(4)を調製した。このときの透明被膜の厚さは8μmであった。
得られた透明被膜の全光線透過率およびヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表に示す。
[実施例3]
透明被膜形成用塗布液(5)の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度30重量%のメソポーラス無機酸化物粒子(3)分散液10gとアクリル樹脂(DIC(株)製: UNIDICTM 17−824−9 固形分濃度77%)15.58gおよびイソプロパノールとエチレングリコールモノブチルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒24.41gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(5)を調製した。
透明被膜付基材(5)の製造
透明被膜形成用塗布液(5)を用いた以外は比較例1と同様にして透明被膜付基材(5)を調製した。このときの透明被膜の厚さは8μmであった。
得られた透明被膜の全光線透過率およびヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表に示す。
[実施例4]
透明被膜形成用塗布液(6)の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度30重量%のメソポーラス無機酸化物粒子(3)分散液1gとアクリル樹脂(共栄社化学(株)製:LIGHT-ACRYLATETM DPE-6A、固形分濃度100重量%)26.73g、アクリル樹脂(共栄社化学(株)製:LIGHT-ACRYLATETM 1.6HX-A、固形分濃度100重量%)2.97gおよびイソプロパノールとエチレングリコールモノブチルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒69.3gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(6)を調製した。
なお、アクリル樹脂(DPE-6A)は反応性官能基としてアクリル基(6官能基)を有し、アクリル樹脂(1.6HX-A)は反応性官能基としてアクリル基(同2官能基)を有している。
透明被膜付基材(6)の製造
透明被膜形成用塗布液(6)を用いた以外は比較例1と同様にして透明被膜付基材(6)を調製した。このときの透明被膜の厚さは8μmであった。
得られた透明被膜の全光線透過率およびヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表に示す。
[実施例5]
透明被膜形成用塗布液(7)の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度30重量%のメソポーラス無機酸化物粒子(3)分散液1gとアクリル樹脂(共栄社化学(株)製:LIGHT-ACRYLATETM DPE-6A、固形分濃度100重量%)269.73g、アクリル樹脂(共栄社化学(株)製:LIGHT-ACRYLATETM 1.6HX-A、固形分濃度100重量%)29.97gおよびイソプロパノールとエチレングリコールモノブチルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒699.3gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(7)を調製した。
透明被膜付基材(7)の製造
透明被膜形成用塗布液(7)を用いた以外は比較例1と同様にして透明被膜付基材(7)を調製した。このときの透明被膜の厚さは8μmであった。
得られた透明被膜の全光線透過率およびヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表に示す。
[参考例]
メソポーラス無機酸化物粒子(8)の調製
製造例2と同様にしてメソポーラス無機酸化物粒子C-(s)を調製し、実施例1 と同様に表面処理して、メソポーラス無機酸化物粒子(8)分散液を得た。
透明被膜形成用塗布液(8)の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度30重量%のメソポーラス無機酸化物粒子(5)分散液10gとアクリル樹脂(DIC(株)製: UNIDICTM 17−824−9 固形分濃度77%)15.58gおよびイソプロパノールとエチレングリコールモノブチルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒24.41gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(8)を調製した。
透明被膜付基材(8)の製造
透明被膜形成用塗布液(8)を用いた以外は比較例1と同様にして透明被膜付基材(8)を調製した。このときの透明被膜の厚さは8μmであった。
得られた透明被膜の全光線透過率およびヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表に示す。
[製造例3]
無機酸化物粒子(R1)の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:Cataloid S-20L、平均粒子径15nm、SiO2濃度20重量%)を噴霧乾燥装置の対向式2流体ノズルに供給し、処理液量20L/Hr、ノズル圧力0.38MPa、乾燥雰囲気温度120℃、湿度7.2VOl%、の条件下に噴霧乾燥して、無機酸化物粒子(R1)を調製した。得られた無機酸化物粒子(R1)には貫通孔はなかった。
ついで、固形分濃度30重量%の無機酸化物粒子(R1)メタノール分散液を調製し、この分散液100gにγ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコ−ン(株)製:KBM−503 SiO2含有量81.9重量%)4.5gを混合し、50℃で15時間加熱撹拌して表面処理した無機酸化物粒子(R1)分散液を得た。
ついで、ロータリーエバポレーターにてメタノール(イソプロピルアルコール)に溶媒置換して濃度30重量%の無機酸化物粒子(R1)分散液を得た。
無機酸化物粒子(R1)について、平均粒子径、ポアの平均径および吸油量を測定し、結果を表に示す。
[比較例3]
透明被膜形成用塗布液(R1)の調製
固形分濃度30重量%の無機酸化物粒子(R1)分散液5gとアクリル樹脂(DIC(株)製: UNIDICTM 17−824−9 固形分濃度77%)19.48gおよびイソプロパノールとエチレングリコールモノブチルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒30.5gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(R1)を調製した。
透明被膜付基材(R1)の製造
透明被膜形成用塗布液(R1)を用いた以外は比較例1と同様にして透明被膜付基材(R1)を調製した。このときの透明被膜の厚さは8μmであった。
得られた透明被膜の全光線透過率およびヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表に示す。
[製造例4]
無機酸化物粒子(R2)の調製
シリカ・アルミナゾル(触媒化成工業(株)製:USBB−120、平均粒子径25nm、SiO2・Al23濃度20重量%、固形分中Al23含有量27重量%)100gに純水3900gを加えて98℃に加温し、この温度を保持しながら、SiO2として濃度1.5重量%の珪酸ナトリウム水溶液1750gとAl23としての濃度0.5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液1750gを添加して、SiO2・Al23粒子分散液(平均粒子径35nm)を得た。このときのMOX/SiO2モル比=0.2、であった。また、このときの反応液のpHは12.0であった。
ついで、SiO2として濃度1.5重量%の珪酸ナトリウム水溶液6,300gとAl23としての濃度0.5重量%のアルミン酸ナトリウム水溶液2,100gを添加して複合酸化物微粒子(2)(平均粒子径50nm)の分散液を得た。
ついで、限外濾過膜で洗浄して固形分濃度13重量%になった複合酸化物微粒子(2)の分散液500gに純水1,125gを加え、さらに濃塩酸(濃度35.5重量%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行った。次いで、pH3の塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離・洗浄して固形分濃度20重量%のシリカ系中空微粒子の水分散液を得た。
ついで、シリカ系中空微粒子の水分散液150gと、純水500g、エタノール1,750gおよび濃度28重量%のアンモニア水626gとの混合液を35℃に加温した後、エチルシリケート(SiO2濃度28重量%)140gを添加してシリカ被覆層を形成し、純水5Lを加えながら限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20重量%のシリカ被覆層を形成したシリカ系中空微粒子の水分散液を得た。
つぎに、シリカ被覆層を形成したシリカ系中空微粒子分散液にアンモニア水を添加して分散液のpHを10.5に調整し、ついで200℃にて11時間熟成した後、常温に冷却し、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)400gを用いて3時間イオン交換し、ついで、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSA20A)200gを用いて3時間イオン交換し、さらに陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1B)200gを用い、80℃で3時間イオン交換して洗浄を行い、固形分濃度20重量%の無機酸化物粒子(R2)の水分散液を得た。得られた無機酸化物粒子(R2)には貫通孔は認められなかった。
ついで、限外濾過膜法によりメタノールに溶媒置換して固形分濃度30重量%の無機酸化物粒子(R2)メタノール分散液を調製し、この分散液100gにγ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコ−ン(株)製:KBM−503 SiO2含有量81.9重量%)4.5gを混合し、50℃で15時間加熱撹拌して表面処理した無機酸化物粒子(R2)分散液を得た。
ついで、ロータリーエバポレーターにてメタノール(イソプロピルアルコール)に溶媒置換して濃度30重量%の無機酸化物粒子(R2)分散液を得た。
無機酸化物粒子(R2)について、平均粒子径を測定し、結果を表に示す。なお、ポアの平均径および吸油量については測定しなかった。
[比較例4]
透明被膜形成用塗布液(R2)の調製
固形分濃度30重量%の無機酸化物粒子(R2)分散液5gとアクリル樹脂(DIC(株)製: UNIDICTM 17−824−9 固形分濃度77%)19.48gおよびイソプロパノールとエチレングリコールモノブチルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒30.5gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(R2)を調製した。
透明被膜付基材(R2)の製造
透明被膜形成用塗布液(R2)を用いた以外は比較例1と同様にして透明被膜付基材(R2)を調製した。このときの透明被膜の厚さは8μmであった。
得られた透明被膜の全光線透過率およびヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表に示す。
[製造例5]
無機酸化物粒子(R3)の調製
製造例2と同様にして、粒子内部に空孔部または空隙部を有し、しかも少なくともその表面が珪素成分で被覆されたシリカ系粒子C-(e)を調製した。
シリカ系粒子C-(e)1gを純水99gに添加し、続いてエタノール100gを加えて分散させ、濃度28重量%のアンモニア水溶液0.5gとの混合溶液を35℃に加温した後、テトラエトキシシラン(多摩化学工業株式会社製:エチルシリケート-A)1.0gを添加した後、2時間、100rpmの速度で攪拌を続けた。
次いで、分散液からシリカ系粒子を遠心分離器(コクサン(株)製:H−900)で分離し、得られたケーキ状物質に純水を添加して200rpmの速度で攪拌しながら前記シリカ系粒子の分散液を調製し、さらに遠心分離器にかけてこのシリカ系粒子を分離する操作を繰り返し3回、行った。このようにして十分に洗浄されたシリカ系粒子(ケーキ状物質)を110℃で2時間かけて乾燥して無機酸化物粒子(R3)を調製した。
無機酸化物粒子(R3)をメタノールに分散させた固形分濃度30重量%の無機酸化物粒子(R2)メタノール分散液を調製し、この分散液100gにγ-メタアクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコ−ン(株)製:KBM−503 SiO2含有量81.9重量%)4.5gを混合し、50℃で15時間加熱撹拌して表面処理した無機酸化物粒子(R3)分散液を得た。
ついで、ロータリーエバポレーターにてメタノール(イソプロピルアルコール)に溶媒置換して濃度30重量%の無機酸化物粒子(R3)分散液を得た。無機酸化物粒子(R3)について、平均粒子径、ポアの平均径および吸油量を測定し、結果を表に示す。
なお、かかる製造例5では、ポアにTEOSに由来するシリカ成分が充填し、メソポアは消失している。
[比較例5]
透明被膜形成用塗布液(R3)の調製
固形分濃度30重量%の無機酸化物粒子(R3)メタノール分散液5gとアクリル樹脂(DIC(株)製: UNIDICTM 17−824−9 固形分濃度77%)19.48gおよびイソプロパノールとエチレングリコールモノブチルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒30.5gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(R3)を調製した。
透明被膜付基材(R3)の製造
透明被膜形成用塗布液(R3)を用いた以外は比較例1と同様にして透明被膜付基材(R3)を調製した。このときの透明被膜の厚さは8μmであった。
得られた透明被膜の全光線透過率およびヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表に示す。
[比較例6]
透明被膜形成用塗布液(R4)の調製
比較例3と同様にして調製した固形分濃度30重量%の無機酸化物粒子(R1)分散液1gとアクリル樹脂(DIC(株)製: UNIDICTM 17−824−9 固形分濃度77%)38.57gおよびイソプロパノールとエチレングリコールモノブチルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒60.43gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(R4)を調製した。
透明被膜付基材(R4)の製造
比較例1において、透明被膜形成用塗布液(R4)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(R4)を調製した。このときの透明被膜の厚さは8μmであった。
得られた透明被膜の全光線透過率およびヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表に示す。
[比較例7]
透明被膜形成用塗布液(R5)の調製
比較例3と同様にして調製した固形分濃度30重量%の無機酸化物粒子(R1)分散液1gとアクリル樹脂(共栄社化学(株)製:LIGHT-ACRYLATETM DPE-6A、固形分濃度100重量%)269.73g、アクリル樹脂(共栄社化学(株)製:LIGHT-ACRYLATETM 1.6HX-A、固形分濃度100重量%)29.97gおよびイソプロパノールとエチレングリコールモノブチルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒699.3gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(R5)を調製した。
透明被膜付基材(R5)の製造
比較例1において、透明被膜形成用塗布液(R5)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(R5)を調製した。このときの透明被膜の厚さは8μmであった。
得られた透明被膜の全光線透過率およびヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表に示す。
Figure 0005530158

Claims (11)

  1. 基材と、基材上に透明被膜が形成された透明被膜付基材であって、
    該透明被膜がメソポーラス無機酸化物粒子とマトリックス成分とからなり、
    該メソポーラス無機酸化物粒子は、平均粒子径(DP)が0.5〜20μmの範囲にあり、吸油量が0.1〜1.3ml/gの範囲にあり、メソポーラス無機酸化物粒子のポアの平均径(DMP)が0.002〜0.5μmの範囲にあり、(DMP)と(DP)との比(DMP)/(DP)が0.001〜0.1の範囲にあり、
    前記メソポーラス無機酸化物粒子が、下記式(1)で表される有機ケイ素化合物で表面処理されてなり、
    透明被膜中のメソポーラス無機酸化物粒子含有量が固形分として0.01〜80重量%の範囲にあり、
    前記メソポーラス無機酸化物粒子が貫通孔を有していることを特徴とする透明被膜付基材;
    n-SiX4-n (1)
    (但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
  2. 前記Rが、ハロゲン置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリロキシ基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、カルボキシル基、ケトン基、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ホスフェート基、ハロゲン基、チオール基、スルホニル基から選ばれる少なくとも1種以上の有機官能基を含むことを特徴とする請求項1に記載の透明被膜付基材。
  3. マトリックス成分が、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴム、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ブチラール樹脂、反応性シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明被膜付基材。
  4. 前記メソポーラス無機酸化物粒子がシリカ系無機酸化物粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明被膜付基材。
  5. 前記透明被膜の膜厚(Th)が0.5〜20μmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明被膜付基材。
  6. 平均粒子径(DP)が0.5〜20μmの範囲にあり、吸油量が0.1〜1.3ml/gの範囲にあり、ポアの平均径(DMP)が0.002〜0.5μmの範囲にあり、(DMP)と(DP)との比(DMP)/(DP)が0.001〜0.1の範囲にあり、かつ下記式(1)で表される有機ケイ素化合物で表面処理されてなり、かつ貫通孔を有するメソポーラス無機酸化物粒子と、
    マトリックス形成成分と溶媒とからなり、
    メソポーラス無機酸化物粒子を、透明被膜中の含有量が固形分として0.01〜80重量%の範囲となるように含むことを特徴とする透明被膜形成用塗布液;
    n-SiX4-n (1)
    (但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
  7. 前記Rが、ハロゲン置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリロキシ基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、カルボキシル基、ケトン基、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ホスフェート基、ハロゲン基、チオール基、スルホニル基から選ばれる少なくとも1種以上の有機官能基を含むことを特徴とする請求項6に記載の透明被膜形成用塗布液。
  8. 前記メソポーラス無機酸化物粒子のポアの平均径(DMP)が0.002〜0.5μmの範囲にあり、平均径(DMP)と前記(DP)との比(DMP)/(DP)が0.001〜0.1の範囲にあることを特徴とする請求項6または7に記載の透明被膜形成用塗布液。
  9. 前記メソポーラス無機酸化物粒子がシリカ系無機酸化物粒子であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の透明被膜形成用塗布液。
  10. 前記マトリックス形成成分が、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴム、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ブチラール樹脂、反応性シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の透明被膜形成用塗布液。
  11. 全固形分濃度が1〜60重量%の範囲にあり、メソポーラス無機酸化物粒子の濃度が固形分として0.0001〜48重量%の範囲にあり、マトリックス形成成分の濃度が固形分として0.9999〜59.9999重量%の範囲にあることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の透明被膜形成用塗布液。
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