JP2003012460A - 樹脂被覆球状多孔質粒子、その製造方法、および該粒子を配合した化粧料 - Google Patents

樹脂被覆球状多孔質粒子、その製造方法、および該粒子を配合した化粧料

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂被覆球状多孔質粒子は広範囲にわた
る感触を調節でき、伸びの軽さ、滑り感などの使用感に
優れる。 【解決手段】 樹脂被覆球状多孔質粒子は、平均粒子径
が2〜250nmである無機酸化物微粒子が集まった平
均粒子径が1〜100μmである無機酸化物微粒子集合
体と、これを被覆する樹脂層とからなり、樹脂層は、引
張時の100%モジュラスが200〜3000N/cm
2 のゴム状弾性を有する樹脂からなることが好ましい。
無機酸化物微粒子集合体の細孔容積は0. 01〜1. 5
cc/gの範囲にあることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機酸化物微粒子
の集合体を樹脂層よって被覆した樹脂被覆球状多孔質粒
子およびその製造方法ならびに該粒子を配合してなる化
粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、シリカ、酸化チタン、アルミ
ナ等の無機酸化物球状粒子、あるいは、さらに有機基を
含むこれら無機酸化物球状粒子や、PMMA、ナイロ
ン、シリコーン、ポリスチレン等の樹脂系球状粒子等
が、パウダーファンデーション等のメーキャップ化粧品
や乳液等の皮膚用化粧品に使用されている。この球状粒
子の配合効果は、皮膚上で球状粒子がローリングする事
による滑り性等の感触の向上である。無機酸化物系の場
合、硬度が高いため主としてサラサラとしたドライな感
触が得られ、樹脂系の場合は硬度が比較的低いために多
少クリーミーな感触が得られる。これらの感触は、球状
粒子の平均粒子径、粒子径分布の他、粒子を構成する物
質の物理的あるいは化学的な性質に左右される。現在市
販されている中で柔軟性の高い化粧料用樹脂粒子として
は、シリコーンゴム、ゴム状弾性を有するアクリレート
系樹脂、あるいは特開平11−92534号公報に記載
された複合粉体などが上げられ、皮膚に塗布した場合比
較的ソフトでクリーミーな感触を得ることができる。し
かしながら、パウダーファンデーションに配合した場
合、プレス成形性が良くないため落下強度などの点で満
足の行くものを得るのが困難であった。さらに、無機酸
化物のドライ感と前記したゴム状弾性を有する樹脂のク
リーミー感の双方を自由に調整できる材料はこれまで得
られていない。
【0003】特開平3−181410号公報には、白色
顔料、着色顔料、体質顔料、光輝性顔料、有機粉末等の
化粧料用粉体と無機コロイドの分散液を噴霧乾燥して得
られる、粒子強度が低く加圧崩壊性を有する凝集球状粉
体が開示されている。このような凝集球状粉体は化粧料
の塗擦時に粒子が崩壊し、粒子感、違和感等の残存感が
無く密着性に優れたきめ細かな化粧膜が得られるもの
の、皮膚上で球状粒子がローリングする事による滑り性
等の感触が得られず、またサラサラとしたドライな感触
やクリーミーな感触が得られないことがあった。本願出
願人は、特公平3−43201号公報、特公平2−61
406号公報等において、真球状微粒子は化粧料に好適
に用いることができることも開示している。当該真球状
微粒子は、球状粒子がローリングする事による滑り性等
の感触が得られ、サラサラしたドライな感触が得られる
ものの、粒子が硬すぎてクリーミーな感触が得られず粒
子感、違和感等が残ることがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するものであり、滑り性やサラサラしたドライな
感触からクリーミー感に至るまでの広範囲にわたって感
触を調節でき、伸びの軽さ、滑り感などの使用感に優
れ、また撥水性を付与することによって油相中への分散
性にも優れた樹脂被覆球状多孔質粒子を提供することを
目的とする。また、該微粒子の製造方法および該微粒子
を配合した化粧料を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂被覆球状多
孔質粒子は、平均粒子径が2〜250nmである無機酸
化物微粒子が集まった平均粒子径が1〜100μmであ
る無機酸化物微粒子集合体と、これを被覆する樹脂層と
からなることを特徴としている。前記樹脂層は、引張時
の100%モジュラスが200〜3000N/cm2
ゴム状弾性を有する樹脂からなることが好ましい。前記
無機酸化物微粒子集合体の細孔容積は0. 01〜1. 5
cc/gの範囲にあることが好ましい。前記樹脂被覆層
の厚さ(T)が0. 002〜25μmの範囲にあり、該
樹脂被覆層の厚さ(T)と樹脂被覆球状多孔質粒子の平
均粒子径(P)の比T/Pが0. 002〜0. 40の範
囲にあることが好ましい。本発明の樹脂被覆球状多孔質
粒子の製造方法は、下記の工程(a)〜工程(c)から
なることを特徴としている。 (a)無機酸化物微粒子のコロイド液、または所望によ
り無機酸化物のヒドロゲルおよび/またはキセロゲルを
含むコロイド液を気流中に噴霧して無機酸化物微粒子集
合体を調製する工程 (b)該無機酸化物微粒子集合体を150〜600℃の
範囲で加熱処理する工程 (c)該加熱処理した微粒子集合体の外表面に樹脂被覆
層を形成する工程本発明の化粧料は前記樹脂被覆球状多
孔質粒子を配合してなることを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
説明する。 1.樹脂被覆球状多孔質粒子 本発明の樹脂被覆球状多孔質粒子は、無機酸化物微粒子
集合体の外表面を樹脂層によって被覆したものであり、
無機酸化物微粒子同士の間隙には細孔が形成されてい
る。
【0007】1.1.無機酸化物微粒子 無機酸化物微粒子は、平均粒子径が2〜250nmの範
囲にあることが必要であるが、その他の特別な制限はな
く従来公知の無機酸化物微粒子を用いることができる。
具体的には、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニ
ア、シリカ・アルミナ、シリカ・ジルコニア、シリカ・
チタニア等の無機酸化物微粒子が挙げられる。特に本願
出願人の出願による特開平5−132309号公報等に
開示したシリカゾルなどの酸化物ゾル、シリカ・アルミ
ナなどの多孔質複合酸化物ゾルは真球状の無機酸化物微
粒子であることから好ましい。さらに、特開平10−4
54043号公報に開示された有機基を含む複合酸化物
微粒子も好適に用いることができる。
【0008】前記無機酸化物微粒子の平均粒子径が2n
m未満の場合は、粒子径が小さすぎて無機酸化物微粒子
の間隙によって形成される細孔容積が0. 01cc/g
以下と小さくなり、粒子内部が緻密である通常の粒子と
変わるところがなくなる。このために、粒子比重が大き
くなって分散液中で沈降することがあり、また化粧料に
配合して用いた場合には粒子としての重量感あるいは存
在感が強くなる傾向にある。無機酸化物微粒子の平均粒
子径が250nmを越えると、細孔容積は多くなるが、
無機酸化物微粒子同士の結合力が弱く、無機酸化物微粒
子の集合体を得ることが困難である。また、そのような
集合体は得られたとしても粒子の強度が不充分なために
無機酸化物微粒子の集合体に後述する樹脂被覆層を形成
することが困難となる。無機酸化物微粒子の好ましい平
均粒子径は5〜100nmの範囲である。
【0009】1.2.無機酸化物微粒子集合体 無機酸化物微粒子集合体の平均粒子径は1〜100μm
の範囲にあることが好ましい。平均粒子径が1μm未満
の無機酸化物微粒子集合体は化粧料に用いた場合、平均
粒子径が小さすぎて感触を改良する効果が不充分となる
傾向があり、平均粒子径が100μmを越えると化粧料
に用いた場合、異物感が生じるようになるので好ましく
ない。無機酸化物粒子集合体は0. 01〜1. 5cc/
g、より好ましくは0. 05〜0. 8cc/gの範囲の
細孔容積を有している。この細孔容積が0. 01cc/
g未満の場合は、粒子比重が大きくなって粒子が分散液
中で沈降することがある。細孔容積が1. 5cc/gを
越えると、無機酸化物微粒子集合体の強度が不充分とな
り樹脂被覆層を形成することが困難となる。
【0010】当該細孔容積は、窒素吸着法(液体窒素温
度、相対圧0. 6での窒素吸着量)によって求めること
ができる。このような無機酸化物微粒子集合体の製造方
法としては、従来公知の方法を採用することができ、例
えば、マイクロカプセル法、乳化法、オイル法、噴霧法
などが挙げられる。中でも本願出願人の出願による特公
平3−43201号公報、特公平2−61406号公報
等に開示した真球状微粒子粉末の製造方法は、無機酸化
物微粒子が球状で無い場合であっても真球状の無機酸化
物微粒子集合体が得られ、製造工程が複雑でなく経済性
にも優れている。この好ましい製造方法については詳細
に後述する。
【0011】1.3.樹脂被覆層 無機酸化物微粒子集合体を被覆する樹脂層とは、例え
ば、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体、変性アクリル酸
エステル、シリコーンゴム、天然ゴム、ナイロン系エラ
ストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィ
ン、エラストマー等、ゴム状弾性を有する樹脂の他、ナ
イロン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリメチルメ
タクリレート(PMMA)、酢酸ビニル−アクリル酸エ
ステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アク
リル酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリスチレン
等の合成高分子、セルロースおよびその誘導体、グアー
ガム等天然高分子等から選択される樹脂からなる被覆層
をいう。さらに、上記樹脂は、エマルジョンを形成する
ためにそれ自体にカルボン酸、スルフォン酸、アミンそ
の他誘導体等の官能基を有していても良いし、また架橋
を形成するための任意の基、例えばエポキシ基、カルボ
ジイミド基等を含有していても良い。
【0012】本発明に用いる樹脂は、引張試験時の10
0%モジュラスが200〜3000N/cm2 の範囲に
あることが好ましい。さらに好ましい範囲は500〜1
500N/cm2 である。樹脂の100%モジュラスが
200N/cm2 未満の場合は、得られる樹脂被覆多孔
質粒子の粘着性が高くなり、粒子同士のブロッキングを
起し易くなり、凝集体となることがあるので延展性等の
感触面で好ましくない。樹脂の100%モジュラスが3
000N/cm2 を越えると、樹脂の柔軟性が低くなり
クリーミー感を向上させる効果が不充分となり易い。
【0013】上記引張試験時の100%モジュラスの測
定は次の方法による。先ず、ドクターブレード法により
樹脂を塗布し、乾燥して厚さ30μmのフィルムとし、
これをH字型に射抜いて試験用フィルムを形成する。H
字型試験用フィルムの左右の垂直両端部を引っ張り速度
20mm/分の速度で引っ張り、伸び(cm)と応力
(負荷加重(N)/断面積(cm2 ))の関係を求め
る。「100%モジュラス」とは、フィルム試験長(H
字型フィルムの水平部の長さ)が、元の長さの2倍とな
ったときの応力(N/cm2 )をいう。
【0014】本発明において、樹脂で被覆する効果と
は、無機酸化物微粒子集合体が空隙(細孔)を有してい
るために樹脂層を密着性よく形成することができ、空隙
(細孔)を持たない場合に比べて軽い感触が得られると
ともに、表層が樹脂であることによる上記クリーミー
感、ソフト感、あるいは撥水性などを付与できる効果を
いう。このため、所望の100%モジュラスの樹脂を選
択し、無機酸化物微粒子集合体への樹脂の被覆量を調整
することによりドライ感からクリーミー感まで、所望の
感触を有する樹脂被覆球状多孔質粒子を得ることができ
る。
【0015】このときの樹脂被覆層の厚さ(T)は0.
002〜25μmの範囲、特に、0. 1〜5μmにある
ことが好ましい。樹脂被覆層の厚さ(T)が0. 002
μm未満の場合は、被覆効果を発現できる被覆層となら
ず、すなわち使用に際してクリーミー感やソフト感を付
与する効果を発現できないことがある。樹脂被覆層の厚
さ(T)が25μmを越えると、樹脂被覆球状多孔質粒
子の粒子径に対して被覆層が厚すぎて伸びの軽さ、滑り
感が低下することがある。このため、樹脂被覆層の厚さ
(T)と樹脂被覆球状多孔質粒子の平均粒子径(P)の
比T/Pが0. 002〜0. 40、特に、0. 01〜
0. 2の範囲にあることが好ましい。樹脂被覆層の厚さ
(T)は樹脂被覆球状多孔質粒子を粉砕し、粒子の破断
面の透過型電子顕微鏡写真(TEM)を撮影し、粒子2
0個について被覆層部の厚さを測定し、この平均値とし
て求めることができる。なお、前記無機酸化物微粒子お
よび樹脂被覆球状多孔質粒子の平均粒子径の測定は遠心
沈降式粒度分布測定装置(堀場製作所製:CAPA−7
00)によって求めることができる。
【0016】2.樹脂被覆球状多孔質粒子の製造方法 ついで、本発明の樹脂被覆球状多孔質粒子の製造方法に
ついて説明する。本発明の樹脂被覆球状多孔質粒子の製
造方法は下記の工程(a)〜(c)からなることを特徴
としている。 (a)無機酸化物微粒子のコロイド液、または、所望に
より無機酸化物のヒドロゲルおよび/またはキセロゲル
を含むコロイド液を気流中に噴霧して無機酸化物微粒子
集合体を調製する工程 (b)該無機酸化物微粒子集合体を150〜600℃の
範囲で加熱処理する工程 (c)該加熱処理した微粒子集合体の外表面に樹脂被覆
層を形成する工程
【0017】2.1.工程(a)無機酸化物微粒子集合
体の調製 無機酸化物微粒子のコロイド液としては、シリカ、アル
ミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ・アルミナ、シリ
カ・ジルコニア、シリカ・チタニア等の無機酸化物微粒
子の水または有機溶媒を分散媒とするゾルを用いること
ができる。該コロイド液の濃度は酸化物換算で5〜60
重量%、特に10〜50重量%の範囲にあることが好ま
しい。コロイド液の濃度が5重量%未満の場合は、集合
体が得られ難く、得られたとしても粒子径が1〜100
μmの範囲にある大きな粒子が得にくくなるので好まし
くない。コロイド液の濃度が60重量%を越えると、コ
ロイド液が不安定になり球状の集合体が得にくくなる。
また後述する噴霧乾燥を連続的に行えず、集合体の収率
が低下する。
【0018】このようなコロイド液には、必要に応じて
ゲル成分を含んでいてもよい。ゲル成分としては、前述
した無機酸化物微粒子に用いられる成分と同様の成分を
用いることができる。具体的には、シリカ、アルミナ、
ジルコニア、チタニア、シリカ・アルミナ、シリカ・ジ
ルコニア、シリカ・チタニア等、前記無機酸化物微粒子
の前駆体無機化合物塩を中和あるいは加水分解して得ら
れるヒドロゲル、これを加熱処理したキセロゲルを用い
ることができ、さらにシリカのアエロジル、ホワイトカ
ーボンなども用いることができる。
【0019】上記ゲル成分の平均粒子径は、10〜50
0nmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径が50
0nmを越えると粒子強度が低下したり、樹脂層の形成
が難しくなり、平均粒子径が10nm未満の場合は、集
合体に空隙を増加させる効果が充分に現れない。ゲル成
分の配合割合は、ゲル成分をMOG で表し、無機酸化物
微粒子をMOSで表したときの重量比MOG /MOS
5/95〜90/10、特に20/80〜70/30の
範囲にあることが好ましい。重量比MOG /MOS が5
/95未満の場合はゲル成分を用いて空隙(細孔容積)
を増加させる効果が不充分となり、重量比MOG /MO
S が90/10を越えると粒子強度が低下することがあ
る。なお、ゲル成分を含む場合のコロイド液の濃度も同
様に酸化物換算で5〜60重量%、特に10〜50重量
%の範囲にあることが好ましい。
【0020】ついで、前記コロイド液またはゲル成分を
含むコロイド液を噴霧乾燥する。噴霧乾燥方法として
は、前記した集合体が得られれば特に制限はなく、回転
ディスク法、加圧ノズル法、2流体ノズル法など従来公
知の方法を採用することができる。特に、特公平2−6
1406号公報に開示された噴霧乾燥方法は、粒子径分
布の均一な無機化合物微粒子集合体を得ることができ、
また平均粒子径をコントロールすることが容易であるの
で好ましい。このときの乾燥温度は、コロイド液の濃
度、処理速度等によっても異なるが、40〜150℃、
特に、50〜120℃の範囲にあることが好ましい。乾
燥温度が40℃未満では乾燥が不充分となり、コロイド
液が噴霧乾燥装置の器壁に付着し易く収率が低下するこ
とがあり、乾燥温度が150℃を越えると乾燥速度が速
すぎてリンゴ様のくぼみを有する粒子が得られたり、ド
ーナツ状の粒子となり、真球状の無機化合物微粒子集合
体が得にくくなる。
【0021】2.2.工程(b)加熱処理 工程(a)で得られた無機酸化物微粒子集合体は、15
0〜600℃の温度範囲で加熱処理する。加熱処理温度
が150℃未満では無機化合物微粒子同士またはゲル成
分との結合力が小さく、後述する樹脂被覆工程で集合体
が破壊されることがある。加熱処理温度が600℃を越
えると、集合体が収縮するおそれがあり、最終的に得ら
れる樹脂被覆多孔質粒子の空隙が小さくなり、好ましく
ない。
【0022】2.3.工程(c)樹脂被覆層の形成 樹脂被覆層の形成は、前記した被覆層が形成できれば特
に限定されないが、以下のような方法によって形成する
ことができる。 (1)の方法:樹脂エマルジョンやラテックスに無機酸
化物微粒子集合体を分散させ、ついで樹脂微粒子を無機
酸化物微粒子集合体表面に付着・積層させ、ついで乾燥
する方法。 なお、樹脂エマルジョンやラテックスの代わりに、樹脂
を微細化した粉末を水やアルコールに分散させた分散液
であってもよく、水、トルエン、メチルエチルケトン、
キシレンなどの溶剤に溶解した溶液として使用すること
もできる。このような樹脂は、水に分散した自己乳化型
あるいは乳化剤等を使用した強制乳化型エマルジョン、
あるいはラテックスとして使用できるし、微細化した粉
末として、さらには溶剤に溶解した溶液として使用する
こともできる。 (2)の方法:樹脂エマルジョンやラテックスに無機酸
化物微粒子集合体を分散させ、噴霧乾燥等により乾燥す
る方法。 (3)の方法:樹脂モノマー溶液あるいは分散液に無機
酸化物微粒子集合体を分散させ、樹脂モノマーを重合さ
せて無機酸化物微粒子集合体に樹脂を被着させる方法。 (4)微細化した樹脂粉末と無機酸化物微粒子集合体を
混合し、物理的な力を加え、その際の摩擦熱により樹脂
組成物を軟化、溶融させて無機酸化物微粒子集合体に樹
脂を被着させる方法。 上記各方法においては、樹脂を被着させた後、さらに、
必要に応じて加熱処理して樹脂をより強固に固着させる
こともできる。その際に樹脂を混合、融着させる装置と
しては、ホソカワミクロン(株)製のメカノヒュージョ
ンシステムなどが好適である。
【0023】3.化粧料 続いて、本発明の化粧料について説明する。本発明の化
粧料には前記樹脂被覆球状多孔質粒子が0.1〜80重
量%の範囲で配合されていることが好ましい。さらに好
ましい配合量は2〜30重量%の範囲である。樹脂被覆
球状多孔質粒子の配合量が0. 1重量%未満では樹脂被
覆球状多孔質粒子の配合効果が得られず、また80重量
%を越えると着色性、カバー力、付着性等の化粧料に本
来求められる効果が付与できなくなる。樹脂被覆球状多
孔質粒子の配合量が上記範囲にあれば、異物感が少な
く、滑り性、伸展性に優れた化粧料であって、樹脂の種
類や被覆量を変えることによってサラサラとしたドライ
な塗布感からクリーミーな塗布感まで幅広い感触の中か
ら所望の感触の化粧料が得られる。例えば、乳液に使用
した場合、樹脂を選択することによって皮膚と同質の柔
らかさの塗布感を得ることもできる。また、パウダーフ
ァンデーションに使用した場合には、従来の球状粒子を
使用した場合よりも、パフ等を使用して皮膚に塗布する
場合にはドライな塗布感からクリーミーな塗布感まで自
由に調節することができる。また、本発明の樹脂被覆球
状多孔質粒子を化粧料に配合するに当たり、必要に応じ
て樹脂被覆球状多孔質粒子をシリコーン処理、フッ素処
理等の表面処理を施して用いることもできる。しかしな
がら、本発明の樹脂被覆球状多孔質粒子においては、表
層に撥水性の樹脂被覆層が形成されている場合には必ず
しもその必要はない。
【0024】本発明の化粧料は、通常の化粧料に配合さ
れている各種成分、例えば、高級脂肪族アルコール;高
級脂肪酸;エステル油、パラフィン油、ワックス等の油
分;エチルアルコール、プロピレングリコール、ソルビ
トール、グリセリン等のアルコール類;ムコ多糖類、コ
ラーゲン類、PCA塩、乳酸塩などの保湿剤;ノニオン
系、カチオン系、アニオン系、または両性の各種界面活
性剤;アラビアガム、キサンタンガム、ポリビニルピロ
リドン、エチルセルローズ、カルボキシメチルセルロー
ズ、カルボキシビニルポリマー、変性または未変性の粘
土鉱物などの増粘剤;酢酸エチル、アセトン、トルエン
などの溶剤;無機顔染料;有機顔染料;BHT、トコフ
ェロールなどの酸化防止剤;水;薬剤;紫外線吸収剤;
pH緩衝剤;キレート化剤;防腐剤;香料などの少なく
とも1種を含んでいる。また、シリカ、タルク、カオリ
ン、マイカなどの無機系充填材、体質顔料、各種有機樹
脂などの少なくとも1種以上を含んでいてもよい。さら
に、必要に応じてアルミナ、酸化リンを含んでいてもよ
い。本発明の化粧料は常法により製造することができ、
粉末状、ケーキ状、ペンシル状、スティック状、液状、
クリーム状などの各種形態で使用され、具体的には、フ
ァンデーション、クリーム、乳液、アイシャドウ、化粧
下地、ネイルエナメル、アイライナー、マスカラー、口
紅、パック、化粧水、シャンプー、リンス、頭髪化粧料
などを包含する。
【0025】
【発明の効果】本発明に係る樹脂被覆球状多孔質粒子
は、多孔質な無機化合物微粒子集合体の表層に樹脂被覆
層が形成されているために内部に空隙(細孔)を有し、
樹脂被覆層は微粒子集合体に密着している。樹脂被覆球
状多孔質粒子がこのような構成を有しているために、樹
脂の種類と被覆量を選択することによって通常の無機化
合物粒子の様なサラサラ感からゴム状弾性を有する樹脂
粒子のクリーミーな感触まで所望の感触に容易に調節す
ることができる。本発明に係る樹脂被覆球状多孔質粒子
の製造方法は、無機酸化物微粒子のコロイド液を噴霧乾
燥して得られる多孔質な無機化合物粒子集合体に樹脂を
被覆することからなり、所望の樹脂の種類と被覆量を選
択することができる。このため樹脂の種類と被覆量を選
択して得られた樹脂被覆球状多孔質粒子を化粧料に用い
ると所望のサラサラ感あるいはクリーミー感を有する化
粧料を得ることができる。本発明に係る化粧料は、前記
樹脂被覆球状多孔質粒子を配合することにより、無機化
合物粒子の様なサラサラ感からゴム状弾性を有する樹脂
粒子のクリーミーな感触まで所望の感触の化粧料を得る
ことができる。
【0026】
【実施例】以下に示す実施例により、本発明を更に具体
的に説明する。
【0027】〔実施例1〕無機酸化物微粒子集合体(A)の調製 無機酸化物微粒子のコロイド液としてシリカゾル(触媒
化成工業(株)製:Cataloid S-20L、平均粒子径12n
m、濃度20重量%)1000gを用い、温度70℃、
湿度5%の乾燥気流中に噴霧して乾燥し、無機酸化物微
粒子集合体(A)を得た。平均粒子径と空隙割合を測定
し、結果を表1に示した。加熱処理 無機酸化物微粒子集合体(A)を400℃で2時間焼成
した。樹脂被覆層の形成 焼成した無機酸化物微粒子集合体(A)を水に分散さ
せ、これに引張時の100%モジュラスが1000N/
cm2 であるポリエステル系ポリウレタン樹脂の水分散
液(自己乳化型、固形分濃度30重量%、平均粒子径
0. 1μm)をSiO2 /樹脂(重量比)が90/10
となるように加え、ついで固形分濃度が20重量%とな
るように水を加えて均一に混合した。この混合液を、温
度70℃、湿度5%の乾燥気流中に噴霧して乾燥し、つ
いで110℃で10時間加熱して樹脂被覆球状多孔質粒
子(A)を得た。被覆層の厚み、平均粒子径、空隙割合
を測定し、結果を表1と表2に示す。
【0028】官能試験 得られた樹脂被覆球状多孔質粒子(A)を用いて20名
の女性パネラーによる官能試験を実施した。評価方法
は、粉体を上腕部内側に少量取り、指で軽くこすってみ
て、(1)サラサラ感、(2)柔らかい感触、(3)軽
い感触を以下の基準で評価し、結果を表2に示した。な
お、軽い感触とはこすり初めの抵抗感の無さを表す。 ◎ : 15名以上が感じた。 ○ : 10〜14名が感じた。 △ : 5 〜 9名が感じた。 × : 0 〜 4名が感じた。
【0029】〔実施例2〕無機酸化物微粒子集合体(B)の調製 シリカゾル(触媒化成工業(株)製:Cataloid SI-30、
平均粒子径12nm、濃度30重量%)1000gに、
ゲル成分としてアエロジル(日本アエロジル(株)製:
平均粒子径0. 05μm)75gを添加し、これに水を
加えて濃度が20重量%の無機酸化物微粒子のコロイド
液を調製し、実施例1と同様に噴霧乾燥して無機酸化物
微粒子集合体(B)を得た。平均粒子径と空隙割合を測
定し、結果を表1に示した。加熱処理 無機酸化物微粒子集合体(B)を400℃で2時間焼成
した。樹脂被覆層の形成 焼成した無機酸化物微粒子集合体(B)を水に分散さ
せ、これに引張時の100%モジュラスが2100N/
cm2 であるスチレン−ブタジエン共重合体樹脂の水分
散液(自己乳化型、固形分濃度40重量%、平均粒子径
0. 09μm)をSiO2 /樹脂(重量比)が85/1
5となるように加え、ついで固形分濃度が20重量%と
なるように水を加えて均一に混合した。この混合液を、
温度70℃、湿度5%の乾燥気流中に噴霧して乾燥し、
ついで110℃で10時間加熱して樹脂被覆球状多孔質
粒子(B)を得た。被覆層の厚み、平均粒子径、空隙割
合を測定し、結果を表1と表2に示す。また、実施例1
と同様にして官能試験を行い、結果を表2に示した。
【0030】〔実施例3〕無機酸化物微粒子集合体(C)の調製 無機酸化物微粒子のコロイド液としてシリカゾル(触媒
化成工業(株)製:Cataloid SI-50、平均粒子径25n
m、濃度50重量%)800gと水450gを混合し、
実施例1と同様にして噴霧乾燥して無機酸化物微粒子集
合体(C)を得た。平均粒子径と空隙割合を測定し、結
果を表1に示した。加熱処理 無機酸化物微粒子集合体(C)を400℃で2時間焼成
した。樹脂被覆層の形成 焼成した無機酸化物微粒子集合体(C)を水に分散さ
せ、これに引張時の100%モジュラスが7500N/
cm2 であるポリメチルメタクリレート樹脂の水分散液
(アニオン系乳化剤分散型、固形分濃度45重量%、平
均粒子径0. 14μm)をSiO2 /樹脂(重量比)が
75/25となるように加え、ついで固形分濃度が20
重量%となるように水を加えて均一に混合した。この混
合液を、温度70℃、湿度5%の乾燥気流中に噴霧して
乾燥し、ついで110℃で10時間加熱して樹脂被覆球
状多孔質粒子(C)を得た。被覆層の厚み、平均粒子
径、空隙割合を測定し、結果を表1と表2に示す。ま
た、実施例1と同様にして官能試験を行い、結果を表2
に示した。
【0031】〔実施例4〕無機酸化物微粒子集合体(D)の調製 シリカゾル(触媒化成工業(株)製:Cataloid SI-50、
平均粒子径25nm、濃度50重量%)400gに、水
60gとゲル成分としてアエロジル(日本アエロジル
(株)製:平均粒子径0. 05μm)133gを添加
し、これに水を加えて濃度が20重量%の無機酸化物微
粒子のコロイド液を調製し、実施例1と同様にして噴霧
乾燥して無機酸化物微粒子集合体(D)を得た。平均粒
子径と空隙割合を測定し、結果を表1に示した。加熱処理 無機酸化物微粒子集合体(D)を400℃で2時間焼成
した。樹脂被覆層の形成 焼成した無機酸化物微粒子集合体(D)を用いた以外は
実施例1と同様にして樹脂被覆球状多孔質粒子(D)を
得た。被覆層の厚み、平均粒子径、空隙割合を測定し、
結果を表1と表2に示す。また、実施例1と同様にして
官能試験を行い、結果を表2に示した。
【0032】〔実施例5〕無機酸化物微粒子集合体(E)の調製 濃度3重量%に希釈したメタチタン酸にアンモニア水を
加えてpH8に調整し、得られた沈殿を洗浄して脱塩す
る。この沈殿に4級アミン480gを添加し、95℃で
1時間加温して分散粒子の濃度が20重量%、平均粒子
径が48nmの酸化チタンのコロイド液を得た。これを
実施例1と同様にして噴霧乾燥して無機酸化物微粒子集
合体(E)を得た。平均粒子径と空隙割合を測定し、結
果を表1に示した。加熱処理 無機酸化物微粒子集合体(E)を800℃で3時間焼成
した。樹脂被覆層の形成 焼成した無機酸化物微粒子集合体(E)を用いた以外は
実施例1と同様にして樹脂被覆球状多孔質粒子(E)を
得た。被覆層の厚み、平均粒子径、空隙割合を測定し、
結果を表1と表2に示す。また、実施例1と同様にして
官能試験を行い、結果を表2に示した。
【0033】〔実施例6〕無機酸化物微粒子集合体(F)の調製 濃度2. 5重量%に希釈した塩化アルミニウムに濃度3
重量%の苛性ソーダ水溶液を加えてpH7. 5に調整
し、得られた沈殿を洗浄して脱塩する。この沈殿に硝酸
を添加して解膠し、分散粒子の濃度が10重量%、平均
粒子径が15nmのアルミナのコロイド液を得た。これ
を実施例1と同様にして噴霧乾燥して無機酸化物微粒子
集合体(F)を得た。平均粒子径と空隙割合を測定し、
結果を表1に示した。加熱処理 無機酸化物微粒子集合体(F)を800℃で3時間焼成
した。樹脂被覆層の形成 焼成した無機酸化物微粒子集合体(F)を水に分散さ
せ、これに引張時の100%モジュラスが1000N/
cm2 であるポリエステル系ポリウレタン樹脂の水分散
液(自己乳化型、固形分濃度30重量%、平均粒子径
0. 1μm)をAl 2 3 /樹脂(重量比)が93/0
7となるように加え、ついで固形分濃度が20重量%と
なるように水を加えて均一に混合した。これを実施例1
と同様にして樹脂被覆球状多孔質粒子(F)を得た。被
覆層の厚み、平均粒子径、空隙割合を測定し、結果を表
1と表2に示す。また、実施例1と同様にして官能試験
を行い、結果を表2に示した。
【0034】〔比較例1〕実施例1で得た無機酸化物微
粒子集合体(A)について、実施例1と同様に官能試験
を行い結果を表2に示した。
【0035】〔比較例2〕実施例2で得た無機酸化物微
粒子集合体(B)について、実施例1と同様に官能試験
を行い結果を表2に示した。
【0036】〔比較例3〕テトラエトキシシランを加水
分解して得た中実球であるシリカ粒子(触媒化成工業
(株)製:真絲球SW−10. 0、平均粒子径10μ
m)について、実施例1と同様に官能試験を行い結果を
表2に示した。
【0037】〔比較例4〕シリカ粒子(触媒化成工業
(株)製:真絲球SW−10. 0、平均粒子径10μ
m)を用いた以外は実施例1と同様に温度70℃、湿度
5%の乾燥気流中に噴霧して乾燥し、ついで110℃で
10時間加熱して樹脂被覆シリカ粒子を得た。被覆層の
厚み、平均粒子径、空隙割合を測定し、結果を表1と表
2に示す。
【0038】〔実施例7〕次の原料A〜Cを、各原料に
対応して記載した配合割合(重量%)で混合して乳液を
調製した。 A.モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.0 テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール 1.5 モノステアリン酸グリセリル 1.5 ステアリン酸 0.5 ビフェニルアルコール 1.0 パルミチン酸セチル 0.5 スクワラン 5.0 2-エチルヘキサン酸セチル 4.0 メチルポリシロキサン 0.5 防腐剤 適量 B.1,3-ブチレングリコール 10.0 キサンタンガム 0.1 精製水 69.4 C.樹脂被覆粒子 5.0 原料A、原料Bともに80℃に加温して溶解し、原料B
を原料Aに攪拌しながら徐々に加え乳化した。ついで、
攪拌しながら冷却し、40℃になったところで原料Cと
して実施例1で得た樹脂被覆球状多孔質粒子(A)を加
え、均一化した後、攪拌を止め、放置して乳液を調製し
た。得られた乳液を皮膚に塗布しその感触を調べたとこ
ろ、柔らかく滑らかな塗布感が得られた。
【0039】〔実施例8〕次の原料A〜Cを、各原料に
対応して記載した配合割合(重量%)で混合してパウダ
ーファンデーションを調製した。 A.酸化チタン 10.7 ベンガラ 0.55 黄色酸化鉄 2.5 黒酸化鉄 0.15 タルク 20.0 マイカ 22.1 セリサイト 28.0 樹脂被覆粒子 8.0 B.シリコーンオイル 3.0 スクアラン 3.2 エステル油 1.6 ソルビタンセスキオレート 0.2 香料 適量 防腐剤 適量 原料Aを均一に混合し、原料Bは70℃に加熱しながら
十分に攪拌混合する。ついで、原料Bに原料Aを加えて
均一に混合した後、圧縮成型してパウダーファンデーシ
ョンを調製した。上記において、樹脂被覆粒子として実
施例2で得た樹脂被覆球状多孔質粒子(B)を用いた。
得られたパウダーファンデーションを皮膚に塗布しその
感触を調べたところ、しっとりとした滑らかな塗布感が
得られた。
【0040】〔比較例5〕実施例2で得た無機酸化物微
粒子集合体(B)を実施例8の樹脂被覆球状多孔質粒子
(B)の代わりに用い、実施例8と同様にしてパウダー
ファンデーションを作成した。得られたパウダーファン
デーションを皮膚に塗布しその感触を調べたところ、さ
らっとした感触であるが、滑らかさとクリーミーさに劣
っていた。
【0041】
【表1】 無機酸化物微粒子集合体 無機酸化物微粒子 コロイド 成分 平均 アエロジル 溶液濃度 平均 空隙 粒径 配合比 粒径 割合 (nm) (wt%) (μm) (cc/g) 実施例1 SiO2 12 − 20 5 0.3 実施例2 SiO2 12 2/8 20 5 0.4 実施例3 SiO2 25 − 32 5 0.4 実施例4 SiO2 25 4/6 20 5 0.7 実施例5 TiO2 48 − 20 13 0.7 実施例6 Al2O3 15.4 − 20 3.6 0.5 比較例1 SiO2 12 − 20 5 0.3 比較例2 SiO2 12 2/8 20 5 0.4 比較例3 SiO2(*1) − − − 10 0 比較例4 SiO2(*1) − − − 10 0 (*1) 中実球
【0042】
【表2】 樹脂被覆層 樹脂被覆球状多孔質粒子 樹脂 100% 厚(T) T/P さら 柔らかい 軽い MODULUS (μm) さら感 感触 感触 (N/cm2) 実施例1 PU 1000 0.09 0.018 ○ ◎ ○ 実施例2 SB 2100 0.25 0.05 △ ◎ ○ 実施例3 PM 7500 0.50 0.1 ◎ ○ ○ 実施例4 PU 1000 0.11 0.022 ○ ◎ ◎ 実施例5 PU 1000 0.86 0.065 △ ◎ △ 実施例6 PU 1000 0.06 0.017 ○ ◎ ○ 比較例1 − − − 0 ◎ × ○ 比較例2 − − − 0 ◎ × ○ 比較例3 − − − 0 ◎ × × 比較例4 PU 1000 0.12 0.012 ○ ○ ×
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 2/04 B01J 2/04 4G076 C01B 13/14 C01B 13/14 A 33/12 33/12 Z C01F 7/02 C01F 7/02 E C01G 23/04 C01G 23/04 B (72)発明者 中井 満 福岡県北九州市若松区北湊町13−2 触媒 化成工業株式会社若松工場内 (72)発明者 田中 博和 福岡県北九州市若松区北湊町13−2 触媒 化成工業株式会社若松工場内 Fターム(参考) 4C083 AB172 AB232 AB242 AB432 AB442 AC022 AC122 AC152 AC242 AC332 AC352 AC422 AC442 AD152 AD352 BB25 CC05 CC12 DD17 DD23 DD27 DD31 EE05 EE06 EE11 FF01 FF05 4G004 BA02 EA06 EA08 4G042 DA01 DB29 DC03 DD04 DD06 DE03 DE14 4G047 CA02 CB05 CB08 CC03 CD04 4G072 AA41 BB07 BB15 GG02 GG03 HH14 HH17 HH19 MM01 QQ01 QQ09 UU30 4G076 AA02 AB02 BA47 BA49 BD02 BF06 CA02 CA26 DA16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が2〜250nmである無機
    酸化物微粒子が集合してなる平均粒子径が1〜100μ
    mの範囲にある無機酸化物微粒子集合体と、これを被覆
    する樹脂層とからなる樹脂被覆球状多孔質粒子。
  2. 【請求項2】 前記樹脂層が、引張時の100%モジュ
    ラスが200〜3000N/cm2 のゴム状弾性を有す
    る樹脂からなる請求項1に記載の樹脂被覆球状多孔質粒
    子。
  3. 【請求項3】 前記無機酸化物微粒子集合体の細孔容積
    が0. 01〜1. 5cc/gの範囲にある請求項1また
    は請求項2に記載の樹脂被覆球状多孔質粒子。
  4. 【請求項4】 前記樹脂被覆層の厚さ(T)が0. 00
    2〜25μmの範囲にあり、該樹脂被覆層の厚さ(T)
    と球状多孔質粒子の平均粒子径(P)の比T/Pが0.
    002〜0. 40の範囲にあることを特徴とする請求項
    1〜請求項3にいずれかに記載の樹脂被覆球状多孔質粒
    子。
  5. 【請求項5】 下記の工程(a)〜工程(c)からなる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の樹脂被
    覆球状多孔質粒子の製造方法。 (a)無機酸化物微粒子のコロイド液、または、所望に
    より無機酸化物のヒドロゲルおよび/またはキセロゲル
    を含むコロイド液を気流中に噴霧して無機酸化物微粒子
    集合体を調製する工程 (b)該無機酸化物微粒子集合体を150〜600℃の
    範囲で加熱処理する工程 (c)該加熱処理した微粒子集合体の外表面に樹脂被覆
    層を形成する工程
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項4に記載の樹脂被覆球
    状多孔質粒子を配合してなる化粧料。
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