JP2010185028A - 樹脂粒子及びその製造方法並びに化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 複数箇所に分かれて無機化合物が封入されている数平均粒径が1〜100μmの樹脂粒子とする。多孔質樹脂粒子に無機化合物を担持させた後、孔を小さくする又は孔をふさぐことが好ましい。
【選択図】 図2
Description
(1) 複数箇所に分かれて無機化合物が封入されている数平均粒径が1〜200μmの樹脂粒子である。
(2) 無機化合物が金属酸化物である前記(1)に記載の樹脂粒子である。
(3) 樹脂粒子が、ポリアミド樹脂粒子である前記(1)又は(2)に記載の樹脂粒子である。
(4) 表面に複数の孔を有している前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の樹脂粒子である。
(5) 無機化合物が、紫外線を吸収若しくは反射又は散乱させる無機化合物である前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の樹脂粒子である。
(6) 無機化合物が、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉄(FeO、Fe2O3)から選ばれる1種以上である前記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の樹脂粒子である。
(7) 少なくとも一部の表面がシリコーン系化合物で被覆されている前記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の樹脂粒子である。
(9) 孔をふさぐ方法が、物理的又は/及び熱的に多孔質樹脂粒子を変形させることにより行う前記(8)に記載の樹脂粒子の製造方法である。
(10) 多孔質樹脂粒子の孔の平均深さが、多孔質樹脂粒子の数平均粒径から求めた平均半径の10〜98%である前記(8)又は(9)に記載の樹脂粒子の製造方法である。
(11) 多孔質樹脂粒子が、樹脂の球晶である前記(8)〜(10)のいずれか一つに記載の樹脂粒子の製造方法である。
(12) 多孔質樹脂粒子が、粒子中心から複数のフィブリルが伸びた形状である前記(8)〜(11)のいずれか一つに記載の樹脂粒子の製造方法である。
(14) 前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の樹脂粒子を含有する液状化粧料である。
(15) 前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の樹脂粒子を含有する油中水型エマルジョン系化粧料である。
また、各種化粧品やスキンケア用品、日焼け止めクリーム等に無機化合物を配合する場合においても、肌に直接無機化合物が接触しづらく、かつ、洗い落としやすいという効果を奏する。
本発明において、樹脂粒子を形成する樹脂としては、特に制限されず、例えば、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、オレフィン系共重合体、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独で粒子を形成してもよいし、複数の樹脂からなる組成物で粒子を形成してもよい。また、種々の樹脂粒子を複数種類を併用してもよい。
前記ポリエーテル樹脂としては、例えば、ポリエチレングリコール等のジオール由来のポリエーテルや、ポリエチレンオキサイド等のエポキシ由来のポリエーテルが挙げられる。
前記ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
アクリル系樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等が挙げられる。
ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
前記樹脂粒子は、前記樹脂に可塑剤、熱安定剤、光安定剤、顔料、酸化防止剤等の各種添加剤を添加した樹脂組成物を用いて成形してもよい。
本発明の無機化合物封入樹脂粒子の形状としては、特に制限されないが、例えば、真球粒子、略真球粒子等の球状;ラグビーボール型、多面体、ダンベル型等が挙げられる。前記樹脂粒子表面の少なくとも一部が多孔質状になっていてもよい。
本発明の樹脂粒子は、一種類を単独で使用してもよいし、複数種を併用してもよい。
本発明の無機化合物を封入した樹脂粒子の製造方法としては、多孔質樹脂粒子に無機化合物を担持させて表面処理する方法、軟化した熱可塑性樹脂粒子に無機化合物を埋設させて表面処理する方法、無機化合物と熱可塑性樹脂を混練してペレタイズする方法、部分的に硬化させた樹脂粒子に無機化合物を埋設させて表面処理した後に架橋等により完全硬化させる方法、部分的に硬化させた樹脂と無機化合物とを混練してペレタイズした後に架橋等により完全硬化させる方法、無機化合物を含有させた樹脂塊を粉砕する方法などが挙げられる。
前記表面処理の方法としては、ジェットミルやハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)等を用いて、断面略円形容器の内壁で、無機化合物を埋設又は担持等させている樹脂粒子を転がしたり、押しつけたりする方法が挙げられる。これにより、無機化合物含有樹脂粒子の表面に樹脂の膜を形成し、無機化合物を封入することができる。前記表面処理時は、加熱条件下で行ってもよいし、非加熱条件下で行ってもよい。
前記ペレタイズの方法としては、細孔から押し出した樹脂をカッター等で細かく切断する方法等が挙げられる。
前記粉砕の方法としては、ハンマーやボールミル等により粉砕する方法が挙げられる。
上記のようにして製造した無機化合物封入樹脂粒子は、その表面の少なくとも一部をシリコーン系化合物で被覆することができる。シリコーン系化合物で被覆することにより、油中水型エマルジョン化粧料、水中油型エマルジョン化粧料、オイル状化粧料等の流動性を有する化粧料中への樹脂粒子の分散性を向上させることができ、分散状体を安定化させることができる。
樹脂粒子のシリコーン系化合物により被覆する方法としては、公知の方法を採用することができる。例えば、無機化合物封入樹脂粒子には貧溶媒でかつポリシロキサンと相溶性のある溶剤中に、無機化合物封入樹脂粒子とポリシロキサンを適量混合攪拌した後、減圧蒸留法または常圧蒸留法で溶剤を除去する湿式法が挙げられる。また、無機化合物封入樹脂粒子とポリシロキサンとを機械的エネルギーを用いて混合撹拌する乾式法もある。
上記の方法により、無機化合物封入樹脂粒子の少なくとも一部の表面をシリコーン系化合物で被覆した粒子は、加熱処理することもできる。加熱処理することによって、より取り扱い性を向上させることができる。前記加熱処理の温度は、30〜250℃が好ましく、より好ましくは30℃以上100℃未満である。
無機化合物を封入する際に、多孔質樹脂粒子に無機化合物を付着又は担持させて表面処理を行う場合、前記多孔質樹脂粒子としては、種々の多孔質樹脂粒子を用いることができる。
前記多孔質樹脂粒子の形状としては、特に制限されないが、例えば、表面に凹凸を有する粒子形状、細孔を有する粒子形状、中心から複数のフィブリルが伸びた粒子形状、砂漠のバラ状の粒子形状、鱗片が交差した粒子形状等が挙げられる。中でも、中心から複数のフィブリルが伸びた粒子形状が好ましい。
前記多孔質樹脂粒子の孔の平均深さとしては、前記多孔質樹脂粒子に担持させる無機化合物の平均一次粒径の2倍以上の深さを有していることが好ましい。多孔質樹脂粒子の孔の平均深さが、無機化合物の平均一次粒径の2倍よりも浅いと、前記多孔質樹脂粒子が前記無機化合物を担持しにくい傾向がある。
前記多孔質樹脂粒子の孔の平均深さは、具体的には、多孔質樹脂粒子の数平均粒径から求めた平均半径の10〜98%が好ましく、40〜95%がさらに好ましい。多孔質樹脂粒子の孔の平均深さが、浅すぎると前記多孔質樹脂粒子が無機化合物を担持しにくい傾向があり、深すぎると多孔質樹脂粒子が崩れやすい傾向がある。
なお、多孔質樹脂粒子の孔の平均深さは、断面SEM写真等により測定できる。
前記多孔質樹脂粒子の製造方法としては、特に制限されないが、例えば、樹脂塊を機械的に粉砕する方法、樹脂溶液を撹拌しながら冷却して析出させる方法、樹脂溶液に樹脂の溶解度を低下する溶媒を添加して析出させる方法、樹脂溶液に樹脂の溶解度を低下する溶質を添加して多孔質樹脂粒子を析出させる方法等が挙げられる。
低温ではポリアミドの非溶媒であるが、高温にてポリアミドを溶解する溶媒を用い、溶媒にポリアミド分散させた後、温度を上昇し溶媒のポリアミドに対する溶解度を上昇させることで溶解させたのち、溶液の温度を降下させることで溶媒のポリアミドに対する溶解度を減ずることで、ポリアミドを析出さえる方法によって作成することができる。
前記吸油量が少なすぎると、ポリアミド多孔質微粒子に担持させ得る無機化合物の割合が少なくなる場合がある。
また、前記ポリアミド多孔質微粒子は、中心から放射状に多数の高分子フィブリルが伸びた形状であることが好ましい。この形状を有することにより、中心部分から外表面に向かって、ポリアミド多孔質微粒子の細孔が大きくなるため、細孔内に担持された無機化合物を担持しやすくなる。
本発明において、樹脂粒子に封入する無機化合物としては、特に限定されず、例えば、酸化亜鉛や酸化チタン、第一酸化鉄、第二酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化セリウム、酸化アンチモン、二酸化ケイ素、シリカ、インジウム−スズ複合酸化物、シリカ−酸化リチウム複合酸化物等の金属酸化物;銀等の金属;カーボンブラック、ケッチェンブラック、ガンベラ、希土類鉄ガーネット等の無機顔料;炭化ケイ素、炭化ホウ素、アンチモンドープ酸化スズ、マグネタイト、マグヘマイト、マンガン・ジンクフェライト、ニッケル・ジンクフェライト、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ヒドロキシアパタイト、α−リン酸カルシウム、β−リン酸カルシウム、γ−リン酸カルシウム、リン酸八カルシウム、モンモリロナイト、粘土、マイカ、タルク等が挙げられる。
これらは、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記樹脂粒子に封入する無機化合物の形状は、特に制限されないが、球状、略球状、ラグビーボール型形状、針状形状、鱗片状形状等が挙げられる。また表面が凹凸形状であってもよい。
酸化亜鉛としては、例えば、MZ−300(表面処理剤なし、粒径30〜40nm、テイカ(株)製)、MZ−303S(メチコン処理、粒径30〜40nm、テイカ(株)製)、MZ−303M(ジメチコン処理、粒径30〜40nm、テイカ(株)製)、MZ−500(表面処理剤なし、粒径20〜30nm、テイカ(株)製)、MZ−505S(メチコン処理、粒径20〜30nm、テイカ(株)製)、MZ−505M(ジメチコン処理、粒径20〜30nm、テイカ(株)製)、MZ−700(表面処理剤なし、粒径10〜20nm、テイカ(株)製)、MZ−707S(メチコン処理、粒径10〜20nm、テイカ(株)製)、FINEX−25(表面処理剤なし、粒径60nm、堺化学(株)製)、FINEX−25LP(ジメチコン処理、粒径60nm、堺化学(株)製)、FINEX−50(表面処理剤なし、粒径20nm、堺化学(株)製)、FINEX−50LP(ジメチコン処理、粒径20nm、堺化学(株)製)、FINEX−75(表面処理剤なし、粒径10nm、堺化学(株)製)などが挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでなく、前記酸化亜鉛は、1種類を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
本発明におけるシリコーン処理酸化亜鉛のより好ましい態様は、平均一次粒子径が5〜40nmのジメチルハイドロジェンポリシロキサン処理酸化亜鉛(1〜5質量%の表面処理)である。
前記酸化チタンとしては、特に制限されることなく化粧料に通常用いられるものを広く挙げることができる。酸化チタンの結晶形態としては、特に問うものではなく、アナターゼ、ルチルまたはブルカイトのいずれであってもよい。
また、酸化チタンは紫外線散乱効果を高めるために、微粒子状に調製されたものであってもよい。微粒子酸化チタンとしては、制限はされないが、好ましくは平均一次粒子径が30nm以下、より好ましくは20nm以下のものを挙げることができる。平均一次粒子径が30nmを大きく超える場合は白浮きや白残りの原因となる傾向にある。平均一次粒子径の下限値は、特に限定されるものでないが、粒径が小さくなればなるほど高価になるので、経済性を考慮すれば5nm以上でよく、好ましくは10nm以上である。
多孔質樹脂粒子の細孔内部および外周表面に無機化合物を坦持させる方法には、主に次の3つの方法がある。
一つ目の方法は、無機化合物が分散可能な溶媒中に無機化合物及び多孔質樹脂粒子を分散させてスラリーを調製し、遠心分離した後、ろ取する方法である。
二つ目の方法は、無機化合物を分散可能な溶媒中に無機化合物及び多孔質樹脂粒子を分散させてスラリーを調製し、徐々に溶媒を除去する方法である。
三つ目の方法は、容器に無機化合物および多孔質樹脂粒子を加えて、そのまま機械的なエネルギーを用いて混合攪拌を行なうことによって得る方法である。
前記水と親和性の高い有機溶媒としては、アセトン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリンが挙げられる。これらの水と親和性の高い有機溶媒は、単独で使用することもできるし、複数種を併用することもできる。
前記混合スラリーの撹拌混合方法としては、スリーワンモーターと撹拌羽根を用いて撹拌する方法、撹拌子とマグネティックスターラーとを用いて撹拌する方法、超音波ホモジナイザーを用いて撹拌する方法、これらを組み合わせた方法が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウムなどの脂肪酸石けんのほか、高級アルキル硝酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、高級脂肪酸アミドスルホン酸、リン酸エステル塩などを挙げることができる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムなどを挙げることができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(ただしオキシアルキレンのアルキレン鎖の炭素数は2又は3)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体などを挙げることができる。
本発明において、化粧料とは、皮膚、例えば目、頬及び唇の周辺の皮膚を含み、特に顔の皮膚に適用することができるあらゆる組成物を含む。このような組成物としては、例えば、固形白粉、粉白粉、粉末頬紅、粉末アイシャドー、パウダーファンデーション、色補正用パウダー、ブロンジングパウダー、タルカムパウダー(プレスド又はルース及び芳香性又は無香性)、液体タルカムパウダー、エアゾール用粉末、エアゾール用組成物(芳香性又は無香性)、無水系(クリームからパウダーまで、スティック状組成物、例えばメイクアップ、頬紅、シマースティック、ブロンジング組成物、アイシャドー、コンシーラー、及びリップスティック)、リキッドファンデーション等のあらゆる種類のエマルジョン(シリコーンエマルジョン、O/W、W/O及び複合エマルション、それらは全て着色又は無着色であってよい)、目の下の手入れ用組成物、爪の手入れ用組成物、洗い流さない毛髪用組成物(例えばコンディショナーなど)、分散体(水性又は非水系、例えば、シリコーン分散体、油分散体)、懸濁液(水性又は非水系、例えば、シリコーン又は油懸濁液)、防臭剤、制汗剤(チューブに成形されていても粉末状でもよい)、唇用製品(リップコーティング製品、例えば、トップコート又は下地、リップスティック、リップグロス、リップペイント、リップコーティング、リップパウダー、リップライナー、唇保護/荒れ防止用スティック、リッププランピング、及びリップペンシル)などが挙げられる。
前記化粧料基材とは、化粧料組成物の剤型を保持するための成分である。前記化粧料基材としては、例えば、油性基材、水性基材、粉体基材、パックなどの皮膜を形成する高分子基材、乳化剤として機能する界面活性剤などが挙げられる。これらの化粧料基材は、単独で使用してもよいし、複数種を併用してもよい。
前記油性基材としては、例えば、油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸などが挙げられる。前記水性基材としては、例えば、精製水、エタノール等の低級アルコールなどが挙げられる。前記粉体基材としては、例えば、タルク、カリオンなどが挙げられる。前記高分子基材としては、天然高分子、合成高分子などが挙げられる。
前記添加剤としては、有機系サンスクリーン剤、保湿剤、防腐剤(例えばメチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール、硫酸、安息香酸、イミダゾリジニルウレア、及び他の従来からの防腐剤)、酸化防止剤、柔軟剤、肌を整える薬剤(例えばα−ヒドロキシ酸(AHA)、グリコール酸、乳酸)、美白剤(例えばコウジ酸)、人工日焼け剤、ビタミン類(例えばビタミンA、C及びE)ビタミン誘導体、香料、洗浄剤、pH調製剤、金属イオン封鎖剤、細胞賦活剤、血行促進剤、皮脂抑制剤、殺菌剤、抗炎症剤、制汗剤、可塑剤、界面活性剤、耐水性添加剤、植物抽出物及びポリエチレン、炭酸マグネシウム、メチルセルロース、マイカを含むフィラーなどが挙げられる。これらの添加剤は、単独出使用してもよいし、複数種を併用してもよい。
前記サンスクリーン剤としては、一般に使用されているものを使用することができる。前記サンスクリーン剤は、UV-A又はUV-B吸収剤のように防御する放射のタイプによって分類されることがよく知られている。UV-A吸収剤は一般に、紫外線スペクトルの320〜400nmの領域の照射を吸収する。UV-A吸収剤としては、例えば、アントラニレート類、ベンゾフェノン類、及びジベンゾイルメタン類等が挙げられる。UV-B吸収剤は一般に、紫外線スペクトルの280nm〜320nmの領域の照射を吸収する。UV-B吸収剤としては、例えば、p-アミノ安息香酸誘導体、カンファー誘導体、シンナメート、及びサリチレート等が挙げられる。
ポリアミド微粒子の結晶化度は、DSC(示差走査熱量計)で測定した。流速40ml/min窒素気流中で、昇温速度5℃/min、温度範囲120〜230℃の吸熱ピークの面積から結晶融解熱を算出する。結晶化度は、算出した融解熱量とポリアミド6あるいはポリアミド12の結晶融解熱量との比から求める。ポリアミド6の結晶融解熱を189J/g、ポリアミド12の結晶融解熱を209J/gとした。
ポリアミド多孔質微粒子の平均粒子径、粒子径分布は、電子顕微鏡(走査型電子顕微鏡 SEM)を用いて、微粒子100個の平均値として測定した。数平均粒子径、体積平均粒子径および粒子径分布指数(PDI)は次式で表される。
数平均粒子径 :
粒子径分布指数:
ポリアミド多孔質微粒子の比表面積は、窒素吸着によるBET法で3点測定をおこなった。
ポリアミド多孔質微粒子の平均細孔径は、水銀ポロシメータにより測定した。測定範囲は、0.0036から14μmの範囲で平均細孔径を求めた。ポリアミド多孔質微粒子の空孔率は、1個の粒子中のポリアミドの体積と空間体積の割合を表す。ここで、ポリアミドの密度をρとして、空孔率(porousity)を次式で表すことができる。ここで、Vp;粒子内空孔体積、
Vs;粒子内ポリマー体積とする。
[数4]
P=Vp/(Vp+Vs)
即ち、粒子内累積細孔容積(P1)とすると
[数5]
P=P1/(P1+(1/ρ))×100
で表せられる。
細孔径に対する累積細孔容積の図から、粒子内累積細孔容積を算出し、上記[数4]に従って、粒子内空孔率を算出する。このときポリアミド微粒子の密度ρは、DSCで求めた結晶化度χと結晶密度ρc、非晶密度ρaから
[数6]
ρ=χ・ρc+(1−χ)・ρa
から求めた。ここでポリアミド6の結晶密度は1.23cm3/g,非晶密度は1.09cm3/g、ポリアミド12の結晶密度は1.1cm3/g、非晶密度は0.99cm3/gとした。
[数7]
RI=Sp/Sp0
[数8]
Sp0=6/d/ρ
で求められる。dは粒子の直径、ρは密度である。
(1)ポリアミド6(宇部興産社製、1013B、分子量13,000)500gを、m−クレゾール溶液9500gに溶解し、濃度5重量%m−クレゾール溶液を得た。この溶液を攪拌しながら,イソプロパノール40kgと水20kgからなる混合液60kgを5℃にて40秒かけて投入した。攪拌を続け,溶液が均一になった時点で攪拌を停止して静置した。しばらくして、ポリアミド6粒子が析出した。さらに2時間静置後、析出物をろ紙を用いてろ別した後、ろ紙上で25℃のイソプロパノール100000mlで3回ほど洗浄を行なった。次に、熱風乾燥機で、温度60℃で、8時間乾燥した。さらに真空乾燥機で温度60℃で、8時間乾燥した。乾燥したポリアミド6の多孔質微粒子を保温付きソックスレー抽出器に充填し、抽出器内にイソプロパノールを10時間還流して、ポリアミド6の多孔質微粒子と接触させた。次に乾燥微粒子を水10重量%スラリーにして、180℃にて噴霧乾燥を行った。
得られた粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ、数平均粒子径6.4μm、体積平均粒子径7.8μmの比較的均一な球形粒子であった。図1に示す。PDIは1.25であった。BET比表面積は14.0m2/g、平均細孔径は、0.14μm、RIは17.5であった。融解熱Hfは、108.0J/gで、結晶化度は57%、空孔率は60%であった。煮亜麻仁油吸油量は210ml/100gであった。視覚反射率は26.5%(反射角:0°)、30.4%(反射角:20°)、68.0%(反射角45°)であった。
また、得られた粒子の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した結果、中心の核から結晶が成長しており、粒子の中心からフィブリルが放射状に伸びた形状をしていることが分かった。さらに得られた粒子を偏光顕微鏡で観察した結果、直交ニコル下で光が透過することが確認され、前記粒子は球晶構造であることが確認できた。
実施例1(2)のローター回転速度1600rpmにした以外は、まったく同様にして、担持複合化処理をおこなった。処理後の粉体のSEM観察により、表面に酸化亜鉛が担持された粒子が確認できた。本粉体の吸油量および見かけ密度は、それぞれ140ml/100gおよび0.28g/cm3であった。
本粒子をメタノールに分散させ、超音波分散機を用いて20分間攪拌後、ろ過してSEM観察をおこなったところ、表面のZnOは、ほとんど脱着されることなく付着されている事が確認された。また、25wt%濃度アンモニア水を用いて本複合粒子を24時間つけ、ZnOを溶解後蒸留水で洗浄下後のSEM写真から、ポリアミド多孔質粒子の表面がところどころ潰れている事が確認できた。さらにアンモニア洗浄後の本粒子を乾燥後、ICP発光分光分析により、Znの定量をおこなったところ、約5wt%重量のZnが粒子中に封入されている事が確認できた。
実施例1の(1)の粉体6gと酸化亜鉛酸化亜鉛FINEX−75(堺化学製)1.8gとを小型シェーカー((株)イカジャパン製IKA−VIBRAX VXRベーシック)を用いて、2000rpmで1時間機械的攪拌による複合化を行なった。作成した粉体を本粒子をメタノールに分散させ、超音波分散機を用いて20分間攪拌後、ろ過してSEM観察をおこなったところ、表面のZnOが一部剥がれ落ち、ポリアミド多孔質微粒子表面の多孔構造が観察された。また、25wt%濃度アンモニア水を用いて本複合粒子を24時間つけ、ZnOを溶解後蒸留水で洗浄下後のSEM写真から、ポリアミド多孔質粒子の表面がほとんどつぶされてなく、ZnOが封入されていない事が確認された。
実施例1(2)の酸化亜鉛の配合量を30gにした以外は、まったく同様にして、担持複合化処理をおこなった。処理後の粉体のSEM観察により、表面に酸化亜鉛が担持された粒子が確認できた。本粉体の吸油量および見かけ密度は、それぞれ85ml/100gおよび0.41g/cm3であった。
本粒子をメタノールに分散させ、超音波分散機を用いて20分間攪拌後、ろ過してSEM観察をおこなったところ、表面のZnOは、ほとんど脱着されることなく付着されている事が確認された。また、25wt%濃度アンモニア水を用いて本複合粒子を24時間つけ、ZnOを溶解後蒸留水で洗浄下後のSEM写真から、ポリアミド多孔質粒子の表面がところどころ潰れている事が確認できた。さらにアンモニア洗浄後の本粒子を乾燥後、ICP発光分光分析により、Znの定量をおこなったところ、約25wt%重量のZnが粒子中に封入されている事が確認できた。
実施例1(2)において、酸化亜鉛の代わりに親水性表面処理された酸化チタンMT 100SA(テイカ製)を12g用いた以外は、まったく同様にして、担持複合化処理をおこなった。処理後の粉体のSEM観察により、表面に酸化チタンが担持された粒子が確認できた。図4に示す。本粉体の吸油量および見かけ密度は、それぞれ80ml/100gおよび0.35g/cm3であった。
本粒子をメタノールに分散させ、超音波分散機を用いて20分間攪拌後、ろ過してSEM観察をおこなったところ、表面のTiO2は、ほとんど脱着されることなく付着されている事が確認された。図5に示す。
実施例4において、酸化チタンの量を60g用いた以外は、まったく同様にして、担持複合化処理をおこなった。処理後の粉体のSEM観察により、表面に酸化チタンが担持された粒子が確認できた。本粉体の吸油量および見かけ密度は、それぞれ75ml/100gおよび0.35g/cm3であった。
本粒子をメタノールに分散させ、超音波分散機を用いて20分間攪拌後、ろ過してSEM観察をおこなったところ、表面のTiO2は、ほとんど脱着されることなく付着されている事が確認された。
実施例4において、親油性表面処理された酸化チタンMT 100TVを用いた以外は、まったく同様にして、担持複合化処理をおこなった。処理後の粉体のSEM観察により、表面に酸化チタンが担持された粒子が確認できた。本粉体の吸油量および見かけ密度は、それぞれ80ml/100gおよび0.35g/cm3であった。本粒子をメタノールに分散させ、超音波分散機を用いて20分間攪拌後、ろ過してSEM観察をおこなったところ、表面のTiO2は、ほとんど脱着されることなく付着されている事が確認された。
表1の1〜9成分を混合し、あらかじめ混合しておいた10〜18成分を加え、混合、分散、成形を行い、固形パウダーファンデーションを作成した。
リキッドファンデーション(O/W)
表3の1〜25成分を混合、分散化して、油中水型(O/Wタイプ)のリキッドファンデーションを作成した。
Claims (15)
- 複数箇所に分かれて無機化合物が封入されている数平均粒径が1〜200μmの樹脂粒子。
- 無機化合物が金属酸化物である請求項1に記載の樹脂粒子。
- 樹脂粒子が、ポリアミド樹脂粒子である請求項1又は2に記載の樹脂粒子。
- 表面に複数の孔を有している請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂粒子。
- 無機化合物が、紫外線を吸収若しくは反射又は散乱させる無機化合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂粒子。
- 無機化合物が、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉄(FeO、Fe2O3)から選ばれる1種以上である請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂粒子。
- 少なくとも一部の表面がシリコーン系化合物で被覆されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂粒子。
- 多孔質樹脂粒子に無機化合物を担持させた後、孔を小さくする又は孔をふさぐこと請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂粒子の製造方法。
- 孔をふさぐ方法が、物理的又は/及び熱的に多孔質樹脂粒子を変形させることにより行う請求項8に記載の樹脂粒子の製造方法。
- 多孔質樹脂粒子の孔の平均深さが、多孔質樹脂粒子の数平均粒径から求めた平均半径の10〜98%である請求項8又は9に記載の樹脂粒子の製造方法。
- 多孔質樹脂粒子が、樹脂の球晶である請求項8〜10のいずれか一項に記載の樹脂粒子の製造方法。
- 多孔質樹脂粒子が、粒子中心から複数のフィブリルが伸びた形状である請求項8〜11のいずれか一項に記載の樹脂粒子の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂粒子を含有する化粧料。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂粒子を含有する液状化粧料。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂粒子を含有する油中水型エマルジョン系化粧料。
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