JP2014231559A - 複合化粒子の製造方法、及び化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ポリアミド樹脂粒子と無機化合物による、紫外線吸収能の良い複合化粒子の製造方法およびその粒子を用いた化粧料を提供する。【解決手段】本願発明は、ポリアミド(A)と、当該ポリアミド(A)に対して高温では良溶媒として作用し、低温では非溶媒として作用する溶剤(B)とを、混合して加熱することにより得られる均一なポリアミド溶液(C)と、当該ポリアミド(A)と低温で非溶媒として作用する溶剤(D)とを、当該ポリアミド溶液(C)の相分離温度より低い温度となるまで撹拌しながら混合した後、その温度を保持したまま静置して粒子を析出させる製造方法であって、当該ポリアミド溶液(C)又は/及び当該溶剤(D)に無機化合物(E)を混合することを特徴とする複合化粒子の製造方法である。【選択図】図1
Description
本発明は、ポリアミド樹脂粒子と無機化合物による複合化粒子の製造方法に関する。また、当該複合化粒子を含有する化粧料に関する。
ポリアミド樹脂粒子は、クレンジングマスクなどの化粧品原料、クロマトグラフィーの充填剤、食品工業や医療分野における各種触媒の担体あるいは吸着剤、着色剤を担持させて電子写真のトナー、表示機器などの電子材料として利用することが検討されている。
ポリアミド粒子としては、次に述べるような種々の粒子形状のものが開発されている。特許文献1には、数平均粒子径が1〜30μm、BET比表面積が100〜80000m2/kgである、球晶構造からなる球状のポリアミド多孔質粒子が開示されている。また特許文献2には、粒子長が0.5〜25μmで、L/D(粒子長/粒子径)が3〜50で、比表面積が0.1〜10m2/gである、楕円状、筒状、ダンベル状または鼓状の形状を有するポリアミド多孔質粒子が開示されている。
一方、特許文献3のように、化粧品原料として利用されているポリアミド粒子の紫外線吸収能等の機能付与として、化粧品原料に用いられている無機化合物である酸化チタンや酸化亜鉛に関する複合体が開示されている。
しかしながら、これまで開示されている複合化粒子においては、複合化した粒子の紫外線吸収能については示されていなかった。
本発明は、ポリアミド樹脂粒子と無機化合物による、紫外線吸収能の良い複合化粒子の製造方法およびその粒子を用いた化粧料を提供することにある。
1.本発明は、ポリアミド(A)と、当該ポリアミド(A)に対して高温では良溶媒として作用し、低温では非溶媒として作用する溶剤(B)とを、混合して加熱することにより得られる均一なポリアミド溶液(C)と、 当該ポリアミド(A)と低温で非溶媒として作用する溶剤(D)とを、 当該ポリアミド溶液(C)の相分離温度より低い温度となるまで撹拌しながら混合した後、その温度を保持したまま静置して粒子を析出させる製造方法であって、当該ポリアミド溶液(C)又は/及び当該溶剤(D)に無機化合物(E)を混合することを特徴とする複合化粒子の製造方法である。
2.本発明は、ポリアミド溶液(C)と溶剤(D)とを当該ポリアミド溶液(C)の相分離温度より20℃〜80℃低い温度となるまで攪拌しながら混合することを特徴とする前記項1に記載の複合化粒子の製造方法である。
3.本発明は、低温では非溶媒として作用する溶剤(D)が多価アルコールであることを特徴とする前記項1又は前記項2に記載の複合化粒子の製造方法である。
4.本発明は、ポリアミド(A)の樹脂濃度が溶剤(B)に対して1〜30重量%であることを特徴とする前記項1〜3のいずれかに記載の複合化粒子の製造方法である。
5.本発明は、無機化合物(E)の添加量が、ポリアミド(A)に対して、10〜250重量%であることを特徴とする前記項1〜4のいずれかに記載の複合化粒子の製造方法である。
6.本発明は、無機化合物(E)が、酸化チタン又は/及び酸化亜鉛からなる前記項1〜5のいずれかに記載の複合化粒子の製造方法である。
7.本発明は、前記項1〜6いずれかに記載の複合化粒子の製造方法で製造された複合化粒子を含有することを特徴とする化粧料である。
本発明の紫外線吸収能の良い複合化粒子は、容易にポリアミド樹脂粒子と無機化合物を複合化することが出来る製造方法であり、かつ化粧料として有用である。
本発明は、ポリアミド(A)と、当該ポリアミド(A)に対して高温では良溶媒として作用し、低温では非溶媒として作用する溶剤(B)とを、混合して加熱することにより得られる均一なポリアミド溶液(C)と、当該ポリアミド(A)と低温で非溶媒として作用する溶剤(D)とを、当該ポリアミド溶液(C)の相分離温度より低い温度となるまで撹拌しながら混合した後、その温度を保持したまま静置して粒子を析出させる製造方法であって、当該ポリアミド溶液(C)又は/及び当該溶剤(D)に無機化合物(E)を混合することを特徴とする複合化粒子の製造方法に関するものである。
[ポリアミド(A)]
本発明に用いられるポリアミド(A)として、環状アミドの開環重合、アミノ酸の重縮合、ジカルボン酸とジアミンの重縮合等で得られるものが挙げられる。環状アミドの開環重合に用いられる原料としては、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム等が挙げられ、アミノ酸の重縮合に用いられる原料としては、ε−アミノカプロン酸、ω−アミノドデカン酸、ω−アミノウンデカン酸などが挙げられ、ジカルボン酸とジアミンの重縮合に用いられる原料としては、蓚酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸などのジカルボン酸やそれらの誘導体と、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘキシルジアミン、ペンタメチレンジアミン、デカメチレンジアミンなどのジアミンなどが挙げられる。これらのポリアミドには、さらに、テレフタル酸、イソフタル酸、m−キシリレンジアミンなどの少量の芳香族成分を共重合してもよい。
本発明に用いられるポリアミド(A)として、環状アミドの開環重合、アミノ酸の重縮合、ジカルボン酸とジアミンの重縮合等で得られるものが挙げられる。環状アミドの開環重合に用いられる原料としては、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム等が挙げられ、アミノ酸の重縮合に用いられる原料としては、ε−アミノカプロン酸、ω−アミノドデカン酸、ω−アミノウンデカン酸などが挙げられ、ジカルボン酸とジアミンの重縮合に用いられる原料としては、蓚酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸などのジカルボン酸やそれらの誘導体と、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘキシルジアミン、ペンタメチレンジアミン、デカメチレンジアミンなどのジアミンなどが挙げられる。これらのポリアミドには、さらに、テレフタル酸、イソフタル酸、m−キシリレンジアミンなどの少量の芳香族成分を共重合してもよい。
ポリアミドの具体的な例としては、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6/66、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ポリアミド6T/6)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6I)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ポリアミド6I/6)、ポリドデカミド/ポリヘキサメチレンテレフタラミドコポリマー(ポリアミド12/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ(2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)コポリマー(ポリアミド6T/M5T)、ポリキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、及びこれらの混合物ないし共重合樹脂が挙げられる。これらの中で、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12又はポリアミド6/66共重合樹脂が好ましく、材料の取り扱い性の観点から、特にポリアミド6が好ましい。
上記ポリアミドの分子量は、2,000〜100,000の範囲であることが好ましく、5,000〜40,000の範囲であることが特に好ましい。ポリアミドの分子量が2,000より小さいと、ポリアミド微粒子の形成条件が狭くなり、製造が難しくなる。また、ポリアミドの分子量が100,000より大きいと、製造時に一次凝集体が出来やすくなり好ましくない。
[溶剤(B)]
本発明で用いられる、ポリアミド(A)に対して高温では良溶媒として作用し、低温では非溶媒として作用する溶剤(B)として、多価アルコールが挙げられる。具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。これらは混合して用いても良い。
本発明で用いられる、ポリアミド(A)に対して高温では良溶媒として作用し、低温では非溶媒として作用する溶剤(B)として、多価アルコールが挙げられる。具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。これらは混合して用いても良い。
ポリアミド(A)を溶解する温度は、そのポリアミドが溶剤(B)に溶解を開始する温度(以下、「相分離温度」と記載する場合もある。)より10℃〜100℃以上高い温度が好ましい。溶解する際、窒素ガスなどの不活性なガスによって、系内を密閉して溶解するとポリアミドが劣化することが少なく、好ましい。
[ポリアミド溶液(C)]
ポリアミド溶液(C)は、ポリアミド(A)と、当該ポリアミド(A)に対して高温では良溶媒として作用し、低温では非溶媒として作用する溶剤(B)とを、混合して加熱することにより得られる均一なポリアミド溶液である。ポリアミド溶液(C)の濃度は、0.1〜30重量%であるのが好ましい。0.1重量%よりも低いと、粒子の生産性が低くなる。30重量%より高いと、溶液に一部溶け切れないポリアミドが残るおそれがあり、均一な粒子が得られないことがあるため好ましくない。
ポリアミド溶液(C)は、ポリアミド(A)と、当該ポリアミド(A)に対して高温では良溶媒として作用し、低温では非溶媒として作用する溶剤(B)とを、混合して加熱することにより得られる均一なポリアミド溶液である。ポリアミド溶液(C)の濃度は、0.1〜30重量%であるのが好ましい。0.1重量%よりも低いと、粒子の生産性が低くなる。30重量%より高いと、溶液に一部溶け切れないポリアミドが残るおそれがあり、均一な粒子が得られないことがあるため好ましくない。
本発明においては、上記のポリアミドの均一溶液(C)を、少なくとも低温ではポリアミド(A)の非溶媒として作用する低温の溶剤(D)と混合することにより、ポリアミド溶液全体を均一に所定の温度まで冷却する。ここで用いることができる溶剤(D)は、ポリアミド(A)に対して少なくとも低温では非溶媒であり溶剤(B)と相溶性が高いものであればよいが、溶剤(B)と同一の成分から構成されてなる、あるいは混合液の場合は同一の組成であることが好ましい。異なる成分や組成である場合、粒子を回収後、溶剤の再利用を行う際、分別回収などに多くの手間がかかることがある。
[溶剤(D)]
本発明で用いることができる上記の溶剤(D)として、溶剤(B)と同様な多価アルコール及びそれらの混合物が挙げられる。具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコールおよび水等が挙げられる。これらは混合して用いても良い。
本発明で用いることができる上記の溶剤(D)として、溶剤(B)と同様な多価アルコール及びそれらの混合物が挙げられる。具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコールおよび水等が挙げられる。これらは混合して用いても良い。
ポリアミド溶液を冷却する温度は、相分離温度より20℃〜80℃低い温度が好ましく、30℃〜70℃低い温度がより好ましく、40℃〜60℃低い温度がもっとも好ましい。冷却する温度が相分離温度から20℃以内の場合は、過飽和度が低いためにポリアミドが析出を開始し終了するまでに多大な時間がかかり、塊状の析出物や粒子の凝集体が得られるので好ましくない。また、80℃以上低い場合は、2液が均一に攪拌混合される前に局所的な温度の低下により、ポリアミドが析出を開始し、不均一な粒子や凝集体が得られるので好ましくない。
冷却に用いる溶剤(D)の温度と添加量は、冷却するポリアミド溶液の温度および容量によって決定される。溶液と冷却に用いる非溶媒との温度差は150℃以内とするのが好ましい。温度差が150℃より大きいと非溶媒を添加している最中にポリアミドの析出が始まり、凝集等が生じるため好ましくない。
高温のポリアミド溶液(C)と低温の溶剤(D)との混合は、高温のポリアミド溶液(C)に低温の溶剤(D)を添加しても良いし、低温の溶剤(D)に高温のポリアミド溶液を投入してもよいが、2液の温度が一定になるまで均一攪拌するのが好ましい。
当該ポリアミド溶液(C)と当該溶剤(D)との混合液は、2液が均一化するまで撹拌することが好ましい。2液が均一化となった後には、撹拌を止めてその温度を保ったまま静置させることが好ましい。
[無機化合物(E)]
本発明の複合化粒子として混合する無機化合物(E)は金属酸化物であることが好ましい。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムを挙げることができる。これらは二種以上を混合して用いることができる。無機化合物を内包および樹脂粒子表面に担持された複合化粒子は、紫外線防止あるいは着色効果が得られ、化粧品の材料として好ましい。特に、酸化チタン、酸化亜鉛は、紫外線防止効果が高い。
本発明の複合化粒子として混合する無機化合物(E)は金属酸化物であることが好ましい。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムを挙げることができる。これらは二種以上を混合して用いることができる。無機化合物を内包および樹脂粒子表面に担持された複合化粒子は、紫外線防止あるいは着色効果が得られ、化粧品の材料として好ましい。特に、酸化チタン、酸化亜鉛は、紫外線防止効果が高い。
無機化合物(E)の添加量が、ポリアミド(A)に対して、10〜250重量%であることが好ましい。10重量%よりも低いと紫外線防止効果が得られなくなり、250重量%よりも高いと複合化粒子を形成することが出来なくなる。
無機化合物(E)は、ポリアミド溶液(C)又は/及び当該溶剤(D)に事前に添加して分散させておくことが好ましい。具体的には、ポリアミド溶液(C)へ添加する場合、ポリアミド(A)を、当該ポリアミド(A)に対して高温では良溶媒として作用し、低温では非溶媒として作用する溶剤(B)に溶解させた後、無機化合物(E)を添加して混合分散させてもよい。また、低温で非溶媒として作用する溶剤(D)に無機化合物(E)を添加して混合分散させても良い。
無機化合物(E)は、高温のポリアミド溶液(C)と低温の溶剤(D)との混合時に、同時に添加されて混合されても良い。混合時には、無機化合物が系内に均一に分散されるまで十分に撹拌することが好ましい。
攪拌は、通常よく用いられる攪拌翼であれば形状や装置などに特に制限はない。また攪拌翼の回転数は、添加した溶液がその都度混合され均一化するのであれば特に制限はない。また、邪魔板などのより攪拌効果が上がる設備が備わっていると、より均一に混合され好ましい。
2液が均一となった後は、攪拌を止めて静置させるのが好ましい。生成粒子が析出し始めてからも、攪拌を続けると、得られる粒子の形状が不完全な形状でばらついたり、凝集が起きたり、粒度分布が広がってしまうため好ましくない。邪魔板が備わることで、攪拌停止後の液体の流速が短時間で停止するので好ましい。
また、所定の温度まで冷却された後は、その温度を保ったまま生成粒子を析出させるのが好ましい。冷却されたポリアミド溶液の温度が変化すると、塊状の析出物や粒子の凝集体が生成したり、粒度分布が広がったりすることがあり好ましくない。
生成したポリアミド微粒子は、デカンテーション、ろ過あるいは遠心分離などの方法で固液分離し、表面に付着する非溶媒を除去するために、常温近傍にてポリアミドの非溶媒である粘度の低い溶剤にて洗浄することができる。これらの溶剤として、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどの炭素原子数が1〜3の1価の脂肪族アルコール、アセトン、メチルエチルケトンなどの脂肪族ケトン、アセトフェノン、プロピオフェノン、ブチロフェノンなどの芳香族ケトン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ヘプタン、ヘキサン、オクタン、n−デカンなどの脂肪族炭化水素、または水を挙げる事ができる。
分離、洗浄したポリアミド微粒子は、最後に乾燥工程を経て、乾燥粉体にすることができる。乾燥方法としては、真空乾燥、恒温乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥、流動槽乾燥などの汎用の粉体乾燥方法を用いることができる。
本発明において、化粧料とは、皮膚、例えば目、頬及び唇の周辺の皮膚を含み、特に顔の皮膚に適用することができるあらゆる組成物を含む。このような組成物としては、例えば、サンスクリーン剤、固形白粉、粉白粉、粉末頬紅、粉末アイシャドー、色補正用パウダー、ブロンジングパウダー、タルカムパウダー(プレスド又はルース及び芳香性又は無香性)、液体タルカムパウダー、エアゾール用粉末、エアゾール用組成物(芳香性又は無香性)、無水系(クリームからパウダーまで、スティック状組成物、例えばメイクアップ、頬紅、シマースティック、ブロンジング組成物、アイシャドー、コンシーラー、及びリップスティック)、あらゆる種類のエマルジョン(シリコーンエマルジョン、O/W、W/O及び複合エマルション、それらは全て着色又は無着色であってよい)、目の下の手入れ用組成物、爪の手入れ用組成物、洗い流さない毛髪用組成物(例えばコンディショナーなど)、分散体(水性又は非水系、例えば、シリコーン分散体、油分散体)、懸濁液(水性又は非水系、例えば、シリコーン又は油懸濁液)、防臭剤、制汗剤(チューブに成形されていても粉末状でもよい)、唇用製品(リップコーティング製品、例えば、トップコート又は下地、リップスティック、リップグロス、リップペイント、リップコーティング、リップパウダー、リップライナー、唇保護/荒れ防止用スティック、リッププランピング、及びリップペンシル)などが挙げられる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。しかし、この実施例は本発明の代表的態様を例示するものであり、本発明はこれらの範囲に限定されるものではない。
平均粒子径の測定
平均粒子径は、コールターカウンター(CC)を用いて、微粒子50,000個の平均値として測定した。数平均粒子径(Dn)は下記数1、体積平均粒子径(Dv)は下記数2、で示される式でそれぞれ表される。
平均粒子径は、コールターカウンター(CC)を用いて、微粒子50,000個の平均値として測定した。数平均粒子径(Dn)は下記数1、体積平均粒子径(Dv)は下記数2、で示される式でそれぞれ表される。
n;測定数
n;測定数
紫外線透過率の測定(紫外線吸収能)
得られた複合化粒子をイソプロピルアルコールに分散させた後、紫外可視分光光度計にて紫外光領域(300nm)における透過率について測定した。
得られた複合化粒子をイソプロピルアルコールに分散させた後、紫外可視分光光度計にて紫外光領域(300nm)における透過率について測定した。
[実施例1]
ポリアミド6(宇部興産(株)製:平均分子量9,000)100gをエチレングリコール1000gと混合した後、窒素ガスを系内に導入しながら、溶液の温度を上昇させたところ、140℃でポリアミドが溶解を開始したため、この温度を相分離温度とした。さらに昇温して、160℃になるまで攪拌しながら加熱溶解して均質な溶液を得た。この溶液を40℃のエチレングリコール1000gに酸化チタン(テイカ(株)製:MT−100AQ)50gを分散させた溶液を相分離温度より40℃低い100℃±1℃になるまで攪拌しながら添加し、さらに20秒攪拌し、100℃に保持しながら静置した。その結果、容器内に塊状の析出物が一切生じることなく均一な複合化粒子の沈殿物が得られた。得られた沈殿物をメタノールで洗浄して乾燥後、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察を行ったところ、図1に示すようなダンベル型の複合化粒子が観察された。紫外可視分光光度計にて紫外光領域(300nm)における透過率について測定した結果、16.7%の透過率であった。
ポリアミド6(宇部興産(株)製:平均分子量9,000)100gをエチレングリコール1000gと混合した後、窒素ガスを系内に導入しながら、溶液の温度を上昇させたところ、140℃でポリアミドが溶解を開始したため、この温度を相分離温度とした。さらに昇温して、160℃になるまで攪拌しながら加熱溶解して均質な溶液を得た。この溶液を40℃のエチレングリコール1000gに酸化チタン(テイカ(株)製:MT−100AQ)50gを分散させた溶液を相分離温度より40℃低い100℃±1℃になるまで攪拌しながら添加し、さらに20秒攪拌し、100℃に保持しながら静置した。その結果、容器内に塊状の析出物が一切生じることなく均一な複合化粒子の沈殿物が得られた。得られた沈殿物をメタノールで洗浄して乾燥後、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察を行ったところ、図1に示すようなダンベル型の複合化粒子が観察された。紫外可視分光光度計にて紫外光領域(300nm)における透過率について測定した結果、16.7%の透過率であった。
[参考例1]
ポリアミド6(宇部興産(株)製:平均分子量9,000)100gをエチレングリコール1000gと混合した後、窒素ガスを系内に導入しながら、溶液の温度を上昇させたところ、140℃でポリアミドが溶解を開始したため、この温度を相分離温度とした。さらに昇温して、160℃になるまで攪拌しながら加熱溶解して均質な溶液を得た。この溶液を40℃のエチレングリコール1000gを相分離温度より40℃低い100℃±1℃になるまで攪拌しながら添加し、さらに20秒攪拌し、100℃に保持しながら静置した。その結果、容器内に塊状の析出物が一切生じることなく均一な粒子の沈殿物が得られた。得られた沈殿物をメタノールで洗浄して乾燥後、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察を行ったところ、ダンベル型のポリアミド多孔質微粒子が観察された。
上記ポリアミド多孔質微粒子100gと酸化チタン(テイカ(株)製:MT‐100AQ)50gをハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)を用いて、ローター回転速度6400rpmにて、1分間担持複合化処理をおこなった。処理後の粉体のSEM観察を行ったところ、表面に酸化チタンが担持された粒子が確認された。紫外可視分光光度計にて紫外光領域(300nm)における透過率について測定した結果、38.7%の透過率であった。
ポリアミド6(宇部興産(株)製:平均分子量9,000)100gをエチレングリコール1000gと混合した後、窒素ガスを系内に導入しながら、溶液の温度を上昇させたところ、140℃でポリアミドが溶解を開始したため、この温度を相分離温度とした。さらに昇温して、160℃になるまで攪拌しながら加熱溶解して均質な溶液を得た。この溶液を40℃のエチレングリコール1000gを相分離温度より40℃低い100℃±1℃になるまで攪拌しながら添加し、さらに20秒攪拌し、100℃に保持しながら静置した。その結果、容器内に塊状の析出物が一切生じることなく均一な粒子の沈殿物が得られた。得られた沈殿物をメタノールで洗浄して乾燥後、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察を行ったところ、ダンベル型のポリアミド多孔質微粒子が観察された。
上記ポリアミド多孔質微粒子100gと酸化チタン(テイカ(株)製:MT‐100AQ)50gをハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)を用いて、ローター回転速度6400rpmにて、1分間担持複合化処理をおこなった。処理後の粉体のSEM観察を行ったところ、表面に酸化チタンが担持された粒子が確認された。紫外可視分光光度計にて紫外光領域(300nm)における透過率について測定した結果、38.7%の透過率であった。
[実施例2]
サンスクリーン化粧料
実施例1で得た複合化粒子を用い、下記の成分組成A〜Dを調製し、これらを均一に混ぜ合わして、サンスクリーン剤を調製した。
A相:水(17.15%)、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VPコポリマー(35.00%)、ジプロピレングリコール(4.5%)、実施例1にて得られた複合 化粒子(4.5%)
B相:ポリオキシエチレンセチルエーテル(0.4%)、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン(0.8%)、エチルヘキサン酸セチル(2.0%)、シクロペンタシロキサン(3.5%)、流動パラフィン(5.6%)
C相:エタノール(26.50%)
D相:メチルイソチアゾリン(0.05%)
からなるサンスクリーン剤を製造した。
サンスクリーン化粧料
実施例1で得た複合化粒子を用い、下記の成分組成A〜Dを調製し、これらを均一に混ぜ合わして、サンスクリーン剤を調製した。
A相:水(17.15%)、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VPコポリマー(35.00%)、ジプロピレングリコール(4.5%)、実施例1にて得られた複合 化粒子(4.5%)
B相:ポリオキシエチレンセチルエーテル(0.4%)、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン(0.8%)、エチルヘキサン酸セチル(2.0%)、シクロペンタシロキサン(3.5%)、流動パラフィン(5.6%)
C相:エタノール(26.50%)
D相:メチルイソチアゾリン(0.05%)
からなるサンスクリーン剤を製造した。
Claims (7)
- ポリアミド(A)と、当該ポリアミド(A)に対して高温では良溶媒として作用し、低温では非溶媒として作用する溶剤(B)とを、混合して加熱することにより得られる均一なポリアミド溶液(C)と、
当該ポリアミド(A)と低温で非溶媒として作用する溶剤(D)とを、
当該ポリアミド溶液(C)の相分離温度より低い温度となるまで撹拌しながら混合した後、その温度を保持したまま静置して粒子を析出させる製造方法であって、
当該ポリアミド溶液(C)又は/及び当該溶剤(D)に無機化合物(E)を混合することを特徴とする複合化粒子の製造方法。 - ポリアミド溶液(C)と溶剤(D)とを当該ポリアミド溶液(C)の相分離温度より20℃〜80℃低い温度となるまで攪拌しながら混合することを特徴とする請求項1に記載の複合化粒子の製造方法
- 低温では非溶媒として作用する溶剤(D)が多価アルコールであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の複合化粒子の製造方法。
- ポリアミド(A)の樹脂濃度が溶剤(B)に対して1〜30重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合化粒子の製造方法。
- 無機化合物(E)の添加量が、ポリアミド(A)に対して、10〜250重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複合化粒子の製造方法。
- 無機化合物(E)が、酸化チタン又は/及び酸化亜鉛からなる請求項1〜5のいずれかに記載の複合化粒子の製造方法。
- 請求項1〜6いずれかに記載の複合化粒子の製造方法で製造された複合化粒子を含有することを特徴とする化粧料。
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