JP5367957B2 - 粉末化粧料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粉体成分及び液体成分を含む粉末化粧料の製造方法に関する。
超臨界流体を用いて、粒子の表面を他の機能性成分で被覆し、該粒子に種々の機能を付与する方法が提案されている。例えば、容器内で、超臨界二酸化炭素存在下に、特定の構造を有するポリエーテルと粒子とを接触させた後に、該容器を減圧させることで、該ポリエーテルで表面が被覆された化粧料粒子が提案されている(特許文献1参照)。このような方法で製造された化粧料粒子は、分散性が高く、高い撥水撥油性を有し、更に良好な感触を有するものである。
そのほか、超臨界流体を用いて、酸化チタンなどの粒子に対してポリエチレングリコールやアクリル樹脂などの高分子化合物をコーティングする方法(特許文献2参照)や、無機酸化物粒子の表面を有機色素で効率よく染色することを目的として、染色を超臨界二酸化炭素流体内で行う方法(特許文献3参照)が提案されている。
一方、超臨界流体は、乳化物又は分散物の製造にも用いられる。例えば特許文献4には、油性物質と水とを含む乳化及び分散組成物を製造するに当たり、高温及び高圧下の超臨界状態又は亜臨界状態の水に、油性物質を溶解又は半溶解した後に、冷却し、次いで減圧することが記載されている。
特開2003−160442号公報 特開平11−47681号公報 特開2005−8708号公報 特開2002−53671号公報
ところで粉体成分及び液体成分を含む粉末化粧料の製造において、原料の混合方法としては、従来、これらの成分を乾式法又は湿式法で混合することが一般的であった。しかし乾式法では、各成分を均一に混合することが容易でなく、得られる化粧料の均一性に問題があった。また、分散媒体を用いる湿式法では、混合後に分散媒体を除去する工程が煩雑であり、その間の熱履歴や長時間の操作が、得られる粉末混合物の諸特性に悪影響を及ぼすことがあった。
したがって本発明の目的は、前述した従来技術が有する問題点を解消し得る粉末化粧料の製造方法を提供することにある。
本発明は、粉体成分及び液体成分を含む配合原料すべてを超臨界流体中で混合し、次いで該流体を除去して粉末混合物を得る粉末化粧料の製造方法を提供するものである。
また本発明は、粉体成分及び液体成分を含む配合原料すべてを超臨界流体中で混合し、次いで該流体を除去し、得られた粉末混合物を成型皿内で成型する粉末化粧料の製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、従来行われていた乾式法や湿式法で得られた粉末化粧料よりも、発色や感触に優れた粉末化粧料を、複雑な工程を経ることなく簡便に得ることができる。
本発明は、粉体成分及び液体成分を含む配合原料すべてを超臨界流体中で混合する点に特徴を有する。以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の方法に用いられる装置の概略図が示されている。装置10は、混合容器21と付帯設備とからなる混合機20である。
混合容器21はヒータ22によって所定温度に加熱される。ここに弁V1を通じて流体を圧入すると、混合容器21内の圧力が増加すると同時に温度も上昇し、臨界温度・臨界圧力を超えることにより、混合容器21内に導入された流体は超臨界状態となる。混合容器21内には攪拌翼23が設置されている。攪拌翼23は、シャフトを通じて混合容器21外に設置されたモータ24によって回転可能になっている。混合容器21には流体の排出管25が配置されている。流体は排出管25の一端に設けられた弁V2を通じて容器外へ排出・回収される。
以上の構成を有する混合機20を用いた粉末化粧料の製造方法について説明する。本実施形態においては、まず、混合容器21内に配合原料を一括充填する。詳細には、先ず混合容器21内に粉体成分及び液体成分を含む配合原料のすべてを所定量充填する。
配合原料のうち、粉体成分は予め混合粉砕しておく。粉体成分の混合粉砕には、例えばロッキングミキサー、ハイスピードミキサー、ハンマーミル、ピンミル等、一般的な混合機を用いることができる。また、配合原料のうち、液体成分は、所定量の成分を必要に応じて加熱溶融して予め混合しておくことができる。
予備混合しておいた粉体成分と液体成分を混合容器21に順次充填する。これら配合成分を混合容器21内に充填した状態では、混合容器21内の温度を、超臨界状態とする流体の臨界温度Tc以上に設定しておく。また、混合容器21内に配置された攪拌翼23は未だ回転させず、配合原料は攪拌されない状態でよい。
超臨界状態とする流体としては、その種類に特に制限はない。例えば窒素、酸素、一酸化窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、空気などの気体類;ネオンやアルゴンなどの希ガス類;エタン、プロパン、ブタン、エチレンなどの有機ガス類;水などを用いることができる。これらのうち、常温、常圧に戻せばガス化して揮散してしまう気体を用いることは、何らエネルギーを必要とせずに、目的物である粉末混合物を単離することができる点から好ましい。また不燃性で無毒であり、臨界温度Tc(Tc=31.1℃)が低く、臨界圧力Pc(Pc=7.3MPa)が低く、臨界密度(0.47g/ml)が高く、溶質の溶解性が高く、また安価である点から、二酸化炭素を用いることがより好ましい。そこで以下の説明は流体として二酸化炭素を用いた場合のものとする。なお、液体成分の種類によってはエタノール等の助溶媒を超臨界流体とともに併用することもできる。
前記の状態下に、二酸化炭素を混合容器21内に導入する。本実施形態における、二酸化炭素導入開始からの運転条件(温度、圧力、攪拌周速度)を図2に示す。二酸化炭素の導入によって、混合容器21内の圧力は徐々に上昇する。また混合容器21内の温度は、上述のとおり臨界温度Tc以上に保たれている。混合容器21内の温度は、臨界温度Tc以上であればよいが、粉末化粧料中には熱に弱い成分(例えば香料等)が含まれていることがあるので、過度に高温にしないことが望ましい。この観点から、流体として二酸化炭素を用いる場合には、混合容器21内の温度を臨界温度Tc以上で、且つ120℃以下、特に100℃以下とすることが好ましい。
混合容器21内の圧力が臨界圧力Pc(Pc=7.3MPa)を超えて十分に上昇したら、二酸化炭素の導入を停止し、混合容器21内を一定の圧力に保つ。二酸化炭素は、臨界温度Tc/臨界圧力Pcを超えた領域で超臨界状態となって流体の性質が大きく変化し、溶質の溶解度が急激に増加するという特性を有している。混合容器21内の圧力は臨界圧力Pc以上であればよいが、液体成分を十分に溶解、分散させるため10MPa以上が好ましい。また、圧力の上昇と共に超臨界二酸化炭素の密度は増加し、粉体成分の流動性が良好となるため、圧力は高いほうが好ましい。圧力の上限は、設備の耐圧性やコスト、二酸化炭素の除去や減圧を効率的に行う観点から60MPa以下が好ましく、50MPa以下がより好ましい。
混合容器21内が超臨界状態に達したら、モータ24を始動させて攪拌翼23を回転させ、混合容器21内の攪拌を開始する。混合容器21内の内容物の混合状態は、主に混合容器21内の二酸化炭素の超臨界状態、つまり混合容器21内の温度及び圧力に依存する。これは、超臨界二酸化炭素の密度や液体成分の溶解度が、温度および圧力により変化するからである。液体成分の種類に応じて、前述の混合容器21内の温度及び圧力の条件を選び、内容物が均一に且つ充分に撹拌混合されるまで運転を継続する。攪拌混合時間は一般に5〜300分、特に10〜120分とすれば十分である。
超臨界状態の二酸化炭素は、液体に近い密度を持ち、液体のように物質を容易に溶解する。また気体のように大きな拡散度及び低い粘度を示す。このような超臨界二酸化炭素の性質によって、混合容器21内において液体成分は、超臨界二酸化炭素に溶解、分散した状態で均一に存在する。また粉体成分は、混合容器21内の攪拌翼23により混合容器21内全体に流動させられる。この結果、超臨界二酸化炭素中で、配合原料中の液体成分と粉体成分とが均一になじみ合う環境となる。
従来行われてきた乾式混合法では、混合過程において添加される液体成分が結合剤となって粉体成分が造粒されてしまい、均一に混合することは困難である。一方、湿式混合法では、粉体成分の表面の性状に応じて、使用する分散媒との親和性を考慮する必要があり、粉体との親和性に乏しい分散媒を用いると、粉体の分散、混合を充分に行うことができず、液体成分と均一に混合することは困難となる。また、使用した分散媒を除去し、乾燥する工程において、その表面張力により粉体の凝集が起こり、粉体の分散状態を維持することは困難となる。
図2に示すように、所定時間(図2では30分)混合の後、混合容器21を保温しつつ、攪拌翼23の回転数を下げて混合容器21内の攪拌を穏やかに行う。これと共に排出管25の弁V2を開き、混合容器21内の二酸化炭素を外部へ放出除去する。これによって混合容器21内の温度及び圧力が低下し、超臨界状態が破られる。即ち、二酸化炭素は超臨界状態から気体へと変化し、混合容器21内には粉末混合物が残る。放出除去された二酸化炭素は回収されて、次回以降の製造に再利用される。
混合容器21内の圧力を大気圧とした後、攪拌翼23の回転を停止し、混合容器21内から粉末混合物を取り出す。得られた粉末混合物は、配合されている液体成分が粉体成分の表面に均一に付着し、均一性のよい混合物となっている。
得られた粉末混合物は、そのままルースパウダーのような粉末化粧料として使用可能である。そのような粉末化粧料は、皮膚への密着感に優れ、滑らかで良好な感触を発現する。また、得られた粉末混合物を金属製や樹脂製の成型皿に充填して圧縮成型することにより固形粉末化粧料とすることもできる。そのような固形粉末化粧料の使用感は良好である。
次に本実施形態で用いられる粉末化粧料の配合原料について説明する。配合原料は、先に述べたとおり粉体成分及び液体成分を含んでいる。
粉体成分としては、化粧品分野で通常用いられる各種の粉体、例えば、体質顔料、着色顔料、光輝性顔料等が挙げられる。これらの粉体は、目的とする粉末化粧料の設計に応じて適宜組み合わせて用いることができ、配合原料中に好ましくは50〜98質量%含まれる。
粉体成分の具体例としては、体質顔料として、マイカ、タルク、セリサイト等の無機板状粉体や、N−アシル化リジン、アミドスルホン酸多価金属塩等の有機板状粉体等が挙げられる。着色顔料としては、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料や、タール色素やレーキ顔料等が挙げられる。光輝性顔料としては、例えば、雲母チタン、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス、合成金雲母、酸化鉄被覆雲母、金箔末等が挙げられる。また、雲母チタン、金雲母、シリカ粉末、ガラス粉末等の母体粉体に顔料を被覆した表面被覆光輝性顔料等が挙げられる。また、ナイロン、ポリメチルメタアクリレート、ウレタン、ポリエチレン、ポリシロキサンエラストマー等の球状粉体、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体が挙げられる。
粉末化粧料において、液体成分はバインダーとしての役割を持ち、化粧料を塗布した際の化粧膜の肌への付着性の面で重要である。
液体成分としては、通常化粧料に使用される油性又は水性の成分が含まれる。油性成分としては、例えば、動物油、植物油、合成油等の種類や性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。また、水性成分としては、低級アルコール、ポリオールのような水溶性成分が挙げられ、水も用いることができる。
液体成分の含有量は、粉末化粧料中に好ましくは3〜25質量%、より好ましくは5〜20質量%とする。この範囲内とすることで、成型性、塗布時の肌への付着性等が良好になる。
粉末化粧料の配合原料中には、上述の各成分に加え、通常の化粧料に使用される成分、例えば、固体脂、界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、冷感剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、香料等を適宜配合することができる。これらの成分は、前記粉体成分及び液体成分とともに、原料混合物として混合機に充填し、超臨界流体中での混合に供されてもよい。また、香料などの揮発性の高い成分は、超臨界流体除去後の粉末混合物に後添加してもよい。
以上の方法によって製造された粉末化粧料は、粉末混合物をそのままルースパウダータイプの粉末化粧料としたもの、あるいは、成型皿に充填して圧縮成型した固形粉末化粧料とすることができる。従って、例えばファンデーションや、アイシャドウ、アイカラー、アイライナー等の目元に使用するアイメイクアップ化粧料、或いはフェイスパウダーやほほ紅などのメイクアップ化粧料として好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
粉体成分88質量%及び液体成分としてのジメチルシリコーンオイル12質量%を含む配合原料を、図1に示す装置を用いて混合し、粉末混合物を得た。粉体成分の処方は以下の表1に示すとおりである。超臨界流体としては二酸化炭素を用いた。40℃に保たれた容積1リットルの混合容器21内に配合原料を充填し、そこに二酸化炭素を導入した。混合容器21内の圧力は30分間かけて25MPaまで上昇した。次いで系内の圧力をこの値に保ちつつ攪拌翼23を回転させ、超臨界二酸化炭素中で配合原料を混合した。攪拌翼23の回転数は、周速1.3m/sとした。混合時間は30分とした。30分経過後、攪拌翼23の回転数を周速0.1m/sまで落とし、穏やかに攪拌を継続させた状態下に二酸化炭素を混合容器21外へ除去した。混合容器21を保温しつつ、二酸化炭素の除去は30分かけて行った。それにより、反応容器21内の温度は35℃まで低下し、圧力は大気圧となった。得られた粉末混合物を、アルミニウム製金型を用いて圧縮成型し、固形粉末ファンデーションを得た。
〔実施例2〕
実施例1において、粉体成分を86質量%とし、液体成分を14質量%とする以外は実施例1と同様にして粉末化粧料を得た。
〔実施例3〕
実施例1において、粉体成分を92質量%とし、液体成分を8質量%とする以外は実施例1と同様にして粉末化粧料を得た。
〔比較例1〕
実施例1において、粉体成分を96質量%とし、液体成分を4質量%とした配合原料を用いた。この配合原料を用い、以下の方法で乾式混合を行い、粉末化粧料を得た。乾式混合は、粉体原料をミキサーにて混合した後、液体成分を添加し、さらに混合した。得られた粉末をアトマイザーにて粉砕し、メッシュを通したのち、金型を用いて金皿へ圧縮成型し、固形粉末ファンデーションを得た。
〔比較例2〕
比較例1において、粉体成分を88質量%とし、液体成分を12質量%とした配合原料を用いた以外は比較例1と同様にして乾式混合を行い、粉末化粧料を得た。
〔比較例3〕
比較例1において、粉体成分を92質量%とし、液体成分を8質量%とした配合原料を用いた以外は比較例1と同様にして乾式混合を行い、粉末化粧料を得た。
〔物性評価〕
実施例及び比較例で得られた粉末化粧料について、粉末化粧料の凝集状態の指標として比表面積を、また粉末化粧料の発色状態の指標として着色力(L値)を測定した。比表面積は、圧縮成型前の粉末混合物を対象として測定した。比表面積の測定には自動比表面積/細孔分布測定装置トライスター3000(株式会社島津製作所)を用いた。比表面積の値が大きいほど粉末が細かくて凝集の程度が小さいことを意味する。逆に比表面積の値が小さいほど粉末が大きくて凝集の程度が大きいことを意味する。着色力(L値)は、圧縮成型物を対象として測定した。着色力(L値)の測定には簡易型分光色差計(日本電色工業株式会社)NF333を用いた。着色力(L値)の値が大きいほど、明るい色を表し、発色が良好なことを意味する。その結果を、図3及び図4に示す。
図3及び図4に示す結果から明らかなように、実施例で得られた粉末化粧料は、比較例で得られた粉末化粧料に対して、比表面積が大きくなっていることがわかる。比較例の調製法では、ミキサーにより粉末化粧料の凝集がおこり、比表面積が小さくなる。また液体成分が増えると、そのような状態がより起こり易くなるため、液体成分の量により大きく比表面積が変化する。これに対して実施例では、液体成分は超臨界二酸化炭素の働きにより粉末成分と均一になじみ合うため、粉末化粧料の凝集は起こりにくく、比表面積が大きくなっている。また、液体成分の増加にともなう比表面積の低下の度合いも少なくなる。このため、使用時に粉末化粧料は容易に化粧膜を形成することができるため、感触が良好になることにつながる。
また実施例で得られた粉末化粧料は、比較例で得られた粉末化粧料に比較して、L値が大きく、発色が良好であることがわかる。
〔表面状態の観察〕
実施例1及び2並びに比較例1及び2で得られた粉末化粧料について、走査型電子顕微鏡による拡大観察を行った。その結果を図5(実施例1及び2)及び図6(比較例1及び2)に示す。これらの結果から明らかなように、実施例1及び2で得られた粉末化粧料では、板状の粒子や小粒径の粒子(着色顔料)が観察され、粉末化粧料の凝集が起きていないことがわかる。これに対して、比較例1では液体成分が少なく、実施例に比べ粉末化粧料の凝集が起こりにくい状態であるにもかかわらず、板状の粒子が層状に重なり合い、凝集を起こしかけていることが観察される。比較例2では、板状粒子は大きな塊であることが観察され、粉末化粧料の造粒が進んでいることが観察される。また、小粒径の粒子はほとんど観察されない。これらのことから、実施例は、比較例に比べ粉末化粧料の凝集を抑え、発色性を向上することが可能な粉末化粧料の製造方法であることがわかる。
〔官能評価〕
実施例1及び2並びに比較例1及び2で得られた粉末化粧料について、化粧品専門パネル10名が使用し、下記の評価基準により「滑らかな感触」、「やわらかい感触」、「粉の伸びの良い」、「ツキのよい」、「密着感のある」、「粉っぽさのない仕上がり」、「発色の良い」を評価した結果を、判定基準に従って判定し、その評価基準の平均値を、以下の表2示す。
評価基準
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
表2に示す結果から明らかなように、実施例1及び2の固形粉末ファンデーションは、滑らかで密着感のある感触で、発色のよい仕上がりであった。
〔実施例4〕
実施例1において、混合容器21内の温度を90℃とし、表3の処方を用い、実施例1に従って粉末化粧料を得た。得られた粉末化粧料を、金型を用いて金皿へ圧縮成型し、固形白粉を得た。
〔実施例5〕
実施例1において、表4の処方を用いて、実施例1に従って粉末化粧料を得た。得られた粉末化粧料を、金型を用いて金皿へ圧縮成型し、ほほ紅を得た。
〔実施例6〕
実施例1において、表5の処方を用いて、実施例1に従って粉末化粧料を得た。得られた粉末化粧料を、金型を用いて金皿へ圧縮成型し、アイシャドウを得た。実施例4〜6で得られた粉末化粧料はいずれも発色がよく、塗布時の感触に優れるものであった。
図1は、本発明の製造方法を実施する装置を示す概略図である。 図2は、超臨界流体による配合原料の混合の運転条件を示すグラフである。 図3は、実施例及び比較例で得られた粉末化粧料の比表面積を示すグラフである。 図4は、実施例及び比較例で得られた粉末化粧料のL値を示すグラフである。 図5(a)は、実施例1で得られた粉末化粧料の走査型電子顕微鏡像であり、図5(b)は、実施例2で得られた粉末化粧料の走査型電子顕微鏡像である。 図6(a)は、比較例1で得られた粉末化粧料の走査型電子顕微鏡像であり、図6(b)は、比較例2で得られた粉末化粧料の走査型電子顕微鏡像である。
符号の説明
10 製造装置
20 混合機
21 混合容器
22 ヒータ
23 攪拌翼
24 モータ
25 排出管

Claims (4)

  1. 粉体成分、並びに炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、及び油性ゲル化剤から選択される液体成分を含む配合原料すべてを超臨界流体中で混合し、次いで該流体を除去して粉末混合物を得る粉末化粧料の製造方法であって、液体成分の含有量が配合原料すべてに対して3〜25質量%である粉末化粧料の製造方法。
  2. 粉体成分、並びに炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、及び油性ゲル化剤から選択される液体成分を含む配合原料すべてを超臨界流体中で混合し、次いで該流体を除去し、得られた粉末混合物を成型皿内で成型する粉末化粧料の製造方法であって、液体成分の含有量が配合原料すべてに対して3〜25質量%である粉末化粧料の製造方法。
  3. 超臨界流体として二酸化炭素を用いる請求項1又は2記載の粉末化粧料の製造方法。
  4. 請求項1ないし3の何れかに記載の方法で製造された粉末化粧料。
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