JP5947083B2 - 固形粉体化粧料及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、いわゆる湿式法で作製された固形粉体化粧料に関し、特に、ケーキングが起き難く、使用性、及び分散性に優れた固形粉体化粧料及びその製造方法に関する。
アイカラーやチークなどの粉体化粧料は、粉体成分と、結合剤としての油剤を混合したのちヘンシェルミキサー等で分散させ、さらにアトマイザー等の粉砕機にて解砕してバルクを作製し、金属や樹脂製の中皿等にバルクを充填して、油圧装置等で高圧プレスを行い成型する方法(乾式法)と、粉体成分と油剤で、前記乾式法と同様にバルクを作製した後、揮発性溶媒に添加と混合してスラリー化する湿式混合を行いし、次いでスラリーを容器に充填し真空吸引などで揮発性溶媒を除去して粉体固形化する、いわゆる湿式法により製造されている。
湿式法においてでは、バルクと溶媒を混合しスラリー化する工程がある為、油剤が粉体成分に均一に分散しやすく、肌へ塗布したときの感触も概ね良好となる。また充填時に粒子の配列が揃う上、低圧での成型のため成型時のパールの潰れがおこらないため乾式法と比較してパール感を出すことが出来るという利点がある。
しかしながら、使用する油剤によっては溶媒に溶解しない為、依然分散不良は解消されておらず、当該油剤の分散不良に起因してケーキングが生じ、不具合が生じていた。また、通常のバルク製造工程とスラリー製造の二段階の製造となり手間と時間がかかり、コスト増になるという問題点があった。
そこで、油剤の分散性を改善する目的で、媒体撹拌ミルを用いて混合する方法(特許文献1)が開示されているが、雲母チタン等に代表されるパール顔料を含んだ粉末化粧料を製造した場合、それらが細かく粉砕されてしまいパール本来の光沢感が失われるという問題点があった。
また、パール以外の粉体成分と油剤とを湿式製法により均一に混合した後乾燥させ、さらにパールを加えて乾式充填する方法(特許文献2)が開示されているが、多くの工程を含み煩雑である上、乾式プレス時にかかる圧力によりパールがつぶれてしまい、やはり光沢感が減少してしまうという問題点があった。
ケーキングを防止する方法としては、高粘性の非極性シリコンを配合し特定の粉砕工程を用いてバルクを製造する方法(特許文献3)や、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物、ポリテトラフルオロエチレン粉体、異種のオルガノポリシロキサンからなる複合粉体、その他粉体及び油剤を各特定量含有する方法(特許文献4)が開示されているが、それぞれ製造工程及び成型時にパールがつぶれてしまい、光沢が失われるという問題点があった。
パール感を向上させる方法として、湿式法の溶媒を不揮発性油剤又はシリコーン油とする方法(特許文献5)が開示されているが、使用する他の油剤との組み合わせによっては油剤の偏在化が発生し、結果ケーキングが起こりやすくなるという問題点があった。
特開2001−213722 特開2007−055990 特開2009−242260 特開2003−246711 特開2007−291074
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、油剤分散性に優れ、ケーキングが発生しない、使用感に優れ、パール感も良好な固形粉体化粧料を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明者らが鋭意研究を行った結果、特定の油剤を用いることにより油剤の分散性が向上し、ケーキングが生じず、良好な使用感と優れたパール感のある固形粉体化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。更には、特定の油剤量や、製造方法を用いることにより、前記効果が高められる。
本発明によれば、多量の粉体を含む製剤でありながらも油剤を多く配合することができ、またその油剤を粉体に均一に分散でき使用感触の良好な固形粉体化粧料が得られる。またバルク製造時にスラリー状態になるため一気に充填まで行え、製造時間を短縮し、余分な手間も省くことができる。さらにバルク製造時、充填時ともに過剰な力がかからないためパールがつぶれにくく、充填時には粒子が均一に配列するため強いパール感の製品を作ることが可能である。よって少ないパールの配合量でもパール感を出すことができ、価格の高いパール成分の配合量が削減できるため原料コストも低くすることができる。
以下、本発明に係る粉体化粧料の製造方法及び当該製法により得られる粉体化粧料の最良の形態に関し、詳細に説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものでないことは、言うまでもない。
本発明に用いる(A)粉体とは、固形粉体化粧料に配合可能な粉体であれば特に限定されない。例えば、タルク、マイカ、セリサイト、シリカ、カオリン、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、焼成タルク、焼成セリサイト、焼成白雲母、焼成金雲母、合成金雲母、合成金雲母鉄、合成フッ素金雲母、酸化チタン、酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄、酸化亜鉛、窒化ホウ素、水酸化アルミニウム、ラウリン酸亜鉛、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、無水ケイ酸、(タルク/フッ化カリウム)焼成物、ナイロン−6、ナイロン−12、セルロース、アルミナ、ジメチルシリル化シリカ、シリコーンエラストマー粉末、シリコーン粉末、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、セルロース粉末ラウロイルリシン、ポリアクリル酸アルキル、ポリメタクリル酸メチル、ポリテトラフルオロエチレン、グンジョウ、コンジョウ、ベンガラ、青色404号、赤色201号、赤色202号、赤色220号、赤色226号、黄色4号、黄色202号、黄色205号などが挙げられる。
(A)粉体の配合量は化粧料基剤(スラリー作成前の混合物を指す。以下同じ。)全体量に対して50〜95質量%であり、好ましくは60〜90質量%である。50質量%未満では粉体化粧料としての特長が失われ、95質量%を越えて配合すると成型性を維持できない。
本願発明においては(B)95%エタノールの質量2に対し、油剤の質量1となる比率で混合した際に透明で溶解する油剤を少なくとも1種以上含む。当該特徴を有する1種類の油剤のみを使用しても良いし、当該特徴を有する油剤を複数含有しても良い。勿論当該特徴を有する油剤の他に、当該特徴に該当しない油剤と混合しても良い。本発明で溶解性の確認に用いた95%エタノールは、日本アルコール販売株式会社で一般に市販されている合成アルコール95度を用いた。
(B)95%エタノールの質量2に対し、油剤の質量が1となる比率で混合した際に透明で溶解する油剤について、ここで言う「透明に溶解する」とは、各液体を混合撹拌したものを、分光光度計で測定した際に550nmでの透過率が95%以上の値を示すことを言う。
具体的には、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジエチルヘキシル、イソノナン酸イソトリデシル、メチルフェニルポリシロキサン、オクチルドデカノールなどが好適に使用できる。
(B)95%エタノールの質量2に対し、油剤の質量が1となる比率で混合した際に透明で溶解する油剤の配合量は、化粧料基剤に添加する油剤全体に対して60質量%以上であり、好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上である。60質量%未満では粉末成分に対する油剤の分散性が悪くなり、ケーキングを起こす可能性がある。
上記油剤を利用することによって、化粧料基剤全体に対する油剤総量は20%以上配合することが可能になり、50%程度まで配合することが可能になる。つまり、従来より多くの油剤を配合できるので密着感の高い化粧料を得ることが出来る。
本願発明における湿式法では無水エタノール又は、精製水とエタノール混液を揮発性溶媒として用いるが、ここで言う無水エタノール又は、精製水とエタノール混液とは、エタノールの割合が50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。50質量%未満のエタノールを溶媒とすると、使用する油剤との組み合わせによっては油性成分と溶媒が分離するため、スラリー内で油性成分の偏在化が起こりやすく、結果ケーキングする可能性が高くなる。
揮発性溶媒の量は、粉体成分と油性成分と溶媒とを混合して作製するスラリーが、湿式充填が可能な状態である範囲であればよい。その割合は揮発性溶媒やその他成分によって異なるが、溶媒に95%エタノールを用いた場合、概ね化粧料基剤の全体質量に対し、使用する溶媒の質量は30〜70%程度である。化粧料基剤の全体質量に対する揮発性溶媒の量が少なすぎると、湿式法を行うためのスラリーが作製できず、揮発性溶媒の量が多すぎると、スラリーの流動性が高くなりすぎてしまい、湿式法での充填ができなくなる。
また、無水エタノール又は、精製水とエタノール混液以外の揮発性溶媒を用いた場合についても、同様に各々のスラリーの状態に応じて最適な量を選択することが可能である。
上記必須成分の他に本発明の効果を損なわない範囲で、界面活性剤、防腐剤、薬剤、紫外線吸収剤、保湿剤、殺菌剤、樹脂、上記特定の油剤以外の油剤等の配合が可能である。但し、一般の化粧品に適用できる成分であればよく、上記の成分に限定されるものではない。
本願発明における固形粉体化粧料は、粉体と油剤を予め混合してバルクを作製してから揮発性溶媒と混合し、スラリーを作製し、プレスを行い、揮発性溶媒を除去する、いわゆる湿式法で製造することが出来る。さらに詳細には、本発明は配合された特定の油剤と溶解性の高いエタノールを含む揮発性溶媒を用いて充填を行なう。そのことで今までは攪拌力だけで混合していたものが、溶媒和による分散を利用できるようになる。つまり、今までは物理的な混合だけであったものが、化学的な溶解力を用いることで格段に混合分散効率が向上し様々な利点が生じる。たとえば今までは、攪拌力が足りなくてバルク中で部分的に油分の高濃度な部分がどうしてもできてしまっていた。そのことでプレス成型する際に、高濃度の油分のところが部分的に粉同士の付着性が高くなりすぎてしまい、パフなどの化粧用具を用いても固化して取れないというケーキングが発生していたが、本発明の技術により油分の分散性の向上することでケーキングが起こりにくくなる。
また、高い均一性で粉体を油分がコーティングするため、塗布時のなめらかさが向上する。
更には一般の湿式法とは異なり、粉体と油剤を予め混合してバルクを作製してから揮発性溶媒と混合し、スラリーを作製するのではなく、最初から粉体と油剤と特定の揮発性溶媒と一緒に混合し、エアシリンダー等の圧力によりプレスし、その後揮発性溶媒を真空吸引や揮発等により取り除く方法で作製することも出来る。
この製造方法を用いることにより、乾式での粉体製造を行う必要がなくなるため、多量の粉体を含む製剤でありながらも油剤を多く配合することができ、またその油剤を粉体に均一に分散できるため、ケーキングを防ぎながらも使用感触の良好な固形粉体化粧料が得られる。またバルク製造時にスラリー状態になるため一気に充填まで行え、製造時間を短縮し、余分な手間も省くことができる。今までは、乾式での粉体製造で顔料を展色させるという粒子同士の衝突エネルギーによる非効率的な顔料の分散をおこなっていた。この場合、硬く2次粒子を形成している顔料では分散不良をおこして顔料の粒ができてしまい、外観不良や、実際の使用時に濃い色のスジが引くという問題が起こりやすい。ところが本発明の製造方法ではあらかじめローラーなどの分散機を用いて顔料を小量の油分に分散させておくことことができるので、顔料の分散性を格段に向上させることができる。またあらかじめ顔料の分散を行っておくことで、パールを配合する際には、ディスパーや、プロペラ攪拌機などの低エネルギーの混合機で製造することができるため、過剰な力がかかりにくく、配合しているパールが粉砕されない。なおかつ充填時には粒子が均一に配列するため、強いパール感の製品を作ることが可能である。これらの理由により、少ないパールの配合量でもパール感を出すことができ、価格の高いパール成分の配合量が削減できるため原料コストも低くすることができる。しかも成型性が良好なため、処方的自由度が高く多量のパールを配合することができる。
以上のような方法で得られる粉体化粧料は、例えば、アイシャドウ、フェースカラー、ファンデーション等として用いることができる。
以下に本発明の実施例を挙げてさらに具体的に説明する。配合量は粉体化粧料全体量に対する質量%である。本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。
本実施形態にかかる粉体化粧料の製造方法は、一般の湿式法で製造することが出来る。
前記(A)成分の粉体と、(B)成分の油剤、必要に応じてその他の油剤とを混合する一次混合工程後、揮発性溶媒を添加してスラリー化する湿式混合を行うスラリー調整工程を経て、スラリーを乾燥して乾燥粉体を得る乾燥工程によって製造出来る。
<粉体成分と油性成分とを混合する一次混合工程>
(A)粉体成分と、(B)前記条件を満たす油剤、必要に応じて任意のその他の成分を、所望の使用感に応じて計量する。前記(A)成分と(B)成分は、簡易的に混合すると、均一混合の面で好ましい。その他の任意成分については、その性状に応じて、予め粉体成分と混合しても良いし、油剤と混合することも出来る。
これら計量した各成分を、ヘンシェルミキサー(登録商標)やパルペライザー等にて粉砕混合し、一次混合物とする。
<スラリー調整工程>
スラリー調整工程には、以下のような工程が挙げられる。
(1)前記一次混合物を、揮発性溶媒中に添加し、プロペラなどの回転翼、ディスパーミキサー、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、および二軸混練機などにより混合/分散する方法。
(2)前記一次混合物を揮発性溶媒中に添加し、必要があればディスパーミキサーなどで予備混合した後に、プロペラなどの回転翼により分散処理を行う方法。
<スラリー充填工程>
化粧料基剤と揮発性溶媒を混合してスラリーを作成し、湿式充填機等を用いて金属や樹脂製の中皿に充填する。エアシリンダー等により低圧でプレスする。
<スラリー乾燥工程>
スラリー乾燥工程には、以下のような工程が挙げられる。
(1)50℃程度の高温条件下に静置して一気に溶媒を揮発させ、数時間で乾燥させる方法。
(2)30℃程度の低温条件下で静置してゆっくり溶媒を揮発させ、一昼夜かけて乾燥させる方法。本方法では溶媒の揮発に伴って溶媒溶解性物質が上層に引っ張られ、濃度勾配が生じてしまう現象を抑えることができる。
本願においては、新規の湿式法を提供する。
従来の湿式法では、一次混合工程、スラリー調整工程、スラリー充填・乾燥工程の三段階の工程で製造されるが、本願においては、一次混合工程度スラリー調整工程を同時に行った後、スラリー充填・乾燥工程を行うことで目的物を得る事が出来る。
具体的には、(A)成分と、(B)成分と揮発性溶媒、必要に応じて加えるその他の成分を同時に混合する工程後、スラリー充填・乾燥工程を行うことで、目的物を得る。
(製造例1)アイシャドウ
(処方1)(%は質量%)
1.TIMICA EXTRA BRIGHT 1500(*1)・・・10%
2.セリサイト・・・37.5%
3.タルク・・・10%
4.マイカ・・・15%
5.ベンガラ・・・1.5%
6.黒酸化鉄・・・0.4%
7.青色404号・・・0.1%
8.コハク酸ジエチルヘキシル・・・12.5%
9.メチルフェニルポリシロキサン・・・10%
10.リンゴ酸ジイソステアリル・・・2.5%
11.トコフェロール・・・0.1%
12.セスキオレイン酸ソルビタン・・・0.3%
13.メチルパラベン・・・0.1%
*1 BASF社製 雲母チタン
(製法1)
1〜7および13をヘンシェルミキサーで予備混合した後、8〜12を加えヘンシェルミキサーで均一に混合し、粉砕機で処理して化粧料基剤を得た。得られた化粧料基剤に80%エタノールを揮発性溶媒として0.4倍量加えて(化粧料基剤:揮発性溶媒=5:2)プロペラミキサーで均一になるまで混合しスラリーを得た。その後、得られたスラリーを湿式充填機にてプラスチック製充填皿に入れ、乾燥して試料を得た。
チップで取り続けても最後までケーキングせず、油剤の分散が良好であった。さらに、しっとりした使用感であり、密着感の高い仕上がりであった。
(製造例2)アイシャドウ
(処方2) (%は質量%)
1.FLAMENCO SUMMIT RED(*2)・・・7%
2.HELIOS R100Y−A(*3)・・・3%
3.球状シリカ・・・2%
4.タルク・・・17.1%
5.セリサイト・・・41.3%
6.窒化ホウ素・・・6%
7.ラウリン酸亜鉛・・・2%
8.ベンガラ・・・1%
9.黒酸化鉄・・・0.05%
10.赤色226号・・・0.05%
11.イソノナン酸イソトリデシル・・・15%
12.エチルヘキサン酸セチル・・・5%
13.トコフェロール・・・0.1%
14.セスキオレイン酸ソルビタン・・・0.3%
15.エチルパラベン・・・0.1%
*2 BASF社製 雲母チタン
*3 トピー工業社製 酸化チタン被覆合成金雲母
(製法2)
1〜10および15をヘンシェルミキサーで予備混合した後、11〜14を加えヘンシェルミキサーで均一に混合し、粉砕機で処理して化粧料基剤を得た。得られた混合物に90%エタノールを揮発性溶媒として0.4倍量加えて(化粧料基剤:揮発性溶媒=5:2)プロペラミキサーで均一になるまで混合しスラリーを得た。その後、得られたスラリーを湿式充填機にて金属製充填皿に入れ、乾燥して試料を得た。
チップで取り続けても最後までケーキングせず、油剤の分散が良好であった。さらに、しっとりした使用感であり、密着感の高い仕上がりであった。
(製造例3)チーク
(処方3) (%は質量%)
1.HELIOS R100S(*4)・・・10%
2.球状シリカ・・・2%
3.タルク・・・10%
4.セリサイト・・・51.1%
5.ナイロン12パウダー・・・6%
6.ポリテトラフルオロエチレン・・・8%
7.ラウリン酸亜鉛・・・2%
8.ベンガラ・・・0.3%
9.黒酸化鉄・・・0.05%
10.赤色226号・・・0.05%
11.オクチルドデカノール・・・10%
12.トコフェロール・・・0.1%
13.セスキオレイン酸ソルビタン・・・0.3%
14.エチルパラベン・・・0.1%
*4 トピー工業社製 酸化チタン被覆合成金雲母
(製法3)
1〜10および14をヘンシェルミキサーで予備混合した後、11〜13を加えヘンシェルミキサーで均一に混合し、粉砕機で処理して化粧料基剤を得た。得られた化粧料基剤に50%エタノールを揮発性溶媒として0.5倍量加えて(化粧料基剤:揮発性溶媒=2:1)プロペラミキサーで均一になるまで混合しスラリーを得た。その後、得られたスラリーを湿式充填機にてプラスチック製充填皿に入れ、乾燥して試料を得た。
ブラシで取り続けても最後までケーキングせず、油剤の分散が良好であった。さらに、しっとりした使用感であり、密着感の高い仕上がりであった。
(製造例4)
以下の処方において、本願新製法を用いてアイシャドウを作成した。
(処方4)(%は質量%)
1.TIMICA EXTRA BRIGHT 1500・・・7%
2.HELIOS R100S・・・13%
3.セリサイト・・・12.5%
4.タルク・・・10%
5.マイカ・・・15%
6.ベンガラ・・・1.5%
7.黒酸化鉄・・・0.4%
8.青色404号・・・0.1%
9.コハク酸ジエチルヘキシル・・・30%
10.流動パラフィン・・・5%
11.エチルヘキサン酸セチル・・・5%
12.エチルヘキシルグリセリン・・・0.1%
13.トコフェロール・・・0.1%
14.セスキオレイン酸ソルビタン・・・0.3%
(製法4)
あらかじめ6〜8と11をローラーで処理して分散させた。そこに9、10、12〜14を加えた後、1〜5と70%エタノールを揮発性溶媒として他成分の0.2倍量加え(化粧料基剤:揮発性溶媒=5:1)、ディスパーを用いて均一になるまで分散を行った。その後、得られたスラリーを湿式充填機にて金属製充填皿に入れ、乾燥して試料を得た。
チップで取り続けても最後までケーキングせず、油剤の分散が良好であった。製法4においては、粉体成分と油剤と溶媒とを同時に混合した後、揮発性溶媒を除去する製造方法を用いているので、非常にしっとりした使用感であり、密着感の高い仕上がりであった。
油剤総量と、(B)成分に該当する油剤が化粧料の油剤総量に対して占める割合と、揮発性溶媒の種類が、化粧料の油分散およびケーキングと、使用感に及ぼす影響を確認する実験を行った。
実施例1〜9、比較例1〜4については、下記の製法にて化粧料を作製し、効果を確認した。
表1に示した(A)粉体成分と、その他の粉体成分と、その他パラベン等の任意成分をヘンシェルミキサーで予備混合した後、(B)95%エタノールの質量2に対し、油剤の質量が1となる比率で混合した際に透明で溶解する油剤と、その他の油性成分を入れヘンシェルミキサーで均一に混合し、粉砕機で処理して化粧料基剤を得た。得られた化粧料基剤を所定の揮発性溶媒と混合してプロペラミキサーで均一になるまで混合しスラリーを得た。その後、得られたスラリーを湿式充填機を用いてプラスチック製充填皿に成型した。(乾燥工程)30℃に調整したインキュベーターに6時間以上保管を行って、化粧料を乾燥し、粉体化粧料を得た。
実施例10及び実施例11については、下記の製法にて化粧料を作製し、効果を確認した。
表2に示したその他成分のうち、着色剤と少量の油剤をローラーで処理して分散させた。そこに残りの油性成分を加えた後、(A)粉体成分とその他パラベンを含む粉体成分等の任意成分、(B)95%エタノールの質量2に対し、油剤の質量が1となる比率で混合した際に透明で溶解する油剤と、所定の揮発性溶媒を加え、ディスパーを用いて均一になるまで分散を行った。その後、得られたスラリーを湿式充填機を用いてプラスチック製充填皿に成型した。(乾燥工程)30℃に調整したインキュベーターに6時間以上保管を行って、化粧料を乾燥し、粉体化粧料を得た。
表1、表2で製造した各粉体化粧料に関し、専門パネラー20名を用いて、次の基準で官能評価を行った。
<評価方法>
(ケーキング(油分散))
表1、2で得られた各粉体化粧料に関し、化粧料用チップでの取り切り試験を行い、下に示す評価基準で評価を行った。
(使用感(密着感))
表1、表2で製造した粉体化粧料の内、一つの化粧料を20名の専門パネラーが自分の顔に一定量塗布し、塗布時(使用時)の密着感を下に示す評価基準で評価した。パネラーは評価後、十分洗顔をし、化粧水、乳液を塗布し、30分以上たった後に、次の処方の化粧料を使用し、次の化粧料の官能評価を行った。
(使用時のパール光沢感)
表1、表2で製造した各粉体化粧料を一人のモデルに一定量塗布し、塗布時(使用時)のパール感を下に示す評価基準で評価した。モデルは、専門パネラーの評価終了後、十分洗顔をし、化粧水、乳液を塗布し、30分以上たった後に、次の処方の化粧料を使用し、次の化粧料の官能評価を行った。
<評価基準>
(ケーキング(油分散))
◎:ケーキングせず、最後まで取り切れた。
○:ややケーキングがみられたが、最後まで取り切れた。
×:ケーキングが起こり、途中で取れなくなった。
(使用感(密着感))
◎:20名中、16名以上が、十分な密着感を感じると回答。
○:20名中、9〜15名が、十分な密着感を感じると回答。
×:20名中、8名以下が、十分な密着感を感じると回答。
(使用時のパール光沢感)
◎:20名中、16名以上が、十分なパール光沢感を感じると回答。
○:20名中、9〜15名が、十分なパール光沢感を感じると回答。
×:20名中、8名以下が、十分なパール光沢感を感じると回答。
実施例1〜6、比較例1,2より特定油剤が全油剤中60%以上であると、油剤の偏在化によるケーキングが抑えられる上、使用時の密着感が向上する。実施例7、8、比較例3、4より、特定油剤が全油剤中60%以上であり、さらに揮発性溶媒を限定した場合、油剤の偏在化による取れの不均一性が抑えられる上、使用時の密着感も向上する。実施例9〜11より、特定油剤を全油剤中の60%以上含む粉体化粧料において、粉体成分と油剤と溶媒とを同時に混合した後、揮発性溶媒を除去する製造方法を用いることで、より油分散に優れてパール光沢感の強い製品を得ることができる。
なお、バルク製造の乾式、湿式に関わらず、充填性について特に変化はなく常法で成型することができた。
本発明によれば、特定の油剤を用いることにより油剤の分散性が向上し、ケーキングが生じず、良好な使用感と優れたパール感のある固形粉体化粧料を提供することが可能になる。また、製造法によっては製造時間を短縮で
きる上、パール成分の配合量が削減できるためコストを抑えることも可能になる。

Claims (2)

  1. 無水エタノールまたはエタノールと精製水の混合液であり、エタノールが50%以上の濃度である混合液を揮発性溶媒として使用した湿式法により製造された固形粉体化粧料の製造方法において、
    (1)下記(A)、(B)、(C)をそれぞれ調製するステップと、
    (2)得られた(A)、(B)、(C)を同時に混合するステップと、
    (3)揮発性溶媒を除去し成型するステップ
    を含む固形粉体化粧料の製造方法。

    (A):粉体成分
    (B):リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジエチルヘキシル、イソノナン酸イソトリデシル、メチルフェニルポリシロキサン、オクチルドデカノールから選択される1種または2種以上を含み、その総量が、油剤総量に対して60質量%以上配合する油剤成分。
    (C):揮発性溶媒
  2. 前記油剤総量は、固形粉体化粧料全体に対して20〜50質量%配合する、請求項1に記載の固形粉体化粧料の製造方法。
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