JPWO2007069430A1 - 微粒子酸化チタン分散物及びそれを含む化粧料 - Google Patents

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Abstract

本発明は、透明感のある自然な仕上がり感が得られ、UVA・UVB両域において優れた紫外線防御効果を有し、経時安定性の良い微粒子酸化チタン分散物を提供する。本発明の微粒子酸化チタン分散物は、平均長軸径30〜100nm、平均短軸径8〜50nmである微粒子酸化チタンが、疎水性分散媒中に平均分散粒子径80〜110nmで分散していることを特徴とする。前記微粒子酸化チタン分散物においては、疎水性分散媒全体に対して、シリコーン系油分が10〜100質量%であることが好適である。また、前記微粒子酸化チタン分散物は、さらに分散剤として、両末端シリコーン化ポリグリセリンを含むことが好適である。前記微粒子酸化チタン分散物は化粧料に好適に配合できる。

Description

関連出願
本出願は、2005年12月14日付け出願の日本国特許出願2005−360471号の優先権を主張しており、ここに折り込まれるものである。
本発明は微粒子酸化チタン分散物及びそれを含む化粧料、特に微粒子酸化チタンを油性分散媒中に分散させた微粒子酸化チタン分散物に関する。
紫外線は、波長が320〜400nmの長波長紫外線(UVA)、290〜320nmの中波長紫外線(UVB)及び290nm以下の短波長紫外線(UVC)に分類される。
これらのうち、UVA及びUVBは、オゾン層により吸収・散乱されることなく地上に到達し、様々な悪影響を及ぼす。具体的にはUVBは、紅斑や水疱等を引き起こすことが知られており、UVAは、皮膚の黒化を引き起こすだけでなく、全身の免疫機能を低下させることや皮膚癌の発生を誘発すること等が解明されつつある。
このような人体への悪影響を防ぐために、各種の紫外線防御剤が開発されてきた。特に、酸化チタンは、化学的・物理的に安定な安全性の高い紫外線防御剤として、化粧料、塗料、化学繊維等の分野において最も頻繁に用いられている。
酸化チタンにおける紫外線遮蔽作用は、紫外線の吸収と散乱に基づくものである。
(1)吸収効果
酸化チタンは、電気的に半導体構造を有しており、価電子帯と伝導帯が連続でないため、両準位間のエネルギー差であるバンドギャップ以上のエネルギーに相当する波長の光を吸収する。酸化チタンは、主にUVB領域を吸収する。
(2)散乱効果
酸化チタンの光散乱能は、粒子径と光の波長との関係に依存している。微粒子酸化チタンの粒子径が光の波長と同程度であるとMie散乱が起こり、波長の1/2付近で最大となる。粒子径がさらに小さいと(波長の約1/10以下)、光の散乱はRayleigh散乱になり、その散乱能は波長の4乗に反比例して小さくなる。
従って、可視光領域の透過性を維持しつつ、紫外線を有効に遮蔽するためには、粒子径を適宜制御する必要がある。
中でも近年では、透明性の点から、可視光の散乱能が小さくなるよう、可視光の波長より十分に小さい微粒子酸化チタン(100nm以下)が主流となっている。
例えば特許文献1〜4には、微粒子酸化チタンを油性分散媒中に分散させた分散物が開示されている。
特開平09−208438号公報 特開2002−80771号公報 特開2004−2887号公報 特開2004−35632号公報
しかしながら、可視光の散乱能が小さい粒子径範囲では、可視光のみならず紫外線(特にUVA)の散乱能も小さいことが多く、高い透明性と優れた紫外線遮蔽能とを両立させることは困難であった。
また微粒子酸化チタンは、粒子間の凝集力が強く、いくら一次粒子径を細かくしても、組成物中で凝集して大きな二次粒子を形成してしまうことが多く、化粧料に使用すると色がくすんで透明感が損なわれたり、塗布時の伸びが悪くなったり、あるいは例え配合量を増加させても期待する紫外線防止効果が得られないことがあった。
本発明の目的は、透明感のある自然な仕上がり感が得られ、UVA・UVB両域において優れた紫外線防御効果を有し、経時安定性の良い微粒子酸化チタン分散物を提供することにある。
上記事情を鑑み、本発明者等が鋭意検討を行った結果、一次粒子径と分散粒子径の両方を特定することにより、透明感を有しながらもUVA・UVB両域における紫外線防御能に優れ、しかも再凝集を生じにくく経時安定性の良い微粒子酸化チタン分散物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第一の主題は、平均長軸径30〜100nm、平均短軸径8〜50nmである微粒子酸化チタンが、疎水性分散媒中に平均分散粒子径80〜110nmで分散していることを特徴とする微粒子酸化チタン分散物である。
前記微粒子酸化チタン分散物においては、疎水性分散媒全体に対して、シリコーン系油分が10〜100質量%であることが好適である。
前記微粒子酸化チタン分散物は、さらに分散剤として、両末端シリコーン化ポリグリセリンを含むことが好適である。
本発明の第二の主題は、前記微粒子酸化チタン分散物を含む化粧料である。
本発明においては、微粒子酸化チタンの平均一次粒子径を長軸径30〜100nm、短軸径8〜50nmとし、平均分散粒子径を80〜110nmとすることにより、透明感と紫外線防御能共に優れ、経時安定性の良い微粒子酸化チタン分散物が得られる。
エーテル結合により得られる両末端シリコーン化ポリグリセリンの合成スキームを示す図である。 両末端シリコーン化ポリグリセリンを分散剤として用いた場合の微粒子酸化チタン分散安定性を示す模式図である。 製造例1で合成した両末端シリコーン化ポリグリセリンのIRスペクトルである。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
1.微粒子酸化チタン分散物
本発明の微粒子酸化チタン分散物は、平均長軸径30〜100nm、平均短軸径8〜50nmの微粒子酸化チタンを、疎水性分散媒中に平均分散粒子径80〜110nmで分散させたものである。
[微粒子酸化チタン]
本発明における微粒子酸化チタンは、平均短軸径8〜50nm、平均長軸径30〜100nmであることを特徴とする。これより大きくても小さくても紫外線遮蔽効果が低くなり、配合量を増量する必要がでてくる。また、粒子径が小さすぎると、粒子間の凝集力が強く、分散が困難になる。
微粒子酸化チタンの形状及び結晶状態は任意であり、目的に応じて選択すればよい。例えば、粒(球)状、針状、紡錘状、板状、薄片状等の形状で、アモルファス、アナターゼ、ルチル等の結晶状態のものを適宜用いることができる。
特に、微粒子酸化チタンの平均短軸径は30〜50nmであることが好ましい。また、平均短軸径と平均長軸径の比は1〜5、特に2.5〜5であることが好ましい。
微粒子酸化チタンは、必要に応じて公知の方法にて表面を疎水化して用いることもできる。
疎水化処理剤としては、特に限定されず、通常公知の疎水化処理剤を用いることができる。具体的には、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン化合物;パーフルオロアルキル基含有エステル、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルキル基を有する重合体等のフッ素化合物;流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ラノリン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス等の油剤;ラウリン酸、ステアリン酸アルミニウム等の金属石鹸;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート等の有機チタネート化合物;パーフルオロアルキルシラン、オクチルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
[疎水性分散媒]
本発明において用いられる疎水性分散媒としては、流動パラフィン、スクワラン、イソパラフィン、分岐鎖状軽パラフィン、ワセリン、セレシン等の炭化水素油、イソプロピルミリステート、セチルイソオクタノエート、グリセリルトリオクタノエート等のエステル油、デカメチルペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油等が挙げられる。
本発明において、疎水性分散媒としては、特にシリコーン系油分が好適に用いられる。具体的には、疎水性分散媒全体に対して、シリコーン系油分は10〜100質量%、特に50〜100質量%、さらに70〜100質量%であることが好適である。
シリコーン系油分としては、本発明の効果が損なわれなければ特に制限されず、鎖状ポリシロキサン、環状ポリシロキサン、変性シリコーン、シリコーン系樹脂等を使用することができるが、特に、常圧における沸点が200℃以下のものが好適である。例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン等の環状ポリシロキサン等が挙げられる。
この中で、低重合度ジメチルポリシロキサン(重合度3〜7)等の揮発性鎖状ポリシロキサンや、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状揮発性ポリシロキサン等の揮発性シリコーン油を用いた場合には、皮膚に塗布した際にオイル感が残りにくく、さっぱりとした使用感が得られるため特に好適である。
[分散剤]
本発明においては、微粒子酸化チタンの分散性を更に良くし、分散物の経時安定性を向上するために、分散剤を使用することもできる。分散剤としては、疎水性分散媒に可溶なものであれば特に限定されず、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリエーテル変性シリコーン油、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらの分散剤は、単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
分散剤としては、特に両末端シリコーン化ポリグリセリンを用いることが好ましい。両末端シリコーン化ポリグリセリンを分散剤として用いると、分散物の経時安定性がより良好になる。
両末端シリコーン化ポリグリセリンとしては、下記一般式(a)で表されるものが挙げられる。
一般式(a):
Figure 2007069430
式中、R1は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基であり、R2は炭素数2〜11のアルキレン基であり、mは10〜120、nは1〜11である。
好適な両末端シリコーン化ポリグリセリンの例として、下記一般式(b)で表される両末端シリコーン化ポリグリセリンが挙げられる。
一般式(b):
Figure 2007069430
式中、R1は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基、mは10〜120、nは1〜11である。
両末端シリコーン化ポリグリセリンの基本構造はBAB型トリブロック共重合体であり、Bは、例えば下記構造式(c)で示される片末端水素残基シリコーンなどを用いることができる。
Aはポリグリセリン残基である。
下記構造式(c)の片末端水素シリコーンは公知の化合物である。そして、任意の重合度のBAB型トリブロック共重合体が公知の方法により製造出来る。
構造式(c):
Figure 2007069430
式中、R1はそれぞれ、炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基、mは10〜120の数である。
AとBとの間の結合は本発明にとって本質的な構造ではないが、本発明に例示される両末端シリコーン化ポリグリセリンは、前記構造式(c)の化合物と下記構造式(d)で示す化合物を、白金触媒を用い、エーテル結合により結合させたものである。
構造式(d):
Figure 2007069430
式中、nは1〜11の数である。
BAB型トリブロック共重合体は公知の方法により合成することが出来る。合成スキームを図1に示す。
このようにして、前記一般式(a)、(b)で表される両末端シリコーン化ポリグリセリンが得られる。
シリコーン鎖の重合度のmは10〜120が好ましく、側鎖置換基はメチル基、またはフェニル、アルキルに置換されていても構わない。
ポリグリセリン鎖の重合度のnは1〜11が好ましい。
両末端シリコーン化ポリグリセリンは、両末端にシリコーン鎖からなる分散サイトがあるため、微粒子酸化チタンを吸着性の非常に高いポリグリセリン鎖からなる吸着サイトに保持しつつ、分散媒の溶媒中にてポリマーが広がり、極めて顕著な分散安定性効果を発揮すると考えられる。
従って、両末端シリコーン化ポリグリセリンの機能発現には、図2に示すようにBブロックの溶媒中への溶解性とAブロック鎖の粉体表面への高い吸着性が重要である。すなわち、AB両ブロックの親水/親油性のバランス(HLB)が適切な範囲にあることが機能発現に必須となる。HLBは公知の方法により求めることができるが、例えばGriffinの式(HLB値=ポリグリセリン部分子量×20/総分子量)により算出される。本発明においては、両末端シリコーン化ポリグリセリンのHLBが0.2〜3.0であることが好ましい。
また、粉体同士の凝集を防止するBブロック鎖の広がりは、高分子の分子量に依存し、Bブロック鎖は高分子量であるほど凝集防止効果は高い。一方、粉体への吸着はAブロック鎖のファンデルワールス力等の弱い力によると考えられる。しかし、Aブロック鎖としてポリグリセリンを用いることにより、ポリエチレングリコール等に比較し強い吸着力が得られるため、比較的低い分子量で十分な吸着力が得られる。また、AB両ブロックの分子量が高くなりすぎると、粉体分散組成物の塗り伸ばしが難くなる場合があり、また伸びの重さを感じる場合がある。以上のことから、分子量についても適切な範囲があり、本発明においては、両末端シリコーン化ポリグリセリンの分子量は2000〜20000が好ましい。
分散剤の配合量は、微粒子酸化チタンに対して1〜40質量%、特に5〜30質量%であることが好ましい。1質量%未満であると添加効果が十分でなく、40質量%を超えて配合しても顕著な効果の増大は認められない。
本発明の分散物は、疎水性分散媒に微粒子酸化チタンと必要に応じて分散剤を加え、分散機を用いて分散処理することにより得られる。分散処理には、例えば、ペイントシェーカー、サンドミル、ローラーミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー等の強力な分散能力を有する分散機が適宜選択して用いられる。ディスパーやホモミキサー等を用いたのでは本発明の分散物は得られない。
分散処理前に、ディスパーやホモミキサー等を用いて、予備混合を行ってもよい。
分散時において、微粒子酸化チタンは全体の10〜70質量%、特に20〜50質量%であることが好ましい。10質量%未満であったり、70質量%を超えたりすると分散が困難になることがある。
本発明の微粒子酸化チタン分散物は、平均長軸径30〜100nm、平均短軸径8〜50nmである微粒子酸化チタンが、疎水性分散媒中に平均分散粒子径80〜110nmで分散しているので、可視光の透過率が高く、UVA及びUVBの透過率が低いものとなる。具体的には、微粒子酸化チタンの10質量%分散物において、波長550nmの透過率が90%以上、波長360nm透過率が25%未満、波長300nm透過率が0.5%未満となる。
平均分散粒子径が110nmを超える場合、紫外線(特にUVA)遮蔽能と透明性とが劣る。一方、平均分散粒子径を80nm未満とするには、分散時間がかかりすぎて現実的ではない上、化粧料中で酸化チタン粒子の再凝集が起こる。
さらに分散剤として、両末端シリコーン化ポリグリセリンを使用することにより、通常経時で生じる微粒子酸化チタンの凝集の抑制効果が一層高くなり、長期保存後も良好な紫外線防御能及び透明性を維持することができる。
2.化粧料
本発明の微粒子酸化チタン分散物を化粧料等の各種製品に適用する場合には、そのまま又は油性成分で希釈して油性製品とすることができ、さらにこれらを水相成分と公知の方法により乳化処理して、乳化製品とすることもできる。
化粧料中の微粒子酸化チタンの濃度は、特に限定されず、必要に応じて適宜調節することができる。
UVAとUVBの両域おいて優れた紫外線防御効果を得るためには、微粒子酸化チタン含有量が化粧料中1質量%以上、特に3質量%以上となるように、微粒子酸化チタン分散物を配合することが好適である。
本発明の化粧料は、微粒子酸化チタンの一次粒子径及び分散粒子径が調整された微粒子酸化チタン分散物を含むため、酸化チタンの含有量が少量でも優れた紫外線防御効果を有する。一方で、化粧料中の微粒子酸化チタン含有量が10質量%以上、さらには20質量%以上となるような場合でも、透明感が損なわれない。
本発明の化粧料には、その他の化粧料成分を本発明の効果が損なわれない範囲で配合することができる。例えば、粉末としては、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
本発明の化粧料には、さらに有機系紫外線吸収剤を1種または2種以上配合してもよい。
有機系紫外線吸収剤としては、具体的には、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、1−(4’−イソプロピルフェニル)−3−フェニルプロパン−1,3−ジオン、5−(3,3’−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等のベンゾイルメタン系紫外線吸収剤;パラアミノ安息香酸 (PABA)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAメチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤;ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤;オクチルメトキシシンナメート、ジ−パラメトキシケイ皮酸−モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート) 、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;[3−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル−1−メチルプロピル]−3,4,5−トリメトキシシンナメート、[3−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル−3−メチルプロピル]−3,4,5−トリメトキシシンナメート、[3−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルプロピル]−3,4,5−トリメトキシシンナメート、[3−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルブチル]−3,4,5−トリメトキシシンナメート、[3−トリス(トリメチルシロキシ)シリルブチル]−3,4,5−トリメトキシシンナメート、[3−トリス(トリメチルシロキシ)シリル−1−メチルプロピル]−3,4−ジメトキシシンナメート等のシリコーン系ケイ皮酸紫外線吸収剤;その他、3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、5−(3,3’−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、シリコーン変性紫外線吸収剤;フッ素変性紫外線吸収剤等が挙げられる。
その他、液体油脂、固体油脂、ロウ、高級脂肪酸、高級アルコール、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤形に応じて常法により製造することができる。
本発明の化粧料の剤型は任意であり、溶液系、可溶化系、乳化系、水-油二層系、ゲル、エアゾール、ミスト、及びカプセル等、任意の形態で提供されることができる。
また、本発明の化粧料の製品形態も任意であり、化粧水、乳液、クリーム、パック等のフェイシャル化粧料;化粧下地、ファンデーション、頬紅、口紅、リップクリーム、アイシャドー、アイライナー、マスカラ、サンスクリーン等のメーキャップ化粧料;ボディー化粧料;芳香化粧料;メーク落とし、洗顔料、ボディーシャンプー等の皮膚洗浄料;ヘアースプレー、ヘアークリーム、ヘアーローション、ヘアーリンス、シャンプー等の毛髪化粧料等、従来皮膚外用剤に用いるものであればいずれの形で適用することもできる。
特に、紫外線防止を目的とする製品として好適に用いられる。
さらに、本発明の微粒子酸化チタン分散物は、化粧料以外にも、樹脂組成物、塗料、インキ、コーティング用組成物等のその他の用途にも適用可能である。
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。
初めに、本実施例における評価基準について説明する。
各分散物をアプリケーターにて膜厚10μmで石英板上に塗布し、分光光度計にて透過率を測定する。さらに目視にて状態を観察する。
(1)UVB防御能
○:波長300nmの光透過率が0.5%未満。
△:波長300nmの光透過率が0.5%以上2.0%未満。
×:波長300nmの光透過率が2.0%以上。
(2)UVA防御能
○:波長360nmの光透過率が25%未満。
△:波長360nmの光透過率が25%以上30%未満。
×:波長360nmの光透過率が30%以上。
(3)透明性(可視光透過性)
○:波長550nmの光透過率が90%以上。
△:波長550nmの光透過率が80%以上90%未満。
×:波長550nmの光透過率が80%未満。
(4)目視
○:透明
△:やや白っぽい
×:白っぽい
(5)経時安定性
各分散物を25℃の恒温槽に3ヶ月間保管し、保管後の分散状態を観察する。
○:粉体の凝集・沈降がない。
△:粉体の凝集・沈降が少しある。
×:粉体が凝集し沈降する。
下記試験例の酸化チタン分散物について、上記基準にて評価した。
(試験例1−1〜1−3)
様々な平均粒子径を有する各種微粒子酸化チタン1.0gと、デカメチルシクロペンタシロキサン9.0gをホモミキサーにて撹拌混合し、酸化チタン10質量%分散物を得る。
(試験例1−4〜1−6)
様々な平均粒子径が表示されている市販酸化チタン10質量%分散物(溶媒:デカメチルシクロペンタシロキサン)を用いる。
結果を下記表1に示す。
(表1)
Figure 2007069430
酸化チタンの平均粒子径が同じであっても、分散体としては、紫外線防御能及び透明性に差が生じた。
このことから、分散物の紫外線防御能及び透明性は、酸化チタンの一次粒子径のみで一律に決まるものではないことがわかった。
そこで本発明者は、紫外線防御能及び透明性は、微粒子酸化チタンの分散状態にも関係しているものと考え、以下のような試験を行った。
微粒子酸化チタンA(平均長軸径・平均短軸径:30nm×8nm)を用いて、分散時間を変えて、下記のようにして酸化チタン40質量%分散物を調製した。
すなわち、微粒子酸化チタンA4.0gと、両末端シリコーン化ポリグリセリン(製造例1)0.5gを、デカメチルシクロペンタシロキサン5.5gに添加し、ペイントシェーカー(直径0.3mmのジルコニアビーズ 充填率50v%)を用いて各時間分散させた。これを酸化チタン濃度が20質量%となるように、デカメチルシクロペンタシロキサンで希釈した。
各分散物について、分散粒子径を、Malvern Instruments社製粒度分布測定装置Zetasizer−Nanoにて測定した。また、上記評価(1)〜(5)も行った。
結果を下記表2に示す。
(表2)
Figure 2007069430
分散時間0時間では、酸化チタンは凝集沈殿しており、全く分散していないので、UVA領域のみならず、UVB領域の紫外線防御能も得られていない。
そして分散時間を長くすると、紫外線防御能及び透明性が改善され、平均分散粒子径が80〜110nmであるとき、透明感を有しながらもUVA・UVB両域における紫外線防御能に優れる微粒子酸化チタン分散物が得られることが確認された。
なお平均分散粒子径を80nm未満とするには、分散時間がかかりすぎて現実的ではない上、経時で酸化チタン粒子が再凝集することがある。
さらに各種微粒子酸化チタンB〜Hを用いて、分散時間を変えて、上記同様に酸化チタン10質量%分散物あるいは20質量%分散物を調製した。
すなわち、各微粒子酸化チタン4.0gと、両末端シリコーン化ポリグリセリン(製造例1)0.5gを、デカメチルシクロペンタシロキサン5.5gに添加し、ペイントシェーカー(直径0.3mmのジルコニアビーズ 充填率50v%)を用いて各時間分散させた。これをデカメチルシクロペンタシロキサンで希釈した。
(表3)
Figure 2007069430
これら分散体についても評価を行った。結果を下記表4〜10に示す。
(表4)
Figure 2007069430
(表5)
Figure 2007069430
(表6)
Figure 2007069430
(表7)
Figure 2007069430
(表8)
Figure 2007069430
(表9)
Figure 2007069430
(表10)
Figure 2007069430
平均分散粒子径が80〜110nmである場合でも、酸化チタンF〜Gを使用した時には、UVA遮蔽力が十分でなかった。これに対し酸化チタンB〜Eを使用した時は、透明感とUVA・UVB防御効果とが両立された。
また、酸化チタンF〜Gを使用した場合、分散時間を8時間以上にすると増やすと、酸化チタンの再凝集が起こってしまった。酸化チタンHでは、分散時間を増やしても分散粒子径を110nm以下とすることは困難であった。
この点を踏まえてさらに検討したところ、微粒子酸化チタンの一次粒子径は、平均長軸径30〜100nm、平均短軸径10〜50nmで、且つ平均分散粒子径が80〜110nmである場合、透明感と、UVA・UVB防御効果とが両立されることが確認された。
微粒子酸化チタンの一次粒子径が上記範囲よりも小さい場合には、分散粒子径を80〜110nmとしてもUVA遮蔽力が十分でない。一方、微粒子酸化チタンの一次粒子径が上記範囲よりも大きい場合には、一次粒子にまで分散して分散粒子径80〜110nmとすることが現実的に困難となり、またUV遮蔽力や透明性も十分でない。
また、酸化チタンC〜Eを使用した場合、酸化チタン含有量が酸化チタンF〜Gの半量であるにもかかわらず、同等以上のUVA・UVB防御効果が得られた。
透明感と紫外線防御効果とを両立させようとする場合、酸化チタンの一次粒子径をなるべく細かくして高分散させ、化粧料中に多量に配合できるようにするのが一般的な技術である。これに対して本発明においては、一定範囲の一次粒子径を有する微粒子酸化チタンを適度に分散させることにより、例え少量の配合でも透明感と紫外線防御効果との両立に成功したのである。
次に分散剤の種類と分散性との関係について検討した。
平均長軸径100nm/平均短軸径40nmの微粒子酸化チタン4.0gと、下記表11に示す各分散剤0.5gを、デカメチルシクロペンタシロキサン5.5gに添加し、ペイントシェーカー(直径0.3mmのジルコニアビーズ 充填率50v%)を用いて8時間分散させた。
結果を表11に示す。
(表11)
Figure 2007069430
試験例10−1〜10−3のように分散剤として両末端シリコーン化ポリグリセリンを用いた場合には、経時安定性の良い分散物が得られた。これに対し、他の分散剤を用いた場合には、分散直後には凝集物が見られなかったものの、経時で粉体の凝集・沈殿が生じた。
以上のことから、分散剤として両末端シリコーン化ポリグリセリンを用いることが好ましいことが確認された。
なお、製造例1〜3の両末端シリコーン化ポリグリセリンは次のようにして合成されたものである。
製造例1 両末端シリコーン化グリセリンの合成
片末端水素化ジメチルポリシロキサン(一方の末端は、−Si(CH、Mw≒4600)100g、ポリグリセリン(3)ジアリルエーテル3.5g、およびイソプロピルアルコール100gを反応容器に仕込み、3%塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液0.05gを加えて80℃で5時間反応させた。続いて0.01NのHCl水溶液を1.5g添加し、60℃にて3時間加水分解を行った後、1%重曹水0.2gを添加して中和を行った。反応溶液をエバポレーションにより濃縮し、流動性のある粘性液体である目的化合物(製造例1)を得た。
製造例2 両末端シリコーン化グリセリンの合成
片末端水素化ジメチルポリシロキサン(一方の末端は、−Si(CH、Mw≒4600)100g、ポリグリセリン(4)ジアリルエーテル4.3g、およびイソプロピルアルコール100gを反応容器に仕込み、3%塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液0.05gを加えて80℃で5時間反応させた。続いて0.01NのHCl水溶液を1.5g添加し、60℃にて3時間加水分解を行った後、1%重曹水0.2gを添加して中和を行った。反応溶液をエバポレーションにより濃縮し、流動性のある粘性液体である目的化合物(製造例2)を得た。
製造例3 両末端シリコーン化グリセリンの合成
片末端水素化ジメチルポリシロキサン(一方の末端は、−Si(CH、Mw≒7600)100g、ポリグリセリン(4)ジアリルエーテル2.6g、およびイソプロピルアルコール100gを反応容器に仕込み、3%塩化白金酸イソプロピルアルコール溶液0.05gを加えて80℃で5時間反応させた。続いて0.01NのHCl水溶液を1.5g添加し、60℃にて3時間加水分解を行った後、1%重曹水0.2gを添加して中和を行った。反応溶液をエバポレーションにより濃縮し、流動性のある粘性液体である目的化合物(製造例3)を得た。
上記製造例1〜3の合成スキームを図1に示す。図3に製造例1のIRスペクトルを示す。スペクトル中800、1000、1260、2960cm−1付近のピークよりポリジメチルシロキサンに、また1400cm−1付近にポリグリセリン中の二級アルコールに由来するピークがそれぞれ認められることから、合成はスキーム通り進行し、目的化合物が得られていることが分かる。
以下に、本発明における化粧料の好ましい実施例を挙げるが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。いずれの化粧料においても、透明感のある自然な仕上がり感が得られ、且つUVA領域とUVB領域の両域おいて優れた紫外線防御効果を有するものであった。
Figure 2007069430
Figure 2007069430

Claims (4)

  1. 平均長軸径30〜100nm、平均短軸径8〜50nmである微粒子酸化チタンが、疎水性分散媒中に平均分散粒子径80〜110nmで分散していることを特徴とする微粒子酸化チタン分散物。
  2. 疎水性分散媒全体に対して、シリコーン系油分が10〜100質量%であることを特徴とする請求項1に記載の微粒子酸化チタン分散物。
  3. 分散剤として、両末端シリコーン化ポリグリセリンを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の微粒子酸化チタン分散物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の微粒子酸化チタン分散物を含む化粧料。
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