JPH11147714A - 微粒子分散体の製法および微粒子分散体 - Google Patents

微粒子分散体の製法および微粒子分散体

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JPH11147714A
JPH11147714A JP34844597A JP34844597A JPH11147714A JP H11147714 A JPH11147714 A JP H11147714A JP 34844597 A JP34844597 A JP 34844597A JP 34844597 A JP34844597 A JP 34844597A JP H11147714 A JPH11147714 A JP H11147714A
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zinc oxide
dispersion
titanium oxide
disk
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JP34844597A
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Toku Toda
徳 戸田
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GENUS KK
HAKUSUI CHEM IND
HAKUSUI CHEM IND Ltd
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GENUS KK
HAKUSUI CHEM IND
HAKUSUI CHEM IND Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化亜鉛および/または酸化チタンの粒子径
が細かく且つ均一な有機相への微粒子分散体の製造方法
及びその製造方法で得られる微粒子分散体を提供する。 【解決手段】 分散媒が有機相である酸化亜鉛および/
または酸化チタンの懸濁液を湿式ジェットミルを用いる
ことにより、酸化亜鉛および/または酸化チタンの有機
相への高分散体を効率よく製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化亜鉛および/ま
たは酸化チタンの微粒子分散体の製造方法及びこの方法
で得られる微粒子分散体に関するものである。この微粒
子分散体は医薬、化粧品、プラスチック、ゴム、塗料、
インク、繊維、樹脂、窯業、ガラス、触媒、電池、電子
材料の分野で用いられ透明性もしくは半透明性の紫外線
防止剤、脱臭、抗菌、防カビ、難燃、ラテックス用及び
透明ゴム用加硫促進剤、光導伝剤など酸化亜鉛、酸化チ
タンの利用されるあらゆる産業分野の各種原材料及び前
駆体として有用である。
【従来の技術】
【0002】酸化亜鉛および/または酸化チタンの有機
相への分散体を得る方法は従来より様々な方法があり、
処理方法の代表例としては、ビーズミル、ボールミル、
アトライタ、ペイントシェーカー、サンドミル等のメデ
ィア媒体型分散機、コロイドミル、ハイスピードディス
パーサー等の撹拌型分散機、挽臼原理を利用した摩砕型
分散機、超音波分散機など各種分散機を用いられてき
た。
【0003】
【従来技術の問題点】先に列記した様なメディア媒体型
分散機、撹拌型分散機、摩砕型分散機、超音波分散機な
どには、一長一短があり、その機構や形式などによって
は 1)十分な微粒化が行えない、 2)メディア同士或いはライニングや物質との衝突或い
は摩擦による不純物の混入が避けられない、 3)発熱により変質を起こす、 4)特に揮発性成分等においては含有成分の損失が起こ
る、 5)動力費が非常に高く且つランニングコストも高い、 6)処理に長時間を有し特に微粒化を目的とする場合は
単位時間当たりの処理効率が非常に低くなる、 7)連続処理が困難である、 8)洗浄性が悪い、 9)作業上取り扱いが難しい、 10) 密閉系にできないため異物の混入の可能性が高
い、 11) 装置が大きく或いは重量が大きいため、設置場
所が制限される など、上記各分散装置には少なくとも1つ或いは複数の
問題を有している。
【0004】上記各分散装置を用いて、酸化亜鉛および
/または酸化チタンの有機相への分散体を得ようとする
場合、酸化亜鉛および/または酸化チタンは表面エネル
ギーが高く、強く凝集しており一次粒子径または一次粒
子径近くの粒子径まで分散されていて且つ均一な粒子の
分散体を製造することが困難であり、酸化亜鉛および/
または酸化チタンの沈降,凝集,分離,チョーキングな
どの不都合な現象に従来悩まされてきている。また分散
剤とその選定によっては発泡してその泡の除去に困難さ
をきたしている。
【0005】また高濃度の分散体を得ようとする場合、
分散工程で増粘して、得られる高濃度の分散体の収率が
低く、目的とする分散体が得られないばかりでもなく経
済的でもなかった。
【0006】特に微粒子の酸化亜鉛、酸化チタンの分散
体を用い、透明性紫外線遮蔽効果、抗菌防臭効果を発揮
させようとする場合、一次粒子または一次粒子近くまで
分散されていて且つ均一な分散体が必要不可欠である
が、従来の分散機を用いると酸化亜鉛、酸化チタンの凝
集体が存在するので目的とする機能が十分に発揮でき
ず、高濃度で一次粒子または一次粒子近くまで分散され
ていて且つ均一な分散体が必要とされていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は酸化亜鉛およ
び/または酸化チタンの有機相への分散体の製造方法に
おいて、一次粒子径または一次粒子径近くの粒子径まで
分散されていて且つ均一な微粒子分散体を安定的に製造
できる方法の提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の微粒子分散体の
製法で使用される湿式ジェットミルとしては、耐圧容器
内に密封状態で配置されたノズルへ被処理液を高圧で圧
送し、該ノズル内で渦巻状のジェット流を形成すること
により、被処理液中の分散質を乳化、分散もしくは破砕
するタイプのものが好ましく用いられる。
【0009】上記において、酸化亜鉛および/または酸
化チタンの好ましい懸濁液(分散体)濃度は15%超6
0%以下、より実用的には30%ないし60%の範囲で
ある。
【0010】本発明において分散媒は特に限定されず、
使用用途に応じて各種有機溶剤、水の中から単独、或い
は複数混合して使用することができ、また使用用途に応
じて各種添加剤を添加することができる。
【0011】そして上記処理法によれば、酸化亜鉛およ
び/または酸化チタンの分散体は一次粒子状態で微細均
一に分散し安定なものとして得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明において詳細に説明す
る。ジェットミルには乾式と湿式のものが知られている
が、本発明の目的を達成するためには湿式ジェットミル
を用いることが必須であり、乾式ジェットミルを用いた
のでは本発明の目的を達成できない。
【0013】即ち乾式ジェットミルとは、気相流内で被
処理物質の粒子同士または粒子と流路壁との衝突によっ
て粒子を微粒化するものであり、一方湿式ジェットミル
とは、液相流内で被処理物質の粒子同士または粒子と流
路壁との衝突によって粒子を微粒化するものであるが、
湿式ジェットミルの場合は、上記衝突による微粒化に加
えて液相内で生じるキャビテーションや乱流・剪断等の
複合物物理要因も加わり微粒化が著しく促進される。
【0014】本発明で用いられる湿式ジェットミルと
は、任意の方法で高速流を発生させ、液体同士または流
体と流路壁との衝突を起こさせると共に、高速流によっ
て生じる乱流・剪断及びキャビテーション効果などを有
効に活用し、被処理物質を微粒化して乳化・分散を促進
する機能を備えた装置を総称するもので、この様な湿式
ジェットミルとしては高圧ホモジナイザーがあり、具体
的には、プランジャーポンプやロータリーポンプ等によ
って被処理液をノズルから噴射させ、固定板に高速で衝
突させる方式と、噴射される被処理液同士を正面から衝
突させる方式がある。そして被処理液が流路内を高速で
通過し或いは衝突しながら通過する際に乱流・剪断を受
け、被処理流体中に含まれる分散質は破砕されると共
に、衝突直後に減圧解放されるときにキャビテーション
効果が生じ、急激な放圧による衝撃を受けて分散質内部
からの破砕が起こり、被処理液中の分散質は著しく微粒
化される。
【0015】この様な湿式ジェットミルとしては、「高
圧ホモジナイザー」として市販されているバルププレー
トによる高速噴射を利用したタイプ(APVゴーリン社
製、ラニー社製、ソアビ社製、日本精機社製など)、ス
リット状に形成した流路内で高速衝突させるタイプ
(「マイクロフルイダイザー」マイクロフルイディクス
社製)、90°位相させて連通せしめた夫々一文字の流
路内で高速衝突を起こさせるタイプ(「ナノマイザー」
ナノマイザー社製)、同一ノズル内で流体同士の衝突回
数を複数回発生させるタイプ(「ナノメーカー」エスジ
ー・エンジニアリング社製)、偏平流路素子内で流体同
士を衝突させるタイプ(「アクア」アクアテック社
製)、或いは、対向するオリフィスから非球面構造の部
屋へ噴出させて衝突させるタイプ(「アルティマイザ
ー」スギノマシン社製)などが挙げられる。
【0016】これらの湿式ジェットミルは、それぞれ装
置タイプの特性により、酸化亜鉛および/または酸化チ
タンの分散効果に多少の差を生じるが、前述した様な従
来のメディア媒体型分散機をはじめとする分散装置を用
いた場合に比べると、飛躍的に高い効率で微粒化が進ん
だ安定な分散体を得ることができる。
【0017】従って、本発明で使用する湿式ジェットミ
ルのタイプは特に制限されないが、なかでも特に好まし
いのは、株式会社ジーナスによって開発され「ジーナス
PY」として市販されている湿式ジェットミルを挙げる
ことができる。
【0018】この「ジーナスPY」は耐圧容器内に密封
状態で配置されたノズルへ被処理液を高圧で圧送し、該
ノズル内で渦巻状のジェット流を形成することにより、
被処理液中の分散質を乳化、分散もしくは破砕するタイ
プの湿式ジェットミルであり、その構成を簡単に説明す
ると次の通りである。
【0019】このタイプの湿式ジェットミルには、耐圧
容器内に密封状態で3つのノズルが設置されており、こ
れらのノズルは夫々、液相ジェット流同士が衝突する
ノズル、衝突後、ジェット流を維持しながら高速螺旋
流を形成するノズル、やや流速を落としながら最終調
整を行うノズルによって構成され、それらのノズルが一
連の流路内で直列に連結されており、それら一連の流路
内で被処理液に含まれる分散質(酸化亜鉛および/また
は酸化チタン)の微粒化が行われる。
【0020】このタイプの湿式ジェットミルを使用すれ
ば、溶媒の種類あるいは添加物の種類に応じて温度や、
圧力、パス回数を制御することにより、酸化亜鉛および
/または酸化チタンの分散体が効率よく製造することが
できる。
【0021】該「ジーナスPY」として市販されている
湿式ジェットミルの具体的な構成について、以下図面を
参照しつつ簡単に説明する。
【0022】図1は、該湿式ジェトミルとその周辺設備
を含む微粒化システムの概略構成を示したものであり、
その構成は、懸濁液を高圧ポンプを用いて微粒化装置に
圧送し、その微粒化装置内で懸濁液状の酸化亜鉛および
/または酸化チタンの分散または微粉砕を行うようにな
っている。以下、各部の構成について説明する。
【0023】同図において、懸濁液は高圧ポンプ7の吸
入口に供給されるようになっている。高圧ポンプ7で1
0〜300MPaに加圧して超高速流を形成した後、微
粒化装置8に導入する様になっている。
【0024】この図において、微粒化装置8が、「ジー
ナスPY」として市販されている湿式ジェットミルの特
徴部分に相当するもので、具体的には、微粒化すべき被
処理液を通過させることのできる貫通孔を形成したブロ
ックを、該貫通孔が前記被処理液の流れ方向に沿う様に
3個実質的に密着して配設されており、貫通孔を流体導
入側ブロックに少なくとも2本、中間ブロックに1本、
流体排出側ブロックに少なくとも2本それぞれ形成し、
前記導入側ブロックと中間ブロックの対向面のいずれか
のブロック表面に、隣接する各ブロックに設けられた貫
通孔と連通し且つ被処理液を対向流に変えると共に旋回
流を与える溝状通路が形成され、また中間ブロックと前
記排出側ブロックの対向面のいずれかのブロック表面に
は、隣接する各ブロックの貫通孔に連通し、前記中間ブ
ロックの貫通孔を通過した被処理液の流れを前記ブロッ
ク表面に沿う方向に変えると共に、被処理液に与えられ
た旋回力を減衰させる溝状通路が形成されている。
【0025】導入側ブロックに形成された溝状通路が、
前記として示した「液相ジェット流同士が衝突するノ
ズル」に相当し、中間ブロックに形成された貫通孔が、
前記として示した「衝突後、ジェット流を維持しなが
ら高速螺旋流となるノズル」に相当し、上記排出側ブロ
ックに形成された溝状通路が、前記として示した「や
や速度を落とし、最終調整を行うノズル」に相当する。
【0026】そしてこのタイプの湿式ジェットミルは、
上記3つのノズルへ被処理液を高圧で送給し、ノズル内
で渦巻状のジェット流を発生させることによって、被処
理液中に含まれる分散質を乳化・分散・破砕する機能を
持っている。
【0027】即ちこの様な微粒化装置8を使用すれば、
微粒化すべき被処理液を、実質的に密着して配設された
3個の各ブロックに設けた貫通孔に通過させる際に、流
体導入側ブロックの前記貫通孔から導入された被処理液
の流れを対向流に変えると共に旋回力を付与して衝突さ
せ、中間ブロックの前記貫通孔で旋回状態を維持しつつ
その流れを前記流路方向に変え、排出側ブロックでは、
前記中間ブロックを通過した被処理液の流れを前記流路
と直交する方向に変えつつ旋回力を減衰させ、貫通孔か
ら排出させる構成となっている。
【0028】即ちこの微粒化装置8は、図2に示す如
く、液体導入側ブロックとしての円盤状のディスク10
と、中間ブロックとしての円盤状のディスク11及び排
出側ブロックとしての円盤状のディスク12を、直列に
且つ上記記載順に円筒状容器9内に密着させて配置され
ている。なお図2では、説明を容易にするためディスク
10と11を離した状態で示し、ディスク12について
は、対向面に形成した溝状通路の形状がわかる様に展開
して示している。また、以下の説明では、各ディスクに
おける上流側の面を表面、下流側の面を裏面と呼ぶこと
とする。
【0029】ディスク10は,通常,直径5〜15m
m、厚さ1.5〜5mm程度の耐摩耗性部材によって構
成され、このディスク10には、同心円上の2箇所に導
入貫通孔10a,10bが形成されている。このディス
ク10の裏面10cの中心部には、深さ0.05mm程
度の有底筒状凹部からなる渦巻室10dが形成されてい
る。
【0030】上記導入貫通孔10aの出口部10a’と
渦巻室10d及び導入貫通孔10bの出口部10b’
は、溝状導入通路10e,10fによってS字状に連通
されている。即ち溝状導入通路10eは、渦巻室10d
の縁部からその接線方向に延びて湾曲する様に形成され
ており、溝状導入通路10fも同様に、渦巻室10dの
上記縁部に対し直径方向に対向する位置を始点として湾
曲する様に形成されており、この様な構成により、渦巻
室10dに向かって流れる対向流A’,B’が形成され
る。
【0031】ディスク11は、上記ディスク10とほぼ
同程度の径と厚さ及び材質からなり、渦巻室10dと対
応する位置に、溝状導入通路10eの断面積より大きい
断面積を有する中間貫通孔11aが形成されている。
【0032】ディスク12は上記ディスク10とほぼ同
程度の径と厚さ及び材質からなり、同心円上の2箇所
に、排出貫通孔12a,12bが形成され、その中心部
には有底筒状凹部からなる貯留室12dが形成されてい
る。これら排出貫通孔12a,12bの入口部12
a’,12b’と貯留室12dは、溝状排出通路12
e,12fによってS字状に連通されている。この溝状
排出通路12e,12fは、渦巻方向に対して正方向、
即ち逆S字状(被処理液の流れの下流側から見て)に形
成されており、それにより、渦巻流Cの流れをディスク
12の外周に向けて変えると共に、旋回力を減衰させる
様になっている。
【0033】そして、ディスク11に形成される中間貫
通孔11aの径を調節することにより、ディスク10の
溝状導入通路10e,10f内を流れる被処理液の流速
を所望の値に設定することができる。
【0034】次に、上記構成を有する微粒化装置を用い
た本発明の動作について説明する。高圧ポンプ7によっ
て加圧され、超高速懸濁液とされた被処理液が微粒化装
置8に導入されると、被処理液は先ず円筒状容器9内で
流れAと流れBに分岐された後、導入貫通孔10a,1
0bを通過して、ディスク11の対向面に衝突し、次い
で溝状導入通路10e,10fで流れ方向がディスク1
0の中心に強制的に変えられ、流れA’,B’の対向流
となる。
【0035】また、該溝状導入通路10e,10f内で
被処理液の流速は加速され、渦巻室10dに対しその接
線方向から対向して渦巻室10d内へ進入し、それによ
り、流体A’と流体B’は、渦巻室10d内で合流・衝
突した後渦巻流Cを発生し、該合流・衝突と渦流のエネ
ルギーを受けて被処理液中の分散質は微粒化される。
【0036】渦巻室10d内で微粒化処理を受けた被処
理液は、その後渦巻状態を維持したまま中間貫通孔11
aを通過してディスク12方向へ送り出される。このと
き、貫通孔11aの断面積を、溝状導入通路10e,1
0fの断面積よりも大きく形成しておけば、衝突エネル
ギーが貫通孔11aで解放され、ディスク10における
液体衝突部分、即ち渦巻室10d内周壁の摩耗が抑えら
れるので好ましい。
【0037】渦巻状態で送り出された被処理液は、その
後ディスク12の貯留室12dに衝突して再度の微粒化
処理を受けた後、溝状排出通路12e,12fに分流さ
れ、流れが流路と直交する方向に変えられると共に、渦
巻状態が減衰され、排出貫通孔12a,12bから排出
される。
【0038】即ち図示した様な微粒化装置を備えた湿式
ジェットミルを使用すると、従来のメディア媒体型分散
機をはじめとする分散装置を使用して微粒化を行った場
合に比べて、微粒化の効率が著しく良くなり、短時間の
処理で極めて安定な酸化亜鉛および/または酸化チタン
の分散体が得られる。
【0039】なおこうした湿式ジェットミルによる微粒
化による効果をより効果的に発揮させる上で好ましい処
理圧力は10MPa程度以上、より好ましくは50MP
a程度以上、更に好ましくは100MPa程度以上であ
る。
【0040】この発明で用いられる好ましい酸化亜鉛と
しては、一次粒子の比表面積が10〜60m/g(簡
易BET法による測定値)のものが用いられる。また比
表面積が10m/g未満の酸化亜鉛を用いても均一な
分散体は製造することは可能である。また好ましい酸化
チタンとしては一次粒子の比表面積が20〜90m
g(簡易BET法による測定値)のものが用いられる。
また比表面積が20m/g未満の酸化チタンを用いて
も均一な分散体は製造することができる。これらは単独
で使用してもよく或いは併用することも可能であり、併
用する場合の混合比率は特に限定されない。
【0041】ここで用いられる酸化亜鉛は通常工業的に
得られるアメリカ法及びフランス法による酸化亜鉛及び
湿式法により得られる炭酸亜鉛類、例えば透明性亜鉛
華、活性亜鉛華、水酸化亜鉛等、及び酸化亜鉛に他の機
能性を付与したもの、例えばアルミニウム等の金属をド
ープした導電性酸化亜鉛等が用いられる。また酸化チタ
ンにおいては通常工業的に塗料、インクなどに用いられ
る酸化チタン及び酸化チタン表面にアンチモンをドープ
した酸化錫を付着させた導電性酸化チタン等も用いられ
る。
【0042】酸化亜鉛および/または酸化チタンの好ま
しい分散質濃度は15%超60%以下であるが、本発明
の特徴がより一層発揮されるのは30%超60%以下で
あり、本発明の方法によればこのような高濃度の分散液
であっても酸化亜鉛および/または酸化チタンが一次粒
子径または一次粒子径近くの粒子径まで分散された均一
な微粒子分散体を得ることができる。
【0043】ここで用いられる分散媒としては各種有機
溶剤、水の中から単独,或いは複数混合して使用でき
る。なお用途に応じて添加剤として湿潤剤、分散剤、樹
脂などを添加することができる。これらの添加剤は使用
する目的に応じて使い分ければ良いが、場合によっては
これらを混合して使用することもできる。
【0044】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をより具体的に説
明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を
受けるものではない。なお、下記において「%」は特記
しない限り「重量%」を意味する。
【0045】湿式ジェットミルとして、本発明者が実験
したところでは最も有効であったジーナス社製の「ジー
ナスPY PR02−15」を使用した。
【0046】なお比較のため、メディア型分散機として
「ペイントシェーカー」(東洋精機(株)製)、撹拌型
分散機として「ホモジナイザーAM−7」(日本精機
(株)製)を使用した。
【0047】評価は、島津製作所(株)製レーザー回折
粒度分布測定装置「SALD−2000A」を用いてメ
ジアン径を測定し、その大小で評価を行った。
【0048】実施例1 試料内容 酸化亜鉛(白水化学工業(株)製「ZincoxsSu
per#10」[比表面積10m/g]) エタノール SOLSPERSE 20000(ゼネカ(株)製)
5.0%(酸化亜鉛に対して) 酸化亜鉛濃度:20%、40%、60%
【0049】実験結果
【表1】
【0050】実施例2 試料内容 酸化亜鉛(白水化学工業(株)製「ZincoxSup
er#30」[比表面積30m/g]) トルエン SOLSPERSE 13240(ゼネカ(株)製)
5.0%(酸化亜鉛に対して) 酸化亜鉛濃度:20%、40%、60%
【0051】実験結果
【表2】
【0052】実施例3 試料内容 酸化チタン(石原産業(株)製「TTO−55A」[比
表面積40m/g]) ブタノール ホモゲノールL−18(花王(株)製)2.0%(酸化
チタンに対して) 酸化チタン濃度:20%、40%、60%
【0053】実験結果
【表3】
【0054】実施例4 試料内容 酸化亜鉛、酸化チタン混合物濃度 40% 酸化亜鉛(白水化学工業(株)製「ZincoxSup
er#30」[比表面積30m/g]) 酸化チタン(石原産業(株)製「TTO−55A」[比
表面積40m/g]) 配合比率:酸化亜鉛/酸化チタン=3/7、5/5、7
/3 エタノール SOLSPERSE 20000(ゼネカ(株)製)
5.0%(混合物に対して)
【0055】実験結果
【表4】
【0056】実施例5 導電性酸化亜鉛(白水化学工業(株)製「23−K」
[比表面積2m/g]) トルエン SOLSPERSE 13240(ゼネカ(株)製)
5.0%(酸化亜鉛に対して) 導電性酸化亜鉛濃度:40%
【0057】実験結果
【表5】
【0058】以上の実験結果からも明らかである様に本
発明によれば酸化亜鉛および/または酸化チタンがサブ
ミクロン状態で高分散した微粒子分散体を得ることがで
き、この分散体は長期間安定であった。
【0059】
【発明の効果】以上説明した様に本発明によれば、湿式
ジェットミルを用いることにより酸化亜鉛および/また
は酸化チタンの有機相への微粒子分散体を短時間の処理
で極めて効率よく得ることができ、得られた分散体は一
次粒子もしくは一次粒子近くの粒子径まで分散してお
り、また経時変化による沈降も少なく長期間安定してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる微粒化装置の全体概念図であ
る。
【図2】図1に示す微粒化装置の構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
7 高圧ポンプ 8 微粒化装置 9 円筒部 10 第1のディスク 10a,10b 導入貫通孔 10c 密着対向面 10d 渦巻室 10e,10f 溝状導入通路 11 第2のディスク 11a 中間貫通孔 12 第3のディスク 12a,12b 排出貫通孔 12e,12f 溝状送出通路 12d 貯留室

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化亜鉛および/または酸化チタンの懸
    濁液を湿式ジェットミルで処理を行うことを特徴とする
    酸化亜鉛および/または酸化チタンの分散体の製法。
  2. 【請求項2】 分散媒が有機相であることを特徴とした
    請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 酸化亜鉛および/または酸化チタンの懸
    濁液濃度が15%超60%以下である請求項1または2
    記載の製法。
  4. 【請求項4】 湿式ジェットミルとして、耐圧容器内に
    密封状態で配置されたノズルへ被処理液を高圧で圧送
    し、該ノズル内で渦巻状のジェット流を形成することに
    より、被処理液中の分散質を乳化、分散もしくは破砕す
    る装置を使用する請求項1〜3のいずれかに記載の製
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載された製
    法で製造された酸化亜鉛および/または酸化チタンの分
    散体。
JP34844597A 1997-11-11 1997-11-11 微粒子分散体の製法および微粒子分散体 Pending JPH11147714A (ja)

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