JP6212246B2 - 粒子状紫外線吸収材料ならびにこれを配合した化粧料および樹脂組成物 - Google Patents

粒子状紫外線吸収材料ならびにこれを配合した化粧料および樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は粒子状紫外線吸収材料に関する。また、本発明は、粒子状紫外線吸収材料を含む工業製品、特に化粧料および樹脂組成物に関する。
紫外線の遮蔽が望ましい用途において、多くの工業製品には紫外線吸収微粒子が添加されている。代表的な紫外線吸収微粒子は酸化チタン微粒子である。紫外線吸収微粒子が添加される工業製品としては、サンスクリーン等の化粧料、紫外線遮蔽フィルム等の樹脂組成物を例示できる。
特に化粧料の分野では、波長290nm〜320nmのUVBのみならず波長320nm〜400nmのUVAを効果的に遮蔽することが望まれている。従来、酸化チタン微粒子は、UVBの遮蔽には適しているものの、UVAの遮蔽については有機物からなる紫外線遮蔽剤に劣ると考えられていた。しかし、近年では、特許文献1に開示されているように、UVAの遮蔽にも適した酸化チタンが開発されている。
紫外線吸収微粒子を添加した工業製品から期待された程度に紫外線遮蔽効果が得られない場合がある。この問題を引き起こす主な要因は微粒子の凝集にある。微粒子の凝集に伴う見かけ上の粒径の増大が紫外線遮蔽効果を低下させるためである。特に、粒径が小さい微粒子は顕著な凝集傾向を示すことがある。しかし、微粒子の凝集傾向を緩和するために微粒子の粒径を増大させると、必然的に紫外線遮蔽効果が低下する。例えば酸化チタンの場合、粒径が0.2μm程度以上に達した微粒子は、紫外線遮蔽効果が大きく低下し、顔料としての使用に適した可視光遮蔽効果を有するようになる。粒径による遮蔽特性の相違に基づき、市販されている酸化チタン微粒子は、粒径が0.2μm以上の顔料用製品と粒径が典型的には0.02〜0.06μm程度の紫外線遮蔽用製品とに区分され、両製品は別の機能材料として市販されている。
特許文献2には、酸化チタン微粒子の分散状態を改善して紫外線遮蔽特性を向上させるために、粒子形状が球状に近く平均粒径が0.01〜0.10μmである第1の酸化チタン微粒子と、粒子形状が紡錘状で短径が0.005〜0.02μm、長径が0.01〜0.10μmである第2の酸化チタン微粒子とを配合することが開示されている。特許文献2によると、球状の酸化チタン微粒子と紡錘状の酸化チタン微粒子とを特定の比率(3:1〜1:9)で配合すると、各酸化チタン微粒子の分散状態が良好になり、その結果、紫外線遮蔽特性の指標となるSPF値が上昇する(段落0006)。特許文献2の実施例の欄を参照すると、2種類の酸化チタン微粒子を適切な比率で混合配合することによって、SPF値は最高で6程度上昇する(段落0013)。
国際公開第2011/077084号 特開平7−165532号公報
特定の種類の酸化チタン微粒子を特定の比率で混合する技術は、言うまでもなく、任意の紫外線吸収微粒子に対して適用できる汎用性のあるものではない。本発明の目的は、紫外線吸収微粒子の分散状態を改善する新たな技術を提供することにある。
本発明は、基材粒子と、前記基材粒子に付着した複数の紫外線吸収微粒子とを備え、
前記紫外線吸収微粒子の平均粒径が175nm以下である、粒子状紫外線吸収材料を提供する。
別の側面から、本発明は、本発明による粒子状紫外線吸収材料を配合した化粧料を提供する。さらに別の側面から、本発明は、本発明による粒子状紫外線吸収材料を配合した樹脂組成物を提供する。
本発明による粒子状紫外線吸収材料では、複数の紫外線吸収微粒子が基材粒子に付着した状態で固定されている。このため、配合された化粧料等の組成物において紫外線吸収微粒子のみが密に集まって凝集することが防止される。
本発明による粒子状紫外線吸収材料の一例を示す断面図 平均粒径が異なる酸化チタン微粒子の分光吸収特性を示す図 平均粒径が145nmである塊状の酸化チタン微粒子「XTP1」の透過型電子顕微鏡(TEM)による観察結果を示す図 平均粒径が30nmである棒状の酸化チタン微粒子「FPT5」のTEMによる観察結果を示す図 凝集した酸化チタン微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した結果を示す図 基材粒子(樹脂粒子)の表面に紫外線吸収微粒子(酸化チタン微粒子)を付着させた複合化粒子(実施例2)をSEMにより観察した結果を示す図 複合化粒子A,Bを配合した化粧料および紫外線吸収微粒子(XTP1)単体を配合した化粧料のSPF値を示す図 複合化粒子Cを配合した化粧料および紫外線吸収微粒子(FPT5)単体を配合した化粧料のSPF値を示す図 複合化粒子における紫外線吸収微粒子の比率とSPF値との関係を示す図 複合化粒子Aと複合化粒子Cとを混合配合した化粧料のSPF値および可視光透過率を示す図 多孔質基材粒子(ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子)を用いた複合化粒子についての微粒子脱落試験(超音波印加時間180秒)の結果を示す図 平滑な表面を有する基材粒子(PMMA粒子)を用いた複合化粒子についての微粒子脱落試験(超音波印加時間180秒)の結果を示す図 平滑な表面を有する基材粒子(ナイロン粒子)を用いた複合化粒子についての微粒子脱落試験(超音波印加時間180秒)の結果を示す図 多孔質基材粒子(ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子)を用いた複合化粒子についての微粒子脱落試験(超音波印加時間10秒)の結果を示す図 平滑な表面を有する基材粒子(PMMA粒子)を用いた複合化粒子についての微粒子脱落試験(超音波印加時間10秒)の結果を示す図 平滑な表面を有する基材粒子(ナイロン粒子)を用いた複合化粒子についての微粒子脱落試験(超音波印加時間10秒)の結果を示す図 市販の攪拌機を一定の速度で運転して作製した複合化粒子についての微粒子脱落試験(超音波印加時間180秒)の結果を示す図 自動乳鉢を一定の速度で運転して作製した複合化粒子についての微粒子脱落試験(超音波印加時間180秒)の結果を示す図 市販の攪拌機を一定の速度で運転して作製した複合化粒子についての微粒子脱落試験(超音波印加時間10秒)の結果を示す図 自動乳鉢を一定の速度で運転して作製した複合化粒子についての微粒子脱落試験(超音波印加時間10秒)の結果を示す図
以下、本発明による粒子状紫外線吸収材料の好ましい実施形態を説明する。なお、以下の説明において比率を示す%は、特に断りがない限り「重量%」である。
本発明の一実施形態において、粒子状紫外線吸収材料は、基材粒子と、基材粒子の表面に付着した複数の紫外線吸収微粒子とを含む複合化粒子である。図1に例示された粒子状紫外線吸収材料10では、基材粒子11の表面全体を実質的に覆うように紫外線吸収微粒子12が配置されている。図1に示した形態では、紫外線吸収微粒子12は、基材粒子11の表面に2以上の層を形成するように配置されている。この形態では、紫外線吸収微粒子12の一部は基材粒子11の表面に接触して直接付着しているが、基材粒子11の表面に接触することなく下層を構成する紫外線吸収微粒子の上に積み重なった状態で基材粒子11に付着している紫外線吸収微粒子12も存在する。粒子状紫外線吸収材料10は、通常、複数の基材粒子11と、各基材粒子11に付着した複数の紫外線吸収微粒子12とを含む材料として使用される。
[基材粒子]
基材粒子は樹脂粒子であることが好ましい。樹脂粒子は紫外線吸収微粒子を強固に固定するための塑性母材として適している。樹脂粒子を構成する樹脂としては、PMMA(ポリメチルメタクリレート)等のアクリル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂を例示できる。ただし、シリカ、アルミナに代表される無機物からなる無機粒子を基材粒子として用いてもよい。
基材粒子の粒径Rは、紫外線吸収粒子の平均粒径rの7倍よりも大きいこと(R>7r)、さらには10倍よりも大きいこと、特に30倍よりも大きいこと、とりわけ50倍よりも大きいことが好ましい。粒径Rの上限に特に制限はないが、粒径Rは、例えば粒径rの3000倍未満(R<3000r)、さらには1000倍未満、特に500倍未満である。粒径Rは、具体的には、例えば0.5μm〜100μm、好ましくは1μm〜50μm、より好ましくは2μm〜40μmである。複数の基材粒子が存在する場合、粒径Rは平均粒径により定められる。なお、本明細書において、「平均粒径」は、厳密には、実施例の欄で記述する方法によって測定されるメジアン径D50により定めるものとする。
基材粒子の形状は、塊状、棒状、平板状等であってよいが、典型的には球状、楕円体状、立方体状等の塊状(ブロック状)である。本明細書において、「塊状」は重心を通過する最大長さが最小長さの3倍未満である固体の形状を指す用語として使用する。塊状の基材粒子は、典型的には球状または楕円体状である。
基材粒子は多孔表面を有する多孔質粒子であることが好ましい。多孔表面は、平滑な表面よりも微粒子の担持に適している。基材粒子から脱落した微粒子は容易に凝集するため、多孔表面は微粒子の凝集を確実に防止する上で好ましい。本明細書において、用語「多孔表面」は、全体に凹凸が観察される表面を指す。多孔表面を有する粒子の嵩密度ρは、平滑な表面を有する同一材料からなる粒子の嵩密度ρ0よりも低く、例えば0.9ρ0以下、好ましくは0.8ρ0以下である。多孔表面の凹凸を構成する凹部の深さの個数平均は、例えば0.05μm以上、好ましくは0.1μm〜0.5μmであり、凹部の径の個数平均は、例えば0.05μm以上、好ましくは0.1μm〜0.5μmである。
[紫外線吸収微粒子]
紫外線吸収微粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機微粒子が適している。紫外線吸収微粒子は、酸化チタンおよび酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種の酸化物からなることが好ましく、酸化チタン微粒子であることがさらに好ましい。ただし、紫外線吸収微粒子は単一種類の無機物から構成されている必要はない。例えば酸化チタン微粒子は、酸化鉄その他の微量不純物を含んでいても紫外線吸収微粒子として支障なく使用できる。
紫外線吸収微粒子の平均粒径は175nm以下に制限される。これ以上に大きい微粒子は、通常、紫外線遮蔽効果がごく制限されたものとなる。紫外線吸収微粒子の平均粒径は、その下限が特に制限されるわけではないが、例えば20nm以上、さらには30nm以上が好適である。紫外線吸収微粒子の紫外線遮蔽特性は、微粒子の粒径に依存し、一般には粒径が小さいほど吸収波長域が短波長側へとシフトする。例えば、UVBの遮蔽のためには、平均粒径20nm〜60nm程度の紫外線吸収微粒子が好適である。したがって、本発明の好ましい一形態は、平均粒径が20nm〜60nmの紫外線吸収微粒子が基材粒子の表面に付着した粒子状紫外線吸収材料である。この材料における微粒子の平均粒径は、25nm以上がより好ましく、50nm未満がさらに好ましい。
また例えば、UVAの遮蔽のためには、平均粒径70nm〜175nm程度の紫外線吸収微粒子が好適である。したがって、本発明の好ましい一形態は、平均粒径が70nm〜175nmの紫外線吸収微粒子が基材粒子の表面に付着した粒子状紫外線吸収材料である。この材料における微粒子の平均粒径は、85m以上がより好ましく、100nm以上がさらに好ましく、110nm以上が特に好ましく、場合によっては120nm以上であってもよい。また、この材料における微粒子の平均粒径は、160nm以下がより好ましい。
紫外線吸収微粒子を基材粒子の表面に付着させ固定しておくことにより、紫外線吸収微粒子の凝集によるみかけ上の粒径の変化は抑制される。基材粒子は、スペーサーとして作用して紫外線吸収微粒子のみが密に凝集することを防止し、紫外線吸収微粒子の見かけ上の粒径が大きく変化することを抑制する。このような粒径の固定効果によって、紫外線吸収微粒子の一次粒子が有する粒径により期待される紫外線遮蔽効果が、凝集によって阻害されることなく発揮される。
図2に、平均粒径が異なる酸化チタン微粒子の分光吸収特性を示す。ここで、平均粒径30nmの酸化チタン微粒子はCRODA製「Solaveil Clarus FPT5」(以下「FPT5」とも表記)であり、平均粒径40nmの酸化チタン微粒子は石原産業製「TTO−55(C)」であり、平均粒径80nmの酸化チタン微粒子はテイカ製「MTY−700BS」であり、平均粒径145nmの酸化チタン微粒子はCRODA社製「Solaveil XTP1」(以下「XTP1」とも表記)であり、平均粒径200nmの酸化チタン微粒子は石原産業製「CR−50」である。
分光吸収特性の測定は、実施例の欄で記述する測定方法と同様にして行った。測定のために調製した組成物も実施例の欄の表1に示す成分を配合したサンスクリーンである。ただし、酸化チタン微粒子の配合量は10%とした。
図2を参照すれば、異なる平均粒径を有する紫外線吸収微粒子を適切に組み合わせることにより、より広い領域において紫外線を効果的に遮蔽できることが理解できる。例えば、「FPT5」(平均粒径30nm)と「MTY−700BS」(平均粒径80nm)とを混合して配合すれば、UVBおよびUVAの効果的に遮蔽できることが期待される。これまで知られてきた混合配合による紫外線遮蔽特性の向上(特許文献2参照)は、基本的には図2に示された分光吸収特性の各ピークのずれを利用したものである。
しかし、異なる分散質(微粒子)の配合は各分散質の分散特性に影響を与えるため、混合配合が予期せぬ凝集をもたらすことは少なからず経験されるところである。このため、異なる平均粒径を有する微粒子の混合配合は、実際に試してみなければその分散特性を想定しがたいのが現状である。これに対し、紫外線吸収微粒子を基材粒子と複合化した状態で混合配合すれば、基材粒子の存在により紫外線吸収微粒子が密に凝集することが確実に防止される。したがって、混合配合により得られる紫外線遮蔽特性の向上効果を得ることが容易となり、さらには効果の程度が格段に大きくなることも期待できる。
以上より、本発明の好ましい一形態は、平均粒径が20nm〜60nmの紫外線吸収微粒子を基材粒子に付着させた第1粒子状紫外線吸収材料と、平均粒径が70nm〜175nmの紫外線吸収微粒子を基材粒子に付着させた第2粒子状紫外線吸収材料と、を含む紫外線吸収材料である。紫外線遮蔽特性を重視するべき場合、第1粒子状紫外線吸収材料の配合率は、例えば5〜50%、さらには10〜30%、特に10〜40%が好ましく、第2粒子状紫外線吸収材料の配合率は、例えば50〜95%、さらには70〜90%、特に60〜90%が好ましい。可視光透過率を重視するべき場合、第1粒子状紫外線吸収材料の配合率は、例えば40〜95%、さらには50%を超え90%以下が好ましく、第2粒子状紫外線吸収材料の配合率は、例えば5〜60%、さらには10%以上50%未満が好ましい。
図2を再び参照すると、平均粒径145nmの酸化チタン微粒子「XTP1」が特異的に優れた紫外線遮蔽特性を示すことが確認できる。「XTP1」のように、平均粒径が85nm〜175nmである塊状の酸化チタン微粒子は、それ自体優れた紫外線遮蔽特性を有し得る紫外線吸収微粒子である。「XTP1」の透過型電子顕微鏡写真を図3Aに示す。しかし、この微粒子も凝集に伴う粒径増大の問題と無縁ではなく、図4に示したように数十μm程度の凝集体となることがある。この凝集体の解砕に要する工程は微粒子を基材粒子の表面に固定しておくことにより省略できる。図5に、酸化チタン微粒子「XTP1」を樹脂基材粒子(PMMA粒子)の表面に付着させた複合化粒子を例示する。この複合化粒子では、酸化チタン微粒子が基材粒子の表面を実質的に覆っている。表面への固定による凝集の防止は、紫外線遮蔽特性の向上に好ましい範囲の粒径を有する酸化チタン微粒子の特性を確実に発揮させる有効な手段である。
「XTP1」のように優れた紫外線遮蔽特性を示す酸化チタンの好ましい特徴は特許文献1に詳述されている。この酸化チタン微粒子の平均粒径は、85nm〜175nmであることが好ましい。また、平均長さ(平均最大長さ)は30nm〜75nmであり、平均幅(平均最小長さ)は20nm〜55nmであることが好ましい。平均長さと平均幅との比(平均アスペクト比)は1.0〜2.5:1であることが好ましい。さらに、D30およびD70は、共に、D50(平均粒径)±70nm以内、さらにはD50±50nm以内、特にD50±40nmに存在することが好ましい。ここで、D30およびD70は、D50と同様、後述する方法によって測定される径であり、それぞれ体積累積分布30%および70%の値を指す。なお、「XTP1」のD30は124nm、D70は168nmである。
以上より、本発明の好ましい一形態は、平均粒径が85nm〜175nmの紫外線吸収微粒子を基材粒子に付着させた粒子状紫外線吸収材料である。
[複合化]
基材粒子と紫外線吸収微粒子との複合化は、基材粒子と微粒子とを、自動乳鉢、ボールミル、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、レディゲミキサー、V型ミキサー、ハンマーミル、ピンミル等の混合機を用いて混合することにより実施できる。
この複合化は、樹脂粒子である基材粒子と微粒子との摩擦帯電により基材粒子と微粒子との間に発生する静電力によって微粒子を基材粒子の表面に付着させる付着工程と、付着工程が終了した後に実施される、微粒子が付着した基材粒子を互いに衝突させて基材粒子に対する微粒子の付着強度を高くする強度向上工程と、を含む方法により実施することが好ましい。付着工程では、異なる物質が接触して離間するときに帯電列に従って物質が帯電する現象が利用される。基材粒子同士および微粒子同士は、帯電によって同種の電荷を有するために互いに反発するが、異種の電荷を有する基材粒子と微粒子とは互いに引きつけ合う。この静電引力により、基材粒子の表面に微粒子が密に担持される状態となる。強度向上工程では、衝突に伴う衝撃力によって基材粒子と微粒子との付着力が向上する。
上述の付着工程および強度向上工程の実施により、従来よりも紫外線微粒子の付着力が向上した複合化粒子を製造することが可能となる。本発明の好ましい一形態では、例えば、複合化粒子(粒子状紫外線吸収材料)を濃度0.02重量%となるように水に分散させた分散液207mlに対して周波数40kHz、強度30W/cm2の超音波を180秒間印加する脱落試験を実施した後に、紫外線吸収微粒子の90重量%以上、好ましくは95重量%以上、より好ましくは98重量%以上、が基材粒子に付着した状態を維持するものとなる。また、上記脱落試験を実施した後に、紫外線吸収微粒子の実質的にすべてが基材粒子に付着した状態を維持する複合化粒子とすることも可能である。ここで、「実質的にすべて」とは、レーザー回折・散乱式の粒子径分布測定装置を用いて測定した粒子径分布(粒度分布)において、脱落した紫外線吸収微粒子に由来するピークが観察されないことを意味するものとする。
上述の強度向上工程では、微粒子が付着した基材粒子のみを互いに衝突させるとよいことが見出された。硬度が高い異物が存在する状態で微粒子が付着した基材粒子を混合すると、微粒子が基材粒子から脱落しやすくなるためである。実験により確認されたところによると、ボールミルを用いて強度向上工程を実施すると、アルミナボール等の粉砕用無機粒子との衝突により、微粒子の相当量が基材粒子から脱落する。したがって、微粒子の比率が高い複合化粒子を製造するべき場合には、表面硬度が高い粒子(具体的には表面が無機物または金属により構成されている粒子、典型的には無機粒子または金属粒子)としては微粒子が付着した基材粒子のみが混合機内に存在する状態で攪拌を実施することにより、微粒子が付着した基材粒子が衝突する相手方を同じ基材粒子(微粒子が付着した基材粒子)に限定することが好ましい。このように、好ましい硬度付着工程では微粒子脱落の原因となる粒子、すなわち表面が無機物または金属により構成されている粒子、が混合機内から排除されるが、この場合においても、微粒子に大きな衝撃力を与えない液体や表面硬度が低い有機物であれば混合機内に添加しても支障はない。
本発明の好ましい一形態では、基材粒子と紫外線吸収微粒子との合計重量に対する紫外線吸収微粒子の重量の比率が、50%以上、さらには55%以上、特に60%以上、とりわけ65%以上となる。本発明の特に好ましい一形態では、上記脱落試験を実施した後においても、基材粒子と紫外線吸収微粒子との合計重量に対する紫外線吸収微粒子の重量の比率が、50%以上、さらには55%以上、特に60%以上、とりわけ65%以上となる。紫外線吸収微粒子の比率は、その上限が特に制限されることはないが、例えば90%以下、さらには85%以下である。上述の付着工程、さらには微粒子が付着した基材粒子のみを互いに衝突させる強度向上工程の実施により、複合化粒子における紫外線吸収微粒子の比率が上記程度に高く、上記脱落試験後においても上記比率が上記程度に高い複合化粒子を得ることが可能となる。他方、ボールミルを用いて付着強度の向上を図ると、紫外線吸収微粒子の脱落を防ぐことが困難となり、基材粒子に付着させることができる紫外線吸収微粒子の量は、基材粒子と紫外線吸収微粒子との合計重量に対する紫外線吸収微粒子の重量の比率により表示して50%未満に止まる。
上述の付着工程および好ましい強度向上工程は、例えばヘンシェルミキサーを用いて実施することができる。具体的には、基材粒子および微粒子をヘンシェルミキサー内に投入して攪拌翼を第1速度で所定時間回転させて基材粒子と微粒子とを混合することにより付着工程を実施し、引き続き、このヘンシェルミキサーの攪拌翼を第1速度よりも大きい第2速度で所定時間回転させて強度向上工程を実施するとよい。強度向上工程は、ヘンシェルミキサー内に、表面が無機物または金属により構成された粒子としては紫外線吸収微粒子が付着した基材粒子のみを投入して実施される。上記における「所定時間」は、投入する粒子の量等によって相違するが、付着工程については例えば1分間以上、特に2〜10分間、10分間以上でも付着状態は良好であるが、長時間の製造はコスト効率が悪くなる。強度向上工程については例えば15分間以上、特に20〜60分間である。60分間以上でも強度向上の効果があるが、長時間の製造はコスト効率が悪くなる。
本発明の好ましい一形態では、他の材料の接着力に頼ることなく基材粒子に紫外線吸収微粒子が付着している。したがって、紫外線吸収微粒子と基材粒子とを内包して一体化するワックスなどの有機材料が存在しなくても、紫外線吸収微粒子と基材粒子との付着状態が保持される。すなわち、本発明の好ましい一形態では、基材粒子および紫外線吸収微粒子をともに被覆して基材粒子および紫外線吸収微粒子を一体化する有機材料が含まれていない。
[化粧料、樹脂組成物]
本発明による粒子状紫外線吸収材料は、従来の紫外線吸収材料に代えて、化粧料、樹脂組成物その他の工業製品に配合することができる。化粧料、樹脂組成物を構成する紫外線吸収材料以外の材料については従来から使用されてきたものを採用すれば足りるため、ここでは説明を省略する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
[複合化粒子の製造]
(実施例1)
多孔質架橋型PMMA粒子(ガンツ化成社製「ガンツパールGMP0820」;平均粒径10μm)30重量部と酸化チタン微粒子(クローダ製「Solaveil XTP1」;平均粒径145nm)70重量部とをヘンシェルミキサー内に投入した。ヘンシェルミキサー内において、周速25m/秒で5分間混合して酸化チタン微粒子をPMMA粒子の表面に付着させ、引き続き、周速88m/秒で30分間混合して粒子を複合化した。その後、ヘンシェルミキサーを周速20m/秒以下の低速で回転させながら、複合化した粒子を常温まで冷却した。ここで、周速はヘンシェルミキサーの羽根の先端部分の移動速度である。なお、用いたヘンシェルミキサーの羽根の長さは45cmである。この複合化により、酸化チタン微粒子の実質的に全量がPMMA粒子の表面に付着した複合化粒子(粒子状紫外線吸収材料;酸化チタン比率70%、酸化チタン粒径145nm)Aを得た。
(実施例2)
PMMA粒子の投入量を40重量部、酸化チタン微粒子の投入量を60重量部とした以外は実施例1と同様にして、複合化粒子(酸化チタン比率60%、酸化チタン粒径145nm)Bを得た。
(実施例3)
酸化チタン微粒子としてクローダ製「Solaveil Clarus FPT5」(平均粒径30nm)を用いた以外は実施例1と同様にして、複合化粒子(酸化チタン比率70%、酸化チタン粒径30nm)Cを得た。
[化粧料への配合]
(実施例4)
表1に示した成分を配合した化粧料(サンスクリーン)を調製した。
得られた化粧料0.03gをプレート(ETB Holding製「HELIOPLATE HD6(表面粗さ6μm)」上に均一に塗布してサンプルプレートとした。各サンプルプレートについてSPFアナライザー(Labsphere製「UV−2000S」)を用いてSPF値を測定した。なお、このSPFアナライザーを用いると、SPF値のみならず分光吸収特性(図2)および可視光透過率(図9)を測定することができる。SPF値の測定結果を図6および図7に示す。
図6を参照すると、複合化によって酸化チタン微粒子による紫外線遮蔽効果が効果的に発揮されることが理解できる。例えば、粒子配合率13%において比較すると、複合化粒子Aまたは複合化粒子Bを配合した化粧料からは、酸化チタン微粒子「XTP1」の比率が低いにもかかわらず(複合化粒子Aの実質的な配合率は13×0.7=9.8%)、酸化チタン微粒子を複合化することなく単体として配合した化粧料よりも高いSPF値が測定された。粒子配合率11%以下の範囲において複合化粒子によるSPF値が微粒子単体による値よりも相対的に低くなっているのは酸化チタン微粒子の絶対量が不足しているためである。酸化チタン微粒子単体の配合量の増加により、期待される程度にSPF値が上昇しないのは微粒子の凝集が影響していると考えられる。これに対し、複合化粒子A,Bの配合量の増加は、SPF値の顕著な増加をもたらしている。この増加は、複合化による微粒子の凝集緩和効果がもたらしたものである。
図6から読み取れる程度には至らないものの、図7からも酸化チタン微粒子の複合化による効果を読み取ることができる。複合化粒子Cを15%配合した化粧料に含まれている酸化チタン微粒子「FPT5」の比率は10.5%(15×0.7%)であるにもかかわらず、この化粧料からは粒径が同じ酸化チタン微粒子単体を同程度(10%)配合した化粧料よりも高いSPF値が測定された。
「FPT5」の透過型電子顕微鏡写真を図3Bに示す。「XTP1」が塊状であるのに対し(図3A)、「FPT5」は棒状である。棒状体は、塊状体と比較すると、隙間なく凝集しにくい。このため、棒状体では凝集によって見かけの粒径の増大効果が現れにくく、凝集に伴う紫外線遮効果性の低下も顕著には観察されない。複合化による紫外線遮蔽効果の増大が「XTP1」において相対的に大きくなったのは、粒子形状の相違が影響していると考えられる。複合化による紫外線遮蔽効果の改善は、塊状の紫外線遮蔽微粒子において相対的に大きくなる。
[酸化チタン微粒子の比率]
(実施例5)
樹脂粒子(基材粒子)としてPMMA粒子に代えてナイロン粒子(東レ製「SP−10」;平均粒径10μm)を用いた以外は実施例1と同様にして、複合化粒子D1(酸化チタン比率70%)を得た。また、酸化チタン微粒子の配合量を50重量部、樹脂粒子の配合量を50重量部とした以外は複合化粒子D1の製造と同様にして複合化粒子D2(酸化チタン比率50%)を得た。さらに同様にして、複合化粒子D3(酸化チタン比率40%)、D4(同比率30%)、D5(同比率20%)を得た。引き続き、実施例4と同様にして、化粧料を調製し、さらにSPF値を測定した。ただし、化粧料を調製する際の複合化粒子の配合率は20%とした。SPF値の測定結果を図8に示す。
[酸化亜鉛微粒子の使用]
(実施例6)
紫外線吸収微粒子として酸化亜鉛微粒子(CRODA製「Solaveil Clarus ZnO」;平均粒径85nm)を用いた以外は実施例1と同様にして、複合化粒子E(酸化亜鉛比率70%)を製造した。引き続き、実施例4と同様にして、化粧料を調製し、さらにSPF値を測定した。ただし、複合化粒子Eの配合率は10%とした。この化粧料のSPF値は4.1であった。これに対し、上記酸化亜鉛微粒子単体を10%配合した化粧料のSPF値は4.3であった。ただし、上記酸化亜鉛微粒子単体を7%程度、すなわち複合化粒子Eに含まれている量と同程度配合した化粧料からは4.0を超えるSPF値が得られないことを考慮すると、酸化亜鉛においても複合化によって紫外線遮蔽効果は向上する。
[2種類の複合化粒子の配合]
(実施例7)
複合化粒子Aと複合化粒子Cとを所定の比率で配合して用いた以外は、実施例4と同様にして化粧料を調製し、さらにSPF値および可視光透過率を測定した。ただし、化粧料における複合化粒子の配合率の合計は10%とした。結果を図9に示す。
図2に示されているように、複合化粒子Aに含まれている平均粒径145nmの塊状酸化チタン微粒子「XTP1」は、紫外線遮蔽効果において、複合化粒子Cに含まれている平均粒径30nmの棒状酸化チタン微粒子「FPT5」を上回っている。これのみから判断すると、複合化粒子Aの一部を複合化粒子Cにより置き換えて配合しても紫外線遮蔽効果の増大は期待できない。しかし、図9に示されているとおり、複合化粒子Aと複合化粒子Cとの混合配合は、SPF値の更なる向上をもたらした。
SPF値が最高となったのは、複合化粒子A8%、複合化粒子C2%を配合した化粧料であった。この化粧料のSPF値は、複合化粒子Aのみを10%添加した化粧料のSPF値よりも10%以上向上した。これに対し、別途実験により確認したところ、「XTP1」単体8%、「FPT」単体2%を配合した化粧料のSPF値は、「XTP1」のみを10%配合した化粧料のSPF値よりも大きくなったものの、その相違は5%程度に止まった。また、酸化チタン微粒子単体を混合配合する場合には、配合比率を同一にしても試料による測定値の相違が大きくなる傾向にあった。紫外線遮蔽効果の安定した向上には複合化した微粒子の配合が適している。
プレート上に塗布した化粧料について測定した可視光透過率の測定結果を図9に併せて示す。肌に塗布した状態で透明感のある化粧料を提供するためには、低すぎる可視光透過率は望ましくない。しかし、SPF値で示される紫外線遮蔽効果を向上させるために紫外線吸収微粒子の配合量を増やすと可視光透過率は低下する。このように、これまでは可視光透過率と紫外線遮蔽効果との両立は難しい状況にあった。ところが、図9に示したように、複合化粒子Aのみを添加した化粧料から複合化粒子Aの半分程度までを複合化粒子Cに置換することによる紫外線遮蔽効果の向上は、可視光透過率の低下を伴わずに得ることができる。
[微粒子の脱落]
(実施例8)
複合化粒子Bについて酸化チタン微粒子の脱落試験を実施した。また、樹脂粒子(基材粒子)として表面が平滑な架橋型PMMA粒子(ガンツ化成製「ガンツパールGMX−810」;平均粒径8μm)を用いた以外は実施例1と同様にして複合化粒子Fを作製し、同様に脱落試験を実施した。さらに、酸化チタン微粒子の配合量を60重量部、樹脂粒子の配合量を40重量部とした以外は複合化粒子D1の製造と同様にして複合化粒子D6を作製し、同様に脱落試験を実施した。複合化粒子Bは多孔質PMMA粒子が、複合化粒子Fは平滑な表面を有するPMMA粒子が、複合化粒子D6は平滑な表面を有するナイロン粒子が、それぞれ基材粒子となっている。
また、基材粒子と紫外線微粒子との複合化を、ヘンシェルミキサーではなく市販の攪拌機を用いて実施した以外は、実施例3と同様にして複合化粒子G1を作製し、脱落試験を実施した。使用した攪拌機は、先端が円板状に広がった攪拌ロッドを備え、この攪拌ロッドを分散液に差し入れて攪拌を実施する形式の装置である。さらに、基材粒子と紫外線微粒子との複合化を、ヘンシェルミキサーではなく自動乳鉢を用いた30分間の混合とした以外は、実施例2と同様にして複合化粒子G2を作製し、脱落試験を実施した。複合化微粒子G1およびG2の作製に際しては、攪拌機および自動乳鉢を一定の速度で回転させた。
脱落試験は、粒子径分布測定装置(堀場製作所製「Partica LA−950V2」)に付属している超音波印加装置を用い、複合化粒子に超音波(40kHz)を180秒間加えることにより実施した。印加した超音波の強度は30W/cm2であった。この試験の後に粒子径分布を測定すれば、酸化チタン微粒子の脱落の程度を確認できる。なお、この脱落試験では、複合化粒子の濃度が0.02%となるように純水に複合化粒子を分散して調製した分散液207mlに上記超音波を印加した。
複合化微粒子B、複合化微粒子Fおよび複合化微粒子D6についての脱落試験の結果を図10A〜図10Cに示す。粒子径の測定は上記測定装置を用い、湿式モードで実施した。平滑な表面を有する基材粒子からは酸化チタン微粒子が脱落したことが確認された(図10B,Cの矢印部分)。これに対し、多孔表面を有する基材粒子を用いた複合化粒子からは酸化チタン微粒子の脱落は確認されなかった(図10A)。ただし、粒子径分布の測定結果から見積もったところ、複合化微粒子Fについての脱落量は酸化チタン微粒子の1.3重量%に過ぎず、複合化微粒子D6についての脱落量も酸化チタン微粒子の1.8重量%に過ぎなかった。言い換えると、複合化微粒子B、複合化微粒子Fおよび複合化微粒子D6については、酸化チタン微粒子の98重量%以上が脱落試験後においても付着状態を維持していた。
念のため、複合化微粒子B、複合化微粒子Fおよび複合化微粒子D6について、超音波の印加時間を10秒とした以外は上記と同様にして実施した試験の結果を図11A〜図11Cに示す。図10A〜図10Cとの対比により、複合化微粒子Fおよび複合化微粒子D6については、酸化チタン微粒子が超音波の印加により脱落したことが確認できる。
複合化微粒子G1および複合化微粒子G2についての脱落試験の結果を図12A〜図12Bに示す。粒子径分布の測定結果から見積もったところ、複合化微粒子G1については酸化チタン粒子の35重量%程度が、複合化微粒子G2については酸化チタン粒子の15重量%程度が、それぞれ基材粒子から脱落していた。複合化微粒子G1および複合化微粒子G2についても、超音波の印加時間を10秒とした以外は上記と同様にして実施した試験の結果を図13A〜図13Bに示しておく。複合化微粒子G1および複合化微粒子G2についても、酸化チタン微粒子が超音波の印加により脱落したことが確認できる。
上記粒子径分布測定装置は、いわゆるレーザー回折・散乱式の測定装置であり、ミー散乱理論に基づいて粒子径を算出し、体積基準の粒子径分布を表示する。本明細書における「平均粒径」は、この装置と同じ測定原理に基づく方法により測定されたメジアン径D50を意味する。同様に、例えば「D30」と表記された粒径は、上記測定方法により測定された体積累計粒子径30%の値を表示する。
なお、実施例で用いた多孔質PMMA粒子についてその多孔表面の状態をSEMによる観察結果を用いて測定した。この粒子の表面全体には凹凸が形成されており、凹部(孔)の平均深さは0.21μm、平均径は0.22μmであった。SEMにより、実施例8で用いた架橋型PMMA粒子およびナイロン粒子の表面が平滑であることも確認した。さらに、嵩密度を測定したところ、多孔質PMMA粒子が0.4g/cm3、表面が平滑なPMMA粒子が0.6g/cm3であり、前者が後者の67%程度の値となっていることが確認された。
10 粒子状紫外線吸収材料(複合化粒子)
11 基材粒子
12 紫外線吸収微粒子

Claims (8)

  1. 基材粒子と、前記基材粒子に付着した複数の紫外線吸収微粒子とを備え、
    前記紫外線吸収微粒子の平均粒径が175nm以下であり、
    平均粒径が20nm以上60nm以下である紫外線吸収微粒子を塊状の基材粒子に付着させた第1の粒子状紫外線吸収材料と、
    平均粒径が70nm以上175nm以下である紫外線吸収微粒子を塊状の基材粒子に付着させた第2の粒子状紫外線吸収材料とを含み、
    平均粒径が20nm以上60nm以下である前記紫外線吸収微粒子、および平均粒径が70nm以上175nm以下である前記紫外線吸収微粒子が酸化チタンである、
    粒子状紫外線吸収材料。
    ただし、塊状とは、重心を通過する最大長さが最小長さの3倍未満の固体の形状を指す。
  2. 前記基材粒子と前記紫外線吸収微粒子との合計重量に対する前記紫外線吸収微粒子の重量の比率が55%以上である、請求項1に記載の材料。
  3. 前記粒子状紫外線吸収材料を濃度0.02重量%となるように水に分散させた分散液207mlに対して周波数40kHz、強度30W/cm2の超音波を180秒間印加する脱落試験を実施した後に、前記紫外線吸収微粒子の90重量%以上が前記基材粒子に付着した状態を維持する、請求項1に記載の材料。
  4. 前記基材粒子の粒径が前記紫外線吸収微粒子の平均粒径の7倍よりも大きい、請求項1〜のいずれか1項に記載の材料。
  5. 前記基材粒子が多孔表面を有する、請求項1に記載の材料。
  6. 前記基材粒子が、樹脂粒子である、請求項1〜のいずれか1項に記載の材料。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の粒子状紫外線吸収材料を配合した化粧料。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の粒子状紫外線吸収材料を配合した樹脂組成物。
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