JP4063421B2 - シリカ−金属酸化物微粒子複合体およびそれに使用するシリカ凝集体粒子の製造方法 - Google Patents

シリカ−金属酸化物微粒子複合体およびそれに使用するシリカ凝集体粒子の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線遮蔽機能等を有する金属酸化物微粒子が、鱗片状シリカからなるシリカ凝集体粒子表面に担持されているシリカ−金属酸化物微粒子複合体に関するものである。
【0002】
また本発明は、このようなシリカ−金属酸化物微粒子複合体を形成するに適した、鱗片状シリカからなるシリカ凝集体粒子の製造方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
紫外線の皮膚に対する有害性は、オゾン層の破壊の問題を契機として近年非常に注目されるようになった。これは、長時間繰り返し紫外線に曝されると、皮膚組織のコラーゲン線維が破壊され、小ジワの発生、シミやソバカスなどの色素沈着および皮膚の老化の原因となるほか、最悪の場合、皮膚の細胞の遺伝子を傷つけ、皮膚癌を誘発する危険性があることなど、最近の皮膚科学の研究結果から、紫外線が予想以上の悪影響を多方面に及ぼすことが、明らかとなってきたからである。
【0004】
また、生体だけでなく、樹脂や塗料も直射日光に曝されると、紫外線の影響を受け、紫外線の直接酸化作用により経時的に劣化する。
【0005】
二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムまたは酸化鉄等の金属酸化物微粒子は紫外線遮蔽効果の大きい物質として知られているが、これらは、微粒子であるがゆえに、きわめて凝集しやすく、化粧料、塗料、樹脂中に均一または均質に分散させることは実際上、困難であり、また、特に化粧料に配合すると、展延性がなく、使用感が悪いと云う問題があった。さらに、これらの幾つかは、光触媒酸化作用を有し、そのまま化粧料、塗料、樹脂等に配合した場合、その油脂、香料、色素、樹脂等の構成成分を酸化してしまい、劣化・変質・褪色を惹起すると云う問題を有していた。
【0006】
従来、この問題の解決に対して、これらの二酸化チタン等の金属微粒子をシリカ中に内包せしめる技術が幾つか開示されているが( 例えば、特許第2591946号および特公平5−75684号等 )、実際上、微粒子を再現性よくシリカ中に均一に内包させることやシリカと二酸化チタンの分散状態を制御することは容易ではなく、必ずしも初期の目的を達成できていない。
【0007】
また、より本質的には、ここで開示されているシリカ粒子はアモルファスであって、強度的に極めて脆いものであるという問題がある。
【0008】
なお、鱗片状シリカが上記した方法とは異なる方法で製造されうることは、従来公知であるが( 例えば、特開平2−258615号 )、鱗片状シリカにより、二酸化チタン等の金属酸化物微粒子を内包複合化するための、より工業的生産に適した技術は、本発明者らにより、すでに検討され提案されている( 特願平9−179121号 )。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、鱗片状シリカからなる凝集体粒子を基材( マトリクス )とし、この表面上や間隙内表面上に、極めて凝集しやすくまた触媒反応活性が制御し難い金属酸化物微粒子を担持せしめることにより、上記問題を解決した複合体を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような状況に鑑み鋭意検討したところ、鱗片状シリカと二酸化チタンや酸化亜鉛等の金属酸化物微粒子を機械的に混合して得られた、単なる混合物が、優れた紫外線遮蔽性能等を有し、しかも驚くべきことに、これら二酸化チタン等は鱗片状シリカ中に実質的に内包されていないにかかわらず、当然懸念される光触媒酸化作用による有機化合物の分解・劣化作用が非常に少ないという、予想外の現象を見出した。
【0011】
そして更に詳細に検討したところ、この鱗片状シリカは凝集して多数の間隙を有する特異な形状の凝集体粒子を形成しており、金属酸化物微粒子は、該シリカ凝集体粒子の表面や間隙内部表面に担持された状態で存在しているという、これまた予想外の現象を見出した。本発明は、かかる知見に基づきなされるに到ったものである。
【0012】
すなわち、本発明に従えば、鱗片状シリカ一次粒子が不規則に重なりあって形成される間隙を有するシリカ凝集体粒子の表面上および該間隙内表面上に、金属酸化物微粒子が担持されていることを特徴とするシリカ−金属酸化物微粒子複合体が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】
まず、金属酸化物微粒子について述べる。
【0015】
金属酸化物微粒子としては、好ましくはシリカ以外の金属酸化物微粒子であって、二酸化チタン、過酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化銀、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化第一コバルト、四三酸化コバルト、酸化第二コバルト、酸化第一ニッケル、酸化第二ニッケル、酸化トリウム、酸化タングステン、酸化モリブデン、二酸化マンガン、三酸化マンガン、酸化ウラン、酸化トリウム、酸化ゲルマニウム、酸化第一錫、酸化第二錫、一酸化鉛、四三酸化鉛、二酸化鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、三酸化ビスマス等が好ましいものとして挙げられる。そして、目的に応じて選択され、例えば大きい紫外線遮蔽機能が要求される場合は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、または、酸化鉄の微粒子が好ましい。また、赤外線遮蔽機能が要求される場合は、酸化錫微粒子が好ましい。これらは単独あるいは混合して使用する。
【0016】
本発明における金属酸化物の微粒子とは、所謂超微粒子と称するものをも包含するもので、一次粒子の大きさ( 粒径 )が、0.002〜0.5μmのものである。そして、0.01〜0.5μmが好ましく、0.03〜0.3μmであるものがさらに好ましい。0.002μm未満になると、比表面積が増大してはじめから凝集状態にあり、微粒子を十分分散した状態でシリカ凝集体粒子に添加混合することができず、所望の紫外線遮蔽機能等が得られないので好ましくない。また0.5μmを越えると、微粒子自身の有する紫外線遮蔽機能等が低下するだけでなく、該金属化合物微粒子が基材であるシリカ凝集体粒子の表面や間隙内表面上に安定的に担持させることができず好ましくない。
【0017】
本発明における金属酸化物の微粒子の粒子形態としては基本的には球形であるものが好ましく、その場合は、粒径は直径を表すことになる。しかして、不定型や針状形のような非球形の粒子の場合であってもよく、その場合は、粒径とは最大径を指称するものとする。
【0018】
複合体中の金属酸化物微粒子の配合量は1〜80重量%、より好ましくは、1〜50重量%、さらに好ましくは、2〜35重量%( 金属酸化物+シリカ合計量基準 )である。これが1重量%未満では、その金属酸化物微粒子が奏すべき機能、例えば紫外線遮蔽効果が十分に得られず好ましくない。また一方、80重量%を越えると、金属酸化物微粒子の一部またはかなりの部分が、シリカ凝集体粒子の表面や間隙内表面上に安定的に担持されていない状態となり、好ましくない。
【0019】
紫外線遮蔽の用途において、二酸化チタンと酸化亜鉛の2成分を混合使用する場合は、光線透過率が可視光線領域では高く、紫外線領域では低いことが望ましいという観点から、二酸化チタンと酸化亜鉛とを配合する場合はその配合比率は、以下の範囲にあることが望ましい。すなわち、二酸化チタンと酸化亜鉛の合計量に対して、二酸化チタン含量が、10〜60重量%、より好ましくは、15〜50重量%、さらに好ましくは、20〜40重量%である。
【0020】
本発明の一つの好適な実施の形態としては、上記のごとき、該金属酸化物微粒子が、紫外線のような特定波長領域の光の遮蔽機能を有するようなものである。ここで光の遮蔽機能とは、該微粒子により、特定波長領域の光が吸収および/または散乱され、照射された光のある波長領域のものが実質的に遮蔽される機能を意味する。例えば、X線の遮蔽機能、可視光線の遮蔽機能、赤外線の遮蔽機能、紫外線の遮蔽機能等である。また、紫外線の遮蔽機能は高く、一方、可視光線の遮蔽機能はできるだけ低いことが要求されるような場合もあり、それらの要求に応じて、金属酸化物微粒子を選択および/または組み合わせて使用する。
【0021】
本発明で使用する金属酸化物微粒子は、公知の方法によりそれぞれ合成してもよいが、一般的には、各々について、種々の粒径を有するものがすでに市販品として入手可能であり、これらをそのまま使用することにより、十分本発明の目的を達成することができる。
【0022】
本発明においては、以上の金属酸化物微粒子をその表面に担持するシリカ凝集体粒子として、鱗片状シリカ一次粒子が不規則に重なりあって形成される間隙を有する、特異な形状のシリカ凝集体粒子を使用することを特徴とする。
【0023】
シリカ凝集体粒子を形成する単位である鱗片状シリカ一次粒子は、その厚さが0.001〜1μm、好ましくは0.01〜0.5μmであり、厚さに対する鱗片状板の最長長さの比(アスペクト比)が少なくとも10、好ましくは30以上、さらに好ましくは50以上、厚さに対する鱗片状板の最小長さの比が少なくとも3、好ましくは10以上、さらに好ましくは20以上を有するような鱗片状のシリカである。
【0024】
鱗片板の厚さが0.001μm未満の場合には、鱗片板の機械的強度が不十分となり好ましくない。一方、鱗片板の厚さが1μmより大きくなると、化粧料等に配合したときの展着性が十分でなくなるおそれがあるので好ましくない。また、アスペクト比が10未満の場合には、同様に展着性が十分でなくなるおそれがあるので好ましくない。
【0025】
なお、厚さに対する最長長さの比および最小長さの比の上限は特に規定するものではないが、前者は300以下、好ましくは200以下が実際的であり、後者は150以下、好ましくは100以下が実際的である。
【0026】
上記のように、本発明に云う鱗片状のシリカの厚さ、長さは特に断らないかぎり、その一次粒子についての平均値を意味する。
【0027】
ここで、鱗片状とは、実質的に薄い板状の形を有していればよく、これがさらに、部分的または全体的に曲がったり、ねじれていてもよい。
【0028】
このような、鱗片状シリカ一次粒子が重なりあって形成されるシリカ凝集体粒子自体は、所謂シリカ−X(以下Si O2 −Xとも表示する。)やシリカ−Y(同様にSi O2 −Yとも表示する。)等と称して、従来から学術的研究の対象としては、すでにその存在が知られていたものである。
【0029】
すなわち、これらシリカ−X等は、無定形( アモルファス )のシリカを水熱処理して、クリストバライトや石英( クオーツ )を形成させる過程で生じる、中間的なまたは準安定な相であり、シリカの準結晶質とも言うべき微弱な結晶相である。なお、シリカ−Xとシリカ−Yは、X線回折パターンは異なるが、電子顕微鏡で観察される粒子外観は酷似しており、いずれも本発明の目的に好ましく使用できるものである。
【0030】
従来の典型的なシリカ−X等の製法は、シリカゲル( シリカキセロゲル )やエアロジル等を出発物質とし、これを水熱処理するものであるが、反応時間が極めて長いという問題があった。例えば、シリカ−Xを最初に見出したHeydemann は、沈降性シリカおよびエアロジル(SiCl4 を高温熱分解して得られる超微粒子の非晶質シリカ)を出発物質としているが、これをオートクレーブ中でシリカ−Xに変換するのに180℃で1.5〜24日という極めて長時間を要している( Heydemann,A.,Beitr.Mineral.Petrogr.,10,242-259(1964) )。
【0031】
一方、シリカ−Yについては、Mitsyuk らが比表面積600〜700m2 /gのシリカゲルを出発物質として用い、NaOH等の溶液中で145〜155℃で、長時間( 200〜220時間 )水熱処理することによりシリカ−Yを得ており( Mitsyuk,B.A.et al.Geochem.Int.13,101-111(1976) )、また、Kitaharaらは、比表面積約600m2 /gのシリカゲル( 和光純薬(株)製シリカゲルG )を出発物質とし、NaCl含有KOH溶液中で、150〜160℃でやはり長時間(70〜170時間)水熱処理することにより、シリカ−Yを得ている( Kitahara.S.et al.Proc.Inst.Symp.Hydrotherm.React,1st(1983) )。
【0032】
このように、シリカゲルを出発物質として水熱処理してシリカ−X等に変換させる方法は、工業的に適用するには、極めて長い反応時間( 水熱処理時間 )が必要であると云う問題があった。もちろん、水熱処理の温度を上げれば、時間を短縮することは可能であるが、その場合は、操作範囲の安定性が失われ、石英( クオーツ )やクリストバライトが生成し易くなるというより大きな問題を惹起する。クオーツ等は、その結晶構造上、生体への安全性での懸念があり、化粧品等に配合することは好ましくない。かくして、より低温度で、しかも工業的に実施するのに十分短い時間で、クオーツ等を生成させることなしに、生体への安全性の高いシリカ−X等からなる凝集体粒子を製造する技術が望まれる。
【0033】
本発明者らは、かかる観点から、従来のシリカゲル( シリカキセロゲル )を出発物質として使用する方法の代わりに、より好ましい二つの方法を提案した。
【0034】
第一の方法は、シリカ源及びアルカリ源を特定量含むシリカゾル、すなわちコロイダルシリカの水分散体を出発原料として水熱処理せしめることにより、シリカ−X等を、より短時間で安定性よく工業的に製造する方法である( 特願平9−179120号 )。
【0035】
この方法に従えば、鱗片状シリカ一次粒子だけでなく、該鱗片状の一次粒子が互いに融着し不規則に重なりあって形成される間隙を有する、本発明で使用するのに適したシリカ凝集体粒子がそのまま得られるという利点を有する。
【0036】
すなわち、これは、シリカ源及びアルカリ源を特定量含むシリカゾルを、水熱処理せしめる方法であって、シリカゾルとしては、シリカ/アルカリモル比( SiO2 /Me2 O、ここでMeはLi、NaまたはKなどのアルカリ金属を示す。以下、同じ。 )が、1.0〜3.4mol/molである珪酸アルカリ水溶液を、イオン交換樹脂法あるいは電気透析法などによって脱アルカリしたシリカゾルが好適に使用される。なお、珪酸アルカリ水溶液としては、たとえば水ガラスを適宜水で希釈したものなどが好ましい。
【0037】
シリカゾルのシリカ/アルカリモル比( SiO2 /Me2 O )は、3.5〜20mol/molの範囲が好ましく、4.5〜18mol/molの範囲がさらに好ましい。また、シリカゾル中のシリカ濃度は2〜20重量%が好ましく、3〜15重量%が特に好ましい。
【0038】
シリカゾル中のシリカ粒子径は、平均粒子径を意味し、特に限定するものではないが100nm以下のものが好ましく、そのなかでも20nm以下の所謂活性珪酸と称されるものが特に好ましい。また粒径の下限値は特に限定するものではないが、1.0nm以上のものが好ましい。粒径が100nmを超えてあまり大きくなると、シリカゾルの安定性が低下するので好ましくない。シリカ粒子径の測定法は、この範囲の粒度が測定可能なものであれば特に限定するものではないが、レーザー光散乱粒度測定装置や、透過型電子顕微鏡により撮影した粒子像サイズのスケール計測などで測定することができる。
【0039】
以上のごときシリカゾルを出発原料とし、これをオートクレーブ等の加熱圧力容器中で加熱して水熱処理を行い、鱗片状シリカからなるシリカ凝集体粒子を生成せしめる。
【0040】
オートクレーブとしては特にその形式を限定するものではないが、少なくとも加熱手段と攪拌手段及び好ましくは温度測定手段を備えたものであればよい。
【0041】
なお、シリカゾルを水熱処理するため、オートクレーブに仕込むに先立って、さらに蒸留水やイオン交換水のごとき精製水を加えることにより、シリカ濃度を所望の範囲に調製することも可能である。
【0042】
水熱処理は、反応速度をできるだけ大きく、かつ、結晶化効果を小さくするため、150〜250℃の温度範囲で行われ、より好ましくは170〜220℃である。
【0043】
また、必要な水熱処理の時間は、水熱処理の温度や種晶の添加の有無等により変わりうるが、通常、5〜50時間、好ましくは、5〜40時間、より好ましくは5〜25時間程度である。
【0044】
なお、水熱処理を効率よく進め、処理時間を短くするためには、その添加は必須ではないが、0.001〜1重量%程度の種晶を添加することがより好ましい。種晶としては、シリカ−Xやシリカ−Y等をそのまま、または適宜粉砕して用いることができる。
【0045】
水熱処理終了後、水熱処理生成物をオートクレーブより取り出し、濾過、水洗する。水洗処理後の粒子は、10重量%の水スラリーとしたときのpHが5〜9であることが好ましく、より好ましいpHは6〜8である。
【0046】
一方、第二の方法は、シリカヒドロゲルを出発物質として水熱処理する方法であって、シリカ−X等をより低温度・短時間反応で、クオーツ等の結晶を生成させること無く、しかも収率高く製造することができるため、より好ましい方法である。
【0047】
ここで使用するのに適したシリカヒドロゲルは粒子状シリカヒドロゲルである。シリカヒドロゲルの粒子形状は真球状( 球状 )でも不定型粒状でもよく、また、その造粒方法は適宜選択できる。
【0048】
球状シリカヒドロゲルを例として示すと、古くから知られているように、シリカヒドロゾルを石油類その他の媒体中で、球形状に固化せしめて生成してもよいが、より好ましくは、特公昭48−13834号に記載されているように、珪酸アルカリ水溶液と鉱酸水溶液を混合してシリカゾルを短時間で生成させると同時に、気体媒体中に放出し、気体中でゲル化させる方法により製造されるものである。
【0049】
すなわち、珪酸アルカリ水溶液と鉱酸水溶液とを、放出口を備えた容器内に別個の導入口から導入して瞬間的に均一混合し、SiO2 濃度換算で130g/l以上、PH7〜9であるシリカゾルを生成せしめ、これを、直ちに、上記放出口から、空気等の気体媒体中に放出させ、放物線を描いて滞空させる間に空中でゲル化させるのである。落下地点には、水を張った熟成槽を置いておき、ここに落下せしめて数分〜数10分熟成させる。
【0050】
これに酸を添加してPHを下げ、水洗したものが本発明で使用するに好ましい球状のシリカヒドロゲルである。
【0051】
得られたシリカヒドロゲルは、粒径がよく揃った粒径2〜6mm程度の透明で弾力性を有する球状粒子であり、一例では、SiO2 に対して重量比で約4倍もの水を含有している( すなわち、SiO2 20重量%、水分80重量%程度 )ものである。シリカヒドロゲル粒子は、実際上極めて多数の数nm程度の粒径のシリカ一次粒子の集合体であり、該一次粒子の表面及び間隙に、この水が存在するものと推定されている。本発明で使用できるシリカヒドロゲル中のSiO2 濃度は、入手容易性及び反応性の点から、15〜75重量%( すなわち、水分量85〜25重量% )のものであり、適宜乾燥してこの範囲で水分量を調節してもよい。なお、本発明においてヒリカヒドロゲル中の水分量は、以下のようにして測定したものである。すなわち、シリカヒドロゲル試料を180°で2時間乾燥後、残った試料重量を絶乾SiO2 量とし、重量減少量を試料ヒドロゲル中の水分量とするものである。
【0052】
ちなみに、このシリカヒドロゲル粒子を、150〜180°程度の温度においてドライヤー等で十分乾燥し、間隙および表面のヒドロゲル水分を除去したものが、工業的に製造・販売されている乾燥シリカゲル( シリカキセロゲル )であって、上述した従来のシリカ−Xやシリカ−Yの製造法においては、この乾燥シリカゲルを水熱処理の出発原料シリカとして使用している。
【0053】
このようなシリカヒドロゲルを出発原料とし、これを第一の方法と同様に、オートクレーブ等の加熱圧力容器中で加熱して水熱処理を行い、鱗片状シリカ一次粒子が不規則に重なりあったシリカ凝集体粒子を生成させる。
【0054】
その場合、この球状シリカヒドロゲルをそのまま使用してもよいが、好ましくは、粉砕または粗粉砕して、粒径0.1〜3mm程度としたものが、オートクレーブ中での攪拌をより効果的に行えるために望ましい。
【0055】
なお、シリカヒドロゲルを水熱処理するために、オートクレーブに仕込む場合、蒸留水やイオン交換水のごとき精製水を加えることにより、シリカヒドロゲル濃度を所望の範囲に調整することが好ましい。オートクレーブ内の処理液中の総シリカ濃度は、攪拌効率、結晶生長速度、収率等を考慮して選択されるが、通常、全仕込み原料基準でSiO2 として1〜30重量%、好ましくは10〜20重量%である。ここで処理液中の総シリカ濃度とは、系内の総シリカ濃度を意味し、シリカヒドロゲル中のシリカのみでなく、アルカリ金属塩として珪酸ナトリウム等を使用した場合は、これに珪酸ナトリウム等により系に持ち込まれるシリカをも加えた値である。なお、総シリカ濃度は、第一のシリカゾルを使用する方法より高くすることができる。
【0056】
水熱処理においては、シリカヒドロゲルにアルカリ金属塩を共存させ、処理液のPHをアルカリ側に調節し、シリカ溶解度を適度に大きくし、所謂Ostwald の熟成に基づく晶析速度を高め、シリカヒドロゲルのシリカ−X等への変換を促進させる。ここでアルカリ金属塩とは、水酸化アルカリ、珪酸アルカリまたは炭酸アルカリ等を意味する。アルカリ金属としては、Li、Na、またはKが好ましい。系のPHとしては、好ましくはPH7以上、より好ましくはPH8〜13、さらに好ましくはPH9〜12.5である。
【0057】
好ましいアルカリの量を、シリカ/アルカリモル比( SiO2 /Me2 O )で表示すれば、4〜15mol/molの範囲であり、7〜13mol/molの範囲がさらに好ましい。なお、上記したように、シリカは、系内の処理液中の総シリカ量を示し、シリカヒドロゲルのシリカに、珪酸ナトリウム等により系に持ち込まれるシリカをも加えた値である。
【0058】
水熱処理は150〜220℃の温度範囲で行われ、好ましくは160〜200℃、もっとも好ましくは170〜195℃である。
【0059】
これよりあまり温度が低いと、目的とするシリカ凝集体粒子を得るのにきわめて長時間を必要とすることになり、一方、これよりあまり高温では、目的とするシリカ凝集体粒子が、例えばシリカ−Xやシリカ−Yの単一相として得られにくくなるので好ましくない。これはすでに述べたように、シリカ−X等が、中間相または準安定相と考えられ、水熱処理の進行とともに、逐次クリストバライトやクオーツに相転移する傾向があるところ、高温、特に220℃を超えるような場合は、結晶化効果が大きくなり、クリストバライトやクオーツとの混合物になるか、または、結晶化反応が速すぎて制御できず、すべてがクリストバライトやクオーツに変化してしまうためである。
【0060】
また、必要な水熱処理の時間は、水熱処理の温度や種晶の添加の有無等により変わりうるが、通常、第一の方法と同じく、5〜50時間、好ましくは、5〜40時間、より好ましくは5〜15時間程度、さらに好ましくは6〜12時間程度である。
【0061】
なお、水熱処理を効率よく進め、処理時間を短くするためには、その添加は必須ではないが、原料シリカヒドロゲルの仕込み量に対して、0.001〜1重量%程度の種晶を添加することがより好ましい。種晶としては、第一の方法と同じく、シリカ−Xやシリカ−Y等をそのまま、または適宜粉砕して用いることが好ましい。本発明者らの検討によれば、種晶を添加しない場合、またはシリカ−Yを種晶として使用する場合はシリカ−Yからなるシリカ凝集体粒子が形成されやすく、シリカ−Xを種晶として使用する場合は、シリカ−Xの凝集体粒子が形成されやすい。
【0062】
水熱処理終了後、第一の方法と同じく、水熱処理生成物をオートクレーブより取り出し、濾過、水洗してpHを調整する。
【0063】
以上のごとくして、シリカゾルを水熱処理する第一の方法やシリカヒドロゲルを水熱処理する第二の方法で得られた水熱処理生成物のケーキを、濾過・水洗した状態において顕微鏡的に見ると、個々の鱗片状の一次粒子同志が重なりあい癒着したようなシリカ凝集体粒子( 二次粒子 )を形成していることがわかる。すなわち、この方法により得られる鱗片状シリカ一次粒子の大部分は、結晶生長の過程において粒子同志融着し、互いに不規則に重なりあって二次粒子たるシリカ凝集体を形成すると考えられる。該凝集体は、鱗片状シリカがこのように不規則に重なり合うことによって形成される多数の間隙を有している点に特徴を有するものである。
【0064】
また、このシリカ一次粒子を、透過型電子顕微鏡( TEM )写真で観察すると、鱗片状であることがはっきり判別できる。
【0065】
本発明の目的に使用するためには、この凝集粒子をほぐし、一次粒子として分散させる操作、すなわち、分散処理( 解砕処理 )をあえて行うことなく乾燥することが好ましい。
【0066】
乾燥操作はそのまま、または、アセトンやメタノール等の低沸点有機溶媒で洗浄して付着水を溶媒置換した後行われる。乾燥装置は特に限定するものではないが、気流乾燥機、流動層乾燥機、媒体流動層乾燥機、攪拌型乾燥機、円筒乾燥機、箱型乾燥機、バンド乾燥機、熱風乾燥機、真空乾燥機、振動乾燥機、スプレードライヤー等任意の装置を採用できる。また、乾燥温度は通常、50〜300℃程度で行うのが好ましい。
【0067】
〔図1〕や〔図2〕はかくして得られたシリカ凝集体粒子を示す走査型電子顕微鏡( SEM )写真であって、鱗片状シリカ一次粒子が不規則に重なりあい、この重なりによって作られる多数の間隙( 空隙またはポケット )が存在するシリカ凝集体粒子を形成している状態が明確に認められる。該凝集体は、見かけ上、キャベツ状、たまねぎ状、花弁状、つぼみ状、巻き貝状等、状態により種々に表現される形態をとりうるものである。
【0068】
なお、〔図1〕はシリカゾルを水熱処理する第一の方法で得られたものであり、また、〔図2〕はシリカヒドロゲルを水熱処理する第二の方法で得られたもので、いずれの方法であってもほぼ同じ形状の凝集体粒子が得られる。
【0069】
ちなみに、水熱処理の原料シリカとして、シリカヒドロゲル粒子を出発物質とするより好ましい第二の方法において、該シリカヒドロゲルは、粒径がよく揃った粒径2〜6mm程度の透明で弾力性を有する球状粒子であり、これから、はるかに小さい粒径( 数μm程度 )のシリカ凝集体粒子が生成されることは予想外のことであると言えよう。おそらく、このシリカヒドロゲル粒子は、肉眼では到底観察し得ない極めて多数の、数nm程度の粒径のシリカ一次粒子の集合体であるところ、該一次粒子同志を結合・架橋せしめ、二次凝集体( ゲル )を形成していると思われるSi−O−Si結合、水素結合およびシリカ析出体等による結合が、水熱処理中に容易に切断され、粒子が化学的に解砕されるため、各々の、シリカ一次粒子に分離するものと推定される。この分離したシリカ一次粒子が出発物質となり、水熱処理によりシリカ−Xやシリカ−Y等の低結晶性の鱗片状シリカ一次粒子がスムースに形成されるのではないかと推定されるのである。
【0070】
これに対して、従来の、シリカ−Xやシリカ−Yの製造方法であるシリカゲル( シリカキセロゲル )を出発物質として使用する場合は事情は全く異なる。本発明者らの検討によれば、シリカゲル粒子をそのままオートクレーブに仕込んで水熱処理を行っても、反応はほとんど進行せず、装入したシリカゲルは見かけ上、そのままの状態で変化が認められない。けだし、シリカゲルは、シリカ一次粒子が結合・架橋してゲル化したものである点では、シリカヒドロゲルと共通するものではあるが、その結合がはるかに強固なため、水熱処理中に化学的解砕がほとんど行われないためであろう。
【0071】
従って、従来のシリカゲルを出発物質とする方法においては、シリカゲルをまず十分粉砕し、10〜100μm程度の微小粒子とする必要があった。しかも、このように機械的に粉砕したシリカゲルを使用した場合においてさえ、従来技術においては、到底工業的とは言えない長時間の水熱処理を要していたのである。
【0072】
なお、本発明のシリカヒドロゲルを使用した場合は、機械的粉砕の必要は全くない。おそらくゲル中の水分の存在により、一次粒子間の結合はきわめて弱く、水熱処理中に容易に各一次粒子にまで化学的に解砕されるからである。生じたシリカ一次粒子は、この微小粒径性( 数nm )ゆえ、大きな反応性を有し、また、粒径に依存する溶解度も大きいため、Ostwald の熟成もスムースに行われ、低温・短時間で目的とする鱗片状シリカ一次粒子が生成すると考えられるのである。
【0073】
本発明のシリカ凝集体粒子において、鱗片状シリカ一次粒子が不規則に重なりあう、とは二つの鱗片状粒子の面が完全に重なる場合のみでなく、面の一部と面の一部、面と辺、辺と辺の重なり等種々の空間的配置関係における重なりを意味し、これにより種々の形態の間隙が形成されるのである。また、もちろん、かくして形成された凝集体粒子表面上に、個々の鱗片状シリカ粒子がさらに重なりあい融合することにより、新たな間隙を形成するとともに、より大きな凝集体粒子が形成されることも当然考えられる。
【0074】
本発明においては、かくして形成した鱗片状シリカ一次粒子からなるシリカ凝集体粒子の表面上に、金属酸化物微粒子を担持する。この担持操作は、シリカ凝集体粒子に金属酸化物微粒子を添加して混合することにより容易になされる。
【0075】
混合は、通常使用される固体混合機により行われる。例えば、円筒型混合機、円錐型混合機、V型混合機、Y型混合機、二重円錐型混合機、正立方体型混合機等の容器回転型混合機;リボン型混合機、スクリュー型混合機、鋤型混合機、ミューラー型混合機、単軸ローター型混合機、二軸ローター型混合機等の容器固定内部攪拌型( 内部回転翼型 )混合機;逆回転ミュラー型等の容器回転内部攪拌型混合機のいずれもが好適に使用される。さらに、容器を振盪させる形式の混合機であってもよい。なお、容器回転型混合機の場合、被混合物に、より強い剪断力を与えて微粒子同志の凝集を防止し、混合速度を大きくするため、内部にアルミナボールや鋼球等を共存させることが場合によっては好ましい。
【0076】
混合時間は使用する混合機の形式、処理するシリカ凝集体粒子や金属酸化物微粒子のそれぞれの粒径、形状、密度、仕込み量、湿潤度、目的とする混合度等により異なりうるが、通常、5分〜10時間、より好ましくは、10分〜5時間程度である。
【0077】
本発明においては、混合処理は、乾燥したシリカ凝集体粒子に乾燥した金属酸化物微粒子を添加混合することを基本とするが、必ずしもこれに拘泥するものではない。例えば、水熱処理生成物であるシリカ凝集体粒子からなる湿潤ケーキを乾燥することなく、これに金属酸化物粒子を添加して、混合処理を行うことも可能である。湿潤ケーキを使用する場合は、ニーダーミキサー、ポニーミキサー、ミュラーミキサー、インターナルミキサー、ロールミル等の所謂捏和機と称されているものを使用することが好ましい。さらに、乾燥装置を備えた捏和機を使用すれば、混合と乾燥を同時に行うことができてより好都合である。なお、金属酸化物微粒子としては、凝集を防止するため、適当な液体媒体中に高分散させたゾル状態のものが市販されているが、これについても、捏和機タイプの混合機を使用することが好ましい。
【0078】
さらに場合によっては、濾過前の水熱処理で得られたシリカ凝集体粒子のスラリー中に、金属酸化物微粒子を添加し、溶液中で添加混合処理する操作を行うことも可能である。または、シリカ凝集体粒子のスラリー中で金属酸化物微粒子自体を反応により生成させ、この生成されたばかりの活性の高い微粒子を、該シリカ凝集体粒子の表面に吸着、沈着させ、または、該表面で粒子生長させる手段も可能である。このような混合手段を採用した場合は、さらに所望により、濾過を行う前および/または後に、上記した機械的混合手段や粉砕手段を適用してもよい。
【0079】
〔図3〕は、〔図1〕に示したシリカ凝集体粒子84重量部に、二酸化チタン微粒子を16重量部配合して30分混合したSEM写真である。
【0080】
二酸化チタン微粒子は、シリカ凝集体粒子の表面上に、点々と分散して担持されている状態にあり、表面から離れて遊離の状態にある二酸化チタン粒子はほとんど認められないことがわかる。さらに、SEMの倍率を上げて詳細に検討してみると、例えば〔図4〕に示したように、多くの二酸化チタン微粒子が、鱗片状シリカが不規則に重なりあって形成された間隙( 空隙またはポケット )内に入り込み、いわば間隙に捕捉されて、その間隙内表面( 内部壁面上 )に担持された状態で存在することが確認された。すなわち、本発明で使用するシリカ凝集体粒子の有する間隙は、二酸化チタン等の金属酸化物微粒子を捕捉し担持する一種のポケットとしての作用も有することがわかる。
【0081】
これに対し、他の形状、例えば真球状のシリカ粒子を使用した場合は、このように、配合した金属酸化物微粒子をその表面に担持した複合体を形成することはできない。
〔図5〕は、シリカ凝集体粒子と同程度の粒子径の真球状のシリカ粒子に、二酸化チタン微粒子を、〔図3〕の場合と同じ割合で配合して同様に混合処理した結果を示すSEM写真である。鱗片状シリカ粒子からなる凝集体粒子を使用する本発明の場合と異なり、ほとんどの二酸化チタン微粒子は、シリカ粒子表面から遊離したり、それ自体で凝集している状態にあり、真球状シリカ表面に分散して担持されてなどいないことがわかる。すなわち、真球状シリカ粒子と二酸化チタン微粒子の混合物をミクロな状態で見れば、それぞれの粒子が空間的に分離して存在しているにすぎず、全体として到底本発明のごときシリカ複合体と呼ばれる状態ではない。
【0082】
両者の差異は、〔図3〕と〔図5〕で示された粒子のサンプルに、分散媒体、例えば水を添加して振盪し、静置する実験を行うことにより、より明瞭に示される。
【0083】
すなわち、〔図3〕で示される本発明のシリカ−金属酸化物微粒子複合体の場合は、粒子複合体は短時間で沈降し、上澄みは液は、澄んだ状態になる。これは、金属酸化物微粒子は複合体に担持されたまま共に沈降するのであり、複合体から分離して水中に離脱することは少ないことを意味する。これに対し、〔図5〕の真球状シリカへの金属酸化物微粒子配合物の場合は、全く状況が異なり、シリカ粒子のみが沈降し、その上澄み液は、分離した大量の金属酸化物微粒子が浮遊分散するため、着色しひどく懸濁した状態となってしまうことが明瞭に観察される。真球状シリカ配合物では、配合された金属酸化物微粒子が、はじめから本発明にいう担持された状態にはないことは、この点からも明らかである。
【0084】
このように、本発明のシリカ−金属酸化物微粒子複合体においては、金属酸化物微粒子は、SEM写真や上記実験からも認められるとおり、シリカ凝集体粒子表面および間隙内表面に担持された状態にある。ここで担持とは、ファンデルワールス力、静電気力その他任意の力により、金属酸化物微粒子が、シリカ凝集体粒子表面上に、付着、吸着、固着されて固定されていることをいう。
【0085】
なお、本発明で使用するシリカ凝集体粒子は、鱗片状シリカが不規則に重なりあって形成された多数の間隙( 空隙またはポケット )を有するので、その表面上および間隙内表面上が被担持物質の担持サイトとして働くため、それ自体有機系/無機系の抗菌剤用の担体として、また細胞培養用の担体等としても有用なものである。
【0086】
【作用】
本発明のシリカ−金属酸化物微粒子複合体は、後記実施例に示すように、(i)きわめて優れた紫外線遮蔽性能を有し、しかも、(ii)光触媒酸化作用による有機化合物の分解・劣化作用が、金属酸化物微粒子をシリカ粒子中に内包複合化したものよりも少ないか、少なくとも同等であると云う、予想外の作用を奏する。この機構の詳細については現在の段階では明確にすることは出来ないが、おそらく次のようであろうと推定される。
【0087】
まず、(i)について言えば、本発明において基体として使用するシリカ凝集体粒子は、構成単位たるその一次粒子の形状が鱗片状のものであって広い外表面積を有しているところ、これに添加する金属酸化物微粒子は、その粒径が該鱗片状シリカに対して、遙に微小であり、また、微小粒子であるため、その表面が高活性であるところから、機械的混合の過程で、鱗片状シリカの外表面に強く吸着され、その表表面、裏表面に薄い吸着層( 連続層のみでなく分散・離散状態のものも含む )を形成する。このようにして鱗片状シリカの表面( すなわち、シリカ凝集体粒子表面 )に一旦吸着固定された金属酸化物微粒子は、もはや容易にはその表面から離脱せず、その表面に担持されるのである。また、該シリカ凝集体粒子は、鱗片状シリカ一次粒子が不規則に重なりあって形成される多数の間隙を有しているところ、金属酸化物微粒子は、この間隙に捕捉され、間隙内部の表面においても同様に吸着層を形成すると考えられる。
【0088】
すなわち、シリカ凝集体の表面および間隙内表面は、吸着されている金属酸化物微粒子により、いわば全面に渡って表面修飾されているとも見なされるのである。このように、シリカ凝集体粒子に混合配合した金属酸化物微粒子は、シリカ凝集体粒子表面に沿って安定的に分散担持され、金属酸化物微粒子が遊離して存在したり、また粒子同志が凝集することも実質的にほとんど無いのである。この担持状態は、容易に理解されるように、金属酸化物微粒子が、例えば紫外線遮蔽機能を奏するために最も好ましい空間的配置状態であることを考慮すれば、本発明にかかる複合体が、優れた紫外線遮蔽機能を有することは、当然であると言えよう。
【0089】
また、(ii) について言えば、混合機中で機械的混合を行う過程で、特に容器内に攪拌翼やアルミナボール等が存在している場合、鱗片状シリカからなるシリカ凝集体粒子は、かなりの衝撃力・剪断力を受けるので、とくにその鱗片の端部、角部、辺部等の破壊されやすい部分が割れて、無数の極めて微小なシリカ粉が形成され、親のシリカ凝集体粒子から分離する。この微小シリカ粉は、新たに生成された切断表面を有するため、その表面の化学ポテンシャルは極めて高い状態( 機械的活性 )にあり、これが駆動力となってそのかなりの部分は、近傍の金属酸化物微粒子の表面に吸着されるのではないかと推察される。すなわち、金属酸化物微粒子の表面は、逆に、新たに形成した微小シリカ粉により覆われることになる。従って、実際には、金属酸化物微粒子表面がそのまま露出している部分は予想外に少ないのではないかと思われる。
【0090】
なお、本発明者らによって提案された上記した何れの方法により得られたシリカ凝集体粒子も、以下の特性をも有するので、その用途が化粧料に添加するような場合は、特に好ましいのである。
【0091】
すなわち、このシリカ凝集体粒子は、労働安全衛生法に関する告示に示された作業環境測定基準に則る作業環境測定ガイドブック( 鉱物性粉塵関係 労働省安全衛生部環境改善室編 )X線回折分析法により測定した、珪肺を引き起こす原因とされる結晶型の遊離珪酸の測定値が10%未満、好ましくは5%未満、さらに好ましくは2%未満( 検出限界以下 )と、きわめてわずかな低結晶性の鱗片状シリカからなるものであり、人体に対して十分安全であると考えられる。
【0092】
本発明にかかるシリカ−金属酸化物微粒子複合体は、種々の用途を有する。例えば、金属酸化物微粒子が紫外線遮蔽機能を有する場合は、これを、化粧料、塗料、樹脂等の紫外線遮蔽剤として配合することができる。
【0093】
配合される化粧料としては、ファンデーション、乳液、ロ−ション、クリーム、ペースト、スティック、口紅、頬べに、アイシャドー、ボディパウダー、眉墨、アイライナー、マスカラ、白粉、制汗剤、シャンプ−、リンス、ムース等の従来より製造されている化粧料が挙げられる。
【0094】
なお、上記化粧料には、ワセリン、流動パラフィン、ラノリン、ロウ、脂肪酸エステル等の油脂性物質、エタノール、イソプロパノール、グリセリン等の有機溶媒、トリエタノールアミン等の乳化剤、その他シリコーン、増粘剤、香料、保存料、防腐剤、界面活性剤、金属イオン封鎖剤、染料、pH調整剤、保湿剤等の化粧料に通常使用される化粧料補助剤を含有していてもよい。
【0095】
本発明のシリカ−金属酸化物微粒子複合体を樹脂に配合する場合の樹脂としては、例えば塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリカーボネート、ナイロン、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0096】
また、塗料に配合する場合の塗料用樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂等の樹脂が挙げられ、水や有機溶媒中で分散され塗料とされる。
【0097】
なお、化粧品、樹脂、塗料等に配合する場合、本発明の微粒子複合体の粒子表面が、シリコーンオイル、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルコール、界面活性剤、その他の表面処理剤、表面改質剤によって表面処理したものも好適に使用できる。これらで処理し、表面が疎水化されたものは化粧料に配合された際に化粧持ちが向上する。また、カップリング剤で処理されたものは樹脂に配合した際、強度が向上し、また分散安定性が増大する。
【0098】
金属酸化物微粒子は紫外線遮蔽機能のような特定波長の光の遮蔽材としての機能を有する場合以外に、抗菌剤、EL素子、光電素子、半導体素子、非線形素子等に使用されるものであり、本発明のシリカ−金属酸化物微粒子複合体は、この分野においても使用可能である。
【0099】
なお、本発明のシリカ−金属酸化物微粒子複合体において、金属酸化物微粒子に代えて以下の微粒子を使用することもできる。
【0100】
すなわち、金、銀、白金、銅、アルミニウム等の金属またはその合金の微粒子;硫化カドミウム、硫化亜鉛、硫化アンチモン、硫化鉛、硫化ニッケル、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウム等の硫化物微粒子や硫酸塩微粒子;ピロ燐酸銅等の燐酸塩;炭化タンタル、炭化ジルコニウム、炭化タングステン、炭化バナジウム、炭化チタン、炭化珪素、フッ化カルシウム等の炭化物微粒子やハロゲン化物微粒子である。なお、ピロ燐酸銅微粒子は赤外線遮蔽機能を有するものとして有用なものである。
【0101】
以下、実施例により、本発明の具体的な実施の態様を説明する。いうまでもないが、これらは本発明の技術的意義をより明確にするためのものであり、本発明の技術的範囲がこれらにより制限的に解釈されるものではない。
【0102】
以下の実施例において、水熱処理装置としては、容積5000cm3 のオートクレーブ( 電気加熱式、アンカー型攪拌羽根付 )を用いた。
【0103】
なお、シリカ凝集体のアスペクト比は、走査型電子顕微鏡により撮影された充分多数の鱗片状の一次粒子像にスケール等をあてて、厚さ、最長長さ、最小長さを測定することにより求めた。
【0104】
【実施例】
〔実施例1〕
オートクレーブ( 電気加熱式、アンカー型攪拌羽根付 )に、活性珪酸( 組成SiO2 9.16重量%、Na2 O1.35重量%、SiO2 /Na2 O= 7.0mol/mol )2,183gとイオン交換水1,817gを仕込み、種晶を0.5g添加し、200rpmで攪拌しながら200゜Cで8.5時間水熱処理を行った。
【0105】
出発原料の活性珪酸は、JIS3号水ガラスを水で希釈し、電気透析して得たものであり、その中のコロイド状シリカの平均粒子径は、大塚電子( 株 )製のレーザー散乱粒度測定装置で測定したところ、3nm以下であった。
【0106】
水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥し、151gの微粉末を得た。
【0107】
生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、2θ=4.9゜及び26.0゜のピークを特徴とするシリカXの単一相であることがわかった。また、該微粉末の吸油量( JISK5101 )を測定したところ、105ml/100gであった。
【0108】
生成物の形状をSEMで観察したところ、その一次粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重なりあって間隙を有するシリカ凝集体粒子を形成していることが認められた。該鱗片状の一次粒子の平均厚さ0.05μmに対し、該厚さに対する板の平均最長長さは3μmでそのアスペクト比は60、板の平均最小長さは1.2μm、アスペクト比は24であった。
【0109】
さらに該微粉末の結晶型遊離珪酸量をX線回折分析法により測定したところ、検出限界以下( 2%未満 )であることがわかった。
【0110】
つぎに、上記のシリカ凝集体粒子と、二酸化チタン微粒子( 石原産業( 株 )製、商品名:TTO−55A、平均粒子径0.03〜0.05μm )とを、両方の合計重量5.0gで、かつ、シリカ:二酸化チタンの重量比率=84重量%:16重量%になるように秤量採取して、(株)シンマルエンタープライゼズ製の振盪式粉体混合機( 商品名:ターブラーシェイカーミキサーT2C型、容器容量100cm3 、アルミナボール入り )に入れ、30分間混合した。
【0111】
混合後の微粉末( 本発明のシリカ複合体 )をSEMで観察したところ、シリカ凝集体粒子の表面および間隙内表面に二酸化チタン微粒子が非常に均一に分散されて担持されていることが認められた。なお、シリカ凝集体粒子は、目視で確認できるほど大きく解砕や粉砕はされておらず、ほぼ元の形状を保持していることがわかった。〔図6〕および〔図7〕は、このようにして得られた凝集体粒子の、異なった倍率におけるSEM写真の一例を示す。
【0112】
次に、微粉末0.4gにワセリン1.12g、流動パラフィン0.48gを添加し、3本ロールを用いて良く分散させて得たペーストを、厚さ2mmの石英板2枚の間に挟み込み、層厚が25μmになるまで展着させ、自記分光光度計を用いて分光透過率を測定した。各波長での透過率を〔表1〕に示す。400nm以上は可視光領域、400〜280nmは紫外光領域である。紫外光領域における透過率が小さい程紫外線遮蔽効果が良いことを示し、可視光線領域での透過率が大きいほど、肉眼で観察される透明性が高いことを示す。500nmでは透過率63.51%、400nmでは透過率48.63%、360nmでは、透過率16.81%、320nmでは、透過率7.57%、290nmでは、透過率8.03%であった。また、後記比較例1と比較すると、基体シリカが微小真球シリカゲルである場合よりも、紫外線領域での透過率を低くできることがわかる。
【0113】
また、金属酸化物粒子の光触媒による有機物の分解特性については、50mlの透明ガラス製の瓶にイソプロピルアルコール25mlを入れ、該混合微粉末1.09g( TiO2 0.175gを含有 )を加えて密栓し、スターラーで攪拌しながら、晴天時に8時間直射日光に暴露した。その後、光触媒酸化作用によりイソプロピルアルコールが酸化分解して生成するアセトン量をガスクロマトグラフで測定した結果を〔表3〕に示したが、0.06容量%であった。このアセトン生成量は、シリカゲル粒子内部に二酸化チタンが内包・分散された後記比較例7の数値( 0.13% )と比較しても十分低いレベルにあることがわかった。
【0114】
〔実施例2〕
実施例1と同じシリカ凝集体粒子を用いて、シリカ凝集体粒子と二酸化チタン微粒子との配合比率を、シリカ:二酸化チタン微粒子の重量比率=64重量%:36重量%になるような複合体を形成し、同様な試験を行った結果を〔表1〕及び〔表3〕に示した。
【0115】
表より明らかなごとく、該複合体の可視光線領域での透過率はかなり低いが、紫外線領域での透過率が、特に低いという特性を示した。
【0116】
〔実施例3〕
実施例1と同じシリカ凝集体粒子を用いて、シリカ凝集体粒子と二酸化チタン微粒子との配合比率を、シリカ:二酸化チタン微粒子の重量比率=92重量%:8重量%になるような複合体を形成し、同様な試験を行った結果を〔表1〕及び〔表3〕に示した。
【0117】
〔実施例4〕
二酸化チタン微粒子を酸化亜鉛微粒子に変えて実施例1と同様の試験を行った。酸化亜鉛としては、住友大阪セメント(株)製の、酸化亜鉛微粒子〔商品名:ZnO−310、平均粒子径0.03μm〕を使用し、シリカと酸化亜鉛微粒子との配合比率を、シリカ凝集体粒子:酸化亜鉛微粒子の重量比率=84重量%:16重量%となるようにし、それ以外の条件は実施例1と同じとして複合体を形成し、同様な条件で試験した。試験結果を〔表1〕及び〔表3〕に示した。
【0118】
表より明らかなごとく、該複合体の可視光線領域での透過率がかなり高く、しかも、紫外線領域での透過率は、低いという特性を示した。
【0119】
また、基体シリカとして微小真球状シリカゲルを用いる比較例4と比較すると、本発明の複合体は、紫外線領域での透過率を大幅に低くできることが明らかである。
【0120】
〔実施例5〕
実施例4と同様な試験を、シリカ凝集体粒子と酸化亜鉛微粒子との配合比率のみを変え、シリカ:酸化亜鉛微粒子の重量比率=64重量%:36重量%になるような条件で行った結果を〔表1〕及び〔表3〕に示した。
【0121】
この複合体は、可視光線領域での透過率は高く、紫外線領域での透過率は、低いという特性を示すことがわかる。
【0122】
〔実施例6〕
実施例4と同様な試験を、シリカ凝集体粒子と酸化亜鉛微粒子との配合比率のみを変え、シリカ凝集体粒子:酸化亜鉛微粒子の重量比率=92重量%:8重量%になるような条件で行った結果を〔表1〕及び〔表3〕に示した。
【0123】
この複合体は、可視光線領域での透過率が特に高く、紫外線領域での透過率は、あまり低くないという特性を示した。
【0124】
〔実施例7〕
実施例1に示したと同じシリカ凝集体粒子を用いて、二酸化チタン微粒子と酸化亜鉛微粒子の両方を配合して試験を行った。
【0125】
実施例1と同じシリカ凝集体粒子、石原産業(株)製の二酸化チタン微粒子( 商品名:TTO−55A、平均粒子径0.03〜0.05μm )、および、住友大阪セメント(株)製の酸化亜鉛微粒子( ZnO−310、平均粒子径0.03μm )の3種合計重量5.0gで、且つ、シリカ:二酸化チタン:酸化亜鉛の重量比率=76重量%:12重量%:12重量%になるように秤量採取し、、実施例1と同じ条件で試験した。試験結果を〔表2〕に示した。
【0126】
表から明らかなごとく、得られた複合体は、可視光線領域での透過率が高く、しかも、紫外線領域での透過率もかなり低い、という好ましい特徴を併せ持つ特性を示した。
【0127】
〔実施例8〕
実施例7と同様な試験を、シリカと二酸化チタンおよび酸化亜鉛との配合比率のみを変え、シリカ:二酸化チタン:酸化亜鉛の重量比率=84重量%:8重量%:8重量%になるような条件で試験を行った結果を、〔表2〕に示した。
【0128】
〔実施例9〕
実施例7と同様な試験を、シリカと二酸化チタンおよび酸化亜鉛との配合比率のみを変え、シリカ:二酸化チタン:酸化亜鉛の重量比率=90重量%:5重量%:5重量%になるような条件で試験を行った結果を、〔表2〕に示した。
【0129】
〔実施例10〕
実施例1示したと同じシリカ凝集体粒子を用いて、二酸化チタン微粒子と酸化亜鉛微粒子の両方を配合して試験を行った。
【0130】
実施例1と同じシリカ凝集体粒子、石原産業(株)製の二酸化チタン微粒子( 商品名:TTO−55A、平均粒子径0.03〜0.05μm )、さらに、本荘ケミカル(株)製の酸化亜鉛微粒子( 商品名:微細亜鉛華、平均粒子径0.3μm )との3種を、合計重量5.0gで、且つ、シリカ:二酸化チタン:酸化亜鉛の重量比率=76重量%:12重量%:12重量%になるように秤量採取して、実施例1と同じ条件で試験した。試験結果を〔表2〕に示した。
【0131】
表から、得られた複合体が、可視光線領域での透過率が高く、しかも、紫外線領域での透過率も、かなり低いという特徴を併せ持つ特性を示すことがわかる。
【0132】
〔実施例11〕
実施例10と同様な試験を、シリカと二酸化チタンおよび酸化亜鉛との配合比率のみを変え、シリカ:二酸化チタン:酸化亜鉛の重量比率=84重量%:8重量%:8重量%になるような条件で試験を行った結果を、〔表2〕に示した。
【0133】
〔実施例12〕
実施例7と同様な試験を、シリカと二酸化チタンおよび酸化亜鉛との配合比率のみを変え、シリカ:二酸化チタン:酸化亜鉛の重量比率=90重量%:5重量%:5重量%になるような条件で試験を行った結果を、〔表2〕に示した。
【0134】
〔実施例13〕
実施例1と同じ粉体を用い、シリカ凝集体粒子と酸化チタン微粒子との混合方法として、(株)シンマルエンタ−プライゼズ製の振盪式粉体混合機( 商品名:ターブラシェイカーミキサーT2C型の混合容器( 容量100cm3 ))中にアルミナボ−ルを入れないで、混合される粉体だけを入れ、30分間振盪混合する以外は、実施例1と同じ条件で試験を行った。
【0135】
自記式分光光度計による分光透過率の測定結果は、波長500nmでは透過率70.39%、400nmでは透過率55.05%、360nmでは透過率21.17%、320nmでは透過率9.05%、290nmでは透過率10.25%であった。
【0136】
〔実施例14〕
オートクレーブ( 電気加熱式、アンカー型攪拌羽根付 )に、活性珪酸( 組成SiO2 9.16重量%、Na2 O1.35重量%、SiO2 /Na2 O= 7.0mol/mol )2,183gとイオン交換水1,817gを仕込み、種晶を0.5g添加し、200rpmで攪拌しながら190゜Cで16時間水熱処理を行った。
【0137】
出発原料の活性珪酸は、JIS3号水ガラスを水で希釈し、電気透析して得たものであり、その中のコロイド状シリカの平均粒子径は、大塚電子( 株 )製のレーザー散乱粒度測定装置で測定したところ、3nm以下であった。
【0138】
水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥し、155gの微粉末を得た。
【0139】
生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行い、X線回折スペクトルとして、米国のASTM( American Society for Testing and Materials、以下単にASTMと称する。)に登録されているカード( 以下単にASTMカードと云う。)番号16−0380に該当する、2θ=4.9゜及び26.0゜の主ピークを特徴とするシリカXの主ピーク以外に、ASTMカード番号37−0386、カード番号31−1234に該当するピークも認められた。
【0140】
生成物の形状をSEMで観察したところ、その一次粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重なりあって間隙を有するシリカ凝集体粒子を形成していることが認められた。また、該微粉末の吸油量( JISK5101 )を測定したところ、103ml/100gであった。
【0141】
該鱗片状シリカ一次粒子の平均厚さ0.05μmに対し、該厚さに対する板の平均最長長さは3μmでそのアスペクト比は60、板の平均最小長さは1.5μmで30であった。
【0142】
さらに結晶型遊離珪酸量をX線回折分析法により測定したところ、検出限界以下( 2%未満 )であることがわかった。
【0143】
つぎに、上記のシリカ凝集体粒子と、二酸化チタン微粒子( 石原産業( 株 )製、商品名:TTO−55A:平均粒子径0.03〜0.05μm )とを、両方の合計重量5.0gで、かつ、シリカ:二酸化チタンの重量比率=84重量%:16重量%になるように秤量採取して、(株)シンマルエンタープライゼズ製の振盪式粉体混合機( 商品名:ターブラーシェイカーミキサーT2C型、容器容量100cm3 、アルミナボール入り )に入れ、30分間混合した。
【0144】
混合後の微粉末をSEMで観察したところ、鱗片状シリカ一次粒子からなるシリカ凝集体粒子の表面上および間隙内表面上に二酸化チタン微粒子が非常に均一に分散されて担持されていることが認められた。なお、シリカ凝集体粒子は、ほぼ元の形状を保持していた。
【0145】
次に、混合微粉末( 本発明のシリカ複合体 )0.4gにワセリン1.12g、流動パラフィン0.48gを添加し、3本ロールを用いて良く分散させて得たペーストを、厚さ2mmの石英板2枚の間に挟み込み、層厚が25μmになるまで展着させ、自記分光光度計を用いて分光透過率を測定した。各波長での透過率を〔表1〕に示す。400nm以上は可視光領域、400〜280nmは紫外光領域である。紫外光領域における透過率が小さい程紫外線遮蔽効果が良いことを示し、可視光線領域での透過率が大きいほど、肉眼で観察される透明性が高いことを示す。500nmでは透過率62.23%、400nmでは透過率47.68%、360nmでは、透過率16.50%、320nmでは、透過率7.45%、290nmでは、透過率7.86%であった。本複合体は、可視光線領域での透過率は低いが、紫外線領域での透過率が低いと云う特性を示した。
【0146】
また、本発明のシリカ−金属酸化物微粒子複合体は、基体として用いるシリカが微小真球状シリカゲルの場合( 比較例1 )よりも、紫外線領域での透過率を低くできることがわかる。
【0147】
また、金属酸化物粒子の光触媒による有機物の分解特性については、50mlの透明ガラス製の瓶にイソプロピルアルコール25mlを入れ、本複合体1.09g( TiO2 0.175gを含有 )を加えて密栓し、スターラーで攪拌しながら、晴天時に8時間直射日光に暴露した。その後、光触媒酸化作用によりイソプロピルアルコールが酸化分解して生成するアセトン量をガスクロマトグラフで測定した結果を〔表3〕に示したが、0.07容量%であった。このアセトン生成量は、シリカゲル粒子内部に二酸化チタンが内包・分散された後記比較例7の数値( 0.13% )と比較しても十分低いレベルにあることがわかった。
【0148】
なお、さらに念のため、ASTM番号37−0386を有する鱗片状シリカを基体とする複合体により同じ検討を行ったが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0149】
〔比較例1〕
旭硝子 (株) 製微小真球状シリカゲル( 商品名:サンスフェアH−31、平均粒子径3.0μm、細孔容積1.0cm3/g 、平均細孔直径60A )と石原産業(株)製の二酸化チタン微粒子( 商品名:TTO−55A、平均粒子径0.03μ〜0.05μm )とを、両者の合計重量5.0gで、且つ、微小真球状シリカゲル:酸化チタンの重量比率が84重量%:16重量%になるように秤量採取して、(株)シンマルエンタ−プライゼズ製の振盪式粉体混合機( 商品名ターブラーシェイカーミキサーT2C型粉体混合機( 容器容量100cm3 ,アルミナボール入り) )に入れ、30分間混合した。
【0150】
混合後の微粉末をSEMで観察したところ、微小真球状シリカ粒子が粉砕されている様子は認められなかった。また、〔図5〕に示すように、ほとんどの二酸化チタン微粒子は、シリカ粒子表面から遊離したり、それ自体でかなり凝集している状態にあり、シリカ凝集体粒子を使用する実施例1の場合に比較して分散性がきわめて劣る状態が観察された。この微粉末を水中に投入して振盪静置したところ、すでに述べたように、シリカ粒子から分離して浮遊する二酸化チタン微粒子のため、上澄み液はまっ白く懸濁することが確認された。
【0151】
次に、該混合微粉末0.4g にワセリン1.12g、流動パラフィン0.48gを添加し、3本ロ−ルを用いて良く分散させたペ−ストを、厚さ2mmの石英板2枚の間に挟み込み、層厚が25μmになるまで展着させ、自記式分光光度計を用いて測定した分光透過率を〔表4〕に示す。400nmは以上は可視光領域、400〜280nmは、紫外線領域である。
【0152】
500nmでは透過率69.89%、400nmでは透過率55.67%、360nmでは透過率24.99%、320nmでは透過率11.20%、290nmでは透過率12.02%であった。
【0153】
〔比較例2〕〜〔比較例6〕
比較例1と同じ微小真球状シリカゲルおよび二酸化チタン微粒子を使用し、さらに、住友大阪セメント(株)製の酸化亜鉛微粒子( 商品名:ZnO−310、平均粒子径0.03μm )との3種とを、両者の合計重量5.0gで、且つ、その比率を〔表4〕に示したように種々の割合のものとするほかは、比較例1と同様の試験を行った。その結果を〔表4〕に示す。
【0154】
〔比較例7〕
粒径3μmの微小真球状シリカゲルの粒子内部に、平均粒子径0.03μmの二酸化チタン超微粒子を内包・分散させた洞海化学工業(株)製品( シリカ:二酸化チタンの組成=65重量%:35重量% )について、実施例1と同じ条件で、自記式分光光度計による分光透過率を測定した結果を、〔表5〕に示した。一方、この二酸化チタン超微粒子内包真球状シリカゲルについて、実施例1と同じ条件で測定した光触媒作用によるイソプロピルアルコールの酸化・分解生成物であるアセトン生成量は、0.13容量%であった。
【0155】
〔比較例8〕
粒径3μmの微小真球状シリカゲルの粒子内部に平均粒子径0.3μmの酸化亜鉛超微粒子を内包・分散させた洞海化学工業(株)製品( シリカ:酸化亜鉛組成=55重量%:45重量%、平均粒径3μm )について、実施例1と同じ条件で、自記式分光光度計による分光透過率を測定した。測定結果を、〔表5〕に示した。
【0156】
【表1】
Figure 0004063421
【0157】
【表2】
Figure 0004063421
【0158】
【表3】
Figure 0004063421
【0159】
【表4】
Figure 0004063421
【0160】
【表5】
Figure 0004063421
【0161】
〔実施例15〕
オートクレーブに、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が7.0になるように、平均粒径( 以下、同じ) 3.0mmシリカヒドロゲル( SiO2 18.6重量% )2,688g、水酸化ナトリウム水溶液( NaOH 48.0重量% )199gを仕込み、これにイオン交換水1,114gを加えて、20rpmで攪拌しながら180゜Cで8時間水熱処理を行った。なお、系内の総シリカ濃度はSiO2 として12.5重量%であった。
【0162】
出発原料のシリカヒドロゲルは次のようにして調製した。すなわち、JIS3号水ガラスを水で希釈したものと硫酸とを瞬間的に混合してPH8にしてゾル化させ、ただちにノズル先端から空気中に噴出して、これを約1秒間滞空させる間に空中でゲル化した。落下地点に室温の水を張った熟成槽をおき、ここに生成ゲルを落下せしめて熟成させ、硫酸を添加してPHを6とし、さらに水洗してシリカヒドロゲルとしたもので、粒径は2〜6mmφであり、これをふるい分けして用いた。
【0163】
得られた水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥し、365gの微粉末を得た。
【0164】
生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号31−1233に該当する2θ=5.6゜、25.8°及び28.3゜の主ピークを特徴とするシリカYの主ピーク以外に、ASTMカード番号35−63、25−1332に該当するピークが認められた。また、該微粉末の吸油量( JISK5101 )を測定したところ、104ml/100gであった。
【0165】
生成物の形状をSEMで観察したところ、その一次粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重なりあって間隙を有するシリカ凝集体粒子を形成していることが認められた。該鱗片状の一次粒子の平均厚さ0.05μmに対し、該厚さに対する板の平均最長長さは4.5μmでそのアスペクト比は90、板の平均最小長さは1.4μmで、アスペクト比は28であった。
【0166】
さらに該微粉末の結晶型遊離珪酸量をX線回折分析法により測定したところ、検出限界以下( 2%未満 )であることがわかった。
【0167】
〔実施例16〕
オートクレーブに、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が7.0になるように、粒径0.5mmシリカヒドロゲル( SiO2 30.5重量% )941g及び珪酸ナトリウム水溶液( SiO2 20.84重量%、Na2 O 7.22重量%、SiO2 /Na2 O=2.98mol/mol )1,023gを仕込み、これにイオン交換水2,036gを加えて、20rpmで攪拌しながら180゜Cで8時間水熱処理を行った。系内の総シリカ濃度はSiO2 として12.5重量%であった。
【0168】
出発原料のシリカヒドロゲルは実施例15で使用したものを粗粉砕するとともに乾燥して水分を調整したものである。
【0169】
水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥し、375gの微粉末を得た。
【0170】
生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号31−1233に該当する2θ=5.6゜、25.8°及び28.3゜の主ピークを特徴とするシリカYの主ピーク以外に、ASTMカード番号35−63、25−1332に該当するピークが認められた。また、該微粉末の吸油量( JISK5101 )を測定したところ、98ml/100gであった。
【0171】
生成物の形状をSEMで観察したところ、実施例15と同様、その一次粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重なりあって間隙を有するシリカ凝集体粒子を形成していることが認められた。該鱗片状の一次粒子の平均厚さ0.06μmに対し、該厚さに対する板の平均最長長さは6.0μmでそのアスペクト比は100、板の平均最小長さは1.5μmで、アスペクト比は25であった。
【0172】
さらに該微粉末の結晶型遊離珪酸量をX線回折分析法により測定したところ、検出限界以下( 2%未満 )であることがわかった。
【0173】
〔実施例17〕
オートクレーブに、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が7.0になるように、粒径0.5mmシリカヒドロゲル( SiO2 33.0重量% )1、515g及び水酸化ナトリウム水溶液( NaOH 48.0重量% )199gを仕込み、これにイオン交換水2,286gを加えて、種晶0.5gを添加して、20rpmで攪拌しながら180゜Cで8時間水熱処理を行った。
【0174】
出発原料のシリカヒドロゲルは実施例15で使用したものを粗粉砕するとともに乾燥して水分を調整したものである。
【0175】
種晶は、予め調製した、その一次粒子形状が鱗片状のシリカで、粉末X線回折スペクトルの結果ASTMカード番号16−0380に該当する2θ=4.9゜及び26.0゜の主ピークを特徴とするシリカX及び、ASTMカード番号31−1234、37−0386に該当する物質から構成されているものである。系内の総シリカ濃度はSiO2 として12.5重量%であった。
【0176】
水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥し、360gの微粉末を得た。
【0177】
生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号16−0380に該当する2θ=4.9゜及び26.0゜の主ピークを特徴とするシリカXの主ピーク以外に、ASTMカード番号31−1234、37−0386に該当するピークが認められた。また、該微粉末の吸油量( JISK5101 )を測定したところ、98ml/100gであった。
【0178】
生成物の形状をSEMで観察したところ、実施例15と同様、その一次粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重なりあって間隙を有するシリカ凝集体粒子を形成していることが認められた。該鱗片状の一次粒子の平均厚さ0.05μmに対し、該厚さに対する板の平均最長長さは5.5μmでそのアスペクト比は110、板の平均最小長さは1.5μmで、アスペクト比は30であった。
【0179】
さらに該微粉末の結晶型遊離珪酸量をX線回折分析法により測定したところ、検出限界以下( 2%未満 )であることがわかった。
【0180】
〔実施例18〕
オートクレーブに、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が7.0になるように、粒径3.0mmシリカヒドロゲル( SiO2 48.5重量% )592g及び珪酸ナトリウム水溶液( SiO2 20.84重量%、Na2 O 7.22重量%、SiO2 /Na2 O=2.98mol/mol )1,023gを仕込み、これにイオン交換水2,385gを加え、実施例17で使用したものと同一の種晶0.5gを添加して、20rpmで攪拌しながら180゜Cで10時間水熱処理を行った。系内の総シリカ濃度はSiO2 として12.5重量%であった。
【0181】
出発原料のシリカヒドロゲルは実施例15で調製したものをふるい分けし、乾燥して水分を調整したものである。
【0182】
水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥し、380gの微粉末を得た。
【0183】
生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号16−0380に該当する2θ=4.9゜及び26.0゜の主ピークを特徴とするシリカXの主ピーク以外に、ASTMカード番号31−1234、37−0386に該当するピークが認められた。また、該微粉末の吸油量( JISK5101 )を測定したところ、110ml/100gであった。
【0184】
生成物の形状をSEMで観察したところ、実施例15と同様、その一次粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重なりあって間隙を有するシリカ凝集体粒子を形成していることが認められた。該鱗片状の一次粒子の平均厚さ0.06μmに対し、該厚さに対する板の平均最長長さは5.5μmでそのアスペクト比は92、板の平均最小長さは1.7μmで、アスペクト比は28であった。
【0185】
さらに該微粉末の結晶型遊離珪酸量をX線回折分析法により測定したところ、検出限界以下( 2%未満 )であることがわかった。
【0186】
〔実施例19〕
オートクレーブに、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が7.0になるように、粒径3.0mmシリカヒドロゲル( SiO2 20.5重量% )2,439g及び水酸化ナトリウム水溶液( NaOH48.0重量% )199gを仕込み、これにイオン交換水1,362gを加え、種晶0.5gを添加して、20rpmで攪拌しながら180゜Cで8時間水熱処理を行った。種晶は、予め調製した、その一次粒子形状が鱗片状のシリカで、粉末X線回折スペクトルの結果ASTMカード番号31−1233に該当する2θ=5.6゜、25.8及び28.3゜の主ピークを特徴とするシリカY及び、ASTMカード番号35−63、25−1332に該当する物質から構成されていることがわかった。系内の総シリカ濃度はSiO2 として12.5重量%であった。
【0187】
出発原料のシリカヒドロゲルは実施例15で調製したものをふるい分けし乾燥して水分を調整して用いた。
【0188】
水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥し、368gの微粉末を得た。
【0189】
生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号31−1233に該当する2θ=5.6゜、25.8°及び28.3゜の主ピークを特徴とするシリカYの主ピーク以外に、ASTMカード番号35−63、25−1332に該当するピークが認められた。また、該微粉末の吸油量( JISK5101 )を測定したところ、99ml/100gであった。
【0190】
生成物の形状をSEMで観察したところ、実施例15と同様、その一次粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重なりあって間隙を有するシリカ凝集体粒子を形成していることが認められた。該鱗片状の一次粒子の平均厚さ0.07μmに対し、該厚さに対する板の平均最長長さは5.4μmでそのアスペクト比は77、板の平均最小長さは1.8μmで、アスペクト比は26であった。
【0191】
さらに該微粉末の結晶型遊離珪酸量をX線回折分析法により測定したところ、検出限界以下( 2%未満 )であることがわかった。
【0192】
〔実施例20〕
オートクレーブに、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が7.0になるように、粒径3.0mmシリカヒドロゲル( SiO2 18.6重量% )1,543g及び珪酸ナトリウム水溶液( SiO2 20.84重量%、Na2 O 7.22重量%、SiO2 /Na2 O=2.98mol/mol )1,023gを仕込み、これにイオン交換水1,435gを加え、実施例19で使用したものと同一の種晶0.5gを添加して、20rpmで攪拌しながら、180゜Cで10時間水熱処理を行った。系内の総シリカ濃度はSiO2 として12.5重量%であった。
【0193】
出発原料のシリカヒドロゲルは実施例15で調製したものを用いた。
【0194】
水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥し、378gの微粉末を得た。
【0195】
生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号31−1233に該当する2θ=5.6°、25.8°及び28.3゜の主ピークを特徴とするシリカYの主ピーク以外に、ASTMカード番号35−63、25−1332に該当するピークが認められた。また、該微粉末の吸油量( JISK5101 )を測定したところ、96ml/100gであった。
【0196】
生成物の形状をSEMで観察したところ、実施例15と同様、その一次粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重なりあって間隙を有するシリカ凝集体粒子を形成していることが認められた。該鱗片状の一次粒子の平均厚さ0.05μmに対し、該厚さに対する板の平均最長長さは6.0μmでそのアスペクト比は120、板の平均最小長さは1.4μmで、アスペクト比は28であった。
【0197】
さらに該微粉末の結晶型遊離珪酸量をX線回折分析法により測定したところ、検出限界以下( 2%未満 )であることがわかった。
【0198】
〔実施例21〕
オートクレーブに、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が5.0になるように、粒径2.5mmシリカヒドロゲル( SiO2 18.6重量% )2,688g及び水酸化ナトリウム水溶液( NaOH48.0重量% )154gを仕込み、これにイオン交換水1,158gを加え、20rpmで攪拌しながら、180゜Cで6時間水熱処理を行った。
【0199】
出発原料のシリカヒドロゲルは実施例15で調製したものをふるい分けして用いた。系内の総シリカ濃度はSiO2 として12.5重量%であった。
【0200】
水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥し、289gの微粉末を得た。
【0201】
生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号31−1233に該当する2θ=5.6゜、25.8°及び28.3゜の主ピークを特徴とするシリカYの主ピーク以外に、ASTMカード番号35−63、25−1332に該当するピークが認められた。また、該微粉末の吸油量( JISK5101 )を測定したところ、93ml/100gであった。
【0202】
生成物の形状をSEMで観察したところ、実施例15と同様、その一次粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重なりあって間隙を有するシリカ凝集体粒子を形成していることが認められた。該鱗片状の一次粒子の平均厚さ0.05μmに対し、該厚さに対する板の平均最長長さは4.6μmでそのアスペクト比は92、板の平均最小長さは1.4μmで、アスペクト比は28であった。
【0203】
さらに該微粉末の結晶型遊離珪酸量をX線回折分析法により測定したところ、検出限界以下( 2%未満 )であることがわかった。
【0204】
〔実施例22〕
オートクレーブに、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が9.0になるように、粒径2.5mmシリカヒドロゲル( SiO2 18.6重量% )2,688g及び水酸化ナトリウム水溶液( NaOH48.0重量% )287gを仕込み、これにイオン交換水1,158gを加え、20rpmで攪拌しながら180゜Cで10時間水熱処理を行った。
【0205】
出発原料のシリカヒドロゲルは実施例15で調製したものをふるい分けして用いた。系内の総シリカ濃度はSiO2 として12.5重量%であった。
【0206】
水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥し、387gの微粉末を得た。
【0207】
生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号31−1233に該当する2θ=5.6゜、25.8°及び28.3゜の主ピークを特徴とするシリカYの主ピーク以外に、ASTMカード番号35−63、25−1332に該当するピークが認められた。また、該微粉末の吸油量( JISK5101 )を測定したところ、97ml/100gであった。
【0208】
生成物の形状をSEMで観察したところ、実施例15と同様、その一次粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重なりあって間隙を有するシリカ凝集体粒子を形成していることが認められた。該鱗片状の一次粒子の平均厚さ0.06μmに対し、該厚さに対する板の平均最長長さは5.8μmでそのアスペクト比は97、板の平均最小長さは1.7μmで、アスペクト比は28であった。
【0209】
さらに該微粉末の結晶型遊離珪酸量をX線回折分析法により測定したところ、検出限界以下( 2%未満 )であることがわかった。
【0210】
〔実施例23〕
オートクレーブに、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が11.0になるように、粒径2.5mmシリカヒドロゲル( SiO2 18.6重量% )2,688g及び水酸化ナトリウム水溶液( NaOH48.0重量% )126gを仕込み、これにイオン交換水1,186gを加え、20rpmで攪拌しながら180゜Cで12時間水熱処理を行った。
【0211】
出発原料のシリカヒドロゲルは実施例15で調製したものをふるい分けして用いた。系内の総シリカ濃度はSiO2 として12.5重量%であった。
【0212】
水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥し、408gの微粉末を得た。
【0213】
生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号31−1233に該当する2θ=5.6゜、25.8°及び28.3゜の主ピークを特徴とするシリカYの主ピーク以外に、ASTMカード番号35−63に該当するピークが認められた。また、該微粉末の吸油量( JISK5101 )を測定したところ、97ml/100gであった。
【0214】
生成物の形状をSEMで観察したところ、実施例15と同様、その一次粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重なりあって間隙を有するシリカ凝集体粒子を形成していることが認められた。該鱗片状の一次粒子の平均厚さ0.07μmに対し、該厚さに対する板の平均最長長さは6.0μmでそのアスペクト比は86、板の平均最小長さは1.8μmで、アスペクト比は26であった。
【0215】
さらに該微粉末の結晶型遊離珪酸量をX線回折分析法により測定したところ、検出限界以下( 2%未満 )であることがわかった。
【0216】
〔実施例24〕
オートクレーブに、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が11.0になるように、粒径1.0mmシリカヒドロゲル( SiO2 33.5重量% )1,492g及び水酸化ナトリウム水溶液( NaOH48.0重量% )126gを仕込み、これにイオン交換水2,382gを加え、実施例17で使用した種晶と同じものを0.5gを添加して、20rpmで攪拌しながら、180゜Cで11時間水熱処理を行った。
【0217】
出発原料のシリカヒドロゲルは実施例15で調製したものをふるい分けし乾燥して水分を調整して用いた。系内の総シリカ濃度はSiO2 として12.5重量%であった。
【0218】
水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥し、415gの微粉末を得た。
【0219】
生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号16−0380に該当する2θ=4.9゜及び26.0゜の主ピークを特徴とするシリカXの主ピーク以外に、ASTMカード番号31−1234、37−0386に該当するピークが認められた。また、該微粉末の吸油量( JISK5101 )を測定したところ、99ml/100gであった。
【0220】
生成物の形状をSEMで観察したところ、実施例15と同様、その一次粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重なりあって間隙を有するシリカ凝集体粒子を形成していることが認められた。該鱗片状の一次粒子の平均厚さ0.07μmに対し、該厚さに対する板の平均最長長さは5.5μmでそのアスペクト比は79、板の平均最小長さは1.7μmで、アスペクト比は24であった。
【0221】
さらに該微粉末の結晶型遊離珪酸量をX線回折分析法により測定したところ、検出限界以下( 2%未満 )であることがわかった。
【0222】
〔実施例25〕
オートクレーブに、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が7.0になるように、粒径2.0mmシリカヒドロゲル( SiO2 18.6重量% )2,688g及び水酸化ナトリウム水溶液( NaOH48.0重量% )199gを仕込み、これにイオン交換水1,114gを加え、50rpmで攪拌しながら180゜Cで6時間水熱処理を行った。
【0223】
出発原料のシリカヒドロゲルは実施例15で調製したものをふるい分けして用いた。系内の総シリカ濃度はSiO2 として12.5重量%であった。
【0224】
水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥し、358gの微粉末を得た。
【0225】
生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号31−1233に該当する2θ=5.6゜、25.8°及び28.3゜の主ピークを特徴とするシリカYの主ピーク以外に、ASTMカード番号35−63、25−1332に該当するピークが認められた。また、該微粉末の吸油量( JISK5101 )を測定したところ、94ml/100gであった。
【0226】
生成物の形状をSEMで観察したところ、実施例15と同様、その一次粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重なりあって間隙を有するシリカ凝集体粒子を形成していることが認められた。該鱗片状の一次粒子の平均厚さ0.04μmに対し、該厚さに対する板の平均最長長さは5.4μmでそのアスペクト比は135、板の平均最小長さは1.5μmで、アスペクト比は38であった。
【0227】
さらに該微粉末の結晶型遊離珪酸量をX線回折分析法により測定したところ、検出限界以下( 2%未満 )であることがわかった。
【0228】
〔実施例26〕
オートクレーブに、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が7.0になるように、粒径3.0mmシリカヒドロゲル( SiO2 18.6重量% )2,688g及び水酸化ナトリウム水溶液( NaOH48.0重量% )199gを仕込み、これにイオン交換水1,114gを加え、20rpmで攪拌しながら170゜Cで11時間水熱処理を行った。
【0229】
出発原料のシリカヒドロゲルは実施例15で使用したものを用いた。系内の総シリカ濃度はSiO2 として12.5重量%であった。
【0230】
水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥し、354gの微粉末を得た。
【0231】
生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号31−1233に該当する2θ=5.6゜、25.8°及び28.3゜の主ピークを特徴とするシリカYの主ピーク以外に、ASTMカード番号35−63、25−1332に該当するピークが認められた。また、該微粉末の吸油量( JISK5101 )を測定したところ、100ml/100gであった。
【0232】
生成物の形状をSEMで観察したところ、実施例15と同様、その一次粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重なりあって間隙を有するシリカ凝集体粒子を形成していることが認められた。該鱗片状の一次粒子の平均厚さ0.05μmに対し、該厚さに対する板の平均最長長さは5.2μmでそのアスペクト比は104、板の平均最小長さは1.5μmで、アスペクト比は30であった。
【0233】
さらに該微粉末の結晶型遊離珪酸量をX線回折分析法により測定したところ、検出限界以下( 2%未満 )であることがわかった。
【0234】
〔実施例27〕
オートクレーブに、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が7.0になるように、粒径3.0mmシリカヒドロゲル( SiO2 18.6重量% )2,688g及び水酸化ナトリウム水溶液( NaOH48.0重量% )199gを仕込み、これにイオン交換水1,114gを加え、20rpmで攪拌しながら160゜Cで12時間水熱処理を行った。
【0235】
出発原料のシリカヒドロゲルは実施例15で使用したものを用いた。系内の総シリカ濃度はSiO2 として12.5重量%であった。
【0236】
水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥し、362gの微粉末を得た。
【0237】
生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号31−1233に該当する2θ=5.6゜、25.8°及び28.3゜の主ピークを特徴とするシリカYの主ピーク以外に、ASTMカード番号35−63、25−1332に該当するピークが認められた。また、該微粉末の吸油量( JISK5101 )を測定したところ、96ml/100gであった。
【0238】
生成物の形状をSEMで観察したところ、実施例15と同様、その一次粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重なりあって間隙を有するシリカ凝集体粒子を形成していることが認められた。該鱗片状の一次粒子の平均厚さ0.05μmに対し、該厚さに対する板の平均最長長さは5.0μmでそのアスペクト比は100、板の平均最小長さは1.7μmで、アスペクト比は34であった。
【0239】
さらに該微粉末の結晶型遊離珪酸量をX線回折分析法により測定したところ、検出限界以下( 2%未満 )であることがわかった。
【0240】
〔実施例28〕
オートクレーブに、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が7.0になるように、粒径0.1mmシリカヒドロゲル( SiO2 18.6重量% )3,725g及び水酸化ナトリウム水溶液( NaOH48.0重量% )275gを仕込み、20rpmで攪拌しながら150゜Cで9時間水熱処理を行った。
【0241】
出発原料のシリカヒドロゲルは実施例15で使用したものを粉砕してふるい分けして用いた。系内の総シリカ濃度はSiO2 として17.3重量%であった。
【0242】
水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥し、371gの微粉末を得た。
【0243】
生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、X線回折スペクトルとして、ASTMカード番号31−1233に該当する2θ=5.6゜、25.8°及び28.3゜の主ピークを特徴とするシリカYの主ピーク以外に、ASTMカード番号35−63、25−1332に該当するピークが認められた。また、該微粉末の吸油量( JISK5101 )を測定したところ、99ml/100gであった。
【0244】
生成物の形状をSEMで観察したところ、実施例15と同様、その一次粒子の形状は鱗片状であり、これが不規則に重なりあって間隙を有するシリカ凝集体粒子を形成していることが認められた。該鱗片状の一次粒子の平均厚さ0.05μmに対し、該厚さに対する板の平均最長長さは5.2μmでそのアスペクト比は104、板の平均最小長さは1.5μmで、アスペクト比は30であった。
【0245】
さらに該微粉末の結晶型遊離珪酸量をX線回折分析法により測定したところ、検出限界以下( 2%未満 )であることがわかった。
【0246】
〔比較例9〕
オートクレーブに、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が7.0になるように、粒径3.0mmシリカヒドロゲル( SiO2 18.6重量% )2,688g及び水酸化ナトリウム水溶液( NaOH48.0重量% )199gを仕込み、これにイオン交換水1,114gを加え、20rpmで攪拌しながら130゜Cで24時間水熱処理を行った。
【0247】
出発原料のシリカヒドロゲルは実施例15で使用したものを用いた。系内の総シリカ濃度はSiO2 として12.5重量%であった。
【0248】
水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥し、362gの微粉末を得た。
【0249】
生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、アモルファスシリカのブロードなパターン以外のピークは認められなかった。
【0250】
生成物の形状をSEMで観察したところ、その粒子形状は不定形で、鱗片状の粒子は全く認められなかった。水熱処理温度が低すぎるためと思われる。
【0251】
〔比較例10〕
オートクレーブに、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が7.0になるように、粒径3.0mmシリカヒドロゲル( SiO2 18.6重量% )2,688g及び水酸化ナトリウム水溶液( NaOH48.0重量% )199gを仕込み、これにイオン交換水1,114gを加え、20rpmで攪拌しながら230゜Cで4時間水熱処理を行った。
【0252】
出発原料のシリカヒドロゲルは実施例15で使用したものを用いた。系内の総シリカ濃度はSiO2 として12.5重量%であった。
【0253】
水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥し、370gの微粉末を得た。
【0254】
生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、ASTMカード番号16−0380に該当する2θ=4.9゜及び26.0゜の主ピークを特徴とするシリカXのピーク以外に、ASTMカード番号33−1161に該当するクオーツのピークが顕著に認められた。
【0255】
生成物の形状をSEMで観察したところ、その粒子形状が鱗片状であるものの他に、クオーツと推定される米粒状の粒子が多数認められた。水熱処理温度が高すぎて、反応がコントロール出来ず、クオーツの生成が避けられなかったものと思われる。
【0256】
〔比較例11〕
オートクレーブに、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が16.0になるように、粒径2.5mmシリカヒドロゲル( SiO2 18.6重量% )2,688g及び水酸化ナトリウム水溶液( NaOH48.0重量% )87gを仕込み、これにイオン交換水1,225gを加え、20rpmで攪拌しながら180゜Cで12時間水熱処理を行った。系内の総シリカ濃度はSiO2 として12.5重量%であった。
【0257】
水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥し、438gの微粉末を得た。
【0258】
生成微粉末を粉末X線回折スペクトルにより生成相の同定を行ったところ、ASTMカード番号16−0380に該当する2θ=4.9゜及び26.0゜の主ピークを特徴とするシリカXの主ピーク以外に、アモルファスシリカのブロードなパターンのピークが認められた。
【0259】
生成物の形状をSEMで観察したところ、その粒子形状が鱗片状であるものの他に、アモルファスシリカの不定形状粒子が多数認められた。アルカリの量が少なすぎてシリカの溶解度が十分でなく、晶析速度が遅いためと思われる。
【0260】
〔比較例12〕
オートクレーブに、系内の総SiO2 /Na2 Oモル比が3.0になるように、粒径2.5mmシリカヒドロゲル( SiO2 18.6重量% )2,688g及び水酸化ナトリウム水溶液( NaOH48.0重量% )463gを仕込み、これにイオン交換水849gを加え、20rpmで攪拌しながら170゜Cで10時間水熱処理を行った。系内の総シリカ濃度はSiO2 として12.5重量%であった。
【0261】
水熱処理物を濾過、水洗後、媒体流動層乾燥機を用いて乾燥したところ、微粉末の収量は78gで、極めて収率が悪かった。アルカリの量が過大のため、シリカがほとんど溶解してしまい、晶析があまり行われなかったものと思われる。
【0262】
なお、比較検討に便ならしめるため、実施例、比較例の条件を〔表6〕にまとめて示した。
【0263】
【表6】
Figure 0004063421
【0264】
〔実施例29〕
実施例15で得られたシリカ凝集体粒子と、二酸化チタン微粒子( 石原産業( 株 )製、商品名:TTO−55A、平均粒子径0.03〜0.05μm )とを、両方の合計重量5.0gで、かつ、シリカ:二酸化チタンの重量比率=84重量%:16重量%になるように秤量採取して、(株)シンマルエンタープライゼズ製の振盪式粉体混合機( 商品名:ターブラーシェイカーミキサーT2C型、容器容量100cm3 、アルミナボール入り )に入れ、30分間混合した。
【0265】
混合後の微粉末( 本発明のシリカ複合体 )をSEMで観察したところ、シリカ凝集体粒子の表面および間隙内表面に二酸化チタン微粒子が非常に均一に分散されて担持されていることが認められた。なお、シリカ凝集体粒子は、目視で確認できるほど大きく解砕や粉砕はされておらず、ほぼ元の形状を保持していることがわかった。
【0266】
次に、微粉末0.4gにワセリン1.12g、流動パラフィン0.48gを添加し、3本ロールを用いて良く分散させて得たペーストを、厚さ2mmの石英板2枚の間に挟み込み、層厚が25μmになるまで展着させ、自記分光光度計を用いて分光透過率を測定した。400nm以上は可視光領域、400〜280nmは紫外光領域である。紫外光領域における透過率が小さい程紫外線遮蔽効果が良いことを示し、可視光線領域での透過率が大きいほど、肉眼で観察される透明性が高いことを示す。500nmでは透過率62.98%、400nmでは透過率47.86%、360nmでは、透過率15.88%、320nmでは、透過率7.50%、290nmでは、透過率7.97%であった。
【0267】
複合体の可視光線領域での透過率がかなり高く、しかも、紫外線領域での透過率は、低いという特性を示した。
【0268】
〔実施例30〕
二酸化チタン微粒子を酸化亜鉛微粒子に変えて実施例29と同様の試験を行った。酸化亜鉛としては、住友大阪セメント(株)製の、酸化亜鉛微粒子〔商品名:ZnO−310、平均粒子径0.03μm〕を使用し、シリカと酸化亜鉛微粒子との配合比率を、シリカ凝集体粒子:酸化亜鉛微粒子の重量比率=84重量%:16重量%となるようにし、それ以外の条件は実施例29と同じとして複合体を形成し、同様な条件で試験した。500nmでは透過率91.75%、400nmでは透過率82.58%、360nmでは、透過率24.13%、320nmでは、透過率22.90%、290nmでは、透過率21.91%であった。
【0269】
複合体の可視光線領域での透過率がかなり高く、しかも、紫外線領域での透過率は、低いという特性を示した。
【0270】
〔実施例31〕
シリカ凝集体粒子に、二酸化チタン微粒子と酸化亜鉛微粒子の両方を配合する試験を行った。
【0271】
実施例15で得られたシリカ凝集体粒子、二酸化チタン微粒子( 石原産業( 株 )製、商品名:TTO−51A、平均粒子径0.01〜0.03μm )、および、酸化亜鉛微粒子( 住友大阪セメント(株)製、商品名:ZnO−310、平均粒子径0.03μm )の3種を合計重量5.0gで、かつ、シリカ凝集体粒子:二酸化チタン微粒子:酸化亜鉛微粒子の重量比率=72重量%:7重量%:21重量%になるようにし、それ以外の条件は実施例29と同じとして複合体を形成し、同様な条件で試験を行った。
【0272】
500nmでは透過率82.44%、400nmでは透過率70.38%、360nmでは、透過率13.25%、320nmでは、透過率10.27%、290nmでは、透過率8.86%であった。
【0273】
複合体の可視光線領域での透過率がかなり高く、しかも、紫外線領域での透過率も、低いという特徴と、紫外線領域から可視光線領域への透過率の変化が、急激に立ち上がって変化するという特徴を併せ持つ特性を示した。
【0274】
〔実施例32〕
シリカ凝集体粒子:二酸化チタン微粒子:酸化亜鉛微粒子の重量比率=64重量%:9重量%:27重量%になるようにし、それ以外の条件は実施例29と同じとして複合体を形成し、同様な条件で試験を行った。
【0275】
500nmでは透過率78.41%、400nmでは透過率65.13%、360nmでは、透過率9.37%、320nmでは、透過率7.35%、290nmでは、透過率6.72%であった。
【0276】
複合体の可視光線領域での透過率がかなり高く、しかも、紫外線領域での透過率も、低いという特徴と、紫外線領域から可視光線領域への透過率の変化が、急激に立ち上がって変化するという特徴を併せ持つ特性を示した。
【0277】
〔実施例33〕
シリカ凝集体粒子:二酸化チタン微粒子:酸化亜鉛微粒子の重量比率=56重量%:8重量%:36重量%になるようにし、それ以外の条件は実施例29と同じとして複合体を形成し、同様な条件で試験を行った。
【0278】
500nmでは透過率79.05%、400nmでは透過率65.73%、360nmでは、透過率9.56%、320nmでは、透過率7.70%、290nmでは、透過率6.92%であった。
【0279】
複合体の可視光線領域での透過率がかなり高く、しかも、紫外線領域での透過率も、低いという特徴と、紫外線領域から可視光線領域への透過率の変化が、急激に立ち上がって変化するという特徴を併せ持つ特性を示した。
【0280】
以上の実施例29〜33の結果を〔表7〕にまとめて示した。
【0281】
【表7】
Figure 0004063421
【0282】
【発明の効果】
本発明の金属酸化物微粒子を担持させる基体となるシリカ凝集体粒子は、鱗片状のシリカから構成されるもので、その粒子形状に起因して、基本的に、配向性、隠蔽性、および、展着性や伸び性などの使用感に優れる。
【0283】
金属酸化物微粒子は、もともと、極めて微小なものであるから、凝集性が強く、それだけでは、化粧品、塗料、樹脂の媒体中でこれらを一次粒子として均質に分散させるのが極めて困難で、その本来有する紫外線遮蔽機能等を十分に奏せしめることが難しかった。しかるに本発明によれば、これら金属酸化物微粒子が鱗片状のシリカからなるシリカ凝集体粒子の表面や間隙内表面に担持されているものであるから、全体としてもっとも好ましいシリカ粒子の表面に沿った形態を、安定的にとっていることになる。したがって、本発明のシリカ−金属酸化物微粒子複合体は、紫外線遮蔽効果等が高い。
【0284】
また、本発明にかかる複合体は、従来提案されている技術のように、金属酸化物微粒子をシリカ粒子中に内包複合化せしめる積極的な処理を行っていないにかかわらず、当然懸念される光触媒酸化作用による有機化合物の分解・劣化作用が非常に少ない。
【0285】
さらに本発明に従えば、このような金属酸化物微粒子の担体として好適に使用される、鱗片状シリカ一次粒子が不規則に重なりあって形成される間隙を有する特異な形状のシリカ凝集体粒子を、シリカヒドロゲルを出発物質として水熱処理することにより、生体に対し安全上懸念があるクオーツ等まで転化させることない低温度で、かつ、工業的に実施するのに十分短い時間で、製造する方法が提供される。
【0286】
この方法は、シリカヒドロゲルが、従来の水熱処理のシリカ原料であるシリカゲルと比較して、化学的な解砕が容易であるため、水熱処理に際し、機械的な粉砕が必須ではない点、および、多量の水分を含んだヒドロゲルのままで乾燥することなく水熱処理できるので、エネルギー的にはるかに有利である。
【0287】
なお、従来の原料であるシリカゲルを原料とする方法の場合は、シリカヒドロゲルを一旦、熱エネルギーを加えて乾燥する点が不利であるのみならず、このような乾燥によって、ゲルの結合が強固になり、化学的解砕が起こらなくなってしまい( すなわち、余計なエネルギーを加えて、わざわざシリカヒドロゲルを不活性化して )、再度機械的エネルギーを投入して粉砕しなおさなければならないという、エネルギー的に二重の問題点がある方法である。
【0288】
以上のごとく、シリカヒドロゲルを水熱処理することにより、金属酸化物微粒子の担体として好適に使用されるシリカ凝集体粒子を製造する本発明の方法は、きわめて産業上の利用可能性が大きい方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 シリカ凝集体粒子の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真
【図2】 シリカ凝集体粒子の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真
【図3】 シリカ−金属酸化物微粒子複合体の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真
【図4】 シリカ−金属酸化物微粒子複合体の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真
【図5】 シリカ真球状粒子に金属酸化物微粒子を配した粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真
【図6】 シリカ−金属酸化物微粒子複合体の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真
【図7】 シリカ−金属酸化物微粒子複合体の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真

Claims (9)

  1. シリカに金属酸化物が担持されてなるシリカ−金属酸化物微粒子複合体において、鱗片板の厚さが0.001〜1μm、当該厚さに対する当該鱗片板の最長長さの比 ( アスペクト比 ) が少なくとも10である鱗片状シリカ一次粒子が不規則に重なりあって形成される間隙を有するシリカ凝集体粒子の表面上および当該間隙内表面上に、一次粒子の大きさが0.002〜0.5μmである紫外線遮蔽機能を有する金属酸化物微粒子が当該シリカ複合体中に、1〜80重量%(金属酸化物+シリカ合計量基準)担持されており、当該担持は、当該シリカ凝集体粒子と当該金属酸化物微粒子を機械的に混合して行われたものであることを特徴とするシリカ−金属酸化物微粒子複合体。
  2. 紫外線遮蔽機能を有する金属酸化物微粒子が二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄および酸化ジルコニウムからなる群より選択される1種または2種以上の微粒子である請求項記載の複合体。
  3. 金属酸化物を担持するシリカ担体であって、鱗片板の厚さが0.001〜1μm、当該厚さに対する当該鱗片板の最長長さの比 ( アスペクト比 ) が少なくとも10である鱗片状シリカ一次粒子が不規則に重なりあって形成される間隙を有するシリカ凝集体粒子からなり、その表面上および当該間隙内表面上が被担持物質の担持サイトとなる担体であって、当該担持サイトには一次粒子の大きさが0.002〜0.5μmである紫外線遮蔽機能を有する金属酸化物微粒子が、被担持物質として当該シリカ中に、1〜80重量%(金属酸化物+シリカ合計量基準)担持されるものであり、当該担持サイトへの被担持物質の担持は、当該シリカ凝集体粒子と当該被担持物質である金属酸化物微粒子を機械的に混合することにより行われるものであることを特徴とする前記担体。
  4. 請求項1に記載のシリカ−金属酸化物微粒子複合体に好適に使用しうるシリカ凝集体粒子の製造方法であって、シリカヒドロゲルを、アルカリ金属塩の存在下に水熱処理するに際し、水熱処理温度が150〜220℃、処理液中の総シリカ/アルカリモル比( SiO2 /Me2 O( Meはアルカリ金属を示す。) )が4〜15mol/molの条件で当該水熱処理を行い、鱗片状シリカ一次粒子が不規則に重なりあったシリカ凝集体粒子を製造し、当該シリカ凝集体粒子と金属酸化物微粒子を機械的に混合することにより当該シリカ−金属酸化物微粒子複合体が得られることを特徴とする前記シリカ凝集体粒子の製造方法。
  5. シリカヒドロゲル中のSiO2 濃度が、15〜75重量%である請求項記載の製造方法。
  6. 水熱処理される処理液中の総シリカ濃度が、SiO2 として1〜30重量%である請求項または記載の製造方法。
  7. 水熱処理が5〜50時間行われる請求項4〜6の何れかに記載の製造方法。
  8. 水熱処理が種晶の存在下に行われる請求項4〜7の何れかに記載の製造方法。
  9. シリカ凝集体粒子のX線回折分析法による結晶型遊離珪酸の測定値が10%未満である請求項4〜8の何れかに記載の製造方法。
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