JP2000212029A - 新規金属化合物分散体 - Google Patents

新規金属化合物分散体

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JP2000212029A
JP2000212029A JP11016515A JP1651599A JP2000212029A JP 2000212029 A JP2000212029 A JP 2000212029A JP 11016515 A JP11016515 A JP 11016515A JP 1651599 A JP1651599 A JP 1651599A JP 2000212029 A JP2000212029 A JP 2000212029A
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dispersion
metal compound
cosmetics
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organic compound
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Masaaki Horino
政章 堀野
Hideki Takahashi
秀希 高橋
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Miyoshi Kasei Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無機紫外線遮断機能物質等金属化合物の分散性
に優れ、そのために例えば前記物質の高い光活性や触媒
活性を抑制し、化粧料等中での安定性に優れた紫外線遮
断機能等を付与できる分散体であると共に、化粧料等に
配合するに際して低粘度で簡単な分散処理操作で高分散
度に配合できる水分を保持した分散体及びそれを含有す
る化粧料等を提供する。 【解決手段】分子中に複数の水酸基を有する有機化合
物、好ましくはポリオール及び水を含有する均一媒体に
より金属化合物を極めて良く分散させることができ、特
に紫外線遮断機能を有する酸化亜鉛等の粉体の均一分散
体は従来の保湿剤分散体に比較して水分保持性は勿論、
分散性、安定性に優れ、かつ低粘度性であるために製造
上の作業性にも優れており、化粧料等への配合に適して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規金属化合物分散
体、詳しくは金属化合物(酸化物、水酸化物等。)、分
子中に複数の水酸基を有する有機化合物、好ましくはポ
リオール及び水を含有する金属化合物分散体、及びこれ
を使用した化粧料、着色料等に関する。
【0002】特に、化粧料用の分散体、及びそれを含有
する化粧料を提供し、その際金属化合物として使用でき
る、例えば無機紫外線遮断機能物質の分散性が極めて良
く、その結果高い紫外線防御効果を有し、安定性に優れ
た化粧料用分散体及びそれを含有する化粧料を提供可能
にする。更には、この分散体の粘度が極めて低く作業性
に優れており、高分散性に加えて化粧料等の製造の簡略
化に大きく寄与する分散体に関するものである。
【0003】更に、上記のような好ましい物性(高分散
性、特に金属化合物の高分散性、水分保持性、低粘度
性、高安定性等)の金属化合物分散体が得られるので、
本発明は化粧料の分野は勿論、それ以外の分野でも水分
の保持が求められる各種用途の金属化合物の良分散体に
関し、広く利用可能である。
【0004】
【従来の技術】水分の保持をしながら金属化合物を高度
に分散することができる分散体、例えば保湿性分散体が
各種の分野で使用されているが、必ずしも満足できるも
のではなく、水分を保持し、より分散性の高い分散体が
更に求められている。例えば、化粧料分野では、紫外線
遮断剤として使用する無機紫外線遮断機能物質の分散体
が知られている(特開平10−72318号公報参
照。)。
【0005】特に紫外線に関しては、従来から紫外線が
皮膚に様々な悪影響をもたらすことが知られている。
【0006】このように知られている各種の各種紫外線
障害から皮膚を保護する目的で、これまでに各種の紫外
線吸収剤を配合した化粧料が開発され市販されている。
これらの化粧料等には、ベンゾフェノン類、アミノ安息
香酸類、ケイ皮酸エステル類、ベンゾトリアゾール類、
サリチル類、ジベンゾイルメタン類の合成紫外線吸収剤
と微粒子の酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の無機顔料
が用いられている。紫外線防御効果や安定性等の面で無
機顔料の素材が優れているが、それらの品質面で更なる
改良等の研究が進められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】単一粒子径が10〜5
0nmと限定された超微粒子酸化チタンは、生物学的作
用が最も強く、皮膚に紅斑や炎症を生じさせる290〜
320nmの紫外線を反射散乱させ、しかも可視光線を
良く通過させる特徴を有する。しかし、市販されている
超微粒子粉末は、強い表面活性や吸着している微量水分
により粒子間で強い凝集力が生じてくる。そのため、光
散乱の光学物性を示す粒子サイズは、Rayleigh
領域の散乱からMie領域の散乱が中心的に作用し、実
質、透明感が低下している。よって、超微粒子酸化チタ
ンを配合した化粧料においては、塗布した化粧膜の青白
さが目立ったり、前記超微粒子酸化チタンの強い表面活
性により、機械力により分散させた粒子が経時により再
凝集し、SPF(Sun Protection Factor:日焼け止め指
数)値が低下し、望む紫外線防御効果が得られ難い。
【0008】また、超微粒子酸化チタンの単一粒子の平
均粒子径が0.01〜0.09μmの凝集物の平均粒子
径は1.2〜5.0μm(レーザー法による測定)であ
るが、強い活性点が残っているために紫外線の照射を受
けると、吸着水を分解し酸化力の極めて強いOH及びO
2フリーラジカルを発生させそのフリーラジカルによ
り、化粧品用法定タール色素を変色、褪色させたり、一
般化粧品用油剤を変質させたりする。
【0009】一方、無処理(表面処理無し)の超微粒子
酸化チタンは、紫外線防御効果について微粒子酸化亜鉛
に対して3〜4倍の力価を有しており、高SPF値を出
すのに有用であるが実際に化粧料に配合した場合、化粧
膜に青白さが生じ、化粧効果を損なうために高SPF値
を望むには問題がある。また、表面活性が強いために経
時により、再凝集を起こしSPF値が低下したり、表面
処理剤が分解して表面処理効果が低下する一因にもなっ
ている。
【0010】酸化亜鉛は、表面活性が強く、微粒子間の
凝集が強い。この表面活性度は法定色素の褪色度合いか
ら判断すると微粒子酸化チタンの約5倍の活性があるよ
うである。また、酸化亜鉛は触媒活性も強く、化粧料油
剤の変臭分解を招く欠点がある。
【0011】特に乳化物においては、乳化物に適度な粘
度をもたせるために、増粘剤が用いられているが、酸化
亜鉛は表面活性が強いために、それらの増粘剤とともに
凝集し、紫外線防御効果が望めないばかりか、乳化物の
安定性を損なう欠点も持っている。更には、合成紫外線
吸収剤と酸化亜鉛の併用乳化物組成物においては、微量
の鉄や酸化イオンの存在や酸化亜鉛の存在下で経時的に
淡黄色〜淡橙色の結晶が析出存在したり、乳化物が着色
したりして外観からも商品価値を損なう欠点があった。
【0012】一方、化粧品業界では、製造コストの低減
化が加速的に進行し、化粧料の製造工程の省力化が重要
な課題となっている。消費者の基本的ニーズに紫外線防
御効果があることから、超微粒子酸化チタンや、微粒
子、超微粒子酸化亜鉛等の無機紫外線遮断機能物質を分
散含有する分散体の必要性、即ち化粧品メーカーが、そ
れらの粉体を粉砕、分散させることなく、その分散体を
直接利用することにより、工程の簡略化を図れる分散体
へのニーズが高まっている。
【0013】かかる情況において市場に上市されている
分散体には、分散剤としてトリメチルシロキシケイ酸を
用い、超微粒子酸化チタンや超微粒子酸化亜鉛をシリコ
ーン油に分散させた分散体があり、これらの分散体自身
は安定である。しかし、この分散体は、乳化物に配合し
た場合、増粘剤により凝集してしまい、望むSPF値、
PFA(UVAのカットを示す指標)値が得られないば
かりか、配合した乳化物の安定性をも損なう欠点を持っ
ている。尚、PFA値は、SPFアナライザー(Optome
trics社 SPF−290 Analyzer)で測定すること
ができる値であり、この値が大きいもの程紫外線を透過
させ難い。
【0014】また、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ
を用い、超微粒子酸化チタン等を水に分散させた水分散
体は、化粧料に用いられる保湿剤との相互作用により、
ポリアクリル酸ソーダが水飴状になり分離し、分散体と
しての機能を果たさない欠点を持っている。
【0015】更に、本出願人により、紫外線遮断機能物
質の保湿剤分散体として当該物質の表面を活性化処理を
施して保湿剤がメカノケミカル反応でこの物質の表面に
吸着できるようにして紫外線遮断機能物質を分散させた
分散体を提案している(前記特開平10−72318号
公報参照。)。この場合、好ましくは分散剤や固定化剤
を使用するものであり、コストも高くなる傾向にある。
【0016】このような情況下に上記の分散体を更に改
良して、化粧料の分野に限らず、無機紫外線遮断機能物
質のような各種金属化合物(酸化物、水酸化物、これら
複合体等。)を極めて良く分散させかつ水分を保持でき
る良分散体が求められている。
【0017】本発明の第一の目的は、上記従来技術に比
較して低粘度で分散性が格段に優れた金属化合物分散体
で水分を保持できるもの、及びそれを使用した化粧料等
を提供することにある。更に、化粧料以外の分野、例え
ば着色料(食品用、塗料用等)等各種の分野で求められ
る金属化合物を良く分散させ水分を保持した低粘度の分
散体を開発することにある。更に、その際分散剤や固定
化剤を使用することなく分散性に優れ、かつ低粘度で特
殊な攪拌装置を要することなく最終製品に均一に分散す
る分散段階での作業が容易で工業的に簡便に低コストで
製造できる分散体を開発することが求められる。
【0018】次に、本発明の第二の目的は、前記した化
粧料における従来技術の問題点を解決し、無機紫外線遮
断機能物質の分散性が良く、その結果無機紫外線遮断機
能物質の高い光活性や触媒活性を抑制し、化粧料中での
安定性に優れ、かつ非常に優れた紫外線遮断機能を付与
することができる分散体であると共に、化粧料に配合す
る際に簡単な分散処理操作で高分散度に配合することが
でき、水を保持した低粘度の分散体及びそれを含有する
化粧料を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の実情に鑑
み、本発明者等は、例えば無機紫外線遮断機能物質を選
択しこれについて良分散体を開発すべく、これを化粧料
に配合したときに、本来有する紫外線遮断機能を完全に
発揮すると共に分散体に求められる種々の問題点を検討
したところ、具体的に下記のような技術的課題が挙げら
れた。
【0020】(1)高分散性で粘度が低く、かつ安定性
に優れ、例えば化粧料に配合する場合、分散体を分散さ
せるための特別の装置等を必要とすることなく容易に分
散させることができ、化粧料の製造工程が簡単であり、
より短時間で化粧料の製造ができる。
【0021】(2)同一濃度の、例えば無機紫外線遮断
機能物質を配合した分散体を化粧料に配合した場合、高
分散性でより高いSPF値、PFA値が得られより高い
紫外線防御能を有する化粧料が得られる。
【0022】(3)金属化合物、例えば無機紫外線遮断
機能物質を分散剤や固定化剤を使用することなく、少量
の分散媒体を使用して高濃度に調製した分散体を用い
て、これにある一定範囲内のイオン交換水又は精製水
(通常化粧料の製造に用いられる水)で容易に希釈する
ことができ、原料単価を低く抑え、製造コストの低減が
図れる。
【0023】(4)分散体中の紫外線遮断機能物質等の
分散能が高く、例えば化粧料に配合した場合、より少量
の使用で目的とする紫外線遮断効果が得られる。
【0024】(5)水分を保持した分散体で、その他化
粧料等で要求される肌に対する均一膜としての付着性や
伸展性等に優れた特性を満たしている。
【0025】本発明者等は以上の具体的課題を解決する
ための要件を満たし、前記目的を達成できる分散体を開
発すべく更に鋭意検討した結果、金属化合物を従来の保
湿剤に分散させた保湿剤分散体ではなく、保湿剤中に積
極的に水を混合した分散媒体を検討し、その結果金属化
合物、分子中に複数の水酸基を有する有機化合物及び水
を含有することにより得られる金属化合物分散体が前記
目的、即ち高分散性、特に金属化合物の高分散性、水分
保持性、低粘度性、高安定性等を達成できることを見出
し、本発明を完成するに到った。
【0026】即ち、本発明は金属化合物、分子中に複数
の水酸基を有する有機化合物及び水を含有する金属化合
物分散体にある。この必須3成分を含んでおり金属化合
物が均一に分散している分散体であれば、この発明の目
的を害しない範囲で更に別の成分を1種又は複数含有す
ることも可能である。
【0027】この発明によれば、配合した系の安定性を
向上させるのに加え、化粧料に配合して使用したときの
肌への均一膜としての付着性、伸展性等従来の無機紫外
線遮断機能素材の有する欠点もを解決し、従来技術には
無い優れた効果を呈する。更に、無機紫外線遮断機能物
質等のみで、このような物質等の分散を補助するために
従来から使用されている分散剤や、無機紫外線遮断機能
物質等を固定する固定化剤を何ら使用する必要が無いの
で製造コストの面でも極めて優れている。
【0028】更に、本発明には次の内容が含まれる。 1.分子中に複数の水酸基を有する有機化合物及び水を
含有する均一溶剤中に金属化合物が粉体の形態で分散し
ている上記分散体。
【0029】本発明における分散媒体は均一溶剤になっ
ておればよく、そのためには水や上記本発明に使用する
有機化合物以外の成分を当該媒体中に含むこともでき
る。同様に、金属化合物が分散しておれば、分散体中に
本発明の目的を害しない範囲で他の液体又は固体成分が
溶解、乳化、分散又は沈殿したりして存在することもで
きる。
【0030】2.当該有機化合物がポリオールである上
記分散体。
【0031】当該有機化合物として、1種又は複数混合
物の形態で使用することもでき、故に使用するポリオー
ルの場合も1種単独で又は複数混合物の形態で使用する
ことができる。
【0032】3.当該有機化合物が保湿性を有する上記
分散体。
【0033】保湿性物質としては、上記有機化合物のう
ちで保湿剤として使用され、保湿効果を有するものとし
て知られているものを使用することができる。
【0034】4.金属化合物が、亜鉛、チタン、鉄、セ
リウム、ジルコニウム、コバルト、マンガン、マグネシ
ウム、カルルシウム、珪素及び錫等の金属酸化物、水酸
化物並びにこれらの複合体の少なくとも1種を含む上記
分散体。酸化物としては金属原子−酸素原子の結合を有
する化合物やこれを含む金属化合物、水酸化物としては
金属原子−水酸基の結合を有する化合物やこれを含む金
属化合物を広く採用することができる。
【0035】金属化合物は分散させる上で紛体である方
が好ましい。例えば、無機紫外線遮断機能物質の場合、
酸化チタンについては好ましくば0.01〜5μm程
度、より好ましくは0.03〜0.1μm程度、更に好
ましくは0.03〜0.07μm程度の超微粒子紛体で
ある。同様に、酸化亜鉛については好ましくは0.01
〜5μm程度、更に好ましくは0.01〜0.6μm程
度の紛体である。
【0036】5.金属化合物が無機紫外線遮断機能物質
である上記分散体。
【0037】6.化粧料用、又は着色料用等の分散体で
ある上記分散体。
【0038】7.当該有機化合物がメカノケミカル反応
で吸着できるように金属化合物が紛体状であり、表面を
活性化処理された形態で分散している上記分散体。
【0039】本発明に使用する金属化合物については、
強力な剪断力、例えば破砕、磨砕、粉砕、衝撃等の機械
的な表面処理を施し、メカノケミカル反応による吸着及
び金属化合物粒子の分散工程を経た均一分散させた形態
がより高分散性確保の上から好ましい。例えば、当該金
属化合物の粉体を本発明に使用する分散媒体(前記本発
明に使用する有機化合物及び水を含む均一溶剤)中で金
属化合物に上記の機械的な表面処理を施して分散媒体の
分子、特に前記有機化合物が金属化合物表面に対するメ
カノケミカル反応により吸着促進し、その結果より均一
に分散する金属化合物の分散体を取得することができ
る。
【0040】8.当該有機化合物が、当該有機化合物と
水の和に対して、重量で20〜90%、好ましくは30
〜75%、より好ましくは30〜70%含有する上記分
散体。
【0041】9.金属分散体中に金属化合物が50%
(重量)以下、好ましくは10〜50%(重量)程度、
更に好ましくは20〜45%(重量)程度含有する上記
分散体。
【0042】10.前項1〜9何れか記載の分散体を含
有する化粧料、着色料等の製品。
【0043】着色料としては、食品用着色剤、水性ペイ
ントその他の塗料等で使用可能であり、その他水分を保
持した分散体を必要とする各種用途、製品に広く使用可
能である。
【0044】11.当該分散体を3.5〜80%(重
量)含有する上記化粧料、着色料等の製品。
【0045】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて無機紫外線遮断機能物質を代表例として、特に化粧
料に配合使用される場合を中心に説明するが、本発明に
使用する金属化合物の例として説明するもので、本発明
は無機紫外線遮断機能物質の分散体に限定されるもので
はない。
【0046】先ず、本発明に使用する金属化合物につい
て説明する。 [1]金属化合物 本発明に使用する金属化合物としては、水分を保持した
分散体を製造する必要性のある金属化合物或はそれを含
むものであれば特に制限は無い。例えば、亜鉛、チタ
ン、鉄、ジルコニウム、セリウム、コバルト、マンガ
ン、アルミニウム、カルルシウム、マグネシウム、珪
素、錫等各種の金属化合物を採用することができる。化
合物としては、そのような各種の金属の酸化物、水酸化
物や、それらの複合体が好適に使用される。無機紫外線
遮断機能物質の場合には、金属酸化物を使用することが
多い。当然のことながら、無機紫外線遮断機能を有さな
い金属化合物についても、化粧料以外の分野でそれぞれ
分散体に使用するために本発明の適用が可能である。
【0047】これらの金属化合物は、媒体中分散させる
ために細かい紛体であることが望ましく、より細かい粒
子、好ましくは微粒子粉末(平均粒子径10μm以
下)、より好ましくは超微粒子粉末(平均粒子径1m以
下)状態で分散することができる。
【0048】本発明に適用される無機紫外線遮断機能物
質が酸化チタン(TiO2)の場合、好ましくは、平均
単一粒子径0.01〜5.0μm(紡錘状粒子の場合に
ついては短軸0.01〜0.03μm、長軸0.05〜
0.1μm)、比表面積25〜120m2/g(簡易B
ET法)、吸油量17〜60程度のものである。
【0049】また、無機紫外線遮断機能物質が酸化亜鉛
の場合、その製法は、フランス法・アメリカ法・湿式法
等の公知の方法で製造したものを用いることができる。
それらの製法により製造される酸化亜鉛として好ましい
ものは、単一平均粒子径0.01〜0.60μm(空気
通過法)、比重5.4〜5.6、屈折率1.9〜2.
0、比表面積4.0〜80m2/g(BET法)範囲の
ものである。
【0050】本発明には従来使用されるような分散剤や
固定化剤を使用することは差し支えが無くその使用も本
発明に含まれるが、良分散体を取得する上ではその必要
は無い。
【0051】上記チタンや亜鉛金属化合物に限らず、種
々の金属化合物が上記のような粉体の状態で適宜使用さ
れる。
【0052】次に、本発明に使用する分散媒体について
説明する。 [2]分散媒体 本発明に使用する分散媒体は、少なくとも水と、分子中
に複数の水酸基を有する有機化合物とを少なくとも含有
する均一の溶剤であればよい。この有機化合物として、
好ましくはポリオールを使用することができ、保湿性を
有する化合物が好ましい。この有機化合物として1種の
化合物又は複数化合物の混合物を使用し、これと水とを
少なくとも含有する均一な溶剤の形態で用いられる。使
用可能なポリオールとしては特に制限は無いが、化粧料
に使用する場合には化粧料等に含有させて使用すること
のできる各種のポリオールを、また食品分野に使用する
場合には食品分野で、その他分野で使用する場合にはそ
の他分野で使用することのできるポリオールを適宜選択
して用いることができ、例えば、1,3ブチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、グリセリン、ポリエチレングリコール、ジグリセリ
ン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ヘキシレ
ングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチト
ール、マンニトール、トリグリセリン、テトラグリセリ
ン、マルトトリオース、グルコース、フルクトース、シ
ョ糖、デンプン分解糖マルトース、ペンタグリセリン、
ヘキサグリセリン、テトラグリセリン、オクタグリセリ
ン、ノナグリセリン、デカグリセリン等を挙げることが
できる。この中で、グリセリン、ジグリセリン、トリグ
リセリン等のグリセリン及びその誘導体、1,3ブチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール等アルキレングリコール類が高分散性の点で好
ましい。
【0053】本発明の分散体に使用する分散媒体には、
前記の通り水と上記のような複数の水酸基を有する化合
物を少なくとも1種含有し更に別の成分を含有していて
もよい。このような分散媒体は均一溶剤になっている必
要がある。また、その複数の水酸基を有する有機化合物
は前記保湿性を有していることが好ましい。
【0054】本発明に使用する分散媒体中の水と前記有
機化合物の比率に関しては、複数の水酸基を有する有機
化合物は少な過ぎても、多すぎても粘度、分散性や紫外
線遮断機能効果及び安定性の全てにわたって好ましくな
い。水と当該有機化合物の和に対する有機化合物の比率
(重量)は、好ましくは20〜90%程度、より好まし
くは30〜75%程度、更に好ましくは30〜70%程
度である。その他の要因、例えばグリセリンに見られる
ように、グリセリンの濃度が30重量%以下のときはグ
リセリンについてはその防腐力の低下を来すような場
合、グリセリンを使用して防腐効果を活かすためには3
0%以上の濃度で使用することが必要となる。
【0055】分散体中の金属化合物の含有量に関して
は、粘度が極めて低く、かつ分散性やその結果得られる
紫外線遮断機能効果取得の面で、全分散体中の金属化合
物の配合量は重量換算で50%以下が好ましい。より好
ましくは10〜50%、更に好ましくは20〜45%程
度である。
【0056】以上の配合量に関しては、無機紫外線遮断
機能物質の分散体以外でも同様に本発明の分散体に共通
して適用することができる。
【0057】尚、本発明における金属化合物の分散体中
における必須成分の割合に関しては、重量比で好ましく
は金属化合物:水:複数の水酸基を有する有機化合物=
10〜50:20〜60:20〜60、より好ましくは
20〜40:25〜50:25〜50程度である。
【0058】前記の通り全分散体中の金属化合物の配合
量は重量換算で50%以下が好ましいが、分散体中の無
機紫外線遮断機能物質の濃度を20重量%以上にする場
合は、高SPF値や高PFA値の化粧料を得るために、
当該分散体を化粧料に高濃度で配合する必要がなく、処
方構成上からの制限や、使用感上の制限を受けることを
より少なくすることができる。また、前記好ましい濃度
の範囲内で濃度を更に上げる場合は、分散体がペースト
状になり易く、分散体の製造上での作業性が良好であ
り、かつ分散体中の無機紫外線遮断機能物質の分散性を
より良好にすることができる。
【0059】次に、本発明の分散体の製造例について説
明する。 [3]分散体の製造 本発明に使用する分散体は、その製造過程において、好
ましくは金属化合物にメカノケミカル反応による分散媒
体分子の吸着に適した表面活性化処理を施すことによっ
て、更に分散性を向上することができる。
【0060】本発明に使用する無機紫外線遮断機能物質
の粉体に本発明に使用する分散媒体を加え、サンドミ
ル、振動ボールミル、ペブルミル、ディスクミル、アト
ライター、ダイノミル、コボールミル、オングミル、ス
ーパーミル、バスケットミル等の分散機器を用いて無機
紫外線遮断機能物質を分散させることにより、本発明の
分散体が得られる。このような分散機器を使用した粉
砕、破砕、磨砕、衝撃等の当該物質粒子の表面を機械的
に活性化する処理により前記有機化合物がメカノケミカ
ル反応による吸着を促進し、分散効果をより高めること
ができる。例えば、このうような表面処理法としては通
常行われるメカノケミカル法(特公昭56−43264
号公報、特開平10−72318号公報等参照。)、溶
媒法(特公昭45−18999号公報参照。)、ジェッ
ト法(特公平6−59397号公報参照。)等を用いる
ことができる。
【0061】分散体の製造工程において、分散機器の種
類、粉砕や分散用のメディアの選定、最適な粉砕や分散
条件の設定は、高度な分散体を調製するのに重要であ
り、例えば横型、堅型のサンドミルでは、用いるメディ
アとして、真比重が大きく、硬く耐磨耗性の高いジルコ
ニアビーズが好ましく、更には、直径0.5mmのジル
コニアビーズが特に望ましい。また、吐出量、ビーズの
充填容量、周速の最適条件の設定も重要な因子である。
【0062】ボールミル類を用いる場合には、ベッセル
及びビーズはベッセルやビーズの磨耗した物の混入の防
止、分散効率の向上等を配慮した場合には、ジルコニア
材質或いはアルミナ材質を用いるのが好適である。更
に、仕込量については、分散体の原材料の総量に、用い
るボールが漬かる量にすることは、分散効率から望まし
い。用いるボールの大きさは、同一直径のボールを全量
用いるよりも直径の異なるボールを混合使用する方が分
散効率が高まるので好ましい。
【0063】このようにして得られた分散体は、無機紫
外線遮断機能物質の分散に非常に適した条件で作製され
た後、所望の系に配合させるため、本来有する無機紫外
線遮断能が十分に発揮される。
【0064】これに対して、現在通常行なわれているよ
うな、化粧料に粉末(無機紫外線遮断機能物質等の本発
明の分散体を構成する原料粉末)を別途配合するような
従来法では、無機紫外線遮断機能物質の凝集物が多々散
在し、望むべき紫外線遮断効果が得られないばかりか、
強い活性点が残っているために、紫外線の照射を受けて
化粧品用法定タール色素を変色、褪色させたり、化粧料
用油剤を変色、変質させたりする。また、通常の方法で
無機紫外線遮断機能物質等の粉末を配合した場合、ディ
スパーや、ホモミキサー等を用いて、一時的強力に分散
させても、無機紫外線遮断機能物質の表面活性が強いた
めに経時変化で容易に再凝集を起こし、SPF値の低下
を起こす。
【0065】このようなメカノケミカル反応用の表面処
理を本発明で使用する分散媒体中で金属化合物に施した
場合、本発明の分散体は、例えばポリオールがメカノケ
ミカル反応により無機紫外線遮断機能物質に更に強力に
吸着して、無機紫外線遮断機能物質の活性点が封鎖さ
れ、更に前記ポリオールが一種の電気二重層的な役目を
果たしているために、無機紫外線遮断機能物質との反応
を防止し、高SPF値や高PFA値を示すものと考えら
れる。
【0066】本発明の分散体は各種の製品、例えば化粧
料、着色料等のように金属化合物を良く分散し、水分を
保持した分散体を必要とする製品に広く配合使用するこ
とができる。
【0067】次に、本発明の分散体を配合できる製品と
して、化粧料を例に取り上げて説明するが、これ以外の
分野においても水分を保持する金属化合物分散体を必要
とする製品には同様に適用することができる。
【0068】以上のようにして得られる分散体は、従来
から知られている分散体と同様に使用することができ、
その場合従来から知られている分散体の使用方法を利用
することができる。例えば、前記紫外線遮断機能物質の
分散体について化粧料に使用する場合には、従来から知
られている無機紫外線遮断剤やその分散体の化粧料への
使用方法が参考となる(前記特開平10−72318号
公報等参照。)。この場合、各種の紫外線防止を目的と
する化粧料を製造する場合、前記無機紫外線遮断機能物
質や、その分散体以外で化粧料に必要な成分として公知
の成分を各種配合使用することは勿論のこと、更にその
製造方法についても公知の化粧料の製造方法を利用して
行うことができる。
【0069】以下に、若干説明する。 [4]化粧料について 本発明における化粧料については、紫外線遮断機能物質
を含有する分散体をその組成物中に含有する点に特徴を
有しているが、それ以外では従来から化粧料として配合
される成分や、そのために処理される公知技術は前述の
通り全て適用可能である。
【0070】例えば、本発明の分散体に使用する紫外線
遮断機能物質等の成分の外に、紫外線吸収剤を配合使用
することができる。その場合、化粧料に使用可能な紫外
線吸収剤として知られている紫外線吸収剤であれば全て
使用可能であり、今後開発される化粧料用紫外線吸収剤
も適用可能である。例えば、サルチル酸系、ケイ皮酸
系、安息香酸系、ジベンゾイルメタン系等の有機系紫外
線吸収剤を併用して、より紫外線遮断能を向上させるこ
とができる。
【0071】また、本発明の分散体と前述した紫外線吸
収剤を化粧料中に配合しても紫外線吸収剤の結晶やコン
プレックス形成による黄色〜橙色の析出物、或いはそれ
らによる化粧料の着色化が見られず、安定的に配合で
き、高SPF値、高PFA値が得られる。
【0072】その他、配合されることができる成分とし
て、例えばタルク、カオリン、セリサイト、白雲母、合
成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、バーミ
キュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪ソ
ウ土、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミ
ニウム、珪酸バリウム、硫酸バリウム、珪酸ストロンチ
ウム、タングステン酸金属塩、シリカ、ヒドロキシアパ
タイト、ゼオライト、窒化硼素、ゼラミクスパウダー等
の無機粉末、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダ
ー、ベンゾグアナミンパウダー、四沸化エチレンパウダ
ー、ジスチレンベンゼンピンホールポリマーパウダー、
微結晶セルロース等の有機粉体、酸化チタン、酸化亜鉛
等の無機白色顔料、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等
の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄
酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボン
ブラック等の無機黒色系顔料、マンゴバイオレット、コ
バルトバイオレット等の無機紫色系顔料、酸化クロム、
水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料、
群青、紺青等の無機青色系顔料、酸化チタンコーテッド
雲母、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、オキ
シ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、魚鱗
箔、着色酸化チタンコーテッド雲母等のパール顔料、ア
ルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔
料、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色
205号、赤色220号、赤色226号、赤色228
号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色
205号、黄色401号及び青色404号等の有機顔
料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色22
7号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙
色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色
203号、緑色3号及び青色1号のジルコニウム、バリ
ウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料、クロロフィ
ル、β−カロチン等の天然色素等を挙げることができ
る。
【0073】尚、上記において、酸化チタン等の金属化
合物に含まれる無機顔料が使用可能であるが、分散体含
有成分としてではなく顔料として使用されるもので、紫
外線遮断機能を有する成分として使用されるものではな
い。例えば、他の目的、隠蔽力の調整、収斂効果等のた
めに使用するもので、このような目的で使用される場
合、本発明に使用される紫外線機能物質には含まれな
い。勿論、上記のように必要な着色を目的とする場合の
顔料の使用も、本発明の目的、即ち紫外線遮断機能物質
の分散効果や化粧料として求められる特性を改善すると
いう目的に沿う限り認められる。
【0074】一方、無機紫外線遮断機能物質としてでは
なく上記のような顔料成分を別途分散体の成分として使
用することもできる。そのような場合には当該顔料成分
の金属化合物は本発明に使用する金属化合物に該当し、
前記分散媒体中に分散する場合本発明の分散体となる。
【0075】本発明における化粧料の形態、種類は特に
制限されず、基礎化粧料その他紫外線を防御すべき化粧
料であれば全て使用可能である。使用部位の面積がより
広い化粧料に用いる方が紫外線遮断効果による生体防御
効果をより発揮する点でより効果的である。例えば、ロ
ーション、乳液、クリーム、乳化型ファンデーション等
を挙げることができるが、具体例としては、例えばパウ
ダーファンデーション、コンパクトパウダー、ツーウエ
イケーキ、フェースパウダー、制汗パウダー等の白粉
類、アイシャドウ、パウダーブラッシャー、マスカラ、
口紅、リップグロス、アイブロウペンシル、アイライナ
ー、ネイルカラー等のポイントメーク料、リキッドファ
ンデーション、クリームファンデーション、アンダーメ
ークアップベース、固形乳化型ファンデーション、油性
ファンデーション等の乳化型、非乳化型製品類、パッ
ク、化粧水、美容液、養毛料、ヘアートニック、整髪料
等の一部基礎化粧料類、ベビーパウダー、ボディーパウ
ダー、フレグランスパウダー等の全身用製品類を挙げる
ことができる。
【0076】本発明の化粧料を製造する場合特に困難は
無く、前述の通り先ず紫外線遮断機能物質の分散体を製
造する場合には前記メカノケミカル反応のための表面処
理を含めて本件明細書及び紫外線遮断機能物質を配合す
る従来技術を利用すればよく、また化粧料を製造する場
合には紫外線遮断機能物質を配合使用する化粧料のため
に知られている従来技術や今後開発される方法が全て利
用可能であり、それらに基づいて化粧料等の末端製品や
無機紫外線遮断機能物質の分散剤を容易に製造すること
ができる。
【0077】本発明における化粧料等は、本発明の分散
体を含有すればよい。本発明の分散体の含有量は、通常
は化粧料全体の重量に対し、好ましくは3.5〜80重
量%程度、より好ましくは7.0〜70重量%程度であ
る。この場合金属化合物の含有量は使用する製品、例え
ば化粧料の種類や使用目的に応じて種々選択することが
できるが、通常好ましくは0.3〜40重量%程度、よ
り好ましくは0.7〜20重量%程度、更に好ましくは
1〜15重量%程度である。
【0078】化粧料中の分散体含有量が3.5重量%よ
りも少ないときは、日光照射による肌の乾燥や炎症、色
素沈着等の皮膚機能の低下を防止できない傾向があり、
80重量%を越えた量を用いても、紫外線防御効果の増
加強度は、配合量の割合には低く、不経済であると共に
化粧料としての伸びが悪く均一膜としての付着性、密着
性も低下し、紫外線防御効果の長時間持続性に欠けると
いう傾向がある。
【0079】また、必要に応じ紫外線吸収剤を併用し、
無機紫外線遮断機能物質の光散乱力と有機紫外線吸収剤
の相乗作用により、高SPF値、高PFA値を与えるこ
ともできる。
【0080】[発明の作用]分子中に複数の水酸基を有
する有機化合物としてグリセリンを用いこれと水との分
散媒体を取り上げ、金属化合物として無機紫外線遮断機
能物質を使用した場合を例に挙げて、その無機紫外線遮
断機能物質の濃度を一定にした場合の分散性のメカニズ
ムについて検討したので、次に説明する。
【0081】多量の水の中にグリセリンが溶解した状態
の中に無機紫外線遮断機能物質が存在すると、通常水は
5〜12分子程度会合していると考えられている。水が
多い系ではそのような会合分子が多いためにグリセリン
の無機紫外線遮断機能物質への吸着を阻害する、いわゆ
る立体障害が発生し良分散体が得られない原因となるも
のと考えられる。
【0082】一方、水分過多の状態で発生する分散体の
ペーストの状態を観察するとゼリー状(粘性の無いゲル
状)になっていることから、会合した水分子とグリセリ
ン分子が絡み合いゼリー状に変化している可能性が大き
い。このゼリー状の粘度が他方では無機紫外線遮断機能
物質間の衝突回数や磨砕回数を減少させ、凝集粒子の分
散を阻害しているものと考えられる。特に、50℃とい
う高温に放置した場合に、ゲル化の傾向が早く、強く発
現する。
【0083】一方、ある一定範囲の割合の水をグリセリ
ン中に混合した分散体は会合した水分子の吸着よりもグ
リセリンの無機紫外線遮断機能物質への吸着が優先し、
単分子膜的に吸着配向し単分散化しているために極めて
低粘度になり、かつ分散安定性に優れ、特開平10−7
2318号公報に提案されている発明に比較して優れた
SPF値及びPFA値が得られる。
【0084】グリセリン単独又はグリセリンの多い系の
場合、無機紫外線遮断機能物質の表面に吸着するもの
の、グリセリンの粘度が無機紫外線遮断機能物質間の衝
突回数や磨砕回数を減少させるために、その粒子の凝集
物を完全分散させることができず、高SPF値及び高P
FA値が得られ難いものと考えられる。その現象として
無機紫外線遮断機能物質に吸着した凝集粒子が沈降し、
見掛け上、水飴状の沈降物に見えるものと考えられる。
【0085】次に、無機紫外線遮断機能物質の分散体中
の含有量について触れる。例えば、分散媒体中グリセリ
ン中にある一定範囲の水を混合した分散溶媒に無機紫外
線遮断機能物質を30重量%配合した場合、無機紫外線
遮断機能物質の濃度に対して、グリセリンがその表面に
吸着するのに十分な量のために高SPF値及び高PFA
値が得られる。
【0086】しかしながら、無機紫外線遮断機能物質の
濃度が高くなるに従い無機紫外線遮断機能物質に対して
その表面に吸着するグリセリンの絶対量が不足し、無機
紫外線遮断機能物質の分散性の向上は図れず、その濃度
を上げても高SPF、高PFAは望めない。かえって、
その濃度を高くすれば高くする程、SPF、PFA値は
低下する。その原因は先に説明したようにグリセリン吸
着量の絶対量の減少の他に、固形物である無機紫外線遮
断機能物質の高濃度化により、より高粘度化や、ブロッ
ク状になり、凝集粒子の存在が多く分散効果が低下する
要因が挙げられる。即ち、無機紫外線遮断機能物質のよ
り高濃度化を図るとグリセリンの吸着量の不足に加え、
分散体自体の高粘度化によりその分散性を阻害すること
になるものと推測している。
【0087】この傾向は油分散体でも同様であり、必要
以上のより高濃度の無機紫外線遮断機能物質を分散させ
た分散体は、その濃度を高める程高SPF、PFA値は
低下し、経済的にも不利である。更には、化粧料に必要
以上の高濃度の分散体を配合し、製造した場合、分散体
の分散に労を要し、分散体を用いる意味が減少し、決し
て好ましい姿ではない。
【0088】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明につ
いて更に詳しく説明する。以下の実施例では、化粧料を
中心に説明するが本発明は何らこれらの実施例に限定を
受けるものではなく、また化粧料以外の用途へも同様に
適用可能である。尚、実施例、比較例中の配合割合は全
て重量部、重量%で表わされている。
【0089】[実施例1] 超微粒子酸化亜鉛−グリセリン−水系分散体の製造−1 金属化合物として超微粒子酸化亜鉛(平均粒子径0.0
3μm)を使用し30重量%濃度の分散体を製造した。
サンドミルを使用して分散体の構成成分を室温で混合磨
砕した。このとき、酸化亜鉛粒子は0.03μmの平均
粒子径(一次)を有していた。
【0090】複数の水酸基を有する有機化合物としてグ
リセリンを使用し、水とグリセリンから構成される分散
媒体を調製した。その濃度を表1に示したように種々選
択して各種濃度の分散媒体を調製し30重量%濃度で金
属化合物分散体を製造後、その粘度、SPF値及びPF
A値を測定し分散媒体の安定性を観察した。その結果を
表1に示した。更に、分散媒体中のグリセリン濃度と、
SPF値及びPFA値との関係を図1に、粘度との関係
を図2に示した。尚、水を使用することなくグリセリン
単独溶媒を使用して分散体を製造しようと試みたが、粘
度が極端に大きくなり分散体は得られなかった。
【0091】[実施例2] 超微粒子酸化亜鉛−グリセリン−水系分散体の製造−2 実施例1と同様に、金属化合物として超微粒子酸化亜鉛
(平均粒子径0.03μm)を使用し40重量%濃度の
分散体を製造した。得られれた分散体の粘度、SPF値
及びPFA値を測定し分散体の安定性を観察した。その
結果を表2に示した。更に、分散媒体中のグリセリン濃
度とSPF値及びPFAとの関係を図3に、粘度との関
係を図4に示した。 (測定方法)尚、前記実施例1及び2において、粘度は
回転粘度計(「ビスメトロン粘度計」芝浦システム
(株))を使用。)により、またSPF値及びPFA値
は後述の法により測定された。
【0092】(評価方法)安定性の評価方法については
目視観察により行った。 ○:安定に分散;×:沈殿物が生じ、水飴状;△:ゲル
化;△+:ゲル化、僅かに分離。
【0093】
【表1】
【0094】
【表2】
【0095】表1、表2及び図1〜図4の結果から明ら
かなように、本発明における分散体は驚くべき低粘度で
高分散性を達成できる。その結果、安定性や紫外線防御
効果にも一段と優れている。粘度及び紫外線遮断機能効
果に関して、全分散体中の金属化合物の配合量について
は重量換算で50%以下が特に好ましい。より好ましく
は10〜50%程度、更に好ましくは20〜45%程度
である。分散媒体について実用上からは、複数の水酸基
を有する有機化合物は少な過ぎても、多すぎても粘度、
紫外線遮断機能効果及び安定性の全てにわたって好まし
くない。水と当該有機化合物の和に対する有機化合物の
比率(重量)は、好ましくは20〜90%程度、より好
ましくは30〜75%程度、更に好ましくは30〜70
%程度である。
【0096】[実施例3] カーマインローションの製
【0097】 (A液) 精製水 45.21 分散体 8.3 食塩 0.2 (B液) エチルアルコール 9.0 メントール 0.005 カンフル 0.025 メチルパラベン 0.25 2−エチルヘキシルパラジメチルアミノベンゾエート 0.01 (C液) ソルビトール 1.0 ポリエチレングリコール 0.5 精製水 35.5
【0098】上記分散体は各成分を室温下にサンドミル
中で混合磨砕することにより製造された(下記実施例に
ついても同様。)。このようにして得られた分散体の組
成については、重量で分散体中超微粒子酸化亜鉛ZnO
(平均粒子径:0.03μm)が30%、グリセリンが
35%、精製水35%である。この分散体については、
0.03g/40cm2塗布したときのSPF値が4
8.6、PFA値が73.0であった。尚、SPF値と
PFA値は、後述の測定法により求めた(以下同
様。)。
【0099】(比較例)上記実施例において分散体に代
えて保湿剤分散体8.8重量部を使用し、同様に実施し
た。この保湿剤分散体は、0.03g/40cm2塗布
したときのSPF値が25.8、PFA値が15.1で
ある。また、この保湿剤分散体における無機紫外線遮断
機能物質(上記酸化亜鉛):分散剤(ビーガムF):保
湿剤(プロピレングリコールと1,3ブチレングリコー
ル(重量比1:1))の重量比は、1:0.2:2.3
2である。尚、カーマインローション全体を100重量
部となるように精製水で調整した。上記保質剤分散体は
従来法(例えば、特開平10−72318号公報参
照。)に記載の方法により調製された(以下の比較例も
同様。)
【0100】(カーマインローションの製造)A液にB
液を加え、次いでC液を加えてカーマインローションを
製造した(酸化亜鉛の濃度:2.5重量%)。このカー
マインローションを0.08g/40cm2に塗布した
ときのSPF値は39.8でり、PFA値は33.4で
あった。
【0101】一方、比較例の前記組成について、同様に
カーマインローションを製造(酸化亜鉛の濃度は上記と
同一)したとこころ、SPA9値は10.2で、PFA
値は5.1であった。
【0102】[実施例4] W/O型乳液の製造
【0103】 (油相A) デカメチルシクロペンタシロキサン 11.0 オキシエチレン・オキシプロピレン共重合体10重量%含有 オクタメチルシクロテトラシロキサン溶液 21.0 ジメチルポリシロキサン 1.0 ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.2 ブチルパラベン 0.25 ソルビタンモノパルミテート 2.0 (水相B) 食塩 2.0 デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2 メチルパラベン 0.2 分散体 33.3 精製水 28.85
【0104】上記実施例において、分散体は実施例3と
同様に製造された。0.03g/40cm2塗布したと
きのSPF値が98.4、PFA値が100であり、分
散体のの組成については、重量比率で超微粒子酸化チタ
ンTiO2(平均粒子径:0.03μm)30%、グリ
セリンと1,3ブチレングリコール(重量比8:2)の
混合溶剤42%及び精製水28%である。
【0105】(比較例)上記実施例において、分散体に
代えて保湿剤分散体45.0重量部(前記同様従来法に
より調製。)を使用し、実施例で使用する分散体との重
量の差違は精製水で調整し全体を100重量部とした。
この保湿剤分散体は、0.03g/40cm2塗布した
ときのSPF値が47.0、PFA値が25.9であ
る。また、前記保湿剤分散体における無機紫外線遮断機
能物質(超微粒子二酸化チタン):固定化剤(タル
ク):分散剤(ラポナイト):保湿剤(1,3ブチレン
グリコール)の重量比は、1:0.4:0.3:2.8
である。
【0106】(乳液の製造)油相Aを50℃に加温し、
別に50℃に加温した水相Bを加え乳化し、30℃まで
冷却してW/O型乳液が得られた(乳液中の酸化チタン
濃度:10重量%)。0.08g/40cm2に塗布し
たときのこの乳液のSPF値は89.6、PFA値は4
9.1であった。
【0107】一方、同様に比較例についても乳液を製造
した(酸化チタン濃度は上記と同一)ところ、SPA値
は25.3、PFA値は13.5であった。
【0108】[実施例5] O/W型乳液の製造
【0109】 (油相A) 蜜ロウ 0.35 鯨ロウ 0.70 トリ(ラウリル、ミリスチン、パルミチン、ステアリン酸) グリセライド 0.70 ショトウ脂肪酸エステル 1.78 オリーブ油 0.70 ヘーゼルナッツ油 0.70 トコフェロール 0.01 トリ−2−エチルヘキ酸グリセリン 0.04 ステアリン酸 0.70 モノステアリン酸グリセリン 1.79 ソルビタントリオレート 0.77 モノオレイン酸グリセリン 0.77 ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン) シロキサン共重合体 0.70 ポリオキシエチレンフィトスタノール 0.88 メチルパラベン 0.14 (分散体液B) 金属化合物分散体 33.3 精製水 1.98 (中和液C) 水酸化カリウム 0.14 精製水 43.85
【0110】本実施例における前記分散体は前記同様に
製造された。0.03g/40cm 2塗布したときSP
Fが82.9、PFAが58.5であり、分散体中の各
成分の濃度については、重量比率で超微粒子酸化亜鉛
(ZnO、平均粒子径:0.03μm)20%、超微粒
子酸化チタン(TiO2、平均粒子径:0.03mμ)
10%、グリセリン45%,1,3−ブチレングリコー
ル4%及び精製水21%である。
【0111】(比較例)一方、比較例として、上記実施
例において分散体に代えて保湿剤分散体35.08重量
部(前記同様に調製。)を使用し、全体を精製水で調整
した。また、前記保湿剤分散体における無機紫外線遮断
機能物質(超微粒子酸化チタンと超微粒子酸化亜鉛):
分散剤(ベントナイト):保湿剤(プロピレングリコー
ル)の重量比は、1:0.4:2.1である。このとき
の保湿剤分散体の上記SPF値が36.5、PFA値が
23.3であった。
【0112】(乳液の製造)油相Aを80℃に加温した
中に、80℃に加温した保湿剤分散体液Bを加え粗乳化
を行い、次いで80℃に加温した中和液Cを加えてより
乳化させた後、30℃まで冷却して、水相Wに油相Oが
分散するO/W型乳液を得た(全金属化合物の濃度は1
0重量%)。この乳液を0.08g/40cm2に塗布
したときのSPF値は67.4であり、PFA値は3
7.9である。乳液中の金属化合物の濃度については、
重量で酸化亜鉛6.67%,酸化チタンが3.33%
で、合わせて10%である。
【0113】一方、同様に比較例についても乳液を製造
した(全金属化合物及び各成分の濃度は上記に同じ)と
ころ、SPA値は45.7であり、PFA値は25.8
であった。
【0114】[実施例6] 水中油型スティックファン
デーションの製造
【0115】 1. デカメチルシクロペンタシロキサン 2.9 2. 流動パラフィン 2.0 3. カルナバワックス 0.2 4. キャンデリラワックス 10.0 5. ワセリン 2.0 6. ラノリン 1.0 7. イソステアリン酸 3.0 8. シリコン処理赤色酸化鉄 1.0 9. シリコン処理黄色酸化鉄 2.5 10. シリコン処理黒色酸化鉄 0.2 11. マイカ 5.0 12. タルク 5.0 13. 分散体 24.5 14. メチルパラベン 0.2 15. 精製水 36.0 16. ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(純分32重量%) 4.4 17. 香料 0.1
【0116】(スティックファンデーションの製造)上
記成分1〜7を80℃で撹拌溶解して油相部を調製し、
別に成分14〜16を80℃で撹拌溶解して水相部を調
製した。得られた油相部に水槽部を加えて乳化させ、予
め撹拌混合しておいた成分8〜12を混合し、次いで分
散体13を加えて撹拌混合後、スティックの型に流し込
み冷却して水中油型のスティックファンデーションを製
造した。
【0117】上記実施例において使用した前記分散体
は、0.03g/40cm2で塗布したときのSPF値
は88.5、PFA値は71.4である。また、前記分
散体における構成は分散媒体としてトリグリセリンとプ
ロピレングリコールとの混合溶剤で分散体中の超微粒子
TiO2とFe23(重量比1:1、平均粒子径それぞ
れ0,03、及び0.05μm )の合計の濃度は10
重量%である。このようにして得られた水中油型スティ
ックファンデーションはSPF値45.2,PFA値3
4.8であった。
【0118】(比較例)一方、前記実施例において予め
分散体を調製することなく、同一成分を使用して別途従
来法に基づいて、添加混合して製造した場合、得られた
スティックファンデーションはSPF値32.0,PF
A値25.8であった。
【0119】化粧料の製造に関する前記各種の実施例及
び比較例の結果から明らかなように、本発明に基づいて
得られる化粧料は本発明による低粘度で高分散性の分散
体の配合により紫外線防御効果が格段に優れている。更
に、化粧料として使用した場合の使用感、特に肌に塗布
したときの安定性や付着性等についても極めて好ましく
優れていることが確認された。
【0120】(SPF値及びPFA値の測定法)日焼け
止め指数SPF値及びPFA値は、次の手順によりSP
Fアナライザー(Optometrics社、SPF−
290、Analyzer)で測定することができ、前
記SPF値及びPFA値は次の手順により測定した。
【0121】縦100mm×横100mm×高さ3m
mの石英板に3M社のトランスポアサージカルテープを
貼り、その上に6.4cm×6.4cm(40cm2
の試料塗布用領域を確保する。 前記試料塗布用領域に、試料をスポンジパフで0.0
3g及び0.08g(0.75mg/cm2、2.0m
g/cm2)塗布し、15分放置する。 前記SPFアナライザーを用いて前記試料を塗布した
表面に16mmφの照射面積の測定光をあて、9スポッ
ト測定し、9つの測定値の平均値をSPF値及びPFA
値とする。 試料によっては上記の操作を数回繰り返し平均値を取
る。
【0122】
【発明の効果】本発明の分散体は水を含むので、化粧料
は勿論、その他の用途においても水分を必要とする分散
体には好適に使用できる。
【0123】分散性が極めて良好であり、目的とする金
属化合物を分散させるために従来必要とされた分散剤や
固定化剤を何ら必要とせず工業的に操作の面でも経済の
面からも有利である。
【0124】金属化合物の表面を機械的処理、例えば粉
砕、破砕、磨砕、衝撃等により活性化させることによ
り、分散媒体、特に複数の水酸基を有する有機化合物が
その表面にメカノケミカル反応により吸着し(特開平1
0−72318号公報等参照。)分散性を更に改善する
ことができる。
【0125】無機紫外線遮断機能物質等金属化合物を長
期間良好に分散させることができる。従って、紫外線遮
断機能効果等を長期にわたって十分に発揮させることが
できる。
【0126】無機紫外線遮断機能物質等の高度分散によ
り光活性や触媒活性を抑制することができる。従って、
化粧料に含有させる他の成分に悪影響を及ぼしたり、他
の成分と共に凝集したりしない。例えば、化粧品用法定
タール色素を変色、褪色させたり、一般化粧品用油剤を
変質させたりしない。また、増粘剤と共に凝集すること
もない。
【0127】例えば、前記無機紫外線遮断機能物質の分
散体を化粧料に配合して使用した場合、特に使用感が良
好であり、肌への均一膜としての付着性、伸展性等に優
れる。
【0128】低粘度かつ高い分散性により化粧料等を簡
略に製造することができる。特に、化粧品業界では、製
造コストの低減化が加速的に進行し、化粧料の製造工程
の省力化が重要な課題となっている。そして、消費者の
基本的ニーズに紫外線防御効果があることから、無機紫
外線遮断機能物質としての超微粒子の酸化チタンや、酸
化亜鉛等の無機紫外線遮断機能物質の安定な分散体の要
求が高まっている。本発明の分散体によれば、化粧品メ
ーカーが無機紫外線遮断機能物質の粉体を粉砕、分散さ
せることなく、本発明の分散体を直接利用することによ
り、工程の簡略化を図ることができる。また、化粧料等
に配合する際も簡単な分散処理操作で容易に高濃度で配
合することができる。同様にその他の分野でも各種の用
途に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1において分散媒体中のグリセ
リン濃度とSPF値及びPFA値との関係を示す図であ
る。全分散体中の酸化亜鉛濃度30%(重量)。
【図2】図2は、実施例1において分散媒体中のグリセ
リン濃度と粘度との関係を示す図である。
【図3】図3は、実施例2において分散媒体中のグリセ
リン濃度とSPF値及びPFA値との関係を示す図であ
る。全分散体中の酸化亜鉛濃度40%(重量)。
【図4】図4は、実施例2において分散媒体中のグリセ
リン濃度と粘度との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 13/00 B01J 13/00 Z Fターム(参考) 4C083 AA082 AA122 AB032 AB051 AB211 AB212 AB231 AB232 AB241 AB332 AB432 AC012 AC022 AC072 AC111 AC122 AC132 AC182 AC242 AC422 AC442 AC482 AC712 AC842 AD042 AD152 AD172 AD222 AD492 AD512 AD532 AD662 BB23 BB24 BB46 DD11 DD27 DD32 DD33 EE03 4D077 AA09 AB04 AB11 AC02 AC03 AC05 BA07 BA12 BA15 BA20 DA02Y DC02Y DC03Y DC04Y DC12Y DC15Y DC16Y DC17Y DC19Y DD05Y DD32Y DD33Y DD36Y DE02Y DE03Y DE07Y DE08Y 4G065 AA01 AA02 AA03 AA04 AA05 AA06 AA07 AB05X AB10X AB35X AB38X BA12 BA20 BB06 CA03 DA02 DA06 EA01 FA01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属化合物、分子中に複数の水酸基を有す
    る有機化合物及び水を含有することを特徴とする金属化
    合物分散体。
  2. 【請求項2】分子中に複数の水酸基を有する有機化合物
    及び水を含有する均一媒体中に金属化合物が粉体の形態
    で分散している請求項1記載の分散体。
  3. 【請求項3】当該有機化合物がポリオールである請求項
    1又は2記載の分散体。
  4. 【請求項4】当該有機化合物が保湿性を有する請求項1
    又は2記載の分散体。
  5. 【請求項5】金属化合物が亜鉛、チタン、鉄、錫、セリ
    ウム、ジルコニウム、コバルト、マンガン、マグネシウ
    ム及びカルシウムの金属酸化物、金属水酸化物並びにこ
    れらの複合体の少なくとも1種を含む請求項1又は2記
    載の分散体。
  6. 【請求項6】金属化合物が無機紫外線遮断機能物質であ
    る請求項1又は2記載の分散体。
  7. 【請求項7】化粧料用又は着色料用の分散体である請求
    項1又は2記載の分散体。
  8. 【請求項8】当該有機化合物がメカノケミカル反応で吸
    着できるように金属化合物が表面を活性化処理された粉
    体の形態で分散している請求項1又は2記載の分散体。
  9. 【請求項9】当該有機化合物が、当該有機化合物と水の
    和に対し20〜90%(重量)含有する請求項1又は2
    記載の分散体。
  10. 【請求項10】金属化合物が50%(重量)以下含有す
    る請求項1又は2記載の分散体。
  11. 【請求項11】請求項1〜10何れか記載の分散体を含
    有することを特徴とする化粧料、着色料等。
  12. 【請求項12】当該分散体を3.5〜80%(重量)含
    有する請求項11記載の化粧料、着色料等。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007530608A (ja) * 2004-03-31 2007-11-01 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ 酸化チタンを含有する美容洗浄組成物
JP2008308362A (ja) * 2007-06-14 2008-12-25 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 無機酸化物透明分散液と透明複合体およびその製造方法

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