JP4178013B2 - 毬栗状酸化チタン粉体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は毬栗状酸化チタン粉体及びその製造方法に関し、さらにはその紫外線防御能や使用性等に関する。
【0002】
【従来の技術】
酸化チタンは、屈折率が高く、隠蔽力、着色力、紫外線防御力に優れていることから、従来より、顔料として塗料、プラスチック、化粧料等に広く使用されている。紫外線防御剤としてこれらの製品基剤に含まれる酸化チタンは、紫外線防御能、透明性を追求した結果、平均一次粒子径が0.1μm以下の微粒子粉体が主流となっている。
酸化チタンの製造方法としては、硫酸チタニルや四塩化チタンを水相中で加熱加水分解する方法や、中和加水分解する方法などが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、微粒子粉体は粒子径が非常に小さいことから、吸油量が高く、凝集を起こしやすく、製品基剤系において分散し難いものであった。また、この微粒子粉体を含有する化粧料等はUV−B領域(280〜320nm)の紫外線防止効果は高いものの、UV−A領域(320〜380nm)の紫外線に対しては防止効果が低く、実使用時においてもざらつきやのびの悪さ等の問題点を有していた。
【0004】
このような状況から、分散性、及びUV−A防御能を上げるために、針状酸化チタン一次粒子が集合した扇状酸化チタン粉体が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】
特開昭55−10428号公報
【特許文献2】
特開平10−245228号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この粒子は分散性、UV−A防御能の改善は認められるものの、使用性の面で問題を残していた。
本発明は、前記従来の課題に鑑みなされたものであり、優れた紫外線防御能、使用性を有する酸化チタン粉体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明者らが鋭意検討した結果、チタン塩溶液を加熱加水分解する際に脂肪族アルコールを添加すると、棒状酸化チタン一次粒子が毬栗状に集合した粉体が得られ、この粉体は優れた紫外線防御能、使用性を有することを見出した。また、添加剤として脂肪族アルコールとともにある種化合物を併用したり、添加剤の濃度調整により、粒径や結晶型を調節できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
本発明の第一の主題はすなわち、棒状酸化チタン一次粒子が集合し、粒径0.01〜100μmの毬栗状を形成しており、ルチル及び/又はアナターゼ型であり、粉体の粒径分布が長径基準で平均粒径±50%の範囲にあることを特徴とする毬栗状酸化チタン粉体である。
前記毬栗状酸化チタン粉体において、粉体の長径と短径との比が0.75以上であることが好適である。
【0008】
前記毬栗状酸化チタン粉体において、表面に0.001〜0.05μmの棒状突起物を有していることが好適である。
前記毬栗状酸化チタン粉体において、結晶型がルチル型であることが好適である。
【0009】
本発明の第二の主題はすなわち、無機チタン塩溶液を加熱加水分解する際に、脂肪族多価アルコールを添加して、あるいは脂肪族一価アルコールとカルボキシル基又はカルボニル基を有する物質とを添加して、無機チタン塩溶液中における脂肪族多価アルコール又は脂肪族一価アルコールの濃度を0.1〜3mol/Lとし、50〜100℃で加熱することを特徴とする毬栗状酸化チタン粉体の製造方法である。
前記製造方法において、加熱加水分解する際に脂肪族多価アルコールを添加することが好適である。
前記製造方法において、脂肪族多価アルコールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセロール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトールからなる群より選択された1種又は2種以上であることが好適である。
【0010】
また、前記製造方法において、加熱加水分解した後さらにアルカリによりpH調整することが好適である。
また、前記製造方法において、加熱加水分解する際に、さらにカルボキシル基又はカルボニル基を有する物質を前記脂肪族多価アルコールと共存させることが好適である。
なお、本発明において、前記カルボキシル基又はカルボニル基を有する物質として脂肪族カルボン酸又はその誘導体を用いることが好適である。
【0011】
本発明において、毬栗状とは、毬栗のように表面に一様な突起物を有し、概略球状である状態を意味する。
また、棒状とは、平均断面積と長手方向の平均長さとの関係が下記式のような関係であるものと定義する。
【数1】
【0012】
【発明の実施の形態】
初めに本発明の毬栗状酸化チタン粉体の製造方法について、説明する。
本発明の毬栗状酸化チタン粉体の製造方法は、無機チタン塩溶液を脂肪族アルコール存在下で50〜100℃で加熱加水分解することを特徴とする。具体的には、無機チタン塩溶液に脂肪族アルコールを添加し、これを加熱加水分解してメタチタン酸を得、さらにアルカリ処理によりpH調整してオルトチタン酸とし、乾燥(さらに焼成も可)することが好適である。なお、加熱加水分解後、アルカリ処理を省略することも可能ではあるが、収率や品質に劣ることがある。
【0013】
本発明では、脂肪族アルコールの添加量によって、棒状酸化チタンの長さをコントロールし、該棒状酸化チタン一次粒子を集合させて、所望の粒子径を持つ毬栗状酸化チタン粉体を得ることができる。
脂肪族アルコール濃度としては、目的に応じて適宜決定すればよいが、通常はチタン塩溶液中0.1〜5mol/L、好ましくは0.1〜3mol/Lである。多価アルコール濃度が低すぎる場合あるいは高すぎる場合には、毬栗状粉体を得ることが困難である。
【0014】
本発明の毬栗状酸化チタン粉体は、直径が0.01〜100μm、さらには0.03〜10μmであることが好適である。直径が小さいと基剤中で凝集を起こしやすく、直径が大きいと使用性が損なわれる。
また、一次粒子となる酸化チタン棒状粒子は長手方向の長さが0.001〜0.05μmであることが好適である。0.001μmより短い場合は、比表面積が大きくなり、可視光線の透過性が悪くなり、0.05μmより長い場合は、比表面積が小さくなり、紫外線防御効果が小さくなる。
【0015】
本発明において用いる無機チタン塩溶液の出発原料としては、特に限定されないが、硫酸チタン、硫酸チタニル、四塩化チタン等の無機チタン塩の水溶液が好適に用いられる。
無機チタン塩溶液の濃度は、0.1〜5mol/Lであることが好適である。
【0016】
本発明において、チタン塩溶液を加熱加水分解する際に添加される脂肪族アルコールとしては、炭素数1〜22のものが挙げられ、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、オクタノール、ステアリルアルコール等が例示できるが、きれいな毬栗状とするためには多価アルコールを用いることが好ましい。多価アルコールとしては、特に限定されないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセロール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトール等が好適に用いられる。1価アルコールを用いても毬栗状を形成するが、多価アルコールに比べてきれいな形状のものが得難い。1価アルコールを使用する場合、後述のカルボキシル/カルボニル化合物を併用することで、この点は改善可能である。
【0017】
加熱加水分解条件は、用いる原料、脂肪族アルコール等の添加剤の種類や濃度等により適宜決定されるが、通常50〜100℃にて1〜12時間であることが好適である。
本発明においては、加熱加水分解後、反応液(あるいは反応液を濾過・水洗後、水中に再懸濁したスラリー)にアルカリを添加してpHを6〜8、好ましくはpH6.5〜7.5に調整(中和)することが好適である。使用されるアルカリについては特に限定されないが、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のNa塩、K塩、Ca塩が好適に用いられる。
【0018】
本発明においては、多価アルコールとともにカルボキシル基又はカルボニル基を有する物質を共存させると、併用しない場合に比して毬栗状粉体の粒径をより小さくすることができる。
カルボキシル基又はカルボニル基を有する物質(以下、カルボキシル/カルボニル化合物ということがある)としては、特に支障のない限り限定されないが、炭素数1〜22の脂肪族化合物が好適であり、代表的な例として脂肪族カルボン酸又はその誘導体等が挙げられる。脂肪族カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、ステアリン酸等の一塩基酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸等の二塩基酸の他、あるいはそれ以上の多塩基酸も可能である。誘導体としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、4級アンモニウム塩等の塩、メチルエステル、エチルエステル等のエステル等が代表的であるが、アミノ酸、アミドなども特に支障のない範囲で使用可能である。カルボン酸又はその誘導体のうち、好ましいものとしてカルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸エステルが挙げられ、特に好ましいものとして酢酸が挙げられる。
【0019】
カルボキシル/カルボニル化合物の濃度は、該化合物の種類やその他の条件によって適宜決定すればよいが、通常はチタン塩溶液中0.1〜5mol/Lであることが好適であり、より好ましくは0.5〜5mol/Lである。該濃度が小さすぎると粒径のコントロール効果が発揮されず、また、過剰に添加してもそれに見合った効果が発揮されない。
【0020】
本発明の製造方法において、加熱加水分解後、濾過残分を水中に再懸濁したスラリーに対して酸を添加し、加熱することにより、粒径を小さく、しかもより均一なものとすることができる。このような酸としては、硫酸、硝酸、塩酸等が挙げられ、好ましくは塩酸である。
該酸加熱処理における酸の添加量は、通常スラリー中のチタンに対して1〜8モル当量である。加熱条件としては、用いる原料、添加剤、濃度等に応じて適宜決定すればよいが、通常は、前記加熱加水分解条件と同様の範囲である。
【0021】
酸化チタンの結晶型にはアナタース、ルチル、ブルッカイトの三種類があり、工業的には白色顔料としてアナタース型、ルチル型が製造されている。両結晶とも正方晶系に属し、ユニットセルの原子の配列についてはルチル型の方がアナタース型よりも緻密になっている。また、ルチル型はアナタース型よりも安定であり、アナタース型を高温加熱すればルチル型に転移する。
【0022】
また、酸化チタンは光、特に紫外線の照射によって光触媒として作用することが知られている。このような光触媒作用によって、何らかの基剤系に配合された場合、それら基剤中の他成分を変質させてしまう可能性もある。しかし、ルチル型の酸化チタンは光触媒としての活性が少ない。
よって、ルチル型の酸化チタンを用いることは、他成分の変質等を考慮したときに非常に有用である。
一方、光触媒としての作用を目的とし、脱臭剤、脱色剤や、また、ガラスを超親水性とする防汚機能付与剤などとして使用する場合には、アナターゼ型酸化チタンを用いることが非常に有用である。
【0023】
本発明の製造方法においては、脂肪族アルコールやカルボキシル/カルボニル化合物の濃度によって、ルチル型あるいはアナターゼ型の酸化チタンを得ることが可能である。例えば、チタンの塩酸酸性水溶液を加熱加水分解する場合、脂肪族アルコールやカルボキシル/カルボニル化合物の濃度が低いとルチル型が、脂肪族アルコールやカルボキシル/カルボニル化合物の濃度が高いとアナターゼ型が得られる傾向にある。このように、本発明の製造方法においては、使用目的に応じて酸化チタンの結晶型を選択することができる。また、本発明の製造方法によりアナターゼ型を製造し、これを常法によりルチル型に転移させることもできる。
【0024】
本発明の毬栗状酸化チタン粉体は、毬栗のように表面に一様な突起物を有するため、表面近傍の屈折率が酸化チタンの屈折率と媒体の屈折率との掛け合わせとなり、擬似的に二層の屈折率を持つことになる。よって、本発明の毬栗状酸化チタン粉体は可視領域の透過率が高くほぼ一定でUV−AB領域にて透過率が低減するという特徴を有する。また、本発明の酸化チタン集合体は概略球状であるため、塗料、プラスチック、化粧料等に配合した場合、ざらつきがなく使用性に優れる。
【0025】
本発明の毬栗状酸化チタン粉体は、常法により表面処理を施して使用することも可能である。例えばアルミニウム処理、シリコーン処理、脂肪酸石鹸処理、デキストリン脂肪酸エステル処理、フッ素処理等を行ってもよい。また、その他の金属種でさらに表面を被覆することにより、紫外線吸収特性を変化させることも期待できる。
【0026】
本発明の毬栗状酸化チタン粉体は、熱的、化学的にも安定であり、油分、水、粉末、界面活性剤、低級アルコール、多価アルコール、保湿剤、防腐剤、高分子、酸化防止剤、香料、各種薬剤等を本発明の持つ紫外線防御等の効果を損なわない質的、量的範囲で配合することが可能である。
【0027】
本発明の毬栗状酸化チタン粉体とともに配合され得る油分としては、通常化粧料において用いられる油分を挙げることができる。例えば、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーンなどが挙げられるが、上記油分に限定されるものではない。またこれらの油分は、1種または2種以上を任意に選択して用いることができる。
本発明の毬栗状酸化チタン粉体とともに配合され得る粉末としては、通常化粧料において用いられる粉末を挙げることができる。例えば、無機顔料、パール顔料、金属粉末顔料、有機顔料、天然色素等が挙げられるが、上記粉末に限定されるものではない。
【0028】
本発明の毬栗状酸化チタン粉体とともに配合され得る界面活性剤としては、通常化粧料に配合され得る界面活性剤をそのイオン性の有無に関わらず用いることができる。例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、親油性非イオン系界面活性剤、親水性非イオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。なお本発明は前記界面活性剤のみに限定されるものではない。また、これらの界面活性剤は、1種或いは2種以上を任意に選択して配合することが可能である。
【0029】
本発明の毬栗状酸化チタン粉体を化粧料に配合して用いる場合、化粧料のとり得る形態は特に限定されず、例えば粉末状、クリーム状、スティック状、ペンシル状、液体状等、その用途に応じて各種形態をとることが可能であり、化粧下地、ファンデーション、白粉、頬紅、口紅、マスカラ、アイシャドー、アイライナー、クリーム、乳液、ローション等各種化粧料を提供することが可能である。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例を説明する。なお、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1
1mol/Lの四塩化チタン水溶液1Lに1molの1,3−ブチレングリコールを添加し、70℃にて5時間加熱した後、水酸化ナトリウムによりpH7に調整した。この後、濾過水洗、乾燥(105℃、12時間)して粉体を得た。この粉体は結晶型がルチル型で粒子径が約0.2μmの毬栗状酸化チタンであり、粒子表面に約0.01μmの突起物を有する毬栗状の形態をしていた。
【0031】
実施例2
1mol/Lの四塩化チタン水溶液1Lに1molのダイナマイトグリセリンを添加し、90℃にて1時間加熱した後、水酸化ナトリウムによりpH7に調整した。この後、濾過水洗、乾燥(105℃、12時間)して粉体を得た。この粉体は結晶型がルチル型で粒子径が約2μmの毬栗状酸化チタンであり、粒子表面に約0.01μmの突起物を有する毬栗状の形態をしていた。
【0032】
実施例3
1mol/Lの硫酸チタニル水溶液1Lに1molのエチレングリコールを添加し、90℃にて4時間加熱した後、炭酸ナトリウムによりpH7に調整した。この後、濾過水洗、乾燥(105℃、12時間)、焼成(700℃、3時間)して粉体を得た。この粉体は結晶型がルチル型で粒子径が約5μmの毬栗状酸化チタンであり、粒子表面に約0.02μmの突起物を有する毬栗状の形態をしていた。
【0033】
比較例1
1mol/Lの四塩化チタン水溶液1Lを90℃にて3時間加熱した後、水酸化ナトリウムによりpH7に調整した。この後、濾過水洗、乾燥(105℃、12時間)して粉体を得た。この粉体は結晶型がルチル型であったが、形状は棒状酸化チタンが集合した扇状の形態か亀裂の生じた球状の形態であった。
【0034】
(1)基剤分散性・使用感試験
実施例1〜3、及び比較例1の酸化チタン粉体を用い、表1の処方で配合例1〜3、比較配合例1の化粧料を調製し、基剤への分散性を調べ、さらに直接皮膚に塗布した際の感触をパネラー10名に官能評価させた。その結果を表2に示す。
評価基準
◎:8〜10名がざらつきがなく、のびが良いと評価した。
○:6〜7名がざらつきがなく、のびが良いと評価した。
△:3〜5名がざらつきがなく、のびが良いと評価した。
×:0〜2名がざらつきがなく、のびが良いと評価した。
【0035】
【0036】
【0037】
表2より、実施例1〜3の酸化チタン粉体は、比較例1の酸化チタン粉体よりも、基剤分散性が良く、配合例1〜3の化粧料は、比較配合例1の化粧料よりも、ざらつきが少なく、のびがよいことがわかる。
よって、本発明の酸化チタン粉体は優れた使用性を有することが確認された。
【0038】
(2)紫外線防御効果、及び可視光透過性
配合例1及び比較配合例1の化粧料を石英ガラス上に膜厚5μmに塗布し、室温にて30分間乾燥した。形成された塗布膜について、分光光度計にて280〜800nmの透過光を測定した。測定結果を図1に示す。
図1より、配合例1の化粧料は、比較配合例1の化粧料と比較して、280〜320nmのUV−B領域、320〜380nmのUV−A領域の透過率が低く、380〜760nmの可視光領域の透過率が高いことがわかる。
よって、本発明の酸化チタン粉体はUV−AB領域の透過率が低く、可視光領域の透過率が高いため、優れた紫外線防御能を有し、且つ化粧料等に配合したときに透明感を持つことがわかった。
【0039】
以上のように本発明の毬栗状酸化チタン粉体は、優れた紫外線防御能を備える上に、透明性や基剤への分散性に富むため、紫外線防御能が必要とさせる様々なものに配合することができる。特に化粧料に配合された場合、配合された化粧料に優れた紫外線防御能と、自然な仕上がり及び優れた使用感を付与することができる。
【0040】
なお、本発明にかかる毬栗状酸化チタン粉体(実施例1)の走査電子顕微鏡(SEM)による観察図を図2に、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察図を図3に示す。図2,3からわかるように本発明にかかる毬栗状酸化チタン粉体は、棒状酸化チタン一次粒子が集合し、毬栗状に形成されている。
【0041】
また、本発明にかかる毬栗状酸化チタン粉体(実施例1)のX線回折法による測定結果を図4に示す。図4より、ルチル型結晶構造によるピークが確認された。
【0042】
実施例4
1mol/Lの四塩化チタン水溶液1Lに1molのダイナマイトグリセリンを添加し、90℃にて3時間加熱した。その後、濾過した残分を1Lのイオン交換水に再分散し、さらに4molの塩酸を添加し、90℃にて3時間加熱した。この溶液を水酸化ナトリウムによりpH7に調整した。この後、濾過水洗、乾燥(105℃、12時間)して粉体を得た。この粉体は結晶型がルチル型で粒子径が約120nmの毬栗状酸化チタンであり、粒子表面に約10nmの突起物を有する毬栗状の形態をしていた。
本実施例4と実施例2とを比較すれば、加熱加水分解後に酸加熱処理を行うことにより、粒径がより小さくなることが理解される。
【0043】
実施例5
グリセリン濃度を変えた他は、実施例4と同様にして粉体を得た。結果を表3に示す。
【表3】
【0044】
表3から、脂肪族アルコール濃度により粒子径をコントロールできることが理解される。脂肪族アルコール無添加の場合や過剰に添加した場合には毬栗状粉体が得られない。よって、脂肪族アルコール濃度としては、0.1〜5mol/L、好ましくは0.1〜3mol/Lである。
また、表3から明らかなように、脂肪族アルコールの添加量により粉体の結晶型が変化する。
【0045】
実施例6
ダイナマイトグリセリンとともに、3molの酢酸を加えた他は、実施例4と同様にして粉体を製造したところ、結晶型がアナターゼ型で粒子径が約0.08μmの毬栗状酸化チタンを得た。本粉体のSEM写真を図5に示す。
本実施例6と実施例4とを比較すればわかるように、カルボキシル/カルボニル化合物の併用により、粒径がより小さくなり、また、結晶型もルチル型からアナターゼ型に変化した。
【0046】
図6は、実施例6の粉体の透過率曲線である。透過率測定は、粉体をひまし油に3本ローラーを用いて分散し、その5%分散液を5μmのアプリケーターで透明石英板上に塗布したものについて行った。比較対照として、市販の超微粒子酸化チタン(石原産業(株)製 TTO-V4)を用いた。図6からも本発明の粉体が紫外線吸収能を有し、透明性に優れるものであることが理解される。
【0047】
実施例7
1mol/Lの四塩化チタン水溶液1Lに、1molのエタノール及び1molの酢酸を添加し、90℃にて1時間加熱した後、水酸化ナトリウムによりpH7に調整した。この後、濾過水洗、乾燥(105℃、12時間)して粉体を製造したところ、結晶型がアナターゼ型で粒子径が約0.15μmの毬栗状酸化チタンを得た。
【0048】
以下、本発明の毬栗状酸化チタン粉体を配合した化粧料について説明する。なお、配合表において示された数値の単位は質量%である。
[処方例1] O/W乳液型サンスクリーン
1. 本発明の毬栗状酸化チタン粉体 10
2. 亜鉛華 5
3. ステアリン酸 2
4. セチルアルコール 1
5. ワセリン 5
6. シリコン油 2
7. 流動パラフィン 10
8. グリセリルモノステアリン酸エステル(自己乳化型) 1
9. ポリオキシエチレン(25モル)モノオレイン酸エステル 1
10.ポリエチレングリコール1500 5
11.ビーガム 0.5
12.精製水 57.5
13.香料 適量
14.防腐剤 適量
【0049】
精製水にポリエチレングリコールを加え加熱溶解後、亜鉛華、ビーガムを加えホモミキサーで均一に分散し70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し加熱溶解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加えホモミキサーで均一に乳化分散し、乳化後かき混ぜながら35℃まで冷却する。以上のようにしてO/W乳液型サンスクリーン得た。
得られたサンスクリーンを、10名の専門パネルにより、官能試験を行なったところ、使用感も良好で、色も白浮きせず素肌になじむという評価を得られた。また数日間使用してもらい紫外線防御効果について試験したが、日焼けせず良好であるという評価が得られた。
【0050】
[処方例2] パウダーファンデーション
1. 本発明の毬栗状酸化チタン粉体 12
2. 雲母チタン 6
3. タルク 15
4. セリサイト 25
5. 酸化鉄 5
6. 球状ナイロン粉末 2
7. 球状PMMA粉末 4
8. 窒化ホウ素粉末 1
9. マイカ 残余
10.ポリエーテル変性シリコーン 0.5
11.セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
12.流動パラフィン 3
13.ジメチルポリシロキサン 1
14.ワセリン 2
15.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 2
16.トリイソオクタン酸グリセリン 0.5
17.防腐剤 適量
18.香料 適量
【0051】
上記1〜9の成分を均一に混合し、これに加熱溶解した10〜18の成分を加えて再び均一に混合し、容器に充填することによってパウダーファンデーションを調整した。このパウダーファンデーションで官能試験を行ったところ白浮きせず、使用感も優れ、紫外線防御効果も高いという評価が得られた。
【0052】
[処方例3] 口紅
1. 本発明の毬栗状酸化チタン粉体 8
2. 雲母チタン 4
3. カルナバロウ 1
4. キャンデリラロウ 2
5. セレシン 10
6. トリイソオクタン酸グリセリン 9
7. ジイソステアリン酸グリセリン 13
8. ジメチルポリシロキサン(粘度:90,000mPa・s at 25℃) 5
9. ジメチルポリシロキサン(粘度:10mPa・s at 25℃) 5
10.シリコーン樹脂 8
11.スクワラン 残余
12.ヒドロキシプロピル―β―シクロデキストリン 1
13.マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル 3.5
14.合成ケイ酸ナトリウムマグネシウム 0.5
15.疎水性シリカ 0.5
16.精製水 2
17.色剤 適量
18.防腐剤 適量
19.香料 適量
【0053】
60℃に加熱した13に14、15を分散させ、これに均一溶解した12と16を加えて十分攪拌し、別に加熱溶解しておいた3〜11に加えてさらに十分に攪拌する。そして1、2および16〜18の各成分を加えて攪拌し、分散させ、その後容器に充填して口紅を得た。この口紅は優れた紫外線防御効果を有するものであった。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、硫酸チタニルや四塩化チタン等の無機チタン塩を加水分解する際に脂肪族多価アルコール、あるいは脂肪族一価アルコールとカルボキシル/カルボニル化合物とを共存させ、50〜100℃に加熱することで、優れた紫外線防御能、使用性を有する毬栗状酸化チタン粉体を得ることができる。また、カルボキシル基又はカルボニル基を有する物質を併用したり、濃度を調整することにより、粒径や結晶型を変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる毬栗状酸化チタン粉体、及び比較の酸化チタン粉体の紫外線防御効果及び可視光透過性の測定結果を示す図である。
【図2】本発明にかかる毬栗状酸化チタン粉体の走査電子顕微鏡(SEM)による観察図である。
【図3】本発明にかかる毬栗状酸化チタン粉体の透過型電子顕微鏡(TEM)による観察図である。
【図4】本発明にかかる毬栗状酸化チタン粉体のX線回折法による測定結果を表した図である。
【図5】本発明にかかる毬栗状酸化チタン粉体の走査電子顕微鏡(SEM)による観察図である。
【図6】本発明にかかる毬栗状酸化チタン粉体、及び比較の市販微粒子酸化チタン粉体の紫外線防御効果及び可視光透過性の測定結果を示す図である。
Claims (11)
- 棒状酸化チタン一次粒子が集合し、粒径0.01〜100μmの毬栗状を形成しており、ルチル及び/又はアナターゼ型であり、粉体の粒径分布が長径基準で平均粒径±50%の範囲にあることを特徴とする毬栗状酸化チタン粉体。
- 請求項1記載の毬栗状酸化チタン粉体において、粉体の長径と短径との比が0.75以上であることを特徴とする毬栗状酸化チタン粉体。
- 請求項1又は2記載の毬栗状酸化チタン粉体において、表面に0.001〜0.05μmの棒状突起物を有していることを特徴とする毬栗状酸化チタン粉体。
- 請求項1〜3の何れかに記載の毬栗状酸化チタン粉体において、結晶型がルチル型であることを特徴とする毬栗状酸化チタン粉体。
- 請求項1〜4の何れかに記載の毬栗状酸化チタン粉体において、粒径が0.1μm未満であることを特徴とする毬栗状酸化チタン粉体。
- 無機チタン塩溶液を加熱加水分解する際に、脂肪族多価アルコールを添加して、あるいは脂肪族一価アルコールとカルボキシル基又はカルボニル基を有する物質とを添加して、無機チタン塩溶液中における脂肪族多価アルコール又は脂肪族一価アルコールの濃度を0.1〜3mol/Lとし、50〜100℃で加熱することを特徴とする毬栗状酸化チタン粉体の製造方法。
- 請求項6記載の製造方法において、加熱加水分解する際に脂肪族多価アルコールを添加することを特徴とする毬栗状酸化チタンの製造方法。
- 請求項7記載の製造方法において、脂肪族多価アルコールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセロール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトールからなる群より選択された1種又は2種以上であることを特徴とする毬栗状酸化チタン粉体の製造方法。
- 請求項6〜8の何れかに記載の製造方法において、加熱加水分解した後、さらにアルカリによりpH調整することを特徴とする毬栗状酸化チタン粉体の製造方法。
- 請求項6〜9の何れかに記載の製造方法において、加熱加水分解する際に、さらにカルボキシル基又はカルボニル基を有する物質を前記脂肪族多価アルコールと共存させることを特徴とする毬栗状酸化チタンの製造方法。
- 請求項6、9又は10記載の製造方法において、前記カルボキシル基又はカルボニル基を有する物質として脂肪族カルボン酸又はその誘導体を用いることを特徴とする毬栗状酸化チタンの製造方法。
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