JP2023084113A - 含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子、その製造方法、化粧料、分散体、放熱性フィラー及び樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】亜鉛溶出を充分に抑えた、安定で、かつ、使用感触も優れる含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を提供する。【解決手段】透過型電子顕微鏡写真から測定した一次粒子径が0.15μm以下であり、当該粉体を0.0025質量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液中に入れ、超音波ホモジナイザーで定格出力600W、振動振幅100%の超音波を常温で3分間照射して分散した分散液のレーザー回折散乱法での体積基準におけるメジアン径が0.2μm以下であり、ケイ素の含有量が4.0質量%以下であることを特徴とする含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子。【選択図】図1
Description
本発明は、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子、その製造方法、化粧料、分散体、放熱性フィラー及び樹脂組成物に関する。
微粒子酸化亜鉛は紫外線遮蔽性や透明性が高いため、日焼け止め化粧料などで紫外線散乱剤として用いられてきた。しかしながら、こういった微粒子の酸化亜鉛を化粧料等へ配合すると、経時的に亜鉛イオンが溶出するため、その他の配合物と反応したり、表面の触媒活性によりその他の成分の化学結合や乳化系を破壊したりする等の問題が起きることがあった。こういった問題を解決するために、化粧料に配合すると乳化系を壊すことがある他、酸化亜鉛の表面触媒活性により他成分が変性されるという課題を有していた。化粧料に配合すると乳化系を壊すことがある他、酸化亜鉛の表面触媒活性により他成分が変性されるという課題を有していた。シリカやアルミなどの無機物で表面処理して不活性化した酸化亜鉛が用いられてきた。特に、シリカの活性抑制効果が高いため、シリカを処理した酸化亜鉛製品が多く開発されている(例えば、特許文献1、及び、2参照)。
ナノサイズの酸化亜鉛粒子は通常凝集しており、一次粒子へ分散することが非常に難しい。このため、従来のシリカ処理では微粒子酸化亜鉛が凝集している状態で表面処理を行っていた。このような方法でシリカ処理を施した製品は、凝集した微粒子酸化亜鉛に多量のシリカを処理していることで分散性が非常に悪い上、シリカの被覆量が多いためシリカ由来のきしみが生じ、感触も悪い。さらに、製剤調製の際に行われるビーズミル等での溶媒への分散処理によって、酸化亜鉛粒子の凝集が一部解れて未処理面が表出してしまうため、亜鉛溶出を完全に防ぐことはできなかった。一方で、シリカ被覆量を減らした製品は、酸化亜鉛粒子を完全に覆うことが困難であるため、亜鉛溶出量が多くなっていた。
そこで、一次粒子に近い状態で不活性化処理された酸化亜鉛粒子が求められている。粒子一つ一つが不活性化処理されているため、亜鉛溶出はほぼ完全に抑制され、分散性も高く、シリカ被覆量も過剰にする必要がないため、感触も良好と考えられる。
特許文献3においては、分散性に優れる酸化亜鉛が開示されている。このような酸化亜鉛は、凝集性が低く、粒子の高い独立性と分散性が得られるものである。しかし、このような文献に記載された酸化亜鉛粒子は、表面処理を施さないものであることから、亜鉛の溶出を生じるものである。
本発明は、亜鉛溶出を充分に抑えた、安定で、かつ、使用感触も優れる含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を提供することを目的とするものである。
本発明は、透過型電子顕微鏡写真から測定した一次粒子径が0.15μm以下であり、当該粉体を0.0025質量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液中に入れ、超音波ホモジナイザーで定格出力600W、振動振幅100%の超音波を常温で3分間照射して分散した分散液のレーザー回折散乱法での体積基準におけるメジアン径が0.2μm以下であり、
ケイ素の含有量が4.0質量%以下であることを特徴とする含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子に関する。
ケイ素の含有量が4.0質量%以下であることを特徴とする含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子に関する。
上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、0.015質量%硫酸に対する亜鉛溶出量が60ppm以下であることが好ましい。
上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、ケイ素の含有量が1.4質量%以上であることが好ましい。
上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、見掛け密度が0.26g/ml以上であることが好ましい。
上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、吸油量が50ml/100g以下であることが好ましい。
上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、メジアン径/一次粒子径が4以下であることが好ましい。
上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、ケイ素の含有量が1.4質量%以上であることが好ましい。
上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、見掛け密度が0.26g/ml以上であることが好ましい。
上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、吸油量が50ml/100g以下であることが好ましい。
上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、メジアン径/一次粒子径が4以下であることが好ましい。
本発明は、原体である酸化亜鉛粒子を純水にリパルプしてスラリーを調製する工程(1)、上記スラリーにケイ酸アルカリ金属水溶液を添加し、さらに酸を添加してpH8.0以上を保持する工程(2)を有することを特徴とする含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子の製造方法に関する。
上記酸化亜鉛粒子は、微粒子酸化亜鉛を、亜鉛塩を溶解した水中で熟成する工程を含む製造方法で得られたものであることが好ましい。
上記酸化亜鉛粒子は、微粒子酸化亜鉛を、亜鉛塩を溶解した水中で熟成する工程を含む製造方法で得られたものであることが好ましい。
本発明は、上述の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を含有することを特徴とする化粧料でもある。
本発明は、上述の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を含有することを特徴とする分散体でもある。
本発明は、上述の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を含有することを特徴とする放熱性フィラーでもある。
本発明は、上述の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を含有することを特徴とする樹脂組成物でもある。
本発明は、上述の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を含有することを特徴とする分散体でもある。
本発明は、上述の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を含有することを特徴とする放熱性フィラーでもある。
本発明は、上述の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を含有することを特徴とする樹脂組成物でもある。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、充分に不活性化処理されたものであるため、化粧料等に好適に使用することができる。さらに、シリカ被覆量を抑えたものであるため、使用感触も良好である。また、放熱性フィラーとしても好適に使用することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、分散性に優れた、一次粒子に近い状態の酸化亜鉛粒子にシリカ処理を行うことで得られたものである。すなわち、粒子一つ一つに均一なシリカ被覆層が形成され、経時での亜鉛溶出が充分に抑制されたものである。また、多量のシリカを必要としないため、シリカ由来のきしみが低減され、使用感触の悪化も抑えることができる。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、分散性に優れた、一次粒子に近い状態の酸化亜鉛粒子にシリカ処理を行うことで得られたものである。すなわち、粒子一つ一つに均一なシリカ被覆層が形成され、経時での亜鉛溶出が充分に抑制されたものである。また、多量のシリカを必要としないため、シリカ由来のきしみが低減され、使用感触の悪化も抑えることができる。
なお、本発明における「含水シリカ」とは、ケイ酸アルカリ金属塩を中和することによって得られたケイ酸化合物等であり、可変量の水(水和水)が結合したものを意味する。このような含水シリカを加熱焼成すると、脱水縮合によってシリカとなるが、本発明においてはこのような加熱焼成工程を経ず、水酸基を多く含む含水シリカによって被覆されたものであることが好ましい。このような含水シリカによる被覆とすることで、上述したような本発明の効果を好適に得ることができる。
上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、分散性に優れ、一次粒子に近い状態と考えられる。具体的な指標としては、透過型電子顕微鏡写真から測定した一次粒子径が0.15μm以下、且つメジアン径が0.2μm以下であることが挙げられる。
本発明における一次粒子径は、具体的には、透過型電子顕微鏡JEM-1200EX II(日本電子社製)で撮影した写真の2000~50000倍の視野での定方向径(粒子を挟む一定方向の二本の平行線の間隔;画像上のどのような形状の粒子についても、一定方向で測定した)で定義される粒子径(μm)であって、TEM写真内の一次粒子250個の定方向径を計測し、その累積分布の平均値を求めたものである。
上記一次粒子径の測定方法については、図3を添付した。
上記一次粒子径は、0.005μm以上0.1μm未満であることがより好ましい。
本発明における一次粒子径は、具体的には、透過型電子顕微鏡JEM-1200EX II(日本電子社製)で撮影した写真の2000~50000倍の視野での定方向径(粒子を挟む一定方向の二本の平行線の間隔;画像上のどのような形状の粒子についても、一定方向で測定した)で定義される粒子径(μm)であって、TEM写真内の一次粒子250個の定方向径を計測し、その累積分布の平均値を求めたものである。
上記一次粒子径の測定方法については、図3を添付した。
上記一次粒子径は、0.005μm以上0.1μm未満であることがより好ましい。
また、本発明におけるメジアン径は、具体的には、以下の方法で測定して求めたものである:
上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子0.4gを、0.0025質量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液200mlに入れ、超音波ホモジナイザーUS-600E(日本精機製作所製 定格出力600W)を用いて、常温で振動振幅100%の超音波を3分間照射してスラリーを調製し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA-960S(堀場製作所社製)を用いて体積基準におけるメジアン径を測定した。
また、本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は非常に高い分散性を有するため、超音波による弱い衝撃を加えるだけで充分に分散する、という点も特徴の一つである。
上記メジアン径は、0.18μm以下であることがより好ましい。
上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子0.4gを、0.0025質量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液200mlに入れ、超音波ホモジナイザーUS-600E(日本精機製作所製 定格出力600W)を用いて、常温で振動振幅100%の超音波を3分間照射してスラリーを調製し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA-960S(堀場製作所社製)を用いて体積基準におけるメジアン径を測定した。
また、本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は非常に高い分散性を有するため、超音波による弱い衝撃を加えるだけで充分に分散する、という点も特徴の一つである。
上記メジアン径は、0.18μm以下であることがより好ましい。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子において、上記メジアン径と一次粒子径との比(メジアン径/一次粒子径)は、4以下であることが好ましい。上記メジアン径と一次粒子径との比は、粉末を構成する一次粒子の独立性の高さの指標となる値であり、この値が1に近いほど、一次粒子が凝集粒子ではなく独立して存在していることを意味する。
上記メジアン径と一次粒子径との比は、3以下がより好ましい。
上記メジアン径と一次粒子径との比は、3以下がより好ましい。
上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、従来のシリカ被覆より被覆量を低減したものである。このため、シリカ処理時の凝集の発生が少なくなり、より分散性に優れ、またシリカに由来するきしみの発生が抑制された表面被覆酸化亜鉛粒子を得ることができるものである。具体的には、上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子におけるケイ素の含有量は、4.0質量%以下である。上記ケイ素の含有量は、3.5質量%以下であることが好ましく、3.0質量%以下であることがより好ましい。また、ケイ素の含有量は、1.4質量%以上であることが好ましい。1.4質量%未満であると、充分な亜鉛抑制効果を発揮できないおそれがある。
上記ケイ素の含有量は、プレス機にて成形した含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を、蛍光X線分析装置(リガク社製 PRIMUSII)にてFP法による半定量分析で測定した値である。
なお、本発明において、上述の測定方法により得られるケイ素の値は、酸化亜鉛粒子の表面に被覆したケイ素と、被覆していない一部のフリーのケイ素とを含んだ値である。被覆無機粒子の分野においては、被覆量をこのような数値に基づいて判断するのが一般的である。
なお、本発明において、上述の測定方法により得られるケイ素の値は、酸化亜鉛粒子の表面に被覆したケイ素と、被覆していない一部のフリーのケイ素とを含んだ値である。被覆無機粒子の分野においては、被覆量をこのような数値に基づいて判断するのが一般的である。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、亜鉛溶出を充分に抑制されたものである。具体的には、水に対する亜鉛溶出量が0.1ppm以下であり、0.015質量%硫酸に対する亜鉛溶出量が60ppm以下であることが好ましい。亜鉛溶出量が上記範囲内であると、化粧料等に安定に配合することができる。
また、上記水に対する亜鉛溶出量は0.05ppm以下であることがより好ましく、0.015質量%硫酸に対する亜鉛溶出量は50ppm以下であることがより好ましく、更に好ましくは20ppm以下である。
また、上記水に対する亜鉛溶出量は0.05ppm以下であることがより好ましく、0.015質量%硫酸に対する亜鉛溶出量は50ppm以下であることがより好ましく、更に好ましくは20ppm以下である。
上述の水に対する亜鉛溶出量及び0.015質量%硫酸に対する亜鉛溶出量は、実施例に記載の方法により測定した値である。
上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、吸油量が50ml/100g以下であることが好ましく、45ml/100g以下であることがより好ましい。上記吸油量の値が小さいほど、粒子同士の凝集が少なく、粒子の独立性、分散性が高いことを意味する。また、吸油量の値が小さいと、例えば樹脂やオイル等と混合して馴染ませる場合に、より少ない量の樹脂やオイルで馴染ませることができ、そのようにして得られる化粧料の粘度を下げることができるという点で好ましい。
上記吸油量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
上記吸油量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、見掛け密度が0.26g/ml以上であることが好ましい。上記見掛け密度が0.26g/ml以上であると、粉体の嵩が小さくなり、例えば、粉塵の発生量が低下したり、包装容器に充填しやすくなり運搬の際に粉体を大量に運ぶことができるという点で好ましい。また、他の成分と混合する際により容積の小さい容器の中で混合することができる等、粉体としての取り扱いが容易になるという点で好ましい。上記見掛け密度は、0.3g/ml以上であることがより好ましい。見掛け密度が高くなるほど、粉体の嵩が小さくなることを意味する。
上記見掛け密度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
上記見掛け密度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、BET比表面積が 30m2/g以下であることが好ましい。BET比表面積が30m2/gを超えると、粒子サイズが小さくなるため凝集が起こりやすくなる。上記BET比表面積は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を用いて作成したペイントコンディショナー(RED DEVIL社製)による5分間分散時の塗膜を分光光度計V-770(日本分光社製)により測定した場合に、波長310nmにおける全光線透過率が35%以下であり、波長350nmにおける全光線透過率が35%以下であり、波長500nmにおける平行光線透過率が60%以上であり、波長700nmにおける平行光線透過率が70%以上であることが好ましい。
また、90分間分散時の塗膜を分光光度計V-770(日本分光社製)により測定した場合に、波長310nmにおける全光線透過率が25%以下であり、波長350nmにおける全光線透過率が25%以下であり、波長500nmにおける平行光線透過率が80%以上であり、波長700nmにおける平行光線透過率が90%以上であることが好ましい。波長310nmにおける全光線透過率の値が小さい程、UVBの波長の紫外線に対する紫外線遮蔽効果が高いことを意味し、波長350nmにおける全光線透過率の値が小さい程、UVAの波長の紫外線に対する紫外線遮蔽効果が高いことを意味する。また、波長500nmにおける平行光線透過率及び波長700nmにおける平行光線透過率の値が大きい程、可視光透明性が高いことを意味する。すなわち、上記範囲の全光線透過率及び平行光線透過率を示すことにより、優れた紫外線遮蔽能と透明性を有することが示されるため、好ましい。5分間分散時の塗膜での性能が高いほど易分散性が高いことを意味し、90分間分散時の塗膜での性能が高いほど十分分散した際の性能が高いことを意味する。
上記全光線透過率及び平行光線透過率は、実施例に記載の方法により測定することができ
る。
また、90分間分散時の塗膜を分光光度計V-770(日本分光社製)により測定した場合に、波長310nmにおける全光線透過率が25%以下であり、波長350nmにおける全光線透過率が25%以下であり、波長500nmにおける平行光線透過率が80%以上であり、波長700nmにおける平行光線透過率が90%以上であることが好ましい。波長310nmにおける全光線透過率の値が小さい程、UVBの波長の紫外線に対する紫外線遮蔽効果が高いことを意味し、波長350nmにおける全光線透過率の値が小さい程、UVAの波長の紫外線に対する紫外線遮蔽効果が高いことを意味する。また、波長500nmにおける平行光線透過率及び波長700nmにおける平行光線透過率の値が大きい程、可視光透明性が高いことを意味する。すなわち、上記範囲の全光線透過率及び平行光線透過率を示すことにより、優れた紫外線遮蔽能と透明性を有することが示されるため、好ましい。5分間分散時の塗膜での性能が高いほど易分散性が高いことを意味し、90分間分散時の塗膜での性能が高いほど十分分散した際の性能が高いことを意味する。
上記全光線透過率及び平行光線透過率は、実施例に記載の方法により測定することができ
る。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子の形状は特に制限されないが、使用した際の感触やUV等に対する遮蔽性が良好になる点で板状であることが好ましい。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、その製造方法を特に限定されるものではないが、例えば、原体である酸化亜鉛粒子を純水にリパルプしてスラリーを調製する工程(1)、上記スラリーにケイ酸アルカリ金属の水溶液を添加し、さらに酸を添加してpH8.0以上で中和する工程(2)を有する製造方法等を挙げることができる。
このような製造方法も本発明の一つである。
このような製造方法も本発明の一つである。
上記工程(1)は、原体である酸化亜鉛粒子を純水にリパルプしてスラリーを調製する工程である。本発明の製造方法において、工程(1)で酸化亜鉛粒子のスラリーを調製することは重要な工程である。すなわち、上記酸化亜鉛粒子が凝集した乾燥状態ではなく、分散したスラリー状態で含水シリカ被覆を形成することを特徴としたものである。
ここで、工程(1)において原料として使用する酸化亜鉛粒子は、水性媒体中で合成反応を行ったものについて、乾燥工程を経ることなく、そのまま、スラリーを調製するものであることが好ましい。すなわち、粒子の製造工程から、含水シリカ被覆処理の工程に至るまでの間に、粒子を乾燥させる工程を有さないことが好ましい。このようにすることで、粒子間の凝集を抑制し、凝集した粒子に対して表面処理を行うことがなくなるため、上述したような優れた分散性能を得ることができる。
更に、この工程(1)により、酸化亜鉛粒子の一つ一つが表面処理されることになるため、含水シリカ被覆量を過剰にする必要なく、亜鉛溶出を効率的に抑制することができる。
上記工程(1)において、酸化亜鉛粒子のスラリーは限定されるものではないが、例えば、酸化亜鉛粒子を10~1000g/Lの範囲で含むことが好ましい。
上記工程(1)において、酸化亜鉛粒子のスラリーは限定されるものではないが、例えば、酸化亜鉛粒子を10~1000g/Lの範囲で含むことが好ましい。
スラリーの調製方法は特に限定されず、例えば、酸化亜鉛粒子の製造工程によって得られた酸化亜鉛粒子を濾過した後、乾燥させることなく水に添加し、5~30℃で10~30分間、分散させることによって、酸化亜鉛粒子の濃度が10~1000g/lの均一なスラリーとすることができる。
上記工程(2)は、工程(1)で得られたスラリーにケイ酸アルカリ金属の水溶液を添加し、さらに酸を添加してpH8.0以上で中和する工程である。上記ケイ酸アルカリ金属としては特に限定されず、ケイ酸ナトリウム等の公知の成分を用いることができる。ケイ酸ナトリウムとしては、Na2SiO3 を特に好適に使用することができるが、その他に Na4SiO4,Na2Si2O5,Na2Si4O9等を使用することができる。これらの混合物を使用するものであってもよい。また、上記ケイ酸アルカリ金属の配合量は特に限定されるものではないが、スラリーに含まれる酸化亜鉛粒子に対して0.5~13質量%の範囲となるように、上記ケイ酸アルカリ金属の水溶液を添加することが好ましい。
上記ケイ酸アルカリ金属を中和するための酸としては、通常、無機酸が好ましく、例えば、硫酸や塩酸が好ましく用いられる。このような酸は、上記ケイ酸アルカリ金属を含む酸化亜鉛粒子のスラリーのpHが徐々に8.0以上に至るように、好ましくは、8.5以上に至るように、スラリーを攪拌しながら、時間をかけて、加えることが望ましい。
上記工程(2)は、含水シリカ被覆を形成する工程であるが、従来はpH7.0程度で行われるものである。一方、本発明では、pHを8.0以上にすることを特徴としたものである。pHを上記範囲にすることで、含水シリカ被覆がより均一に形成され、亜鉛溶出をほぼ抑制することができる。
このようにして、上記ケイ酸アルカリ金属を含む酸化亜鉛粒子の水分散液に酸を加えて、中和した後、攪拌を続けながら、得られたスラリーを1時間乃至数時間、熟成して、酸化亜鉛粒子の表面に含水シリカ被覆を形成させる。
上記熟成に際しては、本発明の効果を損なわない範囲で、他の成分を少量添加してもよい。例えば、分散剤等を添加することもできる。
熟成は、45~110℃において行うことが好ましい。特に、熟成時間は0.5~24時間を挙げることができる。熟成温度、熟成時間、微粒子酸化亜鉛濃度、亜鉛塩濃度等の条件によって粒子径の調整を図ることができるため、これらの条件については目的とする酸化亜鉛粒子に応じて適宜設定して行うことが好ましい。
このようにして得られた含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、必要に応じて、濾過、水洗、乾燥等の後処理を行ってもよい。
例えば、含水シリカ被覆酸化亜鉛粒子のスラリーを濾過して、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を分離し、水洗した後、通常、100~150℃の範囲の温度に加熱して乾燥し、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を乾燥粉体として得ることができる。なお、本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、表面被覆後に300℃以上で加熱するような焼成工程を経ないものであることが好ましい。このようなものとすることで、上述したような本発明の効果を特に好適に得ることができる。
例えば、含水シリカ被覆酸化亜鉛粒子のスラリーを濾過して、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を分離し、水洗した後、通常、100~150℃の範囲の温度に加熱して乾燥し、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を乾燥粉体として得ることができる。なお、本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、表面被覆後に300℃以上で加熱するような焼成工程を経ないものであることが好ましい。このようなものとすることで、上述したような本発明の効果を特に好適に得ることができる。
上記原体となる酸化亜鉛粒子としては特に限定されないが、それ自体の分散性が高いものを使用したほうが、得られる含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子の分散性も高まるため好ましい。また、上記原体となる酸化亜鉛粒子の形状としては特に制限されないが、得られる含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子の使用した際の感触やUV等に対する遮蔽性が良好になる点で板状であることが好ましい。例えば、一次粒子径が0.1μm未満であるものが好ましく、アスペクト比が2.5未満であるものが好ましく、吸油量/BET比表面積が1.5ml/100m2以下であるもの等が好ましい。吸油量/BET比表面積(ml/100m2 )は、吸油量(ml/100g)の値を、BET比表面積(m2/g) の値で除した値であり、この値が小さい程、粒子表面の単位面積当りの吸油量が低いことを意味し、粒子同士の凝集が少なく、粒子の独立性、分散性が高いことを意味する。このような原体酸化亜鉛粒子としては、例えば、一次粒子径が0.005μm以上、0.05μm以下の微粒子酸化亜鉛を、亜鉛塩を溶解した水中で熟成する工程を含む製造方法によって得られたもの等を挙げることができる。具体的には、例えば、特許文献3に開示された酸化亜鉛粒子等を使用することが好ましい。
特許文献3は、微粒子酸化亜鉛を、亜鉛塩を溶解した水中で熟成する工程を含む製造方法によって、分散性に優れた酸化亜鉛粒子を得る方法が開示されている。このような方法によって水中で酸化亜鉛粒子を製造した後、濾過を行い、乾燥させることなく、上述したような方法での表面処理を行うことが好ましい。これによって、凝集が少ない状態の酸化亜鉛粒子に対して表面処理を行うことができ、本発明の目的を好適に達成することができる。
特許文献3の製造方法によって一次粒子径が0.1μm未満であり、アスペクト比が2.5未満であり、吸油量/BET比表面積が1.5ml/100m2以下であることを特徴とする酸化亜鉛粒子を得ることができる。このような酸化亜鉛粒子を原料とすることが特に好ましい。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、更に、必要に応じて他の表面処理を施したものであってもよい。
表面処理としては特に限定されず、例えば、アルミナ層、ジルコニア層、チタニア層等の無機酸化物層を形成する無機表面処理、その他の各種表面処理等の公知の処理方法を挙げることができる。また、複数種の表面処理を順次行うものであってもよい。
表面処理としては特に限定されず、例えば、アルミナ層、ジルコニア層、チタニア層等の無機酸化物層を形成する無機表面処理、その他の各種表面処理等の公知の処理方法を挙げることができる。また、複数種の表面処理を順次行うものであってもよい。
上記表面処理としてより具体的には、有機ケイ素化合物、有機アルミ化合物、有機チタン化合物、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、金属石ケン、多価アルコール又はアルカノールアミンから選ばれる表面処理剤による表面処理等を挙げることができる。このような表面処理剤は、上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子の粒子径に応じて、適宜処理量を設定することができる。
なかでも、有機ケイ素化合物による表面処理を行うことが好ましい。
このような表面処理としては特に限定されず、例えば、有機ケイ素化合物を水と有機溶剤とを含む溶媒中で加水分解し、加水分解後のシラン化合物溶液を上述の含水シリカ被覆酸化亜鉛粒子のスラリーに添加し、表面処理する方法等を挙げることができる。
上述の表面処理方法において、有機溶剤は、溶媒全量に対して30質量%以上含まれることが好ましく、メタノール、エタノール及びプロパノールからなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
また、上記有機ケイ素化合物の加水分解は、溶媒のpHを3.5~4.5に調整して行うものであることが好ましい。
このような表面処理としては特に限定されず、例えば、有機ケイ素化合物を水と有機溶剤とを含む溶媒中で加水分解し、加水分解後のシラン化合物溶液を上述の含水シリカ被覆酸化亜鉛粒子のスラリーに添加し、表面処理する方法等を挙げることができる。
上述の表面処理方法において、有機溶剤は、溶媒全量に対して30質量%以上含まれることが好ましく、メタノール、エタノール及びプロパノールからなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
また、上記有機ケイ素化合物の加水分解は、溶媒のpHを3.5~4.5に調整して行うものであることが好ましい。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は水や油剤に分散された分散体としてもよい。このような分散体も本発明の一部である。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子はその用途を特に限定するものではないが、例えば、化粧料の原料、放熱性フィラーの用途において好適に使用することができる。このような化粧料及び放熱性フィラーも本発明の一部である。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を含有する化粧料は、安定性に優れ、良好な使用感触も有するものである。
本発明の化粧料としては、ファンデーション、化粧下地、アイシャドウ、頬紅、マスカラ、口紅、サンスクリーン剤等を挙げることができる。本発明の化粧料は、油性化粧料、水性化粧料、O/W型化粧料、W/O型化粧料の任意の形態とすることができる。なかでも、サンスクリーン剤において特に好適に使用することができる。
本発明の化粧料は、上記混合物を構成する成分以外に、化粧品分野において使用することができる任意の水性成分、油性成分を併用するものであってもよい。上記水性成分及び油性成分としては特に限定されず、例えば、油分、界面活性剤、保湿剤、高級アルコール、金属イオン封鎖剤、天然及び合成高分子、水溶性及び油溶性高分子、紫外線遮蔽剤、各種抽出液、無機及び有機顔料、無機及び有機粘土鉱物、金属石鹸処理又はシリコーンで処理された無機及び有機顔料、有機染料等の色剤、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤等の成分を含有するものであってもよい。具体的には、以下に列挙した配合成分の1種又は2種以上を任意に配合して常法により目的の化粧料を製造することが可能である。これらの配合成分の配合量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されない。
上記油分としては特に限定されず、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、流動パラフィン、オゾケライト、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等を挙げることができる。
上記親油性非イオン界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等を挙げることができる。
親水性非イオン界面活性剤としては特に限定されず、例えば、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンテトラオレエート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットペンタオレエート、POEソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、POEジステアレート、POEモノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等のPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POE2オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEジノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、ブルロニック等のプルアロニック型類、POE・POPセチルエーテル、POE・POP2デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、テトロニック等のテトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POEノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等を挙げることができる。
その他の界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン、高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、アルキルエーテル硫酸エステル塩等のアニオン界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体等のカチオン界面活性剤、及び、イミダゾリン系両性界面活性剤、ベタイン系界面活性剤等の両性界面活性剤を安定性及び皮膚刺激性に問題のない範囲で配合してもよい。
上記保湿剤としては特に限定されず、例えば、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イサイヨバラ抽出物、セイヨウノキギリソウ抽出物、メリロート抽出物等を挙げることができる。
上記高級アルコールとしては特に限定されず、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等を挙げることができる。
金属イオン封鎖剤としては特に限定されず、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1- ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸等を挙げることができる。
上記天然の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、アラアビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子を挙げることができる。
半合成の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子等を挙げることができる。
合成の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等のポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体共重合系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等を挙げることができる。
無機の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、ベントナイト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等を挙げることができる。
紫外線遮蔽剤としては特に限定されず、例えば、パラアミノ安息香酸(以下PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル等の安息香酸系紫外線遮蔽剤;ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線遮蔽剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線遮蔽剤;オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等のケイ皮酸系紫外線遮蔽剤;2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4’-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3- カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線遮蔽剤;3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2-フェニル-5- メチルベンゾキサゾール、2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4’-t-ブチルジベンゾイルメタン、5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン等を挙げることができる。
その他薬剤成分としては特に限定されず、例えば、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシット、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸DL-α-トコフェロール、アルコルビン酸リン酸マグネシウム、2-O-α-D-グルコピラノシル-L-アスコルビン酸、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、dl-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類;エストラジオール、エチニルエストラジオール等のホルモン;アルギニン、アスパラギン酸、シスチン、システイン、メチオニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸;アラントイン、アズレン等の抗炎症剤、アルブチン等の美白剤、;タンニン酸等の収斂剤;L-メントール、カンフル等の清涼剤やイオウ、塩化リゾチーム、塩化ピリドキシン等を挙げることができる。
各種の抽出液としては特に限定されず、例えば、ドクダミエキス、オウバクエキス、メリロートエキス、オドリコソウエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、キナエキス、ユキノシタエキス、クララエキス、コウホネエキス、ウイキョウエキス、サクラソウエキス、バラエキス、ジオウエキス、レモンエキス、シコンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、スギナエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、キイチゴエキス、メリッサエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、モモエキス、桃葉エキス、クワエキス、ヤグリマギクエキス、ハマメリスエキス、プラセンタエキス、胸腺抽出物、シルク抽出液、甘草エキス等を挙げることができる
上記各種粉体としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化チタン被覆ガラスフレーク等の光輝性着色顔料、マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、二酸化チタン、シリカ等の無機粉末やポリエチレン末、ナイロン末、架橋ポリスチレン、セルロースパウダー、シリコーン末等の有機粉末等を挙げることができる。好ましくは、官能特性向上、化粧持続性向上のため、粉末成分の一部又は全部をシリコーン類、フッ素化合物、金属石鹸、油剤、アシルグルタミン酸塩等の物質にて、公知の方法で疎水化処理して使用される。また、本発明に該当しない他の酸化亜鉛粒子を混合して使用するものであってもよい。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、放熱性フィラーとして使用することもできる。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を放熱性フィラーとして使用する場合、粒子径が本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子よりも大きい放熱性フィラーと組み合わせて使用することが好ましい。組み合わせて使用することができる放熱性フィラーとしては特に限定されず、例えば、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化チタン、金属シリコン、ダイヤモンド等を挙げることができる。更に、上述した含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子以外の酸化亜鉛と組み合わせて使用することもできる。組み合わせて使用する放熱性フィラーは、球状、針状、棒状、板状等の任意の形状を有するものであってよい。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を放熱性フィラーとして使用する場合、粒子径が本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子よりも大きい放熱性フィラーと組み合わせて使用することが好ましい。組み合わせて使用することができる放熱性フィラーとしては特に限定されず、例えば、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化チタン、金属シリコン、ダイヤモンド等を挙げることができる。更に、上述した含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子以外の酸化亜鉛と組み合わせて使用することもできる。組み合わせて使用する放熱性フィラーは、球状、針状、棒状、板状等の任意の形状を有するものであってよい。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子をその他の放熱性フィラーと組み合わせて使用する場合、組み合わせて使用することができる放熱性フィラーは、平均粒子径が、1~100μmであることが好ましい。このような大きな粒子径の放熱性フィラーと組み合わせることによって、隙間に本発明の放熱性フィラーが充填され、充填率を高めることができる点で好ましい。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子をその他の放熱性フィラーと組み合わせて使用する場合、放熱性フィラーの全量に対して、本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を10~90体積%含有することが好ましい。このような割合とすることで、充填率を高めることができる。
上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を放熱性フィラーとして使用する場合、樹脂と混合した放熱性樹脂組成物として使用することができる。この場合、使用する樹脂は、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても良く、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリメタクリル酸メチル、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、液晶樹脂(LCP)、シリコーン樹脂、アクリル樹脂等の樹脂を挙げることができる。
本発明の放熱性樹脂組成物は、(1)熱可塑性樹脂と上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子とを溶融状態で混練することによって得られた熱成型用の樹脂組成物、(2)熱硬化性樹脂と上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子とを混練後、加熱硬化させることによって得られた樹脂組成物、(3)樹脂溶液又は分散液中に上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を分散させた塗料用の樹脂組成物であっても良い。
本発明の放熱性樹脂組成物が熱成型用の樹脂組成物である場合、用途によって樹脂成分を自由に選択することができる。例えば、熱源と放熱板に接着し密着させる場合には、シリコーン樹脂やアクリル樹脂のような接着性が高く硬度の低い樹脂を選択すれば良い。
本発明の放熱性樹脂組成物が塗料用の樹脂組成物である場合、樹脂は硬化性を有するものであっても、硬化性を有さないものであっても良い。塗料は、有機溶媒を含有する溶剤系のものであっても、水中に樹脂が溶解又は分散した水系のものであっても良い。
上記含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を放熱性フィラーとして使用する場合、鉱油又は合成油を含有する基油と混合した放熱性グリースとして使用することもできる。このような放熱性グリースとして使用する場合は、合成油としてα-オレフィン、ジエステル、ポリオールエステル、トリメリット酸エステル、ポリフェニルエーテル、アルキルフェニルエーテル等が使用できる。また、シリコーンオイルと混合した放熱性グリースとして使用することもできる。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、放熱性フィラーとして使用する場合、その他の成分を併用して使用することもできる。併用して使用することができるその他の成分としては、樹脂、界面活性剤等を挙げることができる。
本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、上述した化粧料や放熱性フィラーの他に、ゴムの加硫促進剤、塗料・インキ用顔料、フェライトやバリスタ等の電子部品、医薬品等の分野においても使用することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。実施例中、配合割合において「%」とあるのは特に言及がない限り「質量%」を意味する。
(原体酸化亜鉛ケーキの製造例)
FINEX-50(堺化学工業社製 一次粒子径0.020μm)80gを、酢酸亜鉛としての濃度が0.135mol/Lの酢酸亜鉛水溶液1200mlにリパルプしスラリーとした。続いて、そのスラリーを攪拌しながら42分間で70℃ に昇温し、攪拌しながら70℃で2時間熟成した。熟成後、ろ過、水洗した。続いて、得られた固形物を水3リットルにリパルプしてスラリーとし、攪拌しながら95℃に昇温し、攪拌しながら95℃で60分間加熱洗浄した。加熱洗浄後、ろ過、水洗し、酸化亜鉛ケーキを得た。
FINEX-50(堺化学工業社製 一次粒子径0.020μm)80gを、酢酸亜鉛としての濃度が0.135mol/Lの酢酸亜鉛水溶液1200mlにリパルプしスラリーとした。続いて、そのスラリーを攪拌しながら42分間で70℃ に昇温し、攪拌しながら70℃で2時間熟成した。熟成後、ろ過、水洗した。続いて、得られた固形物を水3リットルにリパルプしてスラリーとし、攪拌しながら95℃に昇温し、攪拌しながら95℃で60分間加熱洗浄した。加熱洗浄後、ろ過、水洗し、酸化亜鉛ケーキを得た。
(実施例1)
製造例で得られたケーキを純水384mlにリパルプし、150g/Lの水スラリーとした。次いで、水スラリーに、ケイ酸ナトリウム溶液(富士フイルム和光純薬社製 一級試薬)を、酸化亜鉛重量に対してSiO2として7%になるように加えて、90℃まで加温した。90℃到達後、30%硫酸を120分でpH9.0になるように添加し、その後1時間熟成した。熟成後、ろ過し、ろ液の伝導度が100μS/cm以下まで水洗を行い、得られたケーキを120℃にて16時間乾燥し、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を得た。得られた粒子のサイズ・形態を透過型電子顕微鏡(TEM、JEM-1200EX II、日本電子社製)で観察した。得られた粒子の物性、及び塗膜の物性の評価結果を表1に示す。また、得られた粒子の電子顕微鏡写真を図1に、X線回折のスペクトルを図2に示す。
製造例で得られたケーキを純水384mlにリパルプし、150g/Lの水スラリーとした。次いで、水スラリーに、ケイ酸ナトリウム溶液(富士フイルム和光純薬社製 一級試薬)を、酸化亜鉛重量に対してSiO2として7%になるように加えて、90℃まで加温した。90℃到達後、30%硫酸を120分でpH9.0になるように添加し、その後1時間熟成した。熟成後、ろ過し、ろ液の伝導度が100μS/cm以下まで水洗を行い、得られたケーキを120℃にて16時間乾燥し、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を得た。得られた粒子のサイズ・形態を透過型電子顕微鏡(TEM、JEM-1200EX II、日本電子社製)で観察した。得られた粒子の物性、及び塗膜の物性の評価結果を表1に示す。また、得られた粒子の電子顕微鏡写真を図1に、X線回折のスペクトルを図2に示す。
(実施例2)
ケイ酸ナトリウム溶液の添加量を、酸化亜鉛重量に対してSiO2として5%になるようにし、30%硫酸を120分でpH8.5になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を得た。
ケイ酸ナトリウム溶液の添加量を、酸化亜鉛重量に対してSiO2として5%になるようにし、30%硫酸を120分でpH8.5になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を得た。
(実施例3)
ケイ酸ナトリウム溶液の添加量を、酸化亜鉛重量に対してSiO2として8%になるようにしたこと以外は、実施例2と同様にして、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を得た。
ケイ酸ナトリウム溶液の添加量を、酸化亜鉛重量に対してSiO2として8%になるようにしたこと以外は、実施例2と同様にして、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を得た。
(実施例4)
30%硫酸の代わりに35%塩酸を使用し、120分でpH8.5になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を得た。
30%硫酸の代わりに35%塩酸を使用し、120分でpH8.5になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を得た。
(実施例5)
30%硫酸を120分でpH9.5になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を得た。
30%硫酸を120分でpH9.5になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を得た。
(実施例6)
酸化亜鉛水スラリーを70℃まで加温し、70℃到達後、30%硫酸を60分でpH9.0になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして、含水シリカ表面被覆酸化亜
鉛粒子を得た。
酸化亜鉛水スラリーを70℃まで加温し、70℃到達後、30%硫酸を60分でpH9.0になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして、含水シリカ表面被覆酸化亜
鉛粒子を得た。
(実施例7)
ケイ酸ナトリウム溶液の添加量を、酸化亜鉛重量に対してSiO2として4%になるようにしたこと以外は、実施例2と同様にして、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を得た。
ケイ酸ナトリウム溶液の添加量を、酸化亜鉛重量に対してSiO2として4%になるようにしたこと以外は、実施例2と同様にして、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を得た。
(比較例1)
30%硫酸を120分でpH6.5になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を得た。
30%硫酸を120分でpH6.5になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を得た。
(比較例2)
ケイ酸ナトリウム溶液の添加量を、酸化亜鉛重量に対してSiO2として14%になるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を得た。
ケイ酸ナトリウム溶液の添加量を、酸化亜鉛重量に対してSiO2として14%になるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を得た。
(比較例3)
原体酸化亜鉛ケーキを乾燥機にて120℃で16時間乾燥して酸化亜鉛乾燥物を得た。得られた乾燥物をコーヒーミルにて粉砕し、酸化亜鉛粉体を得た。得られた酸化亜鉛粉体を純水533mlにリパルプし、150g/Lの水スラリーとした。以降は実施例3と同様に実施して、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を得た。
原体酸化亜鉛ケーキを乾燥機にて120℃で16時間乾燥して酸化亜鉛乾燥物を得た。得られた乾燥物をコーヒーミルにて粉砕し、酸化亜鉛粉体を得た。得られた酸化亜鉛粉体を純水533mlにリパルプし、150g/Lの水スラリーとした。以降は実施例3と同様に実施して、含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を得た。
(比較例4)
FINEX-33W(堺化学工業社製 平均粒子径35nm)を使用した。FINEX-33Wの電子顕微鏡写真を図1に示す。
FINEX-33W(堺化学工業社製 平均粒子径35nm)を使用した。FINEX-33Wの電子顕微鏡写真を図1に示す。
(比較例5)
FINEX-52W(堺化学工業社製 平均粒子径20nm)を使用した。
FINEX-52W(堺化学工業社製 平均粒子径20nm)を使用した。
(評価方法1)得られた粒子の組成
図2に示す実施例1の酸化亜鉛粒子のX線回折のスペクトル、並びに表1及び2における得られた粒子の組成は、X線回折装置D8 ADVANCE(ブルカー社製)により分析した結果を示したものである。
図2に示す実施例1の酸化亜鉛粒子のX線回折のスペクトル、並びに表1及び2における得られた粒子の組成は、X線回折装置D8 ADVANCE(ブルカー社製)により分析した結果を示したものである。
(評価方法2)一次粒子径
実施例、比較例の酸化亜鉛粒子について、透過型電子顕微鏡JEM-1200EX II(日本電子社製)で撮影した写真の2000~50000倍の視野での定方向径(粒子を挟む一定方向の二本の平行線の間隔;画像上のどのような形状の粒子についても、一定方向で測定した)で定義される粒子径(μm)であって、TEM写真内の一次粒子250個の定方向径を計測し、その累積分布の平均値を求めた。
実施例、比較例の酸化亜鉛粒子について、透過型電子顕微鏡JEM-1200EX II(日本電子社製)で撮影した写真の2000~50000倍の視野での定方向径(粒子を挟む一定方向の二本の平行線の間隔;画像上のどのような形状の粒子についても、一定方向で測定した)で定義される粒子径(μm)であって、TEM写真内の一次粒子250個の定方向径を計測し、その累積分布の平均値を求めた。
(評価方法3)BET比表面積
表1及び2のBET比表面積(m2/g)は、全自動BET比表面積測定装置MacsorbModel HM-1200(Mountech社製)により測定した値である。
表1及び2のBET比表面積(m2/g)は、全自動BET比表面積測定装置MacsorbModel HM-1200(Mountech社製)により測定した値である。
(評価方法4)ケイ素含有量
プレス機にて成形した粉体を、蛍光X線分析装置(リガク社製 PRIMUS II)にてFP法による半定量分析で測定した。
プレス機にて成形した粉体を、蛍光X線分析装置(リガク社製 PRIMUS II)にてFP法による半定量分析で測定した。
(評価方法5)メジアン径
実施例、比較例の酸化亜鉛粒子0.4gを、0.0025%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液200mlに入れ、超音波ホモジナイザーUS-600E(日本精機製作所製 定格出力600W)を用いて、常温で振動振幅100%の超音波を3分間照射してスラリーを調製し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA-960S(堀場製作所社製)を用いて体積基準におけるメジアン径を測定した。なお、測定に際し、実施例及び比較例の酸化亜鉛の屈折率を2.00とした。
実施例、比較例の酸化亜鉛粒子0.4gを、0.0025%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液200mlに入れ、超音波ホモジナイザーUS-600E(日本精機製作所製 定格出力600W)を用いて、常温で振動振幅100%の超音波を3分間照射してスラリーを調製し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA-960S(堀場製作所社製)を用いて体積基準におけるメジアン径を測定した。なお、測定に際し、実施例及び比較例の酸化亜鉛の屈折率を2.00とした。
(評価方法6)酸に対する亜鉛溶出量
15mL遠心管にIPA4.5mL、0.015%硫酸(pH約2.5)1.5mL、粉体0.15gを入れ、高速振盪機(東京理科器械社製 CM-1000)にて1800rpmで10分振盪した。その後、遠心分離機、及び限外濾過フィルターユニットでろ液を回収した。ろ液を5-Br-PAPS(同仁化学研究所社製)を用いて呈色させ、分光光度計(日本分光社製 V-770)にて吸光度を測定した。5-Br-PAPSと亜鉛標準液(1000ppm 富士フイルム和光純薬社製)から作成した吸光度の検量線より、ろ液の亜鉛濃度を計算した。
15mL遠心管にIPA4.5mL、0.015%硫酸(pH約2.5)1.5mL、粉体0.15gを入れ、高速振盪機(東京理科器械社製 CM-1000)にて1800rpmで10分振盪した。その後、遠心分離機、及び限外濾過フィルターユニットでろ液を回収した。ろ液を5-Br-PAPS(同仁化学研究所社製)を用いて呈色させ、分光光度計(日本分光社製 V-770)にて吸光度を測定した。5-Br-PAPSと亜鉛標準液(1000ppm 富士フイルム和光純薬社製)から作成した吸光度の検量線より、ろ液の亜鉛濃度を計算した。
(評価方法7)水に対する亜鉛溶出量
100mLビーカーに蒸留水50mL、粉体5gを入れ、スターラーにて30分攪拌した。その後、遠心分離機、及び限外濾過フィルターユニットでろ液を回収した。得られたろ液の亜鉛濃度をICP発光分光分析装置(日立ハイテクサイエンス社製 SPS3500)にて測定した。
100mLビーカーに蒸留水50mL、粉体5gを入れ、スターラーにて30分攪拌した。その後、遠心分離機、及び限外濾過フィルターユニットでろ液を回収した。得られたろ液の亜鉛濃度をICP発光分光分析装置(日立ハイテクサイエンス社製 SPS3500)にて測定した。
(評価方法8)吸油量
JIS K 5101-13-2顔料試験法-吸油量に記載の方法によって測定した。なお、油としては、煮あまに油に代わりミリスチン酸イソプロピル(花王社製 エキセパール IPM)を用いた。
JIS K 5101-13-2顔料試験法-吸油量に記載の方法によって測定した。なお、油としては、煮あまに油に代わりミリスチン酸イソプロピル(花王社製 エキセパール IPM)を用いた。
(評価方法9)見掛け密度
JIS K 5101-12-1顔料試験方法-見掛け密度又は見掛け比容(静置法)に記載の方法によって測定した。
JIS K 5101-12-1顔料試験方法-見掛け密度又は見掛け比容(静置法)に記載の方法によって測定した。
(評価方法10)
(塗膜の作成)
上記実施例、比較例の酸化亜鉛粒子2g、ワニス10g(アクリディックA-801-P DIC社製) 、酢酸ブチル5g(試薬特級 和光純薬工業社製)、キシレン5g(純正特級 純正化学社製)、ガラスビーズ38g(1.5mm ポッターズ・バロティーニ社製)を容積75mlのマヨネーズ瓶に入れ、良くかき混ぜた後、ペイントコンディショナー(RED DEVIL社製)に固定し、5分間振動を与えた塗料1、90分間振動を与えた塗料2を作成した。次に、作成した塗料1、塗料2をそれぞれスライドガラス(縦・横・厚み=76mm・26mm・0.8~1.0mm 松浪硝子工業社製)の上に少量滴下し、バーコーター(No.579 ROD No.6 安田精機製作所社製)で塗膜1、塗膜2を作成した。作成した塗膜1、塗膜2を20℃で12時間乾燥した後、後述の全光線透過率1、全光線透過率2、平行光線透過率1、平行光線透過率2の測定に用いた。塗膜1での性能が高いほど易分散性が高いことを意味し、塗膜2での性能が高いほど十分分散した際の性能が高いことを意味する。
(塗膜の作成)
上記実施例、比較例の酸化亜鉛粒子2g、ワニス10g(アクリディックA-801-P DIC社製) 、酢酸ブチル5g(試薬特級 和光純薬工業社製)、キシレン5g(純正特級 純正化学社製)、ガラスビーズ38g(1.5mm ポッターズ・バロティーニ社製)を容積75mlのマヨネーズ瓶に入れ、良くかき混ぜた後、ペイントコンディショナー(RED DEVIL社製)に固定し、5分間振動を与えた塗料1、90分間振動を与えた塗料2を作成した。次に、作成した塗料1、塗料2をそれぞれスライドガラス(縦・横・厚み=76mm・26mm・0.8~1.0mm 松浪硝子工業社製)の上に少量滴下し、バーコーター(No.579 ROD No.6 安田精機製作所社製)で塗膜1、塗膜2を作成した。作成した塗膜1、塗膜2を20℃で12時間乾燥した後、後述の全光線透過率1、全光線透過率2、平行光線透過率1、平行光線透過率2の測定に用いた。塗膜1での性能が高いほど易分散性が高いことを意味し、塗膜2での性能が高いほど十分分散した際の性能が高いことを意味する。
(全光線透過率1、全光線透過率2、平行光線透過率1、平行光線透過率2)
本明細書において、全光線透過率1(%)、全光線透過率2(%)、及び平行光線透過率1(%)、平行光線透過率2(%)は、作成した塗膜を分光光度計V-770(日本分光社製)で測定した値である。なお、全光線透過率1(%)の値は波長310nmにおける全光線透過率の値、全光線透過率2(%)の値は波長350nmにおける全光線透過率の値、平行光線透過率1(%)の値は波長500nmにおける平行光線透過率の値、平行光線透過率2(%)の値は波長700nmにおける平行光線透過率の値である。全光線透過率1(%)の値が小さい程、UVBの波長の紫外線に対する紫外線遮蔽効果が高いことを意味し、全光線透過率2(%)の値が小さい程、UVAの波長の紫外線に対する紫外線遮蔽効果が高いことを意味する。また、平行光線透過率1(%)、平行光線透過率2(%)の値が大きい程、可視光透明性が高いことを意味する。
本明細書において、全光線透過率1(%)、全光線透過率2(%)、及び平行光線透過率1(%)、平行光線透過率2(%)は、作成した塗膜を分光光度計V-770(日本分光社製)で測定した値である。なお、全光線透過率1(%)の値は波長310nmにおける全光線透過率の値、全光線透過率2(%)の値は波長350nmにおける全光線透過率の値、平行光線透過率1(%)の値は波長500nmにおける平行光線透過率の値、平行光線透過率2(%)の値は波長700nmにおける平行光線透過率の値である。全光線透過率1(%)の値が小さい程、UVBの波長の紫外線に対する紫外線遮蔽効果が高いことを意味し、全光線透過率2(%)の値が小さい程、UVAの波長の紫外線に対する紫外線遮蔽効果が高いことを意味する。また、平行光線透過率1(%)、平行光線透過率2(%)の値が大きい程、可視光透明性が高いことを意味する。
表1及び2より、本発明の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子は、高い亜鉛溶出抑制効果を有することが明らかとなった。一方で、ケイ素含有量の値は小さかったことから、分散状態の酸化亜鉛粒子表面に、均一に含水シリカ被覆が形成されていると考えられる。また、塗膜1及び2の物性から、分散性、透明性及び紫外線遮蔽性に優れることが示された。これに対して、表面処理工程における終点pHを8未満とした比較例1では、亜鉛溶出量が多く、含水シリカ被覆が不十分であることが分かる。また、ケイ素含有量が4.0%を超える比較例2では、含水シリカ被覆により亜鉛溶出量は抑えられている一方、含水シリカ被覆量が多いため分散性が悪いことが分かる。また、原体酸化亜鉛ケーキを乾燥させた比較例3は、粉体凝集の上に含水シリカ被覆することでより強い凝集となり、亜鉛溶出量は低いものの、分散性が悪いことがわかる。従来製品である比較例4、5では、亜鉛溶出量、分散性及び透明性いずれも悪く、見掛け密度も低いことが分かる。
本発明の酸化亜鉛粒子は、化粧料、分散体、放熱性フィラー、及び樹脂組成物の成分として使用することができる。
Claims (12)
- 透過型電子顕微鏡写真から測定した一次粒子径が0.15μm以下であり、
当該粉体を0.0025質量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液中に入れ、超音波ホモジナイザーで定格出力600W、振動振幅100%の超音波を常温で3分間照射して分散した分散液のレーザー回折散乱法での体積基準におけるメジアン径が0.2μm以下であり、ケイ素の含有量が4.0質量%以下である
ことを特徴とする含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子。 - 0.015質量%硫酸に対する亜鉛溶出量が60ppm以下である請求項1に記載の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子。
- ケイ素の含有量が1.4質量%以上である請求項1または2に記載の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子。
- 見掛け密度が0.26g/ml以上である請求項1または2に記載の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子。
- 吸油量が50ml/100g以下である請求項1または2に記載の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子。
- メジアン径/一次粒子径が4以下である請求項1または2に記載の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子。
- 原体である酸化亜鉛粒子を純水にリパルプしてスラリーを調製する工程(1)、前記スラリーにケイ酸アルカリ金属水溶液を添加し、さらに酸を添加してpH8.0以上を保持する工程(2)を有することを特徴とする含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子の製造方法。
- 酸化亜鉛粒子は、微粒子酸化亜鉛を、亜鉛塩を溶解した水中で熟成する工程を含む製造方法で得られたものである請求項7記載の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子の製造方法。
- 請求項1または2に記載の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を含有することを特徴とする化粧料。
- 請求項1または2に記載の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を含有することを特徴とする分散体。
- 請求項1または2に記載の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を含有することを特徴とする放熱性フィラー。
- 請求項1または2に記載の含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子を含有することを特徴とする樹脂組成物。
Applications Claiming Priority (2)
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JP2022193332A Pending JP2023084113A (ja) | 2021-12-06 | 2022-12-02 | 含水シリカ表面被覆酸化亜鉛粒子、その製造方法、化粧料、分散体、放熱性フィラー及び樹脂組成物 |
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2022
- 2022-12-02 JP JP2022193332A patent/JP2023084113A/ja active Pending
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