JP2003212745A - 日焼け止め化粧料 - Google Patents

日焼け止め化粧料

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JP2003212745A
JP2003212745A JP2002015512A JP2002015512A JP2003212745A JP 2003212745 A JP2003212745 A JP 2003212745A JP 2002015512 A JP2002015512 A JP 2002015512A JP 2002015512 A JP2002015512 A JP 2002015512A JP 2003212745 A JP2003212745 A JP 2003212745A
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JP
Japan
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zinc oxide
powder particles
particles
mass
oxide powder
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JP2002015512A
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Katsumoto Ogawa
克基 小川
Hiroyuki Kaneki
宏之 鹿子木
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】紫外線、特に、長波長紫外線を含めて、効果的
に遮蔽することが可能な、日焼け止め化粧料を提供する
こと。 【解決手段】紫外線遮蔽剤であるビス(レソルシニル)
トリアジン、および、酸化亜鉛粉末粒子(好適には、粒
子形状が、薄片状、板状、または、花びら状であり、平
均粒径が0.1μm 以下で、二酸化ケイ素で被覆された
もの)を含有させることにより、長波長紫外線に対して
も優れた紫外線遮蔽効果が認められ、かつ、仕上がりの
透明性に優れ、使用感触と化粧持ちにも優れる日焼け止
め化粧料が提供され、これにより、上記の課題を解決し
得ることを見出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の用途の化粧
料、具体的には、日焼け止め化粧料に関する発明であ
る。
【0002】
【従来の技術】長波長紫外線(UVA)の長時間の暴露
により、遅延型の皮膚黒化が惹起され、さらに、UVA
の慢性的な暴露によって、しみやそばかすなどの、メラ
ニンよる色彩的な皮膚トラブルが惹起されることが知ら
れている。
【0003】従来、日焼け止め化粧料には、UVAを遮
蔽するために、酸化亜鉛粉末微粒子が多量に配合されて
いた。また、UVAを遮蔽し得る紫外線吸収剤として、
ジベンゾイルメタン誘導体、特に、4−(t−ブチル)
−4−メトキシジベンゾイルメタンなどが用いられてい
た。
【0004】しかしながら、酸化亜鉛微粒子粉末のみ
を、UVAを遮蔽するために多量に配合すると、塗布面
が白浮きしたり、粉末感が伴ったりする等、仕上がりや
使用性を損なう傾向が認められた。さらに、酸化亜鉛微
粒子粉末と、4−(t−ブチル)−4−メトキシジベン
ゾイルメタンとの併用を行うと、双方の化学的な反応に
より、黄色に着色する等の問題が認められることが知ら
れている。すなわち、現状では、酸化亜鉛微粒子粉末
や、4−(t−ブチル)−4−メトキシジベンゾイルメ
タンだけで、透明性や使用性を損なわずに、UVAを効
果的に遮蔽することは、非常に難しい。
【0005】
【発明が解決すべき課題】本発明が解決すべき課題は、
UVAを効果的に遮蔽することが可能な、日焼け止め化
粧料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この課題の
解決に向けて、鋭意検討を重ねた。その結果、紫外線吸
収剤として用いられるビス(レソルシニル)トリアジン
と、紫外線遮断剤として用いられる酸化亜鉛粉末粒子
を、日焼け止め化粧料中に組み合わせて含有させること
により、仕上がりの透明性や安定性を損なうことなく、
日焼け止め化粧料のSPF(SUN PROTECTION FACTOR )
及びPFA(PROTECTION FACTOR OF UVA)を効率的に向
上させることが可能であることを見出した。
【0007】すなわち、本発明は、ビス(レソルシニ
ル)トリアジンおよび酸化亜鉛粉末粒子を含有する、日
焼け止め化粧料(以下、本化粧料ともいう)を提供する
発明である。
【0008】本発明において、日焼け止め化粧料とは、
太陽光の暴露による日焼け、すなわち、皮膚の黒化や紅
斑を防御するための皮膚外用剤を意味するものである。
本化粧料は、酸化亜鉛とUVA遮蔽効果を有する紫外線
吸収剤の組合せ配合を行っているにもかかわらず、紫外
線吸収剤として、4−(t−ブチル)−4−メトキシジ
ベンゾイルメタンを用いる場合のような化学変化を起こ
さず、酸化亜鉛と紫外線吸収剤が、双方、化学的に安定
であり、組合せ配合の安定性に優れる日焼け止め化粧料
である。また、本化粧料は、塗布後の仕上がりの透明性
を損なわずに、中波長紫外線(UVB)からUVAを、
強力に遮蔽することで、優れた皮膚黒化防止作用が認め
られる、日焼け止め化粧料である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。ビス(レソルシニル)トリアジンは、特開平9
−188666号公報に記載されている、以下の構造式
(1)で表される中波長紫外線(UVB)と長波長紫外
線(UVA)に対して、優れたUV吸収活性を有する化
合物であり、有機UV吸収剤として用いられている。
【0010】
【化1】 〔式中、R1 およびR2 は、同一でも異なってもよく、
炭素原子数が1〜18のアルキル基、炭素原子数が2〜
18のアルケニル基、次式の基 −CH2 −CH(OH)CH2 −O−T1 であるか;またはR1 およびR2 は、式(4a)の基で
あり、
【0011】
【化2】 {式中、R12は、直接結合、直鎖または枝分かれの炭素
原子数が1〜4のアルキレン基または次式 −Cm12m1 − または −Cm12m1 −O− の基であり;R13、R14およびR15は、同一でも異なっ
てもよく、炭素原子数が1〜18のアルキル基、炭素原
子数が1〜18のアルコキシ基または次式の基であり、
【0012】
【化3】 (R16は、炭素原子数が1〜5のアルキル基であり;m
1は1〜4であり);p1は0〜5の数であり};A
は、式(1b)、(1c)または(1d)の基であり、
【0013】
【化4】 {式中、R3 は、水素原子、炭素原子数が1〜10のア
ルキル基、 −(CH2 CHR5 −O)n1−R4 (n1は1〜16で
ある)、または、 −CH2 CH(OH)−CH2 −O−T1 の基であり;
4 は、水素原子、金属陽イオン、炭素原子数が1〜5
のアルキル基または次式の基であり、 −(CH2)m2−O−T1 (式中、T1 は、水素原子または炭素原子数が1〜8の
アルキル基であり、m2は1〜4である)R5 は、水素
原子またはメチル基であり、Q1 は、炭素原子数が1〜
18のアルキル基である)}〕
【0014】このビス(セソルシニル)トリアジンは、
例えば、特開平9−188666号公報に記載された合
成法により製造して、本発明において用いることができ
る。
【0015】また、ビス(レソルシニル)トリアジン
は、市販されており〔例えば、チノソーブ(TINOS
ORB)S:チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社
製〕、このような市販品を、本発明において用いること
も可能である。
【0016】本化粧料における、ビス(レソルシニル)
トリアジンの配合量は、化粧料に対して0.1〜10質
量%の範囲であることが好適であり、同1〜5質量%の
範囲であることが、本化粧料の紫外線遮蔽効果と使用感
触の双方において、特に好適である。この配合量が、化
粧料に対して0.1質量%未満であると、本化粧料の紫
外線遮蔽効果が十分でない傾向があり、同10質量%を
超えて配合すると、べたつきを伴う等、使用感触が悪化
する傾向が認められる。
【0017】酸化亜鉛粉末粒子は、化粧料等の外用組成
物において用いることができる形態、すなわち、平均粒
子径(レーザー回析による粒子径分布の測定において、
50%に相当する質量換算における粒子径を意味する)
が、0.3μm 以下のものを用いることが可能であり、
このような酸化亜鉛粉末粒子を製造するための常法、す
なわち、フランス法やアメリカ法等を行うことにより製
造したものを用いることが可能であり、市販品を用いる
こともできる。
【0018】酸化亜鉛粉末粒子としては、本化粧料によ
る仕上がりの透明性の確保の観点から、平均粒子径が
0.02〜0.1μm の微粒子粉末を用いることが好適
である。酸化亜鉛粉末粒子の平均粒子径が、0.1μm
を超えると、本化粧料による仕上がりが白っぽくなって
しまう傾向が認められる。
【0019】また、酸化亜鉛粒子の形状としては、球
状、板状、薄片状、花ビラ状(WO99/25654号
公報に記載された、この公報に記載された発明にかかわ
る酸化亜鉛粒子である)、棒状、針状、紡錘状などが挙
げられるが、板状、薄片状、花ビラ状が、本化粧料を肌
上に塗布する際の肌への密着性の向上により、紫外線遮
蔽効果の向上が見込める故に好適である。
【0020】また、酸化亜鉛粉末粒子を、二酸化ケイ素
(シリカ)を被覆した複合粉末粒子とすることにより、
粒子からの亜鉛イオンの溶出が抑制され、これと遊離脂
肪酸との反応による金属セッケンの生成が起こらず、経
時や温度変化によるゲル化が起こりにくく、化粧料の粘
度が経時的に安定し、その結果として、心地良い使用感
触を持続させることができる。また、酸化亜鉛粉末粒子
として、複合粉末粒子を用いることにより、化粧料にお
ける分散性を向上させたり、酸化亜鉛と、乳化剤や分散
剤との相互作用が抑制されることで、本化粧料の安定性
が向上し得る。とが可能である。
【0021】酸化亜鉛粉末粒子に二酸化ケイ素を被覆す
る方法は、常法を用いて行うことができる。例えば、は
じめに水溶液中にビーズミル等で高度に分散された酸化
亜鉛粒子を調整し、ケイ酸ソーダーを添加、中和して、
二酸化ケイ素を均一に、酸化亜鉛粉末粒子に被覆する方
法や、水/エタノール溶媒中で、テトラエトキシシラン
(TEOS)を加水分解して、二酸化ケイ素を、酸化亜鉛粉末
粒子に被覆する方法等が知られている。
【0022】二酸化ケイ素を被覆した、酸化亜鉛複合粉
末粒子では、二酸化ケイ素が、複合粉末粒子の5〜30
質量%の範囲で被覆されていることが好適であり、特
に、同10〜23質量%の範囲で被覆されていることが
好適である。この二酸化ケイ素の被覆質量が、複合粉末
粒子の5質量%未満であると、均一な被覆自体が困難で
あり、同30質量%を超えると、使用に際してキシミ感
等が伴う等の、過剰な二酸化ケイ素による、本化粧料の
使用性の低下が認められる傾向がある。
【0023】さらに、本化粧料に用いられる酸化亜鉛粉
末粒子として(上記の複合粉末粒子を含む)、撥水処理
等の表面処理を行った粉末粒子を用いることも可能であ
る。例えば、アルミニウムステアレート処理、ジンクミ
リステート処理等の脂肪酸石鹸処理;キャンデリラロウ
処理、カルナウバロウ処理等のワックス類処理;メチル
ポリシロキサン処理、環状シリコーンオイル処理等のシ
リコーン処理;フッ素変性アクリルシリコーン処理、フ
ッ素変性シリコーン処理、フッ素変性アクリル樹脂処
理、パーフルオロ処理、ポリフッ化エチレン系繊維処理
等のフッ素化合物処理;パルミチン酸処理、イソステア
リン酸処理、ステアリン酸処理、ラウリン酸処理、ミリ
スチン酸処理、ベヘニン酸処理、オレイン酸処理、ロジ
ン酸処理、12―ヒドロキシステアリン酸処理等の、表
面処理による撥水処理等を行って、本化粧料に配合する
酸化亜鉛粉末粒子に疎水化処理等を行うことができる。
【0024】本化粧料における、配合に適した、平均粒
子径が0.1μm 以下の酸化亜鉛粉末の市販品として
は、例えば、FINEX-25、FINEX-50、FINEX-75(以上、堺
化学工業社製)、ZnO350(住友大阪セメント社
製)、ZINCOX SUPER CP-1 、ZINCOX SUPER−10、ZINCOX
SUPER−20R 、 ZINCOX SUPER −30(白水化学工業社
製)、Z-COTE(BASF社製)、ActivoxC80(ELEMENTIS社
製) 、MZ-700、MZ-500(以上、テイカ社製) などが挙げ
られる。
【0025】酸化亜鉛粉末粒子は、本化粧料において、
可能な限り、分散していることが好適である。この分散
方法としては、例えば、酸化亜鉛粉末を、オイル及び水
溶液中で、湿式媒体攪拌ミル、サンドグラインダーミ
ル、アニュラー型ミル、リングミル、チューブミル、ロ
ータリービードミル、ビードミル、ジェットミル、ハン
マーミル、振動型ミル等を用いて分散化し、さらに分散
剤を添加し高分散させることができる。例えば、分散装
置として、サンドグラインダーミル(サンドグラインダ
ーミルに用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジ
ルコニア、スチール、フリント石等を原材料としたビー
ズを使用可能であり、中でもジルコニア製のビーズを用
いることが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、
通常、直径0.3〜2mm程度のものを用い、中でも1mm
前後のものが好ましい)やアニュラー型ミル、リングミ
ル(容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回
転軸と垂直に取り付けられた攪拌ディスクを高速回転さ
せることにより、粉末成分中の種々の粉末の凝集粒子を
砕いて粉砕・分散する工程を有する装置である)。酸化
亜鉛粉末粒子を分散させるための分散装置は、粉末成分
を十分に一次粒子に近い状態まで分散させ、オイル成分
を均一に付着させて、好適にはスラリー状態にすること
ができる形式であれば、特に限定されず、例えば、縦型
・横型、連続式・回転式等、種々の分散手段の装置を用
いることができる。
【0026】本発明において好適な、酸化亜鉛粉末の本
化粧料における配合態様の例としては、酸化亜鉛粉末
を、湿式媒体攪拌ミルで高分散したスラリーとして配合
して、酸化亜鉛粉末粒子を本化粧料に含有させる方法が
挙げられる。
【0027】本化粧料における、酸化亜鉛粉末粒子の配
合量は、化粧料に対して1〜30質量%の範囲であるこ
とが好適であり、同5〜20質量%の範囲であること
が、本化粧料の紫外線遮蔽効果と使用感触の双方におい
て、特に好適である。この配合量が、化粧料に対して1
質量%未満であると、本化粧料の紫外線遮蔽効果が十分
でない傾向があり、同30質量%を超えて配合すると、
ざらつきを伴う等、使用感触が悪化する傾向や、仕上が
りの透明性等が悪化する傾向が認められる。
【0028】また、本化粧料には、その具体的な製品形
態や剤型に応じて、日焼け止め化粧料等に用いられる、
酸化亜鉛粉末以外の粉末成分を1種または2種以上含有
させることができる。例えば、酸化チタン、ベンガラ、
黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、酸化セリウム、タルク、マ
イカ、セリサイト、カオリン、ベントナイト、クレー、
ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ステアリン
酸亜鉛、含フッ素金雲母、合成タルク、硫酸バリウム、
硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、チッ化ホウ素、オ
キシ塩化ビスマス、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化
マグネシウム、酸化クロム、カラミン、炭酸マグネシウ
ム等の無機粉末;シリコーン粉末、シリコーン弾性粉末
等のシリコーン粉末;ポリウレタン粉末、セルロース粉
末、ナイロン粉末、PMMA粉末、スターチ、ポリエチ
レン粉末等の有機粉末等を用いることができる。なお、
これらの粉末は、それぞれの粉末に基づき複合化した複
合化粉末や、表面処理を施した表面処理粉末であっても
よい。
【0029】また、本化粧料には、具体的な製品形態や
剤型に応じて、日焼け止め化粧料において一般的に用い
られる油性成分を1種または2種以上含有させることが
できる。例えば、流動パラフィン、スクワラン、エステ
ル油、ジグリセライド、トリグリセライド、パーフルオ
ロポリエーテル、ワセリン、ラノリン、セレシン、カル
ナバロウ、固型パラフィン、脂肪酸、多価アルコール、
シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ビニルピ
ロリド等を用いることができる。
【0030】さらに、本化粧料には、具体的な製品形態
や剤型に応じて、化粧料等の外用組成物において一般的
に用いられている成分を、本発明の所期の効果を損なわ
ない範囲内で含有させることができる。例えば、色素、
pH調整剤、保湿剤、増粘剤、界面活性剤、分散剤、安
定化剤、着色剤、防腐剤、酸化防止剤、ビス(レソルシ
ニル)トリアジン以外の紫外線吸収剤、香料等を含有さ
せることが可能である。
【0031】本化粧料は、粉末状、ケーキ状、ペンシル
状、スティック状、軟膏状、液体状等の形態を採ること
が可能であり、例えば、化粧水、乳液、クリーム等のフ
ェーシャル日焼け止め化粧料;ファンデーション、口
紅、アイシャドー、頬紅、アイライナー、ネイルエナメ
ル、マスカラ等のメーキャップ化粧料タイプの日焼け止
め化粧料;ヘアートリートメント、ヘアリキッド、セッ
トローション等の毛髪適用型の日焼け止め化粧料として
用いることができる。
【0032】
【実施例】以下に、本発明を、実施例により具体的に説
明する。なお、本実施例における含有量(配合量)は、
特に断わらない限り、含有対象に対する質量%で表示す
る。
【0033】試験方法 以下に、本発明の効果を検討するために、本実施例にお
いて行った試験の方法を記載する。
【0034】紫外線防止効果試験 紫外線防止効果試験は、本件出願人の出願に基づく特開
平7−167781号公報記載の、高精度のin vitro
SPF測定システム(高精度でSPF値とPFA値を測
定可能である)を用いて行った。
【0035】具体的には、光源にソーラーシュミレータ
ー(Solar Ultraviolet Simulator Model 600:Solar Lig
ht Co.) を使用した。塗布体のトランスポアテープTM
(3MCo.)に、試験品を2.0mg/cm2の塗布量で均一
に塗布し、紫外線を照射した。その透過紫外線スペクト
ルを演算処理し、SPF値とPFA値を算出した。
【0036】製剤の透明性の確認試験 製剤の透明性については、人工皮革に、試験品を一定量
(2.0mg/ cm2 )塗布し、未塗布部分と共に、CM-100
0R(ミノルタ社製)で測色した後、色差(ΔE)を算出
した(ΔEの値が低い程透明性が高くなる)。
【0037】実使用試験 20名の女性パネルの前腕に、試験品を1.2mg/cm2
布し、使用感触と仕上がりの透明性と化粧持ちについて
の実使用試験を行った。なお、化粧持ちは、試験品の塗
布2時間後の経時変化を、半顔ずつに塗布した比較品と
の比較(実施例1と比較例1、実施例1と比較例2の組
における比較)において評価した。
【0038】使用感触と仕上がりの透明性と化粧持ちの
それぞれについて、1)良い、2)普通、3)悪いと、3段階
の判断基準を設け、以下のように評価を行った。 1)17名以上が、評価対象項目が良いと回答した ◎ 2)12〜16名が、評価対象項目が良いと回答した ○ 3)9〜11名が、評価対象項目が良いと回答した △ 4)5〜8名が、評価対象項目が良いと回答した × 5)4名以下が、評価対象項目が良いと回答した ××
【0039】〔実施例1〕以下の処方の試験品(W/O
型乳化日焼け止め化粧料)を調製した。 含有成分 含有量(質量%) シクロメチコン 31 メチルフェニルポリシロキサン 2 オクチルメトキシシンナメート 5 ジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール 2 ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサン 2 セチルイソオクタノエート 5 ベントナイト 1 抗酸化剤 適 量 ビスレソルシニルトリアジン 1 〔式(1)において、Aがメトキシ基、R1 とR2 が2−エチルヘキシロキシ基 である:商品名チノソーブS(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)〕 ジメチコーン処理微粒子酸化亜鉛 15 (ジメチコーン7質量%処理MZ-700(テイカ社製)) ステアリン酸アルミ処理微粒子酸化チタン 4 イオン交換水 残 量 グリセリン 2 ジプロピレングリコール 2 防腐剤 適 量 安定化剤 適 量 香料 適 量 <製造方法>チノソーブSを、溶解、混合したオイル相
に、ベントナイトとシリコーン処理微粒子酸化亜鉛を添
加し、ホモミキサーで分散、混合した。このオイル相
に、別に調製した水相を徐々に添加しながら、ホモミキ
サーを用い、室温下、乳化した。脱気後、容器への充填
を行い、日焼け止め化粧料を得た。
【0040】この実施例1の日焼け止め化粧料におい
て、シクロメチコンの含有量を41質量%として、ジメ
チコーン処理微粒子酸化亜鉛を抜去した例を、比較例1
として、さらに、シクロメチコンの含有量を33質量%
として、チノソープSを抜去した例を、比較例2とし
て、上記の試験を行った。ここに試験の結果を記載す
る。
【0041】 紫外線防止効果試験 実施例1 比較例1 比較例2 in vitroSPF値 51.3 34.9 28.3 in vitroPFA値 8.3 6.8 7.1 製剤の透明性の確認試験 透明性(ΔE) 3.8 2.1 4.1 実使用試験 使用感触 ○ △ ◎ 仕上りの透明性 ○ ◎ △ 化粧持ち ◎ △ ◎
【0042】本実施例等により、ビス(レソルシニル)
トリアジンおよび酸化亜鉛粉末粒子を含有させる(実施
例1)ことにより、いずれか一方を含有させる場合(比
較例1,2)と比較して、紫外線防止効果に優れること
が明らかとなった。また、実施例1は、比較例1,2に
比べて、使用感触および化粧持ちが、全体としてバラン
ス良く優れることが明らかとなった。なお、上記の試験
品のいずれにも、黄変等の変色は認められなかった。
【0043】〔実施例2〜4〕以下の処方の試験品(W
/O型乳化日焼け止め化粧料)を調製した。 含有成分 含有量(質量%) シクロメチコン 30 メチルフェニルポリシロキサン 2 セバシン酸ジエチル 5 ジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール 2 ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサン 2 ビスレソルシニルトリアジン 2 〔式(1)において、Aがメトキシ基、R1 とR2 が2−エチルヘキシロキシ基 である:商品名チノソーブS(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)〕 デキストリン脂肪酸処理微粒子酸化亜鉛 12 (デキストリン脂肪酸7質量%処理FINEX-50(堺化学工業社製)) シリコーンレジン 1 抗酸化剤 適 量 オクチルメトキシシンナメート 3 4 ―tertブチルー4‘−メトキシベンゾイルメタン 1 イソステアリン酸 1 シリコーン処理硫酸バリウム 3 カチオン変性ベントナイト 2 PMMA球状樹脂粉末 5 イオン交換水 残 量 グリセリン 4 ポリエチレングリコール 1 防腐剤 適 量 安定化剤 適 量 香料 適 量 <製造方法>チノソーブSを溶解、混合したオイル相
に、デキストリン脂肪酸処理微粒子酸化亜鉛を、ホモミ
キサーで分散、混合した後、残りの粉末も分散混合し
た。このオイル相に、別途調製した水相を徐々に添加し
て、室温下、ホモミキサーで乳化した。脱気後、容器に
充填して、日焼け止め化粧料を得た。
【0044】この実施例2の日焼け止め化粧料におい
て、デキストリン脂肪酸処理微粒子酸化亜鉛に代えて、
デキストリン脂肪酸処理薄片状微粒子酸化亜鉛(デキス
トリン脂肪酸7質量%処理微粒子酸化亜鉛 平均粒子径
0.03μm)を、12質量%含有させた例を、実施例3
して、さらに、デキストリン脂肪酸処理微粒子酸化亜鉛
に代えて、シリコーン処理シリカ被覆微粒子酸化亜鉛
(シリコーン7質量%処理、シリカ20質量%被覆FINEX-
50(堺化学工業社製))を、12質量%含有させた例
を、実施例4として、上記の試験を行った。ここに試験
の結果を記載する。
【0045】 紫外線防止効果試験 実施例2 実施例3 実施例4 in vitroSPF値 41.4 46.4 47.8 in vitroPFA値 8.1 8.7 8.8 製剤の透明性の確認試験 透明性(ΔE) 2.4 1.6 4.9 実使用試験 使用感触 ○ ◎ ◎ 仕上りの透明性 ○ ◎ ◎ 化粧持ち ○ ○ ◎
【0046】本実施例により、酸化亜鉛粉末粒子とし
て、粒子形状を薄片状とすることにより(実施例3)、
紫外線防止効果、使用感触および仕上がりの透明性の向
上を見込めることが明らかとなった。また、酸化亜鉛粉
末粒子として、二酸化ケイ素(シリカ)で被覆した複合
粉末粒子を用いることにより、上記のほとんど全ての項
目においての向上を見込めることが明らかとなった。な
お、上記の試験品のいずれにも、黄変等の変色は認めら
れなかった。
【0047】〔実施例5,6〕以下の処方の試験品(W
/O型乳化日焼け止め化粧料)を調製した。 含有成分 含有量(質量%) シクロメチコン 12 セバシン酸ジエチル 10 ジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール 3 ポリオキシアルキレン変性ポリシロキサン 1 シリコーンレジン 1 抗酸化剤 適 量 オクチルメトキシシンナメート 7.5 モノオレイン酸エステル 1.5 ビスレソルシニルトリアジン 2 〔式(1)において、Aがメトキシ基、R1 とR2 が2−エチルヘキシロキシ基 である:商品名チノソーブS(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)〕 ジメチコーン処理シリカ被覆薄片状微粒子酸化亜鉛 17 (ジメチコーン5質量%、無水ケイ酸10質量%、微粒子酸化亜鉛 平均粒子径 0.02μm ) PMMA球状樹脂粉末 5 イオン交換水 残 量 1,3−ブチレングリコール 4 L−グルタミン酸ナトリウム 3 防腐剤 適 量 安定化剤 適 量 香料 適 量 <製造方法>チノソーブSを、熱溶解したオイル相上
に、ジメチコーン処理シリカ被覆薄片状微粒子酸化亜鉛
を、湿式媒体ミル(リングミル)を用いて、念入りに分
散、混合を行った。分散したスラリー中に、残りの粉末
を添加し、ホモミキサーで分散、混合した後に、別途調
製した水相を徐々に添加して、室温下で乳化した。脱気
後、容器に充填して、日焼け止め化粧料を得た。
【0048】この実施例5の日焼け止め化粧料におい
て、ジメチコーン処理シリカ被覆薄片状微粒子酸化亜鉛
に代えて、シリコーン処理薄片状微粒子酸化亜鉛65質
量%含有高分散スラリー(シリコーン7質量% 微粒子
酸化亜鉛 平均粒子径0.02μm )を、26.2質量
%含有させて、セバシン酸エチルの含有量を、0.8質
量%とした例を、実施例6として、上記の試験を行っ
た。ここに試験の結果を記載する。
【0049】 紫外線防止効果試験 実施例5 実施例6 in vitroSPF値 57.2 65.9 in vitroPFA値 7.8 9.1 製剤の透明性の確認試験 透明性(ΔE) 1.8 1.2 実使用試験 使用感触 ○ ○ 仕上りの透明性 ○ ◎ 化粧持ち ◎ ◎
【0050】本実施例により、酸化亜鉛粉末を、スラリ
ー化して配合する等により、紫外線防止効果、仕上がり
の透明性等の向上を見込めることが明らかとなった。な
お、上記の試験品のいずれにも、黄変等の変色は認めら
れなかった。
【0051】
【発明の効果】本発明により、優れた紫外線遮蔽効果が
認められ、かつ、仕上がりの透明性に優れ、使用感触と
化粧持ちにも優れる日焼け止め化粧料が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿子木 宏之 神奈川県横浜市都筑区早渕2−2−1 株 式会社資生堂リサーチセンター(新横浜) 内 Fターム(参考) 4C083 AB211 AB212 AB242 AB362 AB442 AC122 AC212 AC262 AC342 AC352 AC372 AC402 AC582 AC851 AC852 AD042 AD092 AD152 AD162 AD172 BB46 CC19 DD01 DD32 EE01 EE06 EE07 EE17 FF05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビス(レソルシニル)トリアジンおよび酸
    化亜鉛粉末粒子を含有する、日焼け止め化粧料。
  2. 【請求項2】酸化亜鉛粉末粒子の平均粒径が、0.1μ
    m以下である、請求項1記載の日焼け止め化粧料。
  3. 【請求項3】酸化亜鉛粉末粒子の形状が、薄片状、板
    状、または、花びら状である、請求項1または2記載の
    日焼け止め化粧料。
  4. 【請求項4】酸化亜鉛粉末粒子が、二酸化ケイ素で被覆
    されている酸化亜鉛複合粉末粒子である、請求項1〜3
    のいずれかの請求項に記載の日焼け止め化粧料。
  5. 【請求項5】二酸化ケイ素で被覆されている酸化亜鉛複
    合粉末粒子において、二酸化ケイ素が、複合粉末粒子の
    5〜30質量%被覆されている、請求項4記載の日焼け
    止め化粧料。
  6. 【請求項6】酸化亜鉛粉末粒子が、酸化亜鉛粉末のスラ
    リーとして化粧料に含有されている、請求項1〜5のい
    ずれかの請求項記載の日焼け止め化粧料。
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