JP6231411B2 - 粉体化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、アミノ変性シリコーン処理粉体と板状酸化亜鉛を含有することにより、塗布時に滑らかな伸び広がりを有し、きしみ感といった肌負担感がなく、更に塗布膜に不自然な白さを与えずに、優れた紫外線遮断効果、化粧持続効果を有する粉体化粧料に関するものである。
従来、紫外線遮断効果を有する粉体化粧料は、酸化チタンや酸化亜鉛、酸化セリウム等の金属酸化物と、UVA、UVB遮断効果のある紫外線吸収剤を主な成分として含有している。しかし、紫外線遮断効果を高めるために、紫外線吸収剤を多量に配合した場合、粉体同士の凝集性を高め、化粧膜の均一性や滑らかな伸び広がりといった感触等の基本品質を損なうことがある。一方、金属酸化物に関しては、紫外線遮断効果を高める上で好適な粒子径や形状の金属酸化物の開発(特許文献1)や、それら粉体の分散性、感触を向上させる表面処理技術(特許文献2)が開発されている。
特開2010−168254号公報 特開2013−079264号公報
しかしながら、近年、紫外線によるしみ、しわ等の光加齢への予防や、日中の日焼けを防ぐことへの消費者ニーズの高まりから、更なる紫外線遮断効果を有する粉体化粧料の開発が求められている。また、金属酸化物を多量配合することによる、きしみ感や、塗布膜の不自然な白さが敬遠され、紫外線遮断効果と感触や仕上がりを解消した高品質な粉体化粧料の開発が求められている。
本発明は、塗布時に滑らかな伸び広がりを有し、きしみ感といった肌負担感がなく、更に塗布膜に不自然な白さを与えずに、優れた紫外線遮断効果、化粧持続効果を有する粉体化粧料を提供するものである。
かかる実情に鑑み、本発明者は、鋭意検討した結果、アミノ変性シリコーン処理粉体と板状酸化亜鉛を含有することにより、塗布時に滑らかな伸び広がりを有し、きしみ感といった肌負担感がなく、更に塗布膜に不自然な膜白さを与えずに、優れた紫外線遮断効果、化粧持続効果を有する粉体化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
次の成分(a)及び成分(b);
(a)アミノ変性シリコーン処理粉体
(b)平均粒子径が30nm以上、かつ1000nm未満、アスペクト比が3.0以上の板状酸化亜鉛
を含有する粉体化粧料を提供するものである。
本発明の粉体化粧料は、塗布時に滑らかな伸び広がりを有し、きしみ感といった肌負担感がなく、更に塗布膜に不自然な白さを与えずに、優れた紫外線遮断効果、化粧持続効果を有するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における粉体化粧料とは、粉体を主成分として含有し、必要に応じて、油性成分、水性成分、界面活性剤等を粉体中に分散させたものを意味し、具体的には、粉体とその他の化粧料用成分とを混合粉砕した粉末状、それを固形状にしたもの等挙げられ、いずれの性状でもよい。
本発明に用いられる成分(a)アミノ変性シリコーン処理粉体は、粉体をアミノ変性シリコーンで処理したものであり、板状酸化亜鉛の分散性を向上させ、化粧膜の均一性、化粧持続効果を得ることができる。
成分(a)に使用されるアミノ変性シリコーンは、アミノ基又はアンモニウム基を有していればよく、末端水酸基の全て又は一部がメチル基等で封鎖されたアミノ変性シリコーンオイル、末端が封鎖されていないアモジメチコンのどちらでもよい。例えば、好ましいアミノ変性シリコーンとしては、以下の一般式(1)で表されるものが挙げられる。
〔式中、Rは水酸基、水素原子又はRを示し、Rは置換又は非置換の炭素数1〜20の一価炭化水素基を示し、XはR、−Q−NH(CHNH、−OR又は水酸基を示し、Qは炭素数1〜8の二価炭化水素基を示し、nは1〜5の数を示し、p及びqはその和が数平均で2以上2000未満、好ましくは20以上2000未満、更に好ましくは30以上1000未満となる数を示す。アミノ当量は、好ましくは200g/mol〜3万g/mol、更に好ましくは500g/mol〜1万g/mol、更に好ましくは600g/mol〜5000g/molである。〕
ここで、アミノ当量とは、アミノ基又はアンモニウム基1個当たりのシロキサン骨格の質量を意味している。表記単位のg/molはアミノ基又はアンモニウム基1mol当たりに換算した値である。従って、アミノ当量の値が小さいほど分子内でのアミノ基又はアンモニウム基の比率が高いことを示している。
アミノ変性シリコーンの好適な市販品の具体例としては、SF8451C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,粘度600mm/s,アミノ当量1700g/mol)、SF8452C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,粘度700mm/s,アミノ当量6400g/mol)、SF8457C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,粘度1200mm/s,アミノ当量1800g/mol)、KF8003(信越化学工業社製,粘度1850mm/s,アミノ当量2000g/mol)、KF8004(信越化学工業社製,粘度800mm/s,アミノ当量1500g/mol)、KF867S(信越化学工業社製,粘度1300mm/s,アミノ当量1700g/mol)、XF42−B8922(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製,粘度70000mm/s,アミノ当量13000g/mol)等のアミノ変性シリコーンオイルや、SM8704C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,アミノ当量1800g/mol)等のアモジメチコーンエマルションが挙げられる。
上記のアミノ変性シリコーンは、25℃で液状のものが好ましく、エマルションの形で使用してもよい。このアミノ変性シリコーンのエマルションは、例えば、アミノ変性シリコーンと溶媒を高剪断で機械混合したものや、アミノ変性シリコーンを水及び乳化剤で乳化したもの、若しくはこれらの組み合わせ、又は乳化重合によっても調製することができる。また、アミノ変性シリコーンの粘度は、粉体が均一に被覆され、化粧膜の均一性が得られるという点から、25℃において100〜3000mm/sの範囲であることが好ましい。
本発明に用いられる成分(a)で表面処理される粉体は、通常化粧料に使用される粉体であれば特に限定されず、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化硼素、二酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、有機顔料被覆マイカチタン、アルミニウムパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、N−アシルリジン、ポリエチレンテレフタレート、微粒子二酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができ、中でも、板状酸化亜鉛を効率良く分散する点からマイカ、タルク等の無機粉体が好ましく用いられ、平均粒子径が15〜45μmの板状粉体が特に好適に用いられる。
本発明の粉体化粧料に用いられる成分(a)のアミノ変性シリコーンの処理量は特に限定されないが、処理される粉体100質量部に対し、アミノ変性シリコーンを0.1〜10質量部で処理するものが、塗布時の滑らかな伸び広がりと肌負担感のなさ、紫外線遮断効果、化粧持続効果の観点から好ましく、更に、粉体100質量部に対し、0.5〜3質量部がそれらの効果が特に顕著であるためさらに好ましい。
本発明において、成分(a)は、アミノ変性シリコーンを溶媒に分散させ粉体表面に被覆処理させるか、粉体とアミノ変性シリコーンを接触させ必要に応じ溶媒等を用い、機械力を用いて粉体表面に被覆処理させるものであるが、粉体表面を処理する方法としては、特に限定されるものではなく、通常公知の処理方法が用いられる。具体的には、直接粉体と混合する方法や、水、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ヘキサン、軽質イソパラフィン、ベンゼン、トルエン等の溶媒を用いる方法が挙げられ、また、気相法、メカノケミカル法等が挙げられる。メカノケミカル法のなかでも、雷潰機、加圧式ニーダー、ミックスマラー、ローラミル、バンバリーミキサー、石臼等のずりせん断式加圧状態でずり剪断力が加えられる機構を有した混練機を用いる方法が好ましい。市販品としては、マイカを処理したものとして、マイカ Y−2300WA3(ヤマグチマイカ社製)、タルクを処理したものとして、EX−15WA3(ヤマグチマイカ社製)をあげることができる。
本発明の成分(a)は本発明を妨げない範囲で他の処理剤、例えば脂肪酸や、金属石鹸、フッ素化合物などと同時に処理することもできる。また、本発明の効果を妨げない範囲で、アミノ変性シリコーン以外の処理剤で処理された粉体や、未処理の粉体を用いることもできる。
本発明における成分(a)の含有量は特に限定されないが、1〜75質量%(以下%と表す)が塗布時の滑らかな伸び広がり、肌負担感のなさ、塗布後の膜白さのなさ、化粧持続効果の点において好ましく、5〜50%であればさらに好ましい。
本発明の成分(b)の平均粒子径が30nm以上、かつ1000nm未満でアスペクト比が3.0以上の板状酸化亜鉛は、通常、化粧料に用いられる物であれば特に限定されない。例えば、水系での結晶化により得られる六方晶系の板状酸化亜鉛等があげられる。成分(b)は、板状であることから、肌への展延性、付着性が良く、不定形酸化亜鉛よりも塗布時の膜白さを抑えることができる。形状は六角板状のものが好適であり、平均粒子径は60〜500nmであるものが好ましい。
本発明における成分(b)の含有量は特に限定されないが、肌負担感のなさ、塗布時の膜白さのなさ、紫外線遮断効果の点から5〜50%が好ましく、更には10〜40%が好ましい。また、板状酸化亜鉛は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができ、シリコーン化合物、脂肪酸金属塩、界面活性剤等の通常公知の処理剤により表面処理されていてもよい。中でも、疎水化処理されたものを用いると、凝集が起こりにくく好ましく、シリコーン化合物で処理されたものが好適に用いられる。
成分(b)の市販品としては、未処理品として、XZ−100F(平均粒子径100nm:堺化学工業社製)、XZ−300F(平均粒子径300nm:堺化学工業社製)、XZ−500F(平均粒子径500nm:堺化学工業社製)、シリコーン処理品としてXZ−300F−LP(ハイドロゲンジメチコン0.75%処理、平均粒子径300nm:堺化学工業社製)等をあげることができる。
本発明の粉体化粧料は、成分(a)、(b)以外の、通常化粧料に使用される粉体を含有することができ、成分(a)及び(b)も含めた粉体化粧料中の粉体の含有量は50〜100%、更には80〜100%が好ましい。また、全粉体量中の成分(a)の含有量は1〜90%、更には10〜50%が好ましい。
特に限定されないが、本発明における成分(a):(b)の質量比は3:1〜1:3であると、板状酸化亜鉛の分散性を向上させ、塗布時の滑らかな伸び広がり、肌負担感のなさ、塗布後の膜白さのなさ、化粧持続効果、紫外線遮断効果の観点から好ましく、2:1〜1:2であればそれらの効果が特に顕著であるためさらに好ましい。
本発明において、平均粒子径は特に限定されないが、走査型電子顕微鏡を用いて、任意の視野の任意粒子10個について、粒子径と厚みを測定した結果から算出する。平均粒子径、厚みに関しては、任意の10個の粒子の平均値を算出することで、平均粒子径、厚みとする。
本発明の粉体化粧料には、上記成分の他に、通常、化粧料に使用される成分、例えば界面活性剤、油剤、紫外線吸収剤、油ゲル化剤、水溶性高分子やアルコール等の水性成分、トリメチルシロキシケイ酸等の油溶性被膜形成剤、パラオキシ安息香酸誘導体、フェノキシエタノール等の防腐剤、ビタミン類、美容成分、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有することができる。
本発明の粉体化粧料は、更に紫外線吸収剤を含有すると紫外線遮断効果を高める上で好ましい。紫外線吸収剤としては、通常、化粧料に用いられるものであれば何れでもよく、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4,6−トリアニリノ−パラ−(カルボ−2'−エチルヘキシル−1'−オキシ)−1,3,5−トリアジン等のベンゾフェノン系、サリチル酸−2−エチルヘキシル等のサリチル酸系、パラジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等のPABA系、パラメトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル等の桂皮酸系、4−tert−4'−メトキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。紫外線吸収剤の含有量は、0.5〜10%が好ましい。
界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン等の非イオン性界面活性剤類、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩等の陰イオン性界面活性剤類、アルキルアミン塩、ポリアミンおよびアルカノイルアミン脂肪酸誘導体、アルキルアンモニウム塩、脂環式アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤類、リン脂質、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。
油剤としては、例えば、パラフィンワックス、セレシンワックス、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャトロプスワックス、ポリエチレンワックス、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素系類、カルナウバロウ、ミツロウ、ラノリンワックス、キャンデリラ等の天然ロウ類、2−エチルヘキサン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、リンゴ酸ジイソステアアリル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)等のエステル類、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類、N−ラウロイルーL−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のアミノ酸誘導体類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。
油ゲル化剤としては、通常、化粧料に用いられるものであれば何れでもよく、例えば、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。
水性成分としては、水や水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール等の低級アルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等が挙げられ、水溶性高分子としては、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体類、アルギン酸ソーダ、カラギーナン、クインスシードガム、寒天、ゼラチン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ペクチン、ジェランガム等の天然高分子類、ポリビニルアルコール、カルボシキビニルポリマー、アルキル付加カルボシキビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸グリセリンエステル,ポリビニルピロリドン等の合成高分子類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の粉体化粧料は、粉末状、固形状いずれの形態でも実施することができる。その中でも、固形状が好ましい。また、日焼け止め、ファンデーション、コンシーラー、白粉、頬紅、アイシャドウ等で実施することができ、特に分散性を損なうことなく、紫外線遮断効果を発揮することができることからファンデーション、白粉、頬紅であることが好ましい。
本発明の粉体固形化粧料の製造方法は特に限定されないが、成分(a)及び(b)を含む粉体と必要に応じその他の成分等を混合した後、金皿に圧縮成型する方法、溶剤と混合してスラリー状としたものを充填した後に溶剤除去、成型する湿式充填方法が挙げられ、また紙等の支持体に担持させたものであってもよい。
以下に成分(a)の製造例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
製造例1[アミノ変性シリコーン処理マイカ1の製造]
アミノ変性シリコーン(KF867S/信越化学工業社製)1質量部とマイカ(Y‐2300/ヤマグチマイカ社製)99質量部と水10質量部とを雷潰機にて、3時間混合し、100℃で4時間加熱した。その後、アトマイザーにて粉砕処理し、アミノ変性シリコーン処理マイカ(1%処理)を得た。
製造例2[アミノ変性シリコーン処理マイカ2の製造]
アミノ変性シリコーン(KF867S/信越化学工業社製)1質量部とマイカ(SA−350/ヤマグチマイカ社製)99質量部と水10質量部とを雷潰機にて、3時間混合し、100℃で4時間加熱した。その後、アトマイザーにて粉砕処理し、アミノ変性シリコーン処理マイカ(1%処理)を得た。
製造例3[アミノ変性シリコーン処理タルク1の製造]
アミノ変性シリコーン(KF8004/信越化学工業社)1質量部とタルク(EX−15/ヤマグチマイカ社製)99質量部と水10質量部とを雷潰機にて3時間混合し、90℃で3時間加熱した。その後、アトマイザーにて粉砕処理し、アミノ変性シリコーン処理タルク(1%処理)を得た。
製造例4[アミノ変性シリコーン処理タルク2の製造]
アミノ変性シリコーン(SF8451C/東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)1質量部とタルク(JA−13R/浅田製粉社製)99質量部をスーパーミキサーにて10分間混合し、70℃で5時間加熱した。その後、アトマイザーにて粉砕処理し、アミノ変性シリコーン処理タルク(1%処理)を得た。
実施例1〜12及び比較例1〜6:固形状ファンデーション
表1に示す組成の固形状ファンデーションを下記製造方法により調製し「塗布時の滑らかな伸び広がり」、「肌負担感(きしみ感)のなさ」、「膜白さのなさ」、「化粧持続効果」を下記〔評価方法1〕にて、「紫外線遮断効果」を〔評価方法2〕にて評価し、その結果を併せて表1に示した。
注1:MZ−500(テイカ社製)
注2:SF−15(堺化学工業社製)
注3:XZ−300F−LP(堺化学工業社製)
注4:XZ−300Fをラウリン酸亜鉛で1%処理した粉体
注5:製造例1
注6:製造例2
注7:Y-2300(ヤマグチマイカ社製)をアミノ変性シリコーン(KF867S/信越化学工業社)で0.5%処理
注8:Y-2300(ヤマグチマイカ社製)をアミノ変性シリコーン(KF867S/信越化学工業社)で3%
注9:SHADE LEAF A(酸化亜鉛:マイカ=1:1 メルク社製)
注10:MR−5GC(綜研化学社製)
注11:KSP−100(信越化学工業社製)
(製造方法)
A:成分1〜24を混合する。
B:Aに成分25〜29を加え、混合する。
C:Bをパルベライザーで粉砕する。
D:Cを金皿に圧縮成型し、固形状ファンデーションを得た。
〔評価方法1〕
化粧料評価専門パネル20名に、表1に記載の実施例及び比較例の固形状ファンデーションを使用してもらい、「塗布時の滑らかな伸び広がり」、「肌負担感(きしみ感)のなさ」、「膜白さのなさ」、化粧料塗布5時間後の状態での「化粧持続効果」、の其々の項目について、各自が以下の評価基準に従って5段階評価し試料毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
評価基準:
(評価結果) :(評点)
非常に良好 :5点
良好 :4点
普通 :3点
やや不良 :2点
不良 :1点
判定基準:
(評点の平均点) :(判定)
4.5以上 :◎
3.5以上〜4.5未満:○
1.5以上〜3.5未満:△
1.5未満 :×
〔評価方法2〕
40cmの透明テープ(3M社製)に、表1に記載の実施例及び比較例の固形状ファンデーション20mgを均一に塗布後、SPFアナライザー(Labsphere社製:UV−2000S)を用いて、280〜400nmの範囲におけるSPF値を測定し、以下の判定基準に従って判定した。
判定基準:
(SPF値) :(判定)
20以上 :◎
15以上から20未満 :○
10以上から15未満 :△
10未満 :×
表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜12の固形状ファンデーションは、「塗布時の滑らかな伸び広がり」、「肌負担感(きしみ感)のなさ」、「膜白さのなさ」、化粧料塗布5時間後の状態での「化粧持続効果」、「紫外線遮断効果」の全ての項目に優れたものであった。
これに対し、成分(a)を含有しない比較例1は、板状酸化亜鉛の分散性に劣り、「塗布時の滑らかな伸び広がり」、「肌負担感(きしみ感)のなさ」、「膜白さのなさ」、化粧料塗布5時間後の状態での「化粧持続効果」、「紫外線遮断効果」に劣っていた。比較例1では、成分(a)の代わりにジメチルポリシロキサンで処理した粉体を含有しているが、前記評価項目で劣っている。
成分(b)を含有していない比較例2では、「紫外線遮断効果」に特に劣っていた。
成分(b)の代わりに、不定形酸化亜鉛を含有した比較例3では、化粧料塗布5時間後の状態での「化粧持続効果」には優れるものの、「塗布時の滑らかな伸び広がり」、「肌負担感(きしみ感)のなさ」、「膜白さのなさ」、「紫外線遮断効果」に劣っていた。
成分(a)、(b)の代わりに、複合化した不定形酸化亜鉛被覆マイカを含有した比較例4では、特に、化粧料塗布5時間後の状態での「化粧持続効果」に劣り、「塗布時の滑らかな伸び広がり」、「肌負担感(きしみ感)のなさ」、「膜白さのなさ」、「紫外線遮断効果」の項目においても劣っていた。また、成分(b)の板状酸化亜鉛の平均粒子径が1000nmである場合、その粒子径の大きさから、「膜白さのなさ」、「紫外線遮断効果」において特に劣っていた。更に、成分(b)の代わりに、アスペクト比が1.2である柱状酸化亜鉛を含有した比較例6では、アスペクト比が小さいことから、「膜白さのなさ」、「紫外線遮断効果」において特に劣っていた。
実施例13:粉末状白粉
(成分) (%)
1.製造例2のアミノ変性シリコーン処理マイカ 30
2.板状酸化亜鉛(平均粒子径500nm) 30
3.黄酸化鉄 0.2
4.ベンガラ 0.1
5.黒酸化鉄 0.05
6.N−ラウロイルリシン(注12) 4
7.架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体 10
8.ジメチルポリシロキサン(3%)処理タルク 残量
9.窒化ホウ素 2
10.メタクリル酸メチルクロスポリマー(注9) 5
11.メチルパラベン 0.1
12.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 1
13.イソノナン酸イソトリデシル 0.5
14.香料 0.1
注12:アミホープLL(味の素社製)
(製造方法)
A:成分1〜11を混合する。
B:Aに成分12〜14を混合する。
C:Bを粉砕する。
D:Cを容器に充填して粉末状白粉を得た。
本発明の実施例13の粉末状白粉は、「塗布時の滑らかな伸び広がり」、「肌負担感(きしみ感)のなさ」、「膜白さのなさ」、化粧料塗布5時間後の状態での「化粧持続効果」、「紫外線遮断効果」の全ての項目に優れるものであった。
実施例14:固形状頬紅
(成分) (%)
1.製造例1のアミノ変性シリコーン処理酸マイカ 5
2.製造例3のアミノ変性シリコーン処理タルク 15
3.板状酸化亜鉛(平均粒子径300nm) 10
4.赤色226号 0.5
5.オクチルトリエトキシシラン(5%)処理セリサイト 30
6.ナイロンパウダー(粒子径10μm) 5
7.窒化ホウ素 5
8.タルク 残量
9.シリコーンエラストマー粉末(注13) 1
10.ミリスチン酸亜鉛 1
11.雲母チタン(注14) 4
12.メチルパラベン 0.2
13.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5
14.ジメチルポリシロキサン(注15) 3
15.流動パラフィン 3
16.ヒアルロン酸Na 0.01
17.コラーゲン 0.01
18.香料 0.05
注13:トレフィルE−506C(東レダウコーニング社製)
注14:TIMIRON STARLUSTER MP−115(メルク社製)
注15:KF−96(6cs)(信越化学工業社製)
(製造方法)
A:ヘンシェルミキサーで成分1〜12を混合する。
B:Aに成分13〜18を混合する。
C:Bをパルベライザーで粉砕する。
D:Cを樹脂皿に充填し、加圧成形して固形状頬紅を得た。
本発明の実施例14の固形状頬紅は、「塗布時の滑らかな伸び広がり」、「肌負担感(きしみ感)のなさ」、「膜白さのなさ」、化粧料塗布5時間後の状態での「化粧持続効果」、「紫外線遮断効果」の全ての項目に優れるものであった。
実施例15:固形状アイブロウ
(成分) (%)
1.製造例4のアミノ変性シリコーン処理酸化タルク 10
2.板状酸化亜鉛(平均粒子径100nm) 10
3.マイカ 10
4.ジメチルポリシロキサン(3%)処理タルク 30
5.ベンガラ 1
6.黄酸化鉄 6
7.黒酸化鉄 2
8.N−ラウロイルリシン(注11) 1
9.合成ワックス 1
10.リン脂質(1%)処理セリサイト 残量
11.シリカ 5
12.デヒドロ酢酸Na 0.3
13.水添ポリデセン 2
14.ポリヒドロキシステアリン酸 0.2
15.ヒドロキシステアリン酸コレステリル 1.5
16.酢酸トコフェロール 0.05
17.香料 0.05
(製造方法)
A:成分1〜11をスーパーミキサーで均一に混合する。
B:成分12〜17を70℃に加熱溶解し、Aに添加する。
C:Bを粉砕処理する。
D:Cを樹脂皿にプレス充填して固形状アイブロウを得た。
本発明の実施例15の固形状アイブロウは、「塗布時の滑らかな伸び広がり」、「肌負担感(きしみ感)のなさ」、「膜白さのなさ」、化粧料塗布5時間後の状態での「化粧持続効果」、「紫外線遮断効果」の全ての項目に優れるものであった。
実施例16:固形状アイシャドウ
(成分) (%)
1.製造例2のアミノ変性シリコーン処理マイカ 10
2.板状酸化亜鉛(平均粒子径300nm) 10
3.製造例4のアミノ変性シリコーン処理タルク 10
4.赤色202号 1
5.黄色4号 0.2
6.黄酸化鉄 0.1
7.ベンガラ 0.5
8.シリコーン処理ケイ酸・酸化チタン被覆雲母(注16) 10
9.雲母チタン(注17) 10
10.酸化鉄被覆雲母チタン(注18) 5
11.二酸化チタン被覆合成金雲母(注19) 10
12.二酸化チタン被覆ホウケイ酸(注20) 5
13.ジメチルポリシロキサン(3%)セリサイト 残量
14.セスキステアリン酸ソルビタン 1
15.重質イソパラフィン 3
16.リンゴ酸ジイソステアリル 4
17.炭酸ジアルキル(C13〜16) 4
18.ラベンダー油 0.1
19.テトラヘキシルデカン酸アスコルビル 0.1
注16:ジメチルポリシロキサン(3%)処理チミロンスプレンディドバイオレット(メルク社製)
注17:FLAMENCO ULTRA SPARKLE 4500(BASF社製)
注18:DUOCROME RY(BASF社製)
注19:HELIOS R100S(トピー工業社製)
注20:メタシャイン MT1080RR(日本板硝子社製)
(製造方法)
A:成分1〜13を均一に混合する。
B:成分14〜17を70℃に加熱溶解する。
C:AにBと成分18、19を混合する。
D:Cをふるいで処理する。
E:Dを金皿にプレス充填し固形状アイシャドウを得た。
本発明の実施例16の固形状アイシャドウは、「塗布時の滑らかな伸び広がり」、「肌負担感(きしみ感)のなさ」、「膜白さのなさ」、化粧料塗布5時間後の状態での「化粧持続効果」、「紫外線遮断効果」の全ての項目に優れるものであった。
実施例17:粉末状ボディパウダー
(成分) (%)
1.製造例1のアミノ変性シリコーン処理マイカ 35
2.板状酸化亜鉛(平均粒子径80nm) 35
3.赤色226号 0.1
4.黄色4号 0.2
5.黒酸化鉄 0.05
6.ベンガラ 0.2
7.シリコーン樹脂粉末(注21) 7
8.タルク 残量
9.多孔質シリカ(注22) 5
10.香料 1
11.L−メントール 0.3
12.カンファ 0.02
13.乳酸メンチル 0.2
注21:トスパール150KA(東レ・ダウコーニング社製)
注22:サイロスフェアC−1504(富士シリシア社製)
(製造方法)
A:成分1〜9をヘンシェルミキサーで均一に混合する。
B:Aに成分10〜13を加え均一に混合する。
C:Bを容器に充填し、粉末状ボディパウダーを得た。
本発明の実施例17の粉末状ボディパウダーは、「塗布時の滑らかな伸び広がり」、「肌負担感(きしみ感)のなさ」、「膜白さのなさ」、化粧料塗布5時間後の状態での「化粧持続効果」、「紫外線遮断効果」の全ての項目に優れるものであった。

Claims (5)

  1. 次の成分(a)及び成分(b);
    (a)アミノ変性シリコーン処理粉体
    (b)平均粒子径が30nm以上、かつ1000nm未満でアスペクト比が3.0以上の板状酸化亜鉛(但し、アミノ変性シリコーンで処理されたものを除く
    を含有し、成分(a)と(b)の含有質量比が1:3〜3:1であることを特徴とする粉体化粧料。
  2. 前記成分(b)の平均粒子径が60〜500nmの板状酸化亜鉛である請求項1記載の粉体化粧料。
  3. 前記成分(a)の平均粒子径が15〜45μmである請求項1又は2に記載の粉体化粧料。
  4. 前記成分(a)が板状粉体である請求項1〜3の何れかに記載の粉体化粧料。
  5. 前記成分(b)が疎水化処理されているものである請求項1〜の何れかに記載の粉体化粧料。
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