JP6114066B2 - 固形粉末化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、粉体を主成分とする化粧料基材と溶媒を混合して容器に充填した後、該溶媒を除去することにより得られる固形粉末化粧料において、アミノ変性シリコーンで処理した粉体と平均粒子径1〜30μmのポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末とを含有することを特徴とする固形粉末化粧料に関するものであり、更に詳しくは、使用時の化粧料の取れやすさに優れ、塗布時の伸び広がりが良く膜の均一性に優れ、塗布後に透明感のある化粧膜が得られ、重ね付けによる発色に優れ、さらに化粧持ちに優れる固形粉末化粧料に関するものである。
固形粉末化粧料はアイシャドウやチーク、アイブロウ、ファンデーション、白粉などのメイクアップ化粧料やボディーパウダー、制汗剤等に使用されている剤形である。固形にするための成型性や耐衝撃性という品質と使用性や使用感の品質を両立させるために検討がなされてきた。
例えば、デンプン被覆処理粉体を用いることにより、化粧膜の均一性や化粧持ち等を向上させる技術(特許文献1)や、ポリエチレンテレフタレート粉体を用いることにより、成型性と伸びの良さや色くすみのなさ、化粧持ち等を向上をさせる技術(特許文献2)等があった。
しかしながら、特許文献1の技術では、化粧持ちを向上させるために、処理粉体量をアップさせると、化粧料が取れにくくなってしまい、満足のいく使用感を得ることが困難であった。更に、化粧膜の透明感が不足していた。また、特許文献2の技術では、溶媒を用いてその溶媒を除去して成型する技術に応用した場合、成型性は向上するものの、取れが悪くなる場合があった。特に塗布具や指を用いて使用する際、硬すぎて化粧料の取れが悪くなると、発色が得られず、何度重ねて塗布しても所望の色が得られなくなる問題点や、逆に柔らかくて化粧料が取れすぎると、だまになり均一な化粧膜や透明性のある化粧膜を形成することができなくなる問題点についてはまだ解消されていなかった。
特開2011−140444号公報 特開2008−63305号公報
特にメイクアップ化粧料においては、固形化粧料の成型性や耐衝撃性を向上することはもちろんのこと、使用時の化粧料の取れの良さ、塗布時においては伸び広がりが良く均一な化粧膜になることや、重ね付けに伴い発色が高くなっていくことが非常に重要な品質であり、さらに時間がたっても化粧を施した直後の状態が維持される化粧持ちの機能も重要な品質として求められてきている。これらの品質を満たす固形粉末化粧料を得ることが望まれていた。
更に、化粧料基材と混合する溶媒として、揮発性の有機溶媒と、水やアルコール等の溶媒との違いで成型性や耐衝撃性、使用感、使用性等の品質が異なる場合があるため、溶媒の違いで品質が劣ることがないものが望まれていた。
かかる実情に鑑み、本発明者は、鋭意検討した結果、アミノ変性シリコーンで処理した粉体と平均粒子径1〜30μmのポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末とを含有することにより、ポリエチレンテレフタレートのカルボニル基とアミノ変性シリコーンのアミノ基との静電的相互作用により、肌上でのスライド性に優れ、透明感のある化粧膜を形成する特性を持ったポリエチレンテレフタレートの特性を活かすことができ、分散性が向上して、塗布時の化粧膜の伸び広がりがよくなり膜の均一性と透明感が向上し、さらに経時での化粧膜の局在化などの化粧崩れを抑制する効果に優れる固形粉末化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)粉体を主成分とする化粧料基材と溶媒を混合して容器に充填した後、該溶媒を除去することにより得られる固形粉末化粧料において、
該化粧料基材が、次の成分(A)及び(B);
(A)アミノ変性シリコーンで処理した粉体
(B)平均粒子径1〜30μmのポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末
を含有することを特徴とする固形粉末化粧料を提供するものである。
(2)また、前記成分(A)を1〜95質量%含有することを特徴とする前記(1)に記載の固形粉末化粧料を提供するものである。
(3)また、前記成分(B)を0.5〜60質量%含有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の固形粉末化粧料を提供するものである。
(3)また、前記成分(A)のアミノ変性シリコーンで処理した粉体が、粉体100質量部に対し、アミノ変性シリコーンを0.1〜10質量部で処理するものであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の固形粉末化粧料を提供するものである。
本発明の固形粉末化粧料は、使用時の化粧料の取れやすさに優れ、塗布時の伸び広がりが良く膜の均一性に優れ、塗布後に透明感のある化粧膜が得られ、重ね付けによる発色に優れ、さらに化粧持ちに優れる固形粉末化粧料に関するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において固形粉末化粧料とは、粉体を主成分とする化粧料基材と溶媒を混合して容器に充填した後、該溶媒を除去することにより得られる化粧料を意味する。ここで、溶媒は特に限定されないが、揮発性の溶媒が好ましく、化粧料に通常使用される水、アルコール、炭化水素油、シリコーン油等が好ましい。本発明の固形粉末化粧料中の粉体の含有量は、特に限定されないが、一般的に30〜95質量%であることが好ましい。
本発明に用いる成分(A)アミノ変性シリコーンで処理した粉体(以下、「アミノ変性シリコーン処理粉体」ということがある。)を調製するために用いられるアミノ変性シリコーンとしては、アミノ基又はアンモニウム基を有しているシリコーンであればよく、末端水酸基の全て又は一部がメチル基等で封鎖されたアミノ変性シリコーンオイル、末端が封鎖されていないアモジメチコンのどちらでもよい。例えば、好ましいアミノ変性シリコーンとしては、以下の一般式(1)で表されるものが挙げられる。
〔式中、Rは水酸基、水素原子又はRを示し、Rは置換又は非置換の炭素数1〜20の一価炭化水素基を示し、XはR、−Q−NH(CHNH、−OR又は水酸基を示し、Qは炭素数1〜8の二価炭化水素基を示し、nは1〜5の数を示し、p及びqはその和が数平均で2以上2000未満、好ましくは20以上2000未満、更に好ましくは30以上1000未満となる数を示す。〕
上記アミノ変性シリコーンのアミノ当量は、好ましくは200g/mol〜3万g/mol、更に好ましくは500g/mol〜1万g/mol、更に好ましくは600g/mol〜5000g/molである。
ここで、アミノ当量とは、アミノ基又はアンモニウム基1個当たりのシロキサン骨格の質量を意味している。表記単位のg/molはアミノ基又はアンモニウム基1mol当たりに換算した値である。従って、アミノ当量の値が小さいほど分子内でのアミノ基又はアンモニウム基の比率が高いことを示している。
また、このものの粘度は、粉体が均一に被覆され、粉体分散性の向上が得られるという点から、100〜3000mm/s(25℃)の範囲のものであることが好ましい。
また、上記アミノ変性シリコーンの好適な市販品の具体例としては、SF8451C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,粘度600mm/s,アミノ当量1700g/mol)、SF8452C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,粘度700mm/s,アミノ当量6400g/mol)、SF8457C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,粘度1200mm/s,アミノ当量1800g/mol)、KF8003(信越化学工業社製,粘度1850mm/s,アミノ当量2000g/mol)、KF8004(信越化学工業社製,粘度800mm/s,アミノ当量1500g/mol)、KF867S(信越化学工業社製,粘度1300mm/s,アミノ当量1700g/mol)、XF42−B8922(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製,粘度70000mm/s,アミノ当量13000g/mol)等のアミノ変性シリコーンオイルや、SM8704C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,アミノ当量1800g/mol)等のアモジメチコーンエマルションが挙げられる。(以上、粘度は25℃における値である。)
上記アミノ変性シリコーンは25℃で液状のものが好ましく、エマルションの形で使用してもよい。このアミノ変性シリコーンのエマルションは、例えば、アミノ変性シリコーンと溶媒を高剪断で機械混合したものや、アミノ変性シリコーンを水及び乳化剤で乳化したもの、若しくはこれらの組み合わせによって、又は乳化重合によっても調製することができる。
成分(A)のアミノ変性シリコーン処理粉体の調製における、アミノ変性シリコーンの処理量は特に限定されないが、処理される粉体100質量部に対し、アミノ変性シリコーンを0.1〜10質量部で処理するものが、伸び広がり、経時での化粧崩れの抑制効果の観点から好ましく、更に、粉体に対し、0.5〜7質量部がそれらの効果が特に顕著であるためさらに好ましい。
一方、アミノ変性シリコーンで表面処理される粉体は、通常化粧料に使用される粉体であれば特に限定されず、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。
具体的には、酸化チタン、黒色酸化チタン、酸化セリウム、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、有機顔料被覆マイカチタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリスチレンパウダー、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーパウダー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーパウダー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、酸化チタン含有シリカ、酸化亜鉛含有シリカ等の複合粉体類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
その中でも成分(A)の分散性向上効果(伸び広がりや化粧膜の透明性)の観点から酸化チタン、酸化亜鉛、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、無水ケイ酸、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、硫酸バリウムなどの無機粉体が好ましく、その中でも板状粉体がより好ましい。具体的にはマイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、板状硫酸バリウム、板状硫酸カルシウムなどが好ましい。
また、平均粒径は、粉体分散性や使用性において、0.5〜200μmが好ましく、更に好ましくは1〜150μmである。なお、本発明において平均粒径とは、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用い、水中分散状態で測定された粉体の幅と長さの装置上の平均値(積算体積50%の平均粒径値)をいう。
本発明の、アミノ変性シリコーン処理粉体(成分(A))は、アミノ変性シリコーンを溶媒に分散させ粉体表面に被覆処理させるか、粉体とアミノ変性シリコーンを接触させ必要に応じ溶媒等を用い、機械力を用いて粉体表面に被覆処理させることにより得られる。
これらの粉体表面をアミノ変性シリコーンで被覆処理する方法としては、特に限定されるものではなく、通常公知の処理方法が用いられる。具体的には、直接粉体と混合する方法や、アミノ変性シリコーンを水、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ヘキサン、軽質イソパラフィン、ベンゼン、トルエン等の溶媒を用いる方法が挙げられる。更に、気相法、メカノケミカル法等も挙げることができる。メカノケミカル法のなかでも、雷潰機、加圧式ニーダー、ミックスマラー、ローラミル、バンバリーミキサー、石臼等のずりせん断式加圧状態でずり剪断力が加えられる機構を有した混練機を用いる方法が好ましい。
特に好ましい一態様としては、ずりせん断式低速混練機を用いる方法であり、例えば、アミノ変性シリコーンと粉体と溶媒とを雷潰機等を用い混合し、70℃〜120℃に加熱して、その後解砕する方法が挙げられる。
また、他の好ましい一態様として、アミノ変性シリコーンを揮発性溶剤中に溶解した後に粉体と混合し、溶剤を乾燥除去し、または乾燥除去する時に70℃〜120℃に加熱して、その後解砕する方法が挙げられる。このうち、ずりせん断式低速混練機を用いて、アミノ変性シリコーンと粉体を混合後、70℃〜120℃に加熱してから解砕したアミノ変性シリコーン被覆粉末が特に好ましい。
上記のようにアミノ変性シリコーンで被覆された粉体を70℃〜120℃程度に加熱することは、アミノ変性シリコーン中のアミノ基及びシロキサン結合の酸素原子が粉体表面とより強固に相互作用し、撥水性や伸び広がり、経時での化粧持ちが向上するため好ましい。また、溶媒を用いて混練することにより、混練中に基材の表面を強摩擦で擦過傷を作り、新たに露出した活性点に静電吸着することができ粉体表面への被覆が向上するため、伸び広がりや経時での化粧持ちが向上し好ましい。
以上説明したアミノ変性シリコーン処理粉体(成分(A))の市販品例としては、粉体である雲母を処理したものとして、「マイカ Y−2300WA3」(ヤマグチマイカ社製)(平均粒径19μm)、タルクを処理したものとして、「EX−15WA3」(ヤマグチマイカ社製)(平均粒径15μm)をあげることができる。
本発明の成分(A)は、本発明を妨げない範囲で他の処理剤、例えば脂肪酸や、金属石鹸、フッ素化合物などと同時に処理することもできる。また、本発明の成分(A)は、本発明の効果を妨げない範囲で、本願のアミノ変性シリコーン以外の処理剤で処理された粉体や、未処理の粉体を用いることができる。
本発明の固形粉末化粧料における成分(A)の含有量は特に限定されないが、使用時の化粧料の取れやすさに優れ、塗布時の伸び広がりが良く膜の均一性に優れる観点において、1〜95質量%(以下、単に「%」で示す。)が好ましく、更に好ましくは5〜90%であり、全粉体中では、3〜99%が好ましく、5〜70%が更に好ましい。
本発明の固形粉末化粧料に成分(B)として用いられる平均粒子径1〜30μmのポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末は、ポリエチレンテレフタレートを微粉砕して得た粉末である。例えば、結晶質と非晶質とからなるポリエチレンテレフタレートを、水酸化ナトリウムなどの解重合触媒の存在下又は不存在でエチレングリコールと接触せしめ、その非晶質部分を解重合させて溶出させ、多孔質状ポリエチレンテレフタレートとなし、この多孔質状ポリエチレンテレフタレートをロッドミル、ボールミル、ハンマーミル、円盤型ミル、ジェットミルなどの粉砕機で平均粒径1〜30μmに微粉砕して得ることができる(特開2006−328251号公報参照)。また、ポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末は、ポリエチレンテレフタレート樹脂を結晶化させ、まず平均粒径が500μm程度になるまで粗粉砕し、その後冷風を供給しつつ平均粒径10〜30μm微粉砕して得ることもできる(特開2007−77259号公報参照)。
本発明で用いるポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末は、粉砕により微粒化されたポリエチレンテレフタレートであるから、その形状は不定形である。本発明でポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末を配合することにより、この固形粉末化粧料の肌上でのスライド感や透明感、また耐衝撃性を向上させることができる。ポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末の平均粒子径は、1〜30μmであり、好ましくは5〜10μmである。ポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末の平均粒子径が1μm未満の場合、塗布時の伸び広がりのよさを十分に発揮することができず、30μmを超える場合、膜の均一性や耐衝撃性を十分に向上させることができない。このポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末の市販品としてはスノーリーフP(オーケン社製)などがある。
本発明の固形粉末化粧料へのポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末の含有量は、特に限定されないが、塗布時の伸び広がりが良く膜の均一性に優れ、塗布後に透明感のある化粧膜が得られ、重ね付けによる発色に優れる観点において、0.5〜60%が好ましく、更に好ましくは1〜30%である。
本発明の固形粉末化粧料には、上記各成分の他に、通常、化粧料に使用される成分、成分(A)、(B)以外の粉体、界面活性剤、油剤、紫外線吸収剤、油ゲル化剤、水溶性高分子やアルコール等の水性成分、トリメチルシロキシケイ酸等の油溶性被膜形成剤、パラオキシ安息香酸誘導体、フェノキシエタノール等の防腐剤、ビタミン類、美容成分、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有することができる。
粉体としては通常、化粧料に用いられる粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、ラメ類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、合成金雲母、雲母、セリサイト、タルク、カオリン、酸化チタン、黒酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、無水ケイ酸被覆雲母チタン、紺青処理雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、酸化鉄被覆無水ケイ酸、魚鱗箔、酸化チタン被覆ガラス末、酸化鉄酸化チタン被覆ガラス末、無水ケイ酸酸化チタン被覆ガラス末、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末等の樹脂積層末のラメ剤、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロースパウダー、N−アシルリジンパウダー等の有機粉体類、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体類、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体類、アルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有無水ケイ酸、酸化亜鉛含有無水ケイ酸等の複合粉体等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。尚、これら粉体は、成分(A)で用いられるアミノ変性シリコーン処理以外の処理で、フッ素化合物、シリコーン化合物、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素、水性高分子等の通常公知の処理剤により表面処理を施して用いても良い。
界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン等の非イオン性界面活性剤類、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸及びそれらの無機または有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩等の陰イオン性界面活性剤類、アルキルアミン塩、ポリアミンおよびアルカノイルアミン脂肪酸誘導体、アルキルアンモニウム塩、脂環式アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤類、リン脂質、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。
油剤としては、例えば、パラフィンワックス、セレシンワックス、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャトロプスワックス、ポリエチレンワックス、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素系類、カルナウバロウ、ミツロウ、ラノリンワックス、キャンデリラ等の天然ロウ類、2−エチルヘキサン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、リンゴ酸ジイソステアアリル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)等のエステル類、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類、N−ラウロイルーL−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のアミノ酸誘導体類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、通常、化粧料に用いられるものであれば何れでもよく、例えば、ベンゾフェノン系としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリアニリノ−パラ−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス[{4−(2−エチルヘキシロキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−(1,3,5)−トリアジン、2−2‘−メチレン−ビス−{6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3、−テトラメチルブチル)フェノール}等が挙げられ、PABA系としては、p−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸グリセリル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミル、p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、p−ジヒドロキシプロピル安息香酸エチル、2−{4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル}安息香酸ヘキシル等が挙げられ、ケイ皮酸系としては、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−メトキシケイ皮酸−2−エトキシエチル等が挙げられ、サリチル酸系としてはサリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメンチル等、ジベンゾイルメタン系としては、4−tert−4’−メトキシジベンゾイルメタン等、また、2−2‘−メチレン−ビス−{6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3、−テトラメチルブチル)フェノール}等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。
油ゲル化剤としては、通常、化粧料に用いられるものであれば何れでもよく、例えば、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。
水性成分としては、水や水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール等の低級アルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等が挙げられ、水溶性高分子としては、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体類、アルギン酸ソーダ、カラギーナン、クインスシードガム、寒天、ゼラチン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ペクチン、ジェランガム等の天然高分子類、ポリビニルアルコール、カルボシキビニルポリマー、アルキル付加カルボシキビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸グリセリンエステル,ポリビニルピロリドン等の合成高分子類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、フェノキシエタノール等が挙げられる。
本発明は、粉体を主成分とする化粧料基材と溶媒を混合して容器に充填した後、該溶媒を除去することにより得られる固形粉末化粧料であり、上記した必須成分を含む各種成分を化粧料基材として用いることができる。
本発明の成型方法としては、特に限定されないが、例えば、揮発性溶媒と混合して流動性を持たせた化粧料基材を、金皿等の容器に充填し、揮発性溶媒を除去して成型することができる。
本発明に用いられる溶媒としては、常圧における沸点が260℃以下の揮発性化合物が好ましく、具体的には、水、もしくはエチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールのような低沸点アルコール、イソドデカン、イソヘキサデカン、軽質流動イソパラフィン等の低沸点炭化水素油、低重合度のジメチルポリシロキサン、メチルトリメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の低沸点の鎖状もしくは環状シリコーン油、低沸点パーフルオロポリエーテル等の低沸点フッ素化合物等が挙げられ、これらは単独もしくは二種以上の混合物として用いられる。また、水に化粧料基剤の油性成分を分散させた、エマルジョンの形態にして使用することもできる。
本発明における、溶媒の混合量は、成型前の混合物を容器又は中皿に充填するために、流動性を付与する程度に任意に選択されるが、化粧料基材100質量部(以下、単に「部」と示す。)に対して溶媒10〜150部を用いることが好ましい。この範囲であれば、溶媒の除去が良好である。
また、本発明における流動性とは、粉体を主成分とする化粧料基材を、溶媒と混合した際、混合物の入った容器を傾けることにより、混合物が流れる状態のことを意味する。
本発明の固形粉末化粧料の調製方法において、溶媒を除去する方法は、特に限定されず、通常公知の方法を用いることができ、そのまま乾燥したり、化粧料基材と溶媒を混合して充填後に加圧し、揮発性溶媒を吸収体あるいは排出孔を通して除去したりする方法を採用することが好ましい。例えば、前記化粧料基材と溶媒との混合物を容器又は中皿に充填する際、表面を平滑にするために、パッド等を用いて弱くプレスすることが好ましいが、そのプレス時に、多孔質プレスヘッドや吸収体を用いて、溶媒を吸収させることもできる。また、乾燥により溶媒を除去することも可能であり、そのための条件は、溶媒の沸点や比熱に応じて適宜設定されるが、例えば、軽質流動イソパラフィンの場合、50〜70℃にて10〜20時間程度である。
例えば、成分(A)の粉体と成分(B)とを含む化粧料基剤と揮発性溶媒とを混合し、スラリー状にした後、皿状容器に充填し、多孔質プレスヘッド等の吸収体を用いて圧縮しながら揮発性溶媒を回収する。その際、表面を平滑にするためにパッド等を用いてプレスすることが好ましい。
本発明の固形粉末化粧料は、メイクアップ化粧料、スキンケア化粧料などに応用することができ、目的に応じて種々の形状に成型し、製品形態とすることができる。形状としては、ドーム状、半球状、円錐状、角錐状、ダイヤモンドカット状、または、ブランドのロゴや様々な模様により表面を凹凸にする等の多種多様な形状が挙げられ、製品形態としては、ファンデーション、頬紅、白粉、アイシャドウ、アイライナー、アイブロウ、ボディーパウダーなどが挙げられる。特に、アイライナー、アイカラー、アイブロウ等のアイメイクアップ化粧料において、発色の効果をより発揮できる点で好ましい。更には、アイシャドウでよりその効果が顕著に現れるため好ましい。
次に、アミノ変性シリコーン処理粉体製造例および本発明の実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
製造例 1
アミノ変性シリコーン処理酸化チタンの製造
アミノ変性シリコーン(KF8003/信越化学工業社)5質量部をイソプロピルアルコール70質量部に溶解し、そこに酸化チタン(CR−50:平均粒径0.25μm/石原産業社製)を95質量部添加した。それをスーパーミキサー(SMP−2/カワタ社製)により混合した後、80℃でイソプロピルアルコールを蒸発乾燥した。この乾燥物をアトマイザー(LM−05/ダルトン社製)にて解砕処理し、粉末状のアミノ変性シリコーン処理二酸化チタン(5%処理)を得た。
製造例 2
アミノ変性シリコーン処理マイカの製造
アミノ変性シリコーン(KF867S/信越化学工業社製)3質量部とマイカ(Y‐2300:平均粒径19μm/ヤマグチマイカ社製)97質量部と水10質量部とを雷潰機(ZOD型/石川工場社製)にて、3時間混合し、100℃で4時間加熱した。その後、アトマイザー(LM−05/ダルトン社製)にて解砕処理し、粉末状のアミノ変性シリコーン処理マイカ(3%処理)を得た。
製造例 3
アミノ変性シリコーン処理タルクの製造(1)
アミノ変性シリコーン(KF8004/信越化学工業社)3質量部とタルク(EX−15:平均粒径15μm/ヤマグチマイカ社製)97質量部と水10質量部とを雷潰機にて3時間混合し、90℃で3時間加熱した。その後、アトマイザー(LM−05/ダルトン社製)にて解砕処理し、粉末状のアミノ変性シリコーン処理タルク(3%処理)を得た。
製造例 4
アミノ変性シリコーン処理タルクの製造(2)
アミノ変性シリコーン(SF8451C/東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)2質量部とタルク(JA−13R:平均粒径6μm/浅田製粉社製)98質量部をスーパーミキサーにて10分間混合し、70℃で5時間加熱した。その後、アトマイザー(LM−05/ダルトン社製)にて解砕処理し、粉末状のアミノ変性シリコーン処理タルク(2%処理)を得た。
実施例1〜5及び比較例1〜6:アイカラー
表1に示す組成のアイカラーを下記製造方法により調製した。また、下記評価方法により使用感、使用性及び化粧持ちについて評価した。その結果を併せて表1に示した。
*1:製造例2のアミノ変性シリコーン処理マイカ
*2:Y−2300(ヤマグチマイカ社製)
*3:マイカ(Y-2300)をジメチコンで3%処理したもの
*4:マイカ(Y-2300)を(アクリレーツ/アクリル酸トリデシル/メタクリル酸トリエトキシシリルプロピル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマーで5%処理したもの
*5:スノーリーフP(オーケン社製)
*6:クロイゾネルージュフランベ(BASF社製)
*7:T.I.O(日清オイリオ社製)
*8:IPソルベント1620MU(出光興産社製)
(製造方法)
A:成分1〜12を混合する。
B:Aに成分13、14を加えて均一分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
C:化粧料基材に溶媒(成分15〜17)を添加し、混合した。
D:Cを金皿に充填後、圧縮成型して、一昼夜乾燥した後、揮発性溶媒を除去してアイカラーを得た。
〔評価方法〕
下記評価項目について各々下記方法により評価を行った。
(評価項目)
イ.化粧料の取れの良さ
ロ.膜の透明性
ハ.発色
ニ.膜の均一性
ホ.化粧持ち
化粧料評価専門パネル20名に、表1に記載の実施例及び比較例のアイカラーを塗布具(チップ)で瞼に塗布してもらい、使用時の「化粧料の取れの良さ」、塗布時の化粧膜の「膜の透明感」、重ね塗りしたときの「発色」、「膜の均一性」を評価した。「化粧持ち」については、化粧料塗布5時間後の状態について評価した。其々の項目について、各自が以下の評価基準に従って5段階評価し試料毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を下記の判定基準に従って判定した。
評価基準:
[評価結果] :[評点]
非常に良好 :5点
良好 :4点
普通 :3点
やや不良 :2点
不良 :1点
判定基準:
[評点の平均点] :[判定]
4.5以上 :◎
3.5以上〜4.5未満:○
1.5以上〜3.5未満:△
1.5未満 :×
表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜5のアイカラーは「化粧料の取れの良さ」、「膜の透明感」、「発色」、「膜の均一性」、「化粧持ち」の全ての項目に優れたものであった。チップへの取れは適度な量をとることができ、使用性にも非常に優れたものであった。
これに対して、成分(A)のアミノ変性シリコーンで表面処理した粉体のかわりに未処理のマイカを用いた比較例1、ジメチコン処理マイカを用いた比較例2、及びアクリレートシリコーン処理マイカを用いた比較例3は共に、化粧料が固くなり過ぎてしまい、取れと発色が劣っていた。
更に、成分(B)のポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末のかわりにタルクを用いた比較例4〜6は、膜の透明感と均一性が劣っており、化粧料が多く取れすぎてしまい、使用感が劣っていた。このような傾向は、特に水やアルコールを溶媒にしたものについて、実施例との差が激しかった。
(実施例6)白粉
(成分) (%)
1.製造例1のアミノ変性シリコーン処理酸化チタン 20
2.ポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末 *5 10
3.セリサイト 残量
4.硫酸バリウム 5
5.無水ケイ酸 3
6.ナイロンパウダー *9 3
7.防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.2
8.ジイソステアリン酸ジグリセリル *10 3
9.モノイソステアリン酸ソルビタン 0.4
10.流動パラフィン 0.3
11.ローズマリーエキス 0.01
12.香料 0.1
*9:オルガソールEXD(平均粒子径10μm:アトフィナ・ジャパン社製)
*10:コスモール42V(日清オイリオグループ社製)
(製造方法)
A:成分1〜7を混合する。
B:成分8〜12を混合、70℃まで加熱し溶解する。
C:AにBを加えて均一分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
D:化粧料基材100部に対して、揮発性溶媒60部「IPソルベント1620MU(出光興産社製)」を添加し、混合した。
E:Dを金皿に充填後、多孔質プレスヘッドにて圧縮成型し、70℃で一昼夜乾燥し、揮発性溶媒を除去して白粉を得た。
実施例6の白粉は、(イ)化粧料の取れの良さ、(ロ)膜の透明感、(ハ)発色、(ニ)膜の均一性、(ホ)化粧持ちの全ての項目で優れた固形粉末化粧料であった。
(実施例7)ファンデーション
(成分) (%)
1.製造例1のアミノ変性シリコーン処理酸化チタン 10
2.アミノ変性シリコーン処理マイカ *11 3
3.セリサイト 残量
4.ポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末 *5 10
5.パーフルオロヘキシルエチルトリエトキシシラン3%処理
セリサイト 10
6.硫酸バリウム 5
7.無水ケイ酸 3
8.球状ポリスチレン 3
9.パーフルオロヘキシルエチルトリエトキシシラン3%処理
ベンガラ 0.5
10.パーフルオロヘキシルエチルトリエトキシシラン3%処理
黄酸化鉄 2
11.パーフルオロヘキシルエチルトリエトキシシラン3%処理
黒酸化鉄 0.2
12.防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.2
13.ジイソステアリン酸ジグリセリル *10 3
14.α―オレフィンオリゴマー *12 1
15.ワセリン 1
16.流動パラフィン 3
17.ヒアルロン酸 0.01
*11:マイカ Y−2300WA3(ヤマグチマイカ社製)
*12:ノムコートHP−30(日清オイリオグループ社製)
(製造方法)
A:成分1〜12を混合する。
B:成分13〜17を均一に混合する。
C:AにBを加えて均一分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
D:化粧料基材100部に対して、揮発性溶媒60部「IPソルベント1620MU(出光興産社製)」を添加し、混合した。
E:Dを樹脂皿に充填後圧縮成型し、70℃で一昼夜乾燥し、揮発性溶媒を除去してファンデーションを得た。
実施例7のファンデーションは、(イ)化粧料の取れの良さ、(ロ)膜の透明感、(ハ)発色、(ニ)膜の均一性、(ホ)化粧持ちの全ての項目で優れた固形粉末化粧料であった。
(実施例8)ボディーパウダー
(成分) (%)
1.製造例3のアミノ変性シリコーン処理タルク 40
2.ポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末 *5) 15
3.マイカ 残量
4.カオリン 1
5.合成金雲母 6
6.防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.2
7.ワセリン 1
8.トリ2−エチルヘサン酸グリセリル 2
9.流動パラフィン 2
10.オリーブ油 1
11.マカデミアナッツ油 1
12.香料 0.5
(製造方法)
A:成分1〜6を混合する。
B:成分7〜12を混合、70℃まで加熱し溶解する。
C:AにBを加えて均一分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
D:化粧料基材100部に対して、揮発性溶媒100部「精製水80部とエタノール20部」を添加し、混合した。
E:Dを樹脂皿に充填し、50℃で一昼夜乾燥し、揮発性溶媒を除去してボディーパウダーを得た。
実施例8のボディーパウダーは、(イ)化粧料の取れの良さ、(ロ)膜の透明感、(ニ)膜の均一性、(ホ)化粧持ちの全ての項目で優れた固形粉末化粧料であった。
(実施例9)アイブロウ
(成分) (%)
1.製造例4のアミノ変性シリコーン処理タルク 30
2.ポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末 *5 20
3.マイカ 残量
4.カオリン 1
5.黒色酸化鉄 6
6.防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.2
7.ワセリン 1
8.流動パラフィン 10
9.天然ビタミンE 0.1
10.香料 0.3
(製造方法)
A:成分1〜6を混合する。
B:成分7〜10を混合、70℃まで加熱し溶解する。
C:AにBを加えて均一分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
D:化粧料基材100部に対して、揮発性溶媒120部「精製水120部」を添加し混合した。
E:Dを金皿に充填後圧縮成型し、50℃で一昼夜乾燥し、揮発性溶媒を除去してアイブロウを得た。
実施例9のアイブロウは、(イ)化粧料の取れの良さ、(ロ)膜の透明感、(ハ)発色、(ニ)膜の均一性、(ホ)化粧持ちの全ての項目で優れた固形粉末化粧料であった。
(実施例10)頬紅
(成分) (%)
1.製造例2のアミノ変性シリコーン処理マイカ 30
2.ポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末 *5 30
3.セリサイト 残量
4.窒化硼素 5
5.酸化チタン被覆ガラス末 *13 1
6.赤色226 1
7.群青 0.1
8.黄酸化鉄 0.5
9.黒酸化鉄 0.1
10.ナイロンパウダー *9 3
11.防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.2
12.テトライソステアリン酸ジグリセリル *14 1.5
13.ジメチルポリシロキサン 10
14.トリイソオクタン酸グリセリド 10
15.バラ抽出液 0.01
16.香料 0.1
*13:メタシャイン(MC1080RB)(日本板硝子社製)
*14:コスモール44(日清オイリオグループ社製)
(製造方法)
A:成分1〜11を混合する。
B:成分12〜16を均一に混合する。
C:AにBを加えて均一分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
D:化粧料基材100部に対して、揮発性溶媒60部「IPソルベント1620MU(出光興産社製)」を添加し、混合して流動性を持たせた。
E:Dを金皿に充填後圧縮成型し、70℃で一昼夜乾燥し、揮発性溶媒を除去して頬紅を得た。
実施例10の頬紅は、(イ)化粧料の取れの良さ、(ロ)膜の透明感、(ハ)発色、(ニ)膜の均一性、(ホ)化粧持ちの全ての項目で優れた固形粉末化粧料であった。
(実施例11)アイカラー
(成分) (%)
1.アミノ変性シリコーン処理タルク *15 残量
2.アミノ変性シリコーン処理マイカ *11 10
3.合成金雲母 10
4.雲母チタン 30
5.ポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末 *5 3
6.酸化チタン被覆ガラス末 3
7.赤色202 1
8.黄色4 0.5
9.赤色酸化鉄 0.3
10.黄色酸化鉄 0.1
11.群青 0.5
12.黒酸化鉄 0.1
13.防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.2
14.ジイソステアリン酸ジグリセリル *10 2
15.リンゴ酸ジイソステアリル *16 20
16.スクラワン 1
*15:EX−15WA3(ヤマグチマイカ社製)
*16:コスモール222(日清オイリオ社製)
(製造方法)
A:成分1〜13を混合する。
B:成分14〜16を均一に混合する。
C:AにBを加えて均一分散し、粉砕後、化粧料基材を得た。
D:化粧料基材100部に対して、揮発性溶媒60部「IPソルベント1620MU(出光興産社製)」を添加し、混合して流動性を持たせた。
E:Dを金皿に充填後圧縮成型し、70℃で一昼夜乾燥し、揮発性溶媒を除去して頬紅を得た。
実施例11のアイカラーは、(イ)化粧料の取れの良さ、(ロ)膜の透明感、(ハ)発色、(ニ)膜の均一性、(ホ)化粧持ちの全ての項目で優れた固形粉末化粧料であった。

Claims (4)

  1. 粉体を主成分とする化粧料基材と溶媒を混合して容器に充填した後、該溶媒を除去することにより得られる固形粉末化粧料において、
    該化粧料基材が、次の成分(A)及び(B);
    (A)アミノ変性シリコーンで処理した粉体(但し、さらに油性成分で処理したものを除く
    (B)平均粒子径1〜30μmのポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末
    を含有することを特徴とする固形粉末化粧料。
  2. 前記成分(A)のアミノ変性シリコーンで処理した粉体を1〜95質量%含有することを特徴とする請求項1記載の固形粉末化粧料。
  3. 前記成分(B)の平均粒子径1〜30μmのポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末を0.5〜60質量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の固形粉末化粧料。
  4. 前記成分(A)のアミノ変性シリコーンで処理した粉体が、粉体100質量部に対し、アミノ変性シリコーンを0.1〜10質量部で処理するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固形粉末化粧料。
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