JP2018008910A - 日焼け止め化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗布後の肌の乾燥感・つっぱり感がなく、使用感に優れ、高い紫外線防御効果を有する日焼け止め化粧料の提供。【解決手段】N−アシルアミノ酸又はその塩で表面処理された微粒子酸化亜鉛、例えば平均一次粒子径が10〜150nmであり;1気圧下での沸点が200℃以下の揮発性油分;トリメチルシロキシケイ酸;を含有し、さらにポリエーテル変性シリコーン、又はポリグリセリン変性シリコーンをさらに含有することもある日焼け止め化粧料。前記N−アシルアミノ酸又はその塩が、Ca、Mg、Al、又はBaとの不溶化塩の形態と成って、微粒子酸化亜鉛の表面に存在するようにして成る、日焼け止め化粧料。【選択図】なし

Description

本発明は、日焼け止め化粧料に関する。さらに詳しくは、塗布後の肌の乾燥感及びつっぱり感がなく、使用感に優れ、高い紫外線防御効果を有する日焼け止め
化粧料に関する。
日焼け止め化粧料は、太陽光線中の紫外線を遮断し、紫外線から肌を防御する化粧料であり、紫外線量の多くなる春から夏に多用されることから、塗布時にのびがよく、べたつきのない良好な使用感が求められ、塗布後も長時間、肌上に存在し、紫外線防御効果が継続することが必要である。
さらに近年では、ウォーキングやランニング等野外でのスポーツが盛んに行なわれ、大量に発汗する環境下において、汗や水だけではなく、皮脂によっても紫外線防御膜が崩れやすくなることが生じ、化粧膜が均一に保てなくなることで、紫外線から肌を守る効果が低下する問題がある。
これらを改善するために、従来、種々の検討がなされており、化粧くずれがおきにくく、化粧持ちに優れた化粧料を得るために、酸化亜鉛やトリメチルシロキシケイ酸が用いられている。しかしながら、塗布後の肌に乾燥感・つっぱり感を感じ、塗布した化粧膜に違和感があるという課題があった。
これらの要求に答えるため、例えば、特許文献1では、トリメチルシロキシケイ酸、微粒子酸化亜鉛、ヒアルロン酸及び/又はその塩を含有する化粧料が、塗布後の肌の乾燥感・つっぱり感が抑制され、肌になめらかに均一に塗布できることが示されているものの、紫外線防御効果の維持や、耐水性の高さについては、十分ではなかった。
また、特許文献2には耐水効果が極めて高く、使用感に優れた日焼け止め化粧料が開示されている。特許文献2に記載の日焼け止め化粧料は、油中水型乳化製剤で耐水効果は非常に高いものの、皮脂の影響による紫外線防御膜の耐久性向上については示されていない。
特開2013−181009号公報 特開2014−88346号公報
本発明の目的は、柔軟な撥水膜を形成し、塗布後の肌の乾燥感・つっぱり感がなく、使用感に優れ、高い紫外線防御効果を有する日焼け止め化粧料を提供することにある。
本発明者らは、塗布後の肌の乾燥感・つっぱり感がなく、使用感に優れ、高い紫外線防御効果を有する日焼け止め化粧料について、鋭意検討を重ねた結果、本発明に想到した。
すなわち、本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、前記課題を解決するため、下記成分(A)〜(C)を含有することを特徴とする日焼け止め化粧料を提供するものである。
(A)N−アシルアミノ酸又はその塩で表面処理された微粒子酸化亜鉛
(B)1気圧下での沸点が200℃以下の揮発性油分
(C)トリメチルシロキシケイ酸
本発明に係る日焼け止め化粧料は、一実施の形態で、前記微粒子酸化亜鉛の平均一次粒子径は、10nm〜150nmとしている。
本発明に係る日焼け止め化粧料は、他の実施の形態で、前記N−アシルアミノ酸又はその塩が、Ca、Mg、Al、又はBaとの不溶化塩の形態と成って、微粒子酸化亜鉛の表面に存在するようにしている。
本発明に係る日焼け止め化粧料は、他の実施の形態で、前記成分(B)が、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、カプリリルメチコン、メチルトリメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のうち1種又は2種以上のシリコーン系揮発油分から選ばれたものとしている。
本発明に係る日焼け止め化粧料は、他の実施の形態で、成分(D)として、ポリエーテル変性シリコーン、又はポリグリセリン変性シリコーンをさらに含有することとしている。
本発明によれば、塗布後の肌の乾燥感・つっぱり感がなく、使用感に優れ、高い紫外線防御効果を有する日焼け止め化粧料が提供される。
以下、本発明に係る日焼け止め化粧料について、その実施の形態を参照しながらさらに詳細に説明する。
本発明に係る日焼け止め化粧料は、(A)N−アシルアミノ酸又はその塩で表面処理された微粒子酸化亜鉛と、(B)1気圧下での沸点が200℃以下の揮発性油分と、(C)トリメチルシロキシケイ酸とを少なくとも含有し、必要に応じて適宜その他の成分を含有する。
本発明に係る日焼け止め化粧料で採用する成分(A)は、金属酸化物粉体である酸化亜鉛が、疎水化処理剤であるN−アシルアミノ酸又はその塩で表面処理されたものである。
酸化亜鉛は微粒子粉体であることが好ましい。このような微粒子酸化亜鉛の平均一次粒子径は、10nm〜150nmが好ましく、15nm〜100nmがより好ましく、20nm〜80nmがさらに好ましい。平均一次粒子径が10nm未満であると、きしみ感が強く日焼け止め化粧料の使用感が悪くなり、150nmを超えると、紫外線防御効果が十分に発揮できず、さらに肌に塗布時に白くなってしまう。なお、ここで、平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡による観察によって測定した一次粒子径の数平均粒子径として求めることができる。
本発明で採用する微粒子酸化亜鉛の形状は、六方晶系、不定形、花びら状等を挙げることができる。もっとも、これらの形状に特に限定されるものではない。
微粒子酸化亜鉛は市販されているものを用いることができる。例えば、FINEX−50、及びFINEX−30(堺化学工業社製)、MZ−500、及びMZ−300(テイカ社製)、ZnO−650、及びZnO−610(住友大阪セメント社製)、FZO−50、及びMPT−146(石原産業社製)等を挙げることができる。
前記した成分(A)に関していう表面処理に用いられるN−アシルアミノ酸とは、炭素数8〜30である飽和脂肪酸と、アスパラギン酸、及びグルタミン酸より選ばれるアミノ酸とのアシルアミノ酸化合物である。ここで、アミノ酸のカルボキシル基は遊離体(−COOH)の形態でよい。カルボキシル基を−COONa又は−COOKとしたN−アシルアミノ酸のNa、K等との塩を前記表面処理に用いることもできる。
さらに、N−アシルアミノ酸、又はN−アシルアミノ酸のNa、K等との塩を代替してFe、Zn、Ca、Mg、Al、Ba、Li、Zr、Ti等との不溶化塩の形態のものを用いることもできる。この場合には、当該不溶化塩をアルカリ水溶液で処理し、可溶化して用いる。
炭素数8〜30である飽和脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ステアリン酸等を挙げることができる。
飽和脂肪酸と、アミノ酸とから得られるN−アシルアミノ酸としては、市販されているものを用いることができる。例えば、アミソフトHS−11P、アミソフトHS−21P、アミソフトHAP、アミソフトMK−11、アミソフトCA等(味の素ヘルシーサプライ社製)、ペリセアシリーズ、アミノフォーマーシリーズ、アミノサーファクタントシリーズ等(旭化成ケミカルズ社製)を挙げることができる。
表面処理剤として用いるN−アシルアミノ酸の量は、酸化亜鉛100質量%に対して、0.5〜15.0質量%であり、より好ましくは、1.0〜10.0質量%であり、さらに好ましくは1.5%〜5.0%質量%である。表面処理剤の量が少ないと疎水性が弱く、配合した化粧料の安定性を悪くする場合があり、また、表面処理剤の量が多いと使用感が重くなり、配合した化粧料の使用感において、べたつきが生じることがある。また、表面処理剤の量が多いと分散性や分散安定性が悪くなる。なお、表面処理剤の量は、使用する酸化亜鉛の平均一次粒子径、比表面積を考慮して、疎水性を付与できる最少量で処理することが好ましい。
表面処理方法は、公知の方法で表面を疎水化処理して用いることができ、特に限定されるものではない。
一般的には、加温した水中に微粒子酸化亜鉛を投入し、攪拌をしながら、予め加温した水中にN−アシルアミノ酸、又はN−アシルアミノ酸のNa、K等とのを溶解させた水溶液を、当該水溶液中に投入して攪拌を行う。このときの加温する温度は、N−アシルアミノ酸又はその塩が溶解する温度であることが好ましく、一般的には60℃以上95℃以下である。
ここに、i)Fe、Zn、Ca、Mg、Al、Ba、Li、Zr、Ti等の水酸化物、ii)塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、酢酸、又はiii)塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸若しくは酢酸と、Fe、Zn、Ca、Mg、Al、Ba、Li、Zr、Ti等との可溶性金属塩をゆっくりと添加する。これによって、表面処理された微粒子酸化亜鉛が生成する。しかる後、乾燥処理をすることで、N−アシルアミノ酸又はN−アシルアミノ酸の塩(一般的には、Na塩又はK塩)で表面処理された微粒子酸化亜鉛[成分(A)]を得ることができる。
前記水酸化物や可溶性金属塩のうち、化粧品で一般に使用される、Ca、Mg、Al、Baの水酸化物や塩化物が特に好ましい。
この金属塩を用いてN−アシルアミノ酸を表面処理した微粒子酸化亜鉛に、さらに疎水化処理剤を用いて表面処理を行なった微粒子酸化亜鉛を用いてもよい。用いる疎水化処理剤は、通常化粧料に用いられる疎水化処理剤であれば特に制限はなく、例えば、シリコーン処理剤、フッ素処理剤、有機チタネート処理剤、金属石鹸処理剤、レシチン処理剤等が挙げられる。
成分(A)のN−アシルアミノ酸又はその塩で表面処理された酸化亜鉛としては、市販されているものを用いることもできる。例えば、平均一次粒子径35nmの酸化亜鉛を、ステアロイルグルタミン酸2Naと水酸化カルシウムを用いて表面処理をしたNAI−Z−300(三好化成社製)、及び平均一次粒子径25nmの酸化亜鉛を、ジラウロイルグルタミン酸リシンNaと塩化マグネシウムを用いて表面処理をしたASL−1MZ−500(大東化成工業社製)等を挙げることができる。
成分(A)のN−アシルアミノ酸又はその塩で表面処理された酸化亜鉛の含有量は、所望する日焼け止め効果に応じて適宜決定される。もっとも、本発明の効果を十分に得るためには、日焼け止め化粧料全量に対して、3.0〜45.0質量%であり、好ましくは5.0〜35質量%、さらに好ましくは10.0〜25.0質量%である。
本発明に係る日焼け止め化粧料に成分(B)として使用することができる、1気圧下での沸点が200℃以下の揮発性油分としては、化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられるものであれば特に制限されない。例えば、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、カプリリルメチコン、メチルトリメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン系揮発油分、軽質流動イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭化水素油分、フッ素系油分等を挙げることができる。
本発明に係る日焼け止め化粧料においては、成分(B)の1気圧下での沸点が200℃以下の揮発性油分として、前記したものを1種又は2種以上組み合わせて配合することもできる。
また、本発明に係る日焼け止め化粧料において、成分(B)の1気圧下での沸点が200℃以下の揮発性油分の含有量は、日焼け止め化粧料全量に対して、1.0〜50.0質量%であることが好ましく、より好ましくは10.0〜40.0質量%、さらに好ましくは15〜35質量%である。成分(B)の含有量1.0質量%未満であると、塗布時の肌なじみといった揮発性油分による使用感が不十分なことがあり、50.0質量%を超えると、配合できる成分(A)、(C)、不揮発性油分といった他の成分の含有量が相対的に減少し、効果が十分に発揮されず、揮発性油分が揮発した後の粉ぎしみを促進することがある。
本発明に係る日焼け止め化粧料に採用される成分(C)のトリメチルシロキシケイ酸としては、化粧料に通常用いられるものであれば限定されない。もっとも、シロキサン構造を主骨格とした架橋構造を持つ化合物が好ましい。
また、トリメチルシロキシケイ酸は、使用感と化粧持ちの点から、分子量1000〜10000のものが好ましく、2000〜9000のものがより好ましく、3000〜6000のものがさらに好ましい。
これらの成分(C)トリメチルシロキシケイ酸は、市販されているものを用いることができる。例えば、予め溶剤に溶解させたKF−7312T、KF−7312J、KF−7312K(以上、信越化学工業社製)、RSN−0749 RESIN(東レ・ダウコーニング社製)、SS4230、SS4267(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)等を挙げることができる。また、溶剤に溶解していないフレーク状のものとしては、MQ−1600 Solid Resin(東レ・ダウコーニング社製)、SR1000(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)等を挙げることができ、これらを1種又は2種以上を用いることもできる。特に、化粧料への配合のしやすさの点から、溶剤に溶解されたトリメチルシロキシケイ酸を用いることがより好ましい。
前記した成分(C)の含有量は、日焼け止め化粧料全量に対して、皮膜形成剤の純分として0.2〜15.0質量%であり、好ましくは0.5〜10.0質量%であり、さらに好ましくは1.0〜5.0質量%である。
成分(C)の含有量が、0.2質量%未満であると、耐水性の効果が充分に発揮されず、15.0質量%を超えると、使用感の悪さや製剤化が困難になる等の問題を生じる場合がある。
本発明は、成分(A)のN−アシルアミノ酸又はその塩で表面処理された微粒子酸化亜鉛が、皮脂に含まれる不飽和脂肪酸と結合して固化をすることで、均一な撥水膜を形成することにより、紫外線防御効果を維持することができる。
ここで、成分(A)のN−アシルアミノ酸又はその塩で表面処理された酸化亜鉛は、化粧料中の不揮発性油分を含んでしまうと、皮膚に塗布をしたときに皮脂成分と結合しても、固化しにくいことがある。そこで、成分(A)を最適な分散剤、例えば成分(D)のPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを用いて、成分(B)の揮発性油分中に分散をさせてから化粧料に配合するとより好ましい。また、この成分(A)を成分(B)である揮発性油分に安定に低次粒子化されたペースト状の市販品を用いてもよい。このようなものとしては、成分(A)のNAI−Z−300を60質量%と成分(B)のデカメチルシクロペンタシロキサンを35質量%、分散剤としてポリエーテル変性シリコーンであるPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを5質量%含み、これらをビーズミルで分散したNAI−Z−300A(三好化成社製)等を挙げることができる。
本発明に係る日焼け止め化粧料は、上記成分(A)〜成分(C)の他にも通常、化粧料に使用されるその他の任意成分を含有し得る。例えば、水、他の油成分、粉体、界面活性剤、多価アルコール、低級アルコール、油ゲル化剤、水溶性高分子又は増粘剤、皮膜形成剤、中和剤、pH調製剤、粉体成分、紫外線散乱剤、紫外線吸収剤等、金属イオン封鎖剤、防腐剤及び抗菌剤、保湿剤、ビタミン類、美容成分及び/又は薬効成分、香料等を、本発明の効果を損なわない範囲内で、目的とする製品に応じて適宜配合し得る。
本発明に用いられる水は特に制限はなく、脱イオン水、蒸留水、精製水、温泉水、海水、並びにローズ水、ラベンダー水、及びニオイテンジクアオイ水等の植物由来の水蒸気蒸留水等を挙げることができる。これらの水を、1種又は2種以上組み合わせて使用することもできる。
前記他の油成分は特に制限はなく、成分(B)の揮発性油分以外にも、例えば、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素類;オリーブ油、ホホバ油、アボカド油、ダイズ油、メドウホーム油、ラノリン等の天然動植物油脂;2−エチルヘキサン酸セチル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸ステアリル等の脂肪酸エステル類;トリ(カプリル・カプリル酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル等のトリグリセライド、及び、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等の多価アルコール脂肪酸エステル油類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状シリコーン油、シリコーンゲル、シリコーンパウダー等の液体又は固体のシリコーン油等を挙げることができる。これら油分を、1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、固形状油分としては、オゾケライト、パラフィン、セレシン、合成炭化水素ワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、キャンデリラロウ、ミツロウ、カルナバロウ等を挙げることができる。なお、ここでの固形状油分とは、常温(例えば15〜25℃)で固形状の油剤をいう。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンやポリグリセリン変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることができる。好ましくは、非イオン性界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤であり、これらを1種又は2種以上組み合わせて使用することもできる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びこれらの誘導体;モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;モノステアリン酸グリセリル、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリグリセリル、モノミリスチン酸ポリグリセリル、モノステアリン酸ポリグリセリル、モノオレイン酸ポリグリセリル、トリステアリン酸ポリグリセリル、トリオレイン酸ポリグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル等を挙げることができる。
ポリエーテル変性シリコーンとしては、PEG−3ジメチコン、PEG−9メチルエーテルジメチコン、PEG−10ジメチコン、PEG−10メチルエーテルジメチコン、PEG−12ジメチコン、PEG−32メチルエーテルジメチコン、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG/PPG−19/19ジメチコン、ポリシリコーン−13、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG−10トリス(トリメチルシロキシ)シリルエチルジメチコン等を挙げることができる。
ポリグリセリン変性シリコーンとしては、ポリグリセリル−3ジシロキサンジメチコン、ポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等を挙げることができる。
界面活性剤としてポリエーテル変性シリコーンやポリグリセリン変性シリコーンを成分(D)として配合すると、成分(A)のN−アシルアミノ酸又はその塩で表面処理された微粒子酸化亜鉛を、油分の中に均一に分散させて、肌へ塗布したときにも均一な化粧膜を形成する分散剤としての効果を期待することができる。特にPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ポリグリセリル−3ジシロキサンジメチコンが、分散剤としての効果が高く好ましく、特にポリエーテル変性シリコーンであるPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンがより好ましく、成分(A)の分散性や均一性といった観点で優れている。
多価アルコールとしては、化粧料組成物に一般に使用されているものを使用することができる。例えば1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,2−ペンタンジオール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、メチルグルコシド、ソルビトール、ジグリセリン等を挙げることができる。
低級アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール等を挙げることができる。
油ゲル化剤としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等を挙げることができる。
水溶性高分子又は増粘剤としては、アラビアゴム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、デキストラン、デキストリン、プルラン、カルボキシメチルデンプン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ベントナイト等を挙げることができる。
皮膜形成剤としては、成分(C)のトリメチルシロキシケイ酸以外にも、ポリアクリル酸アルキル、エイコセン・ビニルピロリドン重合体、エステルガム等を挙げることができる。
中和剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム等を挙げることができる。
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等を挙げることができる。
粉体成分としては、例えば、タルク、カオリン、セリサイト、雲母、合成雲母、合成フッ素金雲母、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、無水ケイ酸、アルミナ、硫酸バリウム、ベントナイト、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、炭酸カルシウム、スメクタイト、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、セルロースパウダー、N−アシルリジンパウダー等を挙げることができる。また、無機白色顔料、赤色201号、赤色202号等の有機顔料を挙げることができ、これらの粉体は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの粉体成分は、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、いずれの形状、粒子径、粒子構造のものを使用してもよい。
また、粉体は、フッ素化合物、シリコーン化合物、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等により表面処理(疎水化処理)が施された粉体を使用してもよい。例えば、メチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリエトキシカプリリルシラン、トリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン化合物で表面処理された粉体を好ましく使用することができる。
紫外線散乱剤としては、成分(A)のN−アシルアミノ酸又はその塩で表面処理された微粒子酸化亜鉛以外にも、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化ジルコニウム等の紫外線遮断効果を有する金属酸化物を挙げることができる。これらの紫外線散乱剤は1種又は、2種以上を併用してもよい。これらの紫外線散乱剤は、球状、板状、針状、紡錘状等の形状は特に限定されず、いずれの形状のものを使用してもよい。
また、紫外線散乱剤は、シリコーン化合物やフッ素化合物、有機チタネート化合物、金属石ケン、ロウ、レシチン、界面活性剤、油脂、炭化水素等により表面処理(疎水化処理)が施された状態で使用してもよい。例えば、メチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリエトキシカプリリルシラン、トリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン化合物で表面処理された紫外線散乱剤を好ましく使用することができる。
紫外線吸収剤としては、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル、パラメトキシケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、4−[N,N−ジ(2−ヒドロキシプロピル)アミノ]安息香酸エチル、2−(4―ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸ヘキシルエステル等の安息香酸エステル系紫外線吸収剤、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸p−tert−ブチルフェニル、サリチル酸ホモメンチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン系紫外線吸収剤、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、オクトクリレン、アントラニル酸メンチル、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等を用いることができる。
金属イオン封鎖剤としては、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エデト酸、エデト酸ナトリウム塩等のエデト酸塩等を挙げることができる。
防腐剤及び抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等を挙げることができる。
保湿剤としては、ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチン、乳酸ナトリウム、シクロデキストリン、ピロリドンカルボン酸及びその塩、天然及び合成のセラミド類等を挙げることができる。
ビタミン類、美容成分及び/又は薬効成分としては、例えば、コエンザイムQ10、ビタミンA油、レチノール等のビタミンA類、リボフラビン等のビタミンB類、ピリドキシン塩酸塩等のB類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸モノパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシド等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム等のパントテン酸類、ビタミンD、コレカルシフェロール等のビタミンD類;α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類等のビタミン類を挙げることができる。アルブチン、エラグ酸、トラネキサム酸、プラセンタエキス、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ローヤルゼリー、ブナノキエキス等の皮膚賦活剤、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、γ−オリザノール等の血行促進剤、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、アズレン、アライトイン等の消炎剤、アルギニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸類等を挙げることができる。さらに、セイヨウトチノキ種子エキス、カミツレ花エキス、ソウハクヒエキス、ボタンエキス、パセリエキス、ブナノキエキス、ワイン酵母エキス、グレープフルーツエキス、スイカズラエキス、コメエキス、ブドウエキス、ホップエキス、コメヌカエキス、ビワエキス、オウバクエキス、ヨクイニンエキス、センブリエキス、メリロートエキス、バーチエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、トウガラシエキス、レモンエキス、ゲンチアナエキス、シソエキス、アロエエキス、ローズマリーエキス、セージエキス、ケイヒエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、ハマメリスエキス、クワエキス、オウゴンエキス、オトギリソウエキス、セイヨウサンザシエキス、ツボクサエキス、クズ根粒エキス、アーティチョーク葉エキス、エイジツエキス、エーデルワイスエキス、ラミナリアオクロロイカエキス等の各種抽出物を挙げることができる。
香料としては、公知の合成香料、動物性香料、天然精油、合成製油等を挙ることができる。
本発明の日焼け止め化粧料は、通常の方法に従って製造することができるが、油中水型乳化により調整することが容易である。油中水型乳化は、耐水性にも優れる乳化方法であることから、油中水型乳化組成物とすることが、より好ましい。
また、本発明は日焼け止め化粧料として効果を発揮しやすい。しかし、その他にも紫外線防御効果を持ったファンデーションや化粧下地等にも、好適に用いることができる。
本発明の日焼け止め化粧料の剤形は任意であり、液状、乳液状、クリーム状、ペースト状、固形状、粉末状等に適応が可能であり、さらにシート、発泡体に含浸する形状や、スプレー状、ムース状等としても適用できる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。もっとも、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下に示す配合量は質量%である。
[試験例]
試験例1〜4の微粒子酸化亜鉛と試験例5の微粒子酸化チタンを各3gと、スクワラン37.5質量%、オリーブ油37.5質量%、及びオレイン酸25質量%からなるモデル皮脂30gを用意した。次に、これらの各粉体とモデル皮脂とをガラス瓶に入れ、プロペラミキサーで1,500rpm、1分間攪拌をして混合した。静置したのち、1分後と3分後、さらに10分後のそれぞれ混合物の状態を観察するため、ガラス瓶を傾けて目視により、下記基準で評価した。

◎:完全に固化した。
○:かなり増粘したが、傾けると液面が僅かでも動き、固化はしていない状態。
△:やや増粘した。
×:変化がない。
また、固化した混合物に限り、レオメーター(サン科学社製COMPAC−100II)を用いて針入荷重値(g)を測定した。測定条件は使用アダプターをφ3mm、針入スピードを2cm/minとし、3mm針入時の針入荷重値を測定した。
Figure 2018008910
*1:ステアロイルグルタミン酸2Na2%、水酸化カルシウム0.3%処理微粒子酸化亜鉛(三好化成社製)
*2:ジラウリルグルタミン酸リジンNa1%、塩化マグネシウム0.17%処理微粒子酸化亜鉛(大東化成工業社製)
*3:メチルハイドロジェンポリシロキサン2.9%処理微粒子酸化亜鉛(テイカ社製)
*4:未処理微粒子酸化亜鉛(テイカ社製)
*5:未処理微粒子酸化チタン(石原産業社製)
表1から明らかな通り、試験例1〜4の微粒子酸化亜鉛は、いずれもモデル皮脂を固化しているが、特に試験例1、2のN−アシルアミノ酸又はその塩で表面処理された微粒子酸化亜鉛は、1分後の状態でも完全に固化をした。さらに固化した混合物は時間の経過で針入硬度値に大きな変化がないことから、少量の皮脂成分で固化すると考えられ、余分に皮脂成分を吸収することはなく、微粒子酸化亜鉛が凝集することもないと考えられる。その結果、日焼け止め化粧料に配合したときに、肌に塗布をすると肌上の少量の皮脂を吸着して、瞬時に均一な化粧膜を形成し、必要以上の皮脂成分を吸収せず、乾燥感を感じることがなく、崩れにくい膜を形成すると考えられる。
試験例3のシリコーン処理微粒子酸化亜鉛は、従来から日焼け止め化粧料に多く用いられている微粒子酸化亜鉛であるが、皮脂を吸着してから、固化するまでに時間を必要とし、さらに混合物の針入硬度値は高く、凝集している傾向にあった。その為、日焼け止め化粧料に配合した場合は、肌に塗布をすると、徐々に皮脂を吸着して硬い膜で凝集していくことで、乾燥感・つっぱり感、きしみ感を感じることが考えられる。
試験例4の微粒子酸化亜鉛は表面処理が施されていないため、10分経過時で固化をする結果となった。試験例5の微粒子酸化チタンは、状態に変化が確認されず、固化しない結果であった。
実施例1、2及び比較例1〜5:油中水乳化型日焼け止め乳液(2層タイプ)
表2に示す組成及び下記製法にて油中水乳化剤形の日焼け止め乳液を調整した。得られた化粧料に対して下記の方法により評価し、結果を併せて表2に示した。
[使用特性試験]
表2の日焼け止め乳液を、女性被験者(30〜50歳)5名に使用してもらい、その時の「べたつきのなさ」と「きしみ感のなさ」、さらに、「乾燥感・つっぱり感のなさ」について、各自が以下の評価基準に従って評価し、5名の平均点を以
下の判定基準に従って判定した。
評価基準:
[評価結果] : [評点]
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
ふつう : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
判断基準:
[評点に平均点] : [判定]
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満 : ○
1.5以上〜3.5未満 : △
1.5未満 : ×
[紫外線防御効果]
表2の日焼け止め乳液を、5cm×5cm四方のポリメタクリル酸メチル板(三洋貿易社製)上に各2mg/cmの割合で均一に塗布して、SPFアナライザー(Labsphere社製UV−1000S)を用いて、SPF値を測定し、紫外線領域である290nm〜380nmの透過率を算出し、下記の判定基準を用いて判定した。
(判定基準)
(判定):(評価)
◎ :透過率が10%未満で、紫外線防御効果が非常に良好
○ :透過率が10%以上30%未満で、紫外線防御効果が良好
△ :透過率が30%以上50%未満で、紫外線防御効果がやや劣る
× :透過率が50%以上で、紫外線防御効果が劣る
[耐水性試験]
表2の日焼け止め乳液を、5cm×5cm四方のポリメタクリル酸メチル板(三洋貿易社製)上に各2mg/cmの割合で均一に塗布して、SPFアナライザー(Labsphere社製UV−1000S)を用いて、SPF値を測定した。続いて、このポリメタクリル酸メチル板30℃の水中に80分間、浸漬処理をして、乾燥後に再びSPFアナライザー(Labsphere社製UV−1000S)を用いて、SPF値を測定した。
次に、各SPF値からSPFの持続性を算出した。
SPF持続性(%)=(水処理後のSPF値/水処理前のSPF値)×100
SPF持続性を下記の基準で判定し、耐水性の指標とした。
(判定基準)
(判定):(評価)
◎:SPF持続性が90%以上:耐水性が非常に高い
○:SPF持続性が70%以上90%未満:耐水性がやや高い
△:SPF持続性が50%以上70%未満:耐水性が低い
Figure 2018008910
(組成の各数値は質量%を示す)
*6:KF−7312J(信越化学工業社製)
*7:670FLUID(東レ・ダウコーニング社製)
(製造方法)
成分1〜6を室温でディスパー(3000rpm、30分)混合分散をし、この混合物に成分7〜16を添加して70°Cでディスパー(3000rpm、5分)により攪拌混合をして油相成分とした。次に成分17〜21を70℃で攪拌をして溶解させて、油相成分へ少しずつ添加をし、ホモミキサー(5000rpm 5分)で乳化を行なった。
室温まで冷却をして容器に充填をして、日焼け止め乳液を得た。
表2の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1〜2の日焼け止め乳液は、微粒子酸化亜鉛を高配合しても、「べたつきのなさ」、「きしみ感のなさ」、「乾燥感・つっぱり感のなさ」の項目において優れた化粧料であった。また、紫外線防御効果と耐水性の効果についても非常に優れた結果であった。
これに対し、成分(A)の代わりにメチルハイドロジェンポリシロキサン処理の微粒子酸化亜鉛を配合した比較例1は、塗布した肌に乾燥感・つっぱり感が生じてしまい、実施例2の日焼け止め乳液の微粒子酸化亜鉛と比較すると、分散性が悪く、紫外線防御効果としても劣る結果であった。また、成分(A)の代わりに微粒子酸化チタンを配合した比較例2や、成分(B)を配合しない比較例3は、きしみ感やべたつきが生じてしまう結果であった。さらに、成分(C)を配合しない比較例4は、耐水性の効果が低下してしまい、成分(C)を異なる皮膜形成剤に置き換えた比較例5は、べたつきが生じてしまい、良好な使用感は得られなかった。以上の結果より、本発明の各成分を組み合わせることにより、肌上の皮脂を必要以上に吸収せず、固化して均一な膜を形成することから、塗布後の肌の乾燥感・つっぱり感がなく、使用感に優れ、高い紫外線防御力と耐水性の効果を有する日焼け止め化粧料が得られることが示された。
実施例3:油中水型乳化日焼け止めローション(2層タイプ)
配合成分 量%
(1)NAI−Z−300A[成分(A)](*4) 55
(2)ステアリン酸処理微粒子酸化チタン 5
(3)メチルポリシロキサン(1.5cs)[成分(B)] 15
(4)ネオペンタン酸イソデシル 2
(5)スクワラン 1
(6)トリメチルシロキシケイ酸[成分(C)](*2) 3
(7)ポリグリセリル−3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 3
(8)ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.5
(9)ポリメチルシルセスキオキサン 3
(10)精製水 残量
(11)グリセリン 3
(12)1,3ブチレングリコール 2
(13)塩化ナトリウム 1
*4:NAI−Z−300A(NAI−Z−300[成分(A)]、デカメチルシクロペンタシロキサン(成分(B))、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを含むペースト状プレミックス品(三好化成社製))
製造方法:成分1〜9を混合攪拌した。その後、混合溶解をした成分10〜14の水相を添加して乳化を行ない、目的の油中水型乳化日焼け止めローションを得た。
(評価)
得られた油中水型乳化日焼け止めローションについて、実施例1、2及び比較例1〜5と同様の評価を行ったところ、全ての項目に優れた日焼け止めローションであった。
実施例4:油中水型乳化日焼け止めクリーム
配合成分 質量%
(1)NAI−Z−300[成分(A)] 10
(2)シリコーン処理微粒子酸化チタン 3
(3)PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 2
(4)デカメチルシクロペンタシロキサン[成分(B)] 15
(5)パラメトキシケイヒ酸2−エチルヘキシル 5
(6)トリエチルヘキサノイン 3
(7)トリメチルシロキシケイ酸[成分(C)](*2) 2
(8)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 1
(9)ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 1
(10)セスキイソステアリン酸ソルビタン 1
(11)ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 1
(12)オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体 1
(13)精製水 残量
(14)グリセリン 5
(15)1,3ブチレングリコール 3
(16)ビスPEG−18メチルエーテルジメチルシラン 2
(17)硫酸マグネシウム 1
(18)フェノキシエタノール 0.5
製造方法:成分1〜4を混合分散して、この混合物に成分5〜12を加え混合攪拌をした。その後、混合溶解をした成分13〜18の水相を添加して乳化を行ない、目的の油中水型乳化日焼け止めクリームを得た。
(評価)
得られた油中水型乳化日焼け止めクリームについて、実施例1、2及び比較例1〜5と同様の評価を行ったところ、全ての項目に優れた日焼け止めクリームであった。
また、以上の結果から了解されるように、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを配合することにより、成分(A)を高配合しても化粧料中に均一に分散されたことにより、きしみ感がより低減されて、高い紫外線防御効果を得られることが了解される。

Claims (5)

  1. 下記成分(A)〜(C)を含有することを特徴とする日焼け止め化粧料。
    (A)N−アシルアミノ酸又はその塩で表面処理された微粒子酸化亜鉛
    (B)1気圧下での沸点が200℃以下の揮発性油分
    (C)トリメチルシロキシケイ酸
  2. 前記微粒子酸化亜鉛の平均一次粒子径が10nm〜150nmである請求項1記載の日焼け止め化粧料。
  3. 前記N−アシルアミノ酸又はその塩が、Ca、Mg、Al、又はBaとの不溶化塩の形態と成って、微粒子酸化亜鉛の表面に存在するようにして成る請求項1又は2記載の日焼け止め化粧料。
  4. 前記成分(B)が、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、カプリリルメチコン、メチルトリメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のうち1種又は2種以上のシリコーン系揮発油分から選ばれたものである請求項1〜3のいずれかに記載の日焼け止め化粧料。
  5. 成分(D)として、ポリエーテル変性シリコーン、又はポリグリセリン変性シリコーンをさらに含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の日焼け止め化粧料。
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