JP2017178938A - 含水粉末化粧料 - Google Patents

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【課題】含水粉末化粧料特有の塗布時のきしみ感を軽減し、みずみずしい感触と伸び広がりが良好な、含水粉末化粧料に関するものである。【解決手段】(A)比表面積80m2/g以上の疎水性粉体、(B)水性ゲル化剤、(C)水及び(D)水溶性紫外線吸収剤を含有し、塗擦により水が放出される含水粉末化粧料。【選択図】なし

Description

本発明は、水溶性紫外線吸収剤を含み、塗擦により水を放出する含水粉末化粧料に関するものである。
従来より、粉末形態の化粧料で使用時の塗擦により液化して液状の特性が生じる含水粉末化粧料の技術が開発され(特許文献1)、ビタミンCのような、水溶液では安定性の悪い薬剤の化粧料中での保存安定性を保つことができ、広く市場に受け入れられている。また、粉末なのにみずみずしさ・清涼感を得られるため、メークアップ化粧料にも用いられるようになり、パール剤・ラメ剤を配合した際に、それらが有する質感(パール感・ラメ感)、色感、色合いなどを損なうことなく、透明性高く発揮することができる技術(特許文献2)等があった。しかしながら、このような化粧料に紫外線防御効果を付与するために、紫外線吸収剤を含有させることが安定性の点で難しく、また、紫外線散乱粉体で紫外線防御効果を付与する場合、使用時に水が放出されたのち、化粧膜中の紫外線散乱粉体のきしみ感を強く感じる傾向があった。
特開平5−65212 特開2003−267826
含水粉末化粧料の塗布時のきしみ感の解消は難しく、きしみ感の少ない含水粉末化粧料の開発が望まれていた。
かかる実情を鑑み、本発明者は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、比表面積80m/g以上の疎水性粉体と水性ゲル化剤と水、及び水溶性紫外線吸収剤を含有する含水粉末化粧料が、紫外線防御効果がありながらも、紫外線散乱剤の含有量を低く抑える事で、使用時に粉っぽさやきしみ感がないという感触に優れ、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
(1)次の成分(A)〜(D);
(A)比表面積80m/g以上の疎水性粉体
(B)水性ゲル化剤
(C)水
(D)水溶性紫外線吸収剤
を含有し、塗擦により水が放出されることを特徴とする含水粉末化粧料を提供するものである。
本発明品は、含水粉末化粧料特有の塗布時のきしみ感を軽減し、みずみずしい感触と伸び広がりが良好な、含水粉末化粧料である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の含水粉末化粧料は、使用前は粉末形態でありながら、使用時には塗擦により内部の水性成分が放出されることを特徴とする化粧料である。
本発明においては、成分(C)水に、成分(B)水性ゲル化剤と、成分(D)水溶性紫外線吸収剤を含有させることにより水性ゲルを形成し、その水性ゲルを成分(A)比表面積80m/g以上の疎水性粉体で被覆して含水粉末化粧料とするものである。
本発明の成分(A)である比表面積(BET法)が80m/g以上の疎水性粉体は、この比表面積を有し、その粉体表面が疎水性を示すものであればよく、それ自体が疎水性である粉体、親水性粉体を通常公知の疎水化剤により表面処理した粉体、疎水化度をより高めるために疎水性粉体を更に疎水化剤により処理した粉体等が挙げられ、これらの疎水性粉体の1種又は2種以上を用いることができる。
本発明においては、粉末が疎水性であるか否かは、粉末を25℃の水に分散することにより判断され、ビーカーに水100mlと粉体5gを入れ、デスパーを用いて1000rpmで5分間撹拌した場合、沈降したり分散したりせず、水に浮くものを疎水性粉末とした。
成分(A)としては、それ自体が疎水性である疎水性粉体、例えば、シリコーン樹脂粉末、(メタ)アクリル酸アルキル(共)重合体粉末、ポリスチレン粉末、ポリエチレン粉末、N−アシルリジン粉末、四フッ化ポリエチレン粉末、エポキシ樹脂粉末等の有機樹脂粉末、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸粉末等が挙げられる。
また、表面処理により疎水化される粉体としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、無水ケイ酸、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、炭化ケイ素、硫酸バリウム、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン等の無機粉体類、シルクパウダー、デンプン、ナイロン、結晶セルロース等の有機粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン等の複合粉体等が挙げられる。
粉体を疎水化するために用いられる疎水化剤としては、種々のトリメチルシリル化剤、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、パーフルオロアルキルリン酸、パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸、フルオロアルキルシラン等のフッ素化合物、金属石鹸、ロウ、油脂、炭化水素等の他の油剤等が挙げられるが、この中でも有機ケイ素化合物やフッ素化合物が、粉末状にしたものの保存安定性の点において好ましい。
成分(A)は、保存安定性の点で疎水性無水ケイ酸が好ましく、特に平均粒子径0.001〜0.1μmの煙霧状無水ケイ酸を疎水化処理したものが好ましい。この範囲の疎水性無水ケイ酸としては、AEROSIL R974、AEROSIL R972、AEROSIL RX200、AEROSIL RX300(何れも、日本アエロジル社製)、キャボジルTS−530(キャボット社製)等として市販されているものが挙げられる。
本発明の成分(A)の含有量は、特に限定されないが、保存安定性の点において、含水粉末化粧料中0.1〜7質量%(以下、単に「%」と示す。)が好ましく、更に好ましくは2〜5%である。
本発明の成分(B)の水性ゲル化剤は、水に溶解又は膨潤することにより水をゲル化するものであり、例えば、寒天、グァーガム、ローカストビーンガム、クインスシードガム、ファーセンラン、カラギーナン、アルギン酸ソーダ、ジェランガム、ペクチン、コンニャク等の植物系天然高分子、ゼラチン等の動物系天然高分子、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等の半合成高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル(共)重合体等のカルボン酸ビニル(共)重合体、(メタ)アクリル酸(共)重合体、(メタ)アクリル酸ナトリウム(共)重合体等、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン等の合成高分子、ケイ酸ナトリウムマグネシウム、含水ケイ酸アルミニウム、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、フッ素四ケイ素雲母等の水膨潤性粘土鉱物等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。 これらの水性ゲル化剤は、高速剪断や凍結粉砕時の粉砕のし易さや、保存安定性の向上の観点より、寒天、ゼラチン、カラギーナン、ジェランガム、ケイ酸ナトリウムマグネシウム、スクレロチウムガム等のように水と硬いゲルを形成するものが好ましい。
本発明の成分(B)の含有量は成分(C)をゲル化することができれば、特に限定されないが、保存安定性の点において、含水粉末化粧料中0.01〜10%が好ましく、更に好ましくは0.05〜8%である。また、ゲル形成という点において、成分(B)と(C)との合計量の0.1〜10%が好ましく、更に0.5〜8%が好ましい。
本発明の成分(C)は、精製水や温泉水、深層水、あるいはアロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、オレンジ、ラベンダー、ローズ等の植物の水蒸気蒸留水等であっても良い。
本発明の成分(C)の含有量は、特に限定されないが、化粧料の安定した粉末化が可能であり、塗擦時の水の放出も良好で、みずみずしさを充分に感じられる点において、10〜99%が好ましく、20〜80%がより好ましく、さらに40〜70%が好ましい。
本発明においては、成分(C)と成分(B)、(D)が、水性ゲルを形成ものであるが、これら以外に、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて他の水性成分を含有することができる。
水性成分としては、水に可溶な成分であれば特に制約なく使用することができ、例えば、エチルアルコール等の低級アルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、フェノキシエタノール等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の成分(D)の水溶性紫外線吸収剤は、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸およびその塩、フェニレン−ビス−ベンゾイミダゾール−テトラスルホン酸およびその塩等のベンゾイミダゾール系紫外線吸収剤;メチレンビス−ベンゾトリアゾリル−テトラメチルブチルフェノール等ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でもベンゾイミダゾール系紫外線吸収剤が、含水粉末の保存安定性の点から好ましく、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸が特に好ましく用いられる。
本発明の成分(D)の含有量は、紫外線防御効果と含水粉末の経時安定性という点において、0.1〜10%が好ましく、特に好ましくは0.5〜5%である。
本発明の含水粉末化粧料には、更に、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、通常、化粧料に用いられる成分、すなわち、成分(A)以外の粉体、油性成分、界面活性剤、メントール等の清涼剤、被膜形成剤、親水性紫外線吸収剤、塩類、pH調整剤、酸化防止剤、保湿剤、ビタミンC誘導体等の美容成分、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等の防腐剤、香料等を各種の効果を付与するために適宜含有することができる。
前記成分以外の粉体としては、感触調整やメーキャップ効果を付与できる。これらは通常化粧料に使用されるものであれば、球状、板状、紡錘状、針状等の形状、粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。
具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、コンジョウ、群青、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、スメクタイト、ベントナイト、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン、ポリスチレン、ナイロン等の有機粉体類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。また、これら粉体は1種又は2種以上の複合化したものを用いても良く、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良いが、成分(A)は含まないものである。
例えば、油性成分としては、通常化粧料に使用される原料であれば特に限定されず、用いることができる。例えば、動物油、植物油、合成油等の起源や、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、高級アルコール類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、油溶性紫外線吸収剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャトロプスワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の植物油類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ、モクロウ等のロウ類、モンタンワックス、2−エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、マカデミアンナッツ脂肪酸フィトステリル等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン系油等、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類、パラアミノ安息香酸エチル、等が挙げられる。これらの油剤は必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であれば特に制約はなく、非イオン界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が使用される。保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等が、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等が、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル等がそれぞれ挙げられる。
本発明の含水粉末化粧料の製造方法は特に限定されないが、例えば成分(C)水に、成分(B)水性ゲル化剤と(D)水溶性紫外線吸収剤を含有する水性ゲルを形成し、その水性ゲルを成分(A)比表面積80m/g以上の疎水性粉体で被覆して粉末状とする方法、水性ゲルを高速剪断や凍結粉砕等により、粉末状の水性ゲル粒子とし、次いでこの粉体を疎水性粉体で被覆する方法が挙げられる。
成分(B)〜(D)を含有する水性ゲルは、保存安定性の観点から粒子状に固めた水性ゲル粒子の状態で用いることが好ましい。水性ゲル粒子を製造するための方法としては、特に限定はされないが、水性ゲルを加熱して高速剪断する方法や、凍結粉砕する方法等が挙げられる。高速剪断する方法としては、高速ピンミルやカッターミキサー等を用いる方法が挙げられる。また、凍結粉砕する方法としては、水性ゲルを液体窒素等の冷媒を用いて凍結して粉砕する方法が挙げられる。得られる水性ゲル粒子の平均粒子径としては、1〜400μmが好ましい。
前記水性ゲル粒子を疎水性粉体で被覆するための方法は特に限定されないが、例えば、攪拌機中に該水性ゲル粒子を入れ、温度の上昇によって融解、凝集をおこさないよう低温下で攪拌しながら、成分(A)の疎水性粉体を添加し、混合攪拌して被覆する方法が挙げられる。混合する攪拌機としては、好ましくは冷却機構を有するジャケットを装着し、ジャケット内の壁面や底面に衝突、接触の少ない形状の攪拌羽根を装着している攪拌機が挙げられる。
上記含水粉末組成物の調製に当たり、成分(A)の粒子径は、前記水性ゲル粒子の粒子径よりも小さいことが必要であるが、水性ゲル粒子表面への被覆効率の観点から、該水性ゲル粒子の1/10以下が好ましい。また、水性ゲル粒子と疎水性粉体との比率は、それぞれの粒子径等に影響されるが、質量比で100:0.5〜100:25が好ましい。
このようにして得られた含水粉末化粧料は、そのまま化粧料として用いるほか、更に他の成分と混合して使用することができる。本発明の含水粉末化粧料は、日焼け止め化粧料として、また白粉、ファンデーション、頬紅もしくはアイカラー等のメークアップ化粧料、美白パウダー、ボディパウダー、制汗パウダー等に適用することができる。
以下に実施例をもって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより、何ら限定されるものではない。

実施例1〜9、比較例1〜3:含水粉末白粉
表1に示す、実施例1〜9及び比較例1〜3の組成の含水粉末日焼け止め白粉を下記の製造方法で調製した。得られた含水粉末日焼け止め白粉について、使用感のみずみずしさ、使用時のきしみ感のなさ、後肌のベタつきのなさ、化粧膜としては膜の透明感があるかどうか、経時安定性について評価を行った。その結果も併せて表1に示す。
(製造方法)
A.(1)〜(6)を85℃で加熱溶解し、冷却固化後、−80℃で粉砕することにより、水性ゲル粒子(約10〜100μm)を得た。
B.室温にて、Aに(7)〜(10)を加え、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合して、含水組成物を調製した。
C.あらかじめ混合しておいた(11)にBを加え、ヘンシェルミキサーで混合して、含水粉末日焼け止め白粉を調製した。
(評価方法)
下記(イ)〜(ホ)の評価項目については、各試料を専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記評価基準にて7段階に評価し評点を付け、各試料ごとにパネル全員の評点から、その平均値を算出し、下記判定規準により4段階で判定した。尚、(イ)〜(二)は使用直後を、(ホ)経過観察後を評価した。
評価項目:
(イ)使用時のみずみずしさ
(ロ)きしみ感のなさ
(ハ)後肌のベタつきのなさ
(ニ)膜の透明感
(ホ)経時安定性
評価基準:
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
判定基準:
(評点の平均点) :(判定)
5.0以上 : ◎
3.5以上5.0未満: ○
1.5以上3.5未満: △
1.5未満 : ×
(結果)
表1から明らかなように、実施例1〜9の含水粉末日焼け止め白粉は、みずみずしさを与える優れた使用感を有し、きしみ感や後肌のベタつきも少なく、透明感のある化粧膜が得られ、経時安定性にも優れるものであった。
一方成分(A)の代わりに比表面積の小さい無水ケイ酸を含有する比較例1及び2は、形状を保持する力がないため、安定性も悪く、液化するという変化が少なく、みずみずしさに劣るものであった。
成分(D)の水溶性紫外線吸収剤の代わりに紫外線散乱剤を多量に含有する比較例3では、紫外線散乱剤が系の安定性を急速に悪化させ、さらに膜の透明性も満足できるものではなかった。
実施例10:含水粉末ファンデーション(日焼け止め機能付き)
(成分) (%)
1.寒天 3.0
2.カラギーナン 0.1
3.グリセリン 1.0
4.1,3−ブチレングリコール 10.0
5.パラオキシ安息香酸メチル 0.3
6.フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 3.0
7.精製水 残量
8.疎水化無水ケイ酸(比表面積300m/g、平均粒子径7nm)
5.0
9.シリコーン化合物処理酸化チタン 10.0
10.シリコーン化合物処理タルク 10.0
11.窒化ホウ素 10.0
12.フッ素化合物処理ベンガラ 0.2
13.フッ素化合物処理黄色酸化鉄 1.5
14.フッ素化合物処理黒色酸化鉄 0.1
(製造方法)
A.(1)〜(7)を85℃で加熱溶解し、冷却固化後、−80℃で粉砕することにより、水性ゲル粒子(140〜250μm)を得た。
B.Aに(8)を加え、ヘンシェルミキサーで混合して、含水組成物を調製した。
C.(9)〜(14)を混合し、そこにBを加え混合して、含水粉末ファンデーションを調製した。
本発明の含水粉末ファンデーションは、良好な保存安定性を有し、使用時には、みずみずしさを与える優れた使用感を有し、また、きしみ感や後肌のベタつきが無く優れたものであり、更に、透明感のある膜を得られるものであった。
実施例11:含水粉末ボディパウダー(日焼け止め機能付き)
(成分) (%)
1.寒天 5.0
2.カラギーナン 0.1
3.1,3−ブチレングリコール 10.0
4.パラオキシ安息香酸メチル 0.3
5.フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 3.0
6.精製水 残量
7.フッ素化合物処理無水ケイ酸(比表面積200m/g、平均粒子径7nm)
5.0
8.フッ素化合物処理酸化チタン 5.0
9.シリコーン処理微粒子酸化亜鉛 1.0
10.シリコーン処理タルク 10.0

(製造方法)
A.(1)〜(6)を85℃で加熱溶解し、冷却固化後、−80℃で粉砕することにより、水性ゲル粒子(約5〜150μm)を得た。
B.Aに(7)を加え、ヘンシェルミキサーで混合して、含水組成物を調製した。
C.(8)〜(10)を混合し、そこにBを加え混合して、含水粉末ボディパウダー(日焼け止め機能付き)を調製した。
本発明の含水粉末ボディパウダーは、良好な保存安定性を有し、使用時には、みずみずしさを与える優れた使用感を有し、また、塗布時の伸び広がりと密着性に優れたものであり、更に、肌のキメを整え透明感のある膜を得られるものであった。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)〜(D);
    (A)比表面積80m/g以上の疎水性粉体
    (B)水性ゲル化剤
    (C)水
    (D)水溶性紫外線吸収剤
    を含有し、塗擦により水が放出される含水粉末化粧料。
  2. 前記成分(B)〜(D)を含有する水性ゲル成分が成分(A)で被覆されている請求項1に記載の含水粉末化粧料。
  3. 前記成分(D)がフェニルベンズイミダゾールスルホン酸である請求項1又は2に記載の含水粉末化粧料。
  4. 前記成分(B)が寒天、ゼラチン、カラギーナン、ジェランガム及びケイ酸ナトリウムマグネシウムから選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜3のいずれかに記載の含水粉末化粧料。
  5. 前記成分(A)が疎水性シリカである請求項1〜4のいずれかに記載の含水粉末化粧料。
  6. 次の成分(A)〜(D);
    (A)比表面積80m/g以上の疎水性粉体
    (B)水性ゲル化剤
    (C)水
    (D)水溶性紫外線吸収剤
    を含有する含水粉末化粧料の製造方法であって、成分(B)〜(D)を含有する水性ゲル成分を凍結乾燥して粉末状とした後に、成分(A)で被覆する含水粉末化粧料の製造方法。
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