JP7231332B2 - 日焼け止め化粧料 - Google Patents
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近年、マリンスポーツやスキー、ゴルフ等、強い太陽光に長時間さらされる屋外でのレジャーシーンに限らず、日常生活においても紫外線防御が重要と考えられており、日焼け止め化粧料の需要やその使用頻度が高まっている。そのため、日焼け止め化粧料には、紫外線防御能はもちろん、使用感の向上も求められている。
高内相の乳化粒子を安定に形成するには、通常、化粧料の粘度を高めたり界面活性剤を多用したりすることが必要になる。しかしながら、化粧料の粘度が高いと、化粧料を塗布するときの伸びが悪かったり、べたつきや重さを感じたりして、使用感が損なわれてしまう。
かかる状況に鑑みて、本発明は、安定な高内相乳化形態を形成でき、かつ使用感に優れる、二層分離タイプの化粧料を提供することを課題とする。
[1]PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン及び/又はラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンと、アルキル基の炭素数が12~24であるアルキルグリセリルエーテルとを含有する、二層分離タイプの化粧料。
[2]さらに、引火点88℃以下の油剤を含有する、[1]に記載の化粧料。
[3]さらに、紫外線吸収剤を化粧料全体の8質量%以上含有する、[1]又は[2]に記載
の化粧料。
[4]さらに、粉体を化粧料全体の1~5質量%含有する、[1]~[3]のいずれかに記載の化粧料。
[5]日焼け止め用である、[1]~[4]のいずれかに記載の化粧料。
PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン及び/又はラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンの含有量は、合計で、化粧料全体の0.1~10質量%が好ましく、0.5~5質量%がより好ましい。
アルキルグリセリルエーテルは、アルキル基の炭素数が12~24のものであり、好ましくは12~18のものである。また、該アルキル基は、分岐又は直鎖のいずれでもよいが、分岐アルキル基が好ましい。また、通常はモノエーテルである。本発明におけるアルキルグリセリルエーテルは、通常は25℃において液状である。
前記アルキルグリセリルエーテルとしては、イソステアリルグリセリルが特に好ましく挙げられ、市販のペネトールGE-IS(花王株式会社製)を好適に用いることができる。
前記アルキルグリセリルエーテルの含有量は、合計で、化粧料全体の0.1~3.0質量%が好ましく、0.1~2.0質量%がより好ましく、0.5~2.0質量%がより好ましく、0.5~1.2質量%が特に好ましい。
水相は通常は水性成分で構成され、ここで水性成分とはミネラルオイルと混合したときに溶解せずに分離する成分をいう。ただし、界面活性剤及び粉体は水相を構成する成分に含めないものとする。
かかる油剤としては、特に限定されないが、揮発性炭化水素油や揮発性シリコーン油が挙げられる。より具体的には、揮発性炭化水素油としては、例えば、n-デカン(53℃)、n-ウンデカン(60℃)、n-ドデカン(87℃)等のパラフィン系炭化水素油;イソデカン(46℃)、イソドデカン(48℃)等のイソパラフィン系炭化水素;シクロデカン(65℃)、シクロドデカン(87.6℃)等の環状パラフィン系炭化水素;などが好ましく挙げられる。揮発性シリコーンとしては、KF-96L-1cs(37℃)、KF-96L-1.5cs(64℃)、KF-96L-2cs(88℃)等のジメチコン(いずれも信越化学工業株式会社製);メチルトリメチコン(60℃);4員環(51℃)、5員環(77℃)等の環状シリコーン油;などが好ましく挙げられる。
前記油剤の含有量は、合計で、化粧料全体の5~45質量%が好ましく、10~30質量%がより好ましい。
一般に紫外線吸収剤は、粘稠な油性成分であり、これを配合した化粧料の使用感はべたつきを感じることがある。本発明の化粧料は、低粘度な高内相の剤型であるため、紫外線吸収剤を多く配合してもさっぱりした使用感が得られるため、十分な紫外線防御能を確保することができる。したがって、本発明の化粧料は、日焼け止め用途に好適である。
紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、等が挙げられる。
一般に、日焼け止め化粧料やメークアップ化粧料については、塗布後の化粧膜には耐水性が求められるところ、適当な粉体をこれらに配合することで化粧料に耐水性を付与する場合がある。本発明の化粧料は、特定のアルキルグリセリルエーテルを用いることで化粧膜の耐水性を高めることができるため、粉体の含有量を少なく、例えば化粧料全体の1~5質量%とすることができる。
また、粉体には、さらさらした使用感を付与したり、化粧料を着色したりする目的で配合されるものも含まれる。
粉体としては、特に限定されないが、表面を処理されていてもよい、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていてもよい、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていてもよい、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていてもよい赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、が挙げられる。
本発明の化粧料は、油中水乳化形態としたときに低粘度となる。そのため、化粧料を塗布するときに伸ばしやすく、またべたつかずにさっぱりとした使用感となる。なお、粘度は低いほど良いわけではなく、取り扱い性の観点から液だれ等の難なく塗布できる程度の粘度であることが好ましい。特に限定されないが、B型粘度計 DIGITAL VISMETORON VDA(芝浦システム社製)を用いて、3号ローターを用い、回転数6rpm、60秒間、20℃の条件で測定した粘度が、4000~10000mPa・sであることが好ましく、5500~8500mPa・sであることがより好ましい。
美白成分としては、一般的に化粧料に用いられているものであれば特に限定はない。例えば、4-n-ブチルレゾルシノール、アスコルビン酸グルコシド、3-О-エチルアスコルビン酸、トラネキサム酸、アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、リノール酸、ニコチン酸アミド、5,5'-ジプロピルビフェニル-2,2'-ジオール、5'-アデニル酸二ナトリウム、トラネキサム酸セチル、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、ハイドロキノン、パントテン酸等が挙げられる。
ョウエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、ステビアエキス、ステビア発酵物、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ソウハクヒエキス、ダイオウエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、タンポポエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、甜茶エキス、トウガラシエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、バーチエキス、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ヒノキエキス、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、ブドウ種子エキス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マヨナラエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モズクエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ユリエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、緑茶エキス、リンゴエキス、ルイボス茶エキス、レイシエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンギョウエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、ワレモコウエキス等のエキスが好ましいものとして挙げられる。
シリコーン油としてはシクロペンタシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、カプリリルメチコン、ジメチコン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン等が挙げられる。
さらに、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリル、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ク
エン酸トリエチル、オクチルメトキシシンナメート等も挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等) 、グリセリン脂肪酸エステル類(モノステアリン酸グリセリル等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE-ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE-グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2-オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2-デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、等が挙げられる。
pH調製剤としては、例えば、乳酸-乳酸ナトリウム、クエン酸-クエン酸ナトリウム、コハク酸-コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
防腐剤としては、エチルパラベン、ブチルパラベン等が挙げられる。
抗菌剤としては、1,3-ブチレングリコールやパラオキシ安息香酸エステルなどの合成系の他、カプリリルグリコール、カプリル酸グリセリル、エチルヘキシルグリセリン、カプリルヒドロキサム酸等の天然抗菌物質も好ましく挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。酸化防止助剤としては、
例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
下記の表1に示す処方にしたがい、実施例及び比較例の二層分離タイプの化粧料をそれぞれ製造した。すなわち、成分イ及び成分ロをそれぞれ、75℃に加熱して均一に混合した。75℃に保ったまま、成分イに成分ロを徐々に添加し、撹拌して乳化した。その後混合物を30℃迄冷却し、化粧料を得た。なお、静置しておくと油相成分の層とその下に存在する水性成分を抱える粒子が沈降した層との二層に分離した状態となった。
各化粧料について、以下の項目を評価した。
(1)粘度
各化粧料を10回振とうして油中水乳化形態としたものについて、B型粘度計 DIGITAL VISMETORON VDA(芝浦システム社製)を用いて、3号ローターを用い、回転数6rpm、60秒間、20℃の条件で粘度を測定した。測定値(mPa・s)を以下の基準で4段階評価した。
◎:5500以上~8500未満
○:4000以上5500未満、8500以上10000未満
△:4000mPa・s以下、又は10000以上12000未満
×:12000以上
各化粧料を10回振とうして油中水乳化形態としたものについて、適量を腕に塗布したときのみずみずしさを熟練の評価者が以下の基準で4段階評価した。
◎:優れている
○:良好
△:あまり良くない
×:不良
各化粧料を10回振とうして油中水乳化形態としたものについて、適量を腕に塗布して乾かした後に流水で軽く洗い流したときの耐水性を熟練の評価者が以下の基準で4段階評価した。
◎:優れている
○:良好
△:あまり良くない
×:不良
各化粧料を10回振とうして、化粧料の用時調製のしやすさについて、熟練の評価者が以下の基準で4段階評価した。
◎:10回の振とうで均一な状態となる
○:10回の振とうでややムラが見えるが、ほぼ均一な状態
△:10回の振とうでムラが目立つが、使用できる状態
×:10回の振とうで不均一な状態で油滴が見える
Claims (5)
- PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン及び/又はラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを化粧料全体の0.1~10質量%と、アルキル基の炭素数が12~24であるアルキルグリセリルエーテルを化粧料全体の0.1~1.2質量%と、粉体を化粧料全体の1~5質量%とを含有する、二層分離タイプの化粧料(ただし、微粒子酸化亜鉛を含有するものを除く)。
- さらに、引火点88℃以下の油剤を含有する、請求項1に記載の化粧料。
- さらに、紫外線吸収剤を化粧料全体の8質量%以上含有する、請求項1又は2に記載の化粧料。
- 水相の比率が40%以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化粧料。
- 日焼け止め用である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化粧料。
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