JP3704498B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚外用剤に関し、更に詳細には、コメ胚芽油と、ビタミンC、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸等の薬効剤とを含有することにより、皮膚のくすみ、シミ、ソバカスや老人性色素斑及び肝斑等の色素沈着を予防、改善し、肌の透明感を改善する等の優れた美白効果や美肌効果を付与できる皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、乳液、クリーム、化粧水、パック、洗浄料、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等の皮膚外用剤には、これらに所定の薬効を付与することを目的として種々の薬効成分が加えられている。
【0003】
例えば、日焼け等により生じる皮膚の黒化、色素沈着により生ずるシミ、ソバカス等を予防又は改善する為に、アスコルビン酸、胎盤抽出物、グルタチオン、ハイドロキノン等の美白剤が加えられている。
【0004】
しかしながら、これらの美白剤では美白効果が十分でなかったり、あるいは、製剤中で変質するなどして所期の薬効が得られない場合があり、その改善が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、より優れた美白作用や、美肌作用等を付与することのできる薬効成分や、それらの組み合わせを見出し、これを利用した皮膚外用剤を提供することをその課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、皮膚外用剤の薬効成分として使用することができる成分について鋭意検討を行っていたところ、コメ胚芽油が高いメラニン生成抑制作用を有するとともに、これを特定の薬効剤と組み合わせて配合することにより、皮膚外用剤としてより優れた美白及び/又は美肌効果等が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち本発明は、次の成分(A)及び(B)
(A)コメ胚芽油
(B)ビタミンC及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体並びにグリチルレチン酸及びその誘導体からなる群より選ばれる薬効剤の一種又
は二種以上
を含有し、優れた美白効果や美肌効果を有し、くすみ、シミ、ソバカス又は老人性色素斑及び肝斑等の色素沈着の予防及び改善、並びに肌の透明感を改善する皮膚外用剤を提供するものである。
【0008】
又、本発明は、上記成分(A)及び(B)に、更に成分(C)として次の(C−1)ないし(C−5)、
(C−1)カンゾウ抽出物、ヨクイニン(ハトムギ)抽出物、センプクカ抽出物、シソの実抽出物、キウイ抽出物及びトウキ抽出物から選ばれる美白剤の一種又は二種以上
(C−2)ビタミンB及びその誘導体、イラクサ抽出物、インチンコウ抽出物、ゲンチアナ抽出物及びスイカズラ(キンギンカ)抽出物から選ばれる抗炎症剤の一種又は二種以上
(C−3)スーパーオキシドディスムターゼ、ビタミンE及びその誘導体、オウバク抽出物、サンペンズ抽出物、ヤシャジツ抽出物及び茶抽出物から選ばれる抗酸化剤の一種又は二種以上
(C−4)ビタミンA及びその誘導体、カロチノイド類及び酵母抽出物から選ばれる細胞賦活剤の一種又は二種以上
(C−5)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛及び微粒子酸化亜鉛から選ばれる紫外線防止剤の一種又は二種以上
から選ばれる成分の一種又は二種以上を配合した、上記効果をより高めた皮膚外用剤を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において、成分(A)として用いられるコメ胚芽油は、イネ科に属するイネの種子の胚芽から得られた脂肪油で、軟膏の基剤や食料油等に広く用いられている。原料であるイネは世界の温・熱帯地方にかけて広く栽培されているが、本発明に用いられるコメ胚芽油では、イネの種類や産地は特に限定されない。
【0010】
本発明に用いられるコメ胚芽油(成分(A))は、上記イネの種子から得られる胚芽を圧搾若しくは溶媒抽出することにより得られるものである。このコメ胚芽油の調製方法としては特に制限はなく、圧搾による調製の場合は、例えば常法に従い、イネの種子の胚芽を圧搾して圧搾油を得た後、必要により不純物を取り除くためのリン酸処理、アルカリ中和処理、水洗処理、脱色・脱臭処理又はウインター処理(低温下での析出物の除去)等の操作を行なっても良い。又、溶媒抽出の場合は、常法に従ってヘキサン、アセトン、酢酸エチル、エーテル等の種々の溶媒を適宜用いてイネの種子の胚芽から抽出し、次いで減圧下溶媒を留去すれば良い。必要により各種溶媒を併用したり、加熱抽出しても良い。なお、市販品としては、例えば圧搾油としてオリザ油化株式会社製のコメ胚芽油があるので、これを使用しても良い。
【00011】
本発明の皮膚外用剤における成分(A)の含有量は特には限定されないが、好ましくは0.0001〜10質量%(以下単に「%」で示す)であり、より好ましくは0.001〜5%である。この範囲内であれば、成分(A)は皮膚外用剤中に安定に配合され、かつ高い美白及び/又は美肌効果を発揮することができる。
【0012】
本発明の皮膚外用剤において、成分(A)と組み合わせて使用される、成分(B)は、ビタミンC及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体並びにグリチルレチン酸及びその誘導体から選ばれる薬効剤である。このうち、ビタミンCの誘導体としては、ジパルミチン酸L−アスコルビル、テトライソパルミチン酸L−アスコルビル等のL−アスコルビン酸アルキルエステル、L−アスコルビン酸リン酸エステルおよびL−アスコルビン酸硫酸エステル等が、グリチルリチン酸の誘導体としては、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等が、グリチルレチン酸の誘導体としては、グリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸グリセリル等がそれぞれ挙げられる。これらの成分(B)は、上記成分の一種又は二種以上を使用することができる。
【0013】
これら成分(B)の起源及びその含有量は特には限定されないが、0.0001〜5%であることが好ましく、より好ましくは0.001〜5%の範囲である。この範囲であれば、成分(A)のコメ胚芽油と組み合わせた場合、製剤及び製剤中の成分(A)のコメ胚芽油の経時安定性に影響を及ぼすことがなく、より優れた美白及び/又は美肌効果を示し、かつ、使用感の良好な皮膚外用剤が得られる。
【0014】
本発明の皮膚外用剤は、上記成分(A)及び成分(B)を用い、常法に従い、公知の化粧料用担体と組み合わせることによって美白及び/又は美肌効果に優れた皮膚外用剤を得ることができる。この皮膚外用剤は、種々の形態とすることができるが、特に、成分(A)等をより安定に含有して本発明の効果を発揮させるためには、乳化型化粧料、可溶化型化粧料又は油性化粧料の形態とすることが好ましい。
【0015】
本発明においては、上記成分(A)と成分(B)の組み合わせのみによっても十分な美白及び/または美肌効果が得られるが、更に成分(C)として、次の(C−1)ないし(C−5)の美白剤、抗炎症剤、抗酸化剤、細胞賦活剤及び紫外線防止剤から選ばれる薬効剤を組み合わせることにより、より優れた効果を得ることができる。
【0016】
この成分(C−1)から(C−5)の具体的な例としては、例えば、それぞれ以下に示すものが好ましいものとして挙げられ、その起源や植物の産地等は特には限定されない。なお、ここでいう「誘導体」には形成可能な塩が含まれる。
【0017】
(C−1)カンゾウ抽出物、ヨクイニン(ハトムギ)抽出物、センプクカ抽出物、シソの実抽出物、キウイ抽出物及びトウキ抽出物から選ばれる美白剤の一種又は二種以上(なお、かっこ内は、植物の別名、生薬名等を示す。以下同じ)
(C−2)ビタミンB及びその誘導体、イラクサ抽出物、インチンコウ抽出物、ゲンチアナ抽出物及びスイカズラ(キンギンカ)抽出物から選ばれる抗炎症剤の一種又は二種以上
(C−3)スーパーオキシドディスムターゼ、ビタミンE及びその誘導体、オウバク抽出物、サンペンズ抽出物、ヤシャジツ抽出物及び茶抽出物から選ばれる抗酸化剤の一種又は二種以上
(C−4)ビタミンA及びその誘導体、カロチノイド類及び酵母抽出物から選ばれる細胞賦活剤の一種又は二種以上
(C−5)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛及び微粒子酸化亜鉛から選ばれる紫外線防止剤の一種又は二種以上
【0018】
本発明の皮膚外用剤は、美白及び/又は美肌効果に優れた皮膚外用剤として、常法に従い、成分(A)及び(B)、又は更に成分(C)を公知の化粧料用担体と組み合わせ種々の形態とすることができるが、特に、乳化型化粧料、可溶化型化粧料又は油性化粧料の形態とすることが好ましい。更に他の薬効成分と組み合せることにより、より美白、美肌効果の優れた皮膚外用剤が得られる。
【0019】
上記成分(C)を配合する場合の、皮膚外用剤での好ましい含有量は、成分(C)の種類、すなわち成分(C−1)ないし成分(C−5)の何れを選択するか、あるいはどれを組み合わせるか等により相違するが、一般的には、0.00001〜35%の範囲とすることが好ましい。この範囲であれば、前記本発明の成分(A)及び成分(B)と組み合わせた場合、製剤及び製剤中の成分(A)及び成分(B)の経時安定性に影響を及ぼすことがなく、より高い美白及び/又は美肌効果を発揮させることができる。なお、抽出物を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分としてこの範囲であれば良い。
【0020】
より具体的には、成分(C−1)を用いる場合は、好ましくは皮膚外用剤中、0.00001〜10%であり、より好ましくは0.0001〜5%の範囲である。この範囲であればより優れた美白及び/又は美肌効果を示し、かつ、使用感の良好な皮膚外用剤が得られる。
【0021】
又、成分(C−2)を用いる場合、その含有量は、皮膚外用剤中、0.00001〜5%の範囲が好ましく、より好ましくは0.0001〜3%の範囲である。この範囲であれば優れた抗炎症効果がみられ、かつ、優れた美白及び/又は美肌効果を示す皮膚外用剤が得られる。
【0022】
更に、成分(C−3)を用いる場合の含有量は、好ましくは皮膚外用剤中、0.00001〜5%、より好ましくは0.0001〜3%の範囲である。この範囲であればより優れた抗酸化効果の発現がみられ、かつ、優れた美白及び/又は美肌効果を示す皮膚外用剤が得られる。
【0023】
更に又、成分(C−4)を用いる場合の含有量としては、好ましくは皮膚外用剤中、0.00001〜5%の範囲、より好ましくは0.0001〜3%の範囲である。この範囲であればより優れた肌荒れ改善効果が発現し、かつ、優れた美白及び/又は美肌効果を示す皮膚外用剤が得られる。
【0024】
又更に、成分(C−5)を用いる場合の含有量としては、好ましくは皮膚外用剤中、0.001〜30%、より好ましくは0.01〜25%の範囲である。この範囲であればより優れた紫外線防止効果が発現し、かつ、優れた美白及び/又は美肌効果を示す皮膚外用剤が得られる。
【0025】
これらの成分(C−1)ないし成分(C−5)は、一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0026】
上記の成分(A)、成分(B)及び成分(C)を組み合せた本発明の皮膚外用剤は、常法に従い、種々の形態、例えば乳化型化粧料、可溶化型化粧料又は油性化粧料の形態に調製することができる。
【0027】
本発明の皮膚外用剤においては、前記成分(A)、(B)又はこれらと成分(C)以外に、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等に通常使用される各種の成分、即ち、成分(C)以外の美白剤、抗炎症剤、抗酸化剤、細胞賦活剤、紫外線防止剤等や、水、アルコール、油剤、界面活性剤、増粘剤、粉体、キレート剤、pH調整剤、各種薬効剤、動植物・微生物由来の抽出物、香料等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜加えることができる。
【0028】
このうち、成分(C)以外の美白剤、抗炎症剤、抗酸化剤、細胞賦活剤、紫外線防止剤としては、ブドウ種子抽出物、ブラックカラント抽出物、コムギ抽出物、キイチゴ抽出物、クララ(クジン)抽出物、コーヒー抽出物等の美白剤;コンフリー(ヒレハリソウ)抽出物、クレソン抽出物、サルビア(セージ)抽出物、ガマ(ホオウ)抽出物、ユーカリ抽出物、ヨモギ抽出物及びレンゲソウ抽出物等の抗炎症剤;キュウリ抽出物、ケイケットウ抽出物、ゲンノショウコ抽出物、シャクヤク抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、ニンジン抽出物、マイカイカ(マイカイ、ハマナス)抽出物、トルメンチラ抽出物、パセリ抽出物及びマンニトール等の抗酸化剤;アミノ酸及びその誘導体(セリン、グルタミン酸、テアニン、ヒドロキシプロリン、ピロリドンカルボン酸等)、アーモンド抽出物、イチョウ抽出物、オオムギ(バクガ)抽出物、麦芽根抽出物、ダイズ抽出物、ツボクサ抽出物及び動物由来抽出物(イカスミ等軟体動物抽出物、貝殻抽出物、貝肉抽出物、魚肉抽出物、鶏冠抽出物、シルクプロテイン及びその分解物、胎盤抽出物、ローヤルゼリー等)等の細胞賦活剤;4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン及びその誘導体(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等)等の紫外線防止剤などが挙げられる。
【0029】
また、それ以外の各種成分としては、以下のものが具体的に例示される。すなわち、溶解、清涼感、防腐、保湿等の目的で、アルコールを用いることができる。このアルコールとしては、エチルアルコール等の一価アルコールや、グリセリン、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール等を用いることができる。
【0030】
油剤は、使用性、使用感を良くするものとして、その由来、性状は問わず使用することができる。この油剤としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、トリグリセライド油、エステル油、ロウ類、脂肪酸類、高級アルコール、シリコン油、フッ素系油、各種ワックス等が挙げられる。
【0031】
界面活性剤は、油剤等の乳化や可溶化等のために用いられ、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性及び両性の活性剤を用いることができる。
【0032】
増粘剤としては、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、デキストリン脂肪酸エステル、有機変性粘土鉱物等、化学合成品又は天然物由来に関わらず用いることが可能である。又、これらの成分を系の粘度調整だけでなく、ゲル化、保湿、皮膜形成等のため等に用いることもできる。
【0033】
粉体としては、形状や粒子の大きさ、多孔性の有無、結晶構造等を問わず、使用性や使用感を良くする為に用いることができる。この粉体としては、タルク、マイカ、セリサイト、無水ケイ酸等の無機粉体、ナイロンパウダー等の有機粉体、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス等のパール顔料、酸化鉄、カーボンブラック、群青等の無機顔料、タール色素及びそのレーキ、天然色素等が用途に応じて用いられ、複合化や表面処理を行なったものでも良い。
【0034】
系中の成分の品質劣化を防ぐ為に、EDTA等のキレート剤、乳酸−乳酸ナトリウム等のバッファーによるpH調整剤を用いることもできる。
【0035】
薬効剤としては、ビタミン、ホルモン、動植物や微生物由来の抽出物等を含む種々のものが挙げられる。このうち抗菌剤は、ニキビ等を予防、改善する目的で用いられ、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。これらを配合することにより、ニキビ等、細菌性の皮膚の炎症による色素沈着を抑制し、更に高い美白及び/又は美肌効果を発揮することができる。
【0036】
活性酸素除去剤は、紫外線による過酸化脂質の生成等を抑制する目的で用いられ、マンニトール、クエルセチン、カテキン及びその誘導体、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。これらの活性酸素除去剤を配合することによって、くすみを抑制し、より高い美白及び/又は美肌効果を発揮することができる。
【0037】
保湿剤としては、タンパク質又はそれらの誘導体若しくは加水分解物並びにそれらの塩(コラーゲン、エラスチン、ケラチン等)、ムコ多糖及びその誘導体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等)、アミノ酸及びそれらの誘導体(ヒスチジン、セリン、グリシン、テアニン、アスパラギン酸、アルギニン、ピロリドンカルボン酸等)、糖類(ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、イノシトール、グルコース、キシリトール、蔗糖及びその誘導体、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ等)、D−パンテノール及びその誘導体、糖脂質、セラミド、アマチャ抽出物、アーモンド抽出物、アシタバ抽出物、アボカド抽出物、アルテア抽出物、アルニカ抽出物、温泉水、アロエ抽出物、ウスベニアオイ抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、オウレン抽出物、オトギリソウ抽出物、オドリコソウ抽出物、オノニス抽出物、カミツレ抽出物、カラスムギ抽出物、キイチゴ抽出物、クインスシード抽出物、クララ(クジン)抽出物、クチナシ抽出物、クマザサ抽出物、グレープフルーツ抽出物、クレソン抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ゴボウ抽出物、ゴマ抽出物、コムギ抽出物、コンフリー(ヒレハリソウ)抽出物、サイシン抽出物、サボテン抽出物、サボンソウ抽出物、サルビア(セージ)抽出物、サンザシ抽出物、ジオウ抽出物、シモツケ抽出物、シャクヤク抽出物、ショウガ抽出物、ショウブ抽出物、シラカバ抽出物、セイヨウハッカ(ペパーミント)抽出物、ゼニアオイ(ウスベニタチアオイ)抽出物、センキュウ抽出物、クワ(ソウハクヒ)抽出物、タチジャコウソウ(タイム)抽出物、ツバキ抽出物、トウチュウカソウ抽出物、トウモロコシ抽出物、ドクダミ抽出物、トルメンチラ抽出物、パセリ抽出物、ハッカ抽出物、ハマメリス抽出物、バラ抽出物、ヒノキ抽出物、ヒマワリ抽出物、フキタンポポ抽出物、ブッチャーズブルーム抽出物、ブドウ抽出物、プルーン抽出物、ヘチマ抽出物、ボダイジュ抽出物、ボタン(ボタンピ)抽出物、ホップ抽出物、マツ抽出物、マルメロ抽出物、マロニエ抽出物、ムクロジ抽出物、ムチン、ムラサキ(シコン)抽出物、メリッサ抽出物、ヤグルマソウ抽出物、ユキノシタ抽出物、ユリ抽出物、ライム抽出物、ラベンダー抽出物、リンゴ抽出物、リンドウ(リュウタン)抽出物、大豆及び卵由来のリン脂質、レンゲソウ抽出物、ワレモコウ抽出物、尿素、羅漢果抽出物、海藻抽出物等が挙げられる。
【0038】
更に、皮膚表面のシーリングによる保湿(エモリエント)剤として、ホホバ油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、杏仁油、パーシック油、サフラワー油、ヒマワリ油、アボガド油、メドゥホーム油、ツバキ油、アーモンド油、エゴマ油、ゴマ油、ボラージ(ルリジサ)油、カカオ脂、シア脂等が挙げられる。
これらの保湿剤を配合することにより、より高い美白及び/又は美肌効果を発揮し、透明感のある肌を実現することができる。
【0039】
血行促進剤は、皮膚の血流を促すことによってメラニンの排出を促進する目的で用いられ、アルニカ抽出液、トウガラシチンキ、イチョウ抽出物、γ―オリザノール等が挙げられ、酵素としてはリパーゼ、パパイン等が挙げられる。これらを配合することにより、更に高い美白及び/又は美肌効果が発揮できる。
【0040】
かくして得られる本発明の皮膚外用剤は、特に限定されず種々の剤型とすることができる。例えば、乳液、クリーム、化粧水、洗浄料、メーキャップ化粧料、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、リニメント剤等の剤型の化粧料や外用医薬品等とすることができる。
【0041】
【実施例】
次に参考例、試験例及び実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら制約されるものではない。
【0042】
参 考 例 1
コメ胚芽油(圧搾油)の製造:
イネ(Oryza sativa Linne(Gramineae))の種子から得られる胚芽1000gを圧搾した後、脱色、脱臭処理を行い、濾過をしてコメ胚芽油20gを得た。
【0043】
参 考 例 2
コメ胚芽油(ヘキサン抽出油)の製造:
イネ(Oryza sativa Linne(Gramineae))の種子から得られる胚芽1000gにn−ヘキサンを加えて抽出を行い、抽出液のヘキサンを留去した後、脱色、脱臭処理を行い、濾過をしてコメ胚芽油50gを得た。
【0044】
試 験 例 1
細胞培養によるメラニン生成抑制及び細胞生存率試験:
マウス由来のB16メラノーマ培養細胞を使用し、細胞培養によるメラニン生成抑制及び細胞生存率試験を行った。2枚の6穴プレートに10%FBS含有MEM培地を適量とり、B16メラノーマ細胞を播種した後、37℃、二酸化炭素濃度5%中にて静置した。翌日、参考例1で得たコメ胚芽油を最終濃度が0(対照)、25μg/mL及びリン酸−L−アスコルビルマグネシウムを0(対照)、2.5、5、10μg/mLとなるように調製した検体調製液を添加し、混和した。培養5日目に培地を交換し、再度同じ検体調製液を添加した。翌日、培地を除き、1枚のプレートについて、細胞をリン酸緩衝液(pH7)にて洗浄した後回収し、B16メラノーマ培養細胞の白色化度を以下の基準にて評価した。
【0045】
( 判定基準 )
++: 対照に対してきわめて白色である。
+ : 対照に対してあきらかに白色である。
± : 対照に対してやや白色である。
− : 対照と同じ黒色である。
【0046】
残りの1枚のプレートについては、細胞数をコールターカウンターにてカウントし、各検体濃度に対する細胞生存率を求めた。メラニン生成抑制試験の結果を表1、細胞生存率の試験結果を表2に示す。
【0047】
( 結 果 )
<メラニン生成抑制試験結果>
【表1】
【0048】
<細胞生存率試験結果>
【表2】
【0049】
表1及び表2の結果から明らかな如く、コメ胚芽油は高いメラニン生成抑制能を有し、かつB16メラノーマ培養細胞に対し毒性が低いことが認められた。又、リン酸−L−アスコルビルマグネシウムと組み合わせることによって、メラニン生成抑制能が飛躍的に高くなることがわかった。従って、コメ胚芽油とリン酸−L−アスコルビルマグネシウムと組み合わせて肌に適用することにより、極めて優れたメラニン生成抑制作用を発揮し、日焼けによる肌の黒色化、シミ、ソバカスなどを効果的に抑制し、美白及び/又は美肌効果を得ることができる。
【0050】
実 施 例 1
クリーム:
表3に示す組成及び下記製法でクリームを調製し、本発明の美白、美肌効果を調べた。この結果を表3に合せて示す。
【0051】
( 組成及び結果 )
【表3】
【0052】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(6)及び(10)を混合し、加熱溶解して70℃に保つ。
B. 成分(12)を加熱して70℃に保つ。
C. AにBを加えて乳化し、成分(7)〜(9)及び(11)を混合した後、冷却してクリームを得た。
【0053】
( 試験方法 )
被験クリーム1品につき27〜54才の女性15名をパネルとし、毎日、朝と夜の2回、洗顔後に被験クリームの適量を顔面に塗布した。試験は12週間行い、塗布による美白、美肌効果を以下の基準によって評価した。評価結果は、各評価の人数により示した。
【0054】
( 評価基準 )
<評価> <内 容>
有 効 肌のくすみが目立たなくなった。
やや有効 肌のくすみがあまり目立たなくなった。
無 効 使用前と変化なし。
【0055】
表3の結果に示される如く、コメ胚芽油とリン酸−L−アスコルビルマグネシウムを配合した本発明品1及びコメ胚芽油とグリチルリチン酸ジカリウムを配合した本発明品2のクリームは、それぞれを単独でその倍量配合した比較品に比べて、その効果がより優れることが明らかとなった。
【0056】
実 施 例 2
クリーム:
表4に示す組成及び下記製法でクリームを調製し、コメ胚芽油とリン酸−L−アスコルビルマグネシウムの組合わせに、更に、美白剤、抗炎症剤、抗酸化剤、細胞賦活剤及び紫外線防止剤をそれぞれ併用した場合の美白、美肌効果を調べた。この結果を表4に合せて示す。
【0057】
( 組成及び結果 )
【表4】
【0058】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(7)、(9)、(11)及び(12)〜(14)を混合し、加熱して70℃に保つ。
B. 成分(16)の一部を加熱して70℃に保つ。
C. AにBを加えて乳化し、成分(16)の残部で溶解した(8)、(10)及び(15)を混合した後、冷却してクリームを得た。
【0059】
( 試験方法及び評価基準 )
実施例1と同様に行なった。
【0060】
コメ胚芽油及びリン酸L−アスコルビルマグネシウムを配合した本発明品3のクリームは、これらを皮膚に適用することにより、肌の「くすみ」等の防止、改善をすることができ、美しい肌とすることが明らかであるが、表4の結果に示される如く、更に、コメ胚芽油及びリン酸L−アスコルビルマグネシウムと、美白剤、抗酸化剤、抗炎症剤、細胞賦活剤及び紫外線防止剤とをそれぞれ併用して配合した本発明品4〜8は、本発明品3や、美白剤、抗酸化剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、紫外線防止剤を単独で配合した比較品に比べて、より優れた肌の「くすみ」等の防止、改善効果を相乗的に発揮し、美しい肌とすることが明らかとなった。
【0061】
実 施 例 3
可溶化化粧水:
下記組成及び製法により、可溶化化粧水を調製した。
【0062】
( 製 法 )
A. 成分(1)、(2)、及び(4)〜(7)を混合溶解する。
B. 成分(3)、(8)〜(12)を混合溶解する。
C. AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0063】
実 施 例 4
可溶化化粧水:
下記組成及び製法により、可溶化化粧水を調製した。
【0064】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(6)を混合溶解する。
B. 成分(7)〜(12)を混合溶解する。
C. AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0065】
実 施 例 5
乳 液
下記組成及び製法により、乳液を調製した。
【0066】
( 製 法 )
A. 成分(14)〜(18)を加熱混合し、70℃に保つ。
B. 成分(1)〜(13)を加熱混合し、70℃に保つ。
C. AにBを加えて混合し、均一に乳化する。
D. Cを冷却後(19)〜(24)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0067】
実 施 例 6
乳 液 :
下記組成及び製法により、乳液を調製した。
【0068】
( 製 法 )
A. 成分(14)〜(18)を加熱混合し、70℃に保つ。
B. 成分(1)〜(13)を加熱混合し、70℃に保つ。
C. AにBを加えて混合し、均一に乳化する。
D. Cを冷却後(19)〜(24)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0069】
実施例3〜6で得られた化粧水及び乳液は、いずれも経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、日焼けによる肌の「くすみ」やシミやソバカスを防止し、透明感のある美しい肌にするものであった。
【0070】
実 施 例 7
軟 膏 :
下記組成及び製法により、軟膏を調製した。
【0071】
( 製 法 )
A. 成分(5)、(6)及び(7)の一部を加熱混合し、75℃に保つ。
B. 成分(1)〜(4)を加熱混合し、75℃に保つ。
C. AをBに徐々に加える。
D. Cを冷却しながら(7)の残部で溶解した(8)、(9)を加え、軟膏を得た。
【0072】
実 施 例 8
軟 膏 :
下記組成及び製法により、軟膏を調製した。
【0073】
( 製 法 )
A. 成分(5)、(6)及び(7)の一部を加熱混合し、75℃に保つ。
B. 成分(1)〜(4)を加熱混合し、75℃に保つ。
C. AをBに徐々に加える。
D. Cを冷却しながら(7)の残部で溶解した(8)〜(10)を加え、軟膏を得た。
【0074】
実施例7及び8の軟膏は、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、肌の「くすみ」やシミやソバカスを防止し、透明感のある美しい肌にするものであった。
【0075】
実 施 例 9
リキッドファンデーション:
下記組成及び製法により、リキッドファンデーションを調製した。
【0076】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(9)を混合溶解する。
B. Aに成分(13)〜(20)を加え、均一に混合し、70℃に保つ。
C. 成分(10)〜(12)を均一に溶解し、70℃に保つ。
D. CにBを添加して、均一に乳化する。
E. Dを冷却後、成分(21)〜(24)を添加してリキッドファンデーショ
ンを得た。
【0077】
実 施 例 10
油性ファンデーション:
下記組成及び製法により、油性ファンデーションを調製した。
【0078】( 製 法 )
A. 成分(1)〜(7)及び(13)〜(17)を80℃で加熱溶解する。
B. Aに成分(8)〜(12)を加えて均一に混合し、冷却固化して油性ファンデーションを得た。
【0079】
実 施 例 11
日やけ止め乳液:
下記組成及び製法により、日やけ止め乳液を調製した。
【0080】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(11)を混合分散する。
B. 成分(12)〜(15)を混合分散する。
C. AにBを添加して、均一に乳化する。
D. Cに成分(16)、(17)、(18)を添加して日やけ止め乳液を得た。
【0081】
実 施 例 12
日やけ止め乳液:
下記組成及び製法により、日やけ止め乳液を調製した。
【0082】
( 製 法 )
A. 成分(1)〜(11)を混合分散する。
B. 成分(12)〜(15)を混合分散する。
C. AにBを添加して、均一に乳化する。
D. Cに成分(16)〜(18)を添加して日やけ止め乳液を得た。
【0083】
実施例9〜12のリキッドファンデーション、油性ファンデーション及び日やけ止め乳液は、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、日焼け等による肌の黒化やシミやソバカスを防止する効果に優れるものであった。
【0084】
【発明の効果】
以上の如く、コメ胚芽油(成分(A))と、ビタミンC、グリチルリチン酸若しくはグリチルレチン酸又はそれらの誘導体(成分(B))とを含有する本発明の皮膚外用剤は、優れたメラニン生成抑制作用を有しており、色素沈着に対し高い抑制効果を発揮し、肌のくすみ、日やけなどによる皮膚の黒化、シミ、ソバカスの防止及び改善、老人性色素斑及び肝斑等の色素沈着の予防及び改善並びに肌の透明感の改善等に有効な美白及び/又は美肌効果を有するものである。
【0085】
又、上記成分(A)及び成分(B)の他、更なる成分として、美白剤、抗炎症剤、抗酸化剤、細胞賦活剤及び紫外線防止剤等の他の薬効成分(成分(C))を併用すると、より優れた美白及び/又は美肌効果を有するものである。
【0086】
従って、本発明の皮膚外用剤は、美白及び/又は美肌を目的とする化粧品や医薬品等として有利に用いることができるものである。
以 上
Claims (10)
- 次の成分(A)及び(B)
(A)コメ胚芽油
(B)ビタミンC及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体並びにグ
リチルレチン酸及びその誘導体からなる群より選ばれる薬効剤の一種又
は二種以上
を含有することを特徴とする美白用皮膚外用剤。 - 成分(A)の配合量が、0.0001〜10質量%、成分(B)の配合量が、0.0001〜5質量%である請求項1記載の美白用皮膚外用剤。
- 乳化型化粧料である請求項1又は2記載の美白用皮膚外用剤。
- 可溶化型化粧料である請求項1又は2記載の美白用皮膚外用剤。
- 油性化粧料である請求項1又は2記載の美白用皮膚外用剤。
- 更に、成分(C)として次の(C−1)ないし(C−5)、
(C−1)カンゾウ抽出物、ヨクイニン(ハトムギ)抽出物、センプクカ抽出
物、シソの実抽出物、キウイ抽出物及びトウキ抽出物から選ばれる美白
剤の一種又は二種以上
(C−2)ビタミンB及びその誘導体、イラクサ抽出物、インチンコウ抽出物
、ゲンチアナ抽出物及びスイカズラ(キンギンカ)抽出物から選ばれる
抗炎症剤の一種又は二種以上
(C−3)スーパーオキシドディスムターゼ、ビタミンE及びその誘導体、オ
ウバク抽出物、サンペンズ抽出物、ヤシャジツ抽出物及び茶抽出物から
選ばれる抗酸化剤の一種又は二種以上
(C−4)ビタミンA及びその誘導体、カロチノイド類及び酵母抽出物から選
ばれる細胞賦活剤の一種又は二種以上
(C−5)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、酸化チタン、微粒子
酸化チタン、酸化亜鉛及び微粒子酸化亜鉛から選ばれる紫外線防止剤の
一種又は二種以上
から選ばれる成分の一種又は二種以上を含有する請求項1ないし5のいずれかの項に記載の美白用皮膚外用剤。 - 成分(C)の配合量が0.00001〜35質量%である請求項6記載の美白用皮膚外用剤。
- 乳化型化粧料である請求項6又は7記載の美白用皮膚外用剤。
- 可溶化型化粧料である請求項6又は7記載の美白用皮膚外用剤。
- 油性化粧料である請求項6又は7記載の美白用皮膚外用剤。
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