JP6219603B2 - 固形粉体化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、アミノ変性シリコーン処理粉体と金属石鹸処理粉体を含有した固形粉体化粧料に関する。詳細には、ルース状粉末化粧料のようなふんわりとした軽い質感の化粧膜を形成し、乾燥を感じないしっとりとした感触を有する固形粉体化粧料に関する。
近年は、ファンデーションや白粉等の粉体化粧料において、ふんわりとした軽い質感の化粧膜を形成し得る粉末状(いわゆるルース状)化粧料が好まれる傾向にある。しかし、ルース状化粧料は外出時の携帯性や、使用時の小道具へのとれ等の点で固形のものに比べて使いにくさがある。また、最近は、冬の乾燥した季節のみならず、夏も空調の効いた室内での乾燥にさらされる機会が増え、粉体化粧料にも乾燥を感じないものが求められている。これまでにも、固形粉体化粧料において様々な配合成分の検討が行われており、例えば表面をアミノ変性シリコーンで処理した粉体を配合して伸展性、しっとりとした感触、打型成形性に優れた化粧料や(特許文献1)、シリコーン処理タルク、金属石鹸処理タルクおよびトリイソステアリン酸グリセリルを配合し、複数種の粉末化粧料を充填することにより耐衝撃性、広がりのよさ、なめらかさ等の使用性を改善した固形粉体化粧料(特許文献2)等が開示されている。しかしながら、ルース状化粧料のような、ふんわりとした質感の化粧膜と、肌に乾燥を感じさせない、しっとりした感触を併せ持つ固形粉体化粧料を得ることができる技術はこれまで報告されていなかった。
特開2004−182729号公報 特開2011−011988号公報
したがって、ルース状化粧料のようなふんわりとした軽い質感の化粧膜で、かつ乾燥感を感じない、しっとりとした感触を有する固形粉体化粧料の開発が望まれており、本発明はそのような固形粉体化粧料を提供することを課題とする。
本発明者は、上記目的達成のため鋭意研究を行った結果、アミノ変性シリコーン処理粉体と金属石鹸処理粉体とを組み合わせて固形状に成形することにより、小道具にふんわりとやわらかく取れ、均一で滑らかに伸び広がる使用性に優れ、かつ粉体化粧料でありながら乾燥感を感じないしっとりとした感触が得られ、さらに成形性に優れながらも、ルース状粉末化粧料のような軽くふんわりとした感触の化粧膜を形成できる固形粉体化粧料が得られることを見出し本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、次の成分(A)及び(B);
(A)アミノ変性シリコーン処理粉体
(B)金属石鹸処理粉体
を含有することを特徴とする固形粉体化粧料である。
本発明の固形粉体化粧料は、粉末状化粧料のようなふんわりとした着手時のとれと、ふんわりとした軽い質感の化粧膜を実現しながらも、付着性があり、乾燥感を感じないしっとりとした感触を有するものである。さらにこの化粧料は、均一で滑らかに伸び広がる良好な使用性を有し、また成形性にも優れるものである。
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明の成分(A)のアミノ変性シリコーン処理粉体は粉体表面をアミノ変性シリコーンで処理したものである。使用されるアミノ変性シリコーンとしては、アミノ基又はアンモニウム基を有しているシリコーンであればよく、末端水酸基の全て又は一部がメチル基等で封鎖されたアミノ変性シリコーンオイル、末端が封鎖されていないアモジメチコンのどちらでもよい。例えば、好ましいアミノ変性シリコーンとしては、以下の一般式(1)で表されるものが挙げられる。
Figure 0006219603
〔式中、Rは水酸基、水素原子又はRを示し、Rは置換又は非置換の炭素数1〜20の一価炭化水素基を示し、XはR、−Q−NH(CHNH、−OR又は水酸基を示し、Qは炭素数1〜8の二価炭化水素基を示し、nは1〜5の数を示し、p及びqはその和が数平均で2以上2000未満、好ましくは20以上2000未満、更に好ましくは30以上1000未満となる数を示す〕
上記アミノ変性シリコーンのアミノ当量は、好ましくは200g/mol〜3万g/mol、更に好ましくは500g/mol〜1万g/mol、更に好ましくは600g/mol〜5000g/molである。アミノ当量とは、アミノ基又はアンモウム基1個当たりのシロキサン骨格の質量を意味している。表記単位のg/molはアミノ基又はアンモニウム基1mol当たりに換算した値である。したがって、アミノ当量の値が小さいほど分子内でのアミノ基又はアンモニウム基の比率が高いことを示している。
また、アミノ変性シリコーンの粘度は、粉体が均一に被覆され、化粧膜の均一性が得られるという点から、25℃において100〜3000mm/sの範囲であることが好ましい。
上記のアミノ変性シリコーンの好適な市販品の具体例としては、SF8451C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,粘度600mm/s,アミノ当量1700g/mol)、SF8452C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,粘度700mm/s,アミノ当量6400g/mol)、SF8457C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,粘度1200mm/s,アミノ当量1800g/mol)、KF8003(信越化学工業社製,粘度1850mm/s,アミノ当量2000g/mol)、KF8004(信越化学工業社製,粘度800mm/s,アミノ当量1500g/mol)、KF867S(信越化学工業社製,粘度1300mm/s,アミノ当量1700g/mol)、XF−42−B8922(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製,粘度70000mm/s,アミノ当量13000g/mol)等のアミノ変性シリコーンオイルや、SM8704C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,アミノ当量1800g/mol)等のアモジメチコーンエマルションが挙げられる。
上記のアミノ変性シリコーンオイルは、25℃で液状のものが好ましく、エマルションの形で使用してもよい。このアミノ変性シリコーンのエマルションは、例えば、アミノ変性シリコーンと溶媒を高剪断で機械混合したものや、アミノ変性シリコーンを水及び乳化剤で乳化したもの、若しくはこれらの組み合わせ、又は乳化重合によっても調製することができる。
一方、上記アミノ変性シリコーンによって処理される被処理粉体は、通常化粧料に使用される粉体であれば特に限定されるものではなく、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等を問わず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等のいずれも使用することができる。具体的には、酸化チタン、黒色酸化チタン、酸化セリウム、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆合成マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、酸化チタン被覆ガラス末、有機顔料被覆マイカチタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、酸化チタン含有シリカ、酸化亜鉛含有シリカ等の複合粉体類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
これらの中でも、ルース状化粧料のようなふんわりとした軽い質感の化粧膜を形成し、かつ乾燥感を感じない、しっとりとした感触が得られることから、酸化チタン、酸化亜鉛、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、無水ケイ酸、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、硫酸バリウムなどの無機粉体が好ましく、その中でも、板状粉体がより好ましい。具体的にはマイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、板状硫酸バリウム、板状硫酸カルシウム等の無機板状粉体などがより好ましく、特にマイカ、合成マイカが好ましい。
また、平均粒径は、ルース状化粧料のようなふんわりとした軽い質感の化粧膜としっとりとした感触が得られることから、0.5〜200μmが好ましく、更に好ましくは1〜150μmである。なお、本発明において平均粒径とは、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用い、水中分散状態で測定された粉体の幅と長さの装置上の平均値(積算体積50%の粒径値)をいう。
本発明における成分(A)アミノ変性シリコーン処理粉体は、アミノ変性シリコーンを溶媒に分散させ粉体表面に被覆処理させるか、粉体とアミノ変性シリコーンを接触させ必要に応じ溶媒等を用い、機械力を用いて粉体表面に被覆処理させることにより得られたものをいう。これらの粉体表面を被覆処理する方法としては、特に限定されるものではなく、通常公知の処理方法が用いられる。具体的には、直接粉体と混合する方法や、水、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ヘキサン、軽質イソパラフィン、ベンゼン、トルエン等の溶媒を用いる方法が挙げられ、更に、気相法、メカノケミカル法等が挙げられる。メカノケミカル法のなかでも、雷潰機、加圧式ニーダー、ミックスマラー、ローラミル、バンバリーミキサー、石臼等のずりせん断式加圧状態でずり剪断力が加えられる機構を有した混練機を用いる方法が好ましい。
特に好ましい一態様としては、ずりせん断式低速混練機を用いる方法であり、例えば、アミノ変性シリコーンと粉体と溶媒とを雷潰機等を用い混合し、70℃〜120℃に加熱して、その後解砕する方法が挙げられる。また、他の好ましい一態様として、アミノ変性シリコーンを揮発性溶剤中に溶解した後に粉体と混合し、溶剤を乾燥除去し、または乾燥除去する時に70℃〜120℃に加熱して、その後解砕する方法が挙げられる。このうち、ずりせん断式低速混練機を用いて、アミノ変性シリコーンと粉体を混合後、70℃〜120℃に加熱してから解砕したアミノ変性シリコーン被覆粉末が特に好ましい。
上記のようにアミノ変性シリコーンで被覆された粉体を70℃〜120℃程度に加熱することは、アミノ変性シリコーン中のアミノ基及びシロキサン結合の酸素原子が、粉体表面とより強固に相互作用し、粉体表面への処理がより均一になり、しっとりした使用感や化粧持ちがより高まるため好ましい。また、溶媒を用いて混練することにより、混練中に基材の表面を強摩擦で擦過傷を作り、新たに露出した活性点に静電吸着することができ粉体表面への被覆が向上するため、しっとりした使用感や化粧持ちを更に向上することが可能となり好ましい。
本発明の粉体化粧料に用いられる成分(A)のアミノ変性シリコーンの処理量は特に限定されないが、粉体100質量部に対し、0.1〜10質量部のアミノ変性シリコーンで処理したものが、伸び広がりの軽さとしっとり感、肌への付着力の点から好ましく、更に、粉体100質量部に対し、0.5〜7質量部のアミノ変性シリコーンで処理したものが、それらの効果において特に顕著であるためより好ましい。
本発明の成分(A)は市販品を用いることもできる。市販品としては、雲母を処理したものとして、「マイカ Y−2300WA3」(ヤマグチマイカ社製、平均粒径19μm)、タルクを処理したものとして、「EX−15WA3」(ヤマグチマイカ社製、平均粒径15μm)をあげることができる。
本発明の成分(A)は、本発明の効果を妨げない範囲で、他の処理剤、例えば脂肪酸やフッ素化合物などと同時に処理することもできる。
本発明における成分(A)の含有量は化粧料中に10〜30質量%(以下、単に「%」という)、好ましくは10〜20%であることが、成形性を保ちつつもふんわり感やしっとり感といった感触面に優れ、また適度な付着性を示すことから好ましい。
成分(B)の金属石鹸処理粉体は、粉体の表面を脂肪酸の金属塩からなる金属石鹸で処理したものである。使用される金属石鹸は特に限定されないが、例えば、ミリスチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸等の脂肪酸と、亜鉛、カルシウム、マグネシウム等の金属からなるものであり、より具体的には、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。
上記金属石鹸で処理される被処理粉体は、上記成分(A)で用いられる粉体と同様であり、通常化粧料に使用される粉体であれば特に限定されるものではなく、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等を問わず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等のいずれも使用できる。具体的には、酸化チタン、黒色酸化チタン、酸化セリウム、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆合成マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、酸化チタン被覆ガラス末、有機顔料被覆マイカチタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、酸化チタン含有シリカ、酸化亜鉛含有シリカ等の複合粉体類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
これらの中でも、ルース状化粧料のようなふんわりとした軽い質感の化粧膜が形成され、かつ乾燥感を感じない、しっとりとした感触が得られることから、酸化チタン、酸化亜鉛、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、無水ケイ酸、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、硫酸バリウムなどの無機粉体が好ましく、その中でも、板状粉体がより好ましい。具体的にはマイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、板状硫酸バリウム、板状硫酸カルシウム等の無機板状粉体などがより好ましく、特にタルクが好ましい。
また平均粒径は、ルース状化粧料のようなふんわりとした軽い質感の化粧膜を形成し、しっとりとした感触が得られることから0.5〜200μmが好ましく、更に好ましくは1〜150μmである。
成分(B)の金属石鹸処理粉体の製造方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、粉体の一種又は二種以上の混合物と、脂肪酸のアルカリ塩と、水とを混合した中に、金属の塩化物を加えて反応させ、処理物を沈降させる方法によって行われる。成分(B)における金属石鹸の処理量は特に限定されないが、粉体100質量部に対する金属石鹸の処理量が0.1〜10質量部であると、付着による化粧持ちや成形性に優れることから好ましく、さらに処理量が6〜8質量部であるとこれらの効果が特に発揮されやすいためにより好ましい。
本発明に用いる成分(B)は、本発明の効果を妨げない範囲で、他の処理剤、例えば脂肪酸やフッ素化合物などと同時に処理することもできる。
本発明における成分(B)の含有量は、化粧料中に5〜30%、好ましくは10〜20%の範囲であると、ふんわり感が得られるとともに成形性を保つことができ、かつ適度な付着により化粧持ちに優れるために好ましい。
また本発明の固形粉体化粧料における成分(A)と(B)の質量比は特に限定されるものではないが、成形性、感触および付着性に優れることから1:10〜10:1((A):(B))が好ましく、1:5〜5:1がより好ましく、さらに1:3〜4:1の範囲が好ましい。
本発明の固形粉体化粧料には、上記成分の他に、通常、化粧料に使用される成分、例えば、成分(A)及び(B)以外の粉体、界面活性剤、油剤、紫外線吸収剤、油ゲル化剤、水溶性高分子やアルコール等の水性成分、トリメチルシロキシケイ酸等の油溶性被膜形成剤、パラオキシ安息香酸誘導体、フェノキシエタノール等の防腐剤、ビタミン類、美容成分、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
成分(A)及び(B)以外の粉体としては、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等を問わず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等のいずれも使用できる。具体的には、酸化チタン、黒色酸化チタン、酸化セリウム、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆合成マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、酸化チタン被覆ガラス末、有機顔料被覆マイカチタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、酸化チタン含有シリカ、酸化亜鉛含有シリカ等の複合粉体類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。また、脂肪酸やフッ素化合物などにより表面処理されていてもよい。
界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン等の非イオン性界面活性剤類、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩等の陰イオン性界面活性剤類、アルキルアミン塩、ポリアミンおよびアルカノイルアミン脂肪酸誘導体、アルキルアンモニウム塩、脂環式アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤類、リン脂質、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。
油剤としては、例えば、パラフィンワックス、セレシンワックス、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャトロプスワックス、ポリエチレンワックス、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素系類、カルナウバロウ、ミツロウ、ラノリンワックス、キャンデリラ等の天然ロウ類、2−エチルヘキサン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、リンゴ酸ジイソステアアリル、ダイマージリノール酸エステル、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル等のエステル類、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類、N−ラウロイルーL−グルタミン酸ジエステル等のアミノ酸誘導体類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。
油剤を用いる場合、固形粉体化粧料中の含有量は通常0〜30%、好ましくは0.01〜20%、更には0.1〜10%程度である。
紫外線吸収剤としては、通常、化粧料に用いられるものであれば何れでもよく、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4,6−トリアニリノ−パラ−(カルボ−2'−エチルヘキシル−1'−オキシ)−1,3,5−トリアジン等のベンゾフェノン系、サリチル酸−2−エチルヘキシル等のサリチル酸系、パラジヒドロキシプロピル安息香酸エチル等のPABA系、パラメトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル等の桂皮酸系、4−tert−4'−メトキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。
水性成分としては、水や水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール等の低級アルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等が挙げられる。
本発明の固形粉体化粧料は、上記成分(A)及び(B)を含む粉体を固形状に成型したものであり、例えば、粉体に油剤等を分散させた組成物を、皿等の容器に充填し圧縮成形することにより製造される。この固形粉体化粧料は、粉体を主成分とするものであり、少なくとも粉体を化粧料中に70%以上含有することが好ましく、更には80%以上含有するものが好ましい。用途としては、ファンデーション、白粉、コンシーラー、チークカラー、アイカラー、ボディパウダー等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
製造例1:5%アミノ変性シリコーン処理酸化チタン
アミノ変性シリコーン(KF8003/信越化学工業社製)5質量部をイソプロピルアルコール70質量部に溶解し、そこに酸化チタン(CR−50/平均粒径0.25μm/石原産業社製)を95質量部添加した。それを卓上攪拌機により混合した後、80℃でイソプロピルアルコールを蒸発乾燥した。それをアトマイザー(LM−05/ダルトン社製)にて粉砕処理し、5%アミノ変性シリコーン処理酸化チタンを得た。
製造例2:3%アミノ変性シリコーン処理マイカ
アミノ変性シリコーン(KF867S/信越化学工業社製)3質量部とマイカ(Y‐2300/平均粒径19μm/ヤマグチマイカ社製)97質量部を雷潰機にて、3時間混合し、100℃で4時間加熱した。その後、アトマイザー(LM−05/ダルトン社製)にて粉砕処理し、3%アミノ変性シリコーン処理マイカを得た。
製造例3:3%アミノ変性シリコーン処理タルク
アミノ変性シリコーン(KF867S/信越化学工業社)3質量部とタルク(EX−15/平均粒径15μm/ヤマグチマイカ社製)97質量部を雷潰機(ZOD型/石川工場社製)にて3時間混合し、90℃で3時間加熱した。その後、アトマイザー(LM−05/ダルトン社製)にて粉砕処理し、3%アミノ変性シリコーン処理タルクを得た。
製造例4:2%アミノ変性シリコーン処理タルク
アミノ変性シリコーン(SF8451C/東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)2質量部とタルク(JA−13R/平均粒径6μm/浅田製粉社製)98質量部をスーパーミキサー(sSMP−2/カワタ社製)にて3000rpmで10分間混合し、70℃で5時間加熱した。その後、アトマイザー(LM−05/ダルトン社製)にて粉砕処理し、2%アミノ変性シリコーン処理タルクを得た。
製造例5:3%アミノ変性シリコーン処理マイカ
アミノ変性シリコーン(KF867S/信越化学工業社製)3質量部とマイカ(Y‐2300/平均粒径19μm/ヤマグチマイカ社製)97質量部と水10質量部とを雷潰機(ZOD型/石川工場社製)にて、3時間混合し、100℃で4時間加熱した。その後、アトマイザー(LM−05/ダルトン社製)にて解砕処理し、3%アミノ変性シリコーン処理マイカを得た。
製造例6:3%アミノ変性シリコーン処理タルク
アミノ変性シリコーン(KF8004/信越化学工業社製)3質量部とタルク(EX−15/平均粒径15μm/ヤマグチマイカ社製)97質量部と水10質量部とを雷潰機(ZOD型/石川工場社製)にて3時間混合し、90℃で3時間加熱した。その後、アトマイザー(LM−05/ダルトン社製)にて解砕処理し、3%アミノ変性シリコーン処理タルクを得た。
実施例1〜4及び比較例1〜2:白粉(固形粉体)
表1に示す成分を用いて、下記の製造方法により固形粉体状の白粉を製造した。得られた白粉について、下記評価方法及び評価基準により評価した。その結果を併せて表1に示した。
Figure 0006219603
(製造方法)
A:成分1〜12を混合する。
B:Aに成分13〜16を加え混合する。
C:Bをパルベライザーで粉砕する。
D:Cを金皿にプレス充填し、固形粉体状白粉を得た。
〔評価方法〕
化粧料評価専門パネル20名に、表1に記載の実施例及び比較例の固形粉体状白粉を使用してもらい、パフへの「適度な取れ」(イ)、塗布時の「伸び広がりの滑らかさ」(ロ)、塗布後の「仕上がり膜の均一性」(ハ)、「ルースパウダーの様な仕上がりの質感」(ニ)、「負担感のなさ」(ホ)、化粧塗布後3時間までの「しっとり感の持続」(ヘ)の其々の項目について、各自が以下の評価基準に従って5段階評価して試料毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。この時の「適度な取れ」とは、パフへ多く取れすぎると粉飛びや化粧膜が不均一となってしまい、少なすぎるとふんわりとした化粧膜ができず、使用性が悪くなってしまう場合があることから、均一な膜が滑らかに伸び広がりやすい程度の適量が取れるかどうかを評価した。また「ルースパウダーの様な仕上がりの質感」とは、フォギー感のあるふんわりとした軽い仕上がりのことを言う。また、各白粉について下記方法により落下試験を行い成形性を評価した。
評価基準:
[評価結果] :[評点]
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
判定基準:
[評点の平均点] :[判定]
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満: ○
1.5以上〜3.5未満: △
1.5未満 : ×
(落下試験)
実施例及び比較例の固形粉体状白粉をコンパクト容器にセットし、高さ50cmの位置から塩化ビニル樹脂など、硬質な素材を用いた床材であるプラスチックタイル(一般にP−タイルと呼ばれる)に落下させた後の化粧料に割れや欠けがおきたものを不合格とした。
表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜4の固形粉体状白粉は、塗布時の「伸び広がりの滑らかさ」、塗布後の「仕上がり膜の均一性」、「ルースパウダーの様な仕上がりの質感」、「負担感のなさ」、化粧塗布後3時間までの「しっとり感の持続」の項目において、優れたものであった。「適度な取れ」については、実施例1がもっとも優れており、実施例2,3はやや取れが多く、実施例4はやや少ないものの、膜の均一性、伸び広がりの点から適切な範囲の量であった。またいずれも成形性は良好であった。
これに対して、成分(A)のアミノ変性シリコーン処理粉体を含有しない比較例1は、成形性が低く落下試験に不合格となり、さらに「伸び広がりの滑らかさ」や「仕上がり化粧膜の均一性」、「ルースパウダーの様な仕上がりの質感」、「負担感のなさ」、化粧塗布後3時間までの「しっとり感の持続」の評価項目において劣っていた。
また、成分(B)の金属石鹸処理粉体を含有しない比較例2では、成形性は良いものの、取れ量が少なく「適度な取れ」の項目で劣っており、「仕上がり化粧膜の均一性」、「ルースパウダーの様な仕上がりの質感」、「負担感のなさ」においても劣っていた。
実施例5〜6:ボディパウダー(固形粉体)
表2に示す成分を用いて、下記の製造方法により固形粉体状のボディパウダーを製造した。得られたボディパウダーについて、パフへの「適度な取れ」(イ)、塗布時の「伸び広がりの滑らかさ」(ロ)、塗布後の「仕上がり膜の均一性」(ハ)、「ルースパウダーの様な仕上がりの質感」(ニ)、「負担感のなさ」(ホ)、化粧塗布後3時間までの「しっとり感の持続」(ヘ)の其々の項目を上記評価方法及び評価基準に従って評価した。その結果を併せて表2に示した。
Figure 0006219603
(製造方法)
A:成分5〜7をふるいで処理する。
B:Aと成分1〜4及び8〜10を混合する。
C:Bを粉砕する。
D:Cを皿状容器に充填し、圧縮成型し固形粉体状ボディパウダーを得た。
表2の結果から明らかなように、本発明の実施例5及び6の固形粉体状白粉は、塗布時の「伸び広がりの滑らかさ」、塗布後の「仕上がり膜の均一性」、「ルースパウダーの様な仕上がりの質感」、「負担感のなさ」、化粧塗布後3時間までの「しっとり感の持続」の項目において、優れたものであった。
実施例7:アイシャドウ(固形粉体状)
下記処方によるアイシャドウを下記製法に従って調製した。
(処方)
(成分) (%)
1.マイカ 残量
2.製造例2のアミノ変性シリコーン処理マイカ 20
3.ミリスチン酸マグネシウム処理タルク 10
4.ナイロン末 2
5.無水ケイ酸 2
6.メチルパラベン 0.2
7.黒酸化鉄 45
8.雲母チタン 10
9.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.5
10.2−エチルヘキサン酸セチル 1.5
(製造方法)
A:成分1〜8を混合する。
B:Aに成分9〜10を混合する。
C:Bを皿状容器に充填し、圧縮成型し固形粉末アイシャドウを得た。
実施例7の固形粉体状アイシャドウは、「適度な取れ」、塗布時の「伸び広がりの滑らかさ」、塗布後の「仕上がり膜の均一性」、「ルースパウダーの様な仕上がりの質感」、「負担感のなさ」、化粧塗布後3時間までの「しっとり感の持続」の全ての項目において、優れたものであった。
本発明は、固形粉体化粧料でありながら、ルース状化粧料のようなふんわりとした軽い質感の化粧膜を形成するとともに、乾燥感を感じない、しっとりとした感触が得られるものであり、従来にない、いわゆるフォギー感を有する固形粉体化粧料として有用なものである。

Claims (7)

  1. 次の成分(A)及び(B);
    (A)アミノ変性シリコーン処理粉体
    (B)金属石鹸処理粉体
    、質量比((A):(B))1:10〜10:1の範囲で含有し、成分(A)におけるアミノ変性シリコーンが、下記一般式(1);
    Figure 0006219603
    〔式中、Rは水酸基、水素原子又はRを示し、Rは置換又は非置換の炭素数
    1〜20の一価炭化水素基を示し、XはR、−Q−NH(CH)nNH
    、−OR又は水酸基を示し、Qは炭素数1〜8の二価炭化水素基を示し、
    nは1〜5の数を示し、p及びqはその和が数平均で2以上2000未満、
    好ましくは20以上2000未満、更に好ましくは30以上1000未満と
    なる数を示す〕
    で表されるものであることを特徴とする固形粉体化粧料。
  2. 前記成分(A)を10〜30質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の固形粉体化粧料。
  3. 前記成分(A)が、粉体100質量部に対し、0.1〜10質量部のアミノ変性シリコーンで処理されたものである請求項1又は2に記載の固形粉体化粧料。
  4. 前記成分(A)が、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、板状硫酸バリウムおよび板状硫酸カルシウムよりなる群から選ばれる無機板状粉体をアミノ変性シリコーンで処理したものである請求項1〜3のいずれかの項に記載の固形粉体化粧料。
  5. 前記成分(B)を5〜30質量%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の固形粉体化粧料。
  6. 前記成分(B)が、粉体をミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛およびステアリン酸マグネシウムよりなる群から選ばれる金属石鹸で処理したものである請求項1〜5のいずれかの項に記載の固形粉体化粧料。
  7. 前記成分(B)が、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、板状硫酸バリウムおよび板状硫酸カルシウムよりなる群から選ばれる無機板状粉体を金属石鹸で処理したものである請求項1〜6のいずれかの項に記載の固形粉体化粧料。
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