JP6845065B2 - 粉体化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、特定の化合物によって表面被覆された粉体を含有する粉体化粧料に関するものであり、さらに詳しくは、伸びが滑らかでしっとりした感触であり、顔の表情筋や瞼の動きでも化粧膜がヨレることがなく均一で、化粧持続効果に優れた粉体化粧料に関するものである。
パウダーファンデーションやアイシャドウ等の粉体化粧料は、肌へ塗布する際にべたつきがなく、使用方法が簡便な上に、携帯性にも優れることから、消費者に好まれている。しかしながら、構成成分の大半が粉体であるため、化粧膜のしっとり感や密着性には欠ける傾向があり、使用感や機能性等の更なる向上が求められている。
近年、化粧膜のしっとり感や肌への付着性を向上させることを目的として、様々な検討がなされており、例えば、種々の表面被覆処理粉体を配合する技術(例えば、特許文献1〜3参照)や、種々の油剤を配合する技術(例えば、特許文献4,5参照)等が挙げられる。しかしながら、これらの技術では、粉体自身のしっとり感や肌への付着性は向上するものの、化粧料としたときの密着感や化粧膜の均一性、特に、動きの激しい目周りや口回りへ塗布した際のヨレのなさに関しては、満足のいくものではなかった。
特開2011−001332号公報 特開2013−139400号公報 特開2006−199645号公報 特開2011−116685号公報 特開2010−077043号公報
従って本発明は、よりしっとり感に優れ、さらには顔の表情筋や瞼の動きでも化粧膜がヨレることがなく均一であり、化粧持続効果に優れた粉体化粧料を提供することを課題とする。
このような事情に鑑み、本発明者らは鋭意研究を行った結果、特定のシリコーン化合物によって表面被覆された粉体が比較的吸油量が高いことに着目し、これと、滑らかな使用感に優れる特定のシリコーンリン酸トリエステルとを組み合わせることにより、シリコーンリン酸トリエステルが効率よく粉体表面に保持され、粉体化粧料は、しっとり感に優れ、更に顔や瞼の動きで化粧膜がヨレることがなく均一で、密着感と化粧持続効果に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B)を含有し、
(A)下記の表面被覆処理剤(a)及び(b)により表面被覆された粉体
(a)下記一般式(1)で示される両末端反応性ジオルガノポリシロキサン
SiO−(R SiO)−SiR (1)
(式中、各Rは水酸基を表し、各Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Lは3〜10,000のいずれかの整数を表す)
(b)下記一般式(2)で示されるアミノ基含有シラン化合物
SiX(3−m) (2)
(式中、Rは少なくとも1つのアミノ基を有する炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、mは0または1である)
(B)下記一般式(I)で示されるシリコーンリン酸トリエステル
(式中、各Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは−O−及び−CO−から選ばれる少なくとも1種を有していても良い炭素数2〜7の2価の炭化水素基を表し、nは5〜40のいずれかの整数を表す)
成分(A)の配合量が1〜90質量%、成分(B)の配合量が0.1〜10質量%である、
粉体化粧料に関するものである。
本発明の粉体化粧料は、滑らな伸び広がりでしっとり感に優れ、密着感と化粧持続効果に優れるものである。顔や瞼の動きで化粧膜がヨレることがなく、均一な仕上がりが持続するため、パウダーファンデーションやアイシャドウ等のメークアップ化粧料として有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
本発明に使用される成分(A)の表面被覆された粉体とは、下記に示す表面被覆処理剤(a)と(b)とを、同時に被覆することにより得られるものである。
(a)下記一般式(1)で示される両末端反応性ジオルガノポリシロキサン
SiO−(R SiO)−SiR (1)
(式中、各Rは水酸基を表し、各Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Lは3〜10,000のいずれかの整数を表す)
(b)下記一般式(2)で示されるアミノ基含有シラン化合物
SiX(3−m) (2)
(式中、Rは少なくとも1つのアミノ基を有する炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、mは0または1である)
本発明に用いられる表面処理剤のうち(a)は、両末端反応性ジオルガノポリシロキサンであり、下記一般式(1)で示される両末端ヒドロキシシリル基変性シリコーンである。
SiO−(R SiO)−SiR (1)
(式中、各Rは水酸基を表し、各Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基でを表し、Lは3〜10,000のいずれかの整数を表す)
上記(a)は、液状のオイル様化合物であるが、本発明においては、水性サスペンションまたは水性エマルジョンの形態で用いることが、成分(A)の感触等を良好にする点で好ましい。該(a)の水性エマルジョンを調製する方法としては、通常公知の方法でよく、低分子環状シロキサンを出発原料として乳化重合する方法や、オイル状の両末端反応性ジオルガノポリシロキサンを乳化する方法等が例示される。
また、本発明に用いられる表面被覆処理剤のうち(b)は、アミノ基含有シラン化合物であり、下記一般式(2)で示されるものである。
SiX(3−m) (2)
(式中、Rは少なくとも1つのアミノ基を有する炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、mは0または1である)
上記(b)の好ましい例としては、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどを例示できる。
さらに、本発明に使用される成分(A)の好ましい様態としては、上記の表面被覆処理剤である(a)と(b)とを縮合反応させた、シリコーンの微三次元架橋構造を有する重合物(以下、「シリコーン微架橋物」と称する)により、表面を被覆された粉体である。該シリコーン微架橋物は、ゴム弾性を有しない化合物であればよく、表面被覆処理剤(a)と(b)との質量比が、概ね100:0.1〜100:35の配合範囲で得ることができる。(b)が0.1質量%より少ないと、粘性を有するシリコーンオイルまたはガム状であり、35質量%より多いと弾性を有するシリコーンエラストマー状となり、表面被覆された粉体の撥水性が低下する傾向がある。
また、上記シリコーン微架橋物とはゴム弾性すなわちゴム硬度を有しない重合体であり、ISO7619−1に規定されるデュロメータタイプAOによる測定法(軟質ゴム硬度測定)の測定値が10未満であり、より好ましくは5未満、さらに好ましくは0のものである。
さらに、上記シリコーン微架橋物のレオロジー特性は、動的粘弾性測定(25℃、歪み率17%、剪断周波数4Hz)における複素弾性率が3,000〜100,000Pa、損失係数tanδ(損失弾性率G”/貯蔵弾性率G’)が1.0〜2.5であることが好ましい。より好ましくは、複素弾性率が10,000〜100,000Paであり、損失係数tanδが1.0〜2.0である。前記複素弾性率が3,000Paより小さいと、シリコーンオイルとしての性質を示し、表面被覆粉体の使用感が低下する傾向にある。複素弾性率が100,000より大きいと、弾性体の性質を示し、撥水性と肌への密着性が低下する傾向にある。損失係数tanδが1.0未満であると、弾性体の性質を示し、撥水性と肌への密着性が低下する傾向にある。損失係数tanδが2.5より大きいと、シリコーンオイルとしての性質を示し、表面被覆粉体の使用感が低下する傾向にある。
前記シリコーン微架橋物のレオロジー特性は、以下のようにして測定することができる。
動的粘弾性測定装置:Rheosol−G3000(UBM社製)
測定治具:直径20mmのパラレルプレート
測定周波数:4Hz
測定温度:25±1.0℃
測定歪の設定:歪み率17%に設定し、自動測定モードにて測定を行う。
測定試料厚み(ギャップ):1.0mm
ここで剪断周波数を4Hzとしたのは、人にとって一般的な物理的動作速度の範囲であり化粧料を肌へ塗布する際速度に近似している理由による。
本発明に使用される成分(A)において、表面被覆されうる粉体としては、通常の化粧料に用いられる粉体であれば、特に限定されず、無機粉体、有機粉体、金属石鹸粉末、光輝性粉体、色素粉体、これらの複合粉体等が挙げられ、その粒子形状(球状、針状、板状等)、粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)等を問わず、何れのものも使用することができる。
無機粉体として、具体的には、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、シリカ等が挙げられる。
有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロースパウダー、シルクパウダー、ナイロンパウダー(12ナイロン、6ナイロン)、スチレン・アクリル酸共重合体パウダー、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体パウダー、ビニル樹脂パウダー、尿素樹脂パウダー、フェノール樹脂パウダー、フッ素樹脂パウダー、ケイ素樹脂パウダー、アクリル樹脂パウダー、メラミン樹脂パウダー、エポキシ樹脂パウダー、ポリカーボネイト樹脂パウダー、微結晶繊維粉体パウダー、コメデンプン、ラウロイルリジン等が挙げられる。
これらの中でも、特に限定しないが、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化鉄、紺青、群青、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロースパウダー、シルクパウダー、ナイロンパウダー(12ナイロン、6ナイロン)、スチレン・アクリル酸共重合体パウダー、シリコーンパウダー、ポリエチレンテレフタレートパウダー、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン酸化スズ被覆合成雲母、酸化チタン被覆ガラスパール等を選択すると、より化粧効果が高い表面被覆粉体を得ることができるため特に好ましい。
本発明に使用される成分(A)において、これらの粉体に上記の表面被覆処理剤である(a)と(b)とを表面被覆する方法としては、特に限定されないが、例えば、表面被覆処理剤と粉体とを直接混合し(加熱して)被覆する乾式被覆方法、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ヘキサン等の溶媒に表面被覆処理剤を溶解又は分散し、この溶液又は分散液に粉体を添加し、混合後、前記溶媒を乾燥等により除去、加熱、粉砕する湿式被覆方法、メカノケミカル方法等が挙げられる。
また成分(A)は、国際公開2014/102863号パンフレットに記載された方法に基づいて得ることができる。例えば、粉体と上記シリコーン微架橋物をミキサー等で単純混合して被覆することも可能である。また、より好ましくは、in-situ法にて粉体の存在下でシリコーン微架橋物を粉体粒子表面に析出させた後、加熱することで、粒子表面にシリコーン微架橋物を固着する方法を用いることができる。この方法により、粉体粒子表面への被覆の均一性が高まり、より良好な軽い使用感で、肌への密着性により優れる、表面被覆された粉体を得ることができる。
このようにして得られる成分(A)は、粉体表面が表面被覆処理剤(a)及び(b)により被覆されたものであり、その被覆量は、特に制限されないが、粉体と表面処理剤との質量比が、99.99:0.01〜70:30 が好ましく、99.9:0.1〜90:10が特に好ましい。この範囲であれば、より滑らかな軽い感触でしっとり感があり、肌への密着性に優れた表面被覆粉体が得られる。
本発明における成分(A)の含有量は、特に限定されないが、1〜90質量%が好ましく、より好ましくは、10〜90質量%である。この範囲であれば、本発明の粉体化粧料が、よりしっとり感や滑らかな伸び広がり、密着感に優れるようになるため好ましい。
本発明に使用される成分(B)のシリコーンリン酸トリエステルは、下記式(I)で表される。
(式中、各Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは−O−及び−CO−から選ばれる少なくとも1種を有していても良い炭素数2〜7の2価の炭化水素基を表し、nは5〜40のいずれかの整数を表す)
具体的に、シリコーンリン酸トリエステルとしては、例えば、以下のものが挙げられる。ただし、nは5〜40のいずれかの整数である。これらは、1種単独でも、2種以上の混合物でも使用できる。
本発明に使用される成分(B)のシリコーンリン酸トリエステルは、たとえば、以下の反応式に示される方法により製造することができる(特開2011−173852号公報を参照)。
(式中、R、R及びnは、上記式(I)における定義と同じ)
式(IV)で表される片末端カルビノール変性シリコーンと式(V)で表されるオキシ塩化リンとを、溶媒中で塩基の存在化で反応させる。上記反応を行う際に使用する溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、ジエチルエーテル、アセトニトリル等の極性溶媒等が使用できる。塩基としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン類、ピペラジン、イミダゾールなどの複素環状アミン類、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類、n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド等の有機金属類等が使用できる。反応温度は、通常、25℃〜50℃程度であり、反応時間は、シリコーン鎖長によっても異なるが、通常、2時間〜20時間程度である。
上記反応により、式(I)で表されるシリコーンリン酸トリエステルが得られるが、副生物として、式(II)
式(II)
(式中、R、R及びnは、上記式(I)における定義と同じ)で表されるシリコーンリン酸ジエステル、式(III)
(式中、R、R及びnは、上記式(I)における定義と同じ)で表されるシリコーンリン酸モノエステルなどが生じる。
これら副生物が存在したままシリコーンリン酸エステル混合物として使用することもできるが、通常の方法により、生成物を精製して、実質的に式(I)で表されるシリコーンリン酸トリエステルのみを使用してもよい。
本発明の成分(B)において、式(I)で表されるシリコーンリン酸トリエステル、式(II)で表されるシリコーンリン酸ジエステル及び式(III)で表されるシリコーンリン酸モノエステルの配合割合は、式(I)で表されるシリコーンリン酸トリエステルが効果を奏する限り特に限定されないが、好ましくは、式(I)で表されるシリコーンリン酸トリエステルが60〜100質量%、式(II)で表されるシリコーンリン酸ジエステルが0〜35質量%、及び、式(III)で表されるシリコーンリン酸モノエステルが0〜5質量%である。
本発明における成分(B)の含有量は、特に限定されないが、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは、0.5〜5質量%である。この範囲であれば、本発明の粉体化粧料が、滑らかな伸び広がり、密着感、化粧持続効果により優れる点でより好ましい。
本発明の粉体化粧料とは、粉体を主成分とするものであるが、上記必須成分に加えて、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲において、成分(A)以外の粉体、成分(B)以外の油剤、界面活性剤、多価アルコール、水溶性高分子、トリメチルシロキシケイ酸等の油溶性被膜形成剤、パラオキシ安息香酸誘導体、フェノキシエタノール等の防腐剤、紫外線吸収剤、保湿剤、抗菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物等を適宜、配合することができる。
粉体としては、前記表面被覆されうる粉体で挙げた粉体を例示することができ、未処理の粉体をそのまま、あるいは油剤やシリコーン、フッ素化合物等で、成分(A)以外の表面被覆処理を行なったものを、用いることができる。
油剤としては、成分(B)以外であれば特に限定されず、固形油、半固形油、液状油等が挙げられ、天然動植物油及び半合成油、炭化水素油、エステル油、グリセライド油、シリコーン油、高級アルコール、高級脂肪酸、有機溶剤等が例示される。
固形油としてはカルナウバロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、セラックロウ、硬化油等の天然ロウ類、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の鉱物系ワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、エチレン・プロピレンコポリマー等の合成ワックス、ベヘニルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、コレステロール、フィトステロールなどの高級アルコール、ステアリン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸等を例示することができる。
液状油で、天然動植物油及び半合成油としては、具体的にアボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カヤ油、肝油、キョウニン油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サザンカ油、サフラワー油、シナギリ油、シナモン油、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、綿実油、ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、卵黄油等が挙げられる。
炭化水素油としては、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン等が挙げられる。
エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。
グリセライド油としては、アセトグリセライド、トリイソオクタン酸グリセライド、トリイソステアリン酸グリセライド、トリイソパルミチン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、モノステアリン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、トリミリスチン酸グリセライド等が挙げられる。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
高級アルコールとしてはオレイルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール等が挙げられる
高級脂肪酸としてはオレイン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればよく、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレン変性シリコーン等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸及びそれらの無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノルアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、大豆リン脂質が挙げられる。
本発明の粉体化粧料の製造方法は、特に限定されないが、例えば、成分(A)を含む粉体成分と、成分(B)を含む油剤とを混合した後、粉砕しルース状にする方法、粉砕後に乾式で金皿に圧縮成型する方法、また、成分(A)を含む粉体成分と、成分(B)を含む油剤と、溶剤とを混合してスラリー状としたものを充填した後に、溶剤除去して成型する湿式成型方法等が挙げられる。
本発明の粉体化粧料は、ファンデーション、頬紅、口紅、アイシャドウ、アイブロウ、コンシーラー等のメーキャップ化粧料、日焼け止め化粧料等のスキンケア化粧料等が挙げられるが、本発明の効果が顕著に発揮される化粧料は、ファンデーション、アイシャドウ等のメーキャップ化粧料である。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.シリコーン微架橋物サンプルの調製
サンプル1:
PP製300ml容器にて、イオン交換水100gにラウロイルメチルタウリンナトリウム0.1gを溶解後、(a)両末端反応性ジオルガノポリシロキサン(粘度30mPa・s)10gを、ホモミキサー6000rpm攪拌下に徐添する。常温にて10分間攪拌し、乳化して(a)の水系エマルジョンを得た。これをスターラーで攪拌しながら、(b)アミノプロピルトリエトキシシラン(KBE−903:信越化学工業社製)の25wt%IPA溶液4gを添加する。次いで1N−NaOH水溶液にて、pHを10.5に調整して15分間攪拌した後、アルミ皿に移し、105℃で24時間、乾燥させてシリコーン微架橋物を得た。得られたシリコーン微架橋物の、デュロメータAOによる測定はNA(測定限界以下)、複素弾性率は23000Pa、tanδは1.091であった。
サンプル2:
(a)両末端反応性ジオルガノポリシロキサン(粘度30mPa・s)500gを容量2リットルのポリエチレンビーカーに仕込み、ラウロイルメチルタウリンナトリウム22.5gおよびイオン交換水50gをホモミキサーで5000rpmで攪拌しながら徐々に滴下して転相させた。増粘させた後、攪拌速度を7000rpmに上げて15分間攪拌し、イオン交換水を450g加えて希釈した。次いで、卓上加圧ホモジナイザー(APVゴーリン製)で70MPaにて1回乳化分散して、(a)の水エマルジョン(1)を得た。この水エマルジョン(1)を105℃で3時間乾燥して水を揮発除去した固形分について、GPCによるPS換算の分子量を求めたところ6000であった。固形分は51.0%であった。
PP製300ml容器にて、上記のエマルション(1)19.6gに、イオン交換水90.4gを加え、常温にて、ホモミキサーを用いて6000rpm、10分間攪拌した。これをスターラーで攪拌しながら、(b)アミノプロピルトリエトキシシラン(KBE−903:信越化学工業社製)の25wt%IPA溶液4gを添加する。次いで1N−NaOH水溶液にて、pHを10.5に調整して15分間攪拌した後、アルミ皿に移し、105℃で24時間、乾燥させてシリコーン微架橋物を得た。得られたシリコーン微架橋物の、デュロメータAOによる測定はNA(測定限界以下)、複素弾性率は39500Pa、tanδは1.187であった。
サンプル3:
容量2リットルのポリエチレンビーカーにオクタメチルシクロテトラシロキサン450gとイオン交換水500g、ラウロイルメチルタウリンナトリウム6.75gを仕込み、ホモミキサー撹拌2000rpmにより予備混合した後、クエン酸4gを添加して、70℃に昇温してホモミキサー5000rpmにより24時間乳化重合した。卓上加圧ホモジナイザー(APVゴーリン製)で50MPaにて1回乳化分散することにより高分子量の(a)の水エマルジョンを得た。次いで10%炭酸ナトリウムを加えてpH7に調整して(a)の水エマルジョン(2)を得た。この水エマルジョン(2)を105℃で3時間乾燥して水を揮発除去した固形分について、GPCによるPS換算の分子量を求めたところ10000であった。固形分は46.5%であった。
PP製300ml容器にて、上記のエマルション(2)21.5gに、イオン交換水88.5gを加え、常温にて、ホモミキサーを用いて6000rpm、10分間攪拌した。これをスターラーで攪拌しながら、(b)アミノプロピルトリエトキシシラン(KBE−903:信越化学工業社製)の25wt%IPA溶液4gを添加する。次いで1N−NaOH水溶液にて、pHを10.5に調整して15分間攪拌した後、アルミ皿に移し、105℃で24時間、乾燥させてシリコーン微架橋物を得た。得られたシリコーン微架橋物の、デュロメータAOによる測定はNA(測定限界以下)、複素弾性率は17500Pa、tanδは1.353であった。
(デュロメーターAOによる測定)
スチロール角型ケース(タテ36×ヨコ36×高さ14mm)に、シリコーン微架橋物を面より僅かに出るように仕込み、表面を平たんにして試験面とする。デュロメーターの加圧板を試験面上20mm位置に置き、試験面表面と加圧板が平行になるように維持された状態で、加圧板を試験片に押し当てて針の目盛りを読み取る。この操作を5回行い平均値を測定値とした。なお、測定により針が動かなかった場合はNA(Not Applicable)とした。
(動的粘弾性測定)
下記に示す条件によりG’(貯蔵弾性率)およびG”(損失弾性率)を求め複素弾性率とtanδを求めた。
粘弾性測定装置:Rheosol−G3000(UBM社製)
測定治具:直径20mmのパラレルプレート
測定周波数:4Hz
測定温度:25±1.0℃
測定歪の設定:歪み率17%に設定し、自動測定モードにて測定を行う。
測定試料厚み(ギャップ):1.0mm
2.表面被覆された粉体(成分(A))の製造
製造例1:((a)/(b)=100/10)5%表面被覆マイカ
容量20リットルのPE製容器に、水7LとY−2300(ヤマグチマイカ社製)1kgを仕込み、ディスパーミキサー(プライムミクス社;AM−40)にて2000rpmで5分間分散した。前記の水エマルジョン(2)103gを添加して2500rpmにて5分間攪拌した。次いで、架橋剤としてアミノプロピルトリエトキシシラン(KBE−903;信越化学工業社製)5質量%水溶液を96g添加した。1N−NaOH水溶液にてpHを10.3に調整した後、3000rpmにて30分間攪拌反応させた。遠心脱水機にてろ過して7Lの水にて洗浄した後、脱水ケーキを乾燥機中120℃にて16時間乾燥した。この時ケーキ中に温度センサーを挿入して温度を記録したところ、115℃以上で7時間加熱されていた。乾燥したケーキをパルベライザーで粉砕して、5%表面被覆マイカを得た。
製造例2:((a)/(b)=100/10)0.1%表面被覆マイカ
製造例1の水エマルジョン(2)とアミノプロピルトリエトキシシラン5質量%水溶液の仕込み量を、それぞれ2.0gと1.8gに換えた以外は、製造例1に準じて、0.1%表面被覆マイカを得た。
製造例3:((a)/(b)=100/10)10%表面被覆マイカ
製造例1の水エマルジョン(2)と、アミノプロピルトリエトキシシラン5質量%水溶液の仕込み量を、それぞれ196gと182gに換えた以外は、製造例1に準じて、10%表面被覆マイカを得た。
製造例4:((a)/(b)=100/10)0.05%表面被覆マイカ
製造例1の水エマルジョン(2)と、アミノプロピルトリエトキシシラン5質量%水溶液の仕込み量を、それぞれ1.0gと0.9gに換えた以外は、製造例1に準じて、0.05%表面被覆マイカを得た。
製造例5:((a)/(b)=100/10)15%表面被覆マイカ
製造例1の水エマルジョン(2)と、アミノプロピルトリエトキシシラン5質量%水溶液の仕込み量を、それぞれ293gと272gに換えた以外は、製造例1に準じて、15%表面被覆マイカを得た。
製造例6:((a)/(b)=100/0.1)5%表面被覆マイカ
製造例1の水エマルジョン(2)と、アミノプロピルトリエトキシシラン5質量%水溶液の仕込み量を、それぞれ108gと1.0gに換えた以外は、製造例1に準じて、5%表面被覆マイカを得た。
製造例7:((a)/(b)=100/35)5%表面被覆マイカ
製造例1の水エマルジョン(2)と、アミノプロピルトリエトキシシラン5質量%水溶液の仕込み量を、それぞれ80gと259gに換えた以外は、製造例1に準じて、5%表面被覆マイカを得た。
製造例8:((a)/(b)=100/0.05)5%表面被覆マイカ
製造例1の水エマルジョン(2)と、アミノプロピルトリエトキシシラン5質量%水溶液の仕込み量を、それぞれ107gと0.5gに換えた以外は、製造例1に準じて、5%表面被覆マイカを得た。
製造例9:((a)/(b)=100/50)5%表面被覆マイカ
製造例1の水エマルジョン(2)と、アミノプロピルトリエトキシシラン5質量%水溶液の仕込み量を、それぞれ72gと333gに換えた以外は、製造例1に準じて、5%表面被覆マイカを得た。
製造例10:((a)/(b)=100/10)5%表面被覆タルク
製造例1の粉体に換えて、FK−300S(N)(ヤマグチマイカ社製)を用いた以外は、製造例1に準じて、5%表面被覆タルクを得た。
3.シリコーンリン酸トリエステル(成分(B))の製造
製造例11:シリコーンリン酸トリエステルの製造
カルビノール変性シリコーン(式2)を265g、テトラヒドロフラン136gを混合し、−40℃に冷却した。リチウムジイソプロピルアミド(LDA)(1mol/THF溶液)200mlを滴下し、90分反応させた後、オキシ塩化リン(式1)7.8gを添加し、1時間反応させた。25℃まで温度を上げさらに2時間熟成させた後、濃塩酸42gを加え反応を終了させた。メタノールで洗浄し溶媒を留去することにより、シリコーンリン酸トリエステルを含む混合物を得た。得られた混合物の組成比は、31P−NMR測定により、トリエステル体である式(I)が92%、ジエステル体である式(II)が1%、その他ポリリン酸を含む副生成物が7%であった。
4.粉体化粧料の製造
実施例1〜3、参考例4、5、実施例6〜15、参考例16、17および比較例1〜9アイシャドウ
表1に示す組成のアイシャドウを下記製造方法に従って調製した。得られたアイシャドウについて、下記の評価方法により「しっとり感」、「滑らかな伸び広がり」、「密着感」、「化粧持ち(ヨレのなさ)」の評価を行った。結果を併せて表1に示す。
(注1)KLEAROL WHITE MINERAL OIL(SONNEBORN社製)
(注2)Y−2300(ヤマグチマイカ社製)
(注3)両末端反応性ジオルガノポリシロキサン(粘度30mPa・s)5%表面被覆マイカ (マイカは(注2)のものを使用。以下も同様。)
(注4)KSG−6(信越化学工業社製)5%表面被覆マイカ
(注5)KBE−903(信越化学工業社製)5%表面被覆マイカ
(注6)(KF−99P(信越化学工業社製)2.5%/ステアロイルグルタミン酸2Na2.5%)表面被覆マイカ
(注7)ハイフィラー K−5(松村産業社製)
(注8)KSP−100(信越化学工業社製)
(注9)マツモトマイクロスフェアー M101(松本油脂製薬社製)
(製造方法)
A.成分(8)〜(28)をスーパーミキサーで均一混合する。
B.成分(1)〜(7)を75℃に加熱し、均一混合する。
C.Aに、Bを添加混合する。
D.Cを粉砕する。
E.Dを容器に充填し、プレス後、アイシャドウを得た。
(評価方法)
化粧品評価専門パネル20名に、前記実施例及び比較例のアイシャドウを使用してもらい、「しっとり感」、「滑らかな伸び広がり」、「密着感」、「ヨレのなさ」について、各自が以下の基準に従って5段階評価し、アイシャドウ毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。なお、「ヨレのなさ」については、アイシャドウ塗布から6時間後(日常生活)の状態を、塗布直後との比較で評価した。
<評価基準>
(評価結果):(評点)
非常に良好:5点
良好 :4点
普通 :3点
やや不良 :2点
不良 :1点
<判定基準>
(評点の平均点) :(判定)
4.5以上 :◎
3.5以上4.5未満:○
1.5以上3.5未満:△
1.5未満 :×
(結果)
表1の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1〜3、参考例4、5、実施例6〜15、参考例16、17のアイシャドウは、「しっとり感」、「滑らかな伸び広がり」、「密着感」、「ヨレのなさ」の全ての項目に優れた粉体化粧料であった。一方、成分(B)に替えて、ジメチルポリシロキサンを含有する比較例1、2では、肌への密着感が劣り、粘稠性の高い油剤を含有する比較例3、4では滑らかな伸び広がりに劣り、いずれの油剤でも十分な化粧持続効果が得られなかった。成分(A)を含有せず、未処理の粉体を含有する比較例5では、全ての項目を満足させるものは得られなかった。また、成分(A)に替えて他の表面被覆粉体を含有する比較例6、7では密着感に劣り、比較例8、9ではしっとり感と滑らかな伸び広がりに劣る結果となった。
実施例18 ファンデーション
下記の処方および製法によりファンデーションを製造した。
(処方) (%)
(1)製造例11のシリコーンリン酸トリエステル 2
(2)流動パラフィン(注1) 4
(3)2−エチルヘキサン酸グリセリル 4
(4)製造例1の表面被覆マイカ 30
(5)製造例10の表面被覆タルク 10
(6)セリサイト 残量
(7)酸化チタン 15
(8)窒化ホウ素 5
(9)ポリメタクリル酸メチル(注9) 7
(10)ポリエチレン末(注10) 5
(11)ベンガラ 1
(12)黄酸化鉄 2
(13)黒酸化鉄 0.3
(14)パラオキシ安息香酸メチル 0.2
(注10)ミペロンPM−200(三井化学社製)
(製造方法)
A.成分(4)〜(14)をスーパーミキサーで均一混合する。
B.成分(1)〜(3)を75℃に加熱し、均一混合する。
C.Aに、Bを添加混合する。
D.Cを粉砕処理する
E.Dを容器に充填し、プレス後、固形粉末状のファンデーションを得た。
(結果)
得られたファンデーションは、しっとり感と密着感に優れ、塗布時の滑らかな伸び広がりを有し、化粧持続効果が高い固形粉末状のファンデーションであった。
実施例19 粉末状白粉
下記の処方および製法により粉末状白粉を製造した。
(処方) (%)
(1)製造例11のシリコーンリン酸トリエステル 0.5
(2)流動パラフィン(注1) 0.5
(3)2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.5
(4)香料 0.1
(5)製造例1の表面処理マイカ 50
(6)セリサイト 残量
(7)雲母チタン 15
(8)ポリメタクリル酸メチル(注7) 10
(9)赤色226号 0.5
(10)ベンガラ 1
(11)黄酸化鉄 2
(12)黒酸化鉄 0.3
(13)パラオキシ安息香酸メチル 0.2
(製造方法)
A.成分(5)〜(13)をスーパーミキサーで均一混合する。
B.成分(1)〜(4)を75℃に加熱し、均一混合する。
C.Aに、Bを添加混合する。
D.Cを粉砕処理し、粉末状白粉を得た。
(結果)
得られた白粉は、しっとり感と密着感に優れ、塗布時の滑らかな伸び広がりを有し、化粧持続効果が高い粉末状白粉であった。
実施例20 固形粉末状頬紅
下記の処方および製法により固形粉末状頬紅を製造した。
(処方) (%)
(1)製造例11のシリコーンリン酸トリエステル 7
(2)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 7
(3)流動パラフィン(注1) 5
(4)製造例1の表面処理マイカ 35
(5)合成金雲母 5
(6)オキシ塩化ビスマス 5
(7)雲母チタン 20
(8)セリサイト 残量
(9)ポリエチレン末(注10) 5
(10)赤酸化鉄 0.1
(11)赤色226号 0.1
(12)パラオキシ安息香酸メチル 0.2
(製造方法)
A.成分(4)〜(12)をスーパーミキサーで均一混合する。
B.成分(1)〜(3)を75℃に加熱し、均一混合する。
C.Aに、Bを添加混合する。
D.C100部に対して、揮発性油剤(軽質流動イソパラフィン))50部を添加し、均一混合し、スラリー状とする。
E.Dを酸化アルミニウム製金皿に充填し、表面に吸い取り紙を置き加圧して溶剤の一部を除去する。
F.Eを70℃の恒温槽に10時間放置し、溶剤を完全に除去して、頬紅を得た。
(結果)
得られた頬紅は、しっとり感と密着感に優れ、塗布時の滑らかな伸び広がりを有し、化粧持続効果が高い固形粉末状の頬紅であった。

Claims (4)

  1. 次の成分(A)及び(B)を含有し、
    (A)下記の表面被覆処理剤(a)及び(b)により表面被覆された粉体
    (a)下記一般式(1)で示される両末端反応性ジオルガノポリシロキサン
    SiO−(R SiO)−SiR (1)
    (式中、各Rは水酸基を表し、各Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Lは3〜10,000のいずれかの整数を表す)
    (b)下記一般式(2)で示されるアミノ基含有シラン化合物
    SiX(3−m) (2)
    (式中、Rは少なくとも1つのアミノ基を有する炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、mは0または1である)
    (B)下記一般式(I)で示されるシリコーンリン酸トリエステル
    (式中、各Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは−O−及び−CO−から選ばれる少なくとも1種を有していても良い炭素数2〜7の2価の炭化水素基を表し、nは5〜40のいずれかの整数を表す)
    前記成分(A)の配合量が1〜90質量%、前記成分(B)の配合量が0.1〜10質量%である、
    粉体化粧料。
  2. 前記成分(A)における、粉体と表面被覆処理剤(a)及び(b)との含有質量比が、99.9:0.1〜90:10である請求項1記載の粉体化粧料。
  3. 前記成分(A)における、表面被覆処理剤(a)と(b)の質量比が100:0.1〜100:35である請求項1又は2に記載の粉体化粧料。
  4. 前記成分(A)が、表面被覆処理剤(a)と(b)とを縮合反応させた、シリコーンの微三次元架橋構造を有する重合物により、表面被覆された粉体である請求項1〜のいずれか一項に記載の粉体化粧料。
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