JPWO2012161084A1 - 化粧品及びそれに用いられるspfブースター剤 - Google Patents

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Abstract

ポリアミド多孔質微粒子の効果的な紫外線散乱効果により、乳化組成物中に分散している有機系紫外線吸収剤及び無機系紫外線遮蔽剤の紫外線吸収、遮蔽能力を増幅するブースター効果が発揮され、サンプロテクションファクターが高い化粧品及びそれに用いられるSPFブースター剤を提供する。本発明は、球晶構造を有し、数平均粒子径が1〜30μm、粒子径分布が1〜2.5であるポリアミド多孔質微粒子、及び有機系紫外線吸収剤がそれぞれ独立した状態で添加された乳化組成物からなる化粧品及び球晶構造を有し、数平均粒子径が1〜30μm、粒子径分布が1〜2.5であるポリアミド多孔質微粒子を主成分とすることを特徴とするSPFブースター剤に関する。

Description

本発明は、ポリアミド多孔質微粒子及び有機系紫外線吸収剤を含有する乳化組成物からなる化粧品及びそれに用いられるSPFブースター剤に関し、特に、皮膚に適用した場合に、ポリアミド多孔質微粒子の紫外光散乱作用による紫外線吸収剤の吸収効果が増大することで、人体に有害な紫外線吸収剤の配合量を減らすことができる化粧品及びそれに用いられるSPFブースター剤に関する。
ポリアミド多孔質微粒子は、一般的な真球状の非孔性粒子と比較して、比較的大きな細孔からなる多孔質構造を有しているため、比表面積が大きく、光の屈折界面が多数存在する。また、粒子自体は、結晶性高分子の高次構造として、結晶非晶ラメラからなる球晶構造を有していることから、粒子内にも屈折率差の異なる界面が多数存在する。このためポリアミド多孔質微粒子に可視光が照射されると、光を散乱させる効果が高くなる。このことから、ポリアミド多孔質微粒子を化粧品組成物中に配合すると、ソフトフォーカス性が高く発揮される。
ポリアミド多孔質微粒子を配合した化粧品組成物は、ソフトフォーカス性、皮脂や汗を吸収する性質などから、これまで多くの文献や実施例が見受けられる。特許文献1及び2には、数平均粒子径1〜30μm、粒子径分布1〜1.5の略球形もしくは筒状、ダンベル状であるポリアミド多孔質粒子を含有する化粧品組成物が開示されている。特に、分散溶液中では、球状に比べてダンベル状粒子の光散乱性は高いことが示されている。また、特許文献3及び4には、有機および無機の紫外線吸収剤もしくは紫外線遮蔽剤を多孔質粒子に担持させた複合化ポリアミド多孔質微粒子が示されている。
一方、添加物の光散乱効果によって紫外線吸収剤の吸収効果が増大し、結果として、紫外線の皮膚への遮断効果によりサンプロテクションファクター(SPF)が上昇する、いわゆるブースター剤というものが広く知られている。非特許文献1では、(スチレン/アクリル酸アルキル)コポリマーからなる中空状球状粒子の光散乱効果により、SPFの値が増大することが報告されている。
国際公開2004−043411号公報 特開2005−239575号公報 特開2010−53272号公報 特開2010−185028号公報
ロームスフィアパウダー SPFブースター,フレグランスジャーナル,2006年,11月号,P120−121
しかしながら、これまでポリアミド多孔質微粒子の紫外光の散乱効果については明らかにされていなかった。また、ポリアミド多孔質微粒子に無機の紫外線遮蔽剤や有機の紫外線吸収剤を積極的に担持した複合化粒子が知られているものの、これらは紫外線散乱成分もしくは吸収成分がポリアミド粒子の表面および内部に坦持されたことにより、それら自体は凝集体として存在するため、効果的な紫外線吸収効果が得られないことが問題となっていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ポリアミド多孔質微粒子の効果的な紫外線散乱効果により、乳化組成物中に分散している有機系紫外線吸収剤及び無機系紫外線遮蔽剤の紫外線吸収、遮蔽能力を増幅するブースター効果が発揮された化粧品及びそれに用いられるSPFブースター剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、以上の目的を達成するために、鋭意検討した結果、特定のポリアミド多孔質微粒子に有機系紫外線吸収剤を担持させないことにより、ポリアミド多孔質微粒子が効果的な紫外線散乱効果を示し、上記ブースター効果が発揮されることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、球晶構造を有し、数平均粒子径が1〜30μm、粒子径分布が1〜2.5であるポリアミド多孔質微粒子、及び有機系紫外線吸収剤がそれぞれ独立した状態で添加された乳化組成物からなる化粧品に関する。
本発明に係る化粧品は、前記ポリアミド多孔質微粒子が、ポリアミド6からなる多孔質微粒子であることが好ましく、前記ポリアミド多孔質微粒子が、広角X線回折による結晶子サイズが10nm以上、及びDSC測定法による結晶化度が40%以上であることがより好ましく、前記有機系紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、サリシレート系、オギザニド系、桂皮酸系、及びジベンゾイルメタン系化合物より選択された少なくとも1種以上であることが好ましい。
また、本発明に係る化粧品は、さらに、無機系紫外線遮蔽剤を含有することが好ましく、前記無機系紫外線遮蔽剤が、酸化チタン、鉄含有酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、及びこれらの複合体より選択された少なくとも1種以上であることがより好ましい。
また、本発明は、球晶構造を有し、数平均粒子径が1〜30μm、粒子径分布が1〜2.5であるポリアミド多孔質微粒子を主成分とすることを特徴とするSPFブースター剤に関する。
以上のように、本発明の乳化組成物からなる化粧品及びそれに用いられるSPFブースター剤は、ポリアミド多孔質微粒子の効果的な紫外線散乱効果により、乳化組成物中に分散している有機系紫外線吸収剤及び無機系紫外線遮蔽剤の紫外線吸収、遮蔽能力を増幅するブースター効果が発揮され、サンプロテクションファクターが高まる。このため、化粧品への紫外線吸収剤の配合量を減少させることができ、紫外線吸収剤が直接肌に接触し、皮膚吸収が起こることによる人体への影響を抑えることが可能となり、安全性が高く、紫外線吸収効果も高い化粧品組成物を供給することができる。また、無機系紫外線遮蔽剤の配合量を減少させることもでき、感触の改善効果や白浮きの少ない透明感のある自然な肌を演出することができる。
ポリアミド多孔質微粒子のSEM写真である。 ポリアミド多孔質微粒子の紫外線散乱特性評価結果を示すグラフである。 ポリアミド多孔質微粒子および酸化チタンの紫外線散乱特性評価結果を示すグラフである。
本発明は、特定の球晶構造と数平均粒子径および粒子径分布を持つポリアミド多孔質微粒子と、有機系紫外線吸収剤を含有する乳化組成物からなる化粧品であり、前記乳化組成物は、ポリアミド多孔質微粒子及び有機系紫外線吸収剤がそれぞれ独立した状態で添加されることによって有機系紫外線吸収剤がポリアミド多孔質微粒子に担持されていないことを特徴とする。
本発明で用いられるポリアミド多孔質微粒子を構成するポリアミドとは、環状アミドの開環重合、アミノ酸の重縮合、ジカルボン酸とジアミンの重縮合等で得られるものが挙げられる。環状アミドの開環重合に用いられる原料としては、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム等が挙げられ、アミノ酸の重縮合に用いられる原料としては、ε−アミノカプロン酸、ω−アミノドデカン酸、ω−アミノウンデカン酸などが挙げられ、ジカルボン酸とジアミンの重縮合に用いられる原料としては、蓚酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸などのジカルボン酸やそれらの誘導体と、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘキシルジアミン、ペンタメチレンジアミン、デカメチレンジアミンなどのジアミンなどが挙げられる。
これらのポリアミドには、さらに、テレフタル酸、イソフタル酸、m−キシリレンジアミンなどの少量の芳香族成分を共重合してもよい。
ポリアミドの具体的な例としては、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6/66、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ポリアミド6T/6)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6I)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ポリアミド6I/6)、ポリドデカミド/ポリヘキサメチレンテレフタラミドコポリマー(ポリアミド12/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ(2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)コポリマー(ポリアミド6T/M5T)、ポリキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、及びこれらの混合物又は共重合樹脂が挙げられる。これらの中で、ポリアミド6、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12又はポリアミド6/66共重合樹脂が好ましく、材料の取り扱い性の観点から、特にポリアミド6が好ましい。
ポリアミドの分子量は、2,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは5,000〜40,000である。ポリアミドの分子量が小さすぎると、多孔質微粒子の形成条件が狭くなり、製造が難しくなる。また、ポリアミドの分子量が大きすぎると、製造時に一次凝集体が出来やすくなり好ましくない。
本発明で用いられるポリアミド多孔質微粒子は、球相当数平均粒子径(以下、単に数平均粒子径と略記する場合がある。)が1〜30μmであり、1〜20μmが好ましい。数平均粒子径が1μmより小さいと、粒子内に多価アルコールが存在しても二次凝集してしまうことが多く、取り扱い操作が悪くなる。30μmより大きいと、化粧品原料として、ざらつきが発生してしまい好ましくない。
また、球相当粒子径分布(数平均粒子径(または数基準平均粒子径)に対する体積平均粒子径(または体積基準平均粒子径)の比)は、1〜2.5であることが好ましく、さらに1〜1.5であることが好ましい。数平均粒子径に対する体積平均粒子径の比(粒度分布指数PDI)が2.5より大きいと、粉体としての取り扱いが悪くなる。
本発明で用いられるポリアミド多孔質微粒子は、多孔質構造を有していることが好ましい。多孔質構造により、多重散乱効果が増し、可視および紫外光拡散能が高くなる傾向があり、ソフトフォーカス効果や紫外線吸収剤のブースター効果が向上するため好ましい。
BET比表面積は、0.1〜80m/g、好ましくは1〜50m/g、さらに好ましくは3〜30m/gである。比表面積が0.1m/gより低いと、得られた多孔質粉体の多孔質性が落ち、可視および紫外光散乱性が悪くなる。また、80m/gより大きいと凝集しやすくなる。
平均細孔径は、0.01〜0.5μmが好ましく、0.01〜0.3μmがより好ましい。平均細孔径が0.01μmより小さい場合、多孔質性が落ち、光散乱性が悪くなる。また、0.5μmより大きい場合、得られた粒子の機械的強度が落ちることがある。
多孔度指数(RI)は、5〜100が好ましい。ここで多孔度指数(RI)とは、同じ直径の平滑な球状粒子の比表面積に対し、多孔質の球状粒子の比表面積の比で表示したものと定義する。多孔度指数が5より小さいと、多孔質粒子として光散乱能が落ちるため好ましくない。多孔度指数が100より大きいと、粉体として取り扱いづらくなる。
本発明で用いられるポリアミド多孔質微粒子は、球晶構造を有している。球晶構造としては、単一粒子そのものが全体的にあるいは局所的にも結晶性高分子特有の結晶構造である球晶構造(球状、略球状)、あるいは一部欠損した球晶構造(C型状、勾玉状)、さらに欠損した軸晶的球晶構造(ダンベル状、鼓状、筒状)などが挙げられるが、本発明においては、特に、略球状、筒状、及びダンベル状のいずれか1以上の球晶構造を有することが好ましい。ポリアミド多孔質微粒子が球晶構造を有することにより、光散乱効果が高くなるため好ましい。また、用途によっては、これらさまざまな構造の粒子を混合した粒子でもよい。
「単一粒子そのものが全体的にあるいは局所的に球晶構造」であるとは、一つの単独粒子の中心付近の単数または複数のコアからポリアミドフィブリルが三次元等方あるいは放射状に成長して形成した結晶性高分子特有の構造であり、局所的にとは、粒子がそれらの構造の一部分を有することを意味する。
本発明で用いられるポリアミド多孔質微粒子は、DSCで測定された結晶化度が40%以上であることが好ましい。さらに好ましくは45%以上、特に好ましくは50%以上である。ポリアミドの結晶化度は、X線解析より求める方法、DSC測定法により求める方法、密度から求める方法があるが、DSC測定法により求める方法が好適である。通常、溶融物から結晶化させたポリアミドの結晶化度は高いものでせいぜい30%程度である。結晶化度が40%以上では光散乱性が増し、紫外線散乱効果やソフトフォーカス性が向上するので好ましい。結晶化度が低いと、粒子と基材の屈折率差のコントラストが低下し、光散乱性能が低下するので好ましくない。
本発明で用いられるポリアミド多孔質微粒子は、広角X線回折から求めた結晶子サイズが10nm(ナノメートル)以上が好ましい。より好ましくは12nm(ナノメートル)以上である。結晶子サイズが大きいほど、紫外光の光散乱性が高くなり、ブースター効果が高くなる。一方10nm未満では、光散乱性が低下する傾向がある。
また、ポリアミド多孔質微粒子は、ポリアミドをポリアミドの良溶媒に溶解した後、溶液のポリアミドに対する溶解度を下げ、ポリアミドを析出させることによって製造することができる。
ポリアミド多孔質微粒子を製造する好ましい方法としては、低温ではポリアミドの非溶媒であるが、高温にてポリアミドを溶解する溶媒(A)を用い、溶媒(A)にポリアミドを分散させた後、温度を上昇し溶媒(A)のポリアミドに対する溶解度を上昇させることで溶解させたのち、溶液の温度を降下させることで溶媒(A)のポリアミドに対する溶解度を減ずることで、ポリアミドを析出させる方法によって作製することができる。
低温ではポリアミドの非溶媒であるが、高温にてポリアミドを溶解する溶媒(A)としては、例えば、多価アルコール及びそれらの混合物が挙げられる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。
上記溶媒(A)中に溶解促進のため、又は溶解温度を降下させるために無機塩を加えても良い。前記無機塩としては、塩化カルシウム、塩化リチウム等が挙げられる。しかし、金属イオンがポリアミドの水素結合部に作用して溶解を促進する無機塩であれば、上記の限りではない。
ポリアミド多孔質微粒子を製造するより好ましい方法としては、上記高温にしたポリアミド溶液に、少なくとも低温ではポリアミドの非溶媒として作用する低温の溶剤(B)を混合させることにより、ポリアミド溶液全体を均一かつ急速に所定の温度まで冷却させる方法が挙げられる。ここで、用いることができる溶剤(B)は、ポリアミドに対して少なくとも低温では非溶媒であり、上記溶媒(A)と相溶性が高いものであればよいが、溶媒(A)と同一の成分から構成されてなる、あるいは混合液の場合は、溶媒(A)と同一の組成であることがより好ましい。溶剤(B)が溶媒(A)と異なる成分や組成である場合、粒子を回収後、溶剤の再利用を行う際、分別回収などに多くの手間がかかることがある。本手法で作製した微粒子は、単一粒子そのものが全体的にあるいは局所的にも結晶性高分子特有の結晶構造である球晶構造(球状、略球状)、あるいは一部欠損した球晶構造(C型状、勾玉状)、さらに欠損した軸晶的球晶構造(ダンベル状、鼓状、筒状)を有する。
上記の溶剤(B)としては、溶媒(A)と同様な多価アルコール及びそれらの混合物が挙げられる。具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。これらは混合して用いても良い。
冷却に用いる溶剤(B)の温度と添加量は、冷却するポリアミド溶液の温度および容量によって決定される。高温にしたポリアミド溶液と冷却に用いる溶剤(B)との温度差は、150℃以内とするのが好ましい。温度差が150℃より大きいと溶剤(B)を添加している最中にポリアミドの析出が始まり、凝集等が生じるため好ましくない。また、2液を混合した後の最終的なポリアミド濃度は15%以下となることが好ましい。析出時のポリアミド濃度が高すぎると粒子の凝集、酷い場合は混合液が固化するおそれがあり、好ましくない。
高温のポリアミド溶液と低温の溶剤(B)との混合は、高温のポリアミド溶液に低温の溶剤(B)を添加しても良いし、低温の溶剤(B)に高温のポリアミド溶液を投入してもよいが、2液が均一となるまで攪拌するのが好ましい。攪拌時間は、3分以内、好ましくは2分以内、さらに1分以内がもっとも好ましい。2液が十分混合されたかどうかについては、2液の屈折率の差による濃度ゆらぎが観察されなくなる、あるいは混合液の温度が±1℃以内で一定になることで判断できる。
ポリアミド多孔質微粒子を製造するより好ましいもうひとつの方法として、室温付近においてポリアミドを溶解させる良溶媒(C)中にポリアミドを溶解させたポリアミド溶液に、室温付近でポリアミドを溶解させることができない非溶媒(D)を混合する方法がある。この方法は、ポリアミドに対する溶解度を減ずることによりポリアミド多孔質微粒子を製造する方法である。本手法で作製した粒子も、単一粒子そのものが全体的にあるいは局所的にも結晶性高分子特有の結晶構造である球晶構造(球状、略球状)、あるいは一部欠損した球晶構造(C型状、勾玉状)、さらに欠損した軸晶的球晶構造(ダンベル状、鼓状、筒状)を有する。
ポリアミドの室温付近における良溶媒(C)としては、フェノール化合物又は蟻酸が好ましい。フェノール化合物としては、具体的には、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、クレゾール酸、クロロフェノール等が好ましい。これらは、室温、または温度30〜90℃の加熱により、結晶性ポリアミドを溶解する、または、溶解を促進するため好ましい。特に好ましくは、フェノールである。フェノールは、他の溶媒よりも毒性が少なく、作業上安全である。また、得られた多孔質微粒子から留去しやすいから都合がよい。
上記ポリアミド溶液には、凝固点降下剤を添加しても良い。凝固点降下剤としては、ポリアミド溶液中のポリアミドを析出させない範囲であれば、ポリアミドの非溶媒を用いることができる。凝固点降下剤の例としては、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、およびジグリセリンを挙げることができる。
凝固点降下剤を添加することにより、ポリアミド溶液をより低い温度にして、ポリアミド多孔質微粒子を析出させることができる。
上記ポリアミド溶液中には、溶解促進のためやポリアミドの溶解度向上のため、無機塩を加えても良い、無機塩としては、塩化カルシウム、塩化リチウム等が挙げられる。しかし、金属イオンがポリアミドの水素結合部に作用して溶解を促進する無機塩であれば、上記の限りではない。
上記ポリアミド溶液中のポリアミド濃度は、好ましくは0.1〜30重量%の範囲、更に好ましくは0.2〜25重量%の範囲である。ポリアミド溶液中でポリアミドの割合が30重量%を越えると、溶解しにくくなったり、均一な溶液にならないことがある。また、溶解しても溶液の粘度が高くなり、扱いにくくなるので好ましくない。ポリアミドの割合が0.1重量%より低くなると、ポリマー濃度が低く、製品の生産性が低くなる傾向がある。
ポリアミドの室温付近における非溶媒(D)は、ポリアミド溶液の良溶媒(C)と少なくとも部分的に相容するものが好ましい。前記非溶媒(D)としては、例えば、水及び/又はポリアミド不溶性有機溶媒が挙げられる。前記非溶媒(D)は、二種以上の溶媒の混合物でも良い。非溶媒(D)は、液温25℃においてポリアミド溶液中のポリアミドを0.01重量%以上溶解しないものであることが好ましい。
室温付近におけるポリアミド不溶性有機溶媒としては、例えば、エチレングリコール及びプロピレングリコールなどのアルキレングリコールを挙げることができる。
室温付近におけるポリアミド不溶性有機溶媒の他の例としては、一価アルコール、二価アルコール、三価アルコール、ケトン等を挙げることができる。一価アルコールは、炭素数1〜6の一価アルコールであることが望ましい。また、直鎖でもまた分岐を有していても良い。一価アルコールの例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール等が挙げられる。前記二価アルコールとしては、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。前記三価アルコールとしては、グリセリンが挙げられる。前記ケトンとしては、アセトン等が挙げられる。
ポリアミドとして、ポリアミド6を用いた場合は、非溶媒(D)は水とポリアミド不溶性溶媒(好ましくは一価アルコール)とを含む混合物であることが好ましい。ポリアミドがポリアミド12である場合は、非溶媒(D)はアルキレングリコールとアルキレングリコール以外のポリアミド不溶性有機溶媒(好ましくは三価アルコール)とを含む混合物であることが好ましい。
ポリアミド多孔質微粒子を作製するためには、ポリアミド溶液と非溶媒(D)とを混合して一時的に均一な混合溶液を形成し、その後静置する方法が利用でき、この操作によりポリアミド多孔質微粒子が析出する。ポリアミド多孔質微粒子を析出させる際の混合溶液の液温は、0〜80℃の範囲が好ましく、20〜40℃の範囲が特に好ましい。
ポリアミド溶液とポリアミドの非溶媒(D)との混合溶液には、析出したポリアミド粒子の凝集を防止する目的で増粘剤を加えて混合溶液の粘度を高めても良い。前記増粘剤としては、例えば、数平均分子量1000以上(特に1100〜5000の範囲)のポリアルキレングリコールが挙げられる。ポリアルキレングリコールの例としては、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールを挙げることができる。増粘剤の添加方法としては、ポリアミド溶液および非溶媒(D)とを混合するのと同時に増粘剤を添加する方法、もしくは調整直後の混合溶液に増粘剤を添加する方法のいずれかの方法であってもよい。ポリアルキレングリコールは二種以上を併用できる。
上記手法により作製したポリアミド多孔質微粒子は、デカンテーション、ろ過あるいは遠心分離などの方法で固液分離させることができる。
上記手法においては、作製したポリアミド多孔質微粒子は、表面や粒子内に存在する非溶媒を除去するために、常温近傍にて、ポリアミドの非溶媒である粘度の低い溶剤にて洗浄することが出来る。これらの溶剤としては、脂肪族アルコール、脂肪族もしくは芳香族ケトン、脂肪族もしくは芳香族の炭化水素、および水からなる群より選ばれる化合物を挙げることができる。脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、および2−プロパノールなどの炭素原子数が1〜3の一価の脂肪族アルコールを挙げることができる。脂肪族ケトンの例としては、アセトン、およびメチルエチルケトンを挙げることができる。芳香族ケトンの例としては、アセトフェノン、プロピオフェノン、及びブチロフェノンを挙げることができる。芳香族炭化水素の例としては、トルエンおよびキシレンを挙げることができる。脂肪族炭化水素の例としては、ヘプタン、ヘキサン、オクタン、およびn−デカンを挙げることができる。
分離、洗浄したポリアミド多孔質微粒子は、最後に乾燥工程を経て、乾燥粉体にすることができる。乾燥方法としては、真空乾燥、恒温乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥、流動槽乾燥などの汎用の粉体乾燥方法を用いることができる。
乾燥粉体中の残留溶媒量は、10000ppm未満であることが好ましい。10000ppm以上あると、粒子自体が二次凝集を起こしやすく、さらさら感を失い、べたつき感を感じるようになるため好ましくない。
本発明におけるポリアミド多孔質微粒子は、用いるポリアミドの種類によって親油性または親水性となるが、親水性が強い場合、乳化組成物中全体に粒子を分散させることが難しいことがある。この場合、表面処理によって粒子表面を親油性に改質して用いるのが好ましい。表面処理は粒子表面を親油性に改質できればよく、方法に制限はないが、ポリシロキサンで処理するのが好ましい。ポリシロキサンの種類は特に限定されるものではなく、シリコーンオイルとして市販されているものを用いることができる。
表面処理に用いるポリシロキサンの量は、ポリアミド多孔質微粒子に対して2〜40重量%であることが好ましく、5〜25重量%であることがより好ましい。用いる量が2重量%未満では、ポリシロキサンの量が少なく、十分な親油性を有する表面に改質されない場合がある。また、用いる量が40重量%を超えると、粒子の多孔質構造が保持されなくなるおそれがあり好ましくない。
表面処理は、湿式法、乾式法のいずれの方法でも行うことができる。例えば、湿式法では、ポリアミド多孔質微粒子には貧溶媒でかつポリシロキサンと相溶性のある溶剤中に、ポリアミド多孔質微粒子とポリシロキサンを適量混合攪拌した後、減圧蒸留法または常圧蒸留法で溶剤を除去することにより表面処理を行う。
また、乾式法では、例えば、株式会社イカジャパン製の小型シェーカー(IKA−VIBRAX VXRベーシック)、愛知電気株式会社製のロッキングミキサー、三井鉱山株式会社製のヘンシェルミキサー等を用いて、ポリアミド多孔質微粒子とポリシロキサンを機械的に混合攪拌することにより表面処理を行う。この際、機械的エネルギーによってポリアミド多孔質微粒子の表面細孔がつぶれて消滅したり、破砕されたり、また衝突に伴う熱エネルギーによりポリアミド多孔質微粒子自体が溶融してしまうことがないようにする必要がある。
本発明における有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、サリシレート系、オギザニリド系、桂皮酸系、ジベンゾイルメタン系化合物を挙げることができる。ベンゾトリアゾール系化合物の例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]が挙げられる。ベンゾフェノン系化合物の例としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、n−ヘキシル−2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート等が挙げられる。トリアジン系化合物の例としては、2−[(2−ヒドロキシ−4−n−ヘキシルオキシ)フェニル]−4,6−ジフェニルトリアジン、2,4−{ジ[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシルオキシ)]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)トリアジン等が挙げられる。サリシレート系化合物の例としては、サリチル酸フェニル、4−メチルフェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2−エチルヘキシルサリシレート等が挙げられる。オギザニリド系化合物の例としては、N−(2−エチルフェニル)−N’−(2−エトキシフェニル)オギザニリド、N−(2−エチルフェニル)−N’−(2−ヒドロキシフェニル)オギザニリド等が挙げられる。桂皮酸系化合物の例としては、(2−エチルヘキシル)−4−メトキシシンナメート、オクチル−4−メトキシシンナメート、イソプロピル−4−メトキシシンナメート等が挙げられる。ジベンゾイルメタン系化合物の例としては、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等が挙げられる。前記有機系紫外線吸収剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本発明においては、有機系紫外線吸収剤として、上記の他に蓚酸アニリド系、マロン酸エステル系等樹脂の紫外線吸収剤を用いても良い。これらは、化粧品用途に限定されることなく、塗料や光学フィルム、成形体等の樹脂混合組成物など、幅広い用途において紫外線吸収能を付与させ、光による劣化を防ぐこともできる。また、光安定剤(ヒンダードアミン系)、酸化防止剤(フェノール系、リン酸系、硫黄系等)をそれ単独、または各々を混合しても良い。
本発明の化粧品は、ポリアミド多孔質微粒子及び有機系紫外線吸収剤がそれぞれ独立した状態で添加された乳化組成物からなる。すなわち、本発明においては、有機系紫外線吸収剤をポリアミド多孔質微粒子の表面および細孔内にあらかじめ担持した状態では用いない。本発明において、「それぞれ独立した状態」とは、乳化組成物を調製する際、積極的に有機系紫外線吸収剤をポリアミド多孔質微粒子に担持させる工程を経ずに、両者を溶媒などに添加することをいい、両者は粉末状態で混合された状態で添加しても良いが、あらかじめ混合する操作を行わずに添加した方が好ましい。有機系紫外線吸収剤とポリアミド多孔質微粒子をあらかじめ混合すると、細孔内が有機系紫外線吸収剤で充填されることにより粒子の紫外線散乱効果が低下し、ブースター効果が十分に発揮されないことがある。
また、本発明の化粧品には、さらに無機系紫外線遮蔽剤を加えることができる。無機系紫外線遮蔽剤としては、無機系化合物であれば特に限定されず、例えば、酸化チタン、鉄含有酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄及びそれらの複合体等が挙げられる。特に、紫外線遮蔽効果を高めるために、微粒子状に調製されたものであってもよい。微粒子酸化チタンとしては、制限はされないが、好ましくは平均一次粒子径が30nm以下、より好ましくは20nm以下のものを挙げることができる。平均一次粒子径が30nmを大きく超える場合は白浮きや白残りの原因となる傾向にある。平均一次粒子径の下限値は、特に限定されるものでないが、粒径が小さくなればなるほど高価になるので、経済性を考慮すれば5nm以上でよく、好ましくは10nm以上である。
無機系紫外線遮蔽剤は、ポリアミド多孔質微粒子の表面および細孔内に担持された状態で用いることもできる。ポリアミド多孔質微粒子に無機系紫外線遮蔽剤を担持させることにより、無機系紫外線遮蔽剤の過度な凝集を防ぐことができ、無機系紫外線遮蔽剤の分散性が向上するため好ましい。
本発明の化粧品は、乳化組成物からなるが、その乳化状態は、油中水型(W/O型)でも水中油型(O/W型)でもよく、目的に応じた形態となるよう適宜選択することができる。また、必須成分として、上記ポリアミド多孔質微粒子および有機系紫外線吸収剤がそれぞれ別々に配合されていればよく、その他の構成成分を適宜調整することによりファウンデーションなどの基礎化粧品やサンスクリーン剤とすることができる。
本発明における化粧品は、ポリアミド多孔質微粒子、有機系紫外線吸収剤及び無機系紫外線遮蔽剤が乳化組成物中に、均一分散していることが好ましい。これらが均一分散することによって、ポリアミド多孔質微粒子によって散乱された紫外線が、有機系紫外線吸収剤及び無機系紫外線遮蔽剤により効果的に吸収、遮蔽されてブースター効果が高まるので好ましい。
本発明における化粧品は、ポリアミド多孔質微粒子を1〜20重量%、特に1〜15重量%含有することが好ましく、有機系紫外線吸収剤を0.1〜20重量%、特に0.2〜15重量%含有することが好ましい。また、無機系紫外線遮蔽剤の含有量は0.1〜20重量%、特に、0.2〜15重量%が好ましい。
本発明の化粧品には、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ソルビトールなどの水溶性媒体、各種脂肪酸、脂肪酸アルコール、蜜蝋などのワックスとそれらの誘導体などの合成油及び油脂、並びに各種の植物油たとえば椿油などの天然油及び油脂などといった油性媒体、水性媒体、各種のエマルジョン媒体などを添加することができる。水性媒体としては、水、エタノールなどの各種アルコールや液体媒体を用いてもよい。また、つや消し効果や艶出し効果、汗取り効果、その他剥離防止効果などのため、タルク、粘土などの無機物粉体、有機粉末、繊維状粉末などが配合されていてもよいし、無機顔料、分散剤、防腐剤、酸化防止剤などを適当量添加することもできる。
また、本発明の化粧品には、脂肪性肌を処理するための活性剤を含んでもよい。活性剤としては、例えば、β−ラクタム誘導体、シプロフロキサシン、ノルマルフロキサシン、テトラサイクリン及びその塩、エリスロマイシン及びその塩など、並びに植物からの抽出物などを含んでいてもよい。
本発明は、ポリアミド多孔質微粒子100重量部に対して液体媒体を10〜300重量部含むものであることが好ましい。液体媒体としては、油性あるいはラッテックスのものが望ましく、揮発性あるいは不揮発性シリコーンオイル、流動パラフィン、植物性油、ワックス、グリセリン、エチレングリコールなどが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、球晶構造、結晶化度、結晶子サイズ、平均粒子径、粒子径分布、平均細孔径、空孔率、比表面積、粒子の光散乱特性、紫外線吸収効果(SPF)などの測定は、それぞれ次のように行った。
(球晶構造の評価)
粒子が球晶構造(球状、略球状)、あるいは一部欠損した球晶構造(C型状、勾玉状)、さらに欠損した軸晶的球晶構造(ダンベル状、鼓状、筒状)を有しているかどうかの判断は、走査型もしくは透過型電子顕微鏡にて、粒子の断面を観察し、中心核近傍からポリアミドのフィブリルが放射状に成長していることで確認した。また、粒子を偏光顕微鏡にて観察した際、偏光子と検光子をクロスニコルにしても、粒子が明視野となるかどうかで確認した。
(結晶化度)
結晶化度(χ)は、DSC(示差走査熱量計)で測定した。具体的には、流速40ml/min窒素気流中で、昇温速度10℃/min、温度範囲120〜230℃の吸熱ピークの面積から求めた結晶融解熱と、既知のポリアミドの結晶融解熱量との比(下記数1で示される式)から求めた。なお、ポリアミド6の融解熱は、R.Viewegら、kunststoffeIV polyamide、218頁、Carl Hanger Verlag、1966年の記載により、45cal/gとした。

(ただし、χは結晶化度(%)、ΔHobsはサンプルの融解熱(cal/g)、ΔHmはポリアミドの融解熱(cal/g)である。)
(結晶子サイズ)
リガク社製回転陰極型X線回折装置RINT2500型にて、CuKα線を用い、管電圧40kV、管電流130mA、走査速度10°/min、スリット条件:DS(発散スリット)/SS(散乱スリット)/RS(受光スリット)=0.5°/0.5°/0.15mmの条件下、15〜40°の走査範囲で回折パターンを得た。得られた回折パターンから、下記数2で示されるScherrerの式よりScherrer定数Kを1とした場合の結晶子サイズ(D)を算出した。

(ただし、λは測定波長、βは半値幅、θは回折ピーク位置、KはScherrer定数である。また、回折ピークが複数ある場合は、各ピークにおいて結晶子サイズを算出し、その平均値を結晶子サイズとした。)
(平均粒子径・粒子径分布)
平均粒子径および粒子径分布は、コールターカウンター(CC)を用いて、微粒子50000個の平均値として測定した。数平均粒子径(Dn)は下記数3、体積平均粒子径(Dv)は下記数4、粒子径分布指数(PDI)は下記数5で示される式でそれぞれ表される。

(ただし、Xiは個々の粒子径、nは測定数である。)

(ただし、Xiは個々の粒子径、nは測定数である。)
(比表面積)
比表面積は、窒素吸着によるBET法で3点測定を行った。
(平均細孔径・空孔率)
平均細孔径は、水銀ポロシメータにより測定した。測定範囲は、0.0036〜14μmの範囲で平均細孔径を求めた。ポリアミド多孔質微粒子の空孔率(P:porousity)は、1個の粒子中のポリアミドの体積と空間体積の割合を表す(下記数6で示される式で表わされる)。即ち、粒子内累積細孔容積(P)とすると下記数7で示される式で表される。

(ただし、Vpは粒子内空孔体積、Vsは粒子内ポリマー体積である。)

(ただし、Pは粒子内累積細孔容積、ρはポリアミドの密度である。)
細孔径に対する累積細孔容積の図から、粒子内累積細孔容積を算出し、下記数8で示されるに従って、粒子内空孔率を算出する。このときポリアミド多孔質微粒子の密度(ρ)は、DSCで求めた結晶化度χと結晶密度ρc、非晶密度ρaから求めた。ここでポリアミド6の結晶密度(ρc)は1.23cm/g、非晶密度(ρa)は1.09cm/gとした。
ポリアミド多孔質微粒子の多孔質度(RI)は、同一粒子径で真球状微粒子を仮定したときの比表面積値Spと多孔質微粒子の場合のBET比表面積Spの比で表すことができ、下記数9及び10で示される式で求められる。

(ただし、dは粒子の直径、ρは密度である。)
(粒子の紫外線散乱特性)
粒子の紫外線散乱特性は、各粒子の0.5重量濃度エタノール分散スラリーを作製し、1mm幅の石英セルにスラリーを手早く注入して、日本分光(株)製紫外・可視分光光度計V−570にて測定した。測定は、検出部に積分球を設置し、波長250〜400nmでの透過拡散光線および平行光線の分光特性を測定した。
(粒子中の残留溶媒量)
乾燥後の粉体の残留溶媒量は、フロンティアラボ社製ダブルショットパイロライザーにて320℃で熱抽出し発生したガスを日本電子製GC−MSにて定量した。
(紫外線吸収効果の評価)
それぞれ処方した化粧品組成物をトランスポアテープに2mg/cm塗布した後、SPFアナライザー(Labsphere社製UV−1000S)で測定した。
(製造例1)
フェノールと2−プロパノール(IPA)とを質量比で9:1の割合で含む溶液に、ポリアミド6(宇部興産(株)製:分子量11,000)を加えて溶解させポリアミド6濃度20質量%のポリアミド6溶液を調製した。このポリアミド溶液に、IPAと水とを3:2.6の混合比で混合した混合液を添加した。温度は20℃で行った。24時間静置して、析出終了させた。その後遠心分離でポリマーを単離した後、50℃のIPAを微粒子の100倍量かけながら遠心分離脱水を行い、粒子の洗浄を行なった。得られたポリマー粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ、数平均粒子径5.50μm、体積平均粒子径6.49μmの比較的均一な球形の多孔質粒子であった。また、平均細孔径は0.05681μm、PDIは1.18、比表面積は21.4m/g、多孔度指数RIは42.1、ポリマー粒子の結晶化度は51.7%であった。広角X線回折から求めた結晶子サイズは、11.3nmであった。この多孔質粒子は図1に示すように、中心の単一または複数の核から三次元的に放射状にナイロンフィブリルが成長し、単一粒子そのものが球晶構造を有していることがわかった。
(参考例1)
製造例1で得られたポリアミド多孔質微粒子の紫外線散乱特性を評価した。図2に示すとおり、波長範囲250nmから400nmの透過全紫外光(T.T.)の90%以上が散乱による拡散光(D.T.)であり、平行光(P.T.)が10%以下であることから、ポリアミド多孔質微粒子が紫外線を散乱させる効果が高いことがわかった。
(参考例2)
参考例1でポリアミド多孔質微粒子の代わりに、微粒子酸化チタン(テイカ製MT−100AQ)を用いて光散乱特性を評価した。図3に示すとおり、250nmから350nmの波長範囲で紫外線の散乱反射による遮蔽が起こり、透過光は検出されなかった。350から400nmでは徐々に透過光が検出された。すなわち、微粒子酸化チタンは、可視光領域では光を散乱させることができるが、紫外線領域になると紫外線を吸収してしまい散乱を起さなくなったことがわかった。
(実施例1)リキッドファウンデーション(O/W型)
製造例1のポリアミド多孔質微粒子、4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル、微粒子酸化チタン(テイカ(株)MT−100AQ)、および他成分を表1の組成で調整し、これらを均一に混ぜ合わせてリキッドファウンデーションを調製した。SPFを測定したところ、48.1となり、ポリアミド多孔質微粒子の紫外線光散乱によるブースター効果が確認された。
(実施例2)リキッドファウンデーション(O/W型)
製造例1のポリアミド多孔質微粒子、4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル、微粒子酸化チタン(テイカ(株)MT−100AQ)、および他成分を表1の組成で調整し、これらを均一に混ぜ合わせてリキッドファウンデーションを調製した。SPFを測定したところ、28.9となり、ポリアミド多孔質微粒子の紫外線光散乱によるブースター効果が確認された。
(製造例2)
ポリアミド6(宇部興産(株)製:分子量13,000)を容器中でポリアミドの重量濃度が20重量%となるようにエチレングリコールと混合した後、窒素ガスを系内に導入しながら、溶液の温度を上昇させたところ、150℃でポリアミドが溶解を開始したため、この温度を相分離温度とした。さらに昇温して、160℃になるまで攪拌しながら加熱溶解して均質な溶液とし、そのまま160℃で6時間保持した。この溶液を40℃のエチレングリコールに相分離温度より50℃低い100℃±1℃になるまで攪拌しながら1分以内で添加し、さらに20秒攪拌し、濃度揺らぎがないことを確認後、100℃に保持しながら静置した。その結果、静置してから、約15秒後に溶液が白濁し始め、容器内に塊状の析出物が一切生じることなく均一なポリアミド6の沈殿物が得られた。得られた沈殿物をメタノールで洗浄して常温乾燥後、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察を行ったところ、勾玉状(C型状)の球晶構造を有する多孔質球晶状粒子が観察された。比表面積は13.2m/gであった。数平均粒子径は14.4μm、体積平均粒子径は19.5μmで、PDIは1.35と比較的粒度の揃った粒子であった。また、結晶化度は57.9%、結晶子サイズは13.9nmであった。
(実施例3)リキッドファウンデーション(O/W型)
製造例2のポリアミド多孔質微粒子、4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル、微粒子酸化チタン(テイカ(株)MT−100AQ)、および他成分を表1の組成で調整し、これらを均一に混ぜ合わせてリキッドファウンデーションを調製した。SPFを測定したところ、39.6となり、ポリアミド多孔質微粒子の紫外線光散乱によるブースター効果が確認された。
(比較例1)
ポリアミド多孔質微粒子を用いずに、4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル、微粒子酸化チタン(テイカ(株)MT−100AQ)、および他成分を表1の組成で調整し、これらを均一に混ぜ合わせてリキッドファウンデーションを調製した。SPFを測定したところ、24.6であった。
(比較例2)
4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルを用いずに、製造例1のポリアミド多孔質微粒子、微粒子酸化チタン(テイカ(株)MT−100AQ)、および他成分を表1の組成で調整し、これらを均一に混ぜ合わせてリキッドファウンデーションを調製した。SPFを測定したところ、15.5であった。
(製造例3)
製造例1のポリアミド多孔質微粒子5重量部を容器に入れアセトン9重量部およびヘキサン21重量部を加えて、超音波攪拌機を用いて超音波与えながらマグネティックスターラーで粒子を分散させ、スラリーを作製した。次に、ポリシロキサン(信越シリコーン社製:KF−9901:粘度20cs)を0.2g加え、十分混合攪拌した。その後、ロータリーエバポレータを用いて、80℃にて減圧蒸留を行い、溶剤を除去した。最後に、真空乾燥機を用いて、1torr、80℃で3hほど真空乾燥を行って、乾燥粉体を得た。得られた粉体は、白色で触感の良いものであった。この乾燥粉体についてSEM観察を行ったところ、ほぼ凝集がない粒子が単分散された粒子が確認された。また表面の多孔質(凹凸)構造も確認できた。
(製造例4:比較製造例)
4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル1.5重量部をアセトン50重量部に溶解後、続いて製造例1のポリアミド多孔質微粒子5重量部を添加し、十分に攪拌させたスラリーを作製した。その後エバポレータを用いて減圧下でアセトンを徐々に除去し、乾固させた。ろ過後、60℃で8時間減圧乾燥を行った。乾燥粒子をSEMで観察したところ、多孔質微粒子の表面に4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルが担持され、多孔質粒子の細孔が4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルによって被覆され、細孔がほぼ完全にふさがれているのを確認した。担持された紫外線吸収剤の平均重量は、約23%だった。
(製造例5)
製造例1のポリアミド多孔質微粒子50重量部に、微粒子酸化チタン(テイカ(株)MT−100AQ)50重量部を容器に入れ、小型シェーカー((株)イカジャパン製、IKA−VIBRAX VXRベーシック)を用いて、2000rpmの回転速度で2時間機械的に攪拌して、ポリアミド6多孔質粉末と酸化チタン微粉末とを担持した。次いで、得られた担持粉末を孔径3μmのろ紙の上に取り出して、エタノールで十分に洗浄した後、真空乾燥機に入れ、温度60℃で、8時間真空乾燥した。担持された酸化チタンの平均重量は、48%であった。
(実施例4)サンスクリーン剤(O/W型)
製造例1のポリアミド多孔質微粒子、4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル、微粒子酸化チタン(テイカ(株)MT−100AQ)、および他成分を表2の組成で調整し、これらを均一に混ぜ合わせてサンスクリーン剤を調製した。SPFを測定したところ、30.3となり、ポリアミド多孔質微粒子の配合によるブースター効果が確認された。
(実施例5)サンスクリーン剤(O/W型)
製造例1のポリアミド多孔質微粒子、4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル、微粒子酸化チタン(テイカ(株)MT−100AQ)、および他成分を表2の組成で調整し、これらを均一に混ぜ合わせてサンスクリーン剤を調製した。SPFを測定したところ、23.6となり、ポリアミド多孔質微粒子の配合によるブースター効果が確認された。
(実施例6)サンスクリーン剤(O/W型)
製造例1のポリアミド多孔質微粒子、4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル、および他成分を表2の組成で調整し、これらを均一に混ぜ合わせてサンスクリーン剤を調製した。SPFを測定したところ、21.9となり、ポリアミド多孔質微粒子の配合によるブースター効果が確認された。
(実施例7)サンスクリーン剤(O/W型)
製造例3のシリコーン処理ポリアミド多孔質微粒子、4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル、微粒子酸化チタン(テイカ(株)MT−100AQ)、および他成分を表2の組成で調整し、これらを均一に混ぜ合わせてサンスクリーン剤を調製した。SPFを測定したところ、34.2となり、ポリアミド多孔質微粒子の配合によるブースター効果が確認された。
(実施例8)サンスクリーン剤(O/W型)
製造例5の酸化チタン担持ポリアミド多孔質微粒子、4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルおよび他成分を表2の組成で調整し、これらを均一に混ぜ合わせてサンスクリーン剤を調製した。SPFを測定したところ、37.9となり、ポリアミド多孔質微粒子の配合によるブースター効果が確認された。
(比較例3)サンスクリーン剤(O/W型)
4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル、微粒子酸化チタン(テイカ(株)MT−100AQ)を配合せず、ポリアミド多孔質微粒子および他成分を表2の組成で調整し、これらを均一に混ぜ合わせてサンスクリーン剤を調製した。SPFを測定したところ、1.0となり、ブースター効果は見られなかった。
(比較例4)サンスクリーン剤(O/W型)
ポリアミド多孔質微粒子を配合せず、4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル、微粒子酸化チタン(テイカ(株)MT−100AQ)、および他成分を表2の組成で調整し、これらを均一に混ぜ合わせてサンスクリーン剤を調製した。SPFを測定したところ、16.4となり、ポリアミド多孔質微粒子配合と比較すると値は低くなった。
(比較例5)サンスクリーン剤(O/W型)
製造例4の4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル(OMC)担持ポリアミド多孔質微粒子、4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル、微粒子酸化チタン(テイカ(株)MT−100AQ)、および他成分を表2の組成で調整し、これらを均一に混ぜ合わせてサンスクリーン剤を調製した。なお、4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルの全体配合量は、5%となるようにした。SPFを測定したところ、18.0となり、顕著なブースター効果は見られなかった。
本発明の化粧品は、ポリアミド多孔質微粒子の添加によるブースター効果が発揮され、サンプロテクションファクター(SPF)が高められている。そのため、化粧品への紫外線吸収剤の配合量を減少させることができ、紫外線吸収剤が直接肌に接触し、皮膚吸収が起こることによる人体への影響を抑えることが可能となり、安全性が高く、紫外線吸収効果も高い化粧品を供給することができる。

Claims (7)

  1. 球晶構造を有し、数平均粒子径が1〜30μm、粒子径分布が1〜2.5であるポリアミド多孔質微粒子、及び有機系紫外線吸収剤がそれぞれ独立した状態で添加された乳化組成物からなる化粧品。
  2. 前記ポリアミド多孔質微粒子が、ポリアミド6からなる多孔質微粒子である請求項1記載の化粧品。
  3. 前記ポリアミド多孔質微粒子が、広角X線回折による結晶子サイズが10nm以上、及びDSC測定法による結晶化度が40%以上である請求項1又は2記載の化粧品。
  4. 前記有機系紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、サリシレート系、オギザニド系、桂皮酸系、及びジベンゾイルメタン系化合物より選択された少なくとも1種以上である請求項1乃至3いずれか記載の化粧品。
  5. さらに、無機系紫外線遮蔽剤を含有する請求項1乃至4いずれか記載の化粧品。
  6. 前記無機系紫外線遮蔽剤が、酸化チタン、鉄含有酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、及びこれらの複合体より選択された少なくとも1種以上である請求項5記載の化粧品。
  7. 球晶構造を有し、数平均粒子径が1〜30μm、粒子径分布が1〜2.5であるポリアミド多孔質微粒子を主成分とすることを特徴とするSPFブースター剤。

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