JP2009249516A - 抗菌性を有する複合化ポリアミド多孔質微粒子およびその製造方法 - Google Patents

抗菌性を有する複合化ポリアミド多孔質微粒子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリアミド多孔質微粒子および抗菌性物質の特長を併せ持った複合化ポリアミド多孔質微粒子を工業的に容易な手法で提供する。
【解決手段】 数平均粒子径が1μmから30μm、数平均粒子径に対する体積平均粒子径の比(PDI)が1.0〜2.0であり、平均細孔径が0.01μm〜0.5μm、BET比表面積が0.1m/g〜80m/g、多孔質度(RI)5〜100であるポリアミド多孔質微粒子の外周表面及び/又は細孔内部に抗菌性物質が担持された複合化ポリアミド多孔質微粒子とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、特定の粒子径と狭い粒子径分布を持ち、特定のBET比表面積、平均細孔径、多孔質度(RI)を持つポリアミド多孔質微粒子の外周表面又は/及び細孔内部に、抗菌性物質を担持させた複合微粒子に関するものである。
抗菌性を有する微粒子は化粧品や医薬部外品および食品の分野において数多く使用されている。
例えば抗菌性を有する微粒子として、無機質多孔性微粒子にカテキン類、タンニン又はポリフェノールの植物由来抗菌成分を担持させたもの(特許文献1参照)、また同じく無機質多孔性粒子に白金や銀などの金属を真空蒸着したもの(特許文献2参照)が開示されている。また、有機無機からなる複合化多孔質微粒子がある(特許文献3参照)が、これは母材である多孔質シリカ表面及び内部細孔にポリマーを坦持させた構造であり、多孔質粒子形状やサイズが不均一なため、化粧品用途として用いたときに感触や伸びがわるくなることがある。しかも以上の文献の方法では無機質の被担持体を用いており、微粒子に直接触れるような用途の場合、硬く、ざらざらした触感を呈示する。
さらにポリアミド樹脂を利用した医用あるいは化粧品成分との複合剤について例示があるが(特許文献4参照)被担持体に大きな比表面積を持った多孔性担体を用いていないため、抗菌剤が担持されずに単独で存在してしまう。
有機溶媒中に溶かした金属化合物溶液中にポリアミド多孔質微粒子を添加し、ゾル―ゲル反応により金属酸化物微粒子をポリアミド多孔質微粒子の内部および表面に析出させた複合微粒子があるが、ゾル―ゲル法による析出という時間と手間がかかること、析出する無機化合物の粒径や偏析をコントロールしにくいことなどの問題点が挙げられる(特許文献5参照)。
また、特許文献6では、抗菌性液体を合成高分子材料に浸透させているが、繊維に関するものであり、微粒子の担持については全く触れていない。
さらに、特許文献7では、化粧品組成物にポリアミド多孔質微粒子を用いると、多孔質微粒子の光散乱特性により、皮膚表面における異常光反射を低減し、小じわの隠蔽等に効果があることが記述されているが、複合化による機能の追加については記載していない。
特開2006−22176号公報 特開2005−272503号公報 特開平11−171947号公報 特開2005−47893号公報 特開2002−26562号公報 特開2000−41730号公報 国際公開2004/043411号公報
本発明は、特定の粒子径および狭い粒子径分布を持ち、特定のBET比表面積および平均細孔径を持つポリアミド多孔質微粒子の外周表面又は/及び細孔内部に抗菌性物質を坦持することにより、坦持された化合物の有する抗菌性を示し、なおかつポリアミド多孔質微粒子の本来有する光特性を損なわないという、複合化効果を有する複合化微粒子を工業的に容易な手法で提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、本発明をなすに至った。すなわち本発明は以下のとおりである。
(1)数平均粒子径が1〜30μmであり、数平均粒子径に対する体積平均粒子径の比(PDI)が1.0〜2.0であり、平均細孔径が0.01〜0.5μmであり、BET比表面積が0.1〜80m/gであり、多孔質度(RI)が5〜100であるポリアミド多孔質微粒子の外周表面又は/及び細孔内部に抗菌性物質が担持された複合化ポリアミド多孔質微粒子である。
(2)抗菌物質担持前のポリアミド多孔質微粒子の空孔率が30〜70%である前記(1)に記載の複合化ポリアミド多孔質微粒子である。
(3)抗菌物質担持前のポリアミド多孔質微粒子のJIS K 5101に準拠する方法で測定した煮亜麻仁油吸油量が150ml/100g以上である前記(1)又は(2)に記載の複合化ポリアミド多孔質微粒子である。
(4)抗菌性物質担持前のポリアミド多孔質微粒子が、中心から放射状に多数のフィブリルが伸びた状態である前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の複合化ポリアミド多孔質微粒子である。
(5)抗菌性物質が銀イオンを含む抗菌性無機化合物である前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の複合化ポリアミド多孔質微粒子である。
(6)抗菌性物質が抗菌性有機化合物である前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の複合化ポリアミド多孔質微粒子である。
(7)抗菌性物質の平均重量分率が0.01〜60%である前記(1)〜(6)いずれか一つに記載の複合化ポリアミド多孔質微粒子である。
(8)抗菌性物質を該抗菌性物質に対する良溶媒(D)に溶解させ、その後、ポリアミド多孔質微粒子(C)を加えて攪拌し、抗菌性物質に対する貧溶媒(E)を加える前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の複合化ポリアミド多孔質微粒子の製造方法である。
(9)抗菌性物質を該抗菌性物質に対する良溶媒(D)に溶解させ、その後、ポリアミド多孔質微粒子(C)を加えて、溶媒を除去する前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の複合化ポリアミド多孔質微粒子の製造方法である。
(10)前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の複合化多孔質微粒子を含有する化粧品組成物である。
(11)前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の複合化ポリアミド多孔質微粒子を含有する制汗剤組成物である。
本発明の複合化ポリアミド多孔質微粒子およびその製法は、ポリアミド多孔質微粒子の細孔内部および表面に抗菌性化合物を担持させることにより、真球状微粒子を用いて作成した場合と比較して、多くの抗菌性物質を容易に内部に担持させることができる。これによって、抗菌性物質が持つ抗菌機能とポリアミド多孔質微粒子が本来持つ高い比表面積と光散乱機能を同時にあわせ持つという新規機能性材料となる。
本発明は、特定の粒子径および粒子径分布を持ち、かつ特定のBET比表面積、平均細孔径を持つポリアミド多孔質微粒子の内部細孔および外周表面に、抗菌性物質を坦持させた複合微粒子に関するものである。
多孔質粒子を構成するポリアミドとしては、公知の種々のものを挙げることができる。例えば、環状アミドの開環重合、あるいはジカルボン酸とジアミンの重縮合で得られる。モノマーとしては、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム等の環状アミドを開環重合して得られる結晶性ポリアミド、ε−アミノカプロン酸、ω−アミノドデカン酸、ω−アミノウンデカン酸などのアミノ酸の重縮合、または蓚酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸などのジカルボン酸および誘導体とエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘキシルジアミン、m−キシリレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、デカメチレンジアミンなどのジアミンを重縮合して得られるものなどである。
前記ポリアミドは、単独重合体及びこれらの共重合体からなるポリアミドまたはその誘導体である。具体的には、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11,ポリアミド12,ポリアミド610、ポリアミド66/6T(Tはテレフタル酸成分を表す。66/6Tは、ポリアミド66とポリアミド6Tの共重合体を表す。)などである。また上記ポリアミドの混合物であってもよい。特に好ましくは、ポリアミド6、ポリアミド66が好ましい。
ポリアミドの分子量は、2,000〜100,000が好ましい。さらに好ましくは5,000〜40,000である。
本発明におけるポリアミド多孔質微粒子は、球状、略球状、勾玉形状、もしくはダンベル形状の単体もしくは混合物であるが、全ポリアミド多孔質微粒子中の70重量%以上、好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上が球状、略球状、勾玉形状、ダンベル状から選ばれる一種類の粒子形状で構成された均一な粒子であることが望ましい。70重量%より低い場合、粒子形状のばらつきにより、抗菌性物質を均一に担持できない場合がある。
本発明におけるポリアミド多孔質微粒子は、数平均粒子径が1〜30μmであり、好ましくは1〜25μmである。数平均粒子径が1μmより小さいと、二次凝集力が強く、取り扱い性が悪くなる。30μmより大きいと化粧料として取り扱う際、皮膚への付着性が落ちることがある。
本発明におけるポリアミド多孔質微粒子の数平均粒子径に対する体積平均粒子径の比(PDI)は、1〜2であり、好ましくは、1〜1.5である。更に好ましくは1〜1.3である。数平均粒子径に対する体積平均粒子径の比(粒度分布指数PDI)が2より大きいと粒子径分布が広くなる。均一な粒子径は、機能材料や電子材料に適用する場合、予期した以上の物理的化学的性質が発現することがあり好ましい。
本発明におけるポリアミド多孔質微粒子の平均細孔径は、0.01〜0.5μmであり、好ましくは、0.01〜0.3μmである。平均細孔径が0.01μmより小さい場合、抗菌性物質を細孔内に十分に坦持することが出来ない。また、0.5μmより大きい場合、抗菌性物質が塊状で細孔内および表面に坦持されやすくなり、抗菌性物質による抗菌性能が低下する。
本発明におけるポリアミド多孔質微粒子のBET比表面積は、0.1〜80m/gであり、好ましくは、3〜75m/g、さらに好ましくは、5〜70m/gである。比表面積が0.1m/gより低いと、抗菌性物質を十分に坦持することができない。BET比表面積が大きいほど抗菌性物質をより多く坦持することができるが、大きすぎるとポリアミド多孔質微粒子の機械的強度が低くなり、抗菌性物質を担持させる処理が行いにくくなる傾向がある。
本発明におけるポリアミド多孔質微粒子の多孔質度(RI)は、5〜100であり、好ましくは10〜80である。多孔質度が5より小さいと、抗菌性物質を十分に坦持することが出来ない。前記多孔度が大きすぎるとポリアミド多孔質微粒子の機械的強度が低くなり、抗菌性物質を担持させる処理が行いにくくなる傾向がある。
本発明におけるポリアミド多孔質微粒子の空孔率は、30〜70%であることが好ましい。空孔率が30%よりも低いと抗菌性物質を十分に内部に坦持できなくなる場合がある。70%より大きいと、ポリアミド多孔質微粒子の均一な形状が保てなくなり、取り扱いが悪くなる場合がある。
本発明におけるポリアミド多孔質微粒子のJIS K 5101に準拠する方法で測定した煮亜麻仁油吸油量は、150ml/100g以上であることが好ましく、さらに好ましくは150〜350ml/100gであり、最も好ましくは200〜300ml/100gである。
前記吸油量が少なすぎると、ポリアミド多孔質微粒子に担持させ得る抗菌性物質の割合が少なくなる場合がある。
本発明におけるポリアミド多孔質微粒子は、球晶構造であることが好ましい。球晶とすることにより、結晶化度が高くなり、熱的安定性が向上する。
また、本発明におけるポリアミド多孔質微粒子は、中心から放射状に多数の高分子フィブリルが伸びた形状であることが好ましい。この形状を有することにより、中心部分から外表面に向かって、ポリアミド多孔質微粒子の細孔が大きくなるため、細孔内に担持された抗菌性物質がポリアミド多孔質微粒子外へ滲出しやすくなり、より抗菌効果を発現しやすくなる。
また本発明のポリアミド多孔質粒子は結晶性であって、融点が110〜320℃であることが好ましく、より好ましくは130〜280℃である。融点が110℃より低くなると、熱安定性が低くなり、ポリアミド多孔質微粒子の製造や保湿性化合物の担持処理、乾燥処理において、使用できる方法が限られてくる傾向がある。
さらに、本発明のポリアミド多孔質微粒子は、DSCで測定された結晶化度が40%以上であることが好ましい。ポリアミドの結晶化度は、X線解析より求める方法、DSC測定法により求める方法、密度から求める方法があるが、DSC測定法により求める方法が好適である。通常、溶融物から結晶化させたポリアミドの結晶化度は高いものでせいぜい30%程度であるが、本発明のポリアミドは結晶化度が40%より高いことが好ましい。結晶化度が低いと、熱安定性が悪くなる傾向がある。
本発明のポリアミド多孔質微粒子は、粒子径分布において、数平均粒子径(または数基準平均粒子径)に対する体積平均粒子径(または体積基準平均粒子径)の比が1.0〜2.0であり、好ましくは1〜1.5である。数平均粒子径に対する体積平均粒子径の比(粒度分布指数PDI)が2.0より大きいと、粉体としての取り扱いが悪くなる。
ポリアミド多孔質微粒子は、ポリアミドをポリアミドの良溶媒に溶解した後、溶液のポリアミドに対する溶解度を下げ、ポリアミドを析出させることによって製造することができる。
ポリアミド多孔質微粒子を製造する好ましい方法としては、低温ではポリアミドの非溶媒であるが、高温にてポリアミドを溶解する溶媒を用い、溶媒にポリアミド分散させた後、温度を上昇し溶媒のポリアミドに対する溶解度を上昇させることで溶解させたのち、溶液の温度を降下させることで溶媒のポリアミドに対する溶解度を減ずることで、ポリアミドを析出さえる方法によって作成することができる。
低温ではポリアミドの非溶媒であるが、高温にてポリアミドを溶解する溶媒としては、例えば、多価アルコール及びそれらの混合物が挙げられる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。
上記溶媒中に溶解促進のため、又は溶解温度を降下させるために無機塩を加えても良い。前記無機塩としては塩化カルシウム、塩化リチウム等が挙げられる。金属イオンがポリアミドの水素結合部に作用して溶解を促進する無機塩であれば上記の限りではない。
ポリアミド多孔質微粒子を製造するより好ましい方法として、室温付近においてポリアミドを溶解させる良溶媒中にポリアミドを溶解させたポリアミド溶液(A)に、室温付近でポリアミドを溶解させることができない非溶媒(B)を混合する方法がある。この方法は、ポリアミドに対する溶解度を減ずることによりポリアミド多孔質微粒子を製造する方法である。この方法で作られた粒子は、単一粒子そのものが球晶構造を有した多孔質粒子となる。
本発明において、「単一粒子そのものが球晶構造」であるとは、一つの単独粒子の中心付近の単数または複数のコアから高分子フィブリルが三次元等方あるいは放射状に成長して形成した結晶性高分子特有の球晶構造であることを意味する。
本発明におけるポリアミドの室温付近における良溶媒としては、フェノール化合物または蟻酸が好ましい。フェノール化合物としては、具体的には、フェノール、0−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、クレゾール酸、クロロフェノール等が好ましい。これらは、室温、または温度30〜90℃の加熱により、結晶性ポリアミドを溶解する、または、溶解を促進するため好ましい。特に、好ましくは、フェノールである。フェノールは、他の溶媒よりも毒性が少なく、作業上安全である。また、得られた多孔質微粒子から留去しやすいから都合がよい。
ポリアミド溶液(A)には、凝固点降下剤を添加しても良い。凝固点降下剤としては、ポリアミド溶液中のポリアミドを析出させない範囲であれば、ポリアミドの非溶媒を用いることができる。凝固点降下剤の例としては、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチルー2−プロパノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、およびジグリセリンを挙げることができる。
凝固点降下剤を添加することにより、ポリアミド溶液(A)をより低い温度にして、ポリアミド多孔質微粒子を析出させることができる。
上記ポリアミド溶媒中に溶解促進のため、ポリアミドの溶解度向上のため、無機塩を加えても良い、無機塩としては塩化カルシウム、塩化リチウム等が挙げられる。金属イオンがポリアミドの水素結合部に作用して溶解を促進する無機塩であれば上記の限りではない。
ポリアミド溶液(A)中のポリアミド濃度は、好ましくは0.1〜30重量%の範囲、更に好ましくは0.2〜25重量%の範囲である。ポリアミド溶液中でポリアミドの割合が30重量%を越えると、溶解しにくくなったり、均一な溶液にならないことがある。また、溶解しても溶液の粘度が高くなり、扱いにくくなるので好ましくない。ポリアミドの割合が0.1重量%より低くなると、ポリマー濃度が低く、製品の生産性が低くなる傾向がある。
本発明のポリアミドの室温付近における非溶媒(B)は、ポリアミド溶液(A)の良溶媒と少なくとも部分的に相容するものが好ましい。前記非溶媒(B)としては、例えば、水及び/又はポリアミド不溶性有機溶媒が挙げられる。前記非溶媒(B)は、二種以上の溶媒の混合物でも良い。非溶媒(B)は、液温25℃においてポリアミド溶液中のポリアミドを0.01重量%以上溶解しないものであることが好ましい。
室温付近におけるポリアミド不溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールおよびプロピレングリコールなどのアルキレングリコールを挙げることができる。
室温付近におけるポリアミド不溶性有機溶媒の他の例としては、一価アルコール、二価アルコール、三価アルコール、ケトン等を挙げることができる。一価アルコールは、炭素数1〜6の一価アルコールであることが望ましい。直鎖でもまた分岐を有していても良い。前記一価アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチルー2−プロパノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。前記二価アルコールとしては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。前記三価アルコールとしてはグリセリンが挙げられる。前記ケトンとしてはアセトン等が挙げられる。
ポリアミドとして、ポリアミド6を用いた場合は、非溶媒(B)は水とポリアミド不溶性溶媒(好ましくは一価アルコール)とを含む混合物であることが好ましい。ポリアミドがポリアミド12である場合は、非溶媒(B)にアルキレングリコールとアルキレングリコール以外のポリアミド不溶性有機溶媒(好ましくは三価アルコール)とを含む混合物である。
多孔質ポリアミド微粒子を作成するためには、溶液(A)と非溶媒(B)とを混合して一時的に均一な混合溶液を形成し、その後静置する方法が利用でき、この操作により多孔質ポリアミド粒子が析出する。多孔質ポリアミド粒子を析出させる際の混合溶液の液温は、0〜80℃の範囲が好ましく、20〜40℃の範囲が特に好ましい。
ポリアミド溶液(A)とポリアミドの非溶媒(B)との混合溶液には、析出したポリアミド粒子の凝集を防止する目的で増粘剤を加えて混合溶液の粘度を高めても良い。前記増粘剤としては、例えば、数平均分子量1000以上(特に1100から5000の範囲)のポリアルキレングリコールが挙げられる。ポリアルキレングリコールの例としては、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールを挙げる事ができる。増粘剤の添加方法としては、ポリアミド溶液および非溶媒(B)とを混合するのと同時に増粘剤を添加する方法、もしくは調整直後の混合溶液に増粘剤を添加する方法のいずれかの方法であってもよい。ポリアルキレングリコールは二種以上を併用できる。
ポリアミド溶液と非溶媒との添加順序は、溶液の均一性が保たれれば、特に制限はない。
本発明においては、作成したポリアミド多孔質微粒子は、デカンテーション、ろ過あるいは遠心分離などの方法で固液分離させることができる。
本発明においては、作成したポリアミド多孔質微粒子は、ポリアミド溶液(A)の良溶媒と40℃以上の温度で相溶するポリアミド非溶媒を40℃以上の温度にて接触させることによって、(A)の良溶媒をポリアミド多孔質微粒子から抽出除去することができる。
ポリアミド溶液(A)の良溶媒を抽出除去するのに用いるポリアミド非溶媒の例として、脂肪族アルコール、脂肪族もしくは芳香族ケトン、脂肪族もしくは芳香族の炭化水素、および水からなる群より選ばれる化合物を挙げる事ができる。この非溶媒は、2種類以上の混合物でも良く、液温が40℃でポリアミドを0.01重量%以上溶解することがないものであることが好ましい。
前記脂肪族アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、および2−プロパノールなどの炭素原子数が1〜3の1価の脂肪族アルコール等が挙げられる。
前記脂肪族ケトンとしては、例えば、アセトン、およびメチルエチルケトン等が挙げられる。
前記芳香族ケトンとしては、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、およびブチロフェノン等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素としては、例えば、トルエンおよびキシレン等が挙げられる。
前記脂肪族炭化水素としては、例えば、ヘプタン、ヘキサン、オクタン、およびn−デカン等が挙げられる。
本発明においては、作成したポリアミド多孔質微粒子は、最後に乾燥工程を経て、乾燥粉体にすることができる。乾燥方法としては、真空乾燥、恒温乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥、流動槽乾燥などの汎用の粉体乾燥方法を用いることができる。
本発明における抗菌性物質としては、抗菌性無機化合物及び/又は抗菌性有機化合物を用いることができる。
前記抗菌性無機化合物としては、銀イオン、銅イオンや亜鉛イオン等の金属イオンを含有する金属イオン含有化合物が挙げられ、中でも、銀イオンが好ましい。前記金属イオン含有化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記金属イオン含有化合物としては、例えば、酸化銀、硝酸銀、ハロゲン化銀、酸化銅、ハロゲン化銅、酸化亜鉛、ハロゲン化亜鉛等が挙げられ、中でも酸化銀が好ましい。前記抗菌性無機化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記抗菌性有機化合物としては、パラオキシ安息香酸のアルキルエステル、パラクロロメタクレゾール、イソプロピルメチルフェノール、オルトフェニルフェノール、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、レゾルシン、トリクロサン、サリチル酸等が挙げられる。前記抗菌性有機化合物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明における複合化微粒子中の抗菌性物質の重量分率が1%〜60%、好ましくは0.05%から50%、さらに好ましくは0.1%から40%が望ましい。抗菌性物質の重量が1%より小さいと、抗菌機能を発揮することができず、60%よりおおきいと、抗菌性物質が単独で存在し、一部うまく担持できなくなる。
ポリアミド多孔質微粒子の細孔内部および外周表面に抗菌性物質を坦持して複合化ポリアミド多孔質微粒子を製造する方法は、つぎの2つの方法がある。
すなわち、
1)保湿性化合物を良溶媒(D)に溶解させてそこにポリアミド多孔質微粒子(C)を後から加えて分散させ、貧溶媒(E)を加えることで得られる、
2)保湿性化合物を良溶媒(D)に溶解させてそこにポリアミド多孔質微粒子(C)を後から加えて分散させ、徐々に溶媒を除去することで得られる。
本発明において、抗菌性物質の溶液作成およびポリアミド多孔質微粒子との複合化の際に用いる溶媒は、抗菌性物質にとっての良溶媒およびポリアミド多孔質微粒子にとっての非溶媒である。具体的にはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素類、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチルテトラヒドロフラン等の極性溶媒、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2ーブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノールエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン等のアルコール類およびこれらの混合物が挙げられる。
本発明におけるポリアミド多孔質微粒子は、上記溶媒中での分散性をよくするためまたは、保湿性化合物とポリアミド多孔質微粒子との結着性をよくするために適当な界面活性剤を用いて微粒子表面に有機物を被覆することができる。
界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤などがある。これらは、一種のみを単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記陰イオン性界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウムなどの脂肪酸石鹸のほか、高級アルキル硝酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、リン酸エステル塩などが上げられる。これらは、一種のみを単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記陽イオン性界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムなどが用いられる。これらは、一種のみを単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記非イオン性界面活性剤としては、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン(炭素数2又は3)アルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体などが挙げられる。これらは、一種のみを単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
抗菌性物質をポリアミド多孔質微粒子の細孔内部および表面に坦持させて複合化させる方法の一つは、容器に各抗菌性物質を溶剤とともに加えて溶液を作成し、次にポリアミド多孔質微粒子を後から加えて分散させ、スラリー溶液を撹拌しながら貧溶媒を加えることで得られる。
スラリー溶液の攪拌方法は、例えば、スリーワンモーターと攪拌羽根を用いる方法、攪拌子とマグネティックスターラーを用いる方法、超音波ホモジナイザーを用いる方法等およびこれらを組み合わせた方法がある。
貧溶媒は抗菌性物質を溶かさず、しかもポリアミド多孔質微粒子を溶解しなければ特に限定されず、ただし予め抗菌性物質を溶解させた溶媒と分離しないものが好ましい。例えば、予め水にて抗菌性化合物を溶解させていれば、エタノールやアセトン等の親水性溶媒を使用することができ、予めエタノールにて抗菌性物質を溶解させていれば、テトラヒドロフランやトルエン等の疎水性溶媒をも使用することができる。
貧溶媒を加えて複合化した微粒子は、デカンテーション、ろ過あるいは遠心分離などの方法で固液分離させることができる。また、その後真空乾燥や恒温乾燥を用いて乾燥させることができる。
抗菌性物質をポリアミド多孔質微粒子の細孔内部および表面に坦持させて複合化させるもう一つの方法は、抗菌性物質を良溶媒に溶解させてそこにポリアミド多孔質微粒子を後から加えて分散させ、徐々に溶媒を除去することで得られる。
溶媒を除去する方法は例えば、エバポレーターあるいは他の混合機で減圧留去する方法、常圧で加熱する方法等がある。
溶媒を留去する際には、あまり素早く乾固させると抗菌性物質が多孔性微粒子に偏在して担持されることがあるため、適当な時間をかけて行う必要がある。
本発明の複合化ポリアミド多孔質微粒子は触媒担持体、化粧品、電子分野の光学部品、塗料用、医療用、食品工業分野用の機能性粒子として供給できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また結晶化度、粒子径、平均細孔径、空孔率、比表面積、吸油量、PDI、紫外−可視光吸収スペクトル、光学反射特性などの測定は次のように行なった。
(結晶化度)
ポリアミド微粒子の結晶化度は、DSC(示差走査熱量計)で測定した。流速40ml/min窒素気流中で、昇温速度5℃/min、温度範囲120〜230℃の吸熱ピークの面積から結晶融解熱を算出する。結晶化度は、算出した融解熱量とポリアミド6あるいはポリアミド12の結晶融解熱量との比から求める。ポリアミド6の結晶融解熱を189J/g、ポリアミド12の結晶融解熱を209J/gとした。
(平均粒子径)
ポリアミド多孔質微粒子の平均粒子径、粒子径分布は、電子顕微鏡(走査型電子顕微鏡 SEM)を用いて、微粒子100個の平均値として測定した。数平均粒子径、体積平均粒子径および粒子径分布指数(PDI)は次式で表される。
数平均粒子径 :
体積平均粒子径:

粒子径分布指数:
ここで、Xi;個々の粒子径、nは測定数である。
(比表面積)
ポリアミド多孔質微粒子の比表面積は、窒素吸着によるBET法で3点測定をおこなった。
(平均細孔径・空孔率)
ポリアミド多孔質微粒子の平均細孔径は、水銀ポロシメータにより測定した。測定範囲は、0.0036から14μmの範囲で平均細孔径を求めた。ポリアミド多孔質微粒子の空孔率は、1個の粒子中のポリアミドの体積と空間体積の割合を表す。ここで、ポリアミドの密度をρとして、空孔率(porousity)を次式で表すことができる。ここで、Vp;粒子内空孔体積、
Vs;粒子内ポリマー体積とする。
[数4]
P=Vp/(Vp+Vs)
即ち、粒子内累積細孔容積(P1)とすると
[数5]
P=P/(P+(1/ρ))×100
で表せられる。
細孔径に対する累積細孔容積の図から、粒子内累積細孔容積を算出し、上記[数4]に従って、粒子内空孔率を算出する。このときポリアミド微粒子の密度ρは、DSCで求めた結晶化度χと結晶密度ρc、非晶密度ρaから
[数6]
ρ=χ・ρc+(1−χ)・ρa
から求めた。ここでポリアミド6の結晶密度は1.23cm3/g,非晶密度は1.09cm3/g、ポリアミド12の結晶密度は1.1cm3/g、非晶密度は0.99cm3/gとした。
ポリアミド多孔質微粒子の多孔質度(RI)は、同一粒子径で真球状微粒子を仮定したときの比表面積値Sp0と多孔質微粒子の場合のBET比表面積Spの比で表すことができる。すなわち、
[数7]
RI=Sp/Sp
[数8]
Sp=6/d/ρ
で求められる。dは粒子の直径、ρは密度である。
ポリアミド多孔質微粒子の吸油量は、JIS K 5101にしたがって、煮亜麻仁油の吸油量を測定した.
複合化ポリアミド多孔質微粒子での抗菌性物質の存在は、複合化微粒子表面のSEM写真によって、確認した。
ポリアミド多孔質微粒子単体、および複合化ポリアミド多孔質微粒子の可視−紫外吸収スペクトルは、可視−紫外分光装置を用い、石英ガラスセルに各微粒子を充填して300〜800nmの反射率を測定した。
ポリアミド多孔質微粒子および複合化した多孔質微粒子の光学反射特性は、漢カラーシステム社製、変角分光側色システムカラーロボ3を用いた。測定試料は、日東電工社製の透明両面テープCS9621(10cm×10cm)片のPET剥離ライナー片面のみをはがし、コーセー社製のパウダーファンデーション用スポンジ(コスメデココルテAQメイクアップスポンジM)を用いて、粉体0.2gを面内に均一に塗布後、ホコリ除去用エアスプレー(エンジニア社製エアロダスター)を用いて、接着面に付着していない粉体を除去して作成した。入射光45°を固定し、受光角を0〜80°まで5°刻みにて測定を行い、代表値として0°、20°および45°の値を比較した。
[実施例1]
(1)ポリアミド6(宇部興産社製、1013B、分子量13,000)50gを、m−クレゾール溶液950gに溶解し、濃度5重量%m−クレゾール溶液を得た。この溶液を攪拌しながら,イソプロパノール4kgと水2kgからなる混合液6kgを40秒かけて投入した。攪拌を続け,溶液が均一になった時点で攪拌を停止して静置した。しばらくして、ポリアミド6粒子が析出した。さらに2時間静置後、析出物をろ紙を用いてろ別した後、ろ紙上で25℃のイソプロパノール10000mlで3回ほど洗浄を行なった。次に、熱風乾燥機で、温度60℃で、8時間乾燥した。さらに真空乾燥機で温度60℃で、8時間乾燥した。乾燥したポリアミド6の多孔質微粒子10gを保温付きソックスレー抽出器に充填し、抽出器内にイソプロパノールを10時間還流して、ポリアミド6の多孔質微粒子と接触させた。次に乾燥微粒子を水10重量%スラリーにして、180℃にて噴霧乾燥を行った。
得られた粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ、数平均粒子径13.7μm、体積平均粒子径14.4μmの比較的均一な球形粒子であった。PDIは1.05であった。BET比表面積は15.6m/g、平均細孔径は、0.096μm、RIは41.6であった。融解熱Hfは、107.8J/gで、結晶化度は57%、空孔率は61%であった。煮亜麻仁油吸油量は210ml/100gであった。
(2)フェノキシエタノール(東京化成製)1gを容器に量りとり、アセトン50gに溶かし、続いて(1)の乾燥ポリアミド6多孔質微粒子5gを添加し、マグネティックスターラーで分散させ、スラリーを作成した。その後減圧下アセトンを徐々に除去し、乾固させた。ろ過後、60℃で8時間真空乾燥を行なった。
SEMを用いて乾燥微粒子の観察したところ、図1に示すとおり、多孔質微粒子の表面にフェノキシエタノールが坦持され、多孔質の細孔がフェノキシエタノールで所々ふさがれているのが確認された。
抗菌性化合物の平均重量分率は、16.7%であった。
[実施例2]
添加した抗菌剤が酸化銀(東京化成製)である以外は、実施例1(2)と同様にして、複合化微粒子を作成した。SEMを用いて乾燥微粒子の観察したところ、酸化銀が多孔質微粒子の細孔に坦持され、所々ふさがれているのが確認された。
[比較例1]
汎用のポリアミド12真球状微粒子について、SEM写真で観察したところ、表面は真球状で多孔質に伴う細孔は確認できなかった。この粒子の粒径を調べたところ、数平均粒子径5.4μm、体積平均粒子径9.3μmでありPDIは1.72であった。比表面積は1.49m/g、融解熱Hfは、42.8J/gで、結晶化度は20.4%、RIは、1.35、吸油量は80ml/100gであった。このポリアミド12真球状微粒子1gをポリアミド多孔質微粒子の変わりにした以外は実施例2と同様にして複合化微粒子を作成した。SEMを用いて乾燥微粒子を観察したところ、真球状微粒子の表面に酸化銀が部分的に吸着されているのが確認された。しかしながら、同時にSEM観察において単独に存在する酸化銀の粒子が多数散見され、加えた酸化銀の多数が有効に坦持されていないことがわかった。
[実施例3]
(1)ポリアミド6(宇部興産社製、1010X1、数平均分子量8000)100gを70℃にてフェノール810gに完全に溶解した後、イソプロピルアルコールを90g加えて攪拌しながら徐冷し、ナイロン濃度10重量%のフェノール/イソプロピルアルコール溶液を得た。20℃にて、イソプロピルアルコール4kgと水2.5kgからなる混合液6.5kgを混合して、溶液が均一になった時点で攪拌を停止し,静置した。しばらくして、ポリアミド6粒子が析出した。さらに2時間静置後、析出物をろ紙を用いてろ別した後、ろ紙上で25℃のイソプロピルアルコール10000mlで5回ほど洗浄を行なった。次に、熱風乾燥機で、温度60℃で、8時間乾燥した。さらに真空乾燥機で温度60℃で、8時間乾燥した。乾燥したポリアミド6微粒子10gを保温付きソックスレー抽出器に充填し、抽出器内にイソプロピルアルコールを10時間還流して、多孔質ポリアミド6尾粉末と接触させた。次に乾燥微粒子を水10重量%スラリーにして、180℃にて噴霧乾燥を行った。得られた粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ、数平均粒子径8.2μm、体積平均粒子径11.8μmの比較的均一な球形粒子であった。PDIは1.43であった。BET比表面積は28.2m/g、平均細孔径は、0.095μm、RIは45.0、吸油量は210ml/100gであった。融解熱Hfは、106.0J/gで、結晶化度は57%、空孔率は、65%であった。煮亜麻仁油吸油量は210ml/100gであった。また図3に本微粒子の可視紫外吸収スペクトルを示す.本微粒子の0°、20°および45°の視覚反射率はそれぞれ26.44、30.62および68.02であった。
(2)抗菌消臭剤塩化ベンザルコニウム(サニゾールB−50 花王社製)40gをイオン交換水60gに溶解し、ヘンシェルミキサーにて攪拌中の実施例3(1)ポリアミド球状多孔質微粒子60gに添加し、次いで減圧にてイオン交換水を除去し塩化ベンザルコニウムを複合内包したポリアミド球状多孔質粉体を得た。この粉体は球状を維持しており感触についての良好なものであった。SEMを用いて乾燥微粒子の観察をしたところ、図1に示すとおり、多孔質微粒子の表面に塩化ベンザルコニウムが坦持され、細孔を完全に覆っていることが確認された。
抗菌性化合物の平均重量分率は、40%であった。
[実施例4]
抗菌試験
実施例1(1)、実施例1(2)、実施例3(2)のポリアミド多孔質微粒子にそれぞれ別々に大腸菌、緑膿菌、黄色ぶどう球菌、クロカビを1gあたり10〜10cfu/mlの割合で均等に接種し、20〜25℃で最大28日間保存した。14日目と28日目にサンプリングとしてそれぞれの試料10gを量り、できるだけ均一に分散させた培地を作成した。培地は大腸菌、緑膿菌、黄色ぶどう球菌についてはソイビーン・カゼイン・ダイジェストカンテン培地を使用し、作成後30〜35℃で3日間培養した。クロカビについてはサブロー・デキストロースカンテン培地を使用し、作成後20〜25℃で5日間培養した。その結果、実施例1(1)の粒子に関してはいずれの微生物についてもカウント不能な程度に多数の微生物が検出され、一方、実施例1(2)および実施例3(2)の粒子に関しては、いずれの微生物についても検出されなかった。
[実施例5]
パウダーファンデーション
実施例3(2)の複合化ポリアミド多孔質微粒子5.0%、タルク35.3%、マイカ30.0%、合成金雲母10.0%、酸化チタン5.0%、水酸化アルミニウム3.0%、ステアリン酸4.0%、酸化鉄3.0%、ジメチコン9.0%、メチコン1.7%、トリメチルシロキシケイ酸4.0%以上の処方で配合品を作成した。この配合品では、実施例1(1)の粉末を同じ配合比で作成した物に比べ、毒性の懸念のある余分な抗菌剤を加えなくともよく、しかも長期にわたり抗菌効果を持続した。
本発明の複合化ポリアミド多孔質微粒子は、化粧品材料や電子材料、医療材料の抗菌性添加剤等として利用できる。
実施例1(1)で得られたポリアミド多孔質微粒子の断面SEM写真である。 本発明の実施例1(2)で得られた複合化ポリアミド多孔質微粒子の表面SEM写真である。 本発明の実施例3(2)で得られた複合化ポリアミド多孔質微粒子の表面SEM写真である。

Claims (11)

  1. 数平均粒子径が1〜30μmであり、数平均粒子径に対する体積平均粒子径の比(PDI)が1.0〜2.0であり、平均細孔径が0.01〜0.5μmであり、BET比表面積が0.1〜80m/gであり、多孔質度(RI)が5〜100であるポリアミド多孔質微粒子の外周表面又は/及び細孔内部に抗菌性物質が担持された複合化ポリアミド多孔質微粒子。
  2. 抗菌物質担持前のポリアミド多孔質微粒子の空孔率が30〜70%である請求項1に記載の複合化ポリアミド多孔質微粒子。
  3. 抗菌物質担持前のポリアミド多孔質微粒子のJIS K 5101に準拠する方法で測定した煮亜麻仁油吸油量が150ml/100g以上である請求項1又は2に記載の複合化ポリアミド多孔質微粒子。
  4. 抗菌性物質担持前のポリアミド多孔質微粒子が、中心から放射状に多数のフィブリルが伸びた状態である請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合化ポリアミド多孔質微粒子。
  5. 抗菌性物質が銀イオン、銅イオン、亜鉛イオンを含む化合物より選択された少なくとも1種以上を含有する抗菌性無機化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合化ポリアミド多孔質微粒子。
  6. 抗菌性物質が抗菌性有機化合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合化ポリアミド多孔質微粒子。
  7. 抗菌性物質の平均重量分率が0.01〜60%である請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合化ポリアミド多孔質微粒子。
  8. 抗菌性物質を該抗菌性物質に対する良溶媒(D)に溶解させ、その後、ポリアミド多孔質微粒子(C)を加えて攪拌し、抗菌性物質に対する貧溶媒(E)を加える請求項1〜7のいずれか一項に記載の複合化ポリアミド多孔質微粒子の製造方法。
  9. 抗菌性物質を該抗菌性物質に対する良溶媒(D)に溶解させ、その後、ポリアミド多孔質微粒子(C)を加えて、溶媒を除去する請求項1〜7のいずれか一項に記載の複合化ポリアミド多孔質微粒子の製造方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の複合化多孔質微粒子を含有する化粧品組成物。
  11. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の複合化ポリアミド多孔質微粒子を含有する制汗剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102205734B1 (ko) * 2020-09-02 2021-01-20 한종우 항균효과를 가지는 극세사 포 및 그의 제조방법

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