JP5206022B2 - ポリシロキサン被覆ポリアミド多孔質微粒子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)に記載の製造方法で製造されたポリシロキサン被覆ポリアミド多孔質微粒子である。
また、本発明のポリアミド多孔質微粒子は、単一粒子そのものが球晶構造を有している。
多孔度が100より大きいと、粉体として取り扱いずらくなる。
S0;同一粒子径の円滑な球状粒子の比表面積[m2/kg]である。
S0は、次式に従って求めることができる。
すなわち、観測された数平均球状粒子径dobs[m]、ポリアミドの密度ρ[kg/m3]とすると、円滑な球の比表面積S0は次式で表すことができる。
例えば、噴霧乾燥等において、ポリアミド多孔質微粒子を100℃以上で乾燥をおこなっても、ポリアミド多孔質微粒子が受ける熱履歴の時間は、非常に短い。また、ポリアミド多孔質微粒子が吸収している溶媒等が気化熱として熱を奪うこととなる。このため、ポリアミド多孔質微粒子をシリコーンコーティングした後の熱処理温度が100℃を超えなければよく、ポリアミド多孔質微粒子自体の乾燥工程等において、100℃を超える熱処理を行っても良い。
式中、nは繰り返し数であり、正の整数である。また、nが大きいほど分子量が高くなり粘度が大きくなる。
ポリアミド微粒子の結晶化度は、DSC(示差走査熱量計)で測定した。流速40ml/min窒素気流中で、昇温速度5℃/min、温度範囲120〜230℃の吸熱ピークの面積から結晶融解熱を算出する。ポリアミドの融解熱は、 R.Viewegら、kunststoffeIV polyamide、218頁、Carl Hanger Verlag、1966年の記載により、ポリアミド6の融解熱は45cal/gとして算出した。結晶化度は、算出した融解熱量とポリアミドの結晶融解熱量との比(数式1)から求める.
ΔHobs;サンプルの融解熱 (cal/g)
ΔHm;ポリアミドの融解熱 (cal/g)
ポリアミド多孔質微粒子の平均粒子径、粒子径分布は、電子顕微鏡(走査型電子顕微鏡 SEM)を用いて、微粒子100個の平均値として測定した。数平均粒子径、体積平均粒子径および粒子径分布指数(PDI)は次式で表される。
数平均粒子径は下記式1で表され、体積平均粒子径は下記式2で表され、粒子径分布指数は下記式3で表される。各式中、Xiは、個々の粒子径、nは測定数を表す。
ポリアミド多孔質微粒子の比表面積は、窒素吸着によるBET法で3点測定をおこなった。
ポリアミド多孔質微粒子の平均細孔径は、水銀ポロシメータにより測定した。測定範囲は、0.0036から14μmの範囲で平均細孔径を求めた。ポリアミド多孔質微粒子の空孔率は、1個の粒子中のポリアミドの体積と空間体積の割合を表す。ここで、ポリアミドの密度をρとして、空孔率(porousity)を次式で表すことができる。ここで、Vpは粒子内空孔体積、Vsは粒子内ポリマー体積とする。
P=Vp/(Vp+Vs)
即ち、粒子内累積細孔容積(P1)とすると
P=P1/(P1+(1/ρ))×100
で表せられる。
ρ=χ・ρc+(1−χ)・ρa
ここでポリアミド6の結晶密度は1.23cm3/g,非晶密度は1.09cm3/g、ポリアミド12の結晶密度は1.1cm3/g、非晶密度は0.99cm3/gとした。
RI=Sp/Sp0
Sp0=6/d/ρ
(1)ポリアミド6(宇部興産社製、1011、分子量11,000)100gを、フェノール溶液900gに溶解し、濃度10重量%フェノール溶液を得た。この溶液を攪拌しながら,2−プロパノール5kgと水3kgからなる混合液8kgを15秒かけて投入した。攪拌を続け,溶液が均一になった時点で攪拌を停止し,静置した。しばらくして、ポリアミド6粒子が析出した。さらに30分静置後、析出物をろ紙を用いてろ別した後、ろ紙上で25℃の2−プロパノール1000mlで5回ほど洗浄を行なった。次に、真空乾燥機で温度60℃で、8時間乾燥した。乾燥したポリアミド6微粒子を保温付きソックスレー抽出器に充填し、抽出器内に2−プロパノールを10時間還流して、多孔質ポリアミド6粉末と接触させた.次に乾燥微粒子をイオン交換水10重量%スラリーにして、180℃にて噴霧乾燥を行った。
得られた白色粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ、数平均粒子径11.3μm、体積平均粒子径15.4μmの比較的均一な球形粒子であった。PDIは1.36であった。BET比表面積は42.5m2/g、平均細孔径は、0.07μm、RIは93.2であった。結晶化度は50%であった。また、SEM写真から乾燥粉体は、一部凝集している部分が確認された(図1)。また表面の多孔質(凹凸)構造が確認できた。この乾燥粉体の0°および45°での視感反射率は、それぞれ27.9および66.6であった。
実施例1の(2)で、ポリシロキサンを1.25gにした以外は、同様に行った。得られた粉体は、白色で触感の良いものであった。この乾燥粉体についてSEM観察を行ったところ、ほぼ凝集がない粒子が単分散された粒子が確認された。また表面の多孔質(凹凸)構造も確認できた。この乾燥粉体の0°および45°での視覚反射率は、それぞれ23.3および72.0であった。
実施例1の(2)で、ポリシロキサンを2.5gにした以外は、同様に行った。得られた粉体は、白色であるがべとつき感のあるものであった。この乾燥粉体についてSEM観察を行ったところ、複数個がポリシロキサンを介して凝集した凝集粒子が確認された(図4)。また表面の多孔質(凹凸)構造がポリシロキサンに覆われて凹凸のない表面構造が確認できた(図5)。この乾燥粉体の0°および45°での視覚反射率は、それぞれ11.2および95.6であった。
実施例1の(2)で、ポリシロキサンを0.05gにした以外は、同様に行った。得られた粉体は、白色であるが、やや触感劣るものであった。この乾燥粉体についてSEM観察を行ったところ、被覆する前の粉体同様若干の凝集構造が確認できた。
実施例1の(2)で、最終真空乾燥の温度を110℃にした以外は同様に実施した。得られた粉体は、やや黄色く変色したものであった。
実施例1の(2)で、ポリシロキサンの種類を高粘度ポリシロキサン(信越シリコーン社製:KF−8015:粘度50000〜100000cs)として1.25g添加した以外は、同様に行った。得られた粉体は、白色で触感の良いものであった。この乾燥粉体についてSEM観察を行ったところ、ほぼ凝集がない粒子が単分散された粒子が確認された。また表面の多孔質(凹凸)構造も確認できた。この乾燥粉体の0°および45°での視覚反射率は、それぞれ25.6および60.0であった。
実施例3の(2)で、高粘度ポリシロキサンを2.5g添加した以外は、同様に行った。白色であるがべとつき感のあるものであった。この乾燥粉体についてSEM観察を行ったところ、複数個がポリシロキサンを介して凝集した凝集粒子が確認された。また表面の多孔質(凹凸)構造がポリシロキサンに覆われて凹凸のない表面構造が確認できた。この乾燥粉体の0°および45°での視覚反射率は、それぞれ11.6および148.4であった。
実施例3で、ポリシロキサンの種類をジメチルポリシロキサン(信越シリコーン社製:KF−96A−10s:粘度10cs)を1.25gにした以外は、同様に行った。得られた粉体は、白色で触感の良いものであった。この乾燥粉体についてSEM観察を行ったところ、ほぼ凝集がない粒子が単分散された粒子が確認された。また表面の多孔質(凹凸)構造も確認できた。
容器に実施例1(1)の乾燥ポリアミド6多孔質微粒子5gに、ジメチルポリシロキサン(信越シリコーン社製:KF−96A−10s:粘度10cs)を1.25gを加え、イカジャパン社のIKA−VIBRAX VXRベーシックにて、2000rpmで、4h混合攪拌をおこなった。次に真空乾燥機を用いて、1toor、80℃で3hほど真空乾燥を行って、乾燥粉体を得た。得られた粉体は、白色で触感の良いものであった。この乾燥粉体についてSEM観察を行ったところ、ほぼ凝集がない粒子が単分散された粒子が確認された。また表面の多孔質(凹凸)構造も確認できた。
Claims (2)
- 数平均粒子径が1〜30μmであり、BET比表面積が0.1〜80m2/gであるポリアミド多孔質微粒子の細孔内の少なくとも一部及び/又はポリアミド多孔質微粒子の表面の少なくとも一部を、ポリアミド多孔質微粒子の重量に対して2〜25重量%のポリシロキサンでコーティングした後、100℃未満の温度で熱処理したポリシロキサン被覆ポリアミド多孔質微粒子の製造方法。
- 請求項1に記載の製造方法で製造されたポリシロキサン被覆ポリアミド多孔質微粒子。
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