JP2019025823A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも高い撥水性及び撥油性を発揮できる積層体を提供する。【解決手段】基材及び付着防止層を含む積層体であって、(1)前記付着防止層がフッ素含有複合粒子を含み、(2)フッ素含有複合粒子は、シリカ系微粒子の表面が1)フッ素含有化合物及び2)それがシリカ系微粒子のケイ素とシロキサン結合してなるフッ素含有基の少なくとも1種で被覆されている複合粒子であって、前記フッ素含有化合物が、パーフルオロポリエーテルからなる主鎖の少なくとも一方の末端側に[−Si(OR)3](但し、3つのRは、互いに同一又は異なって、水素又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。)で示される官能基を含む化合物であり、(3)前記基材表面の単位面積あたりの前記フッ素化合物が被覆されたシリカ系微粒子の積層重量が0.7〜5.0g/m2である、ことを特徴とする積層体に係る。【選択図】図1

Description

本発明は、新規な積層体に関し、特に付着防止性(撥水性・撥油性)を有する積層体に関する。
近年において、防汚性、固液界面の摩擦抵抗の軽減等の観点から、撥水性又は撥油性を発現する材料が注目されている。例えば、特許文献1には、ポリフルオロアルキルメタアクリレ−ト樹脂を含む樹脂層を表面に備える金属酸化物複合粒子を備える塗膜が開示されている。
特開2014−80465号公報
しかしながら、特許文献1の技術のような従来技術では水又はほとんどの油に対して高い撥水性及び撥油性が得られるものの、例えばオレイン酸等の一部の油に対しては満足できる撥油性を得ることができず、その点においてさらなる改良の余地がある。
よって、本発明は、従来よりも高い撥水性及び撥油性を発揮できる積層体を提供することを目的とする。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の層構造を採用することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の積層体に係る。
1. 基材及び付着防止層を含む積層体であって、
(1)前記付着防止層がフッ素含有複合粒子を含み、
(2)フッ素含有複合粒子は、シリカ系微粒子の表面が1)フッ素含有化合物及び2)それがシリカ系微粒子のケイ素とシロキサン結合してなるフッ素含有基の少なくとも1種で被覆されている複合粒子であって、
前記フッ素含有化合物が、パーフルオロポリエーテルからなる主鎖の少なくとも一方の末端側に[−Si(OR)](但し、3つのRは、互いに同一又は異なって、水素又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。)で示される官能基を含む化合物であり、
(3)前記基材表面の単位面積あたりの前記フッ素化合物が被覆されたシリカ系微粒子の積層重量が0.7〜5.0g/mである、
ことを特徴とする積層体。
2. 基材と付着防止層との間にプライマー層を有する、前記項1に記載の積層体。
3. プライマー層中に平均粒径10〜60μmの充填粒子をさらに含む、前記項2に記載の積層体。
4. シリカ系微粒子の平均一次粒子径が3〜500nmである、前記項1〜3のいずれかに記載の積層体。
5. 基材が、樹脂類、ゴム類、金属材料及び無機材料及びこれらを含む複合材料の少なくとも1種である、前記項1〜4のいずれかに記載の積層体。
6. 前記フッ素含有化合物が(RO)Si−(CH−NHC(=O)−CF−O−(C2n−C(=O)NH−(CH−Si(OR)(但し、Rは炭素数1〜4のアルキル基、nは1〜7の整数、mは7以上の整数、kは1〜5の整数をそれぞれ示す。)で示される化合物を含む、前記項1〜5のいずれか記載の積層体。
本発明によれば、従来よりも高い撥水性及び撥油性を発揮できる積層体を提供することができる。特に、本発明のフッ素含有複合粒子は、オレイン酸等の特定の油に対しても高い撥油性を発揮することができる。
このため、本発明の積層体は、付着防止効果(撥水性・撥油性)を発揮できる製品、部材、部品等として好適に用いることができる。
図1(a)は、フッ素含有複合粒子からなる付着防止層が基材表面上に形成された積層体の模式図である。図1(b)は、本発明のフッ素含有複合粒子の構造の模式図を示す。 図2は、試験例において滑落角を測定するために用いた装置の概略図である。図2(a)は、アルミニウム製板をジャッキアップする前の状態を示す。図2(b)は、アルミニウム製板をジャッキアップした状態を示す。
1.積層体
本発明の積層体は、基材及び付着防止層を含む積層体であって、
(1)前記付着防止層がフッ素含有複合粒子を含み、
(2)フッ素含有複合粒子は、シリカ系微粒子の表面が1)フッ素含有化合物及び2)それがシリカ系微粒子のケイ素とシロキサン結合してなるフッ素含有基の少なくとも1種で被覆されている複合粒子であって、
前記フッ素含有化合物が、パーフルオロポリエーテルからなる主鎖の少なくとも一方の末端側に[−Si(OR)](但し、3つのRは、互いに同一又は異なって、水素又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。)で示される官能基を含む化合物であり、
(3)前記基材表面の単位面積あたりの前記フッ素化合物が被覆されたシリカ系微粒子の積層重量が0.7〜5.0g/mである、
ことを特徴とする。
本発明の積層体の一実施形態に係る層構造の模式図を図1(a)に示す。図1(a)に示すように、積層体1は、基材10の表面にプライマー層20を介して付着防止層26が積層されている。すなわち、基材10に直に接するようにプライマー層20が積層されており、さらにプライマー層20に直に接するように付着防止層26が積層されている。プライマー層20は、本発明では必須ではないが、基材10と付着防止層26との密着性等の見地より、両者がプライマー層を介して積層されていることが望ましい。
プライマー層20は、図1(a)に示すように、プライマー成分22と充填粒子24とを含んでいることが好ましい。充填粒子24を含むことによりプライマー層20の表面に凹凸を形成させることができる結果、より高い付着防止効果を実現することができる。特に、充填粒子により形成される凹部の付着防止層26は、摩擦等の影響を受けにくいため、長期間にわたって存在できるので、持続性の高い付着防止効果の実現に貢献することができる。
付着防止層26には、フッ素含有複合粒子26aが含まれる。特に、付着防止層26は、実質的にフッ素含有複合粒子26aから形成されていることが好ましい。また、図1(a)に示すように、付着防止層26は、フッ素含有複合粒子の複数個が互いに固着して形成された三次元網目構造からなる多孔質層であることが好ましい。これにより、いっそう高い付着防止効果を得ることができる。
フッ素含有複合粒子26aの断面の模式図を図1(b)に示す。図1(b)に示すように、フッ素含有複合粒子26aは、シリカ系微粒子27の表面をフッ素含有化合物28が被覆している。
以下においては、本発明の積層体の各構成について説明する。なお、図1(a)及び図1(b)では、各構造を分かり易く模式的に図示したものであり、各構成の大きさ、個数等は必ずしも実際の積層体を再現するものではない。
(1)基材
基材は、シリカ系微粒子が積層されるための支持部となるものである。すなわち、付着防止効果を付与する対象である。
基材の材質は、特に限定されず、例えば基材が、樹脂類、ゴム類、金属材料(合金を含む。)、無機材料及びこれらを含む複合材料の少なくとも1種を挙げることができる。その形態も限定的でなく、例えばシート、フィルム、成形体、繊維類(織物、不織布、紙等を含む。)、粉末粒子等のいずれであっても良い。従って、例えば樹脂フィルム、樹脂シート、紙、不織布、合成紙、金属箔、金属板、樹脂皮膜、金属皮膜、ゴム、ガラス、セラミックス、プラスチックス成形品等の各種の材料にも適用できる。
また、本発明では、製品(最終製品又は半製品)又はその部品も基材として用いることができる。すなわち、このような最終製品又はその部品を基材とする形態も本発明の積層体に包含される。これらの製品又は部品としては、例えば包装材料、日用品(メガネ、雨具、鞄等)、建材(屋根、壁紙、床材、天井材、タイル、窓ガラス等)、舗装材(アスファルト舗装、コンクリート舗装等)、食器、調理器具(鍋、ガスコンロの受け皿、油除けパネル、電磁調理器のトッププレート等)、台所用品、スポーツ用品、衣料品(帽子、靴、手袋、コート等)、構造物(建築物の壁、橋、塔等)、輸送機器(車、バイク、電車、船等のボディ外面)、化粧品、医薬品、玩具、鑑識用冶具、機械又は装置の筐体等に幅広く適用することができる。
(2)付着防止層
付着防止層は、特定のフッ素含有複合粒子を含む。付着防止層中におけるフッ素含有複合粒子の含有量は、特に限定されないが、通常は80〜100重量%とし、特に95〜100重量%とすることが好ましい。その他の成分として、本発明の効果を妨げない範囲内で、例えばポリオレフィン等の樹脂成分が含まれていても良い。
付着防止層の付与量は、通常0.7〜5.0g/mとし、特に1.0〜5.0g/mとすることが好ましい。これによって、より高い付着防止効果(撥水性・撥油性)をより確実に付与することができる。
付着防止層の厚みは、用いるフッ素含有複合粒子の粒径等に応じて適宜設定でき、通常は0.5〜10.0μm程度の範囲内とすることができるが、これに限定されない。
付着防止層は、基材の全面に形成されていても良いし、その一部であっても良い。また、付着防止層の形成パターンは、限定されず、例えばストライプ状、ドット状、格子状等のいずれであっても良い。
(2−1)フッ素含有複合粒子
フッ素含有複合粒子(本発明粒子)は、シリカ系微粒子の表面が1)フッ素含有化合物及び2)それがシリカ系微粒子のケイ素とシロキサン結合してなるフッ素含有基の少なくとも1種で被覆されている複合粒子であって、
前記フッ素含有化合物が、パーフルオロポリエーテルからなる主鎖の少なくとも一方の末端側に[−Si(OR)](但し、3つのRは、互いに同一又は異なって、水素又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。)で示される官能基(以下「官能基A」ともいう。)を含む化合物であることを特徴とする
図1(b)に示すように、本発明粒子26aは、シリカ系微粒子27をコア粒子として、その表面の一部又は全部がフッ素含有化合物(又はフッ素含有基)27で被覆された構造を有している。フッ素含有化合物としては、パーフルオロポリエーテルを主鎖とするポリマー(特に直鎖状ポリマー)を好適に使用することができる。本発明では、フッ素含有化合物27が反応することなく(すなわち、官能基Aを保持したまま)、シリカ系微粒子表面上に存在していても良いが、特に官能基Aがシリカ系微粒子の表面にあるシリカ又他の官能基(特にOH基等の親水基)と化学的な結合(特にシロキサン結合)を形成した結果として、フッ素含有基(フッ素含有有機基)として存在していることが好ましい。これにより、フッ素含有化合物がフッ素含有基としてよりいっそう強固にシリカ系微粒子表面に固定することが可能となる。
シリカ系微粒子
シリカ系微粒子は、シリカ(SiO)を含有するものであれば良く、シリカ単独からなる粒子のほか、シリカと他の成分とを含む粒子であっても良い。本発明では、シリカ系微粒子は、シリカを50質量%以上含む微粒子が好ましく、特にシリカを99質量%以上含む微粒子であることがより好ましい。
シリカ系微粒子が他の成分を含む場合、当該他の成分としては、不可避不純物のほか、例えば鉄(Fe)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、ジルコニウム(Zr)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)等の元素又はその化合物が挙げられる。
さらに、シリカ系微粒子は、シリカ粒子を表面処理することにより得られたものであっても良いので、その表面処理によって付与された化合物(又は官能基)が含まれていても良い。従って、本発明では、シリカ系微粒子として、疎水性シリカ系微粒子、親水性シリカ系微粒子又はその混合物を用いることができる。
本発明では、シリカ系微粒子として、その表面にOH基を有する親水性シリカ系微粒子を好適に用いることができる。シリカ系微粒子の表面にOH基を備えることにより、官能基Aがシリカ系微粒子表面のOH基と脱水縮合反応によりシロキサン結合[−Si−O−Si](但し、Siはシリカ系微粒子に含まれるSi)を形成し、シリカ系微粒子表面にフッ素含有化合物を強固に固定させることができる。
また、疎水性シリカ系微粒子等を用いる場合であっても、疎水性シリカ系微粒子に予め親水性処理を施してシリカ系微粒子表面にOH基等を付与することによって、親水性シリカ系微粒子を用いる場合と同様、フッ素含有化合物をシリカ系微粒子表面に固定することが可能となる。
シリカ系微粒子の平均一次粒径は、通常5〜50nmであり、特に7〜30nmであることが望ましい。かかる粒子径の範囲内に設定することによって、より優れた撥水性及び撥油性を得ることができる。
なお、本発明において、粒子の一次粒子平均径の測定は、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡を用いて実施することができる。より具体的には、平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡で撮影し、その写真上で200個以上の粒子の直径を測定し、その算術平均値を算出することによって求めることができる。
シリカ系微粒子の比表面積については特に限定されないが、通常は400m/g以下であることが好ましく、特に40〜380m/gであることが好ましい。比表面積が400m/gを超えると、後述するフッ素化合物又はフッ素含有基を均一に被覆することが困難になり、歩留まりが低下するおそれがある。
シリカ系微粒子の形状は、粒子状であれば特に限定されず、例えば球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状等の任意の形状を採用することができる。特に、シリカ系微粒子は、水又は油との接触面積を最小化するために真球に近い球状(略球状)であることが好ましい。
これらのシリカ系微粒子そのものは、公知又は市販のものを使用することもできる。また、公知の製造方法によって合成することも可能である。従って、例えば四塩化シランの高温燃焼により作製されるシリカ系微粒子、ゾルゲル法により作製されるシリカ系微粒子等も好適に用いることができる。市販品としては、例えば製品名「AEROSIL 200」(「AEROSIL」は登録商標。以下同じ)、「AEROSIL 130」、「AEROSIL 300」、「AEROSIL 50」、「AEROSIL 200FAD」、「AEROSIL 380」(以上、日本アエロジル(株)製)等が挙げられる。
フッ素含有化合物
シリカ系微粒子の表面に存在するフッ素含有化合物は、パーフルオロポリエーテルからなる主鎖の少なくとも一方の末端側に[−Si(OR)](但し、Rは、水素又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。)で示される官能基を含む化合物である。
本発明では、上記のようにパーフルオロポリエーテルを主鎖とするポリマーを用いることができる。このようなパーフルオロポリエーテルを主鎖とするポリマーを用いることで、環境汚染が懸念されるC8フルオロテロマー(C8テロマー)様の構造を含むことなく、C8相当以上の鎖長を確保できるため、高い撥水性及び撥油性を得ることができる。また、前記主鎖中のエーテル結合の存在によってシリカ系微粒子表面へ強固に被覆することが可能となる。
本発明で用いられるフッ素含有化合物として、より具体的には下記一般式(1):
X−CF−O−(C2nO)m−CF−X ・・・(1)
で示される化合物を好適に用いることができる。
上記一般式におけるXは、アルコキシシラン官能基[−Si(OR)]を含む末端部分であり、官能基Aを有するパーフルオロポリエーテルをパーフルオロポリエーテルシランと呼称することもできる。
また、上記一般式におけるn及びmは、それぞれが独立した自然数であり、その値は特に限定されない。特に、nは、1以上7以下であることが好ましい。mは、7以上100以下であることが好ましい。このような範囲内に設定することにより、シリカ系微粒子の表面に上記フッ素化合物が被覆された微粒子が、高い撥水性及び撥油性を発現することができる。
フッ素含有化合物における官能基Aは、上記のように[−Si(OR)](但し、3つのRは、互いに同一又は異なって、水素又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。)で表される官能基である。
特に、Rがアルキル基である場合は、炭素数1〜10のアルキル基(特に直鎖状アルキル基)であることが好ましく、特に炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましい。このようなアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基が挙げられる。
また、官能基Aの3つのRの全てが異なっていても良いし、一部又は全部が同一であっても良い。官能基中の3つのOR基の少なくとも1つがシリカ系微粒子のケイ素と結合していると、フッ素含有基となってシリカ系微粒子に強固に結びつくことができる。さらに好ましくは、上記官能基の2つ又は3つ全てのOR基がシリカ系微粒子に結合していると、より強く固定化できる。
特に、上記一般式におけるXは、官能基Aを含んでいれば良い。従って、すべてのXが官能基Aであっても良いし、本発明の効果を妨げない範囲内でXの一部が他の官能基であっても良い。
さらに、官能基Aは、パーフルオロポリエーテルからなる主鎖[−CF−O−(CFO)−(CFCFO)−CF−]に直接結合していても良いし、リンカー部を介して結合していても良い。リンカー部は、特に上述のパーフルオロポリエーテルの一般式におけるCFと官能基Aとを連結するものである。このようなリンカー部としては、例えばオキシアルキレン基[−O−R−O−](Rはアルキレン基を示す。)、エーテル結合[−O−]、エステル結合[−C(=O)O−]、アミド結合[−CONH−]、ウレタン結合[−COHN−O−]等が挙げられる。
本発明では、特に合成が容易であること等の理由から、リンカー部はアミド結合(−CONH−)を含むことが好ましい。さらには、リンカー部として−C(=O)NH−(CH−を含むことがより好ましい。すなわち、上述のパーフルオロポリエーテルの一般式におけるXは、例えば−C(=O)NH−(CH−Si(OR)であることが好ましい。
従って、好適なパーフルオロポリエーテルを主鎖とするポリマーとしては、下記一般式(2):
(RO)Si−(CH−NHC(=O)−CF−O−(CFO)−(CFCFO)−CF−C(=O)NH−(CH−Si(OR)・・・(2)
で示されるフッ素含有化合物が挙げられる。
ここで、k、p及びqはそれぞれ独立した自然数である。kの値は1〜6であることが好ましく、特に2〜3であることがより好ましい。kの値が6を超えると、フッ素含有化合物をシリカ系微粒子表面へ被覆しにくくなる。pとqの和は、一般式X−CF−O−(C2nO)−CF−Xにおけるmに相当する。また、(CFO)及び(CFCFO)は前記一般式においてそれぞれn=1及びn=2としたものである。
フッ素含有化合物であるパーフルオロポリエーテルを主鎖とするポリマーの分子量は特に限定されないが、ゲル浸透クロマトグラフィー法で測定した数平均分子量が500〜5000が好ましく、特に1000〜3000がより好ましく、その中でも1200〜2500が最も好ましい。前記数平均分子量が5000を超えると、当該ポリマーを水溶性有機溶剤に溶解させることが困難になるおそれがある。当該ポリマーが水溶性の有機溶剤に溶解できないと、例えば官能基AのRがアルキル基の場合にはOR基をOH基に置換する加水分解反応が進みづらくなる。OR基をOH基に置換できないと、後述するように官能基Aとシリカ系微粒子表面のOH基とのシロキサン結合の形成が進まず、シリカ系微粒子表面に当該ポリマーを強固に結合させて被覆しにくくなる。また、いずれのOR基もOH基に置換できないと、複数の当該ポリマーを官能基Aどうしで脱水縮合反応が起こりにくくなり、ポリマーが長鎖化しにくくなる結果撥水性及び撥油性が低下するおそれがある。
(2−2)フッ素含有複合粒子の製造方法
フッ素含有複合粒子の製造方法は特に限定されない。例えば、シリカ系微粒子に対して前記フッ素含有化合物を用い、公知のコーティング方法、造粒方法等に従ってフッ素含有化合物を含む被覆層をシリカ系微粒子表面に形成すれば良い。特に、シリカ系微粒子又はその分散液とフッ素含有化合物の溶液とを混合する工程(被覆工程)を含む製造方法によって本発明粒子を好適に調製することができる。
シリカ系微粒子は、そのままフッ素含有化合物の溶液と混合しても良いが、より高い分散性が得られるという点で分散液の形態で前記溶液と混合することが好ましい。すなわち、シリカ系微粒子が溶媒に分散した分散液を好適に用いることができる。
この場合の溶媒としては、シリカ系微粒子が溶解ないしは変質しない限り、いずれの溶媒も使用することができる。例えば、水のほか、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤、イソプロピルアルコール、変性エタノール等のアルコール系溶剤等の有機溶剤を使用することができる。特に、水、水溶性有機溶剤又はそれらの混合溶媒のいずれかを好適に用いることができる。水溶性有機溶剤としては、限定的ではなく、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
分散液中におけるシリカ系微粒子の含有量は、分散液中におけるシリカ系微粒子の分散性等の見地より通常は1〜50重量%程度の範囲内で設定すれば良いが、これに制限されない。
また、分散液には、必要に応じて、pH調整剤を配合することもできる。pH調整剤としては、酢酸、塩酸等の酸、水酸化ナトリウム、アンモニア等の塩基を適宜用いることができる。
フッ素含有化合物の溶液は、フッ素含有化合物を溶媒に溶解させることにより好適に調製することができる。
フッ素含有化合物としては、前記1.で示した化合物を好適に用いることができる。この場合、原料として用いるフッ素含有化合物として、官能基Aの3つのRのうちの少なくとも1つが水素(H)であるフッ素含有化合物を用いることがより好ましい。パーフルオロポリエーテルを主鎖とするポリマーの少なくとも一方の末端側の官能基にOH基が含まれることで、シリカ系微粒子表面のOH基と脱水縮合反応によりシロキサン結合を形成し、シリカ系微粒子表面に当該ポリマーを強固に結合させて被覆することが容易となる。さらに、当該ポリマーの末端部にOH基を有することで、水溶性の有機溶剤を用いずともシリカ系微粒子表面のOH基と脱水縮合反応によりシロキサン結合(すなわち、フッ素含有基)を形成することができる。
また、原料として用いるフッ素含有化合物の官能基AのRの全てがアルキル基の場合であっても、被覆工程で水溶性有機溶剤を用いることによりOR基が加水分解反応でOH基に変換され、シリカ系微粒子表面のOH基と脱水縮合反応によりシロキサン結合を形成することができる。その結果、フッ素含有化合物をフッ素含有基としてシリカ系微粒子表面に強く固定することができる。
上記ポリマーは、片方の末端側に官能基Aを有しても良いが、両末端側に官能基Aを有していることがより好ましい。上記ポリマーの両末端側に官能基Aを有していることで、一部のポリマーにおいては両末端がシリカ系微粒子に結合してより強固な状態となる。また一部のポリマーにおいては、一方の末端がシリカ系微粒子と結合し、他端が他のポリマーの末端と結合して長鎖化する。そのため、シリカ系微粒子表面に占めるパーフルオロポリエーテルの面積が増加する結果、より高い撥水性及び撥油性を発現することが可能となる。
上記溶液における溶媒としては、水、水溶性有機溶剤又はこれらの混合溶媒を好適に用いることができる。水溶性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のように水と混和する溶剤であれば特に制限されない。このように水系で反応させることにより、上記のようにより確実にシロキサン結合を形成させることが可能となる。
溶液中におけるフッ素含有化合物の含有量は特に制限されないが、一般的には2〜30重量%、特に5〜30重量%、さらには5〜20重量%の範囲内に設定することが好ましい。
シリカ系微粒子又はその分散液とフッ素含有化合物の溶液とを混合する場合、シリカ系微粒子と前記溶液との比率は、所望のフッ素含有化合物の被覆量に応じて適宜設定すれば良く、特に前記で示した被覆量となるように調整することが好ましい。
また、本発明では、特に両者を混合した後、その混合液を攪拌する工程をさらに含むことが好ましい。混合液を攪拌することにより、官能基Aの一部又は全部がシリカ系微粒子表面のシリカ又はそのシリカ表面の官能基と十分に反応してシロキサン結合を確実に形成させることが可能となる。
攪拌条件は、特に限定的ではない。例えば、攪拌温度は、通常30〜80℃程度とし、好ましくは40〜70℃とすれば良い。また、攪拌時間は、通常は1〜96時間程度とし、好ましくは6〜84時間とすれば良い。攪拌は、市販の攪拌装置で攪拌すれば良い。
攪拌が完了した後は、スラリーの形態で本発明粒子を得ることができる。このため、本発明粒子を所定の用途に用いる場合は、そのままスラリーの形態で使用することができる。また、前記スラリーに対して必要に応じて固液分離、洗浄等の処理を施した後、実質的に乾燥した粉末の形態で使用することもできる。前記粉末をさらに溶媒に分散させて得られた分散液の形態で使用することもできる。その他にも、前記スラリーを固液分離して得られたケーキを別の溶媒に分散させることによって得られた分散液の形態で使用することも可能である。
(2−3)付着防止層の形成方法
付着防止層の形成方法は、特に限定されないが、例えばフッ素含有複合粒子が溶媒に分散してなる塗工液を基材に塗布し、乾燥する工程を含む方法を好適に採用することができる。
前記塗工液としては、前記(2−2)で述べたスラリー、分散液等を用いることができる。従って、塗工液に使用する溶媒としては、例えば水のほか、各種の有機溶剤を使用することができるが、本発明では1)水、2)水溶性有機溶剤又は3)これらの混合溶媒を好適に使用することができる。水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール等のアルコール類を好適に用いることができる。
塗工液中におけるフッ素含有複合粒子の含有量は特に制限されないが、一般的には2〜30重量%、特に5〜30重量%、さらには5〜20%の範囲内に設定することが好ましい。
基材表面に塗工液を塗布する方法は、公知の方法に従えば良く、例えばロールコーティング、グラビアコーティング、バーコート、ドクターブレードコーティング、コンマコーター、パートコート、刷毛塗り、スプレー等の公知の方法をいずれも採用することができる。
塗工液を塗布した後、乾燥することにより溶媒を除去すれば良い。乾燥は、自然乾燥又は加熱乾燥のいずれであっても良い。加熱乾燥する場合は、通常100〜200℃程度、特に140〜180℃とすることが好ましい。
(3)プライマー層
基材にフッ素含有複合を直接積層することができるが、それが付着しにくい基材の場合には、基材とシリカ微粒子との間にプライマー層を形成しても良い。プライマー層を介して基材にシリカ微粒子が積層されると、強固にシリカ微粒子が基材に付着もしくは接着されるため、シリカ微粒子がはがれにくくなる。
(3−1)プライマー成分
プライマー層に用いられるプライマー成分は、特に制限されず、基材の種類等に応じて適宜選択することができる。特に、以下に示すような樹脂成分をプライマー成分として採用することができる。
例えば、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ニトロセルロース系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、アクリル−塩酢ビ共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテンポリマ−、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他の熱接着性樹脂のほか、これらのブレンド樹脂、これらを構成するモノマーの組合せを含む共重合体、変性樹脂等を用いることができる。例えばアクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との混合物等も好適に用いることができる。
(3−2)充填粒子
上記プライマー層には、充填粒子を含んでいても良い。プライマー層に充填粒子を含むことによって、プライマー層の表面積が増大し、後述するフッ素化合物が被覆されたシリカ微粒子の積層量を増やすことができるため、さらに高い撥水性及び撥油性を発現することができる。
充填粒子の種類は特に制限されないが、有機成分及び無機成分の少なくとも1種を含む充填粒子を採用することができる
無機成分としては、例えば1)アルミニウム、銅、鉄、チタン、銀、カルシウム等の金属又はこれらを含む合金又は金属間化合物、2)酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄等の酸化物、3)リン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム等の無機酸塩又は有機酸塩、4)ガラス、5)窒化アルミニウム、窒化硼素、炭化珪素、窒化珪素、等のセラミック等を好適に用いることができる。
有機成分としては、例えばアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアミド等の有機高分子成分(又は樹脂成分)を好適に用いることができる。
充填粒子は、無機成分からなる粒子あるいは有機成分からなる粒子(粉末)のほか、無機成分及び有機成分の両者を含む粒子(粉末)を用いることができる。これらの中でも、特に、アクリル系樹脂粒子、親水性シリカ粒子、リン酸カルシウム粒子、炭粉、焼成カルシウム粒子、未焼成カルシウム粒子、ステアリン酸カルシウム粒子等の少なくとも1種を用いることがより好ましい。
これらの充填粒子の中でも、有機成分からなる充填粒子が好ましく、特に樹脂ビーズを用いることがより好ましい。特に、本発明では、ポリエチレン系樹脂ビーズ、ポリプロピレン系樹脂ビーズ及びアクリル系樹脂ビーズの少なくとも1種を含むことが好ましい。
充填粒子の平均粒径は、特に制限されないが、通常は10〜60μmとすることができる。ここでいう平均粒子径とは、走査型電子顕微鏡を用いて、充填粒子の輪郭が観察される視野画像において、20個の充填粒子の粒径をひとつずつ測定し、粒径および粒度分布を求めたものである。また、こうした充填粒子は、大きさが略均一であっても良いし、異なる粒子径の粒子を混合して用いても良い。
プライマー層中における充填粒子の含有量は、用いる充填粒子の種類、粒径等に応じて適宜設定することができ、例えば5〜50重量%の範囲内とすることができるが、これに限定されない。
(3−3)プライマー層の形成方法
プライマー層を形成する場合は、例えばプライマー成分を含むプライマー塗工液を基材表面に塗布し、乾燥する工程を含む方法を好適に採用することができる。この場合、プライマー層中に充填粒子を含ませる場合は、上記プライマー塗工液中に充填粒子を配合すれば良い。
プライマー塗工液に使用する溶媒としては、例えば、水のほか、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤、イソプロピルアルコール、変性エタノール等のアルコール系溶剤等の有機溶剤を使用することができる。
プライマー塗工液中におけるプライマー成分の含有量は特に制限されないが、一般的には10〜80重量%、特に15〜40重量%、さらには20〜30重量%の範囲内に設定することが好ましい。
また、充填粒子を配合する場合、プライマー塗工液中における充填粒子の含有量は特に制限されないが、一般的には5〜50重量%、特に10〜40重量%、さらには10〜30重量%の範囲内に設定することが好ましい。
基材表面にプライマー塗工液を塗布する方法は、公知の方法に従えば良く、例えばロールコーティング、グラビアコーティング、バーコート、ドクターブレードコーティング、コンマコーター、パートコート、刷毛塗り、スプレー等の公知の方法をいずれも採用することができる。
プライマー塗工液を基材に塗布した後、乾燥することにより溶媒を除去すれば良い。乾燥は、自然乾燥又は加熱乾燥のいずれであっても良い。加熱乾燥する場合は、通常100〜200℃程度、特に140〜180℃とすることが好ましい。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1
(1)基材シートの作製
充填粒子としてポリメタクリル酸メチルビーズ(製品名「MBX−20」積水化成品工業社製、平均粒径:20μm、融点:250〜270℃)15重量部をポリエステル系熱可塑性樹脂溶液(溶剤:トルエン 固形分:20wt%)100重量部に添加して30分間室温で攪拌して下地コート剤を調製した。この下地コート剤をバーコーター#8を用いて乾燥後重量で3.5g/mとなるように市販の厚み50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(「PET」と略称)の表面に塗工し、続いて160℃のオーブン中で10秒間加熱乾燥させてトルエンを蒸発させることにより、PETフィルム上にプライマー層が積層された基材シートを作製した。
(2)フッ素含有複合粒子の調製
BET値が200m/gの親水性シリカ微粒子30.0g(日本アエロジル社製、AEROSIL200、平均粒子径D50=12nm)をエタノール系溶剤(ゴードー社製、GSアルコEP−7)626.0gに分散させた。次いで、これに酢酸4.0g及び純水100.0gを加え、ガラス棒で3分間攪拌し、分散液を調製した。
これとは別途に、フッ素含有化合物として下記式(1)に示すパーフルオロポリエーテルシラン(p+qの平均は14で数平均分子量は2000、kは3、Rはエチル基をそれぞれ示す。)24.0gを用意し、エタノール216.0gを混合し、パーフルオロポリエーテルシランを含む混合液を調製した。

(RO)Si−(CH−NHC(=O)−CF−O−(CFO)−(CFCFO)C(=O)NH−(CH−Si(OR)・・・(1)

次いで、上記混合液240.0gを上記分散液に加え、ガラス棒で3分間攪拌した。得られた混合スラリーを50℃の条件下で3日間攪拌した。このようにして、フッ素含有複合粒子を含むコート液を得た。フッ素含有複合粒子におけるフッ素含有化合物(上記パーフルオロポリエーテルシラン)(以下「ポリマー」ともいう。)の重量(被覆量)は44質量%であった。
(3)積層体の作製
上記(2)で得られたコート液を前記の基材シートのプライマー層が積層された面上にバーコーター#6を用いて塗工し、180℃のオーブン中で10秒間加熱乾燥させてエタノールを蒸発させることにより、基材シート及び付着防止層を含む積層体のサンプルを得た。なお、フッ素含有複合粒子の目標積層量は乾燥後重量として1.2g/mとした。
実施例2
積層体における乾燥後のフッ素含有複合粒子の目標積層量を2.4g/mとした以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
実施例3
シリカ系微粒子分散エタノール溶液に加えるパーフルオロポリエーテルシランを含む混合液を48.0gとし、フッ素含有複合粒子におけるポリマーの重量は62質量%とし、積層体における乾燥後のフッ素化合物が被覆されたシリカ系微粒子の目標積層量を1.2g/mとした以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
実施例4
シリカ系微粒子分散エタノール溶液に加えるパーフルオロポリエーテルシランを含む混合液を48.0gとしてフッ素含有複合粒子におけるポリマーの重量は62質量%とし、積層体における乾燥後のフッ素含有複合粒子の目標積層量を2.4g/mとした以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
実施例5
積層体における乾燥後のフッ素含有複合粒子の目標積層量を4.8g/mとした以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
比較例1
シリカ系微粒子(製品名「AEROSIL200」日本アエロジル(株)製、BET比表面積:200m/g、平均一次粒子径12nm)5gを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら市販のフッ素化合物を含有した表面処理剤500gをスプレーし、次いで200℃で30分間攪拌した後、冷却した。これによりフッ素化合物を被覆したシリカ系微粒子を得た。
なお、上記表面処理剤として、ポリフルオロオクチルメタクリレート、2−N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び2,2’−エチレンジオキシジエチルジメタクリレートのコポリマーの水分散液(固形分濃度:20重量%)を用いた。
このようにして被覆されたシリカ系微粒子をエタノール100mlに分散させてコート液を調製した。このコート液を用いて実施例1と同様にして積層体を作製した。なお、乾燥後のフッ素化合物が被覆されたシリカ系微粒子の目標積層量は1.2g/mとした。
比較例2
パーフルオロポリエーテルシランを含む混合液におけるパーフルオロポリエーテルシランの量を12.0gとしてフッ素含有複合粒子におけるポリマーの重量は28質量%とし、積層体における乾燥後のフッ素含有複合粒子の目標積層量を1.2g/mとした以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
比較例3
積層体における乾燥後のフッ素含有複合粒子の目標積層量を0.6g/mとした以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
比較例4
シリカ系微粒子分散エタノール溶液に加えるパーフルオロポリエーテルシランを含む混合液を48.0gとしてフッ素含有複合粒子におけるポリマーの重量は62質量%とし、積層体における乾燥後のフッ素含有複合粒子の目標積層量を0.6g/mとした以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
試験例1(滑落角)
実施例及び比較例で得られた積層体のサンプルについて25℃における滑落角を測定した。その結果を表2に示す。
滑落角の測定法としては図2に示す装置を用いた。図2(a)に示すように、電動ラボジャッキ30(オートラボジャッキ ALJ200−H、アズワン社製)と、土台20を設置し、電動ラボジャッキ30と土台20に跨るように、幅30cm×長さ70cm×厚み3mmのアルミニウム製の板36を載せ、さらに板36にはデジタル角度計38(デジタル角度計ミニ DPM−1、東栄工業社製)を載せた。このとき、デジタル角度計38の電源を入れ、板36が水平(傾き0°)となるように電動ラボジャッキ30の昇降高さを調整した。なお、板36が水平方向に動かないように市販のテープで板36の土台20と接する側の辺32と土台20とを固定した。一方で、板36の電動ラボジャッキ30によって支えられている側は固定しないこととした。これにより、図2(b)に示すように、電動ラボジャッキ30をジャッキアップした場合に、板36は電動ラボジャッキ30の上端部34と常に接しながら擦動して板36が傾斜する。土台20と固定した板36の一方の辺32と、電動ラボジャッキ30の上端部34との距離Yを50cmとした。
次に、板36に各実施例及び比較例で得られた積層体1にコート液を塗布し微粒子が積層された面を上にして設置した。積層体1の四隅に市販のテープを貼り、板36に固定した。
次いで、マイクロピペット(pipetman P20、GILSON社製)にマイクロピペットチップ(アイビスピペットチップ、アイビス社製)40を装着して、試料42を20μlとり、積層体1上に静かに滴下した。ここで試料42としては、純水、オレイン酸(NAA−34、日油社製、含有量:脂肪酸として98質量%以上)及び食用オリーブオイル(AJINOMOTO オリーブオイル)をそれぞれ用いた。
その後、電動ラボジャッキ30を速度1cm/秒でジャッキアップし、板36を傾斜させ、試料42が目視で転がりだしたことが確認されたときにジャッキアップを止めてデジタル角度計38に表示された角度を滑落角として記録した。
各実施例及び比較例において、それぞれ試料毎に5回測定し、平均の滑落角を求めた。この結果を表2に示す。なお、板36を45度まで傾斜させても試料42が一部又は全部が積層体1に付着したまま転がらなかったものは、45度でジャッキアップを止めた。
試験例2(接触角)
各実施例及び比較例で得られた積層体のサンプルについて25℃における接触角を測定した。具体的には各サンプルのコート液が積層された面を試験面とし、接触角測定装置(固液界面解析装置「Drop Master300」協和界面科学株式会社製)を用いて、試験例1と同様に試料として純水、オレイン酸及びオリーブオイル(5μl)を試験面に滴下し、各試料の接触角を測定した。測定結果は、N数を5回とし、その平均値を接触角とした。その結果を表3に示す。
試験例3(撥水性及び撥油性の維持)
実施例及び比較例で得られた各サンプルについて撥水・撥油性の持続性を調べた。具体的には各サンプルのコート液が積層された面を試験面とし、試料としてオリーブオイル、オレイン酸を数滴滴下して、25℃で24時間放置した後の各試料の転がり性を観察した。なお、前記オリーブオイルとしては、市販品「AJINOMOTO オリーブオイル(食用オリーブ油)、味の素(株)製)」を使用した。試料を滴下して24時間後に各サンプルを20度に傾けて、撥水・撥油性を維持して試料がサンプル上で転がったものを「○」、若干撥油性が低下して尾を引くように転がったものを「△」、撥油性が著しく低下してほぼ試料が転がらなかったものを「×」とした。この結果を表4に示す。

試験例4(耐摩擦性)
実施例及び比較例で得られた各サンプルについて耐摩擦性を調べた。具体的には、各サンプルを220mm×30mmの大きさに切り出し、各サンプルのコート液が積層された面を試験面と、No.428学振式染色摩擦堅ろう度試験機(株式会社安田精機製作所製)で試験面を所定回数摩擦した後、撥水・撥油性の維持をオリーブオイルを滴下して状態を観察した。試験条件は、ステンレス鋼製摩擦子(表面半径R45mm、20mm×20mm)に総加重が11.8Nとなるように追加ウエイトを取り付け、固定した試験面に設置し、摩擦距離100mm、摩擦速度30往復/minとして、40往復、80往復、120往復、160往復した。評価基準は試験面を摩擦した後に各サンプルを20度に傾けて、撥油性を維持して試料がサンプル上で転がったものを「○」、若干撥油性が低下して尾を引くように転がったものを「△」、撥油性が著しく低下してほぼ試料が転がらなかったものを「×」とした。その結果を表5に示す。
表2に示すように、水の滑落角については全ての実施例が比較例よりも若干低い滑落角を示したが、オレイン酸又はオリーブオイルの滑落角に至っては実施例の方が極めて低い滑落角を有していた。すなわち、本発明の積層体は、高い撥水性及び撥油性を有していることが確認された。
また、表3に示すように、全ての実施例が150度前後(特に150度以上)の接触角を有していたが、比較例2〜4において接触角は大きく低下していた。この点においても、本発明の積層体は、高い撥水性及び撥油性を有していることが確認された。
表4に示すように、試料を滴下して24時間経過した後も、全ての実施例で試料が転がったが、全ての比較例においてオリーブオイルは転がらなかった。このように、本発明の積層体は、従来よりも高い撥水性及び撥油性を比較的長期にわたって発現できることが確認された。
さらに、表5に示すように、試験面を往復160回摩擦した後も、全ての実施例で試料が転がったが、比較例2〜4においては、往復80回摩擦した後には試料が転がらなかった。また、比較例1も試験面を往復80回摩擦した後には実施例ほどの撥水・撥油性はみられなかった。この点において、本発明の積層体は、従来よりも撥水性及び撥油性を持続し得ることが確認された。
以上の結果からも明らかなように、本発明の積層体は、従来の積層体よりも高い撥水性及び撥油性を発揮できることがかわる。特に、オレイン酸、オリーブオイル等のような特定の油成分に対しても高い撥油性を発揮できることがわかる。

Claims (6)

  1. 基材及び付着防止層を含む積層体であって、
    (1)前記付着防止層がフッ素含有複合粒子を含み、
    (2)フッ素含有複合粒子は、シリカ系微粒子の表面が1)フッ素含有化合物及び2)それがシリカ系微粒子のケイ素とシロキサン結合してなるフッ素含有基の少なくとも1種で被覆されている複合粒子であって、
    前記フッ素含有化合物が、パーフルオロポリエーテルからなる主鎖の少なくとも一方の末端側に[−Si(OR)](但し、3つのRは、互いに同一又は異なって、水素又は炭素数1〜10のアルキル基を示す。)で示される官能基を含む化合物であり、
    (3)前記基材表面の単位面積あたりの前記フッ素化合物が被覆されたシリカ系微粒子の積層重量が0.7〜5.0g/mである、
    ことを特徴とする積層体。
  2. 基材と付着防止層との間にプライマー層を有する、請求項1に記載の積層体。
  3. プライマー層中に平均粒径10〜60μmの充填粒子をさらに含む、請求項2に記載の積層体。
  4. シリカ系微粒子の平均一次粒子径が3〜500nmである、請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 基材が、樹脂類、ゴム類、金属材料及び無機材料及びこれらを含む複合材料の少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 前記フッ素含有化合物が(RO)Si−(CH−NHC(=O)−CF−O−(C2n−C(=O)NH−(CH−Si(OR)(但し、Rは炭素数1〜4のアルキル基、nは1〜7の整数、mは7以上の整数、kは1〜5の整数をそれぞれ示す。)で示される化合物を含む、請求項1〜5のいずれか記載の積層体。
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