JP5007921B2 - 多孔質ポリアミド粉末の製造方法 - Google Patents

多孔質ポリアミド粉末の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、多孔質ポリアミド粉末を製造する方法に関する。
多孔質ポリアミド粉末は、高い親油性を有することから、クレンジングマスクなどの化粧品原料、クロマトグラフィーの充填剤として利用することが検討されている。また、各種触媒の担体あるいは吸着剤として、食品工業や医療分野などに利用することも検討されている。さらに、多孔質ポリアミド粉末に着色剤を担持させて電子写真のトナーとして利用したり、表示機器などの電子製品の材料として利用したりすることも検討されている。
多孔質ポリアミド粉末の製造方法として、特許文献1には、ポリアミド溶液、該ポリアミドの非溶媒及び水を混合して、一時的に均一なポリアミド含有混合液を調製し、次いで該ポリアミド含有混合液を静置することにより、該ポリアミド含有混合液中にてポリアミド多孔質粒子を析出させ、これを乾燥することからなる方法が開示されている。この特許文献1の実施例では、ポリアミド含有混合液の調製は、濃度1〜5質量%のポリアミド溶液にポリアミド非溶媒と水との混合溶媒を添加することによって行なわれている。
特開2002−80629号公報
多孔質ポリアミド粉末の工業的な生産において、生産効率の向上のためにポリアミド溶液のポリアミド濃度を高くすることは重要である。しかしながら、本発明者の検討によると、ポリアミド溶液の濃度を高くすると、その粘度がポリアミド非溶媒や水の粘度に比べて大きくなりすぎ、ポリアミド溶液にポリアミド非溶媒と水との混合溶媒を添加する方法でポリアミド含有混合液の調製を行なうと、ポリアミド含有混合液の組成が均一になるまでに要する時間が長くなり、得られる多孔質ポリアミド粉末の粒子径が不均一になり易い(粒度分布の拡がりが大きくなる)ことが判明した。
従って、本発明の目的は、粒子径の均一性が高い多孔質ポリアミド粉末を、高濃度のポリアミド溶液を用いて工業的に有利に製造することができる方法を提供することにある。
本発明者は、ポリアミド含有混合液の調製を、ポリアミド非溶媒と水との混合溶媒に、該混合溶媒を撹拌しながら、ポリアミド溶液を該混合溶媒の液温よりも5℃以上高い液温に調整して添加することにより、ポリアミド溶液の濃度が8〜30質量%の範囲にあってもポリアミド含有混合液の組成が均一になるまでの時間を、ポリアミド含有混合液の調製をポリアミド溶液にポリアミド非溶媒と水との混合溶媒を添加した場合よりも短縮することができ、得られる多孔質ポリアミド粉末の均一性が高くなることを見出した。
従って、本発明は、ポリアミド溶液、該ポリアミドの非溶媒及び水を混合してポリアミド含有混合液を調製し、次いで該ポリアミド含有溶液を静置することにより、該ポリアミド含有混合液中にてポリアミド多孔質粒子を析出させ、これを乾燥することからなる多孔質ポリアミド粉末の製造方法であって、上記ポリアミド含有混合液の調製を、予め調製したポリアミドの非溶媒と水との混合溶媒に、該混合溶媒を撹拌しながら、該混合溶媒の液温よりも5℃以上高い液温に調節した、ポリアミド濃度が8〜30質量%の範囲にあるポリアミド溶液を添加することにより行なうことを特徴とする方法にある。
本発明の多孔質ポリアミド粉末の製造方法の好ましい態様は、以下の通りである。
(1)ポリアミド溶液の液温が、混合溶媒の液温よりも5〜60℃の範囲で高い。
(2)ポリアミドがポリアミド6である。
(3)ポリアミド溶液の溶媒が、芳香族アルコール、ギ酸又はこれらの混合物である。
(4)ポリアミド非溶媒と水との混合溶媒の全体量に対する水の含有率が2〜90質量%の範囲にある。
(5)ポリアミド非溶媒が、脂肪族アルコール、脂肪族ケトン又はこれらの混合物である。
本発明の多孔質ポリアミド粉末の製造方法を利用することによって、粒子径の均一性が高い多孔質ポリアミド粉末を、工業的に効率よく製造することができる。
本発明の多孔質ポリアミド粉末の製造方法は、ポリアミド溶液、ポリアミド非溶媒及び水を混合してポリアミド含有混合液を調製し、次いで該ポリアミド含有混合液を静置することにより、該ポリアミド含有混合液中にてポリアミド多孔質粒子を析出させ、これを乾燥することからなる従来の多孔質ポリアミド粉末の製造方法の改良であって、その主な特徴は、ポリアミド含有混合液の調製を、予め調製したポリアミドの非溶媒と水との混合溶媒に、該混合溶媒を0〜30℃の範囲の温度にて撹拌しながら、該混合溶媒の液温よりも5℃以上高い液温に調節した、ポリアミド濃度が8〜30質量%の範囲にあるポリアミド溶液を添加することにより行なうことにある。
本発明の多孔質ポリアミド粉末の製造方法において原料として用いるポリアミドとしては、脂肪族、脂環族及び芳香族のポリアミド、又はこれらの共重合体を挙げることができる。ポリアミドは、脂肪族及び脂環族のポリアミド又はこれらの共重合体であることが好ましく、脂肪族のポリアミド又はその共重合体であることが特に好ましい。脂肪族ポリアミドの例としては、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド66を挙げることができる。
本発明において用いるポリアミド溶液は、ポリアミド濃度が8〜30質量%の範囲、好ましくは8〜25質量%の範囲にある。
ポリアミド溶液の溶媒は、水と少なくとも部分的に相溶するものであることが好ましい。ポリアミド溶液の溶媒の例としては、芳香族アルコール、ギ酸又はこれらの混合物を挙げることができる。芳香族アルコールの例としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール及びクロロフェノールを挙げることができる。
ポリアミド溶液には、ポリアミド溶液の凝固降下剤及び粘度調整剤として、ポリアミド粒子を析出させない範囲で、水、脂肪族アルコール、脂肪族ケトン又はこれらの混合物を含んでいてもよい。ポリアミド溶液中の凝固点降下剤及び粘度調整剤として含まれる含有率は、一般に0.1〜30質量%の範囲、好ましくは5〜25質量%の範囲にある。
本発明において用いるポリアミド非溶媒と水との混合溶媒は、その全体量に対する水の含有率が一般に2〜90質量%の範囲、好ましくは5〜85質量%の範囲である。
ポリアミド非溶媒は、液温25℃にてポリアミドを0.01質量%以上溶解しないものであることが好ましい。ポリアミド非溶媒は、ポリアミド溶液の溶媒及び水が少なくとも部分的に相溶するもの(少量溶解するもの)であることが好ましく、特に水が相溶するものであることが好ましい。ポリアミド非溶媒の例としては、脂肪族アルコール、脂肪族ケトン又はこれらの混合物を挙げることができる。脂肪族アルコールの例としては、メタノール、エタノール及びイソプロパノールなどの炭素原子数1〜4の脂肪族アルコールを挙げることができる。脂肪族ケトンの例としては、アセトン及びメチルエチルケトンなどの炭素原子数3〜5の脂肪族ケトンを挙げることができる。
本発明の製造方法においては、上記のポリアミド溶液及びポリアミド非溶媒と水との混合溶媒からポリアミド含有混合液を調製するに際して、ポリアミド溶液を混合溶媒の液温よりも5℃以上高い液温に調節して、これを混合溶媒に、混合溶媒を撹拌しながら添加する。本発明において用いるポリアミド溶液は、ポリアミド濃度が8〜30質量%の範囲にあり、混合溶媒と比べて高粘度であるため、ポリアミド溶液を加温してポリアミド溶液の粘度を低減させることが望ましい。
ポリアミド溶液の液温は、混合溶媒の液温よりも5〜60℃の範囲で高い温度であることが好ましく、10〜40℃の範囲で高い温度であることが特に好ましい。具体的には、混合溶媒の液温は、通常は0〜30℃の範囲、好ましくは10〜30℃の範囲である。ポリアミド溶液の液温は、35〜80℃の範囲にあることが好ましく、40〜70℃の範囲にあることが特に好ましい。
混合溶媒に添加するポリアミド溶液の量は、混合溶媒100質量部に対するポリアミド溶液中のポリアミド量に換算して、0.5〜5.0質量部の範囲にあることが好ましく、1.0〜4.0質量部の範囲にあることが特に好ましい。
ポリアミド溶液の混合溶媒への添加を開始してから、均一なポリアミド含有混合液を形成するまでの時間は、一般に0.1秒〜5分の範囲、好ましくは1秒〜1分の範囲、特に好ましくは1〜40秒の範囲にある。
本発明の製造方法においては、均一なポリアミド含有混合液が形成された後は、撹拌を止めて、該ポリアミド含有混合液を静置することにより、該ポリアミド含有混合液中にてポリアミド多孔質粒子を析出させる。ポリアミド多孔質粒子を析出させる際のポリアミド含有混合液の液温は、一般に5〜60℃の範囲、好ましくは10〜35℃の範囲である。ポリアミド含有混合液の液温が高いと析出する多孔質ポリアミド粒子の粒子径が大きくなる傾向にある。ポリアミド含有混合液の静置時間は、均一なポリアミド含有混合液が形成されてから、通常は5分以上であり、好ましくは120分以内である。
本発明の製造方法において、ポリアミド含有混合液中に析出したポリアミド多孔質粒子は、混合液から遠心分離、デカンテーション、ろ過などの通常の方法で分離することができる。例えば、ポリアミド多孔質粒子が析出した混合液に、さらにメタノール、イソプロパノールあるいは水などの低比重溶媒を加えて、混合液とポリアミド多孔質粒子との比重の差を大きくした後、遠心分離やデカンテーションなどの方法で、ポリアミド多孔質粒子を分離してもよい。また析出したポリアミド多孔質粒子は、さらにメタノールやアセトンなどで数回洗浄した後、遠心分離やデカンテーションなどの方法で分離してもよい。混合液から分離したポリアミド多孔質粒子は、熱風乾燥、真空乾燥、撹拌乾燥などの通常の乾燥方法により乾燥することができる。また、析出したポリアミド多孔質粒子を含む混合液を噴霧乾燥してポリアミド多孔質粒子を乾燥してもよい。
本発明の製造方法により得られる多孔質ポリアミド粉末は、個々の粒子がその表面に多数の空孔を有する多孔質粒子の集合体である。多孔質ポリアミド粒子は、個数基準で70個%以上の粒子が球状粒子であることが好ましく、個数基準で85個%以上の粒子が球状粒子であることが特に好ましい。
ポリアミド多孔質粒子は、さらに個数基準で60個%以上の粒子が、単一の球晶構造を有することが好ましい。ここで、球晶構造とは、粒子がその粒子の中心付近の単数又は複数の核から高分子フィブリルが三次元等方あるいは放射状に成長して形成した結晶性高分子特有の構造を意味する。
本発明の製造方法により得られる多孔質ポリアミド粉末は、数平均粒子径が一般に1〜30μmの範囲にあり、特に1〜25μmの範囲にある。また、多孔質ポリアミド粉末の数平均粒子径(Dn)に対する体積平均粒子径(Dv)の比として定義される粒度分布指数(=Dv/Dn)は、一般に1.0〜1.5の範囲、好ましくは1.0〜1.3の範囲、特に好ましくは1.0〜1.1の範囲にある。なお、粒度分布指数は、多孔質ポリアミド粉末の粒度分布の均一性を表す指標の一つであり、粒度分布指数が1.0に近い方が粒度分布の拡がりが小さい(粒度が均一である)ことを意味する。
本発明の製造方法により得られる多孔質ポリアミド粉末は、クレンジングマスクなどの化粧品原料、クロマトグラフィーの充填剤として利用することができる。また、各種触媒の担体あるいは吸着剤として、食品工業や医療分野にも利用することができる。さらに、多孔質ポリアミド粉末に着色剤を担持させて電子写真のトナーとして利用したり、表示機器などの電子材料として利用することもできる。
本実施例において得られたポリアミド粉末の粒子形態の確認、粒子径の測定は次のようにして行なった。
(粒子形態)
ポリアミド粒子の多孔性は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて粒子表面を観察することにより行なう。ポリアミド粒子の構造は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて粒子内部を観察することにより行なう。
(平均粒子径の測定)
コールターカウンターを用いて、50000個のポリアミド粒子の粒子径を測定し、下記の式(1)により数平均粒子径(Dn)を算出し、下記の式(2)により体積平均粒子径(Dv)を算出する。
Figure 0005007921
[実施例1]
フェノールとメタノールとを90:10(質量比)の割合で含む溶媒にポリアミド6(数平均分子量:13000)を溶解させて、濃度17.5質量%のポリアミド6溶液を調製した。
撹拌羽根3枚パドル翼を装着した容量200Lのフラスコに、メタノール90kgと水22.5kgの混合溶媒を投入し、液温を23℃に調節した。次いで混合溶媒をパドル翼の回転数200rpmの条件で撹拌しながら、該混合溶媒に、上記のポリアミド6溶液15kgを液温60℃に調節して、添加した(液温60℃でのポリアミド6溶液の粘度は、0.70Pa・秒であった)。ポリアミド6溶液を混合溶媒に添加するのに要した時間は22秒であった。
ポリアミド6溶液の添加が終了してから、3秒後に撹拌を停止した。撹拌停止後のポリアミド6含有混合液の液温は25℃であった。撹拌を停止した後(ポリアミド6溶液の添加開始から25秒後)の混合液は均一であった。そして撹拌を停止してから25秒後(ポリアミド6溶液の添加開始から50秒後)に混合液中にポリアミド6粒子が析出して、該混合液が白濁し始めた。その後、該白濁液を、その液温を25℃に維持しながら更に1時間静置した。静置終了後、遠心分離により、白濁液からポリアミド6粒子を回収して、液温50℃のメタノールで繰り返し洗浄した後、乾燥した。
得られたポリアミド6粉末を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、得られたポリアミド6粉末を構成する粒子は多孔質粒子であることが確認された。さらに、透過型電子顕微鏡にて複数個の多孔質粒子について断面を観察したところ、いずれの多孔質粒子も中心の核から放射状にフィブリルが成長した球晶構造であることが確認された。また、得られた多孔質ポリアミド6粉末は、数平均粒子径が16.0μm、体積平均粒子径が17.5μm、粒度分布指数が1.09であった。
[比較例1]
撹拌羽根3枚パドル翼を装着した容量200Lのフラスコに、実施例1で調製したポリアミド6溶液(ポリアミド濃度:17.5質量%)15kgを投入し、撹拌しながら液温を60℃に調節した。次いで、ポリアミド6溶液の撹拌を続けながら、該ポリアミド6溶液に液温23℃に調節したメタノール90kgと水22.5kgとの混合溶媒を添加した。混合溶媒を添加するのに要した時間は73秒であった。混合溶媒添加終了後の混合液の液温は25℃であった。混合溶媒の添加が終了してから2秒後に撹拌を停止した。撹拌を停止した後(混合溶媒の添加開始から75秒後)の混合液は均一であった。そして撹拌を停止してから10秒後(混合溶媒の添加開始から85秒後)に混合液中にポリアミド6粒子が析出して、該混合液が白濁し始めた。その後、該白濁液を、その液温を25℃に維持しながら更に1時間静置した。静置終了後、遠心分離により、白濁液からポリアミド6粒子を回収して、液温50℃のメタノールで繰り返し洗浄した後、乾燥した。
得られたポリアミド6粉末を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、得られたポリアミド6粉末を構成する粒子は多孔質粒子であることが確認された。さらに、透過型電子顕微鏡にて複数個の多孔質粒子について断面を観察したところ、いずれの多孔質粒子も中心の核から放射状にフィブリルが成長した球晶構造であることが確認された。また、得られた多孔質ポリアミド6粉末は、数平均粒子径が12.2μm、体積平均粒子径が16.1μm、粒度分布指数が1.32であり、実施例1で得られた多孔質ポリアミド6粉末の粒度分布よりも拡がりが大きかった。
[比較例2]
混合溶媒の液温を25℃、ポリアミド6溶液の液温を25℃に調整して、ポリアミド含有混合液を調製した以外は実施例1と同様にしてポリアミド6粉末を製造した。ポリアミド6溶液の液温25℃での粘度は、2.67Pa・秒であった。
ポリアミド6溶液を混合溶媒に添加するのに要した時間は32秒であった。混合液の撹拌は、ポリアミド6溶液の添加が終了してから3秒後に停止した。撹拌停止直後の混合液は不均一であったが、撹拌を停止してから10秒後(ポリアミド6溶液の添加開始から45秒後)に混合液は均一になった。混合液が均一になってからポリアミド6粒子が析出するまでに要した時間は16秒(ポリアミド6溶液の添加開始から61秒)であり、ポリアミド6溶液の添加開始からポリアミド6粒子が析出するまでに要した時間は実施例1で要した時間よりも長かった。
得られたポリアミド6粉末を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、得られたポリアミド6粉末を構成する粒子は多孔質粒子であることが確認された。さらに、透過型電子顕微鏡にて複数個の多孔質粒子について断面を観察したところ、いずれの多孔質粒子も中心の核から放射状にフィブリルが成長した球晶構造であることが確認された。また、得られた多孔質ポリアミド6粉末は、数平均粒子径が15.2μm、体積平均粒子径が17.3μm、粒度分布指数が1.14であり、得られた多孔質ポリアミド6粉末の粒度分布は、実施例1で得られた多孔質ポリアミド6粉末の粒度分布よりも拡がりが大きかった。
[実施例2]
フェノールとメタノールとを90:10(質量比)の割合で含む溶媒にポリアミド6(数平均分子量:13000)を溶解させて、濃度10質量%のポリアミド6溶液を調製した。
撹拌羽根3枚パドル翼を装着した容量10Lのフラスコに、メタノール4500gと水1125gの混合溶媒を投入し、液温を22℃に調節した。次いで混合溶媒をパドル翼の回転数200rpmの条件で撹拌しながら、該混合溶媒に、上記のポリアミド6溶液750gを液温45℃に調節して、添加した(液温45℃でのポリアミド6溶液の粘度は、0.21Pa・秒であった)。ポリアミド6溶液を混合溶媒に添加するのに要した時間は15秒であった。
ポリアミド6溶液の添加が終了してから、5秒後に撹拌を停止した。撹拌停止後のポリアミド6含有混合液の液温は25℃であった。撹拌停止直後の混合液は不均一であったが、撹拌を停止してから20秒後(ポリアミド6溶液の添加開始から40秒後)に混合液は均一になった。そして混合液が均一になってから10秒後(ポリアミド6溶液の添加開始から50秒後)に混合液中にポリアミド6粒子が析出して、該混合液が白濁し始めた。その後、該白濁液を、その液温を25℃に維持しながら更に1時間静置した。静置終了後、遠心分離により、ポリアミド含有混合液からポリアミド6粒子を回収して、液温50℃のメタノールで繰り返し洗浄した後、乾燥した。
得られたポリアミド6粉末を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、得られたポリアミド6粉末を構成する粒子は多孔質粒子であることが確認された。さらに、透過型電子顕微鏡にて複数個の多孔質粒子について断面を観察したところ、いずれの多孔質粒子も中心の核から放射状にフィブリルが成長した球晶構造であることが確認された。また、得られた多孔質ポリアミド6粉末は、数平均粒子径が13.8μm、体積平均粒子径が15.1μmであり、粒度分布指数が1.09であった。
[比較例3]
混合溶媒の液温を25℃、ポリアミド6溶液の液温を25℃に調節して、ポリアミド含有混合液を調製した以外は実施例2と同様にしてポリアミド6粉末を製造した。ポリアミド6溶液の液温25℃での粘度は、0.44Pa・秒であった。
ポリアミド6溶液を混合溶媒に添加するのに要した時間は20秒であった。混合液の撹拌は、ポリアミド6溶液の添加が終了してから5秒後に停止した。撹拌停止直後の混合液は不均一であったが、撹拌を停止してから20秒後(ポリアミド6溶液の添加開始から45秒後)に混合液は均一になった。混合液が均一になってからポリアミド6粒子が析出するまでに要した時間は10秒(ポリアミド6溶液の添加開始から55秒)であり、ポリアミド6溶液の添加開始からポリアミド6粒子が析出するまでに要した時間は実施例2で要した時間よりも長かった。
得られたポリアミド6粉末を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、得られたポリアミド6粉末を構成する粒子は多孔質粒子であることが確認された。さらに、透過型電子顕微鏡にて複数個の多孔質粒子について断面を観察したところ、いずれの多孔質粒子も中心の核から放射状にフィブリルが成長した球晶構造であることが確認された。また、得られた多孔質ポリアミド6粉末は、数平均粒子径が14.1μm、体積平均粒子径が16.0μm、粒度分布指数が1.13であり、得られた多孔質ポリアミド6粉末の粒度分布は、実施例2で得られた多孔質ポリアミド6粉末の粒度分布よりも拡がりが大きかった。

Claims (6)

  1. ポリアミド溶液、該ポリアミドの非溶媒及び水を混合してポリアミド含有混合液を調製し、次いで該ポリアミド含有溶液を静置することにより、該ポリアミド含有混合液中にてポリアミド多孔質粒子を析出させ、これを乾燥することからなる多孔質ポリアミド粉末の製造方法であって、上記ポリアミド含有混合液の調製を、予め調製したポリアミドの非溶媒と水との混合溶媒に、該混合溶媒を0〜30℃の範囲の温度にて撹拌しながら、該混合溶媒の液温よりも5℃以上高い液温に調節した、ポリアミド濃度が8〜30質量%の範囲にあるポリアミド溶液を添加することにより行なうことを特徴とする方法。
  2. ポリアミド溶液の液温が、混合溶媒の液温よりも5〜60℃の範囲で高い請求項1に記載の多孔質ポリアミド粉末の製造方法。
  3. ポリアミドがポリアミド6である請求項1に記載の多孔質ポリアミド粉末の製造方法。
  4. ポリアミド溶液の溶媒が、芳香族アルコール、ギ酸又はこれらの混合物である請求項1に記載の多孔質ポリアミド粉末の製造方法。
  5. ポリアミド非溶媒と水との混合溶媒の全体量に対する水の含有率が2〜90質量%の範囲にある請求項1に記載の多孔質ポリアミド粉末の製造方法。
  6. ポリアミド非溶媒が、脂肪族アルコール、脂肪族ケトン又はこれらの混合物である請求項1に記載の多孔質ポリアミド粉末の製造方法。
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