JP4093142B2 - ポリアミド多孔質粒子の製造方法 - Google Patents

ポリアミド多孔質粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、特定の粒子径と細孔径を有し、狭い粒子径分布をもち、比表面積が大きい、結晶性脂肪族ポリアミド多孔質粒子の製造方法と、これから得られるポリアミド多孔質粒子に関するものである。特に本発明は、融点200℃より低い結晶性脂肪族ポリアミドの多孔質球状粒子の製造方法に関するものである。
従来ポリアミド粉末の製造方法としては、化学的粉末化、機械的粉砕法、直接重合法などが知られている。
化学的粉末化法は、ポリアミドの溶媒と非溶媒を選択することにより、比較的均一な品質の粉末が製造できることから、機能性を有するポリアミド粒子には、最もこの方法が適していると考えられている。
特許文献1には、結晶性ポリマーが水素結合指数が異なる2種の溶媒、非溶媒によって結晶化を起こさせ、乾燥して多孔質ポリマー微小球を得る製造方法を開示されている。
特許文献2には、特定の粒子径と細孔径を有し、狭い粒子径分布をもち、比表面積の大きく結晶化度の高いポリアミド多孔質粒子とその製造方法が開示されている。
特開平3−26729号公報 特開平2002−80629号公報
従来、ポリアミドの多孔質粒子は種々の方法で製造されている。
本発明は、ナイロン11やナイロン12などの融点200℃より低い結晶性脂肪族ポリアミド又は、ナイロン11やナイロン12などの吸水率が4%以下の低吸湿性の結晶性脂肪族ポリアミドから、比較的均一な粒子径を有し、比表面積が大きいポリアミド多孔質粒子を、ポリマー溶液を加熱することなく、ポリマーの析出法により、容易に安定して製造できる方法を提供することを目的とする。
ナイロン11やナイロン12などの融点200℃より低い結晶性脂肪族ポリアミド、又はナイロン11やナイロン12などの吸水率が4%以下の低吸水率の結晶性脂肪族ポリアミドは、溶媒に対する溶解性や結晶性などが、ナイロン6と異なるために、ポリマー析出法により、比較的均一な粒子径を有し、比表面積が大きいポリアミド多孔質粒子を容易に安定して製造することが難しい。
本発明は、ナイロン11やナイロン12などの融点200℃より低い結晶性脂肪族ポリアミド、又はナイロン11やナイロン12などの吸水率が4%以下の低吸水率の結晶性脂肪族ポリアミドから、ポリマー析出法により、容易に安定して、比較的均一な粒子径を有し、比表面積が大きいポリアミド多孔質粒子を得ることが出来る。
本発明の第一は、
(1)ナイロン11やナイロン12などの融点200℃より低い結晶性脂肪族ポリアミド又は、ナイロン11やナイロン12などの吸水率が4%以下の低吸水率の結晶性脂肪族ポリアミドなどの結晶性脂肪族ポリアミドを、芳香族アルコールなどの良溶媒に溶解してポリマー溶液(A)を得る工程、
(2)ポリマー溶液(A)に、結晶性脂肪族ポリアミドに対して析出能力の弱い脂肪族多価アルコールと水とからなる溶剤又は脂肪族多価アルコールからなる溶剤を加えて、ポリマーの懸濁液(B)を得る工程、
(3)ポリマーの懸濁液(B)に、結晶性脂肪族ポリアミドに対して析出能力の強い非溶媒、例えば脂肪族アルコールや脂肪族ケトンなどを加えてポリアミドを沈殿させる工程、
さらに必要に応じて、
(4)沈殿したポリアミドを分離、洗浄、乾燥などを行う工程
からなるポリアミド多孔質粒子の製造方法である。
本発明の好ましい実施の様態を次に示す。
1.ポリアミド多孔質粒子が、平均粒子径0.1〜30μmである。
2.ポリアミド多孔質粒子が、粒子径分布指数1.0〜1.50である。
3.ポリアミド多孔質粒子が、比表面積100〜80000m/kgである。
4.ポリアミド多孔質粒子が、多孔度指数5〜100である。
本発明の第二は、本発明の第一のポリアミド多孔質粒子の製造方法から得られるポリアミド多孔質粒子である。
本発明のポリアミド多孔質粒子の製造方法は、ポリアミド溶液と、脂肪族多価アルコールを混合することにより、沈殿から安定な懸濁液を経由して、多孔質球状ポリマーを析出させることを特徴とするものである。その製造方法で得られる多孔質球状粒子に関する。
各種触媒の担持体、電子写真のトナー、表示機器などの電子材料、クロマトグラフィー、吸着材など食品工業、化粧品分野、および医療分野などの機能性粒子として供給できる。
結晶性脂肪族ポリアミドとしては、公知の種々のものを挙げることができ、例えば、ラクタムなどの環状アミドの重合物、アミノカルボン酸の重合物、ジカルボン酸とジアミンの重合物、或いはラクタム及び/又はアミノカルボン酸と、ジアミン及びジアミンなどから得られる重合物など、又はこれらの混合物を用いることができる。
特に結晶性脂肪族ポリアミドとしては、ナイロン11やナイロン12などの融点200℃より低い結晶性脂肪族ポリアミド、又はナイロン11やナイロン12などの低吸水率の結晶性脂肪族ポリアミドが好ましい。
結晶性脂肪族ポリアミドとしては、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族成分やキシリレンジアミンなどの芳香環を有する成分などを、共重合成分として少なくても10重量%含んだものを用いることが出来る。
ラクタムとしては、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、ω−エナントラクタム、ω−ウンデカラクタム、ω−ドデカラクタム、2−ピロリドンなどの炭素数5〜20の脂肪族ラクタムなどを挙げることが出来、好ましくは炭素数8以上、さらに好ましくは炭素数10以上、特に好ましくは炭素数11以上の脂肪族ラクタムが好ましい。
アミノカルボン酸としては、6-アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などの炭素数5〜20の脂肪族ω−アミノカルボン酸などを挙げることが出来、好ましくは炭素数8以上、さらに好ましくは炭素数10以上、特に好ましくは炭素数11以上のω−脂肪族アミノカルボン酸が好ましい。
ジカルボン酸としては、蓚酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸などの脂肪族ジカルボン酸及びこれらの誘導体などを挙げることが出来る。
ジアミンとしては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミンなどを挙げることが出来る。
結晶性脂肪族ポリアミドは、ポリアミド8(mp:190℃)、ポリアミド10(mp:186℃)、ポリアミド11(mp:187℃)、ポリアミド12(mp:180℃、吸水率:1.5%)などのポリアミド、および、ポリアミド6/12、ポリアミド6/66/12などの共重合ポリアミドなどを用いることが出来る。
結晶性脂肪族ポリアミドの結晶性は、融解熱で表すことができる。結晶性脂肪族ポリアミドは、融解熱が、好ましくは75J/g以上、さらに好ましくは80J/g以上、特に好ましくは85J/g以上である。
結晶性脂肪族ポリアミドは、融点が200℃以下が好ましい。
融点は、示差熱走査熱量計(DSC)より求めることができる。
結晶性脂肪族ポリアミドの吸水率は、好ましくは4%以下、さらに好ましくは3.5%以下、特に好ましくは3%以下の低吸水率であることが好ましい。吸水率は、23℃水中で飽和した時の吸水率としてASTM・D−570に準拠して求めることができる。
結晶性脂肪族ポリアミドは、分子量が好ましくは2,000〜100,000、さらに好ましくは5,000〜40,000である。
本発明のポリアミド多孔質粒子は、好ましくは多孔質粒子のうち少なくとも90重量%以上、さらに95重量%以上が球状粒子である。球状粒子が90重量%より少ないと、粉体材料としての流動性が劣るなど好ましくない場合がある。
本発明のポリアミド多孔質粒子は、数平均粒子径に対する体積平均粒子径の比(粒度分布指数PDI)が、好ましくは1〜1.5、さらに1〜1.3である。数平均粒子径に対する体積平均粒子径の比(粒度分布指数PDI)が上記範囲より大きいと粒子径分布が広くなって、均一な粒子径を有する粒子でなくなるために好ましくない。均一な粒子径は、触媒担持体などの機能性粒子に適用する場合、予期した以上の物理的化学的性質が発現することがあり好ましい
本発明のポリアミド多孔質粒子は、数平均粒子径が好ましくは0.1〜30μm、さらに好ましくは0.3〜25μmである。数平均粒子径が上記範囲より小さいと取り扱い操作が悪くなる場合があり、平均粒子径が上記範囲より大きいと触媒担持体などに用いるには不適当になる場合がある。
本発明のポリアミド多孔質粒子は、BET比表面積が好ましくは100〜80000m/kg、さらに好ましくは1000〜60000m/kg、特に好ましくは3000〜50000m/kgである。BET比表面積が上記範囲より小さいと触媒などの担持能力が低下するから好ましくなく、比表面積が上記範囲より大きいと取り扱いにくい場合がある。
本発明のポリアミド多孔質粒子は、平均細孔径が好ましくは0.01〜0.2μm、さらに好ましくは0.02〜0.1μmである。平均細孔径が上記範囲より小さければ、触媒を担持しにくくなる場合がある。平均細孔径が上記範囲より大きければ、触媒の担持力が低くなる場合があり、触媒の担持体として用いる場合、上記範囲の平均細孔径が好ましい。平均細孔径は、例えば、細孔0.0036μmから、400μmの範囲で水銀圧入法で計測することができる。細孔径が0.01〜0.1μmの領域と5〜30μmの領域で細孔径が見られる。小さい領域の細孔径は、粒子の結晶ラメラ間の構造を反映しているし、また大きい領域の細孔径は、粒子の大きさを反映していると思われる。
本発明のポリアミド多孔質粒子は、多孔度指数(RI)が、好ましくは5〜100、さらに好ましくは5〜70である。多孔度指数が上記範囲より小さければ、多孔質の程度が低くなり、触媒などの担持体としての効果が小さくなる場合が考えられる。多孔度指数が上記範囲より大きければ形状が不安定となるため好ましくなく、触媒、薬剤など化合物の担持体などに用いる場合には、多孔度指数は上記の範囲が好ましい。
ここで多孔度指数(RI)とは、同じ直径の平滑な球状粒子の比表面積に対し、多孔質球状粒子の比表面積の比で表示したものと定義し、数式(1)で表すことができる。
ここで、RI:多孔度指数、
S:多孔粒子の比表面積[m/kg]、
:同一粒子径の円滑な球状粒子の比表面積[m/kg]とする。
円滑な球の比表面積(S)は、数式(2)に従い算出することができる。
ここで、S:円滑な球の比表面積[m/kg]、
obs:観測される数平均球状粒子径[m]、
ρ:ポリアミドの密度[kg/m]とする。
ここで、ポリアミド12の密度を、1100kg/mとする。
本発明のポリアミド多孔質粒子のかさ密度は、好ましくは0.1〜0.4g/cmである。
本発明の(1)ナイロン12などの融点200℃より低い結晶性脂肪族ポリアミド又は、ナイロン12などの低吸水率の結晶性脂肪族ポリアミドなどの結晶性脂肪族ポリアミドを、芳香族アルコールなどの良溶媒に溶解してポリマー溶液(A)を得る工程を説明する。
ポリアミドを良溶媒に溶解する温度は、室温〜60℃が好ましい。
ポリアミドの良溶媒としては、本発明に用いるポリアミドを溶解する溶媒であればよく、例えばポリアミドを0.1重量%以上溶解する溶媒が好ましい。良溶媒としては、フェノール、0−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、クロロフェノールなどの芳香族アルコール系溶液が好ましい。
ポリアミド溶液(A)は、ポリアミドが好ましくは0.1〜30重量%、さらに好ましくは0.2〜25重量%溶解していることが好ましい。ポリアミド溶液(A)は、ポリアミドの溶解する割合が上記範囲内では、溶液粘度、取扱性、生産性に優れるために好ましい。
本発明の(2)ポリマー溶液(A)に、脂肪族多価アルコール又はこれらの誘導体などのポリアミドに対して析出能力の弱い貧溶媒などの溶剤を加えて、ポリマーの懸濁液(B)を得る工程を説明する。
ポリアミド溶液(A)に、ポリアミドに対して析出能力の弱い貧溶媒などの溶剤を加え、ポリマーが析出しても、沈殿することがほとんどなく、静置により、ポリマーの懸濁状態の分散液を形成させる工程である。
この工程では、ポリマー溶液(A)に溶剤を加えると、一時的に透明な溶液状態となるが、その後懸濁状態になることが好ましい。
この工程では、ポリアミドの懸濁液を得るために、ポリアミド溶液(A)に溶剤を加えても良く、又は、溶剤にポリアミド溶液(A)を加えても良い。
溶剤は、ポリアミド溶液(A)に溶剤を加え、ポリマーが析出しても、沈殿するこことがほとんどなく、静置により、ポリマーの懸濁状態の分散液を形成させるものであれば、どのようなものでも用いることができる。
溶剤は、ポリアミドに対して析出能力の弱い貧溶媒を用いることができる。
溶剤は、ポリアミド溶液(A)とが少なくとも部分的に相容するものを用いることが出来る。
溶剤としては、脂肪族多価アルコール又はこれらの誘導体を用いることが出来る。
溶剤は、本発明の目的を損なわない範囲で水を含むことができる。
脂肪族多価アルコール又はこれらの誘導体としては、2価および3価、あるいは3価以上の多価アルコールあるいは,そのエステル誘導体、カルボン酸誘導体などが好ましい。
脂肪族多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを挙げることができる。また、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンおよびその誘導体を用いることができる。
溶剤として、1価アルコールを用いると、分散した球状の粒子ができにくくなり好ましくない。
脂肪族多価アルコールの誘導体としては,エチレングリコール脂肪族エステル、ポリエチレングリコールエステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪族アミドなどの界面活性剤を用いることができる。
溶剤は、脂肪族多価アルコール又はこれらの誘導体と、水の混合溶液を用いることが出来る。水の添加量は、脂肪族多価アルコール又はこれらの誘導体に対して、30〜60重量%、さらに40〜55重量%が好ましい。溶剤として脂肪族多価アルコール又はこれらの誘導体の一部を水で置き換えることにより、溶剤の粘度が低くなり、ポリアミド溶液(A)と混合しやすくなるから好ましい。
ポリアミド溶液(A)と溶剤の添加割合は、ポリアミド溶液(A)100重量部に対して、溶剤の割合が、好ましくは5〜90重量部、さらに好ましくは10〜80重量部が好ましい。溶剤の割合が、ポリアミド溶液(A)に対し、上記範囲より少ないと、懸濁状態を経由せずに、ポリマー粒子が析出沈殿する場合が考えられ、得られるポリマー粒子は不定形粒子が生成する可能性が高く好ましくない。溶剤の割合が、ポリアミド溶液(A)に対し、上記範囲より多いと、溶剤を加えて直ちにポリマーが析出沈殿するため、得られる析出物は塊状である可能性が高く好ましくない。
ポリアミド溶液(A)と溶剤の添加温度は、懸濁溶液が得られる温度であればよく、好ましくは−20〜60℃、さらに好ましくは−10〜40℃が好ましい。添加温度が、−20℃より低いと、懸濁溶液を得る添加割合の範囲が狭くなる場合があり、温度が60℃より高いと、ポリマーの析出が遅く生産性に劣る可能性が高く好ましくない。
ポリマー懸濁液は、室温で1日静置して、ポリマーの20重量%以下、好ましくはポリマーの15重量%以下、さらに好ましくはポリマーの10重量%以下、より好ましくはポリマーの5重量%以下、特に好ましくはポリマーの1重量%以下が沈殿する状態である。ポリマー懸濁液は、肉眼での観察では少し濁った状態から半透明状態である。
本発明の(3)ポリマーの懸濁液(B)に、脂肪族アルコールや脂肪族ケトンなどのポリアミドに対して析出能力の強い非溶媒を加えてポリアミドを沈殿させる工程を説明する。
ポリマーの懸濁液(B)に、脂肪族アルコールや脂肪族ケトンなどのポリアミドに対して析出能力の強い非溶媒を加えて、5分〜48時間後にポリアミドが析出し、沈殿させる工程が好ましい。
ポリマーの懸濁液(B)に、非溶媒を加えて、直ちに又は、5分未満でポリアミドが析出、沈殿する場合、球状粒子が得られない場合があり好ましくない。
非溶媒としては、ポリマー懸濁液に添加し、球状粒子が得られるものであればよく、さらに5分〜48時間後にポリアミドが析出し、沈殿するものが好ましい。
非溶媒としては、メタノール、エタノールなどの脂肪族アルコール、アセトンなどの脂肪族ケトン、水など、又はこれらの混合溶液が好ましい。
非溶媒の添加割合は、ポリマー懸濁液に対して、十分大量に添加することが好ましいが、懸濁液100重量部に対して、好ましくは100〜1000重量部、さらに好ましくは100〜800重量部である。
本発明のポリアミド多孔質粒子の製造方法において、さらに必要に応じて、
沈殿したポリアミドを分離、洗浄、乾燥などを行う工程を行うことが好ましく、説明する。
ポリマー沈殿物を分離する方法は、公知の方法を用いることが出来、例えば、濾過、デカンテーション、遠心分離、デカンターなどが好ましい。
ポリアミドの良溶媒又は溶剤が、ポリマー粒子に残存しないように、十分洗浄することが好ましい。
ポリマーの沈殿物の洗浄は、高温下で洗浄するのが好ましく、特に非溶媒の沸点で洗浄するのが好ましい。
ポリマーの沈殿物は、洗浄の後、乾燥することが好ましい。
ポリマーの沈殿物の乾燥方法は、風乾、加熱乾燥、減圧乾燥、真空乾燥など公知の方法を用いることが出来る。加熱する場合、温度は、融点より低い温度が好ましく、50〜120℃が好ましい。
本発明のポリアミド多孔質粒子は、触媒担持体、粉体塗料、電子写真のトナーのほか、エレクトロニクス用、医療用、化粧品用、研磨材、食品工業分野用の機能性粒子として用いることが出来る。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、粒子径、比表面積、平均細孔径、結晶性などの測定は次のように行った。
(数平均粒子径の測定、粒度分布指数の算出)
ポリアミド粒子の粒子形状と大きさは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察する。球形粒子の粒径は、SEM写真より測定し、球形と異なる粒子の粒径は、投影面積から相当円の直径を測定する。
数平均粒子径(Dn)及び体積平均粒子径(Dv)は、100個の粒子径より数式(4)及び数式(5)に従い、算出する。粒度分布指数(PDI)は、数式(6)に従い算出する。
ここで、Xi:粒子個々の粒子径、n:測定数100、
Dn:数平均粒子径、Dv:体積平均粒子径、PDI:粒度分布指数とする。
(比表面積の測定)
ポリアミド粒子の比表面積は、窒素吸着によるBET法3点測定で行う。
(細孔径分布)
水銀ポロシメーターで測定した。測定範囲は0.0034〜400μmで測定した。平均細孔径を求めた。
(融解熱の測定)(結晶性)
ポリアミドの融解熱は、示差走査熱量計(DSC)で測定する。DSCの測定は、窒素中で、昇温速度5℃/分の条件で、室温から昇温を行い、温度範囲120〜230℃の吸熱ピークの面積を算出する。
[実施例1]
ポリアミド12(宇部興産製,3014U、分子量14,000)を、m−クレゾール溶液200gに溶解し、濃度0.1重量%m−クレゾール溶液を得る。このm−クレゾール溶液に、溶剤としてグリセリン70gを攪拌しながら徐々に添加した。温度30℃であった。添加後、10分間攪拌を続け、混合溶液は均一透明であった。混合溶液の撹拌を止め、静置して240分後に、混合溶液は懸濁状態になった。さらに24時間静置した後、懸濁の混合溶液に非溶媒としてメタノール1200mlを投入し、ポリマーを析出沈殿させた。その後、沈殿ポリマーを濾別し、ろ紙上で、メタノール1000mlで、2回洗浄した。ポリマーを、温度100℃で、12時間、真空乾燥で乾燥させ、粉末状ポリマーを0.16gを得た。
得られた粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ、数平均粒子径4.0μm、体積平均粒子径4.1μmの比較的均一な球形粒子であった。PDIは1.03であった。比表面積は18800m/kgであり、RIは14.5であった。融点は、181℃であった。融解熱Hfは、86.3J/gであった。球状多孔質粒子であった。結果をまとめて表2に示す。得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。
[実施例2]
ポリアミド濃度を0.5重量%とした以外は,実施例1と同様にした。得られた多孔質球状粒子の特性を、結果を表2に示す。
ポリアミドのm−クレゾール溶液に、溶剤としてグリセリンを加えると懸濁溶液が得られた。
[実施例3]
ポリアミド濃度を2重量%とした以外は,実施例1と同様にした。得られた多孔質球状粒子の特性を、結果を表2に示す。得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。
ポリアミドのm−クレゾール溶液に、溶剤としてグリセリンを加えると懸濁溶液が得られた。
[実施例4]
グリセリン70gに代えて,エチレングリコール30gとした以外は、実施例1と同様にして、ポリマー粒子を得た。結果を表2に示す。
ポリアミドのm−クレゾール溶液に、溶剤としてエチレングリコールを加えると懸濁溶液が得られた。
[比較例1]
ポリアミド12(宇部興産製,3014U、分子量14,000)を、m−クレゾール溶液200gに溶解し、濃度0.1重量%m−クレゾール溶液を得る。このm−クレゾール溶液に、メタノール478gを投入したところ、懸濁溶液を得ることなく、ポリマーが直ちに析出沈殿した。その後、沈殿ポリマーを濾別し、ろ紙上で、メタノール1000mlで、2回洗浄した。ポリマーを、温度100℃で、12時間、真空乾燥で乾燥させた。
沈殿物を走査型電子顕微鏡で観察すると、球状粒子にならず、沈殿物は不定形状のものであった。
[実施例5]
グリセリン添加量を5gとした以外は、実施例3と同様にした。得られた多孔質球状粒子の結果を表2に示す。
ポリアミドのm−クレゾール溶液に、溶剤としてグリセリンを加えると懸濁溶液が得られた。
[実施例6]
グリセリン添加量を80gとした以外は、実施例3と同様にした。得られた多孔質球状粒子の結果を表2に示す。
ポリアミドのm−クレゾール溶液に、溶剤としてグリセリンを加えると懸濁溶液が得られた。
[実施例7]
ポリアミド濃度を2重量%とし、m−クレゾールの代わりにフェノールを用い、ポリアミドのフェノール溶液100gに溶剤としてグリセリン40gを加え、保持温度は30℃とした以外は、実施例3と同様にした。得られた多孔質球状粒子の特性を、結果を表2に示す。得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。
ポリアミドのフェノール溶液にグリセリンを添加後、24時間後に懸濁状態が得られた。
[実施例8]
グリセリン35gに代えて、グリセリン20gと水15gとした以外は、実施例3と同様にした。多孔質球状粒子であった。結果を表2に示す。
[参考例1]
ポリアミド12(宇部興産製,3014U、分子量14,000)のペレットをDSCで融解熱を測定した。融解温度範囲130〜190℃で62.0J/gであった。
[参考例2]
ポリアミド12に代えて、ポリアミド6(宇部興産製ナイロン6、1013B、分子量:1,3000)に代えたほかは,実施例3と同様にした。懸濁液は生成したが,非溶媒で析出し、電子顕微鏡で観察すると,不均一な網目膜状であった。
本発明の実施例1で得られたポリアミド多孔質粒子の粒子形状を示す走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例3で得られたポリアミド多孔質粒子の粒子形状を示す走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (8)

  1. 結晶性脂肪族ポリアミドを溶媒に溶解させてポリマー溶液(A)を得る工程、
    そのポリマー溶液(A)に脂肪族多価アルコールと水とからなる溶剤又は脂肪族多価アルコールからなる溶剤を加えポリマー懸濁液(B)を得る工程、
    ポリマー懸濁液(B)に非溶媒を加えてポリアミド多孔質粒子を沈殿させる工程からなるポリアミド多孔質粒子の製造方法。
  2. 結晶性脂肪族ポリアミドが、融点200℃より低い結晶性脂肪族ポリアミドであることを特徴とする請求項1項記載のポリアミド多孔質粒子の製造方法。
  3. 結晶性脂肪族ポリアミドが、吸水率4%以下であることを特徴とする請求項1項記載のポリアミド多孔質粒子の製造方法。
  4. 結晶性脂肪族ポリアミドが、ポリアミド11及びポリアミド12であることを特徴とする請求項1のポリアミド多孔質粒子の製造方法。
  5. 溶剤が、脂肪族多価アルコール又はこれらの誘導体であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド多孔質粒子の製造方法。
  6. ポリアミド多孔質粒子が、平均粒子径0.1〜30μm、粒子径分布指数1.0〜1.50であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアミド多孔質粒子の製造方法。
  7. ポリアミド多孔質粒子が、比表面積100〜80000m/kg、多孔度指数5〜100であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリアミド多孔質粒子の製造方法。
  8. 請求項1〜7に記載のポリアミド多孔質粒子の製造方法から得られることを特徴とするポリアミド多孔質粒子。
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