JP4951893B2 - ポリカプロアミド樹脂微粒子およびそれを含む化粧品 - Google Patents
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Description
(1)相対粘度が1.70〜2.35、吸油量が115〜200mL/gであることを特徴とするポリカプロアミド樹脂微粒子、
(2)平均粒径が5.0〜20.0μmであることを特徴とする(1)のポリカプロアミド樹脂微粒子、
(3)相対粘度が2.10〜2.67のポリカプロアミド樹脂を多価アルコールまたは多価アルコールと水の混合液中で加熱溶解した後、冷却することを特徴とする(1)または(2)のポリカプロアミド樹脂微粒子の製造方法、
(4)ポリカプロアミド樹脂の末端基濃度(mol/g)が下記式(1)を満足することを特徴とする(3)のポリカプロアミド樹脂微粒子の製造方法、
末端アミノ基濃度 + 2.0×10-5 < 末端カルボキシル基濃度 (1)
(5)多価アルコールがエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,3−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼンから選ばれる少なくとも1種以上である(3)または(4)のポリアミド樹脂微粒子の製造方法、
(6)(1)または(2)のポリカプロアミド樹脂微粒子を含む化粧品、
(7)ファンデーション、ほほ紅、アイシャドー、クレンジング剤、洗顔クリーム、日焼け止めクリーム、制汗剤またはプレシェーブローションである(6)の化粧品、
を提供するものである。
吸油量(mL/g)=滴下したアマニ油の容量(mL)/試料質量(g) (2)
吸油量が115〜200mL/gの範囲からはずれると、化粧品原料として使用した時の感触が低減し、製品としての使用に耐えない。本発明における好ましい吸油量としては120〜160mL/g、より好ましくは135〜150mL/gである。
末端アミノ基濃度 + 2.0×10-5 < 末端カルボキシル基濃度 (1)
上記式の範囲からはずれると粒径が不均一になる傾向及び吸油量が低下する傾向を示し、化粧品原料として使用した時の感触が低下傾向を示す。なお、ここでいる末端アミノ基濃度とは、サンプル約1gを精秤し、フェノール/エタノール混合溶媒(フェノール濃度83.5wt%)50mLに溶解し、該溶液に指示薬としてチモールブルーを添加し、0.02規定の塩酸で滴定して求めた値である。また、末端カルボキシル基濃度とは、サンプル約0.5gを精秤し、ベンジルアルコール20mLに190℃で溶解し、該溶液に指示薬としてフェノールフタレインを添加して0.02規定の水酸化カリウムのメタノール溶液で滴定して求めた値である。
吸油量(mL/g)=滴下したアマニ油の容量(mL)/試料質量(g)(2)
[参考例1]ポリカプロアミド樹脂(A−1)の製造
30Lのステンレス製オートクレーブに、ε−カプロラクタム10kg、安息香酸43g、イオン交換水200gを仕込み、窒素置換の後、密閉して250℃で10時間加熱・撹拌することによりポリカプロアミド樹脂を調製した。得られたポリカプロアミド樹脂をオートクレーブの下部よりストランド状に引き取り、カッティングしてペレットとした。このペレットを沸騰水中で15時間抽出した後、80℃で24時間真空乾燥した。得られたポリカプロアミド樹脂(A−1)の相対粘度ηrは2.31、末端アミノ基濃度[NH2 ]は4.8×10−5mol/g、末端カルボキシル基濃度[COOH]は7.2×10−5mol/gであった。
安息香酸の代わりに、酢酸を21g使用した以外は、参考例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂(A−2)の相対粘度ηrは2.35、末端アミノ基濃度[NH2 ]は4.9×10−5mol/g、末端カルボキシル基濃度[COOH]は7.4×10−5mol/gであった。
重合時間を12時間とした以外は参考例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂(A−3)の相対粘度ηrは2.48、末端アミノ基濃度[NH2 ]は3.8×10−5mol/g、末端カルボキシル基濃度[COOH]は6.2×10−5mol/gであった。
重合時間を8.5時間とした以外は参考例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂(A−4)の相対粘度ηrは2.15、末端アミノ基濃度[NH2 ]は5.2×10−5mol/g、末端カルボキシル基濃度[COOH]は8.1×10−5mol/gであった。
安息香酸を使用せず、重合時間を8時間とした以外は、参考例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂(A−5)の相対粘度ηrは2.35、末端アミノ基濃度[NH2 ]は7.10×10−5mol/g、末端カルボキシル基濃度[COOH]は7.30×10−5mol/gであった。
安息香酸の代わりに、ヘキサメチレンジアミンを41g使用した以外は、参考例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂(A−6)の相対粘度ηrは2.33、末端アミノ基濃度[NH2 ]は7.1×10−5mol/g、末端カルボキシル基濃度[COOH]は4.7×10−5mol/gであった。
安息香酸を21gとし、重合時間を15時間にする以外は、参考例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂(A−7)の相対粘度ηrは2.70、末端アミノ基濃度[NH2 ]は3.9×10−5mol/g、末端カルボキシル基濃度[COOH]は5.4×10−5mol/gであった。
重合時間を8時間にする以外は、参考例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂(A−8)の相対粘度ηrは2.07、末端アミノ基濃度[NH2 ]は6.5×10−5mol/g、末端カルボキシル基濃度[COOH]は8.7×10−5mol/gであった。
無水ラウロラクタム190g、流動パラフィン1200mL、ステアリン酸カリウム3.8gを温度計、攪拌機、環流冷却器つきの4つ口フラスコに入れ、フラスコ内部を乾燥窒素で置換した後、160℃に加熱し、ラウロラクタムを流動パラフィンに溶解させた。当該溶液を160℃に保ちつつ、カプロラクタムカリウム塩7.6g、三塩化リン1.12gを添加し、2時間攪拌した。溶液を室温まで冷却後、当該溶液を濾過し、生成したポリラウロアミド樹脂微粒子を単離した。当該粒子をn−ブタノールで洗浄後、更に水洗し、真空乾燥機で一晩真空乾燥した。150gの粒子が得られ、当該粒子の相対粘度は2.91、平均粒径は15.1μm、吸油量は75.2mL/gであった。
参考例1で製造したポリカプロアミド樹脂(A−1)100gに対し、525gのエチレングリコールを添加し、窒素雰囲気下、180℃で攪拌した。30分攪拌するとポリカプロアミド樹脂が溶解したので、当該溶液を166℃に保温したステンレスバットにあけ、その温度で30分間放置した。ポリカプロアミド樹脂微粒子が沈澱したので、当該沈澱液を遠心分離機にかけ、エチレングリコールを除去し、ポリカプロアミド樹脂微粒子のケークを得た。このケークを取り出し、バットの上に広げて真空乾燥機中、80℃で24時間乾燥した。得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真を図1および図2に示す。
参考例2で製造したポリカプロアミド樹脂(A−2)を使用する以外は実施例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂微粒子を製造した。相対粘度は1.99、平均粒径は13.1μm、吸油量は139.4mL/gであった。また水系溶剤への分散性は○であった。
参考例3で製造したポリカプロアミド樹脂(A−3)を使用する以外は実施例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂微粒子を製造した。相対粘度は2.20、平均粒径は14.3μm、吸油量は130.6mL/gであった。また水系溶剤への分散性は○であった。
参考例4で製造したポリカプロアミド樹脂(A−4)を使用する以外は実施例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂微粒子を製造した。相対粘度は1.76、平均粒径は14.4μm、吸油量は128.9mL/gであった。また水系溶剤への分散性は○であった。
参考例5で製造したポリカプロアミド樹脂(A−5)を使用する以外は実施例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂微粒子を製造した。相対粘度は2.00、平均粒径は14.1μm、吸油量は128.5mL/gであった。また水系溶剤への分散性は○であった。
参考例6で製造したポリカプロアミド樹脂(A−6)を使用する以外は実施例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂微粒子を製造した。相対粘度は1.97、平均粒径は14.3μm、吸油量は128.7mL/gであった。また水系溶剤への分散性は○であった。
参考例7で製造したポリカプロアミド樹脂(A−7)を使用する以外は実施例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂微粒子を製造した。相対粘度は2.40、平均粒径は15.5μm、吸油量は110.2mL/gであった。また水系溶剤への分散性は△であった。
参考例8で製造したポリカプロアミド樹脂(A−8)を使用する以外は実施例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂微粒子を製造した。相対粘度は1.68、平均粒径は15.6μm、吸油量は108.9mL/gであった。また水系溶剤への分散性は△であった。
上中下に3分割された3段ジャケット付攪拌機にエチレングリコール600Lとモルホリン400Lを投入し、更に参考例1で製造したポリカプロアミド樹脂A−1を50kg投入した。当該混合物を窒素雰囲気下160℃で攪拌して樹脂を溶解した後、25rpmで攪拌しながら上段ジャケットに18℃の水を流通させて1時間冷却し、更に中断ジャケットに18℃の水を流通させて30分冷却し、更に下段ジャケットに18℃の水を流通させて30分冷却した。この状態で更に3時間攪拌するとポリカプロアミド樹脂微粒子が析出したので、濾過によってポリカプロアミド樹脂微粒子を単離した。当該粒子を水洗し、更に真空乾燥機で一晩乾燥した。得られたポリカプロアミド樹脂微粒子の相対粘度は3.34、平均粒径は16.0μm、吸油量は80.9mL・gであった。また水系溶剤への分散性は×であった。
実施例1〜6で得られたポリカプロアミド樹脂微粒子および比較例1〜3で得られたポリカプロアミド樹脂微粒子、参考例9で得られたポリラウロアミド樹脂微粒子を用い、以下のようにして試験用乳白液とホワイトUVローションを製造した。
[処方]
以下の原材料のうち、植物性乳化ワックス、ホホバオイル、キサンタンガム、シルクパウダーはナチュラルラボラトリーズ製のものを使用した。他の原材料は試薬として購入した。
植物性乳化ワックス(アラキデス−20とステアリルアルコール混合物):20g
ホホバオイル:20g
キサンタンガム:20g
蒸留水:400mL
実施例、比較例、参考例のポリカプロアミド樹脂微粒子:10g
シルクパウダー:10g
ホホバオイルと乳化ワックスを攪拌しながら50〜60℃に加熱し、完全に溶解す る(A液)。蒸留水、ポリカプロアミド樹脂微粒子、シルクパウダーを攪拌しながら50〜60℃に加熱し、2分間攪拌する(B液)。A液にB液の半量を50〜60℃の温度で混合し、良く攪拌する。この混合物にキサンタンガムを少量ずつ攪拌しながら添加し、更にB液の残り半分を攪拌しながら追添加する。良く攪拌し、塊ができないように均一になるように攪拌した。
[処方]
以下の原材料のうち、植物性プラセンタ、微粒酸化チタン、タルクはナチュラルラボラトリーズから購入した。他の原材料は試薬として購入した。
植物性プラセンタ(ナチュラルラボラトリーズ製):14滴
微粒子酸化チタン(平均粒径0.03μm):10g
実施例、比較例、参考例のポリカプロアミド樹脂微粒子:10g
タルク:2.5g
グリセリン:10mL
蒸留水:190mL
酸化チタン、ポリカプロアミド樹脂微粒子、タルクの混合物に蒸留水、プラセンタ、グリセリンを加えて良く攪拌した。放置すると2層に分離するので、使用前に容器を激しく震盪し、均一にして使用した。
各感触について、良い:5点、やや良い:4点、ふつう:3点、やや悪い:2点、悪い:1点とし、20人の評価結果を平均した。結果を表1にまとめて示す。
Claims (7)
- 相対粘度が1.70〜2.35、吸油量が115〜200mL/gであることを特徴とするポリカプロアミド樹脂微粒子。
- 平均粒径が5.0〜20.0μmであることを特徴とする請求項1に記載のポリカプロアミド樹脂微粒子。
- 相対粘度が2.10〜2.67のポリカプロアミド樹脂を多価アルコールまたは多価アルコールと水の混合液中で加熱溶解した後、冷却することを特徴とする請求項1または2に記載のポリカプロアミド樹脂微粒子の製造方法。
- ポリカプロアミド樹脂の末端基濃度(mol/g)が下記式(1)を満足することを特徴とする請求項3に記載のポリカプロアミド樹脂微粒子の製造方法。
末端アミノ基濃度 + 2.0×10-5 < 末端カルボキシル基濃度 (1) - 多価アルコールがエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,3−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼンから選ばれる少なくとも1種以上である請求項3または4に記載のポリアミド樹脂微粒子の製造方法。
- 請求項1または2に記載のポリカプロアミド樹脂微粒子を含む化粧品。
- ファンデーション、ほほ紅、アイシャドー、クレンジング剤、洗顔クリーム、日焼け止めクリーム、制汗剤またはプレシェーブローションである請求項6記載の化粧品。
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