JP2007119632A - 新規ポリアミド微粒子およびそれを含む化粧品 - Google Patents

新規ポリアミド微粒子およびそれを含む化粧品 Download PDF

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Shigeru Okita
茂 沖田
Takahiro Arai
貴洋 荒井
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Abstract

【課題】形状が真球状に揃っており、吸油量の小さいポリアミド微粒子を得ること、またそのポリアミド微粒子を用いた新感覚の化粧品を得ることを課題とする。
【解決手段】式(1)と*−[HN(CH)mCO]−*(mは1〜20の整数である。)の繰り返し単位からなるポリアミドを多価アルコールまたは多価アルコールと水の混合物中に加熱溶解した後、冷却することによって得られる平均粒径が3〜50μmであるポリアミド微粒子。
Figure 2007119632

(ただし、Rは水素原子、メチル基、エチル基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていても良い。)
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミドからなる微粒子およびそれを使用した化粧品に関する。更に詳しくは特定構造の繰り返し単位からなるポリアミド微粒子およびそれを使用した化粧品に関する。
ポリアミドから誘導される微粒子は以前より知られており、紙、フィルム、シート、木工材料、糸、繊維などの加工用微粒子として、あるいは塗装材料、接着材料、電子写真用トナー、薬剤用担体、化粧品の原料としての使用方法が提案されて来た。また、その製造方法についても種々の検討がなされて来ている。
例えば、特許文献1に記載されているように、ラウリルラクタムを流動パラフィン中に加熱溶解し、アルカリ性触媒、助触媒などを加えて加熱攪拌することにより、ナイロン12の微粒子を得る方法が記載されている。
また、特許文献2では、ラウリルラクタムをキシレン中で反応させることにより、ナイロン12の粉末を得る方法が記載されている。
上記の方法は重合反応と同時に粒子化する方法であるが、一方、いったん重合したポリアミドを用いて微粒子を製造する方法も知られている。
たとえば、特許文献3では、合成線状ポリアミド樹脂を高温で溶剤に溶解した後、当該溶液を冷却することによりポリアミド微粒子を沈澱させる方法が記載されている。具体的な例としては、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)やポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)をグリコール系溶剤に溶解した後、冷却することによって粒子を得る方法が記載されている。
さらに特許文献4には、非晶ナイロン樹脂をエチレングリコールとモルホリンまたはジメチルアセトアミドとの混合溶剤に溶解した後、冷却することにより非晶ナイロン樹脂の微粒子を製造する方法が記載されている。
また、特許文献5にはナイロン12樹脂からなる微粒子を用いた化粧品の例が記載されており、ナイロン微粒子を化粧品に使用することが知られている。
しかしながら、特許文献1に記載されているポリアミド微粒子の製造方法は、ラウロラクタムを流動パラフィン中で重合させながらポリラウロラクタム(ナイロン12)からなる粒子を作る方法であり、この方法によって得られる微粒子は、表面が非常に平滑であって、粒子径分布が非常にシャープである。また、ポリラウロラクタムは材料そのものが柔軟性を有しているため、肌に付着した時の感触が滑らかである。
特許文献2に記載されているナイロン微粒子の製造方法もラウロラクタムやカプロラクタムをキシレンなどの流動媒体中で重合させながらナイロン微粒子を製造する方法であり、この方法によって得られる微粒子は、表面が平滑であって、粒子径分布が非常にシャープである。また、ポリラウロラクタム(ナイロン12)やポリカプロラクタム(ナイロン6)は材料そのものが柔軟性を有しているため、肌に付着した時の感触が滑らかである。
特許文献3に記載されている方法はナイロン66やナイロン610からなる粒子の製造方法であり、この方法を用いることによって他のポリアミド粒子も得られることが示唆されているが、粒子径や形状に関する記載はなく、粒子径や表面形態を制御することの可能性や条件についての記載はまったく示されていない。また、化粧品用途への使用についても記載されていない。
特許文献4には非晶ポリアミドをエチレングリコールとジメチルアセトアミドやモルホリンからなる混合溶剤に非晶ポリアミドを溶解した後、冷却することで得られる微粒子について記載されている。実施例にはナイロン12およびナイロン6からなる粒子の製造例が記載されているが、得られた微粒子の形態に関する記載はない。また、得られた粒子を用いた化粧品に関する記載もまったくない。
特許文献5に記載されている化粧品は表面が滑らかなナイロン12樹脂からなる微粒子を用いた化粧品の1例であって、本発明で得られる特定構造を有するポリアミドからなる微粒子を用いた化粧品の例はまったく記載されていない。
特公平45−29832号公報 特公平48−2949号公報 米国特許第2639278号明細書 特開平5−32795号公報 特開平9−263523号公報
そこで本発明者らは、特定構造の繰り返し単位からなり、形状が真球状に揃っており、吸油量の小さいポリアミド微粒子を得ること、またそのポリアミド微粒子を用いた新感覚の化粧品を得ることを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、出発原料として特定構造の繰り返し単位を有するポリアミドを原料に用いること、また特定の製造条件を用いることにより、粒子形状が真球状であり、粒子径や形状が均一で、かつ平滑性に優れ、吸油量の小さいポリアミド粒子が得られること、またこの微粒子を用いると新感覚の化粧品を製造できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、
(1)式(1)と式(2)で表される繰り返し単位からなり、平均粒径が3〜50μmであるポリアミド微粒子、
Figure 2007119632
(ただし、Rは水素原子、メチル基、エチル基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていても良い。)
Figure 2007119632
(ただし、mは1〜20の整数である。)
(2)吸油量が30〜100mL/gである(1)に記載のポリアミド微粒子、
(3)式(1)と式(2)で表される繰り返し単位からなるポリアミドを多価アルコールまたは多価アルコールと水の混合液中で加熱溶解した後、冷却することを特徴とするポリアミド微粒子の製造方法、
Figure 2007119632
(ただし、Rは水素原子、メチル基、エチル基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていても良い。)
Figure 2007119632
(ただし、mは1〜20の整数である。)
(4)多価アルコールがエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,3−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、ジプロピレングリコールから選ばれる少なくとも1種以上である(3)に記載のポリアミド微粒子の製造方法、
(5)多価アルコールがジプロピレングリコールである(3)または(4)に記載のポリアミド微粒子の製造方法、
(6)(1)または(2)に記載のポリアミド微粒子を含む化粧品、
(7)ファンデーション、ほほ紅、アイシャドー、クレンジング剤、洗顔クリーム、日焼け止めクリーム、制汗剤またはプレシェーブローションである(6)に記載の化粧品、
を提供するものである。
本発明のポリアミド微粒子は形状が真球状に揃っており、しかも表面が平滑である。従来のポリアミド微粒子に比べて硬いため、この粒子を用いて得られる化粧品は、皮膚との接触感覚が良好であり、新感覚化粧品の原料として非常に有望である。
本発明で用いられるポリアミドとは、下記式(1)と式(2)で表される繰り返し単位からなる高分子化合物である。
Figure 2007119632
(ただし、Rは水素原子、メチル基、エチル基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていても良い。)
Figure 2007119632
(ただし、mは1〜20の整数である。)
本発明で用いられるポリアミドは、式(1)と式(2)で表される構造単位の共重合体であり、その共重合比率に特に制限はないが、通常は式(1)と式(2)の比率が5/95〜95/5モル比であり、好ましくは10/90〜90/10モル比、特に好ましくは15/85〜85/15モル比である。
上記ポリアミドのなかでも式(1)におけるRがメチル基、式(2)におけるmが11のものが好ましく、更に式(1)と式(2)の共重合比率が60/40〜80/20モル比のものが好ましい。具体例としては、式(1)におけるRがメチル基、式(2)におけるmが11で、式(1)と式(2)の共重合比率が70/30モル比の(株)エムス昭和電工製グリルアミドTR55が挙げられる。
本発明で用いられるポリアミドは、原料としてビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンまたは誘導体(シクロヘキサン環の3位がメチル基、エチル基で置換されたもの)とイソフタル酸とアミノカルボン酸とを共重合することで得られる。
なお、全構造単位に占めるモル%が5モル%以下であれば式(1)、式(2)以外の構造単位を含んでいてもかまわず、具体例として、カプロラクタム、ウンデカラクタムなどのラウロラクタム以外のラクタムから得られるポリアミド単位、2−アミノ酢酸、3−アミノプロピオン酸、4−アミノブタン酸、5−アミノペンタン酸、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、10−アミノデカン酸、11−アミノウンデカン酸などのアミノ酸から得られるポリアミド単位、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、3−メチル−1,5−ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサンなどのジアミンとコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、1,7−ヘプタンジカルボン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などのジカルボン酸から得られるポリアミド単位、あるいはこれらのポリアミド単位の任意の組み合わせが挙げられる。
本発明で用いられるポリアミドの相対粘度に特に制限はないが、通常は2.0〜4.5である。ここで言う相対粘度とは、98%硫酸100mLに1gのポリカプロアミドを溶解した溶液を用い、25℃でウベローデ粘度計によって測定した値のことを言う。相対粘度が1.5より低い場合、および4.5より高い場合には得られる粒子の真球性、粒径の均一性が低下する傾向が見られる。一方、本発明で得られるポリアミド微粒子の相対粘度にも特に制限はないが、得られるポリアミド微粒子を化粧品に使用した時の肌への感触の面から通常は1.5〜4.0である。相対粘度が1.5より低い場合、および4.0より高い場合には化粧品に配合して肌に触れた際の滑り感などが低下する傾向が見られる。
また、本発明のポリアミド微粒子は吸油量については特に制限はないが、化粧品に配合した時の肌への感触の面から通常は50〜100mL/gの範囲である。ここで言う吸油量とは、温度23℃、相対湿度50%の環境下、精秤した約1gのサンプルにアマニ油を少しずつ滴下して練り合わせた後、パテ状の塊から最後の1滴で螺旋状に巻くことができるようになった状態の時を終点とし、式(3)に基づいて計算される値のことを言う。
吸油量(mL/g)=滴下したアマニ油の容量(mL)/試料質量(g) (3)
吸油量がこの範囲からはずれると、化粧品原料として使用した時の滑り感が低減する傾向にある。
本発明のポリアミド微粒子の平均粒径は、化粧品材料として使用する時の皮膚との接触感覚の観点から3〜50μmの範囲にあることが必須である。この範囲からはずれると化粧品原料として使用した時の感触が低下するため使用に耐えない。より好ましい平均粒径は5〜40μmであり、更に好ましくは5〜30μmである。ここでいう平均粒径とは、レーザー回折・散乱法による50%メジアン径のことを言う。
次に本発明のポリアミド微粒子の製造方法を以下に記す。
ポリアミドを多価アルコールまたは多価アルコールと水との混合液中に浸漬し、80〜300℃程度で加熱、攪拌しながらポリアミドを溶解する。溶解温度は好ましくは100〜280℃、更に好ましくは120〜250℃である。温度が低すぎると、ポリアミドが十分に溶解しなかったり、溶解はしても析出時に粒径が不均一になったり、粒子どうしが融着したような形態の粒子が生成する傾向を示す。また温度が高すぎるとポリアミドが分解し、黄色く着色したり、粒径が不均一になったり、形状が歪んだりする傾向を示す。この際、ポリアミドが酸化劣化しないように不活性ガス、例えば窒素、アルゴン、炭酸ガスなどの雰囲気下で行うことが好ましい。また、溶解した時のポリアミド濃度は0.05〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜30重量%、更に好ましくは0.2〜10重量%である。濃度が低すぎると粒子が細かくなり過ぎ、得られた微粒子が2次凝集する傾向を示す。また、濃度が高すぎると粒径が大きくなり過ぎたり、析出時に粒子どうしが融着したような形状を示す傾向が出てくる。
ポリアミドが溶解したら、室温下で自然放冷するか、容器全体を一定温度にコントロールされた場所で冷却するか、容器の周囲に水、あるいは空気や不活性ガスを当てるなどして冷却する。1分〜60分で冷却することにより、溶解していたポリアミドが真球状の粒子として析出する。ゆっくり冷却すると粒径の大きな粒子が得られるが、粒子どうしが融着したような形状の粒子を生成することがあるので注意が必要である。一方、急冷すると粒径の小さいな粒子が得られるが、やはり粒子どうしが融着したような形状の粒子を生成することがあるので注意が必要である。溶液の冷却プログラムは目的とする粒径、使用する容器、ポリアミド溶液の濃度などによって異なるので、適宜調整が必要である。例えば、平均粒径が50μmを上回るポリアミド微粒子の場合、ポリアミド溶液濃度を好ましくは0.5重量%以下とし、冷却速度を好ましくは0.1℃/分以下の条件で冷却することで得られ、平均粒径が3μmを下回るポリアミド微粒子の場合、ポリアミド溶液濃度を好ましくは5〜10重量%とし、冷却速度を好ましくは100℃/分以上の条件で冷却することで得られる。また、本発明のポリアミド微粒子の平均粒径である3〜50μmの条件で析出させる場合は、ポリアミド溶液濃度を好ましくは0.5〜5重量%とし、冷却速度を0.1℃/分〜100℃/分の条件で冷却することにより得られる。析出したポリアミド微粒子を遠心分離によりケークとして分離し、得られたケークを真空乾燥することにより、純粋なポリアミド微粒子を得る。
本発明で使用される多価アルコールとは、1分子中に2個以上のヒドロキシル基を有する化合物のことである。例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのジオ−ル類、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンなどの脂環式ジオール、1,2−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,3−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼンなどの芳香族系ジオール、ペンタエリスリトール、グリセリンなどのアルカンポリオール、蔗糖などの糖類、ソルビトール、マンニトールなどの糖アルコールに代表される糖誘導体、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリンなどのポリグリセリンおよびジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールなどのポリアルカンポリオールなどが挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物として使用される。これらの中でも特にエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,3−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼンから選ばれる1種または2種以上の混合物が好ましく用いられ、とりわけジプロピレングリコールが好ましい。
ポリアミドを多価アルコールまたは多価アルコールと水との混合液に溶解する際に、溶解を促進するために少量のアルカリ化合物を添加しても良い。具体的には、アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、有機酸塩などが挙げられ、より具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸リチウムなどが挙げられる。特に好ましいのは炭酸カルシウムである。その使用量は使用するポリアミドに対して0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、更に好ましくは0.1〜2重量%である。
また、上記のようなアルカリ化合物を使用した時には、ポリアミド微粒子を分離する前に中和しておくことが好ましく、酸性化合物を添加することにより中和できる。具体的には、鉱酸、有機酸などが挙げられ、より具体的には塩酸、硫酸、硝酸、亜硫酸、亜硝酸、次亜塩素酸、次亜臭素酸、燐酸、ポリ燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸などが挙げられる。特に好ましいのは硫酸である。その使用量は、先に使用したアルカリ化合物を中和するのに必要な量である。
本発明で得られたポリアミド微粒子は、形状が真球状であり、粒径が揃っており、しかも表面が平滑であるため、化粧品のベース原料として有用である。具体的な化粧品としては、ファンデーション、ほほ紅、アイシャドー、クレンジング剤、洗顔クリーム、日焼け止めクリーム、制汗剤、プレシェーブローション、アフターシェーブローション、おしろい、化粧水、パック、マッサージクリーム、乳液、モイスチャークリーム、美容液、口紅、アイライナー、ネイルエナメル、石鹸、入浴剤、シャンプー、リンス、ヘアートリートメント、サンオイル、脱色・脱毛クリーム、防虫ローション、防虫スプレー、ヘアリキッド、ポマード、ヘアカラー剤、オーデコロン、シャンプー、リンス、整髪剤に有用であるが、とりわけファンデーション、ほほ紅、アイシャドー、クレンジング剤、洗顔クリーム、日焼け止めクリーム、制汗剤、プレシェーブローションに有用である。
また、これまでに化粧品用原料として知られているポリアミド系微粒子としては主としてナイロン12やナイロン6が使用されており、比較的柔軟な材料が用いられていたが、本発明のポリアミド微粒子は、従来の材料に比べて硬く、表面が平滑であるため、化粧品原料として使用すると従来材とは異なる感触が得られる。更にこれまでに知られているポリアミド系微粒子は水系溶剤への分散性が劣っていたが、本発明のポリアミド粒子は、従来のポリアミド微粒子に比べて水系溶剤への分散性に優れている。従って、本発明のポリアミド微粒子をファンデーションなどの化粧品に使用した時には、うるおい感を保ちながらもさっぱりとした感触、清涼感に優れた感触、さらさら感、滑らかさ、フィット感(なじみ感)のような感触を与えるという利点がある。また本発明のポリアミド微粒子を用いると化粧崩れを防ぎ、化粧持ちがよい「ロングラステイング効果」や、滑り性や良分散性に基づく均一な仕上がり、ソフトフォーカス(皺をぼかしやすいこと)、ナチュラルな仕上がりなどの効果が得られる。さらにオイル類に分散する時の分散性に優れるという利点もあり、これまでにない新感触の化粧品を創出する可能性を有している。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
以下の実施例、比較例で得られるポリアミド微粒子の特性評価は以下のようにして実施した。
平均粒径:マイクロトラック社9.0L(MT3000)を用い、分散媒としてエタノ−ルを使用して測定し、50%メジアン径(累積中位径)を平均粒径(単位:μm)とした。
吸油量:温度23℃、相対湿度50%で環境下、精秤した約1gの粒子サンプルにアマニ油を少しずつ滴下して練り合わせた後、パテ状の塊から最後の1滴で螺旋状に巻くことができるようになった状態の時を終点とし、以下の式(2)に基づいて算出した。
吸油量(mL/g)=滴下したアマニ油の容量(mL)/試料質量(g)(2)
水系溶剤への分散性:蒸留水90mL、エチレングリコール10mLの混合溶剤の中にポリアミド微粒子1gを添加し、攪拌棒を用いて良く攪拌した。攪拌することで粒子が溶剤中に均一に混ざる状態を○、溶剤と分離して浮いてしまう、あるいは沈降してしまう、あるいは塊状に固まってしまうといった状態を×とし、これらの中間状態を△とした。
<実施例1>
(株)エムス昭和電工のグリルアミドTR55 100gに対し、20kgのジプロピレングリコールを添加し、窒素雰囲気下、230℃で攪拌した。60分攪拌するとポリアミドが溶解したので、当該溶液を150℃に保温したステンレスバットにあけ、その温度で120分間放置し、更に2時間かけて25℃まで冷却した。ポリアミド微粒子が沈澱したので、当該沈澱液を遠心分離機にかけ、ジプロピレングリコールを除去し、ポリアミド微粒子のケークを得た。このケークを取り出し、バットの上に広げて真空乾燥機中、80℃で24時間乾燥した。得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真を図1および図2に示す。
得られた微粒子は真球状であり、表面が平滑であることがわかる。平均粒径は18μm、吸油量は63mL/gであった。また水系溶剤への分散性は○であった。
<比較例1>
溶剤としてエチレングリコールとジメチルアセトアミドの6対4重量比で混合した溶剤を使用し、溶解温度を160℃とし、その後2時間かけて25℃まで冷却する以外は実施例と同様にしてポリアミド微粒子を製造した。ほとんどが塊状に析出し、目的とする微粒子は得られかった。
<比較例2>
溶剤としてエチレングリコールとモルホリンの6対4重量比で混合した溶剤を使用する以外は比較例1と同様にしてポリアミド微粒子を製造した。ほとんどが塊状に析出し、目的とする微粒子は得られかった。
<実施例2〜3>、<比較例3〜4>
実施例1で得られたポリアミド微粒子および東レ(株)ナイロンパウダー SP−500(ナイロン12製微粒子)を用い、以下のようにして試験用乳白液とホワイトUVローションを製造した。
乳白液
[処方]
以下の原材料のうち、植物性乳化ワックス、ホホバオイル、キサンタンガム、シルクパウダーはナチュラルラボラトリーズ製のものを使用した。他の原材料は試薬として購入した。
植物性乳化ワックス(アラキデス−20とステアリルアルコール混合物):20g
ホホバオイル:20g
キサンタンガム:20g
蒸留水:400mL
ポリアミド微粒子:10g
シルクパウダー:10g
[製造方法]
ホホバオイルと乳化ワックスを攪拌しながら50〜60℃に加熱し、完全に溶解する(A液)。蒸留水、ポリアミド微粒子、シルクパウダーを攪拌しながら50〜60℃に加熱し、2分間攪拌する(B液)。A液にB液の半量を50〜60℃の温度で混合し、良く攪拌する。この混合物にキサンタンガムを少量ずつ攪拌しながら添加し、更にB液の残り半分を攪拌しながら追添加する。良く攪拌し、塊ができないように均一になるように攪拌した。
ホワイトUVローション
[処方]
以下の原材料のうち、植物性プラセンタ、微粒酸化チタン、タルクはナチュラルラボラトリーズから購入した。他の原材料は試薬として購入した。
植物性プラセンタ(ナチュラルラボラトリーズ製):14滴
微粒子酸化チタン(平均粒径0.03μm):10g
ポリアミド微粒子:10g
タルク:2.5g
グリセリン:10mL
蒸留水:190mL
[製造方法]
酸化チタン、ポリアミド微粒子、タルクの混合物に蒸留水、プラセンタ、グリセリンを加えて良く攪拌した。放置すると2層に分離するので、使用前に容器を激しく震盪し、均一にして使用した。
上記乳白液の適量を手の甲に塗布し、その際の、うるおい感を保ちながらもさっぱりとした感触、清涼感に優れた感触、さらさら感、滑らかさ、フィット感(なじみ感)を調査した。
各感触について、良い:5点、やや良い:4点、ふつう:3点、やや悪い:2点、悪い:1点とし、20人の評価結果を平均した。結果を表1にまとめて示す。
また、上記ホワイトUVローションについても同様の調査を行った。結果を表2にまとめて示す。
Figure 2007119632
Figure 2007119632
実施例2〜3、比較例3〜4より、本発明のポリアミド微粒子を使用した化粧品は皮膚に接触した時の感触に優れていることがわかる。
実施例1で得られた微粒子の電子顕微鏡写真(倍率:500倍)を示す。 実施例1で得られた微粒子の電子顕微鏡写真(倍率:1,000倍)を示す。

Claims (7)

  1. 式(1)と式(2)で表される繰り返し単位からなり、平均粒径が3〜50μmであるポリアミド微粒子。
    Figure 2007119632
    (ただし、Rは水素原子、メチル基、エチル基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていても良い。)
    Figure 2007119632
    (ただし、mは1〜20の整数である。)
  2. 吸油量が30〜100mL/gである請求項1に記載のポリアミド微粒子。
  3. 式(1)と式(2)で表される繰り返し単位からなるポリアミドを多価アルコールまたは多価アルコールと水の混合液中で加熱溶解した後、冷却することを特徴とするポリアミド微粒子の製造方法。
    Figure 2007119632
    (ただし、Rは水素原子、メチル基、エチル基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていても良い。)
    Figure 2007119632
    (ただし、mは1〜20の整数である。)
  4. 多価アルコールがエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,3−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、ジプロピレングリコールから選ばれる少なくとも1種以上である請求項3に記載のポリアミド微粒子の製造方法。
  5. 多価アルコールがジプロピレングリコールである請求項3または4に記載のポリアミド微粒子の製造方法。
  6. 請求項1または2に記載のポリアミド微粒子を含む化粧品。
  7. ファンデーション、ほほ紅、アイシャドー、クレンジング剤、洗顔クリーム、日焼け止めクリーム、制汗剤またはプレシェーブローションである請求項6に記載の化粧品。
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