JP6256487B2 - ポリアミド微粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、黒色に着色されたポリアミド微粒子とその製造方法に関する。詳しくは、カーボンブラックが内包されたポリアミド樹脂からなる微粒子とその製造方法に関する。
ポリマー微粒子は、各種ポリマーの成形加工に用いられており、例えば、ポリマー微粒子の分散液を塗膜形成することによるコーティング、フイルム、シート等への加工が挙げられる。他にも、ポリマー微粒子を並べたり、もしくは粉体層を形成させたりした後、それらに熱エネルギーを加えることでポリマー微粒子同士を融着させ、ポリマーを所望の形態に成形する手法が知られている。
また、粉末床溶融結合式積層造形法は、ポリマー微粒子の粉体層にレーザーを照射し、レーザーが照射された一部分を選択的に溶融して粒子同士を融着/焼結させた後、融着部を冷却して成形体を得る手法である。
この粉末床溶融結合式積層造形法用のポリマー微粒子は、その工程内に機械により粉体を積層させながら均一な厚みの粉体層を形成させる。このことから、本用途のポリマー微粒子には、なるべく粒子径分布が狭く、流動性のよい粉体という特性が求められる。
また、粉末床溶融結合式積層造形法のポリマー微粒子に求められる特性の一つに、ポリマー微粒子の融点Tmとポリマー微粒子の降温結晶化温度Tcの温度差ΔT(ΔT=Tm−Tc)が挙げられる。ポリマー微粒子の融点Tmとポリマー微粒子の降温結晶化温度Tcとの温度差ΔTが大きいほうが、粉末床溶融結合式積層造形法の粉末材料として好ましく、温度差ΔTが大きいと、レーザー照射部が冷却され凝固するときに起こる体積収縮が小さくなり、成形体の寸法安定性が高くなる(例えば、特許文献1)。融点Tmと降温結晶化温度Tcの温度差ΔTの値は、樹脂の成形性を見積もる指標としても一般に知られている(例えば、特許文献2、特許文献3)。
また、ポリマー微粒子のリサイクル性も要求特性の一つである。粉末床溶融結合式積層造形法では、造形後にレーザー未照射の粉体材料が回収され、再度次の造形工程へとリサイクルされるため、ポリマー微粒子のリサイクル性は経済的に重要である。
粉末床溶融結合式積層造形法に用いられるポリマー微粒子として、一般にポリアミド12もしくはポリアミド11の樹脂粉末がある。これらポリアミド系樹脂粉末に対して、添加剤を加えることで、該ポリアミド樹脂粉末で造形される成形体の機能向上、および新規機能の付与が検討されている。
例えば、特許文献4および5では、ポリアミド11またはポリアミド12の粉末に球状カーボンからなる球状骨材を混合することで、成形体の熱収縮を低減させ、かつ成形体の強度を向上させている。
粉末床溶融結合式積層造形法用途に限らず、ポリアミド樹脂粉末を着色剤によって着色する技術も種々知られており、例えば特許文献6に記載のようにポリアミド樹脂とカーボンブラック等の着色剤を混練してマスターバッチを調製し、それを粉砕して着色粉体とする手法がある。また、特許文献7に記載のようにポリアミド粒子の表面にカーボンブラックをメカノケミカル的に処理し、樹脂粒子表面にカーボンブラックが付着した粒子を得る手法がある。これら着色粒子を材料とすることで、着色された成形体を造形できる。
特開平11−216779号公報 国際公開2011/136263号 特開2010−70638号公報 特開2009−13395号公報 特開2014−188871号公報 特開2008−285649号公報 特開2010−235831号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献4および5に記載のポリアミド粉末はいずれも樹脂粉末と球状カーボン骨材をドライブレンドした混合粉体であるため、樹脂粉末と添加剤の比重差によってリサイクル時に粒子が分離することは避けられず、そのような粉体は次の造形へ再利用できなくなるため、粉末床溶融結合式積層造形法での使用は実用的でない。また、添加剤として使用される球状カーボン骨材は特殊な物質であり、汎用品による代替が望まれる。
特許文献6に記載の方法で得られるマスターバッチを解砕して得られる着色ポリアミド粉末は、樹脂とカーボンブラックを混練しているため、リサイクル時に樹脂とカーボンブラックが分離する可能性は低い。しかしながら、樹脂とカーボンブラックを混練すると、組成物中でカーボンブラックが核剤として働き、得られる樹脂粉末の降温結晶化温度Tcが上昇してしまい、融点Tmと降温結晶化温度Tcの温度差ΔTが小さくなるため好ましくない。また、本発明者らの検討によると、ポリアミドは弾性率が高いため、公知の粉砕法では、ポリアミド組成物を粉末床溶融結合式積層造形法での使用に好適な粒子径にまで解砕することは実質不可能である。
特許文献7に記載のメカノケミカル法で得られる複合ポリアミド粉末は、ポリアミド粒子とカーボンブラックが化学的な結合を介して付着しているわけではないため、リサイクル時にカーボンブラックの脱離と分離を防ぐことは難しい。
そこで本発明の課題は、実用上利用可能なレベルにある粉末床溶融結合式積層造形法用の黒色ポリアミド微粒子を提供することにある。
上記課題を達成するために、本発明者らが鋭意検討した結果、下記発明に到達した。
すなわち、本発明は、
「[1]カーボンブラックが内包されたポリアミド微粒子であって、数平均粒子径Dnが1〜200μmであり、かつ融点Tmと降温結晶化温度Tcの温度差ΔT(ΔT=Tm−Tc)が25℃以上であるポリアミド微粒子、
[2]前記ポリアミド微粒子のポリアミドが、ポリアミド11またはポリアミド12であることを特徴とする[1]記載のポリアミド微粒子、
[3]粒子径分布指数PDIが1〜3であることを特徴とする[1]または[2]記載のポリアミド微粒子、
[4]真球度が80以上であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のポリアミド微粒子、
[5]カーボンブラックの含有量が0超〜5質量%であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のポリアミド微粒子、
[6][1]〜[5]のいずれかに記載のポリアミド微粒子を含有する分散液、
[7][1]〜[5]のいずれかに記載のポリアミド微粒子を含む樹脂組成物、
[8]ポリアミドと、ポリアミドとは異なるポリマー(B)と、有機溶媒(C)とを溶解させたポリマー溶液と、カーボンブラックとを混合したときに、ポリアミドを主成分とし前記カーボンブラックが選択的に分配された溶液相と、ポリマー(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離する系において、エマルションを形成させた後、ポリアミドの貧溶媒を接触させることにより、前記カーボンブラックが内包されたポリアミドを析出させるポリアミド微粒子の製造方法であって、得られるポリアミド微粒子の融点Tmと降温結晶化温度Tcの温度差ΔT(ΔT=Tm−Tc)が25℃以上であることを特徴とするポリアミド微粒子の製造方法、
[9]前記ポリアミドが、ポリアミド11またはポリアミド12であることを特徴とする[8]記載のポリアミド微粒子の製造方法、
[10]前記カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量が200ml/100g以下であることを特徴とする[8]または[9]記載のポリアミド微粒子の製造方法」である。
本発明により、従来技術では入手困難であった、実用上利用可能なレベルにある粉末床溶融結合式積層造形法用の黒色ポリアミド微粒子を得ることができる。
本発明の黒色ポリアミド微粒子は、カーボンブラックが内包されてなり、かつ該ポリマー微粒子の融点Tmとポリマー微粒子の降温結晶化温度Tcの温度差ΔTが25℃以上であることから、優れた成形性を示し、粉末床溶融結合式積層造形法による黒色成形体の造形に好適である。
また、本発明の黒色ポリアミド微粒子は、カーボンブラックが微粒子を構成するポリアミド中に内包されたポリアミド微粒子であり、ドライブレンド等によりカーボンブラックとポリアミド微粒子を混合した粉体ではないことから、微粒子は粉末床溶融結合式積層造形法による造形に使用した後の回収・再利用の際にリサイクル性に優れ、経済的に優位である。
さらには、本発明の黒色ポリアミド微粒子は、粉末床溶融結合式積層造形法での使用に好適な粒子径を有し、好ましい態様では、粒子径分布指数PDIが小さく、真球度が高いため、粉体流動性が優れる点でも粉末床溶融結合式積層造形法に適している。上記のように優れた成形性とリサイクル性を活かし、粉末床溶融結合式積層造形法による造形に供することができる。
以下、本発明について、実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明のカーボンブラックが内包されたポリアミド微粒子とは、カーボンブラックが内包されたポリアミド樹脂からなるポリアミド微粒子のことでありカーボンブラックによって黒色に着色されたことを特徴とする黒色ポリアミド微粒子である。
本発明におけるポリアミドとは、3員環以上のラクタム、重合可能なアミノカルボン酸、二塩基酸とジアミンまたはそれらの塩、あるいはこれらの混合物の重縮合によって得られるポリマーである。
このようなポリアミドの例としては、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリペンタメチレンアジパミド(ポリアミド56)、ポリテトラメチレンセバカミド(ポリアミド410)、ポリペンタメチレンセバカミド(ポリアミド510)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリデカメチレンセバカミド(ポリアミド1010)、ポリウンデカアミド(ポリアミド11)、ポリドデカアミド(ポリアミド12)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド(ポリアミド5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンとドデカ二酸の共重合体(例示するならば、‘TROGAMID(登録商標)’CX7323、ダイセル・エボニック社製)などの結晶性ポリアミドなどが挙げられる。
本発明の黒色ポリアミド微粒子を粉末床溶融結合式積層造形法による造形に好適に使用するのであれば、ポリアミドとしては、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド1010が好ましく、ポリアミド11またはポリアミド12が特に好ましい。
本発明で得られる黒色ポリアミド微粒子は、その微粒子の融点Tmと降温結晶化温度Tcの温度差ΔT(ΔT=Tm−Tc)が25℃以上であるポリマー微粒子であるため、粉末床溶融結合式積層造形法による造形に用いた際に良成形性を示し、得られる成形体は寸法安定性に優れるため、所望の成形体が得られやすいだけでなく、粉末床溶融結合式積層造形法において成形体の試作等にかける工数を削減できるため、効率良く成形体を生産することができる。
粉末床溶融結合式積層造形法の粉末材料としては、本発明の黒色ポリアミド微粒子の融点Tmと降温結晶化温度Tcの温度差ΔTは、好ましくは27℃以上、より好ましくは29℃以上、さらに好ましくは31℃以上、特に好ましくは33℃以上である。また、その上限としては、ポリアミドの種類によって変わるため一義的に決めることはできないが、50℃程度である。
また、本発明で得られる黒色ポリアミド微粒子は、粒子内部にカーボンブラックが内包されていることがひとつの特徴である。本発明の黒色ポリアミド微粒子は、ドライブレンド等の混合粉体ではないことから、微粒子は粉末床溶融結合式積層造形法による造形に使用した後、回収・再利用する際にポリアミド微粒子とカーボンブラックが分離することがなく、リサイクル性に優れ、経済的に優位である。
本発明の黒色ポリアミド微粒子において、カーボンブラックが内包されているとは、ポリアミド微粒子とは分離された単独のカーボンブラックが存在せず、すべてのカーボンブラックがポリアミド微粒子と複合化されていることを意味する。このとき、すべてのカーボンブラックがポリアミド微粒子の内部に分散していてもよいし、内部に局在化していてもよいし、内包されているだけでなくポリアミド微粒子の表面に容易に分離しない状態で固定化されていてもよいが、カーボンブラックが内部に分散していることが好ましい。
本発明の黒色ポリアミド微粒子において、ジブチルフタレート(以下、DBPと称することもある。)吸油量を指標としたカーボンブラックを用いることで、該カーボンブラックが内包された黒色ポリアミド微粒子のTmとTcの温度差ΔTを制御できる。
本発明におけるカーボンブラックは、DBP吸油量が200ml/100g以下であれば、ポリアミド中で該カーボンブラックが核剤として機能しにくくなり、ポリアミドの結晶化速度の増大を抑制できる。また、カーボンブラックのDBP吸油量が低いと、それが内包された黒色ポリアミド微粒子のΔT値は大きくなる傾向にある。
本発明の黒色ポリアミド微粒子の製造に用いられるカーボンブラックは、当該カーボンブラックが内包されたポリアミド微粒子のTmとTcの温度差ΔTを25℃以上に制御する観点から、DBP吸油量が200ml/100g以下であることが好ましく、150ml/100g以下がより好ましく、100ml/100g以下がさらに好ましく、75ml/100g以下が特に好ましく、50ml/100g以下が著しく好ましい。
なお、カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量とは、一定量のカーボンブラック中の空隙を満たすのに要するジブチルフタレートの量であり、カーボンブラックのストラクチャーの発達度合いを表す指標である。DBP吸油量は、日本工業規格(JIS)K6221:1982で測定することができる。カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量は、ポリアミド微粒子の内部に分散させる前のカーボンブラックの状態で測定した値である。
このようなカーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック粉末が挙げられ、本発明の黒色ポリアミド微粒子が得られるのであれば特に制限はないが、好ましくは、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラックであり、より好ましくは、ファーネスブラックである。
本発明で得られる黒色ポリアミド微粒子は、数平均粒子径Dnが1〜200μmである。特に粉末床溶融結合式積層造形法による造形に好適に用いるためには、数平均粒子径Dnの下限としては、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは30μm以上であり、特に好ましくは40μm以上である。また、数平均粒子径Dnの上限としては、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは75μm以下であり、特に好ましくは60μm以下である。
数平均粒子径Dnが上記下限未満になると、粉末床溶融結合式積層造形法において黒色ポリアミド微粒子を均一な粉体層に敷き詰めにくくなり、上限を超えると、微細な形状や複雑形状の成形体を造形しにくくなったり、得られる成形体の質感を損なってしまいやすくなる。
黒色ポリアミド微粒子の数平均粒子径Dnは、走査型電子顕微鏡(SEM、例えば、日本電子株式会社製走査型電子顕微鏡JSM−6301NF)を用いて黒色ポリアミド微粒子を観察し、100個の黒色ポリアミド微粒子についてその直径(粒子径)を測長した算術平均値である。具体的には、粒子径のバラつきを考慮した正確な数平均粒子径を求めるために、1枚の画像に2個以上100個未満の微粒子が写るような倍率で観察し、粒子径を測長する。続いて、下記式により100個の微粒子の粒子径につき、その算術平均を求めることで数平均粒子径を算出する。そのようなSEMの倍率としては、粒子径にも依るが、100倍〜5,000倍の範囲とすることができる。具体的に例示するならば、黒色ポリアミド微粒子の粒子径が1μm以上3μm未満の場合は5,000倍、3μm以上5μm未満の場合は3,000倍以上、5μm以上10μm未満の場合は1,000倍以上、10μm以上50μm未満の場合は500倍以上、50μm以上100μm未満の場合は250倍以上、100μm以上200μm以下の場合は100倍以上とすることが好ましい。なお、画像上で微粒子が真円状でない場合(例えば楕円状のような場合や、微粒子が不規則に寄せ集まった凝集体を形成している場合)は、その最長径を粒子径として測定する。
Figure 0006256487
上式においては、Ri:微粒子個々の粒子径、n:測定数100、Dn:数平均粒子径である。
本発明の黒色ポリアミド微粒子の粒子径分布の広さを示す指標である粒子径分布指数(PDI)としては、好ましくは1〜3であり、より好ましくは1〜2.5であり、さらに好ましくは1〜2.0であり、特に好ましくは1〜1.8であり、著しく好ましくは1〜1.5である。なお、粒子径分布指数PDIの下限値は理論上1である。粒子径分布指数PDIが小さければ、粉末床溶融結合式積層造形法において黒色ポリアミド微粒子を均一な粉体層に敷き詰めやすくなり、成形性を向上できる。
黒色ポリアミド微粒子の粒子径分布指数PDIは、数平均粒子径の算出時に行った粒子径の測長結果を用いて、次の式により算出される。
Figure 0006256487
上式においては、Ri:微粒子個々の粒子径、n:測定数100、Dn:数平均粒子径、Dv:体積平均粒子径、PDI:粒子径分布指数である。
本発明の黒色ポリアミド微粒子の真球度は、80以上であることが好ましく、より好ましくは85以上、さらに好ましくは90以上、特に好ましくは98以上である。真球度が高いと、黒色ポリアミド微粒子を粉体層に敷き詰めるときの流動性や充填性が向上するため、粉末床溶融結合式積層造形法による造形で成形不良の発生を抑え、所望の成形体を効率良く造形できる。
本発明における黒色ポリアミド微粒子の真球度とは、走査型電子顕微鏡にて、無作為に選択した粒子30個の真球度Siの算術平均値であり、下記式に従い算出される平均真球度Smを指す。真球度Siは、個々の粒子の短径aiと、それと垂直に交わる長径biの比であり、下記式に従い算出される。
Figure 0006256487
上式においては、Sm:平均真球度、Si:微粒子個々の真球度、ai:微粒子個々の短径、bi:微粒子個々の長径、n:測定数30である。
本発明の黒色ポリアミド微粒子は、カーボンブラックが内包されたポリアミド微粒子であり、カーボンブラックの含有量は、本発明の黒色ポリアミド微粒子が得られる範囲であれば特に限定されない。黒色ポリアミド微粒子を粉末床溶融結合式積層造形法による造形に利用するとして、含有量を挙げるとすれば、カーボンブラックの含有量が0超〜5質量%の範囲であれば粉末床溶融結合式積層造形法による造形に好適である。
本発明において、カーボンブラックが黒色ポリアミド微粒子に内包されていることの確認は、黒色ポリアミド微粒子を電子顕微鏡用エポキシ樹脂で包埋して硬化させた後に、0.1μm厚の超薄切片を作成し、透過型電子顕微鏡(例えば、株式会社日立製作所製透過型電子顕微鏡H−7100)を用いて、微粒子の内部にカーボンブラックが存在しているかを観察することで行なうことができる。
また、本発明の黒色ポリアミド微粒子は、所望の分散媒に分散させ、分散液とすることができる。
ポリアミド樹脂が溶解しない限り分散液の分散媒は特に選ぶものではないが、脂肪族系炭化水素系溶媒、芳香族系炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、ハロゲン系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒、非プロトン性極性溶媒、カルボン酸系溶媒、エーテル系溶媒、イオン性液体、水などが挙げられる。
これら溶媒として、次のものが具体的に例示される。脂肪族炭化水素系溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、n−デカン、n−ドデカン、n−トリデカン、テトラデカン、シクロヘキサン、シクロペンタンが挙げられる。芳香族炭化水素系溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、2−メチルナフタレンが挙げられる。エステル系溶媒としては、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸ブチルが挙げられる。ハロゲン化炭化水素系溶媒としては、クロロホルム、ブロモホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、クロロベンゼン、2,6−ジクロロトルエン、ヘキサフルオロイソプロパノール等が挙げられる。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン等が挙げられる。アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等が挙げられる。非プロトン性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N、N−ジメチルアセトアミド(DMA)、プロピレンカーボネート、トリメチルリン酸、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホラン等が挙げられる。カルボン酸溶媒としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、アニソール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、ジグライム、ジメトキシエタン等が挙げられる。イオン性液体としては、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムハイドロゲンスルフェート、1−エチル−3−イミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネートなどが挙げられる。
ポリアミド微粒子との親和性に起因する分散性の良さと産業上での取扱いやすさの両者の観点から、これらの中でも好ましい溶媒としては、芳香族炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、水であり、より好ましいものとしては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、水であり、さらに好ましいものとしては、アルコール系溶媒、水である。中でも著しく好ましい溶媒としては、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロパノール、水である。なお、これらの有機溶媒は、複数種を混合して用いてもよい。
また、本発明の黒色ポリアミド微粒子は、所望の樹脂に分散させ、樹脂組成物とすることができる。
黒色ポリアミド微粒子の製造方法は、本発明の黒色ポリアミド微粒子が得られるのであれば、従来公知の技術を用いて良い。例えば、ポリアミド樹脂とカーボンブラックを溶融混練しマスターバッチ樹脂組成物とした後に、その樹脂組成物をボールミル、ビーズミル、ジェットミルあるいは乳鉢等の機械的粉砕処理によって粉末とする方法、前記マスターバッチと海成分樹脂とを溶融混練させ、海成分のみを除去させる強制溶融混練法、高揮発性溶媒のポリアミド溶液にカーボンブラックを懸濁させた液をスプレードライして微粒子とする方法、ポリアミド溶液とカーボンブラックを懸濁させた液を冷却して析出させる方法等が挙げられる。その中でも、高分子溶液の相分離現象を利用した以下に示す微粒子化方法によって得るのが最も好ましい。高分子溶液の相分離現象を利用した微粒子化方法を採用することで、粒子径分布指数が小さい微粒子を得ることができ、また、真球度の高い微粒子を得ることができる点で好ましい。
高分子溶液の相分離現象を利用した微粒子化法とは、ポリアミドと、ポリアミドとは異なるポリマー(B)と、有機溶媒(C)とを溶解させたポリマー溶液と、カーボンブラックとを混合したときに、ポリアミドを主成分とし前記カーボンブラックが選択的に分配された溶液相と、ポリマー(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離する系において、ポリアミドを主成分としカーボンブラックが選択的に分配された溶液相が分散相、ポリマー(B)を主成分とする溶液相が連続相になるエマルションを形成させた後、該エマルションにポリアミドの貧溶媒を接触させることで、カーボンブラックが内包された黒色ポリアミド微粒子を析出させる方法である。
ここで、ポリアミドを主成分としカーボンブラックが選択的に分配された溶液相(以下、ポリアミド溶液相と呼ぶ)とは、(i)ポリアミドおよびポリマー(B)の2種のポリマーのうちポリアミドを主として分配された溶液相と、(ii)ポリアミドおよびポリマー(B)の2種のポリマーのうちポリマー(B)を主として分配された溶液相とに相分離する系において、前記(i)のポリアミドを主として分配された溶液相にカーボンブラックが選択的に分配された溶液相である。また、ポリマー(B)を主成分とする溶液相(以下、ポリマー(B)溶液相と呼ぶ)とは、上記(ii)のポリマー(B)が主として分配された溶液相である。
ポリアミドとポリマー(B)と有機溶媒(C)を成分として、上記(i)のポリアミドを主として分配された溶液相と、上記(ii)のポリマー(B)を主として分配された溶液相とに相分離する系において、第四の成分としてカーボンブラックを加えたところ、驚くべきことに、カーボンブラックが上記(i)のポリアミドを主として分配された溶液相に選択的に分配されることを見出した。
なお、カーボンブラックはポリアミドとポリマー(B)が有機溶媒(C)に溶解した溶液に加えてもよいし、カーボンブラックをポリアミドとポリマー(B)と有機溶媒(C)の混合物に加えてからポリアミドとポリマー(B)を溶解して溶液にしてもよく、いずれの方法においても、カーボンブラックが上記(i)のポリアミドを主として分配された溶液相に選択的に分配されるようである。
つまり、「ポリアミドと、ポリアミドとは異なるポリマー(B)と、有機溶媒(C)とを溶解させたポリマー溶液と、カーボンブラックとを混合したときに、ポリアミドを主成分とし上記カーボンブラックが選択的に分配された溶液相と、ポリマー(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離する系」とは、ポリアミドとポリマー(B)と有機溶媒(C)とカーボンブラックを混合したときに、カーボンブラックが選択的に分配されたポリアミド溶液相と、ポリマー(B)溶液相の2相に分かれる系をいう。
上記ポリマー(B)としては、ポリアミドとは異なるポリマーのうち、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられるが、有機溶媒(C)に溶解しやすいという観点から、熱可塑性樹脂が好ましい。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール(完全ケン化型や部分ケン化型のポリビニルアルコールであってもよい)、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。得られる黒色ポリアミド微粒子の粒子径分布が狭くなることから、好ましくはポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール(完全ケン化型や部分ケン化型のポリビニルアルコールであってもよい)である。
ポリマー(B)の分子量については、重量平均分子量1,000以上のものを使用することが好ましく、そのようなポリマー(B)を用いることで、ポリアミド溶液相と、ポリマー(B)溶液相の2相への相分離が誘発され、エマルションが形成されることで、真球度80以上の黒色ポリアミド微粒子が得られる。ポリマー(B)の分子量は、重量平均分子量で1,000〜10,000,000の範囲であることが好ましい。より好ましい上限としては5,000,000以下、さらに好ましくは2,000,000以下であり、特に好ましい上限は1,000,000以下である。また、相分離が起こりやすくなる観点から、より好ましい下限は1,000以上、さらに好ましくは10,000以上であり、特に好ましい下限は20,000以上である。
ここでいう重量平均分子量とは、溶媒として水を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、ポリエチレングリコールで換算した重量平均分子量を指す。溶媒として、水で測定できない場合においてはジメチルホルムアミドを用い、それでも測定できない場合においてはテトラヒドロフランを用い、さらに測定できない場合においてはヘキサフルオロイソプロパノールを用いる。
有機溶媒(C)とは、ポリアミドおよび上記ポリマー(B)を溶解する溶媒である。ここで、ポリマーを溶解する溶媒とは、実際に実施する温度、すなわちポリアミドとポリマー(B)を溶解混合させる温度において、有機溶媒(C)に対し、ポリアミドおよびポリマー(B)を1質量%超溶解することを意味する。有機溶媒(C)は、貧溶媒を接触させ黒色ポリアミド微粒子を得る工程での温度において、ポリアミドを少なくとも準安定的に溶解できることが好ましい。ポリアミド溶液相の有機溶媒(C)と、ポリマー(B)溶液相の有機溶媒(C)とは、同一でも異なっていても良いが、実質的に同じ溶媒であることが好ましい。
好ましい溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルカプロラクタム等の有機アミド系溶媒である。これらの溶媒は、複数種用いても単独で用いてもかまわない。ポリアミドの溶解度の観点からN−メチル−2−ピロリドンがより好ましい。
ポリアミドの貧溶媒とは、溶媒に対するポリアミドの溶解度が1質量%以下のものを言い、より好ましくは0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以下である。
貧溶媒としては、ポリアミドの貧溶媒であり、かつポリマー(B)を溶解する溶媒であることが好ましい。これにより、ポリアミドとカーボンブラックを含む黒色ポリアミド微粒子を効率よく析出させることができる。また、上記有機溶媒(C)と貧溶媒とは均一に混合する溶媒であることが好ましい。
具体的には、ポリアミドとポリマー(B)の種類によって変わるが、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、n−デカン、n−ドデカン、n−トリデカン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒および水の中から少なくとも1種類から選ばれる溶媒等が挙げられる。黒色ポリアミド微粒子を効率的に得る観点から、好ましくは、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒あるいは水であり、より好ましいものは、アルコール系溶媒または水であり、最も好ましくは、水である。
相分離状態になりやすい条件を得るためには、ポリアミドとポリマー(B)の溶解度パラメーター「SP値」の差が離れていた方が好ましい。この際、SP値の差としては1(J/cm1/2以上、より好ましくは2(J/cm1/2以上、さらに好ましくは3(J/cm1/2以上、特に好ましくは5(J/cm1/2以上、著しく好ましくは8(J/cm1/2以上である。SP値がこの範囲であれば、容易に相分離しやすくなり、また相分離がしやすくなることから、ポリアミドの含有率のより高い黒色ポリアミド微粒子を得ることができる。ポリアミドとポリマー(B)の両者が有機溶媒(C)に溶解するのであれば特に制限はないが、SP値の差の上限としては、好ましくは20(J/cm1/2以下、より好ましくは15(J/cm1/2以下であり、さらに好ましくは10(J/cm1/2以下である。
なお、ここでいうSP値とは、Fedorの推算法に基づき計算されるものであり、凝集エネルギー密度とモル分子容を基に計算されるもの(以下、計算法と称することもある)である(「SP値 基礎・応用と計算方法」、山本秀樹著、株式会社情報機構、平成17年3月31日発行)。本方法により計算できない場合においては、溶解度パラメーターが既知の溶媒に対し溶解するか否かの判定による、実験法によりSP値を算出(以下、実験法と称することもある)し、それを代用する(「ポリマーハンドブック 第4版(Polymer Handbook Fourth Edition)」 ジェー・ブランド(J.Brand)著、ワイリー(Wiley)社1998年発行)。
相分離状態になる条件を選択するためには、ポリアミド、ポリマー(B)およびこれらを溶解する有機溶媒(C)の3成分の比率を変化させた状態の観察による簡単な予備実験で作成可能な3成分相図で判別ができる。
相図の作成は、ポリアミド、ポリマー(B)および有機溶媒(C)を任意の割合で混合溶解させ、静置を行った際に、界面が生じるか否かの判定を少なくとも3点以上、好ましくは5点以上、より好ましくは10点以上の点で実施し、2相に分離する領域および1相になる領域を峻別することで、相分離状態になる条件を見極めることができるようになる。
この際、相分離状態であるかどうかを判定するためには、ポリアミドおよびポリマー(B)を、実際にエマルションを形成させる際の温度および圧力において、ポリアミド、ポリマー(B)および有機溶媒(C)を任意の比に調整し、ポリアミドおよびポリマー(B)を完全に溶解させた後に十分な攪拌を行い、3日静置し、巨視的に相分離をするかどうかを確認する。しかし、十分に安定なエマルションになる場合においては、3日放置しても巨視的な相分離をしない場合がある。その場合は、光学顕微鏡・位相差顕微鏡等を用い、微視的に相分離しているかどうかで相分離を判別する。
カーボンブラックがポリアミド溶液相に選択的に分配されるかどうかを判定するためには、上記の相分離状態の確認を行った後に、相分離が確認されたポリアミド、ポリマー(B)および有機溶媒(C)の任意の比に対し、カーボンブラックを任意の量だけ加え、実際にエマルションを形成させる際の温度および圧力でカーボンブラックが分散したポリマー溶液を十分に撹拌した後、静置することでポリマー溶液の相分離を促し、ポリアミドを主とする溶液相のみがカーボンブラックによって着色されるかどうかを目視で確認して行う。
有機溶媒(C)に対するポリアミドおよびポリマー(B)の濃度は、有機溶媒(C)に溶解する可能な限りの範囲内であることが前提であるが、全質量に対して好ましくは、それぞれその下限は1質量%超であり、より好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上である。また、それぞれの上限は50質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下である。
相分離して得られるポリアミド溶液相とポリマー(B)溶液相の2相間の界面張力は、両相とも有機溶媒を主とするから、その界面張力が小さく、その性質により、生成するエマルションが安定であり、液滴径分布の非常に狭いエマルションが得られることから、得られる黒色ポリアミド微粒子の粒子径分布が狭くなると考えられる。この傾向は、有機溶媒(C)として単一溶媒を用いて、ポリアミドおよびポリマー(B)の両方を溶解して相分離させる際に顕著である。
相分離した2相間の界面張力は、界面張力が小さすぎることから、通常用いられる溶液に異種の溶液を加えて測定する懸滴法等では直接測定することはできないが、各相の空気との表面張力から推算することにより、界面張力を見積もることができる。各相の空気との表面張力をr、rとした際、その界面張力r1/2は、r1/2=r−rの絶対値で推算することができる。
この際、このr1/2の好ましい範囲は、その上限は10mN/m以下であり、より好ましくは5mN/m以下であり、さらに好ましくは3mN/m以下であり、特に好ましくは2mN/m以下である。また、その下限は0mN/m超である。
相分離した2相の粘度比は、得られる黒色ポリアミド微粒子の数平均粒子径および粒子径分布に影響を与える。粘度比の好ましい範囲としては、その下限としては0.1以上が好ましく、より好ましくは0.2以上であり、さらに好ましくは0.3以上であり、より好ましくは0.5以上であり、著しく好ましくは0.8以上である。また、粘度比の上限としては10以下が好ましく、より好ましくは5以下であり、さらに好ましくは3以下であり、特に好ましくは1.5以下であり、著しく好ましくは1.2以下である。ここでいう2相の粘度比は、実際に実施しようとする温度条件下での、ポリアミド溶液相の粘度/ポリマー(B)溶液相の粘度と定義する。
以上のようにして得た相分離状態になる条件をもとに、相分離するポリマー溶液にカーボンブラックが加えられた溶液を調製し、それを混合してエマルションを形成させた後に、黒色ポリアミド微粒子を製造する工程に供する。
本発明の黒色ポリアミド微粒子の製造方法では、通常の反応槽でポリマー溶液の調製、エマルションの形成、および粒子化工程が実施される。
ポリマー溶液の調製工程では、相分離性を示す任意組成のポリアミド、ポリマー(B)、および有機溶媒(C)と、さらにカーボンブラックを混合した後、ポリアミドおよびポリマー(B)を有機溶媒(C)に完全に溶解させ、カーボンブラックが混合された相分離するポリマー溶液が得られる。本工程を実施する温度は、ポリアミドやポリマー(B)が有機溶媒(C)に溶解する温度以上であり、その好ましい温度はポリマーの種類によって変わるため一義的に決めることはできないが、工業的な実現性の観点から0℃〜300℃が好ましい。温度範囲の下限は、ポリアミドおよびポリマー(B)の溶解性の観点から、好ましくは120℃以上、より好ましくは140℃以上、さらに好ましくは160℃以上、特に好ましくは180℃以上である。また、温度範囲の上限は、好ましくは250℃以下、より好ましくは225℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。
上記工程で得られたポリマー溶液は撹拌混合され、エマルション形成が実施される。エマルション形成工程の温度は、ポリアミドおよびポリマー(B)が有機溶媒(C)に溶解する温度以上であれば特に制限はないが、工業的な実現性の観点から0℃〜300℃が好ましい。温度範囲の下限は、ポリアミドや有機溶媒(C)の種類によって適正な温度が変わるため、一義的に決めることはできないが、ポリアミドが析出する温度より高ければ特に制限はない。
具体的に挙げるとすれば、エマルション形成工程の温度の下限は、好ましくは120℃以上、より好ましくは140℃以上、さらに好ましくは160℃以上、特に好ましくは180℃以上である。また、温度範囲の上限は、好ましくは250℃以下、より好ましくは225℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。
エマルション形成工程の圧力は、工業的な実現性の観点から、常圧から100気圧(10.1MPa)の範囲である。エマルション形成工程時の温度におけるポリマー溶液の飽和蒸気圧によるが、好ましい上限としては75気圧(7.5MPa)以下であり、さらに好ましくは50気圧(5.0MPa)以下であり、特に好ましくは、30気圧(3.0MPa)以下である。また、好ましい下限は、エマルション形成工程時の温度におけるポリマー溶液の飽和蒸気圧以上である。
また、エマルション形成工程は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴンまたは二酸化炭素が好ましく、より好ましくは、窒素またはアルゴンである。
エマルションを形成させるのに十分な剪断力を得るためには、公知の方法による攪拌を用いれば十分であり、攪拌羽による液相攪拌法、連続2軸混合機による攪拌法、ホモジナイザーによる混合法、超音波照射等を用いることができる。
攪拌羽による攪拌の場合、攪拌羽の形状にもよるが、攪拌速度は好ましくは50rpm〜1,200rpm、より好ましくは100rpm〜1,000rpm、さらに好ましくは200rpm〜800rpm、特に好ましくは300rpm〜600rpmである。
攪拌羽としては、プロペラ型、パドル型、フラットパドル型、タービン型、ダブルコーン型、シングルコーン型、シングルリボン型、ダブルリボン型、スクリュー型、ヘリカルリボン型等が挙げられるが、系に対して十分に剪断力をかけられるものであれば、これらに特に限定されるものではない。また、効率的な攪拌を行うために、槽内に邪魔板等を設置してもよい。
また、エマルションを発生させるためには、必ずしも攪拌機である必要はなく、乳化機、分散機等の装置を用いてもよい。具体的に例示するならば、ホモジナイザー(IKAジャパン(株)社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業(株)社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー((株)荏原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業(株)社製)、コロイドミル((株)日本精機製作所社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(日本コークス工業(株)社製)、超音波ホモジナイザー、スタティックミキサー等が挙げられる。
このようにして得られたエマルションは、引き続き微粒子を析出させる微粒子化工程に供する。貧溶媒を前記工程で形成したエマルションに接触させることで、エマルションの液滴径に応じた径で黒色ポリアミド微粒子が析出する。
貧溶媒を接触させるときの反応槽内温度は、ポリアミドおよびポリマー(B)が有機溶媒(C)に溶解する温度以上であれば特に制限はないが、工業的な実現性の観点から0℃〜300℃が好ましい。温度範囲の下限は、ポリアミドや有機溶媒(C)の種類によって適正な温度が変わるため、一義的に決めることはできないが、ポリアミドが析出する温度より高ければ特に制限はない。具体的に挙げるとすれば、温度範囲の下限は、好ましくは120℃以上、より好ましくは140℃以上、さらに好ましくは160℃以上、特に好ましくは180℃以上である。また、温度範囲の上限は、好ましくは250℃以下、より好ましくは225℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。
貧溶媒とエマルションの接触方法は、貧溶媒にエマルションを入れる方法でもよいし、エマルションに貧溶媒を入れる方法でもよいが、エマルションに貧溶媒を入れる方法がより好ましい。
この際、貧溶媒を投入する方法としては、本発明の黒色ポリアミド微粒子が得られる限り特に制限はなく、連続滴下法、分割添加法および一括添加法のいずれでもよい。貧溶媒添加時にエマルションが凝集、融着または合一し、得られる黒色ポリアミド微粒子の粒子径分布が広くなったり、200μmを超える塊状物が生成したりすることを防ぐために、好ましくは連続滴下法または分割滴下法であり、工業的に効率的に実施するためには、最も好ましいのは連続滴下法である。
貧溶媒を加える時間としては、5分〜50時間であることが好ましい。より好ましくは10分〜10時間であり、さらに好ましくは30分〜5時間であり、特に好ましくは1時間〜5時間である。この時間の範囲内で貧溶媒の添加を行うことにより、エマルションから黒色ポリアミド微粒子を析出させる際に、微粒子間の凝集を抑制することができ、粒子径が揃った粒子径分布の狭い黒色ポリアミド微粒子を得ることができる。この範囲よりも短い時間で貧溶媒の添加を実施すると、エマルションの凝集融着または合一に伴い、得られる黒色ポリアミド微粒子の粒子径分布が広くなったり、塊状物が生成したりする場合がある。また、これ以上長い時間で実施する場合は、工業的に不利である。
貧溶媒を加える量は、ポリマー(B)の分子量、およびポリアミドの有機溶媒(C)への溶解度によってエマルションの状態が変化するため最適量は変化するが、エマルション100質量部に対して、通常10質量部から1,000質量部であることが好ましい。より好ましい上限としては、500質量部以下、さらに好ましくは、300質量部以下であり、特に好ましくは、200質量部以下であり、最も好ましくは、100質量部以下である。また、好ましい下限は、10質量部以上、さらに好ましくは、50質量部以上である。
貧溶媒とエマルションとの接触時間は、微粒子が析出するのに十分な時間であればよいが、十分な析出を引き起こし、かつ効率的な生産性を得るためには、貧溶媒添加終了後5分〜50時間が好ましく、より好ましくは5分〜10時間であり、さらに好ましくは10分〜5時間であり、特に好ましくは20分〜4時間であり、最も好ましくは30分〜3時間である。
このようにして作られた黒色ポリアミド微粒子の分散液は、ろ過、減圧濾過、加圧ろ過、遠心分離、遠心ろ過、スプレードライ等の通常公知の方法で固液分離することにより、黒色ポリアミド微粒子を回収することができる。
固液分離した微粒子は、必要に応じて溶媒等で洗浄を行うことにより、付着または含有している不純物等の除去を行い、精製を行う。
得られた黒色ポリアミド微粒子の分散液について、例えば減圧濾過によって固液分離をすると、微粒子を固液分離した後の濾液は透明である。これは、本方法で得られる黒色ポリアミド微粒子には、ポリアミド微粒子とは分離された単独のカーボンブラックが存在せず、すべてのカーボンブラックがポリアミド微粒子と複合化されているためである。
これは、ポリアミドと、ポリアミドとは異なるポリマー(B)と、有機溶媒(C)とを溶解させたポリマー溶液と、カーボンブラックとを混合したときに、ポリアミドを主成分とし前記カーボンブラックが選択的に分配された溶液相と、ポリマー(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離する系において、エマルションを形成させた後、ポリアミドの貧溶媒を接触させることにより、カーボンブラックが内包されたポリアミド微粒子を析出させることで、本発明の黒色ポリアミド微粒子が製造されるためである。
本製造方法によって黒色ポリアミド微粒子を製造できるポリアミドとしては、3員環以上のラクタム、重合可能なアミノカルボン酸、二塩基酸とジアミンまたはそれらの塩、あるいはこれらの混合物の重縮合によって得られるポリアミドが挙げられる。
このようなポリアミドの例としては、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリペンタメチレンアジパミド(ポリアミド56)、ポリテトラメチレンセバカミド(ポリアミド410)、ポリペンタメチレンセバカミド(ポリアミド510)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリデカメチレンセバカミド(ポリアミド1010)、ポリウンデカアミド(ポリアミド11)、ポリドデカアミド(ポリアミド12)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド(ポリアミド5T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンとドデカ二酸の共重合体(例示するならば、‘TROGAMID(登録商標)’CX7323、ダイセル・エボニック社製)などの結晶性ポリアミドなどが挙げられる。
本製造方法で得られる黒色ポリアミド微粒子を粉末床溶融結合式積層造形法による造形に好適に使用するのであれば、ポリアミドとしては、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド1010が好ましく、ポリアミド11またはポリアミド12が特に好ましい。
粉末床溶融結合式積層造形法による造形に好適な黒色ポリアミド微粒子を製造するには、DBP吸油量が200ml/100g以下のカーボンブラックを用いることが好ましく、そのようなカーボンブラックを用いることで、粒子のTmとTcの温度差ΔTが25℃以上の黒色ポリアミド微粒子を製造することができる。
本製造方法で用いるカーボンブラックとしては、DBP吸油量が200ml/100g以下であることが好ましく、150ml/100g以下がより好ましく、100ml/100g以下がさらに好ましく、75ml/100g以下が特に好ましく、50ml/100g以下が著しく好ましい。そのようなカーボンブラックを用いることで、粒子のTmとTcの温度差ΔTが25℃以上ある黒色ポリアミド微粒子を製造することができる。
このようなカーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック粉末が挙げられ、本発明の黒色ポリアミド微粒子を製造できるのであれば特に制限はないが、好ましくは、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラックであり、より好ましくは、ファーネスブラックである。
本方法においては、微粒子を得る際に行った固液分離工程で分離された有機溶媒(C)およびポリマー(B)を再度利用するリサイクルが実施可能である。
固液分離工程で分離された溶媒は、ポリマー(B)、有機溶媒(C)および貧溶媒の混合物である。この溶媒から、貧溶媒を除去することにより、エマルション形成用の溶媒として再利用することができる。貧溶媒を除去する方法としては、公知の方法が使用可能である。具体的には、単蒸留、減圧蒸留、精密蒸留、薄膜蒸留、抽出、膜分離等が挙げられるが、好ましくは単蒸留、減圧蒸留または精密蒸留による方法である。
単蒸留、減圧蒸留等の蒸留操作を行う際は、黒色ポリアミド微粒子の製造時と同様、系に熱がかかり、ポリマー(B)や有機溶媒(C)の熱分解を促進する可能性があることから、極力酸素のない状態で行うことが好ましく、より好ましくは不活性雰囲気下で行う。具体的には、窒素、ヘリウム、アルゴンまたは二酸化炭素雰囲気下で実施することが好ましい。また、蒸留操作を行う際に、酸化防止剤としてフェノール系化合物を添加してもよい。
溶媒等をリサイクルする際、貧溶媒は極力除くことが好ましい。具体的には、貧溶媒除去後の溶媒において、貧溶媒の残存量が有機溶媒(C)およびポリマー(B)の合計量に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1質量%以下であると良い。この範囲よりも超える場合には、エマルション形成用の溶媒として再利用した際に、得られる黒色ポリアミド微粒子の粒子径分布が広くなったり、微粒子が凝集したりするので好ましくない。リサイクルする溶媒中の貧溶媒の量は、ガスクロマトグラフィー法、カールフィッシャー法等の公知の方法で測定できる。
貧溶媒を除去する操作において、現実的には有機溶媒(C)やポリマー(B)をロスすることもあるので、回収した溶媒を再利用する際には、適宜、組成を調整し直すのが好ましい。
このように、本発明の黒色ポリアミド微粒子は、カーボンブラックが内包されており、かつ該ポリマー微粒子の融点Tmと降温結晶化温度Tcの温度差ΔTが25℃以上であることから、粉末床溶融結合式積層造形法による造形において優れた成形性を示し、黒色成形体の造形に好適である。また、本発明の黒色ポリアミド微粒子は、カーボンブラックが内包されており、ドライブレンド等の混合粉体ではないことから、微粒子は粉末床溶融結合式積層造形法による造形に使用した際にリサイクル性に優れ、経済的に優位である。さらには、本発明の黒色ポリアミド微粒子は、粉末床溶融結合式積層造形法での使用に好適な粒子径を有しているため、上記のように優れた成形性とリサイクル性を活かし、粉末床溶融結合式積層造形法による造形に供することができる。
上記のように、本発明の黒色ポリアミド微粒子は、特に粉末床溶融結合式積層造形法による造形において、実用的に優れた成形性とリサイクル性を提供することが可能である。
また、本発明の黒色ポリアミド微粒子は、粉末床溶融結合式積層造形法での用途に限定されるものではなく、各種用途においても実用的に利用することが可能である。
例えば、本発明の黒色ポリアミド微粒子は、カーボンブラックが内包されていることから、帯電防止性に優れ、静電気の帯電を防止する添加剤や部材として好適に使用できる。
他にも、射出成形、微細加工等に代表される成形加工用材料;および該材料を用いて得られる電子電気材料部品部材、エレクトロニクス製品筐体パーツ部材;カーボンブラックの特性を活用した導電性微粒子または導電性部材、伝熱性粒子または伝熱性部材、帯電防止微粒子または帯電防止部材;各種成形加工時の増粘剤、成形寸法安定化剤等の添加剤;分散液、塗液、塗料等の形態としての塗膜、コーティング用材料;粉体としての流動性改良剤、潤滑剤、研磨剤および増粘剤用途;プラスチックフイルム、シートの滑り性向上剤、ブロッキング防止剤、光沢調節剤およびツヤ消し仕上げ剤用途;プラスチックフイルム、シート、レンズの光拡散材、表面硬度向上剤および靭性向上剤等の各種改質剤;各種インク;トナーの光沢調節剤、ツヤ消し仕上げ材等の用途としての添加剤;各種塗料の光沢調節剤、ツヤ消し仕上げ材等の用途としての添加剤;液晶表示操作用スペーサー用途;クロマトグラフィー用充填剤;化粧品用基材および添加剤;化学反応用触媒および担持体;ガス吸着剤等の用途に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(数平均粒子径の測定)
黒色ポリアミド微粒子の数平均粒子径Dnは、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製走査型電子顕微鏡JSM−6301NF)を用いて黒色ポリアミド微粒子を観察し、100個の黒色ポリアミド微粒子についてその直径(粒子径)を測長した算術平均値として求めた。具体的には、粒子径のバラつきを考慮した正確な数平均粒子径を求めるために、1枚の画像に2個以上100個未満の粒子が写るような倍率で観察し、粒子径を測長した。続いて、下記式により100個の微粒子の粒子径につき、その算術平均を求めることで数平均粒子径を算出した。なお、画像上で粒子が真円状でない場合(例えば楕円状のような場合や、粒子が不規則に寄せ集まった凝集体を形成している場合)は、その最長径を粒子径として測定した。
Figure 0006256487
上式においては、Ri:粒子個々の粒子径、n:測定数100、Dn:数平均粒子径である。
(粒子径分布指数の算出)
黒色ポリアミド微粒子の粒子径分布指数PDIは、数平均粒子径の算出時に行った粒子径の測長結果を用いて、次の式により算出した。
Figure 0006256487
上式においては、Ri:粒子個々の粒子径、n:測定数100、Dn:数平均粒子径、Dv:体積平均粒子径、PDI:粒子径分布指数である。
(真球度の測定)
黒色ポリアミド微粒子の真球度は、走査型電子顕微鏡にて、無作為に選択した粒子30個の真球度Siの算術平均値であり、下記式に従い算出した。真球度Siは、個々の微粒子の短径aiと、それと垂直に交わる長径biの比であり、下記式に従い算出した。
Figure 0006256487
上式においては、Sm:平均真球度、Si:粒子個々の真球度、ai:粒子個々の短径、bi:粒子個々の長径、n:測定数30である。
(微粒子内部のカーボンブラックの観察)
黒色ポリアミド微粒子にカーボンブラックが内包されていることの確認は、黒色ポリアミド微粒子を電子顕微鏡用エポキシ樹脂で包埋して硬化させた後に、0.1μm厚の超薄切片を作成し、透過型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製透過型電子顕微鏡H−7100)を用いて、微粒子の内部にカーボンブラックが存在しているかを観察することで行なった。
(融点Tmおよび降温結晶化温度Tcの測定)
黒色ポリアミド微粒子の融点Tmおよび降温結晶化温度Tcは、示差走査熱量測定(DSC;TAインスツルメント株式会社製示差走査熱量計Q20)を用いて、昇温速度20℃/分の条件で0℃から250℃まで昇温した後、250℃で3分保持し、0℃まで20℃/分の降温速度で降温し、0℃で3分保持し、再度250℃まで昇温速度20℃/分の条件で昇温して測定した。得られたDSCチャートから、降温ファーストランの発熱ピークの頂点温度を降温結晶化温度Tc、昇温セカンドランの吸熱ピークの頂点温度を融点Tmとした。
(微粒子の帯電防止性評価)
微粒子を5.0g秤量し、チャック付きのポリエチレン製の袋(縦70mm、横50mm、厚さ0.04mm)内に入れた後、袋内部に空気を含ませた状態でチャックを閉じた。続いて、微粒子を入れたポリエチレン製袋を地面と平行に持ち、水平方向に15往復振った。その後、ポリエチレン製袋のチャック部分を持ちながら、袋を静かに垂直に起こし、内部の微粒子を袋下部に自由落下させた。このとき、垂直に起こしたポリエチレン製袋の内側に付着した微粒子や、袋上部の隅に溜まった微粒子の量を目視で観察した。付着したり溜まったりした微粒子の量が少ないほど帯電防止性に優れるとして、微粒子の帯電防止性を評価した。
[実施例1]
1Lの耐圧ガラスオートクレーブ(耐圧硝子工業株式会社製、ハイパーグラスターTEM−V1000N)に、ポリアミド12(アルケマ株式会社製、‘リルサミド(登録商標)’AESNO TL)9.9質量部、ポリマー(B)としてポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、G型‘ゴーセノール(登録商標)’GM−14、重量平均分子量29,000)7質量部、有機溶媒(C)としてN−メチル−2−ピロリドン83質量部、カーボンブラックとして旭#15(旭カーボン株式会社製、DBP吸油量41ml/100g)0.1質量部を入れ、攪拌羽としてヘリカルリボン翼を用いて回転数200rpmで攪拌しながら180℃まで約30分かけて昇温した後、180℃で保持したまま回転数350rpmで2時間攪拌を行った。続いて、350rpmで攪拌しながら、貧溶媒(D)として100質量部のイオン交換水を、送液ポンプを経由して、0.83質量部/分のスピードで滴下し、懸濁液を得た。得られた懸濁液を減圧濾過で固液分離し、イオン交換水100質量部で洗浄し、濾別した固形物を、80℃で真空乾燥することで、黒色ポリアミド微粒子の黒色粉体を得た。減圧濾過後の濾液は透明で、カーボンブラックの混入は確認できなかった。得られた黒色ポリアミド微粒子について、透過型電子顕微鏡による微粒子内部の観察を行なったところ、カーボンブラックが微粒子に内包されている様子が確認された。得られた黒色ポリアミド微粒子の数平均粒子径Dnは17μm、粒子径分布指数PDIは1.4、真球度Smは96%、融点Tmと降温結晶化温度Tcの温度差ΔTは33.4℃だった。
なお、上記の工程において、実際にエマルションが形成されていることを確認する実験を別途行った。上記のポリアミド、ポリマー(B)および有機溶媒(C)を上記の組成割合で耐圧試験管に入れて、撹拌しながら180℃に加熱して溶解させ、ポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液を採取し、デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHX−100)を用いて形態観察したところ、エマルションの形成を確認した。
続いて、上記のポリアミド、ポリマー(B)、有機溶媒(C)およびカーボンブラックを上記の組成割合で耐圧試験管に入れて、撹拌しながら180℃に加熱して混合し、ポリマーが完全に溶解したことを確認した後、撹拌を止め、180℃で3日間静置して相分離を促した。静置の結果、該ポリマー溶液は、カーボンブラックが選択的に分配された黒色の上相と、カーボンブラックが分配されなかった透明な下相の2相に相分離することを確認した。
[実施例2]
原料に、ポリアミド12(アルケマ株式会社製、‘リルサミド(登録商標)’AESNO TL)9.9質量部、ポリマー(B)としてポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、G型‘ゴーセノール(登録商標)’GM−14、重量平均分子量29,000)7質量部、有機溶媒(C)としてN−メチル−2−ピロリドン83質量部、カーボンブラックとして#1000(三菱化学株式会社製、DBP吸油量49ml/100g)0.1質量部を使用した以外は、実施例1と同様に微粒子化を行った。固液分離後の濾液は透明で、濾液中にカーボンブラックは確認されなかった。透過型電子顕微鏡観察からは、カーボンブラックが微粒子に内包されている様子が確認された。得られた黒色ポリアミド微粒子の数平均粒子径Dnは26μm、粒子径分布指数PDIは1.2、真球度Smは97%、融点Tmと降温結晶化温度Tcの温度差ΔTは29.7℃だった。なお、実施例1と同様に、耐圧試験管を用いた試験で、上記組成でのエマルション形成の確認と、カーボンブラックの選択的な分配を別途確認した。
[実施例3]
原料に、ポリアミド12(アルケマ株式会社製、‘リルサミド(登録商標)’AESNO TL)9.9質量部、ポリマー(B)としてポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、G型‘ゴーセノール(登録商標)’GM−14、重量平均分子量29,000)7質量部、有機溶媒(C)としてN−メチル−2−ピロリドン83質量部、カーボンブラックとして#2600(三菱化学株式会社製、DBP吸油量77ml/100g)0.1質量部を使用した以外は、実施例1と同様に微粒子化を行った。固液分離後の濾液は透明で、濾液中にカーボンブラックは確認されなかった。透過型電子顕微鏡観察からは、カーボンブラックが微粒子に内包されている様子が確認された。得られた黒色ポリアミド微粒子の数平均粒子径Dnは21μm、粒子径分布指数PDIは1.4、真球度Smは96%、融点Tmと降温結晶化温度Tcの温度差ΔTは28.0℃だった。なお、実施例1と同様に、耐圧試験管を用いた試験で、上記組成でのエマルション形成の確認と、カーボンブラックの選択的な分配を別途確認した。
[比較例1]
原料に、ポリアミド12(アルケマ株式会社製、‘リルサミド(登録商標)’AESNO TL)9.9質量部、ポリマー(B)としてポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、G型‘ゴーセノール(登録商標)’GM−14、重量平均分子量29,000)7質量部、有機溶媒(C)としてN−メチル−2−ピロリドン83質量部、カーボンブラックとしてケッチェンブラックEC−600JD(ライオン株式会社製、DBP吸油量495ml/100g)0.1質量部を使用した以外は、実施例1と同様に微粒子化を行った。固液分離後の濾液は透明で、濾液中にカーボンブラックは確認されなかった。透過型電子顕微鏡観察からは、カーボンブラックが微粒子に内包されている様子が確認された。得られた黒色ポリアミド微粒子の数平均粒子径Dnは35μm、粒子径分布指数PDIは1.3、真球度Smは98%、融点Tmと降温結晶化温度Tcの温度差ΔTは24.1℃だった。なお、実施例1と同様に、耐圧試験管を用いた試験で、上記組成でのエマルション形成の確認と、カーボンブラックの選択的な分配を別途確認した。本比較例で得られた黒色ポリアミド微粒子は、そのΔTが25℃未満であるため、特に、粉末床溶融結合式積層造形法による造形用材料として、使用に適さない。
[比較例2]
ポリアミド12(アルケマ株式会社製、‘リルサミド(登録商標)’AESNO TL)100質量部と、カーボンブラックとして旭#15(旭カーボン株式会社製、DBP吸油量41ml/100g)1質量部を、二軸押出機を用いて240℃で溶融混練し、ペレタイズすることにより、カーボンブラック入りポリアミド12ペレットを得た。得られたペレットを、回転数8600rpm、クリアランス2mm、−90℃の条件下で凍結粉砕し、凍結粉砕処理を4回繰り返した結果、不定形状の粉状体を得た。得られた黒色ポリアミド粉状体の数平均粒子径Dnは298μm、粒子径分布指数PDIは5.5、真球度Smは62%、融点Tmと降温結晶化温度Tcの温度差ΔTは22.0℃だった。本比較例で得られた黒色ポリアミド粉末体は、その平均粒子径は200μm以上であるため、特に、粉末床溶融結合式積層造形法による造形用材料として、使用に適さない。
[比較例3]
原料に、ポリアミド12(アルケマ株式会社製、‘リルサミド(登録商標)’AESNO TL)10質量部、ポリマー(B)としてポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、G型‘ゴーセノール(登録商標)’GM−14、重量平均分子量29,000)7質量部、有機溶媒(C)としてN−メチル−2−ピロリドン83質量部を使用し、カーボンブラックを添加しなかった以外は実施例1と同様に微粒子化を行ったところ、数平均粒子径Dnが18μm、粒子径分布指数PDIが1.3、真球度Smが97%の白色のポリアミド微粒子を得た。なお、実施例1と同様に、耐圧試験管を用いた試験で、上記組成でのエマルション形成を確認した。
Figure 0006256487
[実施例4]
実施例1〜3の黒色ポリアミド微粒子と、比較例3の白色ポリアミド微粒子について、微粒子の帯電防止性を評価した。実施例1〜3の黒色ポリアミド微粒子は、いずれもポリエチレン製袋の内側にほとんど付着せず、袋上部の隅に微粒子が溜まることもなく、優れた帯電防止性を示した。比較例3の白色ポリアミド微粒子は、ポリエチレン製袋の内側に付着したり、袋上部の隅に微粒子が溜まったまま落ちてこなかったりし、帯電防止性が悪かった。
本発明の黒色ポリアミド微粒子は、特に粉末床溶融結合式積層造形法での使用に好適なものである。

Claims (10)

  1. カーボンブラックが内包されたポリアミド微粒子であって、数平均粒子径Dnが1〜200μmであり、かつ融点Tmと降温結晶化温度Tcの温度差ΔT(ΔT=Tm−Tc)が25℃以上であるポリアミド微粒子。
  2. 前記ポリアミド微粒子のポリアミドが、ポリアミド11またはポリアミド12であることを特徴とする請求項1記載のポリアミド微粒子。
  3. 粒子径分布指数PDIが1〜3であることを特徴とする請求項1または2記載のポリアミド微粒子。
  4. 真球度が80以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド微粒子。
  5. カーボンブラックの含有量が0超〜5質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミド微粒子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミド微粒子を含有する分散液。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミド微粒子を含む樹脂組成物。
  8. ポリアミドと、ポリアミドとは異なるポリマー(B)と、有機溶媒(C)とを溶解させたポリマー溶液と、カーボンブラックとを混合したときに、ポリアミドを主成分とし前記カーボンブラックが選択的に分配された溶液相と、ポリマー(B)を主成分とする溶液相の2相に相分離する系において、エマルションを形成させた後、ポリアミドの貧溶媒を接触させることにより、前記カーボンブラックが内包されたポリアミドを析出させるポリアミド微粒子の製造方法であって、得られるポリアミド微粒子の融点Tmと降温結晶化温度Tcの温度差ΔT(ΔT=Tm−Tc)が25℃以上であることを特徴とするポリアミド微粒子の製造方法。
  9. 前記ポリアミドが、ポリアミド11またはポリアミド12であることを特徴とする請求項8記載のポリアミド微粒子の製造方法。
  10. 前記カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量が200ml/100g以下であることを特徴とする請求項8または9記載のポリアミド微粒子の製造方法。
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