JP2794785B2 - 中空糸膜 - Google Patents

中空糸膜

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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/56Polyamides, e.g. polyester-amides

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  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、特に海水やかん水の淡水化、医薬品用とし
ての滅菌水及び電子工業に於ける超純水の製造、排水処
理、食品工業における食品の濃縮等を目的とした逆浸透
法、及び酸素と窒素、一酸化炭素と水素及びメタンと水
素、炭酸ガスの分離回収等のガス分離に適した中空糸膜
に関する。
(従来の技術) 海水やかん水の淡水化及び電子工業に於ける超純水の
製造等を行う手段として逆浸透法が知られ、それに用い
られる膜の形態は平膜または中空糸膜が一般的である。
前者は主として単一素材からなる非対称膜、または多
孔性支持体上に分離性能を有する活性層をコートした複
合膜の形態をとるのが一般的である。しかし、モジュー
ル容積当りの膜面積が小さいため、装置が大型化する欠
点がある。また、複合膜は複数の素材を組み合わせて用
いるため、透過生成水側に異物が混入し易い欠点をも有
する。
他方、後者の中空糸膜は単一素材からなる非対称膜の
形態をとるのが一般的である。中空糸膜はモジュール容
積当りの膜面積が大きい特徴があり、装置のコンパクト
化の面で非常に有利である。また、単一素材からなるた
め生成水を汚染することもなく、超純水分野等に好まし
い。このような中空繊維状非対称膜に求められる特性
は、所定の塩除去率及び透過量を有し、さらには膜の経
時変化が小さいことである。
逆浸透膜の運転操作圧は、操作温度、除去対象物の種
類及び量(濃度)等に依存するが、室温付近では、通常
10〜100kg/cm2の高圧下で使用される。膜の実用性を考
慮すると、高圧下で逆浸透性能変化が小さい、すなわち
膜のコンパクション(圧密化)が起こり難い(耐圧密性
に優れる)性質が要求される。このような耐圧密性は膜
素材はもちろんのこと、膜構造にも支配される。優れた
耐圧密性を有する中空糸膜の構造は膜素材により異な
り、一般的な法則はないのが現状である。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者らは、芳香族ポリアミン化合物と脂肪族ポリ
アミン化合物とを混合ポリアミン成分とし、芳香族ポリ
カルボン酸成分を酸成分としたコポリアミドが優れた逆
浸透性能を有することを見いだし、その一部についてす
でに特許出願した。(特開昭62−213807、62−244403、
62−244404) 本願発明は優れた塩除去率、透水性に更に優れた耐圧
密性を有する、前記コポリアミドを主成分とした中空糸
膜の提供を目的とするものである。
(課題を解決するための手段) すなわち、芳香族ポリアミン化合物と脂肪族ポリアミ
ン化合物とからなる混合ポリアミン成分に、芳香族ポリ
カルボン酸成分を実質的に等しくなるように反応させる
ことによって得られるコポリアミドを主成分とした中空
糸膜の構造が、最外層が厚さ20ミクロン以下の緻密層、
該緻密層以外の部分が主として孔径0.5ミクロン以下の
微孔からなるスポンジ層であり、膜部分(中空部を除い
た部分)の空隙率が40%以上80%以下であるとき、上記
目的が達成されることを見い出した。
上記コポリアミドの芳香族ポリアミン化合物として
は、o(オルト)−、m(メタ)−、p(パラ)−フェ
ニレンジアミン、1,3,5−フェニレントリアミン、2,4−
ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、o−,
p−トルエンジアミン、4−クロロ−1,2−フェニレンジ
アミン、クロロ−p−フェニレンジアミン、4,5−ジク
ロルフェニレンジアミン、3,3′−ジアミノジフェニル
メタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフェニル
メタン、4,4′−ジアミノ−3,3′,5,5′−テトラメチル
ジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3−エチルジフ
ェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジエチルジフ
ェニルメタン、4,4′−ジアミノ−5,5′,6,6′−テトラ
メチルジフェニルメタン、2,2′−ビス(3−アミノフ
ェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−アミノフェニ
ル)プロパン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,
4′−ジアミノジベンジル、4,4′−メチレンビス(2−
クロルアニリン)、4,4′−ジアミノ−ベンゾフェノ
ン、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、2,4′−ジア
ミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニル
エーテル、4,4′−ジアミノベンズアニリド、4,4′−ジ
アミノベンゼンスルホアニリド、3,3′−ジアミノジフ
ェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルスルフ
イド、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジ
アミノジフェニルスルホン、3,4′−ジアミノジフェニ
ルスルホン、3,3′−ジニトロ−4,4′−ジアミノジフェ
ニルスルホン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジヒドロキシ
ジフェニルアミン、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロ
キシジフェニルアミン、ビス[4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル]スルホン、1,3−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]プロパン、4,4′−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ジフェニル、2,2−ビス[4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフロロプロパン等が
挙げられる。
中空糸膜の耐熱性の点からは、4,4′−ジアミノ−ベ
ンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゼンスルホアニリ
ド、3,3′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジ
アミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェ
ニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、
3,4′−ジアミノジフェニルスルホン、ビス[4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,3−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等が挙げ
られ、さらに中空糸膜の耐塩素性の点からは、3,3′−
ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェ
ニルスルホン、3,4′−ジアミノジフェニルスルホン、
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホ
ン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ス
ルホンが好ましく、中でも、3,3′−ジアミノジフェニ
ルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,
4′−ジアミノジフェニルスルホンが、特に好ましい。
尚、上記の芳香族ジアミン化合物を2種類以上用いる場
合、いかなる場合で混合して用いることも可能である。
脂肪族ポリアミン化合物としては、エチレンジアミ
ン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
ヘキサメチレンジアミン、N,N′−ジメチルエチレンジ
アミン、ジアミノジエチレンジアミン等の脂肪族ポリア
ミン化合物、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、1,4
−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキ
サン等の脂環式ポリアミン化合物、ホモピペラジン、ピ
ペラジン、2−メチルピペラジン、t(トランス)−2,
5−ジメチルピペラジン、シス−2,5−ジメチルピペラジ
ン、2,6−ジメチルピペラジン、2,3,5−トリメチルピペ
ラジン、2,2,3,3,5,5,6,6−オクタメチルピペラジン、
2,2,5,5−テトラメチルピペラジン、2,2,3,5,5,6−ヘキ
サメチルピペラジン、2−エチルピペラジン、2,5−ジ
エチルピペラジン、2,3,5−トリエチルピペラジン、2,
2,3,5,5,6−ヘキサエチルピペラジン、2,3,5,6−テトラ
エチルピペラジン、2−プロピルピペラジン、2,6−ジ
プロピルピペラジン、2,3,5−トリプロピルピペラジ
ン、2,3,5,6−テトラ−n−プロピルピペラジン、2−
ブチルピペラジン、2,5−ジ−n−ブチルピペラジン、
2,5−ジ−tert−ブチルピペラジン、2,3,5−トリ−n−
ブチルピペラジン、2−ペンチルピペラジン、2−デシ
ルピペラジン、2,5−ジビニルピペラジン、2,5−ジフェ
ニルピペラジン、2−フェニルピペラジン、2,3,5,6−
テトラフェニルピペラジン、2−ナフチルピペラジン、
2,5−ジナフチルピペラジン、2−トリルピペラジン、
2,5−ジトリルピペラジン、2,3,5,6−テトラトリルピペ
ラジン、ジピペリジルプロパン等の脂肪族環状ポリアミ
ン化合物が挙げられる。中空糸膜の製造のしやすさか
ら、好ましいポリアミン系化合物はピペラジン、2−メ
チルピペラジン、及びt−2,5−ジメチルピペラジンで
ある。主として用いる脂肪族ポリアミン化合物は1種類
であるが、用途に応じて2種類以上混合して用いること
も可能である。
前記芳香族ポリアミン化合物と脂肪族ポリアミン化合
物との混合比は中空糸膜の膜性能、化学的性質及び物理
的性質に多大な影響を及ぼす。例えば、中空糸膜製造に
好適な非プロトン性溶媒すなわちアミド系溶媒に対する
溶解性の面から、共重合される脂肪族環状ジアミン化合
物の好ましい量は全アミン化合物量に対して5〜60モル
%で、特に好ましいのは、5〜40モル%である。60モル
%以上になるとコポリアミドのアミノ系溶媒に対する溶
解性が著しく減少し、中空糸膜の製造が困難となる。
本発明における芳香族ポリカルボン酸成分としては、
例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4′
−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ナフタリンジカルボ
ン酸、1,3−ナフタリンジカルボン酸、1,4−ナフタリン
ジカルボン酸、1,5−ナフタリンジカルボン酸、1,6−ナ
フタリンジカルボン酸、1,7−ナフタリンジカルボン
酸、1,8−ナフタリンジカルボン酸、2,3−ナフタリンジ
カルボン酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸、2,7−ナフ
タリンジカルボン酸、及びこれらの酸ハライド化合物
(塩化物、臭化物等)が挙げられる。
なかでも、中空糸膜の製造時に不可欠な要素である非
プロトン性アミド系溶媒に対する溶解性の点からは、イ
ソフタル酸ジクロリド及び/またはテレフタル酸ジクロ
リドが特に好ましい、上記の芳香族ポリカルボン酸成分
はいかなる割合で混合して用いることも可能である。
本発明での中空糸膜は、上記化合物類を原料としたコ
ポリアミドより製造されるが、中でも芳香族ポリアミン
化合物が3,3′−及び/または4,4′−ジアミノジフェニ
ルスルホン、脂肪族ポリアミン化合物がピペラジン、2
−メチルピペラジン及びトランス−2,5−ジメチルピペ
ラジンから少なくとも1種選ばれ、芳香族ポリカルボン
酸成分がイソフタル酸ジクロリド及び/またはテレフタ
ル酸ジクロリドから得られるコポリアミドに適合する。
前記化合物より得られるコポリアミドの中空糸膜は以
下の特徴を有する。
本発明で言う中空糸膜とは、中空部を有し、その断面
構造が内外で非対称であり、かつ膜としての機能すなわ
ち選択分離能を有する繊維または糸である。
中空糸膜の形状は成形(紡糸)時のノズル形状及び成
形条件に依存し、外形及び内形は円形、楕円形、三角
形、五角形、それ以上の多角形等が挙げられ、特に限定
しない。中空糸膜の機械的耐久性、特に耐圧密性の面か
ら、外形及び内形は共に円形が好ましい。外形の円形化
は比較的容易で、ノズル形状によってほぼ決定される。
他方、内形の円形化はノズル形状のみならず成形条件に
も大きく依存する。
中空糸膜の外径は用途に依存するので特に限定しない
が、逆浸透膜としての実用性を考慮すると、50ミクロン
以上400ミクロン以下が好ましい。
中空糸膜内に占める中空部の割合を示す中空率(内形
及び外形共に真円の場合には内径/外径比の自乗で表さ
れる)は膜の耐圧性に関係し、中空糸膜の用途に応じて
変化させる必要がある。例えば、20kg/cm2以上の高圧下
で使用する場合には5%以上35%以下が好ましい。5%
以下では透水性が著しく低下し、35%以上では耐圧性が
悪くなる。
中空部の断面形態は三角形、四角形、円形などが挙げ
られ特に限定しないが、耐圧性の付与の面からは円形に
近い方が好ましい。
本発明の中空糸膜は主として最外層の緻密層と該緻密
層を支える多孔層(スポンジ層)とからなる。本発明に
おける前記緻密層とは倍率10000倍の走差型電子顕微鏡
(SEM)観察において、孔径500オングストローム以上の
孔が観察されない部分を言う。SEMにおいては後述のス
ポンジ層とはその形態に歴然とした差がある。前記緻密
層の厚みは20ミクロン以下、好ましくは10ミクロン以下
である。また、スポンジ層とは主として孔径が0.5ミク
ロン以下の微孔の集合体である。中空糸の中空部側の内
表面の構造及び形態は紡糸条件に依存する。中空糸膜の
内表面を多孔化する目的で、中空部に非溶剤を含有させ
ながら紡糸(内液紡糸法)すれば、該内表面は一般的に
は多孔化する。
内液を用いない方法においては、透水性の面から好ま
しくないが、通常最外殻の緻密層よりも若干薄い緻密層
が現れる。その緻密層の厚さは通常0.3ミクロン以下で
ある。内液を用いない紡糸においても、紡糸ドープ組成
や紡糸条件により内表面が多孔化する場合もある。
中空糸内表面の多孔化現象はドープの主溶媒にN−メ
チル−2−ピロリドンとN,N−ジメチルアセトアミドと
の混合溶媒を使用したときに顕著であり、その孔径は約
0.1ミクロンで、約2ミクロン間隔で分布している。
以下、本発明の構造を有する中空糸膜は次に記す方法
で得ることができる。本発明の中空糸膜は前記コポリア
ミド/溶媒/非溶媒/金属塩からなるドープを所定のノ
ズルから所定の形態で押しだし、適当な凝固浴中で中空
糸膜を形成させる。紡糸用ドープ液に用いる前記コポリ
アミドの溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、2
−ピロリドン等のアミド系溶媒、及び1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン、ガンマ−ブチロラクトン、ジメ
チルスルホキシド、ポリエチレングリコール等が挙げら
れる。これらの溶媒を適当な割合で混合して用いたり、
他の溶媒と混合し用いることも可能であるが、溶解性の
面から、総溶媒量の50重量%以上はN−メチル−2−ピ
ロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリド
ン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒であ
ること成形上好ましい。非対称性及び逆浸透性能に優れ
た中空糸膜を得るには、N,N−ジメチルアセトアミドと
N−メチル−2−ピロリドンとの混合溶媒が特に好まし
い。
又、前記混合溶媒を用いた場合には、中空糸膜内表面
の多孔化が起こり、透水性の向上が見られる特徴もあ
る。
溶媒と共に微孔形成剤として前記コポリアミドの非溶
媒を適当量混合して用いる。好ましい非溶媒はグリセリ
ンの多量体であるポリグリセリン等またはその誘導体で
ある。該ポリグリセリンの数平均分子量は200以上1000
以下で、高塩除去率の逆浸透膜の生成には数平均分子量
250〜750のポリグリセリンが特に好ましい。分子量が10
00以上のポリグリセリンを非溶媒として用いると、ポリ
グリセリンが中空糸膜内に残存し、膜の可塑化、熱分解
等を促進し、膜の物性を低下するので好ましくない。
又、200以下の分子量では、生成する膜の逆浸透性能が
悪く実用的ではない。さらには、中空糸膜のスポンジ構
造が消滅し、膜の耐圧密性を低下される場合があるので
好ましくない。ポリグリセリンを単独で用いることが好
ましいが、数平均分子量の異なったポリグリセリンを2
種類以上混合して用いることも可能である。さらには、
使用ポリマーの貧溶媒とみなされるアルコールまたはグ
リコール系化合物と適当な割合で混合して用いることも
可能である。このとき、50重量%以上はポリグリセリン
またはその誘導体であることがスポンジ構造の発現及び
中空糸膜の非対称性の向上の面から好ましい。
本発明に係わる紡糸ドープ液の全体の組成は、用いる
コポリアミド及びポリグリセリンの種類及び重合度は勿
論のこと、目標とする膜の性能によっても異なる。紡糸
ドープ液中のコポリアミド量はコポリアミドの重合度に
依存するが、還元粘度0.5〜1.5のコポリアミドに関して
は、全体量に対して10〜50重量%が好ましく、さらには
30〜45重量%が特に好ましい。50%以上ではドープが高
粘度のため、10%以下では逆に低粘度のため中空糸膜の
製造が困難となる。
ポリグリセリン及び/またはその誘導体の量は、中空
糸膜性能の目標値に依存するが、海水の淡水化を目的と
するならば該コポリアミドに対して5〜50重量%、特に
10〜40重量%が好ましい。
ポリグリセリン及び/またはその誘導体が50%以上で
は、紡糸ドープ液内でコポリアミドが相分離して系が不
均一化しやすくなり、安定な紡糸ができない。尚、市販
されているポリグリセリン中には、約10%の水が含まれ
る場合があるが、水は中空糸膜のスポンジ構造の発現及
び非対称性に悪影響を与えないので、そのまま用いるこ
とが可能である。
微細かつ非対称性に優れたスポンジ構造の発現を目的
として、前記紡糸ドープ液中に前記アルカリ金属塩及び
前記アルカリ土類金属塩を添加することができる。アル
カリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の好ましい添加量は
金属塩の種類、主溶剤の種類及び目標とする膜性能に依
存するので、限定することはできないが、一般的にはコ
ポリアミド量の10%以下が好ましい。金属塩が無添加で
は均一なスポンジ構造が得られない。
アルカリ金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カ
リウムの塩化物、臭化物、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩等が
挙げられるが、溶解性及び高温溶液中の安定性の面から
は塩化物が好ましく、特に塩化リチウムが好ましい。ま
た、これらの金属塩の水和物、例えば塩化リチウム水和
塩を用いることも可能である。
アルカリ土類金属塩としては、マグネシウム、カルシ
ウム等の塩化物、臭化物、硝酸塩、酢酸塩等が挙げられ
るが、溶解性及び溶液の安定性の面から、それらの塩化
物、特に塩化マグネシウム、塩化カルシウムが好まし
い。また、これらの金属塩の水和物を用いることも可能
である。例えば、塩化マグネシウム六水和物、塩化カル
シウム二水和物、塩化カルシウム六水和物等が挙げられ
る。
また、前記アルカリ金属塩及び前記アルカリ土類金属
塩の溶解性の向上を、あるいは膜の多孔度調節を目的と
して、前記紡糸ドープ液中に適当量の水、例えば、0〜
10重量%の水を添加することも可能である。
紡糸ドープ溶液を作製する時の温度は室温以上200℃
以下で、80℃以上150℃以下が好ましい。又、溶解時の
雰囲気は窒素等の不活性ガスが好ましいが、その圧力は
特に限定しない。このとき溶解の促進のため、ドープ液
を攪はんすることが好ましい。
溶解攪はん時間は2時間以上16時間以内が好ましい。
特に150℃以上の高温ではコポリアミド及び溶媒の分解
が起こり易いので短時間に溶解する必要がある。また、
ドープ中に溶解した気体は生成中空糸膜の形態のみ成ら
ず、その逆浸透性能にも悪影響を与えるので、紡糸開始
前に減圧下でドープ液の脱泡を充分に行う必要がある。
以下に本発明の中空糸膜の一般的製造法について述べ
る。アミド系溶媒及びポリグリセリンの混合液体中にポ
リアミド及び必要に応じて金属塩を投入し、攪はんして
均一に混合された紡糸原液を調製する。ドープ液はアミ
ド系溶媒の沸点以下で調製をする。前記各成分の添加順
序は本質的には生成する膜の性能には影響を与えないの
で、特に限定されない。紡糸ドープ液中のポリアミド、
アミド系溶媒、ポリグリセリン及び金属塩の量比は中空
糸膜の目標性能に応じて変化させる必要がある。減圧下
で充分脱泡後、この紡糸原液を、適当な形状を有するノ
ズル(好ましい温度:60〜180℃)から、適当な雰囲気中
(例えば空気中)に押し出す。ノズルの温度は用いる溶
媒類の沸点以下が好ましく、特に60℃以上溶媒沸点より
20℃低い温度までの範囲が好ましい。特に、アーク型ノ
ズルを用いた紡糸の場合には、ノズル温度はアミド溶媒
の沸点より30℃以上低い方が、中空糸膜の形状の面から
好ましい。例えばジメチルアセトアミドが主溶媒の場合
には、60℃以上130℃以下が好ましい。60℃以下では優
れた逆浸透性能を有する中空糸膜を安定的に得ることが
困難である。また、130℃以上では中空断面に非接合部
が生じ易いばかりではなく、本発明で言う緻密層が20ミ
クロン以上になるので好ましくない。この点については
後述の実施例で詳述する。
ノズルの形状は特に限定するものではなく、例えば、
内液を用いないアーク型ノズル(エアーギャップ方
式)、内液を用いる2重管ノズル(チューブイン方式)
等が挙げられ、その形状も様々である。チューブイン方
式における内液としては、紡糸時のノズル温度より高い
沸点を有する液体でかつ使用コポリアミドの非溶媒なら
ば如何なるものも使用可能であり、中でもエチレングリ
コール、グリセリン等の高沸点高級アルコール系化合物
またはそれと親和性に富むN,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒との
混合液体が好ましい。両方式において、紡糸ドープ液を
押し出す雰囲気は空気が一般的であるが、窒素、ヘリウ
ム、アルゴン等の不活性ガスを用いることも可能であ
る。該雰囲気中にアルコール系またはグリコール系化合
物の蒸気や水蒸気を混入させたり、該雰囲気を室温以上
の温度で加熱して、中空糸膜の構造及び逆浸透性能をコ
ントロールすることも可能である。好ましい雰囲気温度
は前記溶媒の種類により異なるが、溶媒の沸点以上の温
度に加熱することは膜性能の低下を来し好ましくない。
一般的には、40〜120℃が好ましい。ドープ液を前記雰
囲気内中に通過させたのち、前記ポリアミドの貪溶媒、
非溶媒から主としてなる液体中(これを凝固浴と称
す)、例えば、水及び/またはアルコール系化合物また
はアミド系溶媒等の有機化合物の水溶液中に浸漬させ、
中空糸膜の固化及び性能発現を促進する。又、水/ポリ
グリセリン/アミド系溶媒のごとき3成分からなる凝固
浴を用いることも可能である。
ノズルから凝固浴液面までの距離(これをエアーギャ
ップ長と称する)、凝固浴の温度は中空糸膜の構造及び
逆浸透性能に大きな影響を及ぼす。これらエアーギャッ
プ長、凝固浴の温度等は使用する溶媒、ポリグリセリン
の種類及び量等によって異なるので、特に限定しない
が、エアーギャップ長は15cm以下が、緻密層の薄化に好
ましい。また、凝固浴の温度は用いる浴種により異なる
が、一般的には、0℃から40℃の範囲が逆浸透性能の発
現の面から好ましい。例えば、主として水を凝固浴成分
にするときは0℃から15℃の範囲が好ましい。
続いて水による洗浄または長時間の水中への浸漬によ
り、中空糸膜中に残存する溶媒及びポリグリセリン類を
除去することが、膜の耐圧密性及び機械的強度の向上の
面から好ましい。このときの水温は0℃から40℃が好ま
しい。さらに、中空糸膜を水またはメタノール、エタノ
ール等の有機化合物または塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等の無機化合物
の水溶液中で加熱処理し、膜の逆浸透性能及び耐久性を
向上させることも可能である。このときの温度は30〜10
0℃が好ましく、その時間は温度に依存する。例えば、3
0〜50℃なる低温時には12時間以上、100℃付近の高温時
には30分ぐらいの短時間が好ましい。この様にして得ら
れた中空糸膜を所定の方法でモジュール化し、種種の用
途に用いることができる。
次に、本発明を以下の実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明は実施例により限定されるものではない。
以下の実施例中に記したコポリアミドの還元粘度及び
中空糸膜の分離性能、耐圧密性の評価及び構造観察は、
以下の方法によった。
還元粘度の測定 以下の条件下で測定した。
溶 媒; N−メチル−2−ピロリドン(三菱化成(株) 製) 溶液濃度:0.5gポリマー/dl溶媒 測定温度;30℃ 粘度管 :ウベローデ粘度管 中空糸膜性能の測定 通常のミニモジュール評価装置を用いて、以下の中圧
及び高圧条件下で逆浸透性能測定実験を行った。
−中圧条件− 供給液 :0.15%の食塩水 供給圧力:30kg/cm2 回収率 :5%以下 −高圧条件− 供給液 :3.5%の食塩水 供給圧力:55kg/cm2 回収率 :5%以下 透水速度は測定開始1時間後10分間の透過液量より、
塩除去率は供給液及び透過液中の食塩濃度より、次式に
従って求めた。食塩濃度は電導度計により求めた。
耐圧密性評価 中空糸膜を70℃の温水中で20分間熱処理を行った後、
中空糸膜の高圧性能測定に供した。上記の高圧条件下で
の逆浸透性能測定において、測定開始1時間後の透水速
度をFR1,2時間後の透水速度をFR2としたとき、FR2とFR1
との比(FR2/FR1)をもって、膜の耐圧密性を評価し
た。すなわち、その値が1に近いほど、膜の耐圧密性は
優れることを意味し、膜の実用性を考慮すると0.975以
上が必要である。
中空糸膜断面の観察 日立製作所(株)製走査型電子顕微鏡(S−800)を
用いて、約40℃の温風乾燥機中で一昼夜乾燥した中空糸
膜の断面観察を行った。10000倍以上の写真観察より、
中空糸膜の緻密層の厚さ及びスポンジ層の孔径を測定し
た。本発明で言う緻密層とは10000倍の電子顕微鏡観察
において、500オングストローム以上の孔が実質的に存
在しない部分を、スポンジ層とは主として直径500オン
グストローム以上5000オングストローム以下の孔からな
る部分を言う。
空隙率の測定 本発明の中空糸膜を長さ1cm以下にみじん切りし、そ
の約1gを純水中に一昼夜浸漬放置する。所定時間経過
後、該中空糸膜を取り出し綿製の布につつみ、所定時間
遠心脱水を行う。脱水された中空糸膜の重量を精秤する
(この重さをWHとする)。続いて110℃の温風乾燥機に
一昼夜放置したのち、再度中空糸膜の重量を測定する
(この重さをWOとする)。以下の式に従い、中空糸膜の
空隙率(HW)を求める。
HW=(WH−WO)/WH×100 (実施例) 実施例1 ポリ(イソフタロイル−4,4′−ジアミノジェニルスル
ホン/ピペラジン(80/20))共重合体の合成及び中空
糸膜の製造 無水ピペラジン53.75kg(62.4mol)、4,4′−ジアミ
ノジフェニルスルホン61.97g(249.6mol)を窒素導入
管、温度計、攪はん機を備えた500の反応器に窒素気
流下で投入する。続いて、反応器中に、酸捕捉剤として
ピリジン50kg(624mol)、反応溶媒としてN−メチルピ
ロリドン(NMP)470を加え、充分攪はんし均一溶液と
する。該溶液を約5℃まで冷却した後、該溶液中にイソ
フタル酸ジクロリド(IPC)63.342kg(312mol)を投入
し、重縮合反応を開始した。冷却下で約30分間、さらに
室温下で約30分間攪はんした。
反応終了後、反応溶液を1000の水中に投入し、ポリ
マーを沈澱析出させる。次いで、生成ポリマーの細粉
化、純水による純粋物の洗浄を4回繰り返し、ポリマー
中の未反応物及び溶媒類の除去をおこなった。
最後に、ポリマーの乾燥を約80〜100℃の熱風で約48
時間乾燥した後、以下の中空糸膜の製造に供した。得ら
れたポリマーの収率はほぼ100%で、その還元粘度(ηs
p/C)は1.15であった。中空糸膜は以下の方法で作製し
た。
上記で合成したポリアミド(34重量部)、N,N−ジメ
チルアセトアミド(61.32重量部)、無水ポリグリセリ
ン(数平均分子量=480,3.4重量部)、塩化カルシウム
6水和物(2.53重量部)からなる紡糸原液を、アーク型
ノズル(温度:130℃)から吐出し、約10℃の水中に導
き、外径約170ミクロン、中空率約15%の中空糸膜を得
た。さらに膜中に残留する溶媒およびポリグリセリンの
除去を目的として、中空糸膜を水中に一昼夜浸せきし
た。前記の方法で該中空糸膜の断面観察を行ったとこ
ろ、図.1の結果を得た。得られた中空糸膜の緻密層の厚
さは0.3ミクロン、その内側のスポンジ層を形成する孔
の直径は0.3ミクロン以下であった。
また中空糸膜の空隙率は65%であった。さらに、得ら
れた中空糸膜をモジュール化し、中圧条件及び高圧条件
下で逆浸透性能及び耐圧密性を測定したところ、表.1の
結果を得た。本発明で得られ中空糸膜は、比較例1に示
した他の添加剤より得られた中空糸膜とは異なった微細
構造を示し、そのため優れた透水性能及び塩除去率のみ
ならず、優れた耐圧密性をも示した。
実施例2 実施例1において、溶媒N,N−ジメチルアセトアミド
の代わりにN,N−ジメチルアセトアミドとN−メチル−
2−ピロリドンとの混合溶媒(混合重量比=9/1)を用
いた以外は、実施例1と全く同様にして中空糸膜の製造
を行った。
得られた中空糸膜の断面観察結果は図.1とほぼ同様で
あった。
得られた膜の緻密層の厚さは0.5ミクロン、スポンジ
層の平均孔径は0.5ミクロン以下であり、中空部の内表
面には直径約0.1ミクロンの孔が均一に分散している。
すなわち、膜の内側では水の透過抵抗が非常に小さくな
っている。本膜の逆浸透性能は表.1のごとくであり、高
塩除去率及び高透水性を示すのみ成らず、優れた耐圧性
をも示した。
実施例3 ポリ(テレフタロイル−4,4′−ジアミノジフェニルス
ルホン/ピペラジン(70/30))共重合体の合成および
中空糸膜の製造 実施例1において無水ピペラジンを8.062kg(93.6mo
l)、4,4′−ジアミノジフェニルスルホンを54.23kg(2
18.4mol)及びイソフタル酸ジクロリドの代わりにテレ
フタル酸ジクロリドを用いた以外は実施例1と全く同様
にしてコポリアミドの製造を行い、以下の中空糸膜の製
造に供した。得られたポリマーの収率及び還元粘度はそ
れぞれ、99%および0.79であった。
上記で合成したポリアミド(37重量部)、N,N−ジメ
チルアセトアミド(57.11重量部)、N−メチル−2−
ピロリドン(5.79重量部)、無水ポリグリセリン(数平
均分子量=480,3.7重量部)、塩化カルシウム6水和物
(2.75重量部)からなる紡糸原液を用いて、実施例1と
同様にして本発明の中空糸膜を得た。前記の方法で該中
空糸膜の断面観察を行ったところ、図.2の結果を得た。
最外殻の緻密層の厚さは7ミクロン、その内側のスポン
ジ層の孔径は0.3ミクロン以下であった。また中空糸膜
の空隙率は64%であった。さらに、得られた中空糸膜を
モジュール化し、中圧条件下及び高圧条件下で逆浸透性
能を測定したところ、表.1の結果を得た。本発明で得ら
れた中空糸膜は、優れた透水性能及び塩除去率のみなら
ず、優れた耐圧性をも示した。
実施例4 実施例3において、コポリアミド/N,N−ジメチルアセ
トアミド/N−メチル−2−ピロリドン/無水ポリグリセ
リン(数平均分子量=480)/塩化カルシウム6水和物
の量比を35/54.9/6.1/2.61とした以外は、実施例3と全
く同様にして中空糸膜を得た。
本中空糸膜の構造は図.2とほぼ同様で、緻密層の厚さ
は5ミクロンで、その内側断面の90%以上が孔径0.2ミ
クロン以下の孔からなるスポンジ層であった。本膜の中
圧及び高圧条件下の逆浸透性能は表.1のごとくで、透水
性、塩除去性及び耐圧性に非常に優れている。
実施例5 実施例4の中空糸膜製造条件において、ノズル温度と
エアーギャップ長変化させて、得られた中空糸膜の緻密
層の厚さを測定したところ、図.4の結果を得た。このよ
うに、ノズル温度及びエアーギャップ長は該緻密層の厚
さに影響し、本条件下で本発明の中空糸膜を得るにはノ
ズル温度を85〜140度及びエアーギャップ長を15cm以下
にすることが好ましい。また、図.5に示したごとく、コ
ポリアミドの濃度も緻密層の厚さに影響を与え、コポリ
アミド濃度が高濃度になるに従い緻密層の厚さは増加す
る。
比較例1 実施例1において、溶媒N,N−ジメチルアセトアミド
に代わりに2−ピロリドンを用い、コポリアミド/2−ピ
ロリドン/ポリグリセリン(量比=38/58.2/3.8)の紡
糸ドープを調製し、ノズルからの押しだし温度を約180
℃とした以外は、実施例1と全く同様にして中空糸膜を
得た。前記の方法で中空糸膜の断面観察を行ったとこ
ろ、図.3に示したごとく、上記実施例で観察されたよう
なスポンジ構造は見られず、そのほとんどが微粒子集合
体のごとき緻密層構造である。本膜の中圧及び高圧条件
下の逆浸透性能は表.1のごとくで、透水性、塩除去性及
び耐圧性に劣り、実用的な膜とはいい難い。
(発明の効果) 本発明による中空糸膜は、実用的な逆浸透性能、すな
わち高塩除去率及び高透水性及び優れた耐圧密性を有す
る。
【図面の簡単な説明】
実施例1,3及び比較例1で得られた中空糸膜の断面観察
結果を第1図、第2図及び第3図に示した。第4図及び
第5図は中空糸膜の緻密層の厚さに及ぼすドープ中のポ
リマー濃度の影響及びエヤーギャップ長の影響を示した
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D01F 6/60 371 D01F 6/60 371Z 6/80 311 6/80 311

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ポリアミン化合物と脂肪族ポリアミ
    ン化合物とからなる混合ポリアミン成分に、芳香族ポリ
    カルボン酸成分を反応させることによって得られるコポ
    リアミドを主成分とする中空糸膜であって、最外層が厚
    さ20ミクロン(μm)以下の緻密層、該緻密層以外の部
    分が主として孔径0.5ミクロン(μm)以下の微孔から
    なる多孔質スポンジ層であり、膜部分(中空部を除いた
    部分)の空隙率が40%以上80%以下であることを特徴と
    する中空糸膜。 (該緻密層とは、孔径500オングストローム(Å)以上
    の孔が観察されない部位で、主として均質層及び/また
    は微粒子集合体構造である。スポンジ層とは主として孔
    径が0.5ミクロン(μm)以下の微孔の集合体構造から
    なる部位である。)
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