JP2701357B2 - 製膜用キャスティングドープ液 - Google Patents

製膜用キャスティングドープ液

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JP2701357B2 JP21722288A JP21722288A JP2701357B2 JP 2701357 B2 JP2701357 B2 JP 2701357B2 JP 21722288 A JP21722288 A JP 21722288A JP 21722288 A JP21722288 A JP 21722288A JP 2701357 B2 JP2701357 B2 JP 2701357B2
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    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、海水の淡水化やかん水の淡水化を目的とし
た逆浸透法や、無機化合物、有機化合物、高分子化合物
及び微生物等の除去を目的とした限外濾過法及び精密濾
過法等に用いられる非対称膜の製造に適した製膜用キャ
スティングドープ液に関するものである。
(従来の技術) 従来より、海水の淡水化やかん水の淡水化を行う手段
として、逆浸透法、限外濾過法、精密濾過法及び透析法
等が知られている。
ところで、これら種々の膜分離法に使用される非対称
膜は、一般には以下のようにして製造されている。
まず、樹脂が溶媒に溶解されたキャスティングドープ
液からフィルム状または中空状にキャスティングし、そ
のドープ液中の溶媒の一部を加熱または風乾等により除
去した後、残留したキャスティング溶媒を置換するた
め、このものを水等の非溶媒で処理することにより、平
膜または中空糸膜を得るものである。
そして、このようにして得られた非対称膜に求められ
る特性は、所定の塩除去率と透過量とを有し、さらに膜
の経時変化が小さい等である。特に逆浸透膜は高圧下で
使用されるため、高圧下で逆浸透膜のコンパクションが
起こり難い(耐圧密性に優れる)必要がある。
従来、このような非対称膜の物理的特性及び化学的特
性を改善するため、キャスティングドープ液中に種々の
有機化合物又は無機化合物を添加することが提案されて
いる。例えば、特開昭60−232209号公報には、スルホン
化された全芳香族ポリアミドから高い塩除去率及び高い
透水性を有する非対称膜を作成する技術が提案されてお
り、ここで用いられているキャスティングドープ液の組
成は、ジメチルアセトアミドと、塩化マグネシウムと、
水とを含有するものである。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者らは、先に、逆浸透性能に優れかつ耐塩素性
に優れた膜素材、すなわちジアミノジフェニルスルホン
及びピペラジン系化合物をジアミン成分としたポリアミ
ドの選択透過製膜ついて特許出願した。この素材を用い
て優れた逆浸透性能、耐圧密性及び機械的強度を有する
非対称性平膜及び中空糸膜を得るために、上記公報に記
載された方法を非対称膜の製造に適用したところ、塩化
マグネシウムがアミド系溶媒に難溶性であるため、実用
的な非対称膜の製造が困難であることがわかった。ま
た、本発明者らは、塩化リチュウム、塩化カルシウム等
とアミド系溶媒を含有するキャスティングドープ液を該
ポリアミドの製膜に適用したが、高塩除去率、高透水性
に優れた実用的な膜は得られなかった。
本発明は上記の実情に着目してなされたものであり、
その目的とするところは、高い塩除去率及び高い透水性
を有し、実用的な非対称膜の製造が可能となる製膜用キ
ャスティングドープ液を提供するにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記したポリアミドから逆浸透性能、
耐圧性及び機械的性質に優れた選択透過性非対称膜を製
造する方法、特にキャスティングドープ液組成について
鋭意検討した結果、該液組成として、アミド系溶媒に特
定の有機化合物を添加した混合液を用いることにより、
実用的な非対称膜の製造が可能となることを見いだし、
本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の製膜用キャスティングドープ液
は、ジアミン成分として芳香族ジアミン化合物を50モル
%以上含むポリアミドと、アミド系溶媒と、ポリグリセ
リン及び/又はその誘導体と、を含有しており、そのこ
とにより上記目的が達成される。
上記芳香族系ジアミン化合物を50モル%以上含むポリ
アミドは、下記一般式(1)及び(2)で表される構成
単位から主としてなり、かつ構成単位(1)と(2)と
のモル比が50/50〜100/0である。
(ただし、Rは炭素原子数6〜15の二価芳香族性基、Y
は二価の有機性基を示す。また、R1、R2、R5、R6、R7
R8、R9、R10、R11、R12は水素原子または炭素原子数1
〜12の炭化水素基を、R3、R4は一価の有機性基を示す。
n1、n2は0または1〜3の自然数を示す。) 上式において、構成単位(1)のR1、R2は主として水
素原子、Yは−CH2−、−C(CH3−、−CH2CH2−、
−CH=CH−、−NH−、−N(CH3)−、−NHCO−、−O
−、−CO−、−SO2−、−SO−、−S−、−SO2NH−、 等である。
本発明では、特に構成単位(1)中のジアミン成分が
ジアミノフェニルスルホン、構成単位(2)中のジアミ
ン成分がピペラジン、2−メチルピペラジン、及びトラ
ンス−2,5−ジメチルピペラジンから選ばれる少なくと
も一種、Rがメタフェニレン基(1,3−位置換体)及び
/またはパラフェニレン基(1,4−位置換体)であるポ
リアミドを用いるのが好ましい。
本発明のキャスティングドープ液に用いられる該ポリ
アミドの溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の
アミド系溶媒が挙げられる。優れた耐圧密性、かつ高い
透水性及び塩除去率を示す逆浸透膜を得るためには、N,
N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ンが特に好ましい。これらの主溶媒を混合して用いた
り、ジメチルスルホキシド等の他の溶媒と混合して用い
ることも可能であるが、アミド系溶媒は50重量%以上含
まれることが必要である。
本発明で使用し得るポリグリセリンの分子量は200以
上1000以下が好ましく、高塩除去率の逆浸透膜を生成す
るためには平均分子量が250〜750のポリグリセリンが好
ましい。分子量が1000以上のポリグリセリンを使用した
場合には、このポリグリセリンが生成する膜中に残存
し、膜の可塑化及び熱分解等を促進して膜の物性を低下
させるので好ましくない。本発明では同種のポリグリセ
リンを単独で用いることが好ましいが、数平均分子量の
異なっポリグリセリンを2種類以上混合して用いること
も可能である。さらには、上記したポリアミドの貧溶媒
であるアルコールまたはグリコール系化合物等と適当な
割合で混合して用いることも可能である。このとき、50
重量%以上はポリグリセリンまたはその誘導体が含まれ
ることが好ましい。
本発明に係るキャスティングドープ液の組成は、用い
るポリアミド及びポリグリセリンの種類及び重合度は持
ち論のこと、目標とする膜の性能によっても異なる。キ
ャスティングドープ液中のポリアミドの含有量は全体量
に対して10〜60重量%が好ましく、さらに好ましくは20
〜50重量%である。ポリアミドの含有量が60重量%を越
えると、ドープ液が高粘度となるため製膜が困難とな
り、またポリアミドの含有量が10重量%未満では逆にド
ープ液が低粘度となるため製膜が困難となる。ポリグリ
セリン及び/またはその誘導体の含有量は、膜性能の目
標値に依存するが、該ポリアミドに対して5〜50重量
%、特に20〜40重量%が好ましい。ポリグリセリン及び
/またはその誘導体の含有量が50重量%を超える場合に
は、キャスティングドープ液の不均一化により、製膜が
困難となるので好ましくない。ポリグリセリン及び/ま
たはその誘導体の含有量が5重量%未満では、その添加
効果が小さい。なお、市販されているポリグリセリン中
には、約10%の水が含まれる場合があるが、そのまま用
いることも可能であり、高い塩除去率を有する膜を得る
場合には市販品のポリグリセリンを脱水して用いること
が好ましい。
本発明ではさらにアルカリ金属塩及び該アルカリ土類
金属塩を添加することができる。このアルカリ金属塩及
び該アルカリ土類金属塩の好ましい添加量は、金属塩の
種類及び目標とする膜性能に依存するので、限定するも
のではない。
アルカリ金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カ
リウムの塩化物、臭化物、硝酸塩等が挙げられ、溶解性
の面からは塩化物が好ましく、特に塩化リチウムが好ま
しい。また、これらの金属塩の水和物を用いることも可
能である。アルカリ土類金属塩としては、マグネシウ
ム、カルシウムの塩化物、臭化物、硝酸塩、酢酸塩等が
挙げられ、溶解性の面からは塩化物が好ましく、特に塩
化マグネシウム、塩化カルシウムが好ましい。また、こ
れらの金属塩の水和物を用いることも可能であり、それ
には例えば、塩化マグネシウム六水和物、塩化カルシウ
ム二水和物、塩化カルシウム六水和物等が挙げられる。
また、本発明のキャスティングドープ液には、該アル
カリ金属塩及び該アルカリ土類金属塩の溶解性を向上さ
せるため、あるいは膜の多孔度調節を目的として、適当
量の水、例えば、0〜10重量%の水を添加することも可
能である。
該キャスティングドープ液を作成する時の温度は室温
以上200℃以下で、特に100℃以上160℃以下が好まし
い。また溶解時の雰囲気は窒素等の不活性ガスが好まし
く、雰囲気の圧力は特に限定しない。このとき溶解の促
進のためドープ液を撹拌することが好ましい。
次に、本発明のキャスティングドープ液を用いた製膜
法の一例(中空糸膜の製造法)について述べる。
適当量の前記ポリアミド系溶媒及びポリグリセリンの
混合液体中に前記ポリアミド及び必要に応じて金属塩を
投入し、撹拌して均一に混合されたキャスティングドー
プ液を調製する。ドープ液は該アミド系溶媒の沸点以下
で調製する。前記各成分の添加順序は本質的には生成す
る膜の性能には影響を与えないので、特に限定されな
い。ドープ液中の該ポリアミド、該アミド系溶媒、該ポ
リグリセリン及び該金属塩の量比は、中空糸膜の目標性
能に応じて変化させる必要がある。このドープ液を、適
当な形状を有するノズル(好ましい温度:80〜180℃)か
ら、適当な雰囲気中(例えば空気中)に押し出す。紡糸
ノズルの温度は用いる溶媒類の沸点以下が好ましく、特
に80℃以上、該溶媒の沸点より20℃低い温度までの範囲
が好ましい。ノズルの形状は特に限定するものではな
く、例えば、内液を用いないアーク型ノズル(エアーギ
ャップ方式)、内液を用いる2重管ノズル(チューブイ
ン方式)等を用いることができる。内液として、ノズル
温度より高い沸点を有する液体ならば使用可能であり、
特にエチレングリコール、グリセリン等の高沸点アルコ
ール系化合物又はそれと親和性に富むN,N−ジメチルア
セトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系
溶媒との混合液体が好ましい。
該両方式において、本発明のドープ液を押し出す雰囲
気は空気が一般的であるが、窒素、ヘリウム、アルゴン
等の不活性ガスを用いることも可能である。該雰囲気中
にアルコール系またはグリコール系化合物の蒸気や水蒸
気を混入させたり、該雰囲気を室温以上の温度で加熱し
て、中空糸膜の性能をコントロールすることも可能であ
る。好ましい雰囲気温度は溶媒の種類により異なるが、
該溶媒の沸点以上の温度に加熱することは膜性能の低下
を来し、好ましくない。一般的には40〜120℃が好まし
い。該ドープ液を該雰囲気中に通過させた後、該ポリア
ミドの貧溶媒から主としてなる液体中(これを凝固浴と
称す)、例えば、水及び/またはアルコール系化合物、
または該アミド系溶媒等の有機化合物の水溶液中に浸漬
させ、中空糸膜の固化及び性能発現を促進する。また、
水/ポリグリセリン/アミド系溶媒のように3成分から
なる凝固浴を用いることも可能である。ノズルから凝固
浴液面までの距離、凝固浴の組成及び温度は中空糸膜の
性能に大きな影響を及ぼす。これらノズルから凝固浴液
面までの距離、凝固浴の組成及び温度等は、使用する溶
媒、ポリグリセリンの種類及び量等によって異なるの
で、特に限定しない。
得られた中空糸膜を長時間水中に浸漬することが、膜
中に残存する溶媒及びポリグリセリン類を除去すること
ができるので、膜の耐圧密性及び機械的強度を向上する
点で好ましい。このときの水温は0℃から40℃が好まし
い。さらに、該中空糸膜を水、又は有機化合物と水との
混合液中で加熱処理することにより、膜の性能及び耐久
性を向上させることも可能である。このときの温度は30
〜100℃が好ましく、その時間は温度に依存する。例え
ば、30〜50℃なる低温時では12時間以上、100℃付近の
高温時では30分程度の短時間処理するのが好ましい。こ
のようにして得られた中空糸膜を所定の方法でモジュー
ル化し、種々の用途に用いることができる。
なお、本発明に係るキャスティングドープ液を、アミ
ド系溶媒に溶解しない多孔質性膜上に塗布し、前記と同
様な膜性能の発現工程を経て、多孔質性膜上に非対称膜
を形成することも可能である。このときの形態は平膜
状、中空糸膜状いずれも可能である。このとき用いられ
る多孔質膜の素材としては、例えば、ポリエチレン、ポ
リスルホン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミ
ド等の有機性高分子化合物や、シリカゲル、アルミナ、
シリカアルミナ、ゼオライト等の無機化合物が適当であ
る。このコーティング法及び塗布膜の厚さは限定しな
い。
(作用) 本発明のキャスティングドープ液、すなわちアミド系
溶媒と、ポリグリセリンとを主成分とし、必要に応じて
添加されるアルカリまたはアルカリ土類金属塩を含む混
合液体中に溶解したポリアミド液は、高い塩除去率及び
透水性を示し、逆浸透膜の形成に好適である。特に、上
記キャスティングドープ液に、アルカリまたはアルカリ
土類金属塩を含有させることにより、機械的強度及び水
中下での耐圧密性に優れた逆浸透膜を形成することがで
きる。
次に、本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明は本実施例により限定されるものではな
い。
(実施例) 以下の実施例中に記したポリアミドの還元粘度及び中
空糸膜の分離性能、機械的性質の測定及び構造観察は、
以下の方法によった。
(1)還元粘度の測定 以下の条件下で測定した。
溶媒;N−メチル−2−ピロリドン(三菱化成(株)
製) 溶液濃度:0.5g/dl 測定濃度;30℃ 粘度管:ウベローデ粘度管 (2)中空糸膜性能の測定 通常のミニモジュール評価装置を用いて、以下の条件
下で性能測定実験を行った。
供給液:3.5%の食塩水 供給圧力:55kg/cm2 回収率:5%以下 透水量は測定開始1時間後の透過量より、塩除去率は
供給液及び透過液中の食塩濃度より、次式に従って求め
た。
(3)耐圧密性評価 上記の逆浸透性能測定において、測定開始1時間後の
透水量をFR1、2時間後の透水量をFR2としたとき、FR2
とFR1との比をもって、膜の耐圧密性を評価した。すな
わち、該値が1に近いほど、その膜は耐圧密性に優れる
ことを意味する。
(4)降伏強度の測定 インストロンを用いて以下の条件下で各中空糸膜の降
伏強度の測定を行った。
測定温度:室温 測定雰囲気:水中 引ッ張り速度:5cm/min(試料長5cm) 荷重:100g/cm2 測定回数:5回 (5)中空糸膜断面の観察 日立製作所(株)製 走査型電子顕微鏡(S−800)
を用いて、約40度の温風乾燥機中で一昼夜乾燥した中空
糸膜の断面観察を行った。それより、中空糸膜の内表面
に近いところのスポンジ層の平均孔径を求めた。
実施例1 <ポリ(イソフタロイル−4,4′−ジアミノジフェニル
スルホン/ピペラジン(80/20))共重合体の合成> 無水ピペラジン1.72g(0.02mol)、4,4′−ジアミノ
ジフェニルスルホン19.8g(0.08mol)を窒素導入管、温
度計、撹拌機を備えた500mlの4つ口フラスコ中に、窒
素気流下で入れた。さらに、この系中に酸捕捉剤として
ピリジン16ml(0.2mol)、反応溶媒としてN−メチル−
2−ピロリドン(NMP)200mlを加え均一溶液とした。
反応系全体を氷冷しながら、イソフタル酸ジクロリド
(IPC)20.48g(0.10mol)を添加した。氷冷下で約30分
間、さらに室温下で約1時間、反応系の撹拌を行なっ
た。反応終了後、反応溶液をメタノール1500ml中に投入
し、ポリマーを沈澱析出させた。次いで、家庭用ミキサ
ーによる生成ポリマーの細粉化、粉砕物の濾過、さらに
水による洗浄の一連の精製工程を数回繰り返し、ポリマ
ー中の未反応物及び溶媒類の除去を行った。
最後に、ポリマーを約130℃真空下で約48時間乾燥を
行い、以下の中空糸膜の製造に供した。得られたポリマ
ーの収率は92%で、還元粘度(ηsp/C)は1.15であっ
た。
<中空糸膜の作成> 上記で合成したポリアミド40重量部、N−メチル−2
−ピロリドン52重量部、無水ポリグリセリン8重量部
(阪本薬品(株)製、PGL#500、数平均分子量=約48
0、水酸基価=970)を均一に溶解混合してキャスティン
グドープ液を調製した。
このドープ液を、アーク型ノズル(温度:130℃)から
吐き出し、25℃の水中に導き、外径約170ミクロン、中
空率約15%の中空糸膜を得た。さらに中空糸膜を長時間
水中に浸漬することにより、中空糸膜中に残留する溶媒
およびポリグリセリンの除去を行った。得られた中空糸
膜をモジュール化し、高圧下で膜特性を測定したとこ
ろ、表1に示す結果を得た。後述する比較例1〜3に示
した他の添加剤に比べてポリグリセリンは高塩除去率及
び高透水性の膜を与えることが確認された。
実施例2 実施例1において、無水PGL#500の代わりに、約10%
の水を含むPGL#500を用いた以外は、実施例1と全く同
様にして中空糸膜を作成した。得られた中空糸膜の高圧
下での膜特性は表1に示す通りであり、高透水性を示し
た。
実施例3〜5 実施例1において、PGL#500の添加量を、ポリアミド
に対して0.1倍量、0.15倍量、0.3倍量に変化させ、それ
に伴って溶媒量を変化させた以外は、実施例1と全く同
様にして中空糸膜を作成した。得られた中空糸膜の高圧
下での膜特性は表1に示す通りであり、高塩除去率及び
高透水性を示した。
実施例6及び7 実施例1において、無水PGL#500の代わりに、約10%
含水ポリグリセリンPGL#300(阪本薬品(株)製、数平
均分子量=280、水酸基価=1070)を用い、その添加量
をポリアミドに対して0.15倍量、0.2倍量に変化させ、
それに伴って溶媒量を変化させた以外は、実施例1と全
く同様にして中空糸膜を作成した。得られた中空糸膜の
高圧下での膜特性は表1に示す通りであり、高塩除去率
及び高透水性を示した。
実施例8及び9 実施例1において、無水PGL#500の代わりに、約10%
含水ポリグリセリンPGL#700(阪本薬品(株)製、数平
均分子量=700、水酸基価=890)を用い、その添加量
を、ポリアミドに対して0.15倍量、0.2倍量に変化さ
せ、それに伴って溶媒量を変化させた以外は、実施例1
と全く同様にして中空糸膜を作成した。得られた中空糸
膜の高圧下での膜特性は表1に示す通りであり、高塩除
去率及び高透水性を示した。
比較例1〜3 実施例1において、無水PGL#500の代わりに、エチレ
ングリコール(EG)、ヘキサメチレングリコール(HM
G)、ネオペンチルグリコール(NPG)を表1に示す割合
で用いた以外は、実施例1と全く同様にして中空糸膜を
作成した。得られた中空糸膜の高圧下での膜特性は表1
に示す通りであり、高塩除去率及び高透水性において劣
っていた。
実施例10〜13 実施例1において、溶媒をN−メチル−2−ピロリド
ンからDMACに代え、無水PGL#500の添加量をポリアミド
に対して0.1倍量、0.2倍量、0.3倍量、0.4倍量に変化さ
せ、それに伴ってポリアミドの量を変化させた以外は、
実施例1と全く同様にして中空糸膜を作成した。得られ
た中空糸膜の高圧下での膜特性は表2に示す通りであ
り、高塩除去率及び高透水性を示した。
実施例14 実施例1で合成したポリアミド34重量部、N,N−ジメ
チルアセトアミド53.24重量部、無水PGL#50010.2重量
部、塩化カルシウム二水和物2.56重量部を溶解混合して
キャスティングドープ液を調製した。このドープ液を、
アーク型ノズル(温度:130度)から吐き出し、約10℃の
水中に導き、外径約170ミクロン、中空率約15%の中空
糸膜を得た。さらに中空糸膜を長時間水中に浸漬するこ
とにより、中空糸膜中に残留する溶媒およびポリグリセ
リンの除去を行った。得られた中空糸膜をモジュール化
し、逆浸透性能を測定したところ、表3に示す結果を得
た。
実施例15 実施例14において、塩化カルシウム二水和物の代わり
に塩化マグネシウム六水和物2.56重量部を用い、それに
従ってポリアミドの量を若干変化させた以外は、実施例
14と全く同様にして中空糸膜を作成した。得られた中空
糸膜の逆浸透性能は表3に示す通りであり、金属塩無添
加時に比して高塩除去率及び高透水性を示した。
実施例16 実施例14において、塩化カルシウム二水和物の代わり
に塩化リチュウム無水物0.98重量部を用い、それに従っ
てポリアミドの量を若干変化させた以外は、実施例14と
全く同様にして中空糸膜を作成した。得られた中空糸膜
の逆浸透性能は表3に示す通りであり、金属塩無添加時
に比して高塩除去率及び高透水性を示した。
比較例4 実施例14において、ポリグリセリンの代わりにエチレ
ングリコールを用いた以外は、実施例14と全く同様にし
て中空糸膜を作成した。得られた中空糸膜の逆浸透性能
は表3に示す通りであった。
<中空糸膜の機械的強度等の測定> 実施例12、14〜16及び比較例4で得られた中空糸膜の
機械的強度、耐圧密性及びスポンジ層の平均孔径を測定
し、その結果を表4に示す。尚、第1図と第2図は実施
例12と実施例14で得られた中空糸膜断面の走査型電子顕
微鏡写真を示し、第3図は比較例4で得られた中空糸膜
断面の走査型電子顕微鏡写真を示す。
表4から、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金
属塩をドープ液に添加することにより、得られた中空糸
膜の降伏強度は大きく、かつ耐圧密性にも優れることが
確認された。これは、金属塩の添加により膜内の支持層
(スポンジ層)の平均孔径が、金属塩無添加時に比して
より小さくなり、その結果優れた機械的性質および耐圧
密性が現れたものと思われる。また、走査型電子顕微鏡
写真から、実施例12、14で得られた中空糸膜にはスポン
ジ層が形成されていることがわかり、特に実施例14の中
空糸膜では、その内表面付近のスポンジ層の平均孔径が
極めて小さくなっていることがわかる。
(発明の効果) このように、本発明のキャスティングドープ液は、多
孔度調節剤としてポリグリセリンを含有しているので、
逆浸透性能に優れかつ耐塩素性に優れたポリアミドの素
材を用いて実用的な非対称膜の製造が可能となる。特
に、ポリグリセリンと金属塩とをキャスティングドープ
液に併用することにより、優れた逆浸透性能、耐圧密性
及び機械的強度を有する非対称性平膜及び中空糸膜を製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例12で得られた中空糸膜の繊維の形状の走
査型電子顕微鏡写真であり、第1図(a)はその断面全
体を示した顕微鏡写真、第1図(b)はその内表面付近
の断面を示した顕微鏡写真、第1図(c)はその外表面
付近の断面を示した顕微鏡写真、第2図は実施例14で得
られた中空糸膜の繊維の形状の走査型電子顕微鏡写真で
あり、第2図(a)は、その断面全体を示した顕微鏡写
真、第2図(b)はその内表面付近の断面を示した顕微
鏡写真、第2図(c)はその外表面付近の断面図を示し
た顕微鏡写真、第3図は実施例4で得られた中空糸膜の
繊維の形状の走査型電子顕微鏡写真であり、第3図
(a)はその断面全体を示した顕微鏡写真、第3図
(b)はその内表面付近の断面を示した顕微鏡写真、第
3図(c)はその外表面付近の断面を示した顕微鏡写真
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 葛本 英司 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋 紡績株式会社総合研究所内 (72)発明者 築木 真由美 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋 紡績株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−244404(JP,A) 特開 昭62−213807(JP,A) 特開 平1−231903(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジアミン成分として芳香族系ジアミン化合
    物を50モル%以上含むポリアミドと、アミド系溶媒と、
    ポリグリセリン及び/又はその誘導体と、を含有する製
    膜用キャスティングドープ液。
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