JP2505496B2 - 半透膜およびその製造方法 - Google Patents
半透膜およびその製造方法Info
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- JP2505496B2 JP2505496B2 JP62271670A JP27167087A JP2505496B2 JP 2505496 B2 JP2505496 B2 JP 2505496B2 JP 62271670 A JP62271670 A JP 62271670A JP 27167087 A JP27167087 A JP 27167087A JP 2505496 B2 JP2505496 B2 JP 2505496B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は半透膜およびその製造方法に関し、さらに
詳しくは、ポリアリレート樹脂とポリスルホン樹脂との
混合物よりなる半透膜およびその製造方法に関する。
詳しくは、ポリアリレート樹脂とポリスルホン樹脂との
混合物よりなる半透膜およびその製造方法に関する。
[従来の技術およびその問題点] 従来、半透膜はたとえば工業分野ではビール、ジュー
ス、牛乳等の濃縮、精製、海水の脱塩、排水処理等に使
用され、医療分野では、人工透析器、血漿分離器等に使
用されている。
ス、牛乳等の濃縮、精製、海水の脱塩、排水処理等に使
用され、医療分野では、人工透析器、血漿分離器等に使
用されている。
前記半透膜の素材としては、セルロース、セルロース
アセテート、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸
メチル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリア
ミド等が使用されていた。さらにエンジニアリングプラ
スチックとして開発されたポリスルホン樹脂、、ポリエ
ーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂等の素材もそ
の熱安定性、耐薬品性、さらには良好な生体適合性を有
することから半透膜材料として利用されるようになって
きた。
アセテート、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸
メチル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリア
ミド等が使用されていた。さらにエンジニアリングプラ
スチックとして開発されたポリスルホン樹脂、、ポリエ
ーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂等の素材もそ
の熱安定性、耐薬品性、さらには良好な生体適合性を有
することから半透膜材料として利用されるようになって
きた。
一般に、ポリアリレート、ポリスルホン系樹脂を単一
で透水性に優れた半透膜を形成するためには、表面の著
しい緻密化を押えると共に断面構造が透水性を妨げるこ
とのない構造にすることが要求される。つまり、厚さ方
向の断面構造は、物質透過を妨げることの少ない、連続
した貫通細孔を有する網目状組織所謂フィブリル構造で
あることが望ましい。すなわち、ボイド構造もしくは貫
通細孔の少ない所謂スポンジ構造を形成しないことが重
要である。
で透水性に優れた半透膜を形成するためには、表面の著
しい緻密化を押えると共に断面構造が透水性を妨げるこ
とのない構造にすることが要求される。つまり、厚さ方
向の断面構造は、物質透過を妨げることの少ない、連続
した貫通細孔を有する網目状組織所謂フィブリル構造で
あることが望ましい。すなわち、ボイド構造もしくは貫
通細孔の少ない所謂スポンジ構造を形成しないことが重
要である。
ところが、ポリアリレート樹脂単一で、あるいはポリ
スルホン樹脂単一を有機溶剤に溶解して製膜原液を作製
し、平膜状、中空糸状の所定の膜を作製したときに、こ
れらの樹脂は分子間凝集力が強いことから、膜表面が著
しい緻密構造となり、しかも膜の断面方向の構造はポリ
マーが大きく欠落したボイド構造あるいはスポンジ構造
が形成され易い。これらの膜は、透水性も低く、また、
ボイドが表面に貫通するなどの膜欠点も現われ、機械的
強度も低いものとなっている。
スルホン樹脂単一を有機溶剤に溶解して製膜原液を作製
し、平膜状、中空糸状の所定の膜を作製したときに、こ
れらの樹脂は分子間凝集力が強いことから、膜表面が著
しい緻密構造となり、しかも膜の断面方向の構造はポリ
マーが大きく欠落したボイド構造あるいはスポンジ構造
が形成され易い。これらの膜は、透水性も低く、また、
ボイドが表面に貫通するなどの膜欠点も現われ、機械的
強度も低いものとなっている。
そこで、これらの問題点を解決するために、従来から
さまざまな方法が採用されている。
さまざまな方法が採用されている。
その一例として、従来から単一の樹脂とその溶剤とに
更に添加剤を加える方法、あるいは非溶剤または膨潤剤
を加える方法がある。
更に添加剤を加える方法、あるいは非溶剤または膨潤剤
を加える方法がある。
前記添加剤として使用されるのは、塩化リチウム、塩
化カルシウム等の金属塩やポリビニルピロリドン、ポリ
酢酸ビニル、ポリエチレングリコール等の水溶性高分子
が使用される。非溶剤または膨潤剤としては、水、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリ
コール等が挙げられる。これらの添加剤、非溶剤、膨潤
剤等を適当量加えることにより、膜の表面構造、断面構
造を制御し得ることが知られている。そして、上記の添
加剤等を加えた場合には、膜形成後にこれを除去するこ
とが不可欠である。
化カルシウム等の金属塩やポリビニルピロリドン、ポリ
酢酸ビニル、ポリエチレングリコール等の水溶性高分子
が使用される。非溶剤または膨潤剤としては、水、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリ
コール等が挙げられる。これらの添加剤、非溶剤、膨潤
剤等を適当量加えることにより、膜の表面構造、断面構
造を制御し得ることが知られている。そして、上記の添
加剤等を加えた場合には、膜形成後にこれを除去するこ
とが不可欠である。
しかし、前記添加剤等はいずれも水溶性であるから水
洗操作により容易に除去することができると考えられる
が、実際上、分子量が大きくなると、半透膜から非常に
除去し難くなり、残留する恐れが生じるので、医療分野
に使用する場合には、問題を起こし易く、添加剤を加え
ることな好ましくない。
洗操作により容易に除去することができると考えられる
が、実際上、分子量が大きくなると、半透膜から非常に
除去し難くなり、残留する恐れが生じるので、医療分野
に使用する場合には、問題を起こし易く、添加剤を加え
ることな好ましくない。
特に、ポリアリレート樹脂単一を使用する場合には、
樹脂の溶解性が悪いために、添加剤、非溶剤、膨潤剤を
加えることにより、さらに溶解性が低下すると共に、製
膜原液が不安定になり、経時的にゲル化が起きて、製膜
原液としてはもはや使用することができなくなってしま
うこともある。
樹脂の溶解性が悪いために、添加剤、非溶剤、膨潤剤を
加えることにより、さらに溶解性が低下すると共に、製
膜原液が不安定になり、経時的にゲル化が起きて、製膜
原液としてはもはや使用することができなくなってしま
うこともある。
本願発明はこのような事情の下で完成したものであ
る。すなわち、本発明の目的は、添加剤等を加えること
なく、所定の比率で混合された二種の混合物を使用して
製膜することにより安定な半透膜ならびに半透膜の製造
方法を提供することにある。
る。すなわち、本発明の目的は、添加剤等を加えること
なく、所定の比率で混合された二種の混合物を使用して
製膜することにより安定な半透膜ならびに半透膜の製造
方法を提供することにある。
ところで、特開昭59−127602号公報に、ガス選択性透
過膜として、式; で示される繰り返し単位を有する芳香族ポリエステル
と、式; (ただし、式中Qはたとえば−SO2−であり、Zはたと
えば である。) で表わされる繰り返し単位を有する重合体の少なくとも
1種との混合物からなるガス選択性透過膜が開示されて
いる。
過膜として、式; で示される繰り返し単位を有する芳香族ポリエステル
と、式; (ただし、式中Qはたとえば−SO2−であり、Zはたと
えば である。) で表わされる繰り返し単位を有する重合体の少なくとも
1種との混合物からなるガス選択性透過膜が開示されて
いる。
前記公報によると、ガス選択性透過膜の構造は平均孔
径が0.001〜0.01μmである緻密層を有する非対称孔径
構造であるとされ、その具体的構造は、内孔が膜表面に
対して垂直に底面にまで伸びたボイド構造であり、かつ
規則的に配列しており、内孔を仕切る壁のスポンジ構造
もより緻密となっているものである。すなわち、前記ガ
ス選択性透過膜の構造は、非対称孔径構造であると言う
点および内孔が細長く成長したボイド構造であると言う
点で均一なフィブリル構造ではない。
径が0.001〜0.01μmである緻密層を有する非対称孔径
構造であるとされ、その具体的構造は、内孔が膜表面に
対して垂直に底面にまで伸びたボイド構造であり、かつ
規則的に配列しており、内孔を仕切る壁のスポンジ構造
もより緻密となっているものである。すなわち、前記ガ
ス選択性透過膜の構造は、非対称孔径構造であると言う
点および内孔が細長く成長したボイド構造であると言う
点で均一なフィブリル構造ではない。
これは、製膜原液を凝固させる方法として、非溶剤ま
たは水に浸漬するか、または製膜原液を流延後加熱し溶
剤を一部蒸発させることに拠るものと推定される。
たは水に浸漬するか、または製膜原液を流延後加熱し溶
剤を一部蒸発させることに拠るものと推定される。
前記公報はガス選択性透過膜に関するものであり、前
記公報の記載によれば、芳香族ポリエステルと混合する
重合体の混合比率が1:1に近ずく程平均孔径が増大し、
表面緻密層も乱れてガスの透過性は大きくなるが、ガス
選択透過性は低下する。これは、異種重合体同志の混和
性の低下が最大となるためとされており、混合比率が1:
1近辺では好ましくないと明記されている。
記公報の記載によれば、芳香族ポリエステルと混合する
重合体の混合比率が1:1に近ずく程平均孔径が増大し、
表面緻密層も乱れてガスの透過性は大きくなるが、ガス
選択透過性は低下する。これは、異種重合体同志の混和
性の低下が最大となるためとされており、混合比率が1:
1近辺では好ましくないと明記されている。
[前記目的を達成するための手段] 前記目的を達成するために、本発明者が鋭意研究した
結果、本発明に到達した。
結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の目的を達成するための本発明の第
1の構成は、ポリアリレート樹脂(A)とポリスルホン
樹脂(B)とを含み、前記ポリアリレート樹脂(A)と
ポリスルホン樹脂(B)との混合重量比(A)/(B)
が0.1〜10であり、膜の厚み方向に連続して貫通孔を有
する網目状組織構造であることを特徴とする半透膜であ
り、 この発明の第2の構成は、ポリアリレート樹脂(A)
とポリスルホン樹脂(B)とを、前記ポリアリレート樹
脂(A)とポリスルホン樹脂(B)との混合重量比
(A)/(B)が0.1〜10となる割合で、有機溶剤に溶
解し、得られる製膜原液を用いて水と有機溶剤とを有す
る凝固液で膜体を形成することを特徴とする半透膜の製
造方法である。
1の構成は、ポリアリレート樹脂(A)とポリスルホン
樹脂(B)とを含み、前記ポリアリレート樹脂(A)と
ポリスルホン樹脂(B)との混合重量比(A)/(B)
が0.1〜10であり、膜の厚み方向に連続して貫通孔を有
する網目状組織構造であることを特徴とする半透膜であ
り、 この発明の第2の構成は、ポリアリレート樹脂(A)
とポリスルホン樹脂(B)とを、前記ポリアリレート樹
脂(A)とポリスルホン樹脂(B)との混合重量比
(A)/(B)が0.1〜10となる割合で、有機溶剤に溶
解し、得られる製膜原液を用いて水と有機溶剤とを有す
る凝固液で膜体を形成することを特徴とする半透膜の製
造方法である。
この発明に係る半透膜は、前記添加剤、非溶剤あるい
は膨潤剤等を全く使用することなくポリアリレート樹脂
とポリスルホン樹脂との特定混合比率の混合物を溶解し
た製膜原液を特定の凝固液で凝固させることにより初め
て製造することができ、しかも、その構造は対称構造で
ありかつフィブリル構造であって極めて安定しており、
膜表面の細孔の平均孔径が0.05μm以下であり、液体の
流通が膜の支持層により妨げられることが少なくて、半
透膜に最適のものである。
は膨潤剤等を全く使用することなくポリアリレート樹脂
とポリスルホン樹脂との特定混合比率の混合物を溶解し
た製膜原液を特定の凝固液で凝固させることにより初め
て製造することができ、しかも、その構造は対称構造で
ありかつフィブリル構造であって極めて安定しており、
膜表面の細孔の平均孔径が0.05μm以下であり、液体の
流通が膜の支持層により妨げられることが少なくて、半
透膜に最適のものである。
次にこの発明に係る半透膜の製造方法と共にこの発明
に係る半透膜について詳述する。
に係る半透膜について詳述する。
この発明の半透膜は、所定構造のポリアリレート樹脂
とポリスルホン樹脂とを所定の割合で含有している。そ
して、この半透膜は、前記ポリアリレート樹脂とポリス
ルホン樹脂と有機溶剤との混合物を、水と有機溶剤とか
らなる凝固液で凝固させて得ることができる。
とポリスルホン樹脂とを所定の割合で含有している。そ
して、この半透膜は、前記ポリアリレート樹脂とポリス
ルホン樹脂と有機溶剤との混合物を、水と有機溶剤とか
らなる凝固液で凝固させて得ることができる。
この発明において好適なポリアリレート樹脂は、式
(1)で表わされる繰り返し単位を有する。
(1)で表わされる繰り返し単位を有する。
(ただし、式中、R1およびR2は炭素数が1〜5の低級ア
ルキル基であり、前記R1およびR2はそれぞれ同一であっ
ても相違していても良い。) 前記R1およびR2としては、たとえばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などが挙げられ
る。好ましいR1およびR2は、メチル基である。
ルキル基であり、前記R1およびR2はそれぞれ同一であっ
ても相違していても良い。) 前記R1およびR2としては、たとえばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などが挙げられ
る。好ましいR1およびR2は、メチル基である。
この発明における好ましいポリアリレート樹脂は、前
記式(1)で表わされる繰り返し単位を主たる繰り返し
単位とする限り特に制限がなく、この発明の目的を阻害
しない限り他の繰り返し単位を含有していても良い。
記式(1)で表わされる繰り返し単位を主たる繰り返し
単位とする限り特に制限がなく、この発明の目的を阻害
しない限り他の繰り返し単位を含有していても良い。
次に、前記ポリスルホン樹脂として好ましいのは、式
(2); (ただし、式中、R3およびR4は炭素数が1〜5の低級ア
ルキル基であり、前記R3およびR4はそれぞれ同一であっ
ても相違していても良い。)で表わされる繰り返し単位
および式(3); で表わされる繰り返し単位の少なくともいずれかを有す
るポリスルホン樹脂(B)である。
(2); (ただし、式中、R3およびR4は炭素数が1〜5の低級ア
ルキル基であり、前記R3およびR4はそれぞれ同一であっ
ても相違していても良い。)で表わされる繰り返し単位
および式(3); で表わされる繰り返し単位の少なくともいずれかを有す
るポリスルホン樹脂(B)である。
前記R3およびR4で示される低級アルキル基としては、
前記R1およびR2についての低級アルキル基と同様であ
る。
前記R1およびR2についての低級アルキル基と同様であ
る。
この発明の方法では、前記ポリアリレート樹脂(A)
とポリスルホン樹脂(B)と有機溶剤とを、その混合重
量比が(A)/(B)=0.1〜10、好ましくは0.3〜4と
なるように、混合して製膜原液を調製する。
とポリスルホン樹脂(B)と有機溶剤とを、その混合重
量比が(A)/(B)=0.1〜10、好ましくは0.3〜4と
なるように、混合して製膜原液を調製する。
前記混合重量比(A)/(B)が前記範囲外である
と、半透膜の断面がフィブリル構造にならない。
と、半透膜の断面がフィブリル構造にならない。
前記有機溶剤としては、前記ポリアリレート樹脂およ
びポリスルホン樹脂に対して良溶剤であれば特に制限が
なく、たとえばテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル
−2−ピロリドンなどを挙げることができる。これらの
中でもN−メチル−2−ピロリドンが好ましい。
びポリスルホン樹脂に対して良溶剤であれば特に制限が
なく、たとえばテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル
−2−ピロリドンなどを挙げることができる。これらの
中でもN−メチル−2−ピロリドンが好ましい。
混合に際し、前記製膜原液における前記ポリアリレー
ト樹脂(A)とポリスルホン樹脂(B)との混合物の濃
度としては、通常、10〜25重量%、好ましくは12〜20重
量%である。
ト樹脂(A)とポリスルホン樹脂(B)との混合物の濃
度としては、通常、10〜25重量%、好ましくは12〜20重
量%である。
前記濃度が10重量%よりも低いときには、膜強度が低
下し、実用に耐えないことがあり、また25重量%よりも
高いときには膜の空隙率が低下しその性能が低下するこ
とがある。また、製膜原液がゲル化し易くなるので実用
的でない。
下し、実用に耐えないことがあり、また25重量%よりも
高いときには膜の空隙率が低下しその性能が低下するこ
とがある。また、製膜原液がゲル化し易くなるので実用
的でない。
前記有機溶剤に前記ポリアリレート樹脂とポリスルホ
ン樹脂とを溶解する際の温度は、通常30〜100℃であ
り、好ましくは50〜80℃である。
ン樹脂とを溶解する際の温度は、通常30〜100℃であ
り、好ましくは50〜80℃である。
前記製膜原液の調製に当たり、この発明では添加剤と
して非溶剤、膨潤剤、水溶性高分子等を特に必要とする
ものではない。なお、本発明における、前記樹脂の混合
比率による製膜原液の安定性を損なわない範囲ならば、
前記非溶剤、膨潤剤、水溶性高分子等を加えてもさしつ
かえない。
して非溶剤、膨潤剤、水溶性高分子等を特に必要とする
ものではない。なお、本発明における、前記樹脂の混合
比率による製膜原液の安定性を損なわない範囲ならば、
前記非溶剤、膨潤剤、水溶性高分子等を加えてもさしつ
かえない。
本発明においては、前記製膜原液を所定形状の膜体に
成形する。
成形する。
膜体の形状は、平膜状、チューブ状、中空糸状のいず
れの形であっても良いが、本発明における均一なフィブ
リル構造を形成させるためには、凝固液を水単独よりも
樹脂溶解に使用した有機溶剤と水との混合溶剤が好まし
い。水の含有量が多過ぎる場合には、膜の断面方向にボ
イド構造が発現し易くなる。また、水の含有量が少な過
ぎるとフィブリルが太く、粗になり過ぎてしまうと同時
に、凝固が遅くなり、製膜が困難になる。本発明におけ
る凝固液は、水を15〜30重量%、好ましくは30〜80重量
%で含有するのが望ましい。混合する有機溶剤として
は、樹脂の良溶剤たとえばテトラヒドロフラン、ジオキ
サン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
n−メチル−2−ピロリドン等を使用することができる
が、凝固速度の調整のためには、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、グリセリン等のアルコール類や
エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコ
ール類を加えても良い。
れの形であっても良いが、本発明における均一なフィブ
リル構造を形成させるためには、凝固液を水単独よりも
樹脂溶解に使用した有機溶剤と水との混合溶剤が好まし
い。水の含有量が多過ぎる場合には、膜の断面方向にボ
イド構造が発現し易くなる。また、水の含有量が少な過
ぎるとフィブリルが太く、粗になり過ぎてしまうと同時
に、凝固が遅くなり、製膜が困難になる。本発明におけ
る凝固液は、水を15〜30重量%、好ましくは30〜80重量
%で含有するのが望ましい。混合する有機溶剤として
は、樹脂の良溶剤たとえばテトラヒドロフラン、ジオキ
サン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
n−メチル−2−ピロリドン等を使用することができる
が、凝固速度の調整のためには、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、グリセリン等のアルコール類や
エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコ
ール類を加えても良い。
膜体を中空糸状にするためには芯液にも凝固液と同様
の液を使用することが好ましい。
の液を使用することが好ましい。
また、驚くべきことに、疎水性樹脂の混合物であるに
も拘らず、二種の混合物の溶解した製膜原液は、比較的
に低温の5〜15℃付近に保持することにより安定性が著
しく改善されて、相分離等が生じ難いことを見出し
た。、このことによって、上記温度で紡糸することによ
って、極めて優れたフィブリル構造の中空糸を得ること
が可能である。
も拘らず、二種の混合物の溶解した製膜原液は、比較的
に低温の5〜15℃付近に保持することにより安定性が著
しく改善されて、相分離等が生じ難いことを見出し
た。、このことによって、上記温度で紡糸することによ
って、極めて優れたフィブリル構造の中空糸を得ること
が可能である。
前記のようにして得られるこの発明に係る半透膜は、
ポリアリレート樹脂(A)とポリスルホン樹脂(B)と
を含み、前記ポリアリレート樹脂(A)とポリスルホン
樹脂(B)との混合重量比(A)/(B)が0.1〜10、
好ましくは0.3〜4であり、さらに好ましくは1近辺で
あり、膜表面に0.05μmを越える平均細孔径を有さず、
しかも膜の断面方向にフィブリル構造を形成している。
ポリアリレート樹脂(A)とポリスルホン樹脂(B)と
を含み、前記ポリアリレート樹脂(A)とポリスルホン
樹脂(B)との混合重量比(A)/(B)が0.1〜10、
好ましくは0.3〜4であり、さらに好ましくは1近辺で
あり、膜表面に0.05μmを越える平均細孔径を有さず、
しかも膜の断面方向にフィブリル構造を形成している。
次にこの発明の実施例を示してこの発明を更に具体的
に説明する。
に説明する。
(実施例1) 前記式(1)においてR1およびR2がメチル基であるポ
リアリレート樹脂[以下、PAと略称する。]((株)ユ
ニチカ製、商品名;Uポリマー「U−2030」)と前記式
(3)で示されるポリスルホン樹脂[以下、PESと略称
する。](ICI社製、商品名;Victrex「4800P」)とを
N−メチルピロリドン[以下、NMPと略称する。]に加
え、80℃に加熱しながら溶解して製膜原液を調製した。
このとき、樹脂濃度は15重量%であり、PAとPESとの混
合重量比は1:1であった。
リアリレート樹脂[以下、PAと略称する。]((株)ユ
ニチカ製、商品名;Uポリマー「U−2030」)と前記式
(3)で示されるポリスルホン樹脂[以下、PESと略称
する。](ICI社製、商品名;Victrex「4800P」)とを
N−メチルピロリドン[以下、NMPと略称する。]に加
え、80℃に加熱しながら溶解して製膜原液を調製した。
このとき、樹脂濃度は15重量%であり、PAとPESとの混
合重量比は1:1であった。
この製膜原液を平滑なガラス基板の上に流延し、直ち
に、これを、水50容量%とNMP50容量%とからなる凝固
液に5分間浸漬してゲル化させた。
に、これを、水50容量%とNMP50容量%とからなる凝固
液に5分間浸漬してゲル化させた。
その後、さらに約1時間前記ゲル化物を流水中に放置
することにより、溶剤を完全に除去して製膜した。
することにより、溶剤を完全に除去して製膜した。
得られた膜体につき、走査型電子顕微鏡[以下、SEM
と略称する。]にて膜の表面および断面(厚み方向)の
観察を行なうと共に、透水性能の測定を行なった。
と略称する。]にて膜の表面および断面(厚み方向)の
観察を行なうと共に、透水性能の測定を行なった。
透水性能の測定は、膜を90φに切り取り、ホルダーに
セットし、窒素加圧下に蒸留水の透水量を測定した。
セットし、窒素加圧下に蒸留水の透水量を測定した。
SEM観察においては、膜の断面写真である第1図に示
すように、断面方向においての膜構造は連結した貫通孔
を有する網目状構造すなわちフィブリル構造であった。
すように、断面方向においての膜構造は連結した貫通孔
を有する網目状構造すなわちフィブリル構造であった。
実験結果を第1表に示す。
(実施例2,3) 前記実施例1と同様の原料樹脂を使用し、実施例2に
あってはPAとPESとの混合重量比を6.5:8.5にし、実施例
3にあってはPAとPESとの混合重量比を9:6にした外は
(実施例2および3のいずれにおいても樹脂濃度は15重
量%)、前記実施例1と同様に実施した。
あってはPAとPESとの混合重量比を6.5:8.5にし、実施例
3にあってはPAとPESとの混合重量比を9:6にした外は
(実施例2および3のいずれにおいても樹脂濃度は15重
量%)、前記実施例1と同様に実施した。
得られた膜につき前記実施例1と同様にしてSEM観察
し、透水性能を測定した。
し、透水性能を測定した。
結果を第1表に示す。
(実施例4) 前記実施例1において、PESの代りに、式(2)にお
いてR3およびR4がメチル基であるポリスルホン樹脂[以
下、PSと略称する。](ユニオンカーバイド社製、商品
名;P−3,500)を使用した外は前記実施例1と同様に実
施した。
いてR3およびR4がメチル基であるポリスルホン樹脂[以
下、PSと略称する。](ユニオンカーバイド社製、商品
名;P−3,500)を使用した外は前記実施例1と同様に実
施した。
得られた膜につき、前記実施例1と同様にしSEM観察
し、透水性能を測定した。
し、透水性能を測定した。
結果を第1表に示した。
(比較例1〜4) 比較例1にあってはPA、比較例2にあってはPES、比
較例3にあってはPSそれぞれ単一の樹脂を使用し(樹脂
濃度;15重量%)、実施例1と同様の操作にて膜を製造
した。
較例3にあってはPSそれぞれ単一の樹脂を使用し(樹脂
濃度;15重量%)、実施例1と同様の操作にて膜を製造
した。
得られた膜について前記実施例1と同様にしてSEM観
察をし、透水性能を測定した。
察をし、透水性能を測定した。
結果を第1表に示す。
比較例1で得られた膜の断面についての電子顕微鏡写
真である第3図および比較例2で得られた膜の断面につ
いての電子顕微鏡写真である第4〜6図に示すように、
膜は、ほとんど貫通孔を有しないか、貫通孔の少ない隔
膜を有する構造であり、透水量も実施例における膜の透
水量よりも少ないものであった。
真である第3図および比較例2で得られた膜の断面につ
いての電子顕微鏡写真である第4〜6図に示すように、
膜は、ほとんど貫通孔を有しないか、貫通孔の少ない隔
膜を有する構造であり、透水量も実施例における膜の透
水量よりも少ないものであった。
(実施例5) 前記実施例1と同様の組成の製膜原液を調製し、二重
管紡糸口金の内側より芯液(NMP40容量%、水60容量
%)を、外側より該製膜原液を吐出し、空気中で50mm通
過させた後、凝固液中に導いてゲル化させ、中空糸膜を
得た、二重管紡糸口金の温度は50℃、凝固液組成はNMP5
0容量%、水50容量%の混合液とした。
管紡糸口金の内側より芯液(NMP40容量%、水60容量
%)を、外側より該製膜原液を吐出し、空気中で50mm通
過させた後、凝固液中に導いてゲル化させ、中空糸膜を
得た、二重管紡糸口金の温度は50℃、凝固液組成はNMP5
0容量%、水50容量%の混合液とした。
得られた中空糸膜を水洗,乾燥し、SEMにより膜の内
表面、外表面および断面の構造を観察した。
表面、外表面および断面の構造を観察した。
膜の内表面および外表面には0.05μmを越える細孔は
観察されず、平滑であり、断面は均質なフィブリル構造
を有していた。
観察されず、平滑であり、断面は均質なフィブリル構造
を有していた。
[発明の効果] 本発明の半透膜は、ポリアリレート樹脂とポリスルホ
ン樹脂とを所定の割合で含有し、膜表面に0.05μmを越
えるポアを有さず、膜の断面方向において連続した貫通
孔を有する編目状構造すなわちフィブリル構造を有する
ので、透水性に優れた膜である。
ン樹脂とを所定の割合で含有し、膜表面に0.05μmを越
えるポアを有さず、膜の断面方向において連続した貫通
孔を有する編目状構造すなわちフィブリル構造を有する
ので、透水性に優れた膜である。
また、この発明の製造方法によれば、特定の割合でポ
リアリレート樹脂とポリスルホン樹脂とを有機溶剤に溶
解した製膜原液を使用して、添加剤、非溶剤、膨潤剤等
を使用しなくても、前記半透膜を製造することができ
る。
リアリレート樹脂とポリスルホン樹脂とを有機溶剤に溶
解した製膜原液を使用して、添加剤、非溶剤、膨潤剤等
を使用しなくても、前記半透膜を製造することができ
る。
第1図は実施例1で得られた膜の断面を走査型電子顕微
鏡観察にて撮影してなる図面代用写真、第2図および第
3図は実施例4で得られた膜の断面を走査型電子顕微鏡
観察にて撮影してなる図面代用写真、第4図は実施例5
で得られた膜の断面を走査型電子顕微鏡観察にて撮影し
てなる図面代用写真、第5図は比較例1で得られた膜の
断面を走査型電子顕微鏡観察にて撮影してなる図面代用
写真、第6〜8図は比較例2で得られた膜の断面を走査
型電子顕微鏡観察にて撮影してなる図面代用写真であ
る。
鏡観察にて撮影してなる図面代用写真、第2図および第
3図は実施例4で得られた膜の断面を走査型電子顕微鏡
観察にて撮影してなる図面代用写真、第4図は実施例5
で得られた膜の断面を走査型電子顕微鏡観察にて撮影し
てなる図面代用写真、第5図は比較例1で得られた膜の
断面を走査型電子顕微鏡観察にて撮影してなる図面代用
写真、第6〜8図は比較例2で得られた膜の断面を走査
型電子顕微鏡観察にて撮影してなる図面代用写真であ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】ポリアリレート樹脂(A)とポリスルホン
樹脂(B)とを含み、前記ポリアリレート樹脂(A)と
ポリスルホン樹脂(B)との混合重量比(A)/(B)
が0.1〜10であり、膜の厚み方向に連続した貫通孔を有
する網目状組織構造であることを特徴とする半透膜。 - 【請求項2】前記ポリアリレート樹脂は式(1) (ただし、式中、R1およびR2は炭素数が1〜5の低級ア
ルキル基であり、前記R1およびR2はそれぞれ同一であっ
ても相違していても良い。) で表わされる繰り返し単位を有する樹脂であり、前記ポ
リスルホン樹脂は、式(2) (ただし、式中、R3およびR4は炭素数が1〜5の低級ア
ルキル基であり、前記R3およびR4はそれぞれ同一であっ
ても相違していても良い。)で表わされる繰り返し単位
を有する樹脂および/または式(3) で表わされる繰り返し単位を有する樹脂である前記特許
請求の範囲第1項に記載の半透膜。 - 【請求項3】前記半透膜が中空糸状である前記特許請求
の範囲第1項に記載の半透膜。 - 【請求項4】ポリアリレート樹脂(A)とポリスルホン
樹脂(B)とを、前記ポリアリレート樹脂(A)とポリ
スルホン樹脂(B)との混合重量比(A)/(B)が0.
1〜10となる割合で、有機溶剤に溶解し、得られる製膜
原液を用いて水と有機溶剤とを有する凝固液で膜体を形
成することを特徴とする半透膜の製造方法。 - 【請求項5】前記ポリアリレート樹脂は式(1) (ただし、式中、R1およびR2は炭素数が1〜5の低級ア
ルキル基であり、前記R1およびR2はそれぞれ同一であっ
ても相違していても良い。) で表わされる繰り返し単位を有する樹脂であり、前記ポ
リスルホン樹脂は、式(2) (ただし、式中、R3およびR4は炭素数が1〜5の低級ア
ルキル基であり、前記R3およびR4はそれぞれ同一であっ
ても相違していても良い。)で表わされる繰り返し単位
を有する樹脂および/または式(3) で表わされる繰り返し単位を有する樹脂である前記特許
請求の範囲第4項に記載の半透膜の製造方法。 - 【請求項6】前記半透膜が中空糸状である前記特許請求
の範囲第4項に記載の半透膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62271670A JP2505496B2 (ja) | 1987-10-29 | 1987-10-29 | 半透膜およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62271670A JP2505496B2 (ja) | 1987-10-29 | 1987-10-29 | 半透膜およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01115407A JPH01115407A (ja) | 1989-05-08 |
JP2505496B2 true JP2505496B2 (ja) | 1996-06-12 |
Family
ID=17503245
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62271670A Expired - Lifetime JP2505496B2 (ja) | 1987-10-29 | 1987-10-29 | 半透膜およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2505496B2 (ja) |
-
1987
- 1987-10-29 JP JP62271670A patent/JP2505496B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01115407A (ja) | 1989-05-08 |
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