JP2819713B2 - 多孔性膜及びその製造方法 - Google Patents

多孔性膜及びその製造方法

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JP2819713B2
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義夫 姫島
英昭 谷杉
哲男 渡辺
忠廣 植村
優 栗原
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Description

【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は、限外ろ過膜として有用な多孔性膜に関す
る。
[背景技術] 従来、限外ろ過膜は電子工業用純水製造、電着塗料の
回収、製紙・パルプ工場の汚水処理、含油排水の処理、
ビル排水の再利用、原子力発電所での排水処理、果汁の
清澄化、生酒の製造、ホエーの濃縮、脱塩、濃縮乳の製
造、卵白の濃縮、大豆タンパク質の処理、酵素の回収、
バイオリアクター、バイオプロダクツの分離、気体中の
微粒子除去、有機液体中の微粒子除去等様々の分野への
応用が検討され、実用化されている。そして、これらの
分野をはじめ限外ろ過膜応用分野においては、おおむね
以下の耐久性に関する特性が要求される。
i)熱水洗浄やスチーム滅菌に対する耐久性(耐熱性) ii)耐薬品性(酸、アルカリ、塩素等) iii)耐溶剤性 iv)低ファウリング性(低蛋白吸着性) これらは、処理条件、殺菌、滅菌そして処理時に膜表
面に形成される溶質層による分離性能変化の回復のため
の洗浄に対する要求特性である。しかし、これらの要求
特性を全て満足する限外ろ過膜は開発されておらず、耐
久性についてはなお強い要望がある。
例えば酢酸セルロースは加工が容易なため、限外ろ過
膜素材としてよく用いられるが、耐熱、耐アルカリ、耐
溶剤性等耐久性の点ではほとんど満足できるものではな
い。ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン(Po
lymer.vol.21,p.1047(1980))は耐溶剤性において進
歩があったが、耐熱性に問題がある。ポリアミドは耐熱
性に優れるが、塩素殺菌ができない問題がある。これら
の問題を比較的良く解決した膜がポリスルホン(特開昭
50−22508号)を素材とするものであるが、耐溶剤性、
溶質の吸着等による透過性能の低下に問題を残してい
る。一方、耐溶剤性を克服した膜としてポリイミド膜
(特開昭57−90098号)が挙げられるが、耐アルカリ性
に乏しい。
耐熱、耐薬品、耐溶剤性に優れた多孔膜としてはポリ
フェニレンスルフィド(PPS)膜が提案されている。こ
れにはPPSをフィルム又は中空糸状に溶融押出し成形
し、延伸、熱固定の工程を経て均一多孔成形物とするも
の(特開昭58−6733号、特公昭60−44404号)と過酷な
条件でPPSを溶解し、中空糸状に注型した後、凝固して
不均一多孔成形物とする(特開昭60−248202号)2つが
ある。
前者の方法は、膜の孔径の制御が困難な上、限外ろ過
膜として高い透過性能の発現を可能にする不均一構造を
とることができない。後者の方法は、PPSの高い結晶性
により、極めて限られた溶媒にしかも非常に過酷な条件
でしか溶解できない。つまり、このような限られた製膜
条件でのみ多孔膜を与えるために、分離性能の制御は難
しく、要求性能への対応は非常に困難である。
一方、PPS多孔膜を酸化処理しスルフィド結合をスル
ホン結合に変換することにより、さらに耐久性を向上さ
せる方法が提案されている(特開昭63−225636号)。し
かし、この膜も前述の方法で多孔膜とした後、酸化処理
を行なうために分離性能の制御が難しいこと、そしてス
ルフィド結合の部分酸化を行なう場合には全くのランダ
ム共重合体となるため再現性や耐久性の面で問題を残し
ている。
また、限外ろ過膜においてもう1つ大きな課題となっ
ていることは、溶質の膜面への吸着等による分離性能の
変化である。
これを抑制するために膜を親水化する方法が研究され
ている。例えばポリフッ化ビニリデンにエーテル結合を
導入する方法(J.Memb.Sci.,36,257(1988);Desalinat
ion,70.207(1988))、ポリアクリロニトリルにN−メ
チロールアミド及びメチレンビスアミドを導入する方法
(PCT/US88/00261)、ポリスルホン膜をメチル又はエチ
ルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルア
ルコール等の非イオン性ポリマー水溶液で処理する方法
(ICOM′87)などが考案されている。
しかし、これらの膜においても前述の耐久性を満たす
ものはなく、耐久性に優れた親水化膜の出現が強く望ま
れている。
[発明の開示] 従って、本発明の目的は、極めて優れた耐久性を持ち
ながら分離性能の制御が容易であるために優れた分離性
能を持つ限外ろ過膜及びその製造方法を提供することで
ある。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、フェニレンスルフ
ィド単位を含む特定の共重合体から成る不均一構造の多
孔性膜が優れた耐久性を有し、優れた分離性能を発揮
し、それでいて透過性能が高いことを見出し本発明を完
成した。
すなわち、本発明は、下記式[I]で表わされるフェ
ニレンスルフィド系共重合体から本質的に成り、膜の片
面又は両面の表層部に実質上膜の分離性能を司る緻密な
層を有し、該緻密層に続き空隙率が該緻密層より高い多
孔層を有して成る不均一構造の多孔性膜を提供する。
(−Ph−S−)(−Ph−X−)n [I] (ただし、式[I]中、Phはフェニレン基、Xは−SO2
−又は−CO−を表わし、m及びnは自然数を表わす) 本発明の多孔性膜は、優れた分離性能を有すると共
に、耐溶剤性、耐熱性、耐薬品性及び親水性による低タ
ンパク吸着性等の耐久性に優れ、かつ、透過性能も高
く、限外ろ過膜として優れた性能を有している。従っ
て、本発明の多孔性膜は、限外ろ過膜として優れた性質
を有しており、また、複合逆浸透膜や気体分離膜の支持
体としても優れた性質を有している。
[図面の簡単な説明] 図1は本発明の実施例において得られたポリ(フェニ
レンスルフィドスルホン)の赤外線吸収スペクトル、 図2は本発明の1実施例の膜の断面形態を示す走査電
子顕微鏡写真、 図3は本発明の1実施例の膜の断面形態を示すフィー
ルドエミッション型走査電子顕微鏡写真、 図4は本発明の実施例において得られたポリ(フェニ
レンスルフィドスルホン)を酸化処理したもののNMRス
ペクトルを示す。
[発明を実施するための最良の形態] 上述したように本発明の多孔性膜は、上記式[I]で
示されるフェニレンスルフィド系共重合体から本質的に
成る。式[I]は、−Ph−S−で示されるm個のフェニ
レンスルフィド単位と−Ph−X−で示されるn個の単位
とが任意の配列で結合しているものを示す。すなわち、
これらの単位がランダムに結合したランダム共重合体で
あってもよいし、これらの単位が交互に結合した、下記
式[II]で表わされる交互共重合体であってもよい。
−(−Ph−S−Ph−X)− [II] (ただし、式[II]中、Ph及びXは式[I]と同じ意味
を表わし、qは80ないし400の整数を表わす) 膜性能の再現性や耐久性の観点から交互共重合体が好ま
しい。つまり、スルフィド結合を安定化するため隣合う
繰返し単位には電子吸引基であるスルホン基やカルボニ
ル基が存在することが特に好ましく、電子吸性がより大
きく、しかも膜を親水化するスルホ結合がより好まし
い。もっとも、50%程度の規則性があれば十分な再現性
及び耐久性を発揮する場合も多い。スルホン結合やカル
ボン酸基の量については、スルフィド結合が隣合わない
ような構造をとるために50モル%以上であることが好ま
しいが特に限定されるものではない。
式[I]及び[II]中、Phはフェニレン基を示す。こ
のフェニレン基は、水酸基、ヒドロキシエチル基、スル
ホン酸基、カルボン酸基、ヒドロキシメチル基等で置換
されていてもよいが、膜の特性を考慮すると無置換のも
のが好ましい。また、このフェニレン基は、o−、m−
及びp−フェニレン基のいずれであっても構わないが、
耐久性の観点からp−フェニレン基が好ましい。
Xはスルホン基又はカルボニル基を表わすが電子吸引
性のより大きなスルホン基がより好ましい。
m及びnは自然数を示し、その大きさについては特に
制限があるわけではないが、分子量が大きすぎると重合
体を溶媒に溶解することが困難になり、小さすぎると成
形物の機械的強度が乏しくなるので、分子量的には数万
ないし10万程度が好ましい。従って、m+nは80ないし
200が好ましく、共重合体の固有粘度で言えば約0.1ない
し1.0、特に0.3ないし0.6程度が好ましい。
上記共重合体には、高分子量化や溶融安定化のために
無機塩が添加されていても多孔膜形成に大きな支障をき
たすことはない。このような無機塩の例として塩化亜
鉛、フッ化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、酢酸亜鉛、塩
化カルシウム、フッ化カルシウム、臭化カルシウム、ヨ
ウ化カルシウム、酢酸カルシウム等を挙げることができ
る。そして、上記共重合体は2種以上を混合して用いる
ことも可能である。
本発明の多孔性膜は、平膜状、中空糸状、チューブ状
等、いずれの形態にあってもよい。平膜はスパイラル
型、プレート及びフレーム型に、チューブ、中空糸はそ
れらを束ねた形のエレメントして使用することができ
る。これらのエレメントはそれぞれ特徴を持っており用
途によって使い分けることができる。
本発明の多孔性膜は、平膜、中空糸ともに膜表面に実
質的に膜の分離を司る緻密な層を有し、内面に向けて該
緻密層に空隙率が該緻密層より高い多孔層を有してなる
不均一構造をとっている。
平膜の場合、膜表面で溶質を分離し、その後はの液体
の流れを早くするのに効果的で高性能膜が得られる。実
質上、緻密層は薄い方が溶液透過性が高いため効率的で
あるが、薄すぎると溶液処理時にかかる圧力に耐えるこ
とができないため、緻密層の厚さは特に限定されないが
0.1μmないし10μmが好ましい。分画性能は、限外ろ
過膜の性能評価においてよく用いられるポリエチレング
リコールを用いた場合、分子量10万のもので10%以上の
阻止率、孔径で言うならば約1ないし50nmであることが
好ましい。これは、限外ろ過膜の分離対象物質の分子量
が通常1万ないし20万程度であるからである。しかし、
分離対象物質は種々雑多で、用途に見合った分離性能に
調整されるのが望ましいため、これに限定されるもので
はない。この緻密層に続く多孔層は緻密層に比べ空隙率
が大きく緻密層を支える役目をしている。緻密層と多孔
層は少しづつ空隙率が上がっていても、ある所から急激
に上がっていてもよく、機械的強度を保ちつつ液体の透
過抵抗が小さくなるような形態をとることが望ましい。
この多孔性平膜の膜厚は耐圧性等の点から10μmない
し300μmの範囲が好ましいが、液体の透過抵抗も考慮
すると30μmないし100μm程度がさらに好ましい。
膜全体としての空隙率は特に限定されないが、膜の耐
圧性及び液体の透過抵抗を考慮すると40%ないし90%、
特には50%ないし80%が好ましい。
多孔性平膜は、そのままでも用いることができるが、
ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピ
レン及び/又はポリフェニレンスルフィドから成る織物
又は不織布から成る基材上に形成されることにより、機
械的強度がより向上する。ポリエステルは汎用的な素材
であるが、ポリアミドは耐熱性、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンは耐薬品性、ポリフェニレンスルフィドは耐
熱、耐薬品性が要求される分野への応用が可能である。
基材の織密度は後述のキャスト液の溶媒や濃度に依存す
るため一概に決められないが、キャスト液が基材の裏側
まで浸透することはないが、基材にある程度浸透するよ
うなものが好ましい。
中空糸の場合、膜形状は先ず外径及び内径によって表
わされる。外径は特に限定されないが、通常10mmないし
40μm程度であり、用途に応じて適当に選択することが
できる。内径は通常、外径の約1/2程度であるが、膜圧
が10μm以上であればその目的により適切な値をとり得
るため、これに限定されるものではない。中空糸膜の内
部構造は表面に緻密な層を持ち、内部が多孔質な構造を
とる。緻密層は中空糸の裏と表に存在するが、外圧型の
場合は糸の外側がより緻密で、内圧型の場合は糸の内側
がより緻密な構造をとることが好ましいが用途により、
特に限定を受けるものではない。糸の空隙率(中空部分
は除く)は特に限定されないが通常10%ないし80%であ
り、分離性能を考慮すると20%ないし50%が好ましい。
本発明の多孔性膜の液体透過性能は、形状に関わら
ず、実用面から1kg/cm2、25℃の加圧条件における純水
透過性能が0.1m3/m2・日以上であることが好ましいが、
用途に見合った分離性能に調整されることが好ましい。
本発明の多孔性膜を構成する、上記式[I]で示され
るフェニレンスルフィド系共重合体は、例えば特開昭63
−270736号に記載されたような公知の方法により製造す
ることができる。すなわち、N−メチルピロリドン溶媒
中、ビス(4−クロロフェニル)スルホンと硫化水素ナ
トリウムを加熱下で重合することにより製造できる。
本発明の多孔性膜は、上記フェニレンスルフィド系共
重合体を溶媒に溶解し、注型した後、溶媒と任意に混ざ
る、共重合体の非溶媒中に注型した溶液を投入して凝固
させるさせることによって得ることができる。もっと
も、溶融成形後多孔膜化する方法や重合体の分散系より
成形する方法もあり、下記湿式製膜法に限定されるもの
ではない。
本発明における共重合体を溶解する好ましい溶媒とし
ては、非プロトン性極性溶媒、酸及びフェノール化合物
を挙げることができるがこれらに限定されるものではな
い。具体的には、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−
メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン(DMI)、ヘキサメチルホスホリックトリア
ミド(HMPA)、硫酸、ジクロロ酢酸、p−クロロフェノ
ール、m−クレゾール等が共重合体をよく溶解し、好ま
しい。
これらの溶媒の共通する性質として溶解度パラメータ
ー(δ)が11近辺であることが挙げられる。また、δh
はδd、δpに比べ、重合体の溶解性に対する寄与が大
きい(ここで、δh、δd、δpはそれぞれ水素結合
力、分散力、極性力成分を意味する)。
その他にもε−カプロラクタム、γ−ブチロラクト
ン、スルホラン、ジフェニルスルフィド、ジフェニルア
ミン、δ−バレロラクタム、ジメチルホルムアミド(DM
F)、テトラメチル尿素等が挙げられるが、これらに限
定されるものではない。
溶媒は単一でなくとも混合溶媒でもよい。すなわち、
上記溶媒の2つ以上の混合溶媒又は上記溶媒と上記以外
の溶媒との混合物を用いることもできる。例えば、NMP
を溶媒とした場合、非プロトン性極性溶媒はもちろん、
その他にもハロゲン化炭化水素、ケトン、有機酸、アミ
ノ化合物を加えることが可能である。これらの溶媒の添
加により溶解性の向上やg値(凝固価)の変化に伴う膜
形態や分離性能の制御も可能になる。
また、このフェニレンスルフィド系共重合体溶液に
は、孔径制御の目的で、無機塩、酸、共重合体の非溶媒
及び/又は高分子化合物を添加することができる。無機
塩としては特に非プロトン性極性溶媒によく溶解するこ
とが知られている塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩
化リチウム、ヨウ化ナトリウム、チオシアン酸カリウ
ム、ヨウ化カリウム、塩化カリウム、ヨウ素、酢酸鉛、
塩化鉛、亜硝酸鉛及び過マンガン酸カリウムが好まし
い。酸としては酢酸、トリメリット酸、乳酸、プロピオ
ン酸、吉草酸、クエン酸、安息香酸、硫酸、ジクロロ酢
酸が好ましく、高分子化合物としてはポリビニルアルコ
ール、ポリエチレングリコール及びポリビニルピロリド
ン等が好ましい。これらの添加量は、特に限定されない
が通常0.1重量%ないし40重量%程度である。これらの
添加量が多くなると孔径が大きくなる。
重合体の溶解は通常その溶媒の沸点以下の温度で行な
われるが、溶解性が著しく低い場合には加圧下沸点以上
の温度をかけることにより溶解できる場合がある。
得られた共重合体溶液は異物を除去するためにろ過を
行なうことが好ましい。精密ろ過膜を用いて異物を除去
することが好ましいが、溶液の粘度が高いときにはろ
布、ろ過綿を用いたり高温状態でろ過を行なうのもよ
い。このようにして調整した共重合体溶液を以下キャス
ト液と呼ぶ。
キャスト液の濃度は溶媒の溶解性の範囲内で任意に選
ぶことができるが、あまり低濃度では膜構造が弱く、高
濃度すぎると液体が透過しにくくなる。一般的に濃度が
高くなると高阻止率、低透過性の膜が得られる。キャス
ト液中の共重合体の濃度は通常10重量%ないし30重量%
が好ましい。特に平膜では、実用的な膜性能を発現する
ための適当な粘度を与える濃度として15重量%ないし25
重量%が好ましく選択される。中空糸は基材に支えられ
ないので平膜に比べ高粘度であることが好ましい場合が
多く、通常、18重量%ないし30重量%が好ましい。紡糸
に際する形態保持の観点から溶液粘度が0.5ポイズ以上
が好ましく、また膜の分離性能も考慮するとこのような
値になる。
キャスト液は、平膜の場合は、基材等の上に所定の厚
さで流延し、中空糸の場合は二重になった口金印より押
出し、キャスト溶媒と任意に混和する重合体の非溶媒中
へ導く。キャスト厚みは平膜の場合、30μmないし600
μmの範囲から選択すると良好な膜性能が得られるがこ
れに限定されるものではない。
中空糸は、共重合体溶液を二重構造をした口金より気
体又は液体を注入しながら中空状に押出し、凝固液中に
導くことにより得ることができる。この時、口金温度、
凝固液温度、注入液体組成、凝固液組成、吐出から凝固
までの時間、ドラフト値等を変化させることにより膜の
分離性能を制御することができる。
キャスト液温度、キャストから凝固までの時間とその
時の温度や湿度及び凝固液温度は膜の分離性能に影響を
与える。一般的には低温での製膜では高阻止率、低透過
性の膜が得られることが多い。
凝固液は、キャスト液の溶媒と任意に混合する液であ
り、単一組成であっても混合液であってもよい。また、
キャスト液の凝固速度を制御するためにキャスト液に無
機塩及び/又は有機物を添加することもできる。この場
合、無機塩としては例えば塩化ナトリウム、臭化ナトリ
ウム、塩化リチウム、ヨウ化ナトリウム、チオシアン酸
カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カリウム、ヨウ素、酢
酸鉛、塩化鉛、亜硝酸鉛、過マンガン酸カリウムを好ま
しく用いることができ、有機物としては例えばメチルア
ルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、ブチルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリ
ビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、N−メチル
ピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリドン、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホ
スホリックトリアミドを好ましく用いることができる。
例えば凝固速度を遅くしたい場合には重合体の良溶媒を
凝固液に添加することができる。凝固液はキャスト液と
して非プロトン性極性溶媒及び酸を用いた場合、水、メ
チルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアル
コール及びブチルアルコール並びにこれらの混合物から
なる群より選ばれることが好ましいが、これに限定され
るものではない。凝固液の温度は、凝固液組成と同様、
凝固速度を変化させ分離性能の制御を行なうのに重要な
因子であり、通常0℃ないし50℃が好ましい。
このようにして得られた多孔性膜を酸化処理すること
によりスルフィド結合の一部をスルホン結合に変換する
と耐熱、耐薬品及び親水性がさらに向上する。酸化処理
は酸化剤を用いて行なうことができ、酸化剤としては過
酸化水素、有機過酸化物(例えば過酢酸、過ブチリック
酸、過安息香酸、クロロ過安息香酸等)、アルカリ金
属、アルカリ土類金属、四級アンモニウム次亜塩素酸
塩、塩素、クロム酸、アルカリ金属過マンガン酸塩、硝
酸等を好ましいものとして例示することができるがこれ
らに限定されるものではない。酸化は固−液の不均一反
応なので、反応を効率的に行なうために、酸化剤の溶媒
及び/又は酸化剤それ自身が膜の微細構造を大きく変化
させることなく共重合体を膨潤させるものでなくてはな
らない。このような点から特に好ましいものとして有機
過酸化物及び/又は有機溶媒に溶解した四級アンモニウ
ム次亜塩素酸塩を挙げることができる。具体的には過酢
酸、クロロ過安息香酸、次亜鉛素酸テトラブチルアンモ
ニウムの酢酸エチル溶液等が効率的に共重合体の耐久性
を向上させることができ好ましいが、これに限定される
ものではない。酸化処理は多孔性膜を酸化剤の溶液中に
浸漬することにより行なうことができる。酸化剤溶液の
温度は特に限定されないが通常0℃ないし50℃が好まし
い。反応を効率的に行なわせるためには室温以上に加熱
してもよいが、過酸化物を用いた場合には爆発に注意を
要する。逆に反応が局部的に急激に起こるような場合
は、室温以下に冷却することが好ましい。処理時間は酸
化剤の濃度や反応温度により適切な時間が選ばれるが、
通常10分から5時間の間で行なわれる。酸化処理が終わ
った多孔性膜は水及び/又はアルコールで洗浄し、本発
明の耐久性多孔性膜とすることができる。
次に本発明に関する特性の測定法についてまとめて記
載する。
i)空隙率 得られた多孔膜を一定の大きさに切り取り、平均厚み
を測定することにより見かけの体積を求める。次にこの
多孔膜の重さを測定し、実際の体積を求める。そして空
隙率は、 により求める。
ii)阻止率 溶質を含む液体を膜に透過させた時、阻止率は下式に
よって示される。
iii)造水量 造水量は、25℃において、膜を透過する液体の重量を
時間と共に測定し、1m2あたり24時間で何m3の透過であ
るか換算したものである。
iv)溶解度パラメーター(δ) 低分子のδは蒸発熱から、高分子は膨潤度の測定やSm
allの式による計算により求められる。ただし、かなり
の物質についてはポリマーハンドブック(インターサイ
エンス社)に記載されているので、これを参照するのが
よい。
v)g値 2%の重合体溶液を調製し、これに30℃において水を
滴下していく。重合体が析出した時の水の滴下量をg値
とした。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明す
る。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるもので
はない。
実施例1 ポリ(フェニレンスルフィドスルホン)(PPS)を特
開昭63−270736号に記載の方法により合成した。
すなわち、温度及び圧力測定手段、撹拌機並びに外部
加熱手段を装填した約1のオートクレーブに、ビス
(4−クロロフェニル)スルホン154.7g、炭酸ナトリウ
ム56.5g、酢酸ナトリウム43.7g、硫化水素ナトリウム
(NaSH 59.0重量%水溶液として装填される)50.7g、N
−メチル−2−ピロリドン(NMP)211.7g及び脱イオン
水14.4gを装填した。撹拌しながら混合物を25℃から200
℃まで加熱し、200℃で3時間撹拌した。
次いでNMP160ml及び脱イオン水26.7mlの混合物を注入
した。撹拌を約150℃になるまで持続した。反応混合物
を固体の粒状物質として反応容器からとり出し、液体を
吸引した。その固体物質を脱イオン水の熱湯(約90℃、
約600ml)で洗浄し、ろ過し、ろ過器上で一度ゆすい
だ。この工程を2回繰返し、次いで冷脱イオン水で最終
洗浄手順を終え水溶性不純物を除去した。
1のオートクレーブに、上記の通り精製回収済み重
合体40g、脱イオン水400g及び酢酸亜鉛[Zn(C2H3O2・2
H2O]4.0gを装填した。オートクレーブに撹拌機、加熱
/冷却機並びに温度計及び圧力計を装填した。重合体/
酢酸亜鉛水溶液混合物を撹拌しながら185℃に加熱し、
引き続き撹拌しながらその温度に1時間保持した。次に
その混合物を室温に冷却し、そして撹拌しながら回収済
み重合体を熱湯(約90℃、約400ml)で一度洗浄した。
次いで回収済み重合体160℃の温度で減圧乾燥した。
このようにして得られた重合体のゲル浸透クロマトグ
ラフィーによる重量平均分子量は31600(ポリスチレン
換算)であった。また、赤外線吸収スペクトルを図1に
示す。以下、この重合体をPPSS(ポリフェニレンスルフ
ィドスルホン)と略記する。このPPSSは −(Ph−S−Ph−SO2−)− の化学式で表わされる。
上記のようにして得たPPSS15gを85gの乾燥N−メチル
ピロリドン中に加え、この重合体混合物を蓄えた容器を
窒素雰囲気下にした後、180℃に加熱して重合体を溶解
した。次いで孔径1μmのポリテトラフルオロエチレン
製メンブレンフィルターで不溶分をろ別した。この溶液
を室温(20℃)でガラス板上に150μmの平均厚みで流
延した後、直ちに水中(25℃)に浸漬して多孔性膜を得
た。
このようにして得た多孔性膜の圧力5kg/cm2、25℃条
件での純水透過率は6.24m3/m2・日であり、1000ppmのポ
リエチレングリコール(分子量10万)水溶液を用いて、
圧力5kg/cm2、25℃の条件での測定開始3時間後の分離
性能は、阻止率98.0%、造水量1.22m3/m2・日の性能で
あった。
実施例2 実施例1において、縦30cm、横20cmの大きさのポリエ
ステル繊維からなるタフタ(縦糸、横糸とも150デニー
ルのマルチフィラメント糸、織密度縦90本/インチ、横
67本/インチ、厚さ160μm)をガラス板上に固定し、
重合体溶液をタフタ上に流延する他は同一条件で製膜、
評価を行なったところ、純水透過率は12.85m3/m2・日で
あり、測定開始3時間後のポリエチレングリコール阻止
率は95.0%、造水量1.27m3/m2・日の性能であった。
また、この膜の断面形態を示した走査型電子顕微鏡写
真を図2に示す。
さらに、溶媒がジクロロ酢酸であること以外は全く同
様の方法によって得られた多孔性膜の断面形態を示した
フィールドエミッション型走査電子顕微鏡写真を図3に
示す。
実施例3〜5 実施例2においてキャスト溶液のPPSS濃度を変えた以
外は同一条件で製膜、評価を行なった。結果を表1に示
す。
実施例6〜11 実施例2においてキャスト溶液の組成と評価対象物で
あるポリエチレングリコールの分子量が2万であること
以外は同一条件で製膜、評価を行なった。結果を表2に
示す。なお、実施例11の溶媒組成を用いると、実施例1
〜10において凝固時に認められた膜面からの微粒子溶出
が著しく抑制された。
実施例12〜41 実施例1で得られたPPSS重合体を乾燥N,N−ジメチル
−2−イミダゾリジノン(DMI)中に加え、該重合体混
合物を蓄えた容器を窒素雰囲気下にした。180℃ないし1
90℃に加熱して重合体を溶解した後、不溶分をろ別し
た。実施例2で用いたタフタをガラス板上に固定し、重
合体溶液を室温(25℃)でポリエステルタフタ上に150
μmの平均厚さに流延した後、直ちに水中に浸漬して多
孔性膜を得た。
この手法において、キャスト液濃度、凝固温度、キャ
スト厚みと多孔膜の分離性能との関係を表3に示す。
実施例42 75.6mlの酢酸に22.8mlの30%過酸化水素水と1.6mlの
濃硫酸を加え、1日放置することにより過酢酸溶液を得
た。
実施例1で得られた多孔性膜をこの過酢酸溶液に3時
間浸漬した後、水洗した。1000ppmのポリエチレングリ
コール(分子量10万)水溶液を原水とし、圧力5kg/c
m2、25℃の条件で評価したところ、阻止率97.7%、造水
量1.23m3/m2・日であった。
また、この過酢酸処理において、多孔膜の経時的な組
成変化を元素分析により測定した結果を表4に示す。
さらに、この膜は濃硫酸に室温下1時間浸漬しても形
態変化は見られず、示差走査熱量測定(DSC)において
も400℃まで吸熱ピークは見られず安定であった。
実施例43 実施例2で得られた多孔性膜を実施列42で調製した過
酢酸溶液に室温で3時間浸漬後、水洗した。1000ppmポ
リエチレングリコール(分子量10万)水溶液を原水し、
圧力5kg/cm2、25℃の条件で評価したところ、阻止率91.
9%、造水量1.30m3/m2・日であった。
この膜と水との界面の接触角は52゜であり、50mlの10
倍希釈ウシ血清アルブミン(5mg/ml)を12.6cm2の膜で
1.4kg/cm2の圧力下、2倍濃縮した時の膜吸着による蛋
白質損失率をBradfold法を用いて測定したところ4.0%
であった。
実施例44〜50 実施例2において、基材がポリエステル不織布(日本
バイリーン社製MF−110)である以外は全く同様の方法
で製膜を行なった多孔性膜を種々の液体中に2日間浸漬
した後、その性能を評価した。結果を表5に示す。
実施例51〜58 実施43において、基材がポリエステル不織布である以
外は全く同様の方法で製膜を行なった多孔性膜を種々の
液体中に2日間浸漬した後、性能を評価した。結果を表
6に示す。また、得られた酸化処理膜のCP/MAS13CNMRス
ペクトルを図4に示す。
実施例59 実施例1で得られたPPSS重合体250gを1000gの乾燥N
−メチルピロピドン中に加え、該重合体混合物を蓄えた
容器を窒素雰囲気下にした後、180℃に加熱して重合体
を溶解し、不溶分をろ別した。
この溶液を80℃に保った二重構造の口金(外径0.8m
m、内径0.6mm)より、注入液(NMP/水=60/40、注入量
は0.75g/分)を注入しながら吐出した(吐出量は2.04g/
分)。吐出された溶液は乾式長5mmで水浴(25℃)に導
き、速度10m/分で引き取った。この膜を30℃の水で2回
洗浄した(各22秒)後、94℃で熱水で36秒間処理した。
この中空糸膜を50cmに切断し、30本束ねて透過液の出口
を設けた直径15mmのガラス管に通した後、末端をエポキ
シ樹脂で封止して両端を切断した。この時の中空糸の実
長は26cmであった。中空糸の内側に圧力1.7kg/cm2で蒸
留水を供給したところ、透水量は5.86m3/m2・日であっ
た。
実施例60 実施例59において、中空糸を42に示した過酢酸溶液に
3時間浸漬すること以外は全く同様の操作を行なったと
ころ、透水量は2.38m3/m2・日であった。またメチルア
ルコール、四塩化炭素を6時間状通しても透水性能の低
下は認められなかった。
実施例61 40mlの次亜塩素酸ナトリウム水溶液(遊離塩素濃度4
%)に40mlの酢酸エチルと1gの臭化テトラブチルアンモ
ニウムを加え、激しく撹拌した。二相に分離するまで放
置し、酢酸エチル層を取り出した。
実施例2で得られた膜をこの溶液に室温で3時間浸漬
したところ、塩化メチレン、N−メチルピロリドンに不
溶な膜とすることができた。
この膜を1000ppmのポリエチレングリコール(分子量1
0万)水溶液を原水とし、圧力1kg/cm2、25℃の条件で評
価したところ、阻止率87%、造水量1.9m3/m2・日であっ
た。
[産業上の利用可能性] 本発明の多孔性膜は、耐熱性、耐薬品性及び耐溶剤性
等の耐久性に優れており、従って、特に溶剤の分離、回
収、有機蒸気の処理、高温液体処理及び熱滅菌、塩素殺
菌、アルカリ洗浄等の従来の限界ろ過膜では過酷とされ
ている条件においても十分な耐久性を持ち、また、複合
逆浸透膜や気体分離膜の支持体としても使用可能であ
る。従って、本発明の多孔性膜は、限外ろ過膜として、
また、複合逆浸透膜や気体分離膜の支持体として電子工
業用純水製造、電着塗料の回収、製紙・パルプ工場の汚
水処理、含油排水の処理、ビル排水の再利用、原子力発
電所での排水処理、果汁の清澄化、生酒の製造、ホエー
の濃縮、脱塩、濃縮乳の製造、卵白の濃縮、大豆タンパ
ク質の処理、酵素の回収、バイオリアクター等様々の分
野で用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D01F 6/76 D01F 6/76 審査官 杉江 渉 (56)参考文献 特開 昭62−213813(JP,A) 特開 昭60−248202(JP,A) 特開 昭63−225636(JP,A) 特開 平1−240532(JP,A) 特開 昭58−67733(JP,A) 特開 昭61−432(JP,A) 特公 昭60−4982(JP,B2) 特公 平5−23939(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 71/66 - 71/68 D01F 6/76 C08J 9/28 C08G 75/02 C08L 81/02

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I]で表されるフェニレンスルフ
    ィド系共重合体から本質的に成り、膜の片面又は両面の
    表層部に実質上の分離性能を司る緻密な層を有し、該緻
    密層に続き空隙率が該緻密層より高い多孔層を有して成
    る不均一構造の多孔性膜。 (−Ph−S−Ph−X−)n [I] (ただし、式[I]中、Phはフェニレン基、XはSO2
    又はCOを表し、nは80ないし400の整数を表す)
  2. 【請求項2】式[I]中XがSO2を表す請求項1記載の
    多孔性膜。
  3. 【請求項3】式[I]中Phがp−フェニレン基を表す請
    求項1記載の多孔性膜。
  4. 【請求項4】上記緻密層が、分子量10万のポリエチレン
    グリコール水溶液から該ポリエチレングリコールを10重
    量%阻止できる限界ろ過性能を有する請求項1ないし3
    のいずれか1項に記載の多孔性膜。
  5. 【請求項5】10μmないし100μmの厚さを有する請求
    項1ないし3のいずれか1項に記載の多孔膜。
  6. 【請求項6】膜全体の空隙率が20%ないし80%である請
    求項1ないし3のいずれか1項に記載の多孔膜。
  7. 【請求項7】1kg/cm2、25℃の加圧条件下における純水
    透過性能が0.1m3/m2・日以上である請求項1ないし3の
    いずれか1項に記載の多孔膜。
  8. 【請求項8】平膜の形態にあり、かつポリエステル、ポ
    リアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリフェ
    ニレンスルフィドから成る群より選ばれる重合体から成
    る織物又は不織布上に積層された請求項1ないし3のい
    ずれか1項に記載の多孔膜。
  9. 【請求項9】酸化処理された請求項1ないし3のいずれ
    か1項に記載の多孔膜。
  10. 【請求項10】平膜状、中空糸又はチューブ状の形態に
    ある請求項1ないし3のいずれか1項に記載の多孔膜。
  11. 【請求項11】上記式[I]で表されるフェニレンスル
    フィド系共重合体を、N−メチルピロリドン、ジメチル
    イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホルトリアミド、
    硫酸およびジクロロ酢酸から選ばれる少なくとも一種の
    溶媒に100ないし200℃で溶解する工程と、得られた溶液
    を注型する工程と、上記溶媒に任意に混和する、用いた
    フェニレンスルフィド系共重合体の非溶媒注中で注型後
    の上記溶液を凝固させる工程を含む多孔性膜の製造方
    法。
  12. 【請求項12】フェニレンスルフィド系共重合体の上記
    非溶媒が、水、メタノール、エタノール及びイソプロパ
    ノールから成る群より選ばれる請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】フェニレンスルフィド系共重合体の非溶
    媒中での凝固温度が0ないし50℃である請求項11記載の
    方法。
  14. 【請求項14】フェニレンスルフィド系共重合体の上記
    溶液中のフェニレンスルフィド系共重合体の濃度が10重
    量%ないし30重量%である請求項11記載の方法。
  15. 【請求項15】注型される溶液の厚さが30μmないし30
    0μmである請求項11記載の方法。
  16. 【請求項16】フェニレンスルフィド系共重合体の上記
    溶液を50℃以下にして無機塩、酸、フェニレンスルフィ
    ド系共重合体の非溶媒及び/又は高分子化合物を添加す
    る工程をさらに含む請求項11記載の方法。
  17. 【請求項17】得られた多孔性膜をフェニレンスルフィ
    ド共重合体を膨潤することのできる酸化剤またはフェニ
    レンスルフィド共重合体を膨潤することのできる有機溶
    媒を酸化剤と併用して酸化処理する工程をさらに含む請
    求項11ないし16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 【請求項18】上記酸化処理は、過酢酸、クロロ過安息
    香酸および次亜塩素酸テトラブチルアンモニウムから成
    る群より選ばれる酸化剤を用いて行われる請求項17記載
    の方法。
  19. 【請求項19】酸化処理温度が0℃ないし50℃である請
    求項19記載の方法。
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