JPH0670155B2 - ポリテトラフルオロエチレン系樹脂多孔性膜の製法 - Google Patents

ポリテトラフルオロエチレン系樹脂多孔性膜の製法

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JPH0670155B2
JPH0670155B2 JP28762787A JP28762787A JPH0670155B2 JP H0670155 B2 JPH0670155 B2 JP H0670155B2 JP 28762787 A JP28762787 A JP 28762787A JP 28762787 A JP28762787 A JP 28762787A JP H0670155 B2 JPH0670155 B2 JP H0670155B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は逆浸透、限外ろ過、精密ろ過など濃縮、物質分
離に適する新規なポリテトラフルオロエチレン系樹脂多
孔性膜の製法に関するものである。
(従来の技術) 従来より、逆浸透、限外ろ過、精密ろ過などに、セルロ
ースアセテート系、ポリエチレン、ポリプロピレン係、
ポリメチルメタクリレート系、ポリアクリロニトリル
系、ポリスルホン系などの多孔性膜が用いられてきた
が、透過性能、機械的強度、耐熱性、耐アルカリ性、耐
酸性、耐溶媒性、耐薬品性などに欠点を有していた。
かかる観点から、機械的強度、耐熱性、耐アルカリ性、
耐酸性、耐溶媒性、耐薬品性などに優れた特性を有する
ポリテトラフルオロエチレン系樹脂が注目され、多孔性
膜化が検討されてきた。例えば、特公昭42−13560号公
報、特開昭46−7284号公報、特開昭50−71759号公報な
どににあるような、液体状潤滑剤を含む未焼結ポリテト
ラフルオロエチレン樹脂混和物、あるいは固体状造孔剤
と樹脂分散液との凝集混合物からの成形物を、未焼結状
態で少なくとも一方向に延伸した状態で約327℃以上に
加熱する方法で得た例がこれまでにあるが、膜の多孔構
造の制御が不十分で性能が低いものであるか、製膜性が
悪く、膜厚の厚いものしかできなかった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは上記欠点のないポリテトラフルオロエチレ
ン系樹脂多孔性膜について鋭意検討した結果、本発明に
到達した。
(問題点を解決するための手段) 本発明は次の構成を有する。
(1)ポリテトラフルオロエチレン系樹脂分散液と繊維
形成性重合体を混合して得た均一混合物を成形し、得ら
れた成形物を樹脂の融点以上の温度で熱処理した後、繊
維形成性重合体を除去する方法において、該熱処理前の
均一混合物が100℃以下の温度で混合されており、ポリ
テトラフルオロエチレン系樹脂がフィブリル化されてお
らず、かつ粘度が10〜10000ポイズに調製されているこ
とを特徴とするポリテトラフルオロエチレン系樹脂多孔
性膜の製法。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリテトラフルオロエチレン系樹脂と
は、テトラフルオロエチレンホモポリマー、テトラフル
オロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共
重合体などのテトラフルオロエチレンを主体とした共重
合体単独あるいはそれらの混合物である。
本発明におけるポリテトラフルオロエチレン系樹脂は、
水系または有機系分散液として使用されるが、界面活性
剤を含む水系媒体中で乳化重合によって得られる水系分
散液あるいはその濃縮液などが特に好ましく、さらに好
ましくは、粒子径1μ以下、より好ましくは0.8μ以下
のポリテトラフルオロエチレン系樹脂粒子の均一分散液
が好ましい。
本発明における繊維形成性重合体とは、繊維化可能でし
かもポリテトラフルオロエチレン系樹脂分散液と混合し
て成形可能な均一混合物をつくる重合体であればすべて
よいが、水系分散液の場合にはセルロースキサントゲン
酸ナトリウム系、ポリビニルアルコール系、アルギン酸
ソーダ系の重合体単独あるいはそれらの混合物が好まし
い。
本発明における繊維形成性重合体のポリテトラフルオロ
エチレン系樹脂に対する混合割合は、用いた繊維形成性
重合体の種類によって異なるが、好ましくは10〜300重
量%、さらに好ましくは30〜200重量%がよい。繊維形
成性重合体の混合割合が10重量%より少ないと平均孔径
が0.01μ以上の多孔性膜が得られず、300重量%より多
いと膜の機械的強度が低く実用的でない。
本発明において、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂分
散液と繊維形成性重合体を100℃以下の温度で混合する
時、添加剤を混合してもよい。
添加剤としては、加熱分解、抽出、溶解、放射線分解な
どにより除去することができるものであればすべてよ
く、例えば、珪酸カウシウム、珪酸アルミニウムなどの
珪酸塩類、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭
酸塩類、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウムなどのリ
ン酸塩類、酢酸塩類、シュウ酸塩類、塩化アンモニウ
ム、塩化ナトリウムなどの塩酸塩類、硫酸ナトリウム、
硫酸バリウムなどの硫酸塩類、硝酸塩類、過塩素酸塩類
などの弱酸・強酸塩類、鉄粉などの金属粉、アルミナ、
ジルコニア、酸化マグネシウムなどの金属酸化物類、微
粉珪酸、カオリンクレー、珪藻土などの無機微粉体、ポ
リアミド系、ポリエステル係、ポリオレフィン系、ポリ
スルホン系、ポリ塩化ビニル系、ポリフッ化ビニリデン
系、ポリフッ化ビニル系、などの樹脂微粉体、シリコン
オイル、ヘキサフルオロプロピレノキサイドオリゴマ
ー、クロロトリフルエチレノリゴマー、ブタル酸エステ
ル類、トリメリット酸エステル類、セバシン酸エステル
類、アジピン酸エステル類、アゼライン酸エステル類、
リン酸エステル類などの耐熱性有機物などから選択し
て、単独または混合して使用することができる。さら
に、製膜混合物の安定性向上あるいは製膜、製糸性の改
良の目的で市販されている界面活性剤や消泡剤などを加
えることもできる。
本発明における添加剤の全長は、用いた添加剤、ポリテ
トラフルオロエチレン系樹脂および繊維形成性重合体の
種類によって異なるので一概にはいえないが、ポリテト
ラフルオロエチレン系樹脂に対して1000重量%が以下が
よく、1000重量%より多いと膜の機械的強度が低く実用
的でない。
一方、添加剤な加えることによって多孔爺効を調整する
ことができるので効ましいが、10重量%以上でないと添
加効果がみられな。したがって330〜700重量%の範囲ぜ
より好ましく、さらに好もしくは50〜500%の範囲がよ
い。
本発明ではポリテトラフルオロエチレン系樹脂分散液と
繊維形成性重合体を100℃以下の温度で混合することが
重要であり、この100℃より高温で混合すると分散液中
の樹脂粒子や必要に応じて混合する添加剤が凝集して、
成形時にフィルタづまりをおこしてトラブルの原因にな
ったり、成形物が不均一になったり、成形物に欠陥がで
きたりして問題となど。さらには80℃以下、60℃以下と
温度が低い方が好ましく、より好ましくは40℃以下がよ
い。
本発明における均一混合物とは、圧延成形、押出し成形
あるいは両者を組合わせた成形方法で成形物が得られる
ものならばすべてよいが、成形温度で粘度が10〜10000
ポイズの液体である必要があり、好ましくは100〜5000
ポイズの液体がよい。
本願の均一混合物は、フィブリル化が起きていないの
で、撹拌による粘度変化は実質上ない。従って、撹拌前
の粘度も、撹拌後と同様の10〜10000ポイズの粘度に調
製すれば良いことは明からである。なお、撹拌前では、
ポリテトラフルオロエチレン系樹脂分散液と繊維形成性
重合体が均一に混合していないために、一定した正確な
粘度の測定は困難であるので、撹拌後の粘度で規定せざ
るを得ない。
前記粘度に調製するために、どの様な粘度特性の繊維形
成性重合体をどれ程加えるべきかは、ポリテトラフルオ
ロエチレン系樹脂粒子の含有量やその他の添加される粒
子や添加剤、または溶媒系により、全体の粘度が影響さ
れるので、特定することは困難である。しかし、前述の
ように、本願では、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂
はフィブリル化しないので、撹拌前の分散液全体の粘度
は、前記撹拌液の粘度と同じ10〜10000ポイズの粘度に
なるように計算して、原料を仕込めばよい。
すなわち、混合物中の、ポリテトラフルオロエチレン系
樹脂粒子や硫酸バリウム等の粒子を含む溶液の粘度は、
以下の式により求まる。
Einsteinの粘度式:η/η−1=2.5ψ η:溶液の粘性率 η0:溶媒の粘性率 ψ:分散質の体積と分散系の全体積との比 また、前記粒子以外の、繊維形成性重合体等の溶質の粘
度の寄与については、各種溶媒と溶質についてすでに公
知の粘度関係式と比例定数により容易に決定することが
できる。
本発明のおける均一混合物中のポリテトラフルオロエチ
レン系樹脂の濃度は、用いた繊維形成性重合体や添加剤
の種類、成形方法などによって異なるが、通常1〜50重
量%、好ましくは5〜30重量%の範囲である。
本発明における成形物とは、圧延成形、押出し成形ある
いは両者を組合わせた成形方法で得られるもので、目的
とする多孔性膜の形状にあわせてシート状、中空糸状が
選ばれるが、単位体積当りの有効面積が大きくとれ、装
置の小型化およびコストダウンができて経済的であると
いう点から中空糸の方が好ましい。
本発明における成形とは、圧延成形、押出し成形あるい
は両者を組合わせた成形方法で得られる物であり、目的
とする成形物の形状にあわせてシュート状物の製造ある
いは中空糸だどの紡糸が選ばれるが、種々の成形条件が
とれて成形物の構造が制御しやすいという点から中空系
の紡糸の方が好もしい。
例えば、成形用混合物をガラス板、金属板などの平板、
あるいは、連続したベルトなどに流延した後、凝固液に
浸漬して凝固させるか、成形用混合物を平膜用スリット
口金から押出して、直径あるいはいったん空気中を通し
て凝固液に導いて凝固させるか、または中空糸用口金か
ら、成形用混合物と同時に芯に非凝固性あるいは凝固性
の流体を押出して、直後あるいはいったん空気中を通っ
て凝固液中に導くか、あるいは成形用混合物と同時に芯
に凝固液を押出して、直接あるいはいったん空気中を通
って非凝固性の流体中に導いて凝固させる方法で成形さ
れる。ここでいう非凝固性流体とは、凝固作用のないも
のならばすべてよいが、用いた繊維形成性重合体の種類
によって異なるため一概にはいえないが、例えば、水、
グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、流動パラフィン、イソプルピルミリステート、フ
レオンなどや、それらの混合液体、空気、窒素、不活性
ガスなどの気体などから適宜選んで用いられる。
口金温度は、原液の粘度との関係から製糸性に大きく影
響するため特定することはできないが、通常20〜120℃
の範囲の温度である。さらには凝固液温度より20℃低い
温度以上であることが好ましく、口金面と凝固液面の間
の距離が短い時に顕著になる口金面への蒸気の凝結によ
る製糸性の悪化を防ぐことができる。
押出した成形用混合物をいったん空気中を通って凝固液
中に導く場合の、空気走行中の条件は、成形物の寸法、
成形速度などによってかわるものであり、一般的に規定
することはできないが、口金面から凝固液に導入される
までの距離は、通常0.2〜200cmの範囲が成形の安定性の
点から好ましい。雰囲気温度は、通常、大気温度もしく
は室内温度であるが、場合によっては、冷却して行うこ
ともできる。
凝固液としては、本発明の繊維形成性重合体の非溶媒で
あってかつ成形用混合物の溶媒と親和性があって相溶し
うるものならばすべてよいが、用いた繊維形成性重合体
の種類によって異なり、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸
アンモニウム、硫酸亜鉛、硫酸カリウム、硫酸亜鉛、硫
酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化カル
シウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛などの無機塩水溶
液、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、しゅう酸、ほう酸などの
酸、あるいはこれらの混合物などから適宜選んでもちい
られる。また、凝固液の温度は、成形性に大きな影響を
与えるが、通常、0〜98℃付近で実施される。
本発明における熱処理は、ポリテトラフルオロエチレン
系樹脂粒子を互いに融着させることができる条件であれ
ばすべてよく、真空中、空気中、窒素中、酸素中、硫黄
ガス中、ヘリウムガス中、シリコンオイル中などの種々
の雰囲気下、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂の融点
以上の温度で実施できる。また成形物を張力下または無
張力下で熱処理を行なうことができ、さらにバッチ処理
あるいは連続処理の選択もできる。さらにくわしくは固
定しないで自由の状態で処理する方法、熱処理前に延伸
して処理枠に固定するか、定長あるいは収縮率をきめた
条件で処理に固定して処理する方法、あるいは延伸、定
長、収縮のいずれかまたはそれらの組合わせの条件で連
続的に処理する方法も適宜採用できる。
また、延伸は熱処理の前、後、熱処理中に行なうことが
でき、また組合わせて行なうこともできるが、あまり延
伸倍率が高すぎると膜面に平行な面でみた孔の形状に実
質的な配向のない膜が得られないか、孔径の制御が不可
能で透過性能の信頼性の低い膜しか得られない。通常延
伸倍率は1.1〜3倍、延伸温度は室温から熱処理温度の
範囲で適宜選択でき、また延伸を2方向に行なうことも
できる。
本発明は熱処理後の成形物から繊維形成性重合体を除去
することに特徴があるが、ここでいう繊維形成性重合体
は熱処理によって当初のものとは異なっていることもあ
る。
本発明における熱処理後の成形物から繊維形成性重合体
および必要に応じて添加する添加剤を除去する方法は液
体、ガス、熱、放射線などを使って行なう、溶解法、分
解法、あるいはこれらを組合わせた方法が採用でき、バ
ッチ式、連続式が実施できる。用いた繊維形成性重合体
必要に応じて添加する添加剤の種類によって異なるので
一概にはいえないが、通常、硫酸、硝酸、塩酸、過塩素
酸フッ酸などの酸の単独もしくは混合物、あるいは水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリの単独も
しくは混合物を主成分とした液体を室温から200℃の範
囲の温度に加熱した中に熱処理後の成形物を浸漬する方
法が簡便に用いられる。
また、このようにして製膜した膜にさらに延伸処理を行
なって、膜の透過性能や機械的強度、寸法安定性などを
変えることもできる。延伸倍率は1.1〜3倍程度で、温
度は通常室温からポリテトラフルオロエチレン系樹脂の
融点の範囲であるが、延伸後に温度をかけて熱固定する
こともできる。
本発明の膜は乾燥状態で用いることもできるが、ポリテ
トラフルオロエチレン系樹脂の疎水性のために水系で用
いる場合は膜の多孔をいったん親水化処理することが必
要であるが、この処理をした湿潤状態で保管することも
できる。湿潤状態を保持するには、含水グリセリン、エ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、各種の界
面活性剤などの適切な湿潤剤を付着させておけば十分で
ある。
本発明に係るポリテトラフルオロエチレン系樹脂多孔性
膜は、海水の淡水化、脱塩、工業排水中の塩基、酸など
の除去、電子工業用などの超純水、高純度薬品の製造、
脱脂実液、電着塗装液などの回収、紙パルプ廃液処理、
油水分離、油エマルジョン分離などの工業排水処理、醗
酵生産物の分離精製、果汁、野菜ジュースの濃縮、大豆
処理、製糖工業などの食品工業における濃縮、分離、精
製、人工腎臓、血液成分の分離、菌分離用ミクロフィル
ター、医薬品の分離、精製などの医療用途、バイオリア
クターなどのバイオテクノロジー分野などに広く用いら
れる。
以下に実施例を示すが、これに限定されるものではな
い。
(1)膜の寸法 光学顕微鏡を使用して測定した。
(2)膜の孔径 走査型電子顕微鏡(明石製作所α−9)写真観察によっ
て行なった。
(3)空孔率 エタノール置換法を使って空札に純粋を充填した膜の重
量(W)と絶乾重量(Wo)およびその体積Vを測定し、
次式を使って算出した。
(W−Wo)×100/V(%) (4)透水性 閉幕は市販のカートリッジに組込んで37℃に保ちながら
水圧をかけ、一定時間に膜を透過する水の量と有効膜面
積および膜間圧力差から透水性を算出した。
中空糸膜は小型モジュールにして37℃に保ちながら中空
糸内側に水圧をかけ、一定時間に膜を透過する水の量と
有効膜面積および膜間圧力差から透水性を算出した。
(4)5%アルブミン水溶液の濾過性能 市販の牛血清アルブミン(FractionV)の水溶液を使っ
て、前記(3)の方法で糖水性を測定した。
アルブミン阻止率は、原液濃度Coと透過液濃度Cを測定
して次式で算出した。
(Co−C)×100/Co(%) (実施例) 実施例1 アルギン酸ソーダ(半井化学社製、300cps)50部、硫酸
バリウム(X線増影剤バリトップ、堺化学工業社製)25
0部、シリコーンオイル(トーレ・シリコーン社製SH−2
00)12部を精製水950部に35℃で溶解混合して均一な原
液を得た。この原液にポリテトラフルオロエチレン水系
分散液(ダイキン社製D−2、固形分61重量%、界面活
性剤5.7重量%)200部を添加し、35℃で撹拌して均一な
原液を得た。この原液の粘度は30℃で約420ポイズであ
った。この原液を30℃でガラス板上に流延し、ただちに
40℃に加熱した40重量%塩化カルシウム水溶液に5分間
浸漬し、その後室温の水中にうつしかえて平膜を作製し
た。この膜を熱風乾燥器にいれて昇温し、340℃で30分
間熱処理した後、硫酸約70重量%、硝酸約30重量%から
なる室温の混合液に一晩浸漬放置してアルギン酸ソーダ
およびシリコーンオイルあるいはそれらの変性物ならび
に硫酸バリウムを除去し、次びで水洗後約1.5倍二軸延
伸して多孔性膜を得た。この膜の構造を第1図、第2
図、第3図に示す。図にみられるように、凝固液に接触
した面1の平均孔径0.6μ、厚さ約2μの透過層、そし
て孔径1〜6μの孔が多数存在する厚さ約108μの支持
層からなる構造の膜であった。
この膜の空孔率は約60%で、得られた湿潤膜の膜厚は約
110μで、純水の透水性:11800ml/m2・hr・mmHg、5%ア
ルブミン水溶液での透過性能は、透水性:140ml/m2・hr
・mmHg、アルブミン阻止率:約44%であった。
実施例2 実施例1の原液を中空糸用口金から口金温度30℃で、約
10重量%塩化カルシウム水溶液の芯液とともに押出し、
空気中を5cm走行させた後、約40重量%塩化カルシウム
水溶液からなる約40℃の凝固液に導いて凝固させた後、
水洗して、20m/minで中空糸を巻きとった。この中空糸
膜を熱風乾燥器にいれて昇温し、340℃で30分間熱処理
した後、硫酸約70重量%、硝酸約30重量%からなる室温
の混合液に一晩浸漬放置してアルギン酸ソーダおよびシ
リコーンオイルあるいはそれらの変性物ならびに硫酸バ
リウムを除去し、次いで水洗後約1.5倍延伸して多孔性
中空糸膜を得た。この膜の構造を第4図、第5図、第6
図に示す。図にみられるように、平均孔径0.7μの微多
孔が多数存在する膜であった。
この中空糸膜の空孔率は約50%で、得られた湿潤中空糸
膜の寸法は内径:約360μ膜厚:約95μで、純水の透水
性:1740ml/m2・hr・mmHg、5%アルブミン水溶液での透
過性能は、透水性:140ml/m2・hr・mmHg、アルブミン阻
止率はいずれも約51%であった。
比較例1 実施例1の原液を110℃で5時間撹拌した後、実施例2
と同じ条件で中空糸紡糸を行ったところ、400#フィル
タの目づまりによりパック圧が異常に上昇し、頻繁にフ
ィルタ交換が必要となって安定に紡糸できなかった。
比較例2 熱処理温度を310℃にしたことを除いて、その他は実施
例1、実施例2と同様にして平膜、中空糸膜を作ったと
ころ、硫酸約70重量%、硝酸約30重量%からなる室温の
混合液に一晩浸漬放置してアルギン酸ソーダおよびシリ
コーンオイルあるいはそれらの変性物ならびに硫酸バリ
ウムを除去すると、くずれて平膜、中空糸膜の形態を保
持出来なかった。
(発明の効果) 本発明のポリテトラフルオロエチレン系樹脂多孔性膜
は、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂分散液と繊維形
成性重合体と添加剤の均一混合物を成形し、その成形物
をポリテトラフルオロエチレン系樹脂の融点以上の温度
で熱処理した後、繊維形成性重合体を除去して製膜して
いるため、膜厚の薄いものも容易に製膜でき、しかも均
一混合物の組成を変えることによって幅広い細孔径の分
離膜を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例1で得られたポリテトラフル
オロエチレン系樹脂多孔性膜の直接凝固液に接触した面
の繊維の形状をあらわす走査型電子顕微鏡写真(倍率16
00倍)を示す。 第2図は、本発明の実施例1で得られたポリテトラフル
オロエチレン系樹脂多孔性膜の断面の繊維の形状をあら
わす走査型電子顕微鏡写真(倍率560倍)を示す。 第3図は、本発明の実施例1で得られたポリテトラフル
オロエチレン系樹脂多孔性膜のガラス面に接触していた
面の繊維の形状をあらわす走査型電子顕微鏡写真(倍率
1600倍)を示す。 第4図は、本発明の実施例2で得られたポリテトラフル
オロエチレン系樹脂多孔性中空糸膜の内表面の繊維の形
状をあらわす走査型電子顕微鏡写真(倍率4000倍)を示
す。 第5図は、本発明の実施例2で得られたポリテトラフル
オロエチレン系樹脂多孔性中空糸膜の断面の繊維の形状
をあらわす走査型電子顕微鏡写真(倍率560倍)を示
す。 第6図は、本発明の実施例2で得られたポリテトラフル
オロエチレン系樹脂多孔性中空糸膜の外表面の繊維の形
状をあらわす走査型電子顕微鏡写真(倍率4000倍)を示
す。 1:透過層 2:支持層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭44−22621(JP,B1) 特公 昭46−8589(JP,B1) 特公 昭54−32022(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリテトラフルオロエチレン系樹脂分散液
    と繊維形成性重合体を混合して得た均一混合物を成形
    し、得られた成形物を樹脂の融点以上の温度で熱処理し
    た後、繊維形成性重合体を除去する方法において、該熱
    処理前の均一混合物が100℃以下の温度で混合されてお
    り、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂がフィブリル化
    されておらず、かつ粘度が10〜10000ポイズに調製され
    ていることを特徴とするポリテトラフルオロエチレン系
    樹脂多孔性膜の製法。
JP28762787A 1987-07-30 1987-11-13 ポリテトラフルオロエチレン系樹脂多孔性膜の製法 Expired - Fee Related JPH0670155B2 (ja)

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