JPH078549B2 - ポリフッ化ビニリデン系樹脂多孔性膜およびその製造方法 - Google Patents

ポリフッ化ビニリデン系樹脂多孔性膜およびその製造方法

Info

Publication number
JPH078549B2
JPH078549B2 JP13109087A JP13109087A JPH078549B2 JP H078549 B2 JPH078549 B2 JP H078549B2 JP 13109087 A JP13109087 A JP 13109087A JP 13109087 A JP13109087 A JP 13109087A JP H078549 B2 JPH078549 B2 JP H078549B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
membrane
polyvinylidene fluoride
film
water
stock solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13109087A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63296940A (ja
Inventor
孝 河合
智子 勝
昌弘 辺見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP13109087A priority Critical patent/JPH078549B2/ja
Publication of JPS63296940A publication Critical patent/JPS63296940A/ja
Publication of JPH078549B2 publication Critical patent/JPH078549B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D71/00Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by the material; Manufacturing processes specially adapted therefor
    • B01D71/06Organic material
    • B01D71/30Polyalkenyl halides
    • B01D71/32Polyalkenyl halides containing fluorine atoms
    • B01D71/34Polyvinylidene fluoride

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は逆浸透、限外ろ過、精密ろ過など濃縮、物質分
離に適する新規なポリフッ化ビニリデン系樹脂多孔性膜
およびその製造方法に関するものである。
(従来の技術) 従来より、逆浸透、限外ろ過、精密ろ過などに、セルロ
ースアセテート系、ポリエチレン、ポリプロピレン系、
ポリメチルメタクリレート系、ポリアクリロニトリル
系、ポリスルホン系などの多孔性膜が用いられてきた
が、透過性能、機械的強度、耐熱性、耐アルカリ性、耐
酸性、耐溶媒性、耐薬品性などに欠点を有していた。
かかる観点から、機械的強度、耐熱性、耐アルカリ性、
耐酸性、耐溶媒性、耐薬品性などに優れた特製を有する
ポリフッ化ビニリデン系樹脂が注目され、多孔性膜化が
検討されてきた。例えば、特開昭49-126572号、特開昭5
0-35265号、特開昭52-11261号、特開昭52-154862号、特
開昭55-66935号、特開昭55-69627号、特開昭55-99934
号、特開昭58-91732号、特開昭60-97001号などの平膜
や、特開昭54-62273のチューブや、特開昭56-56202号、
特開昭58-91808号、特開昭58-98105号、特開昭59-16503
号、特開昭60-216804号などの中空糸膜の例がこれまで
にあるが、いずれも大孔径の多孔膜が得られないか、添
加剤を含む3成分混合溶媒を使った複雑な原液系のた
め、透過層の多孔構造の制御が不十分で性能が低いもの
であるか、製膜行程が複雑であるなどの欠点があるもの
であった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは上記欠点のないポリフッ化ビニリデン系樹
脂多孔性膜について鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。
(問題点を解決するための手段) 本発明は次の構成を有する。
(1)平均孔径が0.01〜1μの微多孔を有する透過層
と、膜面に平行な面での平均孔径が1〜20μの多孔を有
する支持層の2層構造からなるポリフッ化ビニリデン系
樹脂多孔性膜。
(2)ポリフッ化ビニリデン系樹脂をジメチルスルホキ
シドを主成分とする溶媒に溶解した原液から製膜するに
際し、片面のみ凝固作用のある液に接触させて凝固させ
ることを特徴とするポリフッ化ビニリデン系樹脂多孔性
膜の製造方法。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明でいう透過層は平均孔径0.01〜1μの微多孔が多
数存在しており、その厚さは10μ以下、好ましくは5μ
以下であるのがよい。透過層の孔の大きさと数および透
過層の厚みは、膜の透水性と溶質の阻止率に関与する重
要な因子である。本発明では、この透過層が膜の片表面
に1層のみあるという理想的な構造のため、両表面に透
過層がある膜に比較して、透過律速となる膜厚が薄くで
き、透過層側から原液を流すことにより、透水性が高く
しかもシャープな分画特性が得られる。また、支持層側
から圧力をかけて、透過層の面にできたゲル層を取除
く、逆洗性にも優れている。しかも、コーティングなど
の方法で、支持膜の表面に透過層を後から作った複合膜
ではないので、透過層と支持層の剥離の心配もない。た
だし、このような理想的な構造のため、支持層側から原
液を流す場合にはめづまりを生じやすいことにより、透
過性能に異方性がみられるため、透過層側から原液を流
す方法で使うことが好ましい。
本発明でいう支持層は膜面に平行な面での平均孔径が1
〜20μの孔が多数存在しており、かつ透過層に連続して
いて膜の機械的強度を担う役目をしている。支持層の孔
は必ずしも等方的な形状でなくてもよく、膜の厚さ方向
に長く伸びた形状で、その長軸の長さが20μ以上のもの
でもよい。支持層の厚さは透過層に比べて厚く、少なく
とも3倍以上、好ましくは5倍以上あるのがよい。
本発明におけるポリフッ化ビニリデン系樹脂は、フッ化
ビニリデンホモポリマー、および、例えば、フッ化ビニ
リデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニ
リデン−六フッ化プロピレン共重合体、エチレン−四フ
ッ化エチレン共重合体などのフッ化ビニリデンのランダ
ム、または、ブロック共重合体など、または、これらの
混合物で、樹脂中フッ化ビニリデンを70重量%以上含む
ものであるが、樹脂中フッ化ビニリデンを80重量%以上
含むものが好ましい。
次に、本発明で好ましく用いられる溶媒の主成分である
ジメチルスルホキシド(DMSO)は、該樹脂と適度な親和
性を有するため、製膜、製糸性が良好で、同一工程で、
製膜条件(例えば、原液濃度、温度、凝固浴組成、温
度)あるいは溶媒に対する添加剤の調整により、逆浸透
膜から精密ろ過膜にいたる均一で幅広い細孔径の分離膜
を容易に得ることができる。
該樹脂に対し、DMSOより大きな親和性を持つ溶媒、例え
ばジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメ
チルホルムアミド、トリメチルホスフェートなどを溶媒
主成分として用いた場合には、このような幅広い性能の
分離膜、特に細孔径が大きい限外ろ過膜や精密ろ過膜を
簡単に得ることは困難である。また、該樹脂に対し、DM
SOより低い溶解性しかもたない溶媒、例えばジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトンなどを溶
媒主成分として用いた場合には、製膜、製糸性が劣り、
目標とする膜性能も得られにくい。さらに、DMSOは水に
無限に可溶であり、製膜、製糸後、水洗により簡単に除
去できるうえに、他の溶媒にくらべ毒性も極めて低く、
作業環境上あるいは医療用途を目的とした場合の製品の
安全性などの面からみても極めてすぐれた性質をもつも
のである。
さらに、製膜原液を作製する際には、分離膜の目的に応
じて細孔径を制御するために、水、ホルムアミド、アル
コール類(ブタノール、プロパノール、エチレングリコ
ール、グリセリンなど)、尿素、塩化カルシウム等の非
溶媒を添加したり、ポリオキシエチレンエーテルラウリ
ルアルコール、イソオクチルフェノキシポリエトキシエ
タノールなどの界面活性剤を添加することも好ましい方
法である。これらの中でも、グリセリンは添加効果が大
きく細孔径が均一な分離膜を製膜、製糸する際に特に好
ましい添加剤である。この溶媒系における添加剤の分率
は、5〜30重量%が、DMSOのもつ良好な製膜、製糸性を
失わずにかつ広い範囲の分離特性を有する膜を得るため
に好ましい。
製膜、製糸原液中の該樹脂の濃度は、用いた溶媒の種
類、製膜、製糸方法および目的とする分離膜の細孔径な
どによって異なるが、通常5〜35重量%、好ましくは10
〜30重量%の範囲である。
本発明の製膜とは平膜を製造することは勿論、中空糸な
どに紡糸することも含むものであるが、片面のみ凝固作
用のある液に接触させて凝固させることが必須で、この
方法によってのみ本発明の多孔性膜が得られる。例え
ば、原液をガラス板、金属板などの平板、あるいは、連
続したベルトなどに流延した後、膜がはがれないように
端を固定してから凝固液に浸漬して、直接凝固液に接触
する片面のみから凝固させるか、または中空糸用口金か
ら、原液と同時に芯に非凝固性の流体を押出して、直接
あるいはいったん空気中を通って凝固液中に導くか、あ
るいは、原液と同時に芯に凝固液を押出して、直接ある
いはいったん空気中を通って非凝固性の流体中に導くこ
とによって、直接凝固液に接触する片面のみから凝固さ
せる方法で製膜できる。ここでいう非凝固性流体とは、
凝固作用のないものならばすべてよいが、一般に、先に
例示した溶媒、それら溶媒に対して親和性のない液体
(溶媒にDMSOを用いた場合には、流動パラフィン、イソ
プロピルミリステート、フレオンなどや、それらの混合
物)、空気、窒素、不活性ガスなどの気体などが好まし
く用いられる。
口金温度は、原液の粘度との関係から製糸性に大きく影
響するため特定することはできないが、凝固液温度より
20℃低い温度以上であることが好ましい。この温度範囲
では、口金面と凝固液面の間の距離が短い時に顕著にな
る、口金面への蒸気の凝結による製糸性の悪化を防ぐ効
果もある。
押出した原液をいったん空気中を通って凝固液中に導く
場合の、空気走行中の条件は、糸条の寸法、製膜速度な
どによってかわるものであり、一般的に規定することは
できないが、口金面から凝固液に導入されるまでの距離
は、通常0.2〜200cmの範囲が製膜の安定性の点から好ま
しい。雰囲気温度は、通常、大気温度もしくは室内温度
であるが、場合によっては、冷却して行うこともでき
る。また、適度な湿度の調節を行い膜性能を微妙に制御
することもできる。
凝固液としては、本発明の樹脂の非溶媒であってかつ原
液の溶媒と親和性があって相溶しうるものならばすべて
よいが、一般に、水、脂肪族の低級アルコール類、また
はそれらの混合物あるいはこれらの凝固液に溶媒を添加
したものが好ましく用いられる。
凝固液の温度は、膜の透過性に大きな影響を与え、一般
に高温側において高い透水性を有する膜が得られ、通
常、0〜98℃付近で実施される。
本発明の膜は、乾燥して用いることもできるが、凝固浴
から乾燥することなく含水状態もしくは湿潤状態で製
膜、保存することが好ましく、長期間にわたって透過性
能および機械的性質に大きな変化を生じない。湿潤状態
を保持するには、含水グリセリン、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、各種の界面活性剤などの
適切な湿潤剤を付着させておけば十分である。
さらに、製膜後に加熱処理によって膜の透過性能や機械
的強度、寸法安定性などを変えることもできる。加熱処
理は張力下または無張力下で行い、温度は通常50〜110
℃好ましくは70〜90℃の範囲である。
また、製膜後に延伸処理によって膜の透過性能や機械的
強度、寸法安定性などを変えることもできる。延伸倍率
は1.1〜3倍程度で、温度は通常50〜110℃好ましくは70
〜90℃の範囲であるが、加熱処理と延伸処理を同時に行
うこともできる。
本発明に係るポリフッ化ビニリデン系樹脂多孔性膜は、
海水の淡水化、脱塩、工業排水中の塩基、酸などの除
去、電子工業用などの超純水、高純度薬品の製造、脱脂
実液、電着塗装液などの回収、紙パルプ廃液処理、油水
分離、油エマルジョン分離などの工業排水処理、醗酵生
産物の分離精製、果汁、野菜ジュースの濃縮、大豆処
理、製糖工業などの食品工業における濃縮、分離、精
製、人工腎臓、血液成分の分離、菌分離用ミクロフィル
ター、医薬品の分離、精製などの医療用途、バイオリア
クターなどのバイオテクロノジー分野などに広く用いら
れる。
以下に実施例を示すが、これに限定されるものではな
い。
(実施例) (1)膜の寸法 光学顕微鏡を使用して測定した。
(2)膜の孔径 走査型電子顕微鏡(明石製作所α−9)写真観察によっ
て行なった。
(3)透水性 中空糸膜は両端に環流液用の孔を備えたガラス製のケー
スにを挿入し、市販のポッティング剤を用いて小型モジ
ュールを作製し、37℃に保って中空糸内側に水圧をかけ
膜を通して外側へ透過する一定時間の水の量と有効膜面
積および膜間圧力差から透水性能を算出した。
一方、平膜は市販のカートリッジに組込んで37℃に保ち
ながら水圧をかけ、膜を透過する一定時間の水の量と有
効膜面積および膜間圧力差から透水性能を算出した。
(4)5%アルブミン水溶液で過性能 市販の牛のアルブミンを使用して調製した原液を使用
し、前記(3)の方法で透水性を測定した。
アルブミン阻止率は、原液濃度Coと透過液濃度Cを測定
して次式で算出した。
実施例1 フッ化ビニリデン樹脂(米国ペンウオルト社製、Kynar4
60)30部をジメチルスルホキシド150部に110℃で溶解
し、ポリマ濃度16.7重量%の均一な原液を得た。この原
液を50℃でガラス板上に流延し、膜がはがれないように
端を固定してから70℃の熱水中に5分間浸漬して、直接
70℃の熱水に接触した片面からのみ凝固させ、その後25
℃の水中に写して水洗して平膜を作製した。凝固面側
に、膜面の平均孔径約0.2μ厚さ約4μの透過層があ
り、ガラス面側に、膜面の平均孔径約5μ、膜断面の平
均長軸長約20μ、厚さ約20μの支持層が観測された。得
られた湿潤膜の膜厚:25μ、純水の透水性:340ml/m2・hr
・mmHg、5%アルブミン水溶液での透過性能は、透水
性:27ml/m2・hr・mmHg、アルブミン阻止率:69%であっ
た。
実施例2 実施例1の原液60部にグリセリン5部(10重量%対DMS
O)を加えて60℃で溶解し、ポリマ濃度15.4重量%の均
一な原液を得た。この原液を使って、実施例1と同様の
方法で平膜を作製した。グリセリン添加により、純水の
透水性、5%アルブミン水溶液の透水性が実施例1に比
べて高くなっている。凝固面側に、膜面の平均孔径約0.
1μ以下、厚さ約6μの透過層があり、ガラス面側に、
膜面の平均孔径約5μ、膜断面の平均長軸長約20μ、厚
さ約25μの支持層が観測された。
得られた湿潤膜の膜厚:32μ、純水の透水性:1800ml/m2
・hr・mmHg、5%アルブミン水溶液での透過性能は、透
水性:85ml/m2・hr・mmHg、アルブミン阻止率:59%であ
った。
実施例3 実施例1の原液60部にグリセリン10部(20重量%対DMS
O)を加えて60℃で溶解し、ポリマ濃度14.3重量%の均
一な原液を得た。この原液を使って、実施例1と同様の
方法で平膜を作製した。この膜の構造を第1図、第2
図、第3図に示す。第1図、第2図からわかるように、
凝固面側に、膜面の平均孔径約0.3μ、厚さ約4μの透
過層があり、第2図、第3図からわかるように、ガラス
面側に、膜面の平均孔径約2μ、膜断面の平均孔径約2.
5μ、厚さ約30μの支持層が観測される。
得られた湿潤膜の膜厚:34μ、純水の透水性:2080ml/m2
・hr・mmHg、5%アルブミン水溶液での透過性能は、透
水性:100ml/m2・hr・mmHg、アルブミン阻止率:69%であ
った。グリセリン添加量を増すことにより、純水の透水
性、5%アルブミン水溶液の透水性が実施例2に比べて
高くなっている。
実施例4 フッ化ビニリデン樹脂(米国ペンウオルト社製、Kynar4
60)200部を、ジメチルスルホキシド1000部にグリセリ
ン100部(10重量%対DMSO)を加えた溶媒に添加して80
℃で溶解し、ポリマ濃度15.4重量%の均一な原液を得
た。原液粘度(50℃)は55ポイズであった。この原液を
中空糸用口金から口金温度40℃で、グリセリン10重量%
含有ジメチルスルホキシドの芯液とともに押出し、空気
中を2cm走行させた後、ジメチルホキシドを約10重量%
含む水溶液からなる約50℃の凝固液に導いて、直接凝固
液に接触した、外表面からのみ凝固させた後、水洗、グ
リセリン付着して、20m/minで中空糸を巻きとった。こ
の中空糸の内径は約240μ、膜厚は約40μであった。こ
の膜の構造を第4図、第5図、第6図に示す。第4図、
第5図からわかるように、糸外表面側に、膜面の平均孔
径約0.1μ以下、厚さ約1μの透過層があり、第5図、
第6図からわかるように、糸内表面側に、膜面の平均孔
径約10μ、膜断面の平均長軸長約30μ、厚さ約40μの支
持層が観測される。
この膜を小型モジュールにして膜の性能評価を行ったと
ころ、純水の透水性:650ml/m2・hr・mmHg、5%アルブ
ミン水溶液での透過性能は、糸外表面から糸内表面の方
向に通液した場合の透水性:55ml/m2・hr・mmHg、糸内表
面から糸外表面の方向に通液した場合の透水性:3ml/m2
・hr・mmHgと異方性をしめし、アルブミン阻止率はいず
れも約70%であった。
実施例5 実施例3で得られた、純水の透水性:2080ml/m2・hr・mm
Hgの湿潤膜を、エタノールで置換した後乾燥した。次
に、この乾燥膜をエタノールに浸漬した後、水で置換し
て純水の透水性を測定したところ、2150ml/m2・hr・mmH
gであり、100%透水性を保持していた。この結果、膜を
乾燥しても、上記の方法で透水性を発現できることが認
められた。
(発明の効果) 本発明のポリフッ化ビニリデン系樹脂多孔性膜は、平均
孔径が0.01〜1μの微多孔を有した透過特性を支配する
透過層と、膜面に平行な面での平均孔径が1〜20μの多
孔を有した膜の機械的強度を保持する支持層の2層構造
からなる、理想的な構造のため、透過律速となる膜厚が
薄くでき、透過層側から原液を流すことにより、透水性
が高くしかもシャープな分画特性が得られ、また、逆洗
性にも優れており、しかも、透過層と支持層の剥離の心
配のない、耐熱性、耐薬品性に優れた膜であり、またそ
の透過性能に異方性を示す特徴がある。しかも、本発明
の樹脂と適度な親和性を有する、ジメチルスルホキシド
を主成分に用いることにより、製膜工程も簡単で、条件
あるいは添加剤の調整により、幅広い細孔径の分離膜を
容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例3で得られたポリフッ化ビニ
リデン系樹脂多孔性膜の直接凝固液に接触した面の繊維
の形状をあらわす走査型電子顕微鏡写真(倍率4000倍)
を示す。 第2図は、本発明の実施例3で得られたポリフッ化ビニ
リデン系樹脂多孔性膜の断面の繊維の形状をあらわす走
査型電子顕微鏡写真(倍率1600倍)を示す。 第3図は、本発明の実施例3で得られたポリフッ化ビニ
リデン系樹脂多孔性膜のガラス面に接触していた面の繊
維の形状をあらわす走査型電子顕微鏡写真(倍率4000
倍)を示す。 第4図は、本発明の実施例4で得られたポリフッ化ビニ
リデン系樹脂多孔性中空糸膜の直接凝固液に接触した外
表面の繊維の形状をあらわす走査型電子顕微鏡写真(倍
率4000倍)を示す。 第5図は、本発明の実施例4で得られたポリフッ化ビニ
リデン系樹脂多孔性中空糸膜の断面の繊維の形状をあら
わす走査型電子顕微鏡写真(倍率800倍)を示す。 第6図は、本発明の実施例4で得られたポリフッ化ビニ
リデン系樹脂多孔性中空糸膜の直接非凝固液に接触した
内表面の繊維の形状をあらわす走査型電子顕微鏡写真
(倍率800倍)を示す。 1:透過層 2:支持層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均孔径が0.01〜1μの微多孔を有する透
    過層と、膜面に平行な面での平均孔径が1〜20μの多孔
    を有する支持層の2層構造からなるポリフッ化ビニリデ
    ン系樹脂多孔性膜。
  2. 【請求項2】ポリフッ化ビニリデン系樹脂をジメチルス
    ルホキシドを主成分とする溶媒に溶解した原液から製膜
    するに際し、片面のみ凝固作用のある液に接触させて凝
    固させることを特徴とするポリフッ化ビニリデン系樹脂
    多孔性膜の製造方法。
JP13109087A 1987-05-29 1987-05-29 ポリフッ化ビニリデン系樹脂多孔性膜およびその製造方法 Expired - Fee Related JPH078549B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13109087A JPH078549B2 (ja) 1987-05-29 1987-05-29 ポリフッ化ビニリデン系樹脂多孔性膜およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13109087A JPH078549B2 (ja) 1987-05-29 1987-05-29 ポリフッ化ビニリデン系樹脂多孔性膜およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63296940A JPS63296940A (ja) 1988-12-05
JPH078549B2 true JPH078549B2 (ja) 1995-02-01

Family

ID=15049744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13109087A Expired - Fee Related JPH078549B2 (ja) 1987-05-29 1987-05-29 ポリフッ化ビニリデン系樹脂多孔性膜およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH078549B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11152366A (ja) * 1997-11-19 1999-06-08 Asahi Chem Ind Co Ltd フッ化ビニリデン系樹脂製多孔膜

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5006247A (en) * 1989-08-15 1991-04-09 Minnesota Mining And Manufacturing Company Asymmetric porous polyamide membranes
US5460872A (en) * 1993-03-26 1995-10-24 W. L. Gore & Associates, Inc. Process for coating microporous substrates and products therefrom
US6074718A (en) * 1996-02-06 2000-06-13 Koch Membrane Systems, Inc. Self supporting hollow fiber membrane and method of construction
US6196708B1 (en) 1998-05-14 2001-03-06 Donaldson Company, Inc. Oleophobic laminated articles, assemblies of use, and methods
CN100438959C (zh) 2003-10-03 2008-12-03 株式会社吴羽 1,1-二氟乙烯类树脂多孔中空丝及其制造方法
CN101820987B (zh) * 2007-10-11 2013-03-13 3M创新有限公司 具有相对大平均孔径的微孔膜及其制备方法
WO2010090183A1 (ja) 2009-02-05 2010-08-12 株式会社クレハ フッ化ビニリデン系樹脂多孔膜およびその製造方法
CN102470328B (zh) 2009-07-14 2014-12-31 株式会社吴羽 1,1-二氟乙烯系树脂多孔膜、该多孔膜的制造方法和过滤水的制造方法
CN102198374B (zh) * 2011-05-16 2013-07-17 杭州费尔过滤技术有限公司 高强度不对称的聚偏二氟乙烯微孔膜及其制备方法
CN106582312A (zh) * 2016-12-09 2017-04-26 南京工业大学 一种亲水性聚偏氟乙烯双层膜及其制备方法
CN107715701B (zh) * 2017-10-20 2024-04-05 浙江帕尔环境科技有限公司 一种高通量抗污染可反洗的超滤膜及其制备方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11152366A (ja) * 1997-11-19 1999-06-08 Asahi Chem Ind Co Ltd フッ化ビニリデン系樹脂製多孔膜

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63296940A (ja) 1988-12-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4612119A (en) Hollow fiber filter medium and process for preparing the same
EP0294737B1 (en) Polysulfone hollow fiber membrane and process for making the same
US4772391A (en) Composite membrane for reverse osmosis
EP0193725A2 (en) Process for spinning hollow fiber membranes
KR20140082532A (ko) 복합막 모듈의 제조방법
JPH078549B2 (ja) ポリフッ化ビニリデン系樹脂多孔性膜およびその製造方法
JPS6356802B2 (ja)
KR100557264B1 (ko) 중공사막 및 그의 제조 방법
JP2542572B2 (ja) 中空繊維
JPH078548B2 (ja) ポリフッ化ビニリデン系樹脂多孔性膜およびその製法
JPS6138208B2 (ja)
JPH0569571B2 (ja)
JPH0478729B2 (ja)
JPH0468010B2 (ja)
JPS5898105A (ja) フッ素系湿潤分離膜の製造方法
JPH03258330A (ja) 多孔性中空糸膜
JPS5950364B2 (ja) 限外「ろ」過膜およびその製造方法
JP2530133B2 (ja) 微孔性膜
JPS6138207B2 (ja)
JPH0929078A (ja) 中空糸膜の製造方法
JPH0468011B2 (ja)
WO2016182015A1 (ja) 多孔質中空糸膜及びその製造方法
JPS59228016A (ja) 芳香族ポリスルホン中空糸状膜及びその製造方法
JPS6028522B2 (ja) 分離用中空繊維の製造法
JPH0670155B2 (ja) ポリテトラフルオロエチレン系樹脂多孔性膜の製法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees