JPH06182168A - 微多孔性膜およびその製造方法 - Google Patents

微多孔性膜およびその製造方法

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JPH06182168A
JPH06182168A JP35552592A JP35552592A JPH06182168A JP H06182168 A JPH06182168 A JP H06182168A JP 35552592 A JP35552592 A JP 35552592A JP 35552592 A JP35552592 A JP 35552592A JP H06182168 A JPH06182168 A JP H06182168A
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JP
Japan
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membrane
microporous membrane
thickness
polymer
film
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JP35552592A
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Katsufumi Ooto
勝文 大音
Yoshihiro Honma
良弘 本間
Tadahiro Uemura
忠廣 植村
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶剤の分離・回収、有機蒸気の処理、高温液
体処理および熱滅菌、塩素殺菌、アルカリ洗浄などの過
酷な条件において十分な耐久性を持ち、かつ複合逆浸透
膜や気体分離膜の支持体として使用可能な微多孔性膜お
よびその製造方法を提供する。 【構成】 下記の一般式の繰り返し単位で表される重合
体から主として成る微多孔性膜の製造において、該重合
体の溶媒として、該重合体に対して0.5〜20重量%
の一塩基酸のリチウム塩を溶解せしめた、非プロトン性
極性有機溶媒を用いることを特徴とする微多孔性膜およ
びその製造方法。 式 −(Ph−S)m −(Ph−SO2 n − (但し式中Phはフェニレン基を表し、m,nは自然数
を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶剤の分離・回収や熱
滅菌、アルカリ洗浄など、耐久性が要求される分野にお
いて従来品より優れた分画性能を有し、かつ複合逆浸透
膜の支持体としても使用可能な耐熱性、耐薬品性に優れ
た微多孔性膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、限外濾過膜は電子工業用純水製
造、電着塗料の回収、製紙、パルプ工場の汚水処理、含
油排水の処理、ビル排水の再利用、原子力発電所での排
水処理、果汁の清澄化、生酒の製造、ホエーの濃縮、脱
塩、濃縮乳の製造、卵白の濃縮、大豆蛋白の処理、酵素
の回収、バイオリアクターなど様々の分類への応用が検
討され、実用化されている。しかし、これらの応用分野
において必要とされている耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性
を全て満足する限外濾過膜は開発されておらず、耐久性
についてはなお強い要望がある。
【0003】例えば、酢酸セルロースやポリスルホン
(特開昭50−22508号公報)樹脂は、製膜加工が
容易なため限外濾過膜素材としてよく用いられるが、耐
熱性や耐溶剤性に問題を残している。一方、耐溶剤性を
克服した膜としてポリイミド膜(特開昭57−9009
8号公報)が挙げられるが、耐アルカリ性に乏しい。ま
た、耐熱、耐薬品、耐溶剤性に優れた多孔膜としてポリ
フェニレンスルフィド(PPS)膜が知られている。し
かしながら、PPSはその優れた耐有機溶剤性が示す如
く適当な溶剤が少なく、溶融製膜することで多孔膜を得
ている場合が多い(特開昭58−67733号公報,特
公昭60−44404号公報)ため、膜の穴径のコント
ロールが困難な上、限外濾過膜として高い透過性能の発
現を可能にする不均一構造をとることができない。
【0004】このような限られた製膜条件でのみ多孔膜
を与えるために、分離性能のコントロールは難しく、要
求性能への対応は非常に困難である。
【0005】一方、PPS多孔膜を酸化処理してスルフ
ィド結合をスルホン結合に変換することにより、さらに
耐久性を向上させる方法が考案されている(特開昭63
−225636号公報)。しかし、この膜も前述の方法
で多孔膜とした後、酸化処理を行うために分離性能のコ
ントロールが難しいこと、そしてスルフィド結合の部分
酸化を行う場合には全くのランダム共重合体となるた
め、再現性や耐久性の面で問題を残している。
【0006】それに対して、国際公開番号JP89/0
0996号明細書の開示方法によって得られる優れた耐
熱、耐薬品、耐溶剤性を有した、しかも製膜加工性に優
れたポリフェニレンスルフィドスルホン(PPSS)を
用いた微多孔性膜の研究も進められている。しかし、こ
の膜の分画分子量は10万のみであり、分離性能のコン
トロールや再現性、耐久性の面で問題を残している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、極めて優れ
た耐熱性、耐薬品性を有し、分離性能のコントロールが
容易であるために優れた分離性能を持つ、限外濾過膜の
製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は下記の構成から成る。
【0009】主鎖にスルフィド結合を有する下記の一般
式の繰り返し単位で表される重合体を用いた微多孔性膜
において、膜の一方の表面からもう一方の表面に向かっ
て、5〜100オングストロームの平均孔径の細孔を有
する厚み0.5〜2.0μmの緻密な表面層と、膜の厚
み方向に伸びた0.1〜2μmの平均孔径の細孔を有す
る厚み5〜20μmの多孔質構造の中間層と、0.1〜
10μmの平均孔径の細孔を有する厚み30〜50μm
の空隙率が高い多孔層からなり、しかも孔径の大きさの
変化は膜の一方の表面からもう一方の表面にわたって連
続的であり、膜全体が一つの層を形成してなることを特
徴とする微多孔性膜。 式 −(Ph−S)m −(Ph−SO2 n − (但し式中Phはフェニレン基を表し、m,nは自然数
を表す。) 本発明における膜の形態は、膜の一方の表面からもう一
方の表面に向かって、5〜100オングストローム、好
ましくは40〜100オングストロームの平均孔径の細
孔を有する厚み0.5〜2.0μm、好ましくは1.0
〜2.0μmの緻密な表面層と、膜の厚み方向に伸びた
0.1〜2μm、好ましくは0.5〜1.0μmの平均
孔径の細孔を有する厚み5〜20μm、好ましくは5〜
10μmの多孔質構造の中間層と、0.1〜10μm、
好ましくは0.2〜5.0μmの平均孔径の細孔を有す
る厚み30〜50μm、好ましくは30〜40μmの空
隙率が高い多孔層からなり、しかも孔径の大きさの変化
は膜の一方の表面からもう一方の表面にわたって連続的
であり、膜全体が一つの層を形成してなる不均一構造を
とっている。
【0010】または、膜の両面に該緻密な表面層を有す
る構造もあげられる。
【0011】本発明における、上記の一般式で表される
繰り返し単位を有する重合体のPhで表されるフェニレ
ン残基の置換位置は、o−,m−,p−のうちから選ば
れるが、耐久性の面から好ましくはp−置換である。重
合体中にスルフィド結合が必ず含まれる理由として、ス
ルフィド結合が重合体の溶解性を向上することが挙げら
れる。例えば、ポリフェニレンスルホンは溶媒に溶解で
きないために湿式製膜ができない。m,nの数について
は特に制限があるわけではないが、分子量が大きすぎる
と重合体を溶媒に溶解することができなくなり、小さす
ぎると成型物の機械的強度が乏しくなることから、分子
量的には数万〜10万程度が好ましい。従って、m+n
は80ないし200が好ましく、共重合体の固有粘度で
言えば約0.1ないし1.0、特に0.3ないし0.6
程度が好ましいと言える。重合体はランダム共重合体、
交互共重合体のうち膜性能や再現性や耐久性を考慮する
と交互共重合体がより好ましい。つまり、スルフィド結
合を安定化するため隣り合う繰り返し単位には、電子吸
引基であるスルホン基やカルボニル基が存在することが
特に好ましく、電子吸引性の大きなスルホン結合がより
好ましい。しかし、50%程度の規則性があれば十分で
あることも多く、特に交互共重合体に限定を受けるもの
ではない。スルホン結合やカルボン酸基の量について
は、スルフィド結合が隣り合わないような構造を取るた
めに50%以上であることが好ましいが、特に限定を受
けるものではない。
【0012】本発明で得られる分画性能は、限外濾過膜
の性能評価においてよく用いられるポリエチレングリコ
ールを用いた場合、分子量2万のもので10%以上阻止
することができる。
【0013】不均一微多孔性膜の平均膜厚は、10〜2
00μmであることが好ましく、膜の耐圧性および液体
の透過抵抗を考慮すると、30〜80μm程度がより好
ましい。
【0014】多孔性膜全体としての空隙率は40〜90
%から任意に選ぶことができるが、膜の耐圧性および液
体の透過抵抗を考慮すると50〜80%が良好な結果を
与える。
【0015】そして、この多孔性膜はポリエステル、ポ
リアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリフ
ェニレンスルフィドから選ばれる織物または不織布から
なる基材上に形成されることにより、機械的強度がより
向上する。テトロンは汎用的な素材であるが、ポリアミ
ドは耐熱、ポリエチレン、ポリプロピレンは耐薬品性、
ポリフェニレンスルフィドは耐熱、耐薬品性が要求され
る分野への応用が可能である。織密度はキャスト液の溶
媒や濃度に依存するため一概に決められないが、キャス
ト液が基材の裏側まで浸透することはないが、基材にあ
る程度浸透するようなものが好ましい。
【0016】本発明におけるリチウム塩とは、水酸化リ
チウムと無機酸または有機酸から形成される一塩基酸の
塩が好ましい。例えば、非プロトン性極性有機溶媒によ
く溶解することが知られている塩化リチウム、臭化リチ
ウム、ヨウ化リチウム、硝酸リチウム等が代表例として
挙げられる。具体的には、分離性能のコントロールが容
易な点から塩化リチウムがより好ましい。
【0017】また、非プロトン性極性有機溶媒として
は、スルホキシド類、ピロリドン類、イミダゾール類、
イミダゾリジノン類、リン酸アミド類から選ばれる。具
体的には、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メ
チルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン(DMI)、ヘキサメチルホスホリック
トリアミド(HMPA)等が挙げられ、製膜原液の取り
扱いの点から、N,N−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン(DMI)がより好ましい。
【0018】該製膜原液には製膜を阻害しないものであ
れば界面活性剤や有機溶媒、酸化防止剤等が含まれてい
ても良い。
【0019】リチウム塩の量は、重合体に対する重量比
で0.5〜20%の範囲で使用する。この範囲以下では
本発明の効果が不十分であり、また、この範囲以上では
溶媒に対する溶解性に問題が出る。より好ましくは2〜
15%の範囲で使用する。
【0020】製膜原液中の重合体溶液の濃度は14〜2
5重量%が好ましい。この範囲以下では十分な強度を有
する微多孔膜が得られ難く、また、この範囲以上では実
用的な透水性を有する膜が得られない。具体的には、1
5〜20重量%であることがより好ましい。
【0021】本発明における重合体の製膜原液の調製お
よび製膜方法は次のようにして行う。まず、リチウム塩
を非プロトン性極性有機溶媒に溶解した後、この溶液に
該重合体を混合し、加熱して完全に溶解させる。そし
て、常温に冷却した後、製膜原液を織布または不織布上
に流延し、次いで実質的に水からなる媒体中(凝固浴)
で凝固(ゲル化)することによって製造される。この凝
固工程によって、溶媒およびリチウム塩は凝固浴へ溶解
して膜中から除去されるが、これが不十分な場合は、水
洗工程を設けて溶媒およびリチウム塩を除去する。
【0022】次に本発明に関する特性の測定方法につい
てまとめて記載する。
【0023】i)空隙率 得られた微多孔膜を一定の大きさに切り取り、平均厚み
を測定することにより見掛けの体積を求める。次にこの
微多孔膜の重さを測定し、実際の体積を求める。そして
空隙率は、 空隙率[%] =(1−微多孔膜の実際の体積/微多孔膜の
見掛けの体積)×100 により求める。
【0024】ii) 阻止率 溶質を含む液体を膜に透過させた時、阻止率は下式によ
って示される。 阻止率[%] =(1−膜透過液中の溶質濃度/膜供給液中
の溶質濃度)×100 iii)造水量 造水量は、25℃において膜を透過する液体の重量を時
間と共に測定し、膜表面1m2 あたり24時間で何m3
の透過であるか換算したものである。
【0025】以下の実施例によって更に詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例により何ら限定されるもので
はない。
【0026】
【実施例】
実施例1 塩化リチウム1.0重量%をジメチルイミダゾリジノン
(以下DMIと略す。)79.0重量%に加え、40℃
で30分攪拌して完全に溶解した。この溶液にポリフェ
ニレンスルフィドスルホンの20重量%を加えて180
℃で2時間攪拌し完全に溶解し、次いで孔径10μmの
ポリテトラフルオロエチレン製メンブレンフィルターで
不溶分を瀘別した。この様にして得られた製膜原液をポ
リエステル繊維からなるタフタ(タテ糸、ヨコ糸とも1
50デニールのマルチフィラメント糸、織り密度タテ9
0本/インチ、ヨコ67本/インチ、厚さ160μm)
または不織布(厚さ130μm)上に45±5μmの厚
みでキャストし、ただちにこれを室温(25℃)の水浴
中に浸漬してゲル化することにより、繊維補強ポリフェ
ニレンスルフィドスルホンの微多孔性支持膜(以下FR
−PPSS支持膜と略す。)得た。
【0027】なお、ここで得た膜厚60μmの微多孔性
支持膜の断面の電界放射型走査電子顕微鏡写真(倍率1
000倍)を図1に示した。
【0028】この様にして得た該微多孔性膜を1000
ppmのポリエチレングリコール(分子量10万)水溶
液を用いて、圧力1kg/cm2 、25℃の条件で分離
性能を評価したところ、阻止率は96.8%、造水量
1.94m3 /m2 ・日の性能であった。また、圧力5
kg/cm2 、25℃の条件で分離性能を評価したとこ
ろ、阻止率は97.2%、造水量2.42m3 /m2
日の性能であった。
【0029】あるいは、FR−PPSS支持膜を100
0ppmのポリエチレングリコール(分子量5万)水溶
液を用いて、圧力1kg/cm2 、25℃の条件で分離
性能を評価したところ、阻止率は96.6%、造水量
2.02m3 /m2 ・日の性能であった。
【0030】また、圧力5kg/cm2 で行う以外は同
条件で分離性能を評価したところ、阻止率は88.2
%、造水量2.52m3 /m2 ・日の性能であった。
【0031】さらに、得られたFR−PPSS支持膜を
1000ppmのポリエチレングリコール(分子量2
万)水溶液を用いて、圧力1kg/cm2 、25℃の条
件で分離性能を評価したところ、阻止率は95.0%、
造水量2.13m3 /m2 ・日の性能であった。また、
圧力5kg/cm2 で行う以外は同条件で分離性能を評
価したところ、阻止率は83.4%、造水量2.88m
3 /m2 ・日の性能であった。
【0032】一方、得られたFR−PPSS支持膜を表
面の水分を軽く除去した後、トリクロロエチレン(25
℃)中に20時間浸漬した。水洗後、同一条件で分離性
能を評価したところ、阻止率は96.6%、造水量1.
50m3 /m2 ・日の性能であった。
【0033】比較例1 実施例1において、塩化リチウムを添加しないでFR−
PPSS支持膜の製膜を行い、1000ppmのポリエ
チレングリコール(分子量10万)水溶液を用いて、圧
力1kg/cm2 、25℃の条件で分離性能を評価した
ところ、阻止率は91.7%、造水量2.03m3 /m
2 ・日の性能であった。
【0034】なお、ここで得た膜厚65μmの微多孔性
支持膜の断面の電界放射型走査電子顕微鏡写真(倍率1
000倍)を図2に示した。
【0035】得られたFR−PPSS支持膜を1000
ppmのポリエチレングリコール(分子量5万)水溶液
を用いて、圧力1kg/cm2 、25℃の条件で分離性
能を評価したところ、阻止率は15.0%、造水量2.
80m3 /m2 ・日の性能であった。
【0036】また、得られたFR−PPSS支持膜を1
000ppmのポリエチレングリコール(分子量2万)
水溶液を用いて、圧力1kg/cm2 、25℃の条件で
分離性能を評価したところ、阻止率は2.5%、造水量
4.10m3 /m2 ・日の性能であった。
【0037】実施例2 実施例1において、FR−PPSS支持膜の製膜の際
に、製膜原液に塩化リチウムの代わりに硝酸リチウム
1.0重量%を使用する以外は同様に行った結果、阻止
率は91.9%、造水量2.28m3 /m2 ・日の性能
であった。
【0038】また、1000ppmのポリエチレングリ
コール(分子量5万)水溶液を用いる以外は同条件で分
離性能を評価したところ、阻止率は64.0%、造水量
2.08m3 /m2 ・日の性能であった。
【0039】実施例3 実施例1において、FR−PPSS支持膜の製膜の際
に、製膜原液に塩化リチウムの代わりにヨウ化リチウム
1.0重量%を使用する以外は同様に行った結果、阻止
率は89.1%、造水量2.20m3 /m2 ・日の性能
であった。
【0040】また、1000ppmのポリエチレングリ
コール(分子量5万)水溶液を用いる以外は同条件で分
離性能を評価したところ、阻止率は57.6%、造水量
2.23m3 /m2 ・日の性能であった。
【0041】実施例4 実施例1において、FR−PPSS支持膜の製膜の際
に、製膜原液に塩化リチウムの代わりに臭化リチウム
1.0重量%を使用する以外は同様に行った結果、阻止
率は78.9%、造水量2.45m3 /m2 ・日の性能
であった。
【0042】また、1000ppmのポリエチレングリ
コール(分子量5万)水溶液を用いる以外は同条件で分
離性能を評価したところ、阻止率は46.1%、造水量
2.56m3 /m2 ・日の性能であった。
【0043】実施例5 実施例1において、FR−PPSS支持膜の製膜の際
に、製膜原液に塩化リチウムの代わりに過塩素酸リチウ
ム1.0重量%を使用する以外は同様に行った結果、阻
止率は88.9%、造水量2.24m3 /m2 ・日の性
能であった。
【0044】また、1000ppmのポリエチレングリ
コール(分子量5万)水溶液を用いる以外は同条件で分
離性能を評価したところ、阻止率は44.3%、造水量
2.43m3 /m2 ・日の性能であった。
【0045】以上のように、本発明は、溶質の分子量が
同じならば、従来例よりも優れた阻止率を有するなどの
卓越した性能を示した。
【0046】
【発明の効果】本発明により、極めて優れた耐熱性、耐
薬品性を有し、分離性能のコントロールが容易であるた
めに、優れた分離性能を持つ限外濾過膜およびその製造
方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得た膜厚60μmの微多孔性支持膜
の薄膜の断面の電界放射型走査電子顕微鏡写真(倍率1
000倍)である。
【図2】比較例1で得た膜厚65μmの微多孔性支持膜
の薄膜の断面の電界放射型走査電子顕微鏡写真(倍率1
000倍)である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖にスルフィド結合を有する下記の一
    般式の繰り返し単位で表される重合体を用いた微多孔性
    膜において、膜の一方の表面からもう一方の表面に向か
    って、5〜100オングストロームの平均孔径の細孔を
    有する厚み0.5〜2.0μmの緻密な表面層と、膜の
    厚み方向に伸びた0.1〜2μmの平均孔径の細孔を有
    する厚み5〜20μmの多孔質構造の中間層と、0.1
    〜10μmの平均孔径の細孔を有する厚み30〜50μ
    mの空隙率が高い多孔層からなり、しかも孔径の大きさ
    の変化は膜の一方の表面からもう一方の表面にわたって
    連続的であり、膜全体が一つの層を形成してなることを
    特徴とする微多孔性膜。 式 −(Ph−S)m −(Ph−SO2 n − (但し式中Phはフェニレン基を表し、m,nは自然数
    を表す。)
  2. 【請求項2】 請求項1における重合体が、下記式の繰
    り返し単位で表される交互共重合体であることを特徴と
    する微多孔性膜。 式 −(Ph−S−Ph−SO2 n − (但し式中Phはフェニレン基を表し、nは80ないし
    200の整数を表す。)
  3. 【請求項3】 請求項1における微多孔性膜において、
    実質上膜の分離性能を決定する緻密な層が、分子量2万
    のポリエチレングリコール水溶液から該ポリエチレング
    リコールを10%以上阻止できる限外濾過性能を有する
    ことを特徴とする微多孔性膜。
  4. 【請求項4】 請求項1における微多孔性膜の膜厚が1
    0〜200μmであることを特徴とする微多孔性膜。
  5. 【請求項5】 主鎖にスルフィド結合を有する下記の一
    般式の繰り返し単位で表される重合体を用いた微多孔性
    膜において、膜の一方の表面からもう一方の表面に向か
    って、5〜100オングストロームの平均孔径の細孔を
    有する厚み0.5〜2.0μmの緻密な表面層と、膜の
    厚み方向に伸びた0.1〜2μmの平均孔径の細孔を有
    する厚み5〜20μmの多孔質構造の中間層と、0.1
    〜10μmの平均孔径の細孔を有する厚み30〜50μ
    mの空隙率が高い多孔層からなり、しかも孔径の大きさ
    の変化は膜の一方の表面からもう一方の表面にわたって
    連続的であり、膜全体が一つの層を形成してなることを
    特徴とする微多孔性膜を製造するに際して、該重合体を
    有機溶媒で溶解した後、基板上に流延し実質的に水から
    なる媒体中で凝固することにより、該微多孔性膜を製造
    する方法において、該重合体の溶媒として、該重合体に
    対して0.5〜20重量%のリチウム塩を溶解せしめた
    非プロトン性極性有機溶媒を用いることを特徴とする微
    多孔性膜の製造方法。 式 −(Ph−S)m −(Ph−SO2 n − (但し式中Phはフェニレン基を表し、m,nは自然数
    を表す。)
  6. 【請求項6】 請求項5における重合体溶液濃度が15
    〜20重量%であることを特徴とする微多孔性膜の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項5において、リチウム塩が水酸化
    リチウムと無機酸または有機酸から形成される、少なく
    とも一種類の一塩基酸の塩であることを特徴とする微多
    孔性膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5において、非プロトン性極性有
    機溶媒がスルホキシド類、ピロリドン類、イミダゾール
    類、イミダゾリジノン類、リン酸アミド類から選ばれる
    少なくとも一種類であることを特徴とする、微多孔性膜
    の製造方法。
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JP35552592A Pending JPH06182168A (ja) 1992-12-17 1992-12-17 微多孔性膜およびその製造方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009202076A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Toray Ind Inc 分離膜
JPWO2016021731A1 (ja) * 2014-08-08 2017-07-13 東レ株式会社 耐溶剤性分離膜
WO2023243204A1 (ja) * 2022-06-14 2023-12-21 Dic株式会社 芳香族チオエーテルスルホン重合体、組成物及び成形品並びにそれらの製造方法

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