JP2004203768A - 紫外線防御化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い紫外線防御効果、特に高い長波長紫外線防御効果を有し、且つ透明性が高い紫外線防御化粧料を提供する。
【解決手段】粒子形状が略粒状で、一次粒子の平均粒子径が0.001〜0.1μmであり、紫外線防御能及び可視光の透過性を有する微粒子金属酸化物と、粒子形状が薄片状で、平均の大きさが0.1μm〜1μm、平均の厚みが0.01μm〜0.2μm、アスペクト比が3以上の薄片状酸化亜鉛を、9.5/0.5〜7/3の重量比(微粒子金属酸化物/薄片状酸化亜鉛)で含有する紫外線防御化粧料である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い紫外線防御効果、特に高い長波長紫外線防御効果を有し、且つ透明性に優れた紫外線防御化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
地表に届く太陽光線の紫外線は、長波長紫外線UVA(320〜400nm)および中波長紫外線UVB(280〜320nm)に分けられ、さらに、UVAはUVAII(320〜340nm)とUVAI(340〜400nm)に分けられる。UVBは、短時間で肌に紅斑や浮腫などの炎症(サンバーン)を起こさせ、そのあと数日後に色素沈着を引き起こすサンタンの作用があり、さらに、皮膚の老化、発ガンの原因にもなり得るとされている。一方、UVAは、表皮に存在する淡色のメラニン色素を濃色のメラニン色素に変化させ、皮膚を黒くする即時黒化を引き起こすとともに、肌のハリや弾力の低下の原因となるとされている。
【0003】
これら紫外線を防御するために、紫外線を効率よく吸収する有機系紫外線吸収剤や紫外線を散乱させる紫外線防御粉体を配合した日焼け止め化粧料が用いられている。UVBに対する防御については、特にUVB防御効果を示す指標であるSPF値を向上させ、同時に化粧料として要求されている肌に塗布したときの透明性も維持するために、種々の検討がなされている。例えば、紫外線防御粉体と有機系紫外線吸収剤を特定の比率で組み合わせたり、また粒子径の小さい紫外線防御粉体を均一に分散させることで、高い紫外線防御効果を有しながら、かつ肌に塗布したときの透明性を向上することができる。
【0004】
しかしながら、化粧料として要求される透明性を向上させると、長波長UVA、特にUVAIに対する防御効果は不充分となる傾向がある。また、十分なSPF値(UVB防御能)を有する日焼け止め化粧料を使用したときは、UVB防御を過信して起こりうる日光の暴露時間の増加により、かえって大量のUVAを浴びる可能性がある。これらのことから、UVB防御のためのSPF値向上と共にUVA防御効果を向上させることも重要な課題と考えられている。
【0005】
一方、UVA防御効果を改良する試みとしては、例えば、特許文献1には、大きさの異なる数種の酸化チタン、すなわち、粒子形状が板状で、大きさが0.01〜0.10μmで、厚みが0.003〜0.03μmである微粒子酸化チタンと、粒子形状が球状に近く、平均粒子径が0.01〜0.10μmである微粒子酸化チタン、および/または粒子形状が紡錘状で短径が0.005〜0.02μm、長径が0.01〜0.10μmの微粒子酸化チタンを含有する化粧料が提案されている。しかしながら、UVA防御効果の向上を目的として屈折率の高い酸化チタンを高配合すると、塗布時に白さが残り、満足できる仕上がり、特に透明性の点で不充分となる。
【0006】
さらに、UVBからUVAまでの領域全てを遮蔽する粉体としては、酸化亜鉛が広く用いられている。特許文献2には、平均粒径0.1μm以上1μm未満、平均粒子厚さ0.01μm〜0.2μm及び平均板状比(アスペクト比)3以上である薄片状酸化亜鉛粉末を配合することで、UVBからUVAの遮蔽効果の高い日焼け止め化粧料が得られることが記載されている。しかしながら、紫外線防御効果を向上するために上記薄片状粉体を高配合すると、塗布時の白残りや使用感の点で不十分な場合がある。
【0007】
また特許文献3には、粒子形状が紡錘状又は針状で、且つ短径が0.005〜0.1μm、長径が0.01〜0.5μmである微粒子酸化チタンと、平均粒子径が0.1〜30μm、平均粒子厚みが0.01〜0.5μmで、且つアスペクト比が3以上の薄片状酸化亜鉛を含有する化粧料が開示されている。しかしながら、塗布時の白さ、つまり化粧料を塗布した際の透明感のなさの点で問題がある。
【0008】
また、特許文献4には、劈開化膨潤性層状粘土鉱物の表面を酸化亜鉛で被覆して得られた表面被覆薄片状粉体を用いる方法が提案されている。この方法は、透明性を維持したまま紫外線防御効果を得るには有用であるが、長波長紫外線、特により可視光に近い370nm以上のUVAを遮蔽する効果が低くなってしまう。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−110639号公報
【特許文献2】
特開平8−12526号公報
【特許文献3】
特開平11−35440号公報
【特許文献4】
特開平9−188611号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高い紫外線防御効果、特に高い長波長紫外線防御効果を有し、且つ透明性が高い紫外線防御化粧料を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、UVBからUVAIIまでの広範囲の紫外線防御効果及び可視光の透過性を有する微粒子金属酸化物と、粒子形状が薄片状で、UVAIIから可視光に近いUVAIの散乱効果の高い酸化亜鉛を、特定の重量比で組み合わせて用いることにより、使用感を低下させることなく効率よく紫外線防御効果を向上させることができ、しかも塗布時の透明性が高くなることを見出した。
【0012】
すなわち、本発明は、粒子形状が略粒状で、一次粒子の平均粒子径が0.001〜0.1μmであり、紫外線防御能及び可視光の透過性を有する微粒子金属酸化物と、粒子形状が薄片状で、平均の大きさが0.1μm〜1μm、平均の厚みが0.01μm〜0.2μm、アスペクト比が3以上の薄片状酸化亜鉛を、9.5/0.5〜7/3の重量比(微粒子金属酸化物/薄片状酸化亜鉛)で含有する紫外線防御化粧料を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の紫外線防御化粧料に用いられる2種類の形状の異なる粉体のうち、一方は、粒子形状が略粒状で、一次粒子の平均粒子径が0.001〜0.1μmであり、紫外線防御能及び可視光の透過性を有する微粒子金属酸化物(以下、微粒子酸化物とする)である。ここで「略粒状」の粒子とは、粒子形状が真球状のもののほか、楕円形のものも含み、また粒子の表面に凹凸を有するもの等を含み、真球状でない場合は、粒子径の長径と短径の比が3以下であるものである。また、紫外線防御能を有するとは、領域が280〜400nmの範囲の紫外線、特に280〜340nmのUVB、UBAIIを吸収または散乱する効果を有することをいう。さらに、可視光の透過性を有するとは、粉体5重量%をシリコーンに分散させた分散液を、1mg/cm2の塗布量で皮膚に塗布したときに白残りしない透明性を有することであり、好ましくは、粉体10重量%シリコーン分散液においても白残りしない透明性を有することである。
【0014】
微粒子酸化物の一次粒子の平均粒子径は、塗布時の使用感の点から0.001μm以上とし、更に0.005μm以上、特に0.01μm以上とすることが好ましい。また、該平均粒子径は、化粧料を塗布したときの透明性の点から0.1μm以下とし、更に0.08μm以下、特に0.06μm以下とすることが好ましい。ここで平均粒子径は、電子顕微鏡により求められる値をいう。
【0015】
本発明の微粒子酸化物は、UVBからUBAIIの広範囲の紫外線を吸収又は散乱する効果を有する金属酸化物である。特に、紫外線を吸収又は散乱する効果が高い点から酸化亜鉛、酸化チタン、及び酸化セリウムから選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
【0016】
微粒子酸化物の市販品としては、例えば、微粒子酸化亜鉛としては、FINEX−25、FINEX−50、FINEX−75(以上、堺化学(株));MZ500シリーズ、MZ700シリーズ(以上、テイカ(株))ZnO−350(以上、住友大阪セメント(株))等が挙げられる。微粒子酸化チタンとしては、TTO−55シリーズ、TTO−51シリーズ(以上、石原産業(株));JRシリーズ、JAシリーズ(以上、テイカ(株))等が挙げられる。また、微粒子酸化セリウムとしては、ニッキ社あるいはセイミケミカル社から販売されている高純度酸化セリウムが含まれる。このうち特に酸化亜鉛又は酸化チタンであることが好ましい。
【0017】
本発明においては、微粒子酸化物の表面は、化粧料中での分散性を高め、その紫外線防御効果および透明性を向上するために、通常化粧料用粉体に施されている表面処理をしているものを用いることが好ましい。
【0018】
表面処理の方法としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、シリコーン樹脂等による処理、アニオン活性剤、カチオン活性剤等の界面活性剤による処理、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、テフロン(登録商標)、ポリアミノ酸等の高分子による処理、パーフルオロ基含有化合物、レシチン、コラーゲン、金属石鹸、親油性ワックス、多価アルコール部分エステルまたは完全エステル部等による処理方法が挙げられる。
また、微粒子酸化物は、粉末そのもの、油剤分散物、水分散物等、化粧料に配合したときに分散性が良好であればいかなる状態で提供されてもよい。油剤分散物又は水分散物として配合する際は、微粒子酸化物の粉体をあらかじめ高分散させてあるものを用いる方が、紫外線防御効果及び可視光の透過性がより高くなり、結果として化粧料の紫外線防御効果及び透明性が向上するため、これら微粒子酸化物の高分散物(以下、微粒子高分散体とする)を用いるか、又は微粒子高分散体と粉末状の微粒子酸化物とを組み合わせて用いることが好ましい。
【0019】
微粒子高分散体としては、例えば、特開平8−12961号公報、特開平9−100112号公報、特開平11−131048号公報、特開平2000−290156号公報などに記載の超微粒子分散体が挙げられる。
【0020】
本発明の紫外線防御化粧料に用いられる2種類の形状の異なる粉体のうち、もう一方は、粒子形状が薄片状で、平均の大きさが0.1μm〜1μm、平均の厚みが0.01μm〜0.2μm、アスペクト比が3以上の薄片状酸化亜鉛であり、特に長波長UVAI(340nm〜400nm)の散乱効果が高い粉体である。
【0021】
ここで、平均の大きさとは、電子顕微鏡写真で測定した平均粒子径をいい、凝集して分散性を低下させない点から0.1μm以上とし、透明性及び紫外線吸収性が高い点から1μm以下とするが、更に0.1μm〜0.8μm、特に0.2μm〜0.7μmであることが好ましい。平均の厚みは、薄片状形態が崩れにくい点から0.01μm以上とし、使用感が良好な点から0.2μm以下とするが、更に0.01μm〜0.1μm、特に0.01μm〜0.05μmであることが好ましい。
【0022】
アスペクト比は透明性を高くする点から3以上であるが、更に5以上であることが好ましく、特に7以上であることが好ましい。ここで、アスペクト比は、平均の大きさ/平均の厚みにより求められる値をいう。
【0023】
本発明の薄片状酸化亜鉛としては、さらに、+2価以上の元素を亜鉛100モルに対して0.005〜1.0モル含有することにより、透明性を向上させた薄片状酸化亜鉛が好ましい。ここで「含有する」状態としては、+2価以上の元素が母粒子となる薄片状酸化亜鉛の表面又はその内部に結合・保持されている状態が好ましい。
【0024】
+2価以上の元素としては、鉄、ジルコニウム、カルシウム、ゲルマニウム、マンガン、マグネシウム、イットリウム等の金属を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも紫外線の防御効果が高いことから、鉄、ジルコニウム、マグネシウムが好ましい。また、これらの元素を組み合わせて使用する場合には、ジルコニウムと鉄、ジルコニウムとマグネシウム、鉄とマグネシウム、鉄とカルシウム、マグネシウムとゲルマニウムの組み合わせが好ましい。
【0025】
+2価以上の元素の含有量は、紫外線防御性の向上の点から、薄片状酸化亜鉛粉末の亜鉛量100モルに対して0.005モル以上とし、0.01モル以上であることが更に好ましい。また、良好な紫外線防御性の点から1.0モル以下とし、0.5モル以下であることが更に好ましい。なお、+2価以上の元素の含有量は、含有元素を溶解する酸またはアルカリ溶液に粉末を溶解し、IPC発光分析等により求めることができる。
また、薄片状酸化亜鉛の表面は、化粧料中での分散性を高めるために、表面処理をしているものを用いることが好ましい。表面処理の方法としては、前記微粒子金属酸化物の表面処理に用いられる方法を用いることができる。
【0026】
本発明の薄片状酸化亜鉛としては、例えば、特開平1−175921号公報、特開平1−230431号公報、特開平8−12526号公報、特開平9−137152号公報等に記載の薄片状酸化亜鉛が挙げられる。
【0027】
本発明において、特に微粒子金属酸化物と薄片状酸化亜鉛の配合比は、UVAに対する充分な防御効果と、化粧料として塗布時の白さが強くなく十分な透明性を確保する兼ね合いから、重量比で微粒子金属酸化物/薄片状酸化亜鉛=9.5/0.5〜7/3、さらに9.3/0.7〜7.5/2.5であることが好ましい。
【0028】
このように、粒子形状が略粒状でUVBからUVAIIの広範囲にわたる紫外線防御能及び可視光の透過性を有する微粒子金属酸化物と、薄片状でUVAIIから可視光に近いUVAIの散乱効果の高い酸化亜鉛を、特定の範囲内で組み合わせて用いることにより、使用感を低下させることなく効率よく紫外線防御効果を向上させることができ、しかも透明性が高い化粧料を得ることができる。
【0029】
また、微粒子金属酸化物と薄片状酸化亜鉛の合計配合量は、紫外線防御効果及び化粧料を塗布した際の透明性とのバランスの点から、化粧料全組成中の1.0〜50.0重量%が好ましく、更に3.0〜40.0重量%、特に5.0〜30.0重量%であることが好ましい。
【0030】
本発明の化粧料において、更に有機紫外線吸収剤を配合することにより、紫外線防御効果をより高めることができる。
【0031】
用いられる有機紫外線吸収剤としては、特に限定されず、油溶性、水溶性のいずれも好適に使用することができる。
【0032】
油溶性の有機紫外線吸収剤としては、安息香酸系のもの、アセトラニリック酸系のもの、サリチル酸系のもの、桂皮酸系のもの、ベンゾフェノン系のものが含まれる。安息香酸系紫外線吸収剤としては、安息香酸系のものとして、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、グリセリルPABA、エチルジヒドロキシプロピルPABA、N−エトキシレートPABAエチルエステル、N−ジメチルPABAエチルエステル、N−ジメチルPABAブチルエステル、N−ジメチルPABAアミノエステル、オクチルジメチルPABA等が;アセトラニリック酸系のものとして、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等が挙げられる。サリチル酸系紫外線吸収剤としては、アミルサリチレート、メンチルサリチレート、ホモメンチルサリチレート、オクチルサリチレート、フェニルサリチレート、ベンジルサリチレート、p−イソプロパノールフェニルサリチレート等が挙げられる。桂皮酸系紫外線吸収剤としては、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイルジパラメトキシシンナメート等が挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニルベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。更に上記以外に、3−(4’−メチルベンジリデン)−dl−カンファー、3−ベンジリデン−dl−カンファ−、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニルー5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジベンザラシン、ジアニソイルメタン、4−メトキシー4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチルー2−ノルボニリデン)−3−ペンタンー2−オン、特開平2−212579号公報記載のベンゼン−ビス−1,3−ジケトン誘導体、特開平3−220153号公報記載のベンゾイルピナコロン誘導体等が挙げられる。
【0033】
水溶性の有機紫外線吸収剤としては、ジエタノールアミンp−メトキシシンナメート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム、テトラヒドロキシベンゾフェノン、メチルヘルペリジン、3−ヒドロキシ−4−メトキシ桂皮酸ナトリウム、フェノラ酸ナトリウム、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸(ユーソレックス、メルク社)、ウロカニン酸等や、セイヨウノコギリソウ、アロエ、ビロウドアオイ、ゴボウ、サルビア等の動植物のエキスで、紫外線吸収作用をもつもの等が挙げられる。
【0034】
化粧料中における有機紫外線吸収剤の配合量は、剤型等により異なるが、紫外線防護効果を高める点から全組成中に0.1〜25.0重量%であることが好ましく、0.5〜10.0重量%であることがさらに好ましい。有機紫外線吸収剤の配合量は、上記範囲内であれば、紫外線防御効果が充分に高まると共に、油性感が強くなることがなく使用感も良好であり好ましい。
【0035】
また、本発明の化粧料には通常化粧料用に用いられている成分、例えば、液体油、固形脂(ワックス)、半固形油、アルコール類、水、保湿剤、水溶性高分子、油溶性高分子、高分子ラテックス、各種界面活性剤、薬剤、植物抽出液、セラミド類、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤、pH調整剤、増粘剤、酸化防止剤、防腐剤、香料等を使用できる。
【0036】
本発明の化粧料は、紫外線防御性を付加した各種の化粧料、例えば、スキンケア化粧料、メイクアップ化粧料、頭髪化粧料等として用いられる。また、本発明の剤型は、粉末状、粉末固形状、水中油型乳化状、ローション状、油性固形状、油性液状、ペースト状、多層状、ゲル状等が挙げられる。特に、メイクアップ化粧料としては、日焼け止め化粧料、ファンデーション、白粉、化粧下地、頬紅、口紅、コンシーラー、アイ製品等が挙げられる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0038】
(評価方法)
(1)紫外線防御効果
SPFアナライザー(Optometrics社)を用いてSPF値を測定し、以下の基準で示した。
[UVB防御効果評価基準]:
○;SPF値が30以上。
△;SPF値が20以上30未満。
×;SPF値が20未満。
[UVA防御効果評価基準]:
○;T(UVA)が20%未満。
△;T(UVA)が20%以上25%未満。
×;T(UVA)が25%以上。
ここで、T(UVA)は次式により定義される。
【0039】
【数1】
Figure 2004203768
【0040】
(2)透明性(塗布時の白さ)
SPFアナライザー(Optometrics社)を用いて全透過光スペクトルを測定し、450nmの波長における透過率の値から、以下の基準で示した。
○:T(450nm)が55%以上。
△:T(450nm)が45%以上55%未満。
×:T(450nm)が45%未満。
【0041】
(実施例1、比較例1〜5)
表1に示す組成で化粧料を下記の製法にて調製した。得られた化粧料について、紫外線防御効果、透明性(塗布時の白さ)について評価を行った。評価結果を合わせて表1に示す。
(製法)
成分(4)〜(6)を混合し、この中にディスパーを用いて成分(7)中によく分散させた粉体(1)〜(3)を添加し、さらに成分(8)及び(9)を加えて均一にすることにより化粧料を製造した。
【0042】
【表1】
Figure 2004203768
【0043】
本発明品である実施例1は、UVA及びUVBの紫外線防御効果、透明性のいずれにも優れるものであった。一方、微粒子金属酸化物及び薄片状酸化亜鉛のいずれか一方を又は両方を含まない比較例1〜4は、UVB防御効果、UVA防御効果、透明性のいずれか若しくは全てに劣るものであった。微粒子金属酸化物と薄片状酸化亜鉛の重量比が3/2で本発明の範囲に入らない比較例5は、UVA及びUVB防御効果、透明性に劣るものであった。
【0044】
(実施例2、比較例6)
表2に示す組成で液状紫外線防御化粧料を下記の製法にて調製した。得られた各化粧料について、紫外線防御効果、透明性(塗布時の白さ)について上記方法に従い評価を行った。各化粧料の評価結果を表2に示す。
(製法)
成分(3)〜(5)を混合し、この中にディスパーを用いて成分(6)中によく分散させた粉体(1)及び(2)を添加し、さらに成分(7)及び(8)を加えて均一にすることにより化粧料を製造した。
【0045】
【表2】
Figure 2004203768
【0046】
薄片状酸化亜鉛を含まない比較例6は、UVA防御効果、透明性について実施例2に比べて劣るものであった。
【0047】
(実施例3、比較例7)
表3に示す組成で液状紫外線防御化粧料を下記の製法にて調製した。得られた各化粧料について、紫外線防御効果、透明性(塗布時の白さ)について上記方法に従い評価を行った。各化粧料の評価結果を表3に示す。
(製法)
成分(4)〜(6)を混合し、この中にディスパーを用いて成分(7)中によく分散させた粉体(1)〜(3)を添加し、さらに成分(8)及び(9)を加えて均一にすることにより化粧料を製造した。
【0048】
【表3】
Figure 2004203768
【0049】
薄片状酸化亜鉛を含まない比較例7は、UVA防御効果について実施例3に比べて劣るものであった。
【0050】
【発明の効果】
本発明の化粧料は、特定の粒子形状及び平均粒子径を有しUVBからUVAIIの紫外線防御効果及び可視光の透過性を有する微粒子金属酸化物と、特定の形状のUVAIIから可視光に近いUVAIの散乱効果の高い薄片状酸化亜鉛を、特定の重量比で組み合わせて用いることにより、使用感を低下させることなく高い紫外線防御効果、特に高い長波長紫外線防御効果を有し、且つ透明性も良好である。

Claims (4)

  1. 粒子形状が略粒状で、一次粒子の平均粒子径が0.001〜0.1μmであり、紫外線防御能及び可視光の透過性を有する微粒子金属酸化物と、粒子形状が薄片状で、平均の大きさが0.1μm〜1μm、平均の厚みが0.01μm〜0.2μm、アスペクト比が3以上の薄片状酸化亜鉛を、9.5/0.5〜7/3の重量比(微粒子金属酸化物/薄片状酸化亜鉛)で含有する紫外線防御化粧料。
  2. 前記微粒子金属酸化物が、酸化亜鉛、酸化チタン、及び酸化セリウムから選択される1種又は2種以上からなる請求項1に記載の紫外線防御化粧料。
  3. 更に、有機紫外線吸収剤を含有する請求項1又は2に記載の紫外線防御化粧料。
  4. 前記微粒子金属酸化物と前記薄片状酸化亜鉛の合計配合量が、化粧料全組成中の1.0〜50.0重量%である請求項1乃至3のいずれかに記載の紫外線防御化粧料。
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